(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044118
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】バンクシステム、ファイル自動生成方法及びキャプチャ端末
(51)【国際特許分類】
H04N 5/91 20060101AFI20240326BHJP
H04N 21/2343 20110101ALI20240326BHJP
H04N 21/8549 20110101ALI20240326BHJP
H04N 5/93 20060101ALI20240326BHJP
H04N 5/765 20060101ALI20240326BHJP
H04N 5/262 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
H04N5/91
H04N21/2343
H04N21/8549
H04N5/93
H04N5/765
H04N5/262
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022149466
(22)【出願日】2022-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉本 凌
【テーマコード(参考)】
5C023
5C053
5C164
【Fターム(参考)】
5C023AA01
5C023BA05
5C023DA04
5C053FA14
5C053GB06
5C053JA21
5C164FA29
5C164MC03P
5C164PA33
5C164SA21S
5C164SB02P
5C164SB36S
(57)【要約】 (修正有)
【課題】少ない人的作業で素材の低解像度ファイルを生成するバンクシステム、ファイル自動生成方法及びキャプチャ端末を提供する。
【解決手段】放送送出システムのビデオサーバシステムであるバンクシステムは、ビデオサーバと、低解像度ファイル生成部を備えるキャプチャ端末と、ストレージ部してのとしてのNAS/トランスコーダと、を含む。ビデオサーバは、放送用に準備された素材データを収録する。低解像度ファイル生成部は、ビデオサーバに対して素材データの再生制御指示を送信し、再生制御指示に応答して自動的に再生される映像音声信号に基づいて素材データの低解像度ファイルを生成する。NAS/トランスコーダは、低解像度ファイル生成部が生成した低解像度ファイルを格納する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送用に準備された素材データを収録するビデオサーバと、
前記ビデオサーバに対して前記素材データの再生制御指示を送信し、前記再生制御指示に応答して自動的に再生される映像音声信号に基づいて前記素材データの低解像度ファイルを生成する低解像度ファイル生成部と、
前記低解像度ファイル生成部によって生成された前記低解像度ファイルを格納するストレージ部と、
を備えたバンクシステム。
【請求項2】
前記ビデオサーバが収録する素材データのステータスを管理する素材管理サーバをさらに備え、
前記低解像度ファイル生成部は、前記素材管理サーバにおいて低解像度ファイルが未生成であるステータスを有する素材データと対象素材データとして、前記ビデオサーバに対して前記再生制御指示を送信する、
請求項1に記載のバンクシステム。
【請求項3】
前記低解像度ファイル生成部は、前記対象素材データの前記低解像度ファイルが生成された場合には、前記素材管理サーバに対して、前記対象素材データのステータスを更新する更新指示を送信し、
前記素材管理サーバは、前記更新指示に応答して、前記対象素材データのステータスを低解像度ファイル生成済として更新する、
請求項2に記載のバンクシステム。
【請求項4】
バンクシステムのキャプチャ端末が、
放送用に準備された素材データを収録するビデオサーバに対して前記素材データの再生制御指示を送信し、
前記再生制御指示に応答して自動的に再生される映像音声信号に基づいて前記素材データの低解像度ファイルを生成し、
生成された前記低解像度ファイルをストレージ部に出力すること、
を備えたファイル自動生成方法。
【請求項5】
放送用に準備された素材データを収録するビデオサーバに対して前記素材データの再生制御指示を送信する管理部と、
前記再生制御指示に応答して自動的に再生される映像音声信号に基づいて前記素材データの低解像度ファイルを生成する低解像度ファイル生成部と、
前記低解像度ファイル生成部によって生成された前記低解像度ファイルをストレージ部に出力する出力部と、
を備えたキャプチャ端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、バンクシステム、ファイル自動生成方法及びキャプチャ端末に関する。
【背景技術】
【0002】
取材・撮影によって取得され放送局に搬入されてきた映像音声ファイルは、編集を経て、放送送出システムのビデオサーバシステム(以下、「バンクシステム」とも言う)のビデオサーバに放送用映像音声ファイルとして収録し保管される。放送用映像音声ファイル(以下、単に「素材」とも言う)は、放送する前において、そのコンテンツ、品質に問題が無いことが確認される。この確認作業はプレビュー処理と呼ばれる。
【0003】
バンクシステムにおいて、プレビュー処理の結果その品質等に問題がなかった放送用の素材は、「プレビュー完了」というステータスによって管理される。ステータスが「プレビュー完了」となった素材については、その後低解像度ファイル(以下、「低レゾファイル」とも呼ぶ)が生成される。この低レゾファイルは、営業放送システムにおいて、素材の放送日前に素材の内容を簡易に確認する場合等に利用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、低解像度ファイルは、バンクシステムのビデオサーバに放送用素材を収録後、ファイリングプレビュー端末からバンクシステムに対して担当者の人為的な処理を行うことにより生成される。従って、担当者確保、担当者の作業負担が問題となっている。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、従来に比して少ない人的作業により素材の低解像度ファイルを生成可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係るバンクシステムは、ビデオサーバと、低解像度ファイル生成部と、ストレージ部と、を備える。前記ビデオサーバは、放送用に準備された素材データを収録する。前記低解像度ファイル生成部とは、前記ビデオサーバに対して前記素材データの再生制御指示を送信し、前記再生制御指示に応答して自動的に再生される映像音声信号に基づいて前記素材データの低解像度ファイルを生成する。前記ストレージ部は、前記低解像度ファイル生成部によって生成された前記低解像度ファイルを格納する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係るバンクシステムを備えた放送システムの概略を説明するための構成図である。
【
図2】実施形態に係るバンクシステムが備えるキャプチャ端末の機能ブロックの一例を示した図である。
【
図3】低レゾファイル生成処理を説明するためのシーケンスフローである。
【
図4】低レゾファイル生成処理におけるキャプチャ端末の処理の詳細の一例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、実施形態に係るバンクシステム、ファイル自動生成方法及びキャプチャ端末について説明する。なお、以下の実施形態では、同一の参照符号を付した部分は同様の動作をおこなうものとして、重複する説明を適宜省略する。以下の実施形態は開示の技術を限定するものではない。そして、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0010】
図1は、実施形態に係るバンクシステム2を備えた放送システムSの概略を説明するための構成図である。
図1に示した様に、放送システムSは、営業放送システム1、バンクシステム2を備える。
【0011】
営業放送システム1は、バンクシステム2に対する上位のシステムであり、コンピュータシステム(EDPS:Electric Data Processing System)から構成される。営業放送システム1は、プレビュー担当者がプレビュー処理を実行する際に用いられる。
【0012】
バンクシステム2は、放送局に搬入され編集された映像音声ファイルとしての素材を保存し管理するシステムである。また、バンクシステム2は、素材をサーバに収録する際に、素材に対応する低解像度ファイルを自動的に生成する。
【0013】
バンクシステム2は、キャプチャ端末20、素材管理サーバ30、ビデオサーバ40、スイッチャ50、NAS/トランスコーダ60を備える。
【0014】
キャプチャ端末20は、素材管理サーバ30のデータベースにアクセスし、低レゾファイル生成対象となる素材データの有無を確認する。キャプチャ端末20は、素材管理サーバ30のデータベースに低レゾファイル生成対象となる素材データが存在する場合には、当該素材データの低レゾファイルを自動的に生成する低レゾファイル生成処理を実行する。なお、低レゾファイル生成処理は「低レゾファイル作成処理」とも言う。
【0015】
図2は、キャプチャ端末20の機能ブロックの一例を示した図である。
図2に示した様に、キャプチャ端末20は、映像ファイル管理部21、低レゾファイル管理部23、低レゾファイル生成部25を備える。
【0016】
映像ファイル管理部21は、素材管理サーバ30に対して、CM素材の管理情報及びVAF素材の管理情報を例えば定周期で確認し、収録済の素材が存在するか否かを判定する。映像ファイル管理部21は、収録済の素材が存在する場合、ビデオサーバ40に対して素材の再生制御指示を送信する。
【0017】
低レゾファイル管理部23は、ビデオサーバ40に収録された素材の低レゾファイルが生成されているか否かを管理する。低レゾファイル管理部23は、低レゾファイルが生成されていない素材について低レゾファイルの生成指示を低レゾファイル生成部25へ送出する。低レゾファイル管理部23は、低レゾファイル生成部25が生成した低レゾファイルをNAS/トランスコーダ60へ送出する。低レゾファイル管理部23は、低レゾファイルがNAS/トランスコーダ60に格納された対象素材について、映像ファイル管理部21に対して管理情報の更新指示を送出する。この管理情報の更新指示により、例えば対象素材の管理情報に含まれるステータス情報を、プレビュー処理によって確認済であることを示す「プレビューOK」等に更新する。
【0018】
低レゾファイル生成部25は、低レゾファイル管理部23からの指示に応答して、スイッチャ50から流れてくる映像音声信号を用いて、対象素材について低レゾファイルを自動的に生成する。ここで、低レゾファイル生成部25が生成する低レゾファイルは、例えば、音声wavファイル、映像mp4ファイル、静止画jpegファイル、サムネイルを含むものである。
【0019】
図1に戻り、素材管理サーバ30は、素材を管理するための管理情報を格納し管理する。ここで、素材を管理するための管理情報とは、当該素材がビデオサーバ40に収録されたか否か、素材に対応する低レゾファイルが生成され保存されたか否か等を示すステータス情報を含む。
【0020】
ビデオサーバ40は、映像音声ファイルとしての素材を収録する。なお、ビデオサーバ40が収録する素材は、CMデータとVAF(Video Audio File:番組提供者名などを動画・音声に重畳するデータを格納したファイル)データに対応するものとがある。また、ビデオサーバ40は、例えば素材のMXFファイル(Material eXchange Format ファイル)を生成し保存する。なお、MXFファイルは、デジタル映像・デジタル音声を扱うためのコンテナフォーマットの一例である。
【0021】
ビデオサーバ40は、キャプチャ端末20からの再生制御指示に応答して、対象素材をデコード再生する。ビデオサーバ40は、デコード再生した素材の映像音声信号をスイッチャ50へ出力する。
【0022】
スイッチャ50は、ビデオサーバ40から入力する映像音声信号を切り替える。例えば、スイッチャ50は、ビデオサーバ40から入力する映像音声信号と、例えばスタジオ等で収録された映像ソースとを切り替えて、映像音声信号を出力する。スイッチャ50が出力した映像音声信号は、キャプチャ端末20へ流れる。
【0023】
NAS/トランスコーダ60は、低レゾファイル管理部23から送出された生成した低レゾファイルを格納する。
【0024】
(低レゾファイル生成処理)
次に、バンクシステム2が実行する低レゾファイル生成処理について説明する。ここで、低レゾファイル生成処理とは、キャプチャ端末20が、ビデオサーバ40に収録済の素材を自動的に順次再生し、再生された素材の映像音声データに基づいて低レゾファイルを自動的に生成し管理するものである。
【0025】
図3は、低レゾファイル生成処理を説明するためのシーケンスフローである。
図3に示した様に、キャプチャ端末20は、素材を管理する素材管理サーバ30に対して通信接続を実施する(ステップS1)。
【0026】
キャプチャ端末20は、異常終了等への対応策としてフェイルセーフ処理を実行する(ステップS2)。
【0027】
キャプチャ端末20は、フェイルセーフ処理を実行した後、素材管理サーバ30にアクセスし、低レゾファイルの生成対象となる素材のデータ(対象素材データ)を検索する(ステップS3)。キャプチャ端末20は、検索の結果、対象素材データを検出する。
【0028】
キャプチャ端末20は、検出した対象素材データが所定の条件を満たす場合、対象素材データの管理情報に含まれるステータス情報を「使用中」に変更することで、対象素材データを更新し(ステップS4)、素材管理サーバ30のデータベースを更新する(ステップS5)。この更新処理により、ファイリング端末などの他機器から、対象素材データを制御できないようにする排他処理が実現される。
【0029】
キャプチャ端末20は、素材管理サーバ30からキャプチャ専用チャンネル情報を取得し、キャプチャする映像音声信号のポートを認識してポートチャンネルの確保を実行する
(ステップS6)。
【0030】
キャプチャ端末20は、キャプチャ専用チャンネル情報Hを取得後、スイッチャ50に対してスイッチャ制御信号を送信する(ステップS7)。
【0031】
キャプチャ端末20は、ビデオサーバ40に対して、対象素材データの再生制御指示を送信する(ステップS8)。
【0032】
ビデオサーバ40は、キャプチャ端末20からの再生制御指示に応答して、対象素材データをデコード再生する(ステップS9)。再生された対象素材データの映像音声信号は、スイッチャ50へ出力される。
【0033】
キャプチャ端末20は、スイッチャ50を経由して出力されるデコード再生映像音声信号のキャプチャ処理を開始する(ステップS10)。なお、キャプチャ処理とは、例えば、所定の時間間隔によって、映像音声信号から生成される画面単位の画像情報(画像ファイル)である。なお、時間間隔は、フレーム単位で変更することができる。
【0034】
キャプチャ端末20は、キャプチャ処理によってデコード再生映像音声信号の取得を継続する(ステップS11)。
【0035】
キャプチャ端末20は、キャプチャ処理によって取得されたデコード再生映像音声信号を用いて、低レゾファイルを生成する(ステップS12)。
【0036】
キャプチャ端末20は、ビデオサーバ40からの素材再生処理の終了通知を受信し(ステップS13)、キャプチャ処理を終了する(ステップS14)。
【0037】
キャプチャ端末20は、生成した低レゾファイルをNAS/トランスコーダ60に格納する(ステップS14)。
【0038】
キャプチャ端末20は、素材管理サーバ30にアクセスし、対象素材の低レゾファイルの生成が完了したとして、対象素材の管理情報を更新する(ステップS15)。
【0039】
ユーザは、営業放送システム1を介して、例えばプレビュー担当者の指示に応答して、NAS/トランスコーダ60に格納された低レゾファイルにアクセスしてファイルを開くことで、自動生成された低レゾファイルを再生して確認する(ステップS16)。
【0040】
次に、低レゾファイル生成処理におけるキャプチャ端末20の処理の詳細について説明する。
図4は、
図3に示した低レゾファイル生成処理におけるキャプチャ端末20の処理の詳細の一例を示したフローチャートである。以下、
図4を参照しながらキャプチャ端末20が実行する低レゾファイル生成処理について説明する。
【0041】
キャプチャ端末20は、初期処理として、素材管理サーバ30と通信接続し、低レゾファイル生成処理を開始する(ステップS20)。
【0042】
キャプチャ端末20は、フェイルセーフ処理を実行する(ステップS21)。ここで、フェイルセーフ処理とは、異常終了や素材管理サーバ30及びビデオサーバ40におけるデータの更新失敗等の発生を想定して、低レゾファイル生成処理の起動時にステータスが低レゾファイル生成処理中となっている素材について、そのステータスを未生成(未作成)に戻す処理である。
【0043】
キャプチャ端末20は、低レゾファイル生成処理の対象となるCM素材とVAF素材について、対象素材検索処理を交互に実行する(ステップS23)。
【0044】
キャプチャ端末20は、CM素材とVAF素材とのいずれの対象素材も存在しないと判定した場合には(ステップS24のNo)、一定時間待機した後(ステップS25)、ステップS22、ステップS23の処理を再び実行する。
【0045】
キャプチャ端末20は、CM素材とVAF素材とのどちらかの対象素材が存在すると判定した場合には(ステップS24のYes)、ステップS22、ステップS23の処理を再び実行する。
【0046】
キャプチャ端末20は、対象素材が存在する場合には(ステップS23のYes)、素材排他処理(すなわち、対象素材が他機器からの制御を受けない様にする処理)を実行する(ステップS26)。
【0047】
キャプチャ端末20は、専用のチャンネルポートの確保に進み(ステップS27)、空きチャンネルが存在するか否かを判定する(ステップS28)。
【0048】
キャプチャ端末20は、チャンネルに空きが無いと判定した場合には(ステップS28のNo)、失敗が所定回数(
図4の例では3回)未満であるか否かを判定する(ステップS29)。
【0049】
キャプチャ端末20は、失敗が回未満であると判定した場合には(ステップS29のYes)、一定期間の待機した後(ステップS30)、ステップS26、S27の処理を再度実行する。
【0050】
一方、キャプチャ端末20は、失敗が3回未満ではないと判定した場合には(ステップS29のNo)、エラーが発生したと判定しエラー処理を実行する(ステップS47)。
【0051】
また、キャプチャ端末20は、チャンネルに空きが有ると判定した場合には(ステップS28のYes)、専用のチャンネルを確保しスイッチャ50に関する制御を開始する(ステップS31)。
【0052】
キャプチャ端末20は、スイッチャ50に関する制御を成功できなかった場合には(ステップS32のNo)、一定期間待機した後(ステップS30)エラーが発生したと判定しエラー処理を実行する(ステップS47)。
【0053】
キャプチャ端末20は、専用のチャンネルを確保しスイッチャ50に関する制御を成功した場合には(ステップS32のYes)、ビデオサーバ40を制御し素材の再生処理を実行する(ステップS33)。
【0054】
キャプチャ端末20は、再生処理に関する制御(再生制御)が成功した場合には(ステップS34のYes)、キャプチャ制御処理及び低レゾファイル生成処理を開始する(ステップS35)。
【0055】
一方、キャプチャ端末20は、再生処理に関する制御(再生制御)が成功しなかった場合には(ステップS34のNo)、失敗が所定回数(
図4の例では3回)未満であるか否かを判定する(ステップS37)。
【0056】
キャプチャ端末20は、失敗が3回未満であると判定した場合には(ステップS37のYes)、ステップS33~ステップS36の処理を再度実行する。
【0057】
一方、キャプチャ端末20は、失敗が3回未満ではないと判定した場合には(ステップS37のNo)、スイッチャ50に関する制御を終了する(ステップS38)。キャプチャ端末20は、スイッチャ50に関する制御を終了した後エラーが発生したと判定しエラー処理を実行し(ステップS47)、ステップS21の処理に戻る。
【0058】
キャプチャ端末20は、キャプチャ制御処理が完了したか否かを判定する(ステップS36)。キャプチャ端末20は、キャプチャ制御処理が完了したと判定した場合には(ステップS36のYes)、スイッチャ50に関する制御を終了する(ステップS39)。
【0059】
キャプチャ端末20は、確保した専用のチャンネルポートを解除し(ステップS40)、生成された低レゾファイルをNAS/トランスコーダ60へコピーするコピー処理を実行する(ステップS41)。
【0060】
キャプチャ端末20は、低レゾファイルのNAS/トランスコーダ60へコピーが成功したか否かを判定する(ステップS42)。
【0061】
キャプチャ端末20は、低レゾファイルのNAS/トランスコーダ60へコピーが成功したと判定した場合には(ステップS42のYes)、低レゾファイル生成の完了処理を実行する(ステップS43)。
【0062】
一方、キャプチャ端末20は、低レゾファイルのNAS/トランスコーダ60へコピーが成功していないと判定した場合には(ステップS42のNo)、エラーが発生したと判定しエラー処理を実行し(ステップS47)、ステップS21の処理に戻る。
【0063】
キャプチャ端末20は、低レゾファイル生成の完了処理が成功した場合には(ステップS44のYes)、営業放送システム(EDPS)1へ低レゾファイル生成処理が完了したことを示す結果を送信する(ステップS45)。
【0064】
キャプチャ端末20は、低レゾファイル生成の完了処理が成功していないと判定した場合には(ステップS44のNo)、エラーが発生したと判定しエラー処理を実行し(ステップS47)、ステップS21の処理に戻る。
【0065】
キャプチャ端末20は、低レゾファイル生成処理の終了を指示するボタンが操作されたか否かを判定する(ステップS46)。
【0066】
キャプチャ端末20は、低レゾファイル生成処理の終了を指示するボタンが操作されたと判定した場合には(ステップS46のYes)、低レゾファイル生成処理を終了する。
【0067】
一方、キャプチャ端末20は、低レゾファイル生成処理の終了を指示するボタンが操作されていないと判定した場合には(ステップS46のNo)、ステップS21からの処理を繰り返し実行する。
【0068】
実施形態に係るバンクシステム2は、ビデオサーバ40と、低レゾファイル生成部25を有するキャプチャ端末20と、ストレージ部としてのNAS/トランスコーダ60とを備える。ビデオサーバ40は、放送用に準備された素材データを収録する。低レゾファイル生成部25は、ビデオサーバ40に対して素材データの再生制御指示を送信し、再生制御指示に応答して自動的に再生される映像音声信号に基づいて素材データの低解像度ファイルを生成する。NAS/トランスコーダ60は、低解像度ファイル生成部によって生成された低解像度ファイルを格納する。
【0069】
上記構成によれば、キャプチャ端末20は、ビデオサーバ40に収録済の素材を自動的に順次再生し、再生された素材の映像音声データに基づいて低レゾファイルを自動的に生成し管理する。従来の低レゾファイル生成処理は、プレビュー担当者が、素材をビデオサーバに収録し、ビデオサーバに収録された素材をファイリング端末でプレビュー処理を実行し、プレビュー処理において素材に問題がないことが確認された後に、低レゾファイルが生成され始めるといった一連の流れであった。従って、従来に比して、確保しなければならない担当者の人数を少なくでき、担当者の作業負担を軽減することができる。その結果、従来に比して少ない人的作業により素材の低解像度ファイルを生成することができる。また、人為的作業を従来に比して少なくなるため、人為的ミスの発生を低減することができる。
【0070】
また、上記構成によれば、ビデオサーバ40が収録する素材データのステータスを管理する素材管理サーバ30をさらに備える。キャプチャ端末20の低レゾファイル生成部25は、素材管理サーバ30において低解像度ファイルが未生成であるステータスを有する素材データと対象素材データとして、ビデオサーバ40に対して再生制御指示を送信する。
【0071】
従って、キャプチャ端末20は、ビデオサーバ40が収録する素材データのうち、低解像度ファイルが未生成であるものに対して、低解像度ファイルの生成を自動的に実行することができる。その結果、従来に比して少ない人的作業により素材の低解像度ファイルを生成することができる。
【0072】
また、上記構成によれば、キャプチャ端末20の低レゾファイル生成部25は、対象素材データの低解像度ファイルが生成された場合には、素材管理サーバ30に対して、対象素材データのステータスを更新する更新指示を送信する。素材管理サーバ30は、更新指示に応答して、対象素材データのステータスを低解像度ファイル生成済として更新する。
【0073】
従って、低解像度ファイルが生成されている素材については、必ずステータスが更新された状態で管理される。その結果、ユーザは、例えば素材管理サーバ30の管理情報を参照し、低解像度ファイルが正常に生成されている素材については放送可能状態であることを判断できる。
【0074】
(変形例)
上記実施形態に係るバンクシステム2は、例えば素材管理サーバ、ビデオサーバ、スイッチャを備える既存のバンクシステムにおいて、低レゾファイル生成処理を実現するプログラムがインストールされたコンピュータを追加しキャプチャ端末20として機能させることによっても実現することができる。
【0075】
なお、上記各実施形態において説明した伝送方法は、コンピュータによって実行可能なプログラムによっても実現することができる。すなわち、上記各実施形態において説明した伝送方法を実現するプログラムをメモリに格納し、コンピュータの処理回路により当該プログラムをメモリから読み出し、ソフトウエアとハードウエア資源とが協働することによって、上記各実施形態において説明した伝送システム又は伝送方法を構築することも可能である。
【0076】
以上、本発明のいくつかの実施形態(及び変形例)を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0077】
1 営業放送システム
2 バンクシステム
20 キャプチャ端末
21 映像ファイル管理部
23 低レゾファイル管理部
25 低レゾファイル生成部
30 素材管理サーバ
40 ビデオサーバ
50 スイッチャ
60 NAS/トランスコーダ