IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社バンダイの特許一覧

<>
  • 特開-模型玩具、及び可動構造体 図1
  • 特開-模型玩具、及び可動構造体 図2
  • 特開-模型玩具、及び可動構造体 図3
  • 特開-模型玩具、及び可動構造体 図4
  • 特開-模型玩具、及び可動構造体 図5
  • 特開-模型玩具、及び可動構造体 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044132
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】模型玩具、及び可動構造体
(51)【国際特許分類】
   A63H 3/04 20060101AFI20240326BHJP
   A63H 3/36 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
A63H3/04 Z
A63H3/36 C
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022149504
(22)【出願日】2022-09-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林田 翔一
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150AA13
2C150BC02
2C150CA02
2C150EH06
2C150EH07
2C150EH08
2C150EH09
(57)【要約】
【課題】本発明は例えば、模型玩具において、自然な動作や多彩な外観を実現する新規の仕組みを提供する。
【解決手段】本模型玩具は、変形可能な芯材と、芯材を保持する基部パーツと、芯材を挿入する挿入部と、連結部とを有する複数の第1パーツと、芯材を挿入する挿入部を有し、連結部を有していない複数の第2パーツと、それぞれが複数の第1パーツにおける連結部の何れかに連結される複数の第3パーツとを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
模型玩具であって、
変形可能な芯材と、
前記芯材を保持する基部パーツと、
前記芯材を挿入する挿入部と、連結部とを有する複数の第1パーツと、
前記芯材を挿入する前記挿入部を有し、前記連結部を有していない複数の第2パーツと、
それぞれが前記複数の第1パーツにおける前記連結部の何れかに連結される前記複数の第3パーツと
を備えることを特徴とする模型玩具。
【請求項2】
前記第1パーツと前記第2パーツとは前記芯材に交互に挿入されて組み付けられることを特徴とする請求項1に記載の模型玩具。
【請求項3】
前記第1パーツの前記連結部は球形状で形成され、
前記第3パーツは前記球形状の連結部に回動可能に連結されることを特徴とする請求項1に記載の模型玩具。
【請求項4】
前記球形状の連結部は前記第1パーツの上部に形成され、
前記複数の第1パーツ及び前記複数の第2パーツのそれぞれが前記芯材に挿入されて、蛇腹状に組み付けられ、
前記複数の第3パーツは、前記蛇腹状に組み付けられたパーツを上部から覆うように前記複数の第1パーツに対して連結されることを特徴とする請求項3に記載の模型玩具。
【請求項5】
前記複数の第3パーツのそれぞれは、前記複数の第1パーツ及び前記複数の第2パーツのそれぞれよりも大きいサイズを有することを特徴とする請求項4に記載の模型玩具。
【請求項6】
前記芯材は、前記複数の第1パーツ及び前記複数の第2パーツが挿入された状態において、一部が曲げられることを特徴とする請求項1に記載の模型玩具。
【請求項7】
前記芯材には、前記複数の第1パーツ及び前記複数の第2パーツが挿入された状態で、更に、前記模型玩具の他のパーツへ接続するための連結部材が挿入されることを特徴とする請求項1に記載の模型玩具。
【請求項8】
前記複数の第1パーツ及び前記複数の第2パーツは、前記模型玩具における頸部の内側を形成し、
前記複数の第3パーツは前記頸部の外側を形成することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の模型玩具。
【請求項9】
前記基部パーツは、前記模型玩具における頭部を形成するパーツに連結される連結部をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の模型玩具。
【請求項10】
可動構造体であって、
変形可能な芯材と、
前記芯材を保持する基部パーツと、
前記芯材を挿入する挿入部と、連結部とを有する複数の第1パーツと、
前記芯材を挿入する前記挿入部を有し、前記連結部を有していない複数の第2パーツと、
それぞれが前記複数の第1パーツにおける前記連結部の何れかに連結される前記複数の第3パーツと
を備えることを特徴とする可動構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、模型玩具、及び可動構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
模型玩具においては、自然な動作や多彩なポージングを実現することが求められている。したがって、人間や動物に近い動作やポージングを実現すべく、人形型玩具には種々の関節や可動部が含まれるものである。特許文献1には、現実の動物と同様なリアルな動きを可能とした関節構造を有している四足動物人形が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-17264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、多彩な動作を実現するために種々の関節が含まれ、各関節は複数のパーツから構成されている。しかし、頸椎、胸椎、腰椎、尾椎などの脊椎については複数の椎がそれぞれ関節で接続されており、それらの椎や関節における全てのパーツを小型の模型において再現することは難しい。つまり、頸椎、胸椎、腰椎、尾椎などの脊椎を構成する部位についても少数のパーツを用いて、その自然な動作や多彩な外観を実現することが要求されている。
【0005】
本発明は例えば、模型玩具において、自然な動作や多彩な外観を実現する新規の仕組みを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、例えば、模型玩具であって、変形可能な芯材と、前記芯材を保持する基部パーツと、前記芯材を挿入する挿入部と、連結部とを有する複数の第1パーツと、前記芯材を挿入する前記挿入部を有し、前記連結部を有していない複数の第2パーツと、それぞれが前記複数の第1パーツにおける前記連結部の何れかに連結される前記複数の第3パーツとを備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、例えば、可動構造体であって、変形可能な芯材と、前記芯材を保持する基部パーツと、前記芯材を挿入する挿入部と、連結部とを有する複数の第1パーツと、前記芯材を挿入する前記挿入部を有し、前記連結部を有していない複数の第2パーツと、それぞれが前記複数の第1パーツにおける前記連結部の何れかに連結される前記複数の第3パーツとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば例えば、模型玩具において、自然な動作や多彩な外観を実現する新規の仕組みを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係る模型玩具の外観側面の一例を示す図。
図2】一実施形態に係る模型玩具の頸部の(a)側面図、及び(b)分解図。
図3】一実施形態に係る模型玩具の頸部の(a)、(b)一パーツ、及び(c)芯材を示す図。
図4】一実施形態に係る模型玩具の頸部における(a)鱗、及び(b)接続構成を示す図。
図5】一実施形態に係る模型玩具の頸部の組み付け構成を示す図。
図6】一実施形態に係る模型玩具を頸部の側断面を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴うち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
<模型玩具の外観>
まず、図1を参照して、本実施形態に係る模型玩具100の外観構成の一例について説明する。図1は模型玩具100の外観側面を示す。なお、上下、左右、前後の矢印については図における模型玩具の向きを示し、他の図面についても同様である。
【0012】
模型玩具(人形型玩具、模型とも称する。)100は、頭部101、頸部102、胴体部103、前脚部104、後脚部105、尻尾部106を備える。模型玩具100は、可動フィギアなどの可動式の模型玩具であり、各パーツは他の部材との関係で生じる制限領域の範囲内で可動させることができる。頭部101は頸部102に連結される。頸部102には、胴体部103が連結される。胴体部103の前方には、前脚部104が左右(左前脚部及び右前脚部)に連結され、後方には後脚部105が左右(左後脚部及び右後脚部)に連結され、後部には尻尾部106が連結される。なお、本実施形態に係る模型玩具100では、少なくとも頸部102の表面には鱗が形成されていることを表現している。
【0013】
<頸部の構成>
次に、図2を参照して、本実施形態に係る模型玩具100の頸部102の構成を説明する。図2(a)は図1に示す点線領域の頸部102の側面図を示す。図2(b)は図2(a)の分解図を示す。
【0014】
図2(b)に示すように、頸部102は、基部パーツ201、芯材202、複数の第1パーツ204a、204b、204c、204d、複数の第2パーツ205a、205b、205c、205d、複数の第3パーツ207a、207b、207c、207d、207e、連結部材203、及びパーツ206を含んで構成される。基部パーツ201は、頭部101への連結部と、芯材202を挿入して組み付ける取り付け部とを有する。芯材202は可塑性の素材で線状に形成され、力を加えることにより曲げることができ、曲げられた状態を保持することができる。本実施形態では、芯材202は可塑性の素材で形成される場合を説明するが、変形可能な素材であれば特に限られるものではない。例えば金属や樹脂等の様々な材料を用いることができる。なお、以下では、第1パーツ、第2パーツ、第3パーツについて、個別のパーツに言及する際には参照符号の末尾にアルファベットを付記し、全てのパーツに共通して言及する場合には参照符号の末尾のアルファベットを省略して記載する。
【0015】
芯材202には、複数の第1パーツ204及び複数の第2パーツ205が交互に挿入され組み付けられる。また、複数の第1パーツ204は、複数の第3パーツ205を連結するための連結部を有するように形成される。なお、第1パーツ204b、204c、204dの連結部は球形状で形成される。第1パーツ204aの連結部についても連結するパーツが回動する空間を確保できる場合には球形状に形成されてもよい。一方、複数の第2パーツ205は連結部を有さずに形成される。複数の第1パーツ204及び複数の第2パーツ205は、模型玩具100の頸部102における内側の首腹部を形成する。
【0016】
複数の第1パーツ204の連結部には、複数の第3パーツ207a~207dが可動可能に接続される。また、第1パーツ204b、204c、204dの連結部が球形状で形成されているため、少なくとも第3パーツ207b~207dは他のパーツとの制限の範囲内で全方向に回動可能に連結される。このような球形状の連結部についてはボールジョイントとも称する。
【0017】
芯材202に対して複数の第1パーツ204及び複数の第2パーツ205が組み付けられた状態で、さらに、連結部材203が挿入され組み付けられる。連結部材203には、パーツ206が下方から連結される連結部が形成される。連結部材203には、さらに、第3パーツ207eを連結するための連結部と、胴体部103を連結するための連結部とが設けられ、それらの連結部は球形状で形成される。
【0018】
また、本実施形態によれば、複数の第3パーツ207のそれぞれは、第1パーツ204及び第2パーツ205のそれぞれよりも大きいサイズを有する。したがって、第3パーツ207は第1パーツ204のみに連結され、第2パーツ205へは連結されない。さらに、第1パーツ204と第2パーツ205とを芯材202へ交互に挿入して組み付けることにより、第1パーツ204や第2パーツ205よりもサイズが大きい第3パーツ207を連結する空間を確保することができる。つまり、本実施形態によれば、第3パーツ207のパーツ数は、第1パーツ204及び第2パーツ205の合計パーツ数よりも少なく規定される。頸部等の脊椎において、内側の腹部と、外側の鱗部とのパーツ数を同数にする場合には、内側と外側とのパーツを一体化して1つのパーツで設けることが望ましい。一方で、外側の鱗部を少ない数で構成させたい場合には、本実施形態のように内側の腹部を構成する複数のパーツの一部に鱗部のパーツを連結するための連結部を設けることが望ましい。これにより、内側の腹部と、外側の鱗部が連動して動作するとともに、頸部における外側と内側とで印象の異なる外観及び動作を実現することができる。
【0019】
<芯材の構成>
次に、図3を参照して、本実施形態に係る基部パーツ201及び芯材202の詳細構成について説明する。図3(a)は本実施形態に係る基部パーツ201の側面図を示し、図3(b)は斜視図を示す。図3(c)は基部パーツ201に芯材202を組み付けた様子を示す斜視図を示す。
【0020】
図3(a)、(b)に示すように、基部パーツ201は、連結部301、302、303、及び取り付け部304を備える。取り付け部304は、左右に開口した空洞部305を有する。連結部301には、第1パーツ204aが連結される。本実施形態では、連結部301は第1パーツ204aを固定して連結するものであるが、空間的な制約等が許容できるのであれば、球形状の連結部として形成され、第1パーツ204aを回動可能に連結してもよい。連結部302には頸部102を構成する不図示のパーツが接続される。連結部303は円筒形状の連結部であり、頭部101が回転可能に連結される。連結部303についても球形状で形成されてもよい。
【0021】
図3(c)は、基部パーツ201に対して芯材202を取り付けた様子を示す。芯材202は、基部パーツ201の取り付け部304に取り付けられる。具体的には、取り付け部304の空洞部305に芯材202を通し、取り付け部304を中心に折り畳まれた状態で取り付けられる。このようにすることで、第1パーツ204及び第2パーツ205を組み付ける際に二重に折り畳まれたそれぞれの芯材202へ組み付けられ、より安定した組み付けを行うことができる。即ち、頸部102を動作させる際には、芯材202が折れ曲がることにより可動するものであるが、二重にすることで芯材202の破断等への耐性を高めることができる。
【0022】
<鱗の接続構成>
次に図4を参照して、本実施形態に係る鱗の接続構成について説明する。図4(a)は第1パーツ204b及び第2パーツ205bの正面図を示す。図4(b)は、第1パーツ204bと第3パーツ207bとの接続構成を示す。ここでは、第1パーツ204bと第2パーツ205bとの構成について説明するが、他の第1パーツや他の第2パーツの構成についても同様の構成であり、それらの説明については省略する。
【0023】
図4(a)に示すように、第1パーツ204bは、穴部401bと、連結部402bとを備える。一方、第2パーツ205bは、穴部403bを備えるものの、連結部は有していない。穴部401b、403bは、二重に折り畳まれて取り付けられた芯材202に組み付けられるように、それぞれ2つの穴が形成される。連結部402bは、球形状で形成される。図4(b)に示すように、連結部402bには、第1パーツ204bが芯材202に挿入されて組み付けられた状態で、第3パーツ207bが回動可能に連結される。なお、第1パーツ、第2パーツ、第3パーツは、それぞれ所定位置に配置した際に外部に露出する部分が模型玩具の外観を形成するものであることで、様々な模型玩具を表現することができる。本実施形態では、鱗を模したデザインとすることで翼竜の頸部を表現している。
【0024】
<頸部の組み付け手順>
次に、図5を参照して、本実施形態に係る頸部102の組み付け手順を説明する。図5(a)乃至図5(e)はそれぞれ頸部102の組み付け手順を示す。
【0025】
まず図5(a)に示すように、図3(c)に示す基部パーツ201に対して芯材202が二重にして取り付けられた後に、第1パーツ204a、第2パーツ205a、第1パーツ204bの順に芯材202を各穴部(芯材202を挿入可能な挿入部)に挿入して各パーツが組み付けられる。このように、第1パーツ204と第2パーツ205とが交互に芯材202に対して組み付けられる。つまり、連結部を有するパーツと、連結部を有していないパーツとが交互に組み付けられる。これは、上述したように第1パーツ204及び第2パーツ205よりもサイズの大きい第3パーツ207を組み付ける際の空間を確保するためである。なお、本実施形態では第1パーツ204と第2パーツ205とを交互に組み付ける例について説明するが、本発明を限定する意図はない。即ち、連結部を有するパーツを1つ組み付けた後に、連結部を有していない複数(2以上)のパーツを組み付けるようにしてもよい。これは、連結部に連結される第3パーツ207の大きさに依存するものである。また、連結部を組み付ける間隔は一定の間隔でなく、異なる間隔としてもよい。
【0026】
図5(b)に示すように、第1パーツ204と第2パーツ205とを芯材202に対して交互に組み付けた後に、さらに、パーツ206を連結部材203に接続した状態で当該連結部材203が芯材202に対して組み付けられる。連結部材203には、第1パーツ204及び第2パーツ205と同様に穴部が形成され、芯材202に挿入することができる。この状態において、二本の芯材202を捻じ曲げて交差させることが望ましい。これにより、組み付けた各パーツの脱落を防ぐことができる。
【0027】
続いて図5(d)に示すように、第1パーツ204及び第2パーツ205が芯材202に組み付けられた状態において、第3パーツ207a~207eがそれぞれ第1パーツ204a、204b、204c、204d及び連結部材203の連結部に回動可能に連結される。図5(e)は各第3パーツ207を取り付けた状態を示す。図5(e)に示すように、第1パーツ204及び第2パーツ205は蛇腹状に芯材202に対して組み付けられる。さらに蛇腹状に組み付けられた第1パーツ204及び第2パーツ205を上部から覆うように第3パーツ207が回動可能に組み付けられる。
【0028】
<頸部の可動構成>
次に、図6を参照して、本実施形態に係る模型玩具100における頸部102の可動構成を説明する。図6は頸部102の側断面図を示す。
【0029】
図6は頸部102を組み立てた際の通常の姿勢を示す。つまり、組み立て後の芯材202に対して力を加えず折り曲げていない状態を示す。しかし、点線領域601に示すように、組み立て後の通常状態において、芯材202の一部が折れ曲がった状態で組み付けられていることが分かる。これは、第1パーツ204及び第2パーツ205の穴部の高さと、最後に芯材202に対して組み付けられる連結部材203の穴部の高さが異なるために生じる状態である。これにより、芯材202から各パーツが抜けにくくなり、脱落を防ぐことができる。なお、ここでは、連結部材203の穴部の高さを変化させた例について説明したが、他のパーツ、例えば第1パーツ204や第2パーツ205の何れかの穴部の高さを変化させるようにしてもよい。また2つ以上のパーツの穴部の高さを変化させるようにしてもよい。
【0030】
また、図6の側断面図に示されるように、芯材202を曲げることにより、芯材に202に組み付けられた第1パーツ204、第2パーツ205、及び連結部材203が動作することがわかる。また、第1パーツ204に連結された第3パーツ207についても芯材202の曲がりに連動して動作することが分かる。さらに、各第3パーツ207は球形状の連結部に対して回動可能に連結されているため、芯材202の曲がりとは別に回動することができる。また、第3パーツ207は、第1パーツ204及び第2パーツ205よりも大きいサイズで形成される。これにより、例えば頭部101を下げるような動作、即ち、頸部102を下方向に曲げる動作を行った場合においても、第3パーツ間に隙間が生じることなく、自然な外観を維持した状態で頸部102の曲げ動作を実現することができる。また、曲げ動作自体についても芯材202に対して第1パーツ204及び第2パーツ205が蛇腹状に組み付けられているため、細かな曲げ動作を実現することができる。
【0031】
以上説明したように、本実施形態に係る模型玩具は、変形可能な芯材と、芯材を連結する基部パーツと、芯材を挿入する挿入部と、連結部とを有する複数の第1パーツと、芯材を挿入する挿入部を有し、連結部を有していない複数の第2パーツと、それぞれが複数の第1パーツにおける連結部の何れかに連結される複数の第3パーツとを備える。これにより、第1パーツ及び第2パーツを蛇腹状に芯材に対して組み付けることができ、細かな曲げ動作を実現することができる。一方、第1パーツ及び第2パーツの合計数よりも少ない数の第3パーツを芯材に対して組み付けられた第1パーツへ組み付けることにより、例えば頸部102の外側と内側とで印象の異なる動作を実現することができる。このように、本発明によれば、模型玩具において、脊椎などの自然な動作や多彩な外観を実現する新規の仕組みを提供することができる。なお、本実施形態では、頸椎を対象とした模型について説明したが、頸椎に限らず胸椎、腰椎、尾椎などの脊椎に適用することができる。また、脊椎以外にも様々な部分に適用可能である。
【0032】
<変形例>
本発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。例えば模型玩具の形状は、特に限定されるものではなく、人、動物、ロボット、昆虫、恐竜等、様々な形状を含むものである。
【0033】
<実施形態のまとめ>
上記実施形態は以下の模型玩具、及び可動構造体を少なくとも開示する。
【0034】
(1)模型玩具であって、
変形可能な芯材と、
前記芯材を保持する基部パーツと、
前記芯材を挿入する挿入部と、連結部とを有する複数の第1パーツと、
前記芯材を挿入する前記挿入部を有し、前記連結部を有していない複数の第2パーツと、
それぞれが前記複数の第1パーツにおける前記連結部の何れかに連結される前記複数の第3パーツと
を備えることを特徴とする模型玩具。
【0035】
(2)前記第1パーツと前記第2パーツとは前記芯材に交互に挿入されて組み付けられることを特徴とする請求項1に記載の模型玩具。
【0036】
(3)前記第1パーツの前記連結部は球形状で形成され、
前記第3パーツは前記球形状の連結部に回動可能に連結されることを特徴とする(1)又は(2)に記載の模型玩具。
【0037】
(4)前記球形状の連結部は前記第1パーツの上部に形成され、
前記複数の第1パーツ及び前記複数の第2パーツのそれぞれが前記芯材に挿入されて、蛇腹状に組み付けられ、
前記複数の第3パーツは、前記蛇腹状に組み付けられたパーツを上部から覆うように前記複数の第1パーツに対して連結されることを特徴とする(3)に記載の模型玩具。
【0038】
(5)前記複数の第3パーツのそれぞれは、前記複数の第1パーツ及び前記複数の第2パーツのそれぞれよりも大きいサイズを有することを特徴とする(1)乃至(4)の何れか1つに記載の模型玩具。
【0039】
(6)前記芯材は、前記複数の第1パーツ及び前記複数の第2パーツが挿入された状態において、一部が曲げられることを特徴とする(1)乃至(5)の何れか1つに記載の模型玩具。
【0040】
(7)前記芯材には、前記複数の第1パーツ及び前記複数の第2パーツが挿入された状態で、更に、前記模型玩具の他のパーツへ接続するための連結部材が挿入されることを特徴とする(1)乃至(6)の何れか1つに記載の模型玩具。
【0041】
(8)前記複数の第1パーツ及び前記複数の第2パーツは、前記模型玩具における頸部の内側を形成し、
前記複数の第3パーツは前記頸部の外側を形成することを特徴とする(1)乃至(7)の何れか1つに記載の模型玩具。
【0042】
(9)前記基部パーツは、前記模型玩具における頭部を形成するパーツに連結される連結部をさらに備えることを特徴とする(8)に記載の模型玩具。
【0043】
(10)可動構造体であって、
変形可能な芯材と、
前記芯材を保持する基部パーツと、
前記芯材を挿入する挿入部と、連結部とを有する複数の第1パーツと、
前記芯材を挿入する前記挿入部を有し、前記連結部を有していない複数の第2パーツと、
それぞれが前記複数の第1パーツにおける前記連結部の何れかに連結される前記複数の第3パーツと
を備えることを特徴とする可動構造体。
【符号の説明】
【0044】
100:模型玩具、101:頭部、102:頸部、103:胴体部、104:前脚部、105:後脚部、106:尻尾部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-12-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
模型玩具であって、
変形可能な芯材と、
前記芯材を保持する基部パーツと、
前記芯材を挿入する挿入部と、連結部とを有する複数の第1パーツと、
前記芯材を挿入する前記挿入部を有し、前記連結部を有していない複数の第2パーツと、
それぞれが前記複数の第1パーツにおける前記連結部の何れかに連結される複数の第3パーツと
を備えることを特徴とする模型玩具。
【請求項2】
前記第1パーツと前記第2パーツとは前記芯材に交互に挿入されて組み付けられることを特徴とする請求項1に記載の模型玩具。
【請求項3】
前記第1パーツの前記連結部は球形状で形成され、
前記第3パーツは前記球形状の連結部に回動可能に連結されることを特徴とする請求項1に記載の模型玩具。
【請求項4】
前記球形状の連結部は前記第1パーツの上部に形成され、
前記複数の第1パーツ及び前記複数の第2パーツのそれぞれが前記芯材に挿入されて、蛇腹状に組み付けられ、
前記複数の第3パーツは、前記蛇腹状に組み付けられたパーツを上部から覆うように前記複数の第1パーツに対して連結されることを特徴とする請求項3に記載の模型玩具。
【請求項5】
前記複数の第3パーツのそれぞれは、前記複数の第1パーツ及び前記複数の第2パーツのそれぞれよりも大きいサイズを有することを特徴とする請求項4に記載の模型玩具。
【請求項6】
前記芯材は、前記複数の第1パーツ及び前記複数の第2パーツが挿入された状態において、一部が曲げられることを特徴とする請求項1に記載の模型玩具。
【請求項7】
前記芯材には、前記複数の第1パーツ及び前記複数の第2パーツが挿入された状態で、更に、前記模型玩具の他のパーツへ接続するための連結部材が挿入されることを特徴とする請求項1に記載の模型玩具。
【請求項8】
前記複数の第1パーツ及び前記複数の第2パーツは、前記模型玩具における頸部の内側を形成し、
前記複数の第3パーツは前記頸部の外側を形成することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の模型玩具。
【請求項9】
前記基部パーツは、前記模型玩具における頭部を形成するパーツに連結される連結部をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の模型玩具。
【請求項10】
可動構造体であって、
変形可能な芯材と、
前記芯材を保持する基部パーツと、
前記芯材を挿入する挿入部と、連結部とを有する複数の第1パーツと、
前記芯材を挿入する前記挿入部を有し、前記連結部を有していない複数の第2パーツと、
それぞれが前記複数の第1パーツにおける前記連結部の何れかに連結される複数の第3パーツと
を備えることを特徴とする可動構造体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明は、例えば、模型玩具であって、変形可能な芯材と、前記芯材を保持する基部パーツと、前記芯材を挿入する挿入部と、連結部とを有する複数の第1パーツと、前記芯材を挿入する前記挿入部を有し、前記連結部を有していない複数の第2パーツと、それぞれが前記複数の第1パーツにおける前記連結部の何れかに連結される複数の第3パーツとを備えることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
また、本発明は、例えば、可動構造体であって、変形可能な芯材と、前記芯材を保持する基部パーツと、前記芯材を挿入する挿入部と、連結部とを有する複数の第1パーツと、前記芯材を挿入する前記挿入部を有し、前記連結部を有していない複数の第2パーツと、それぞれが前記複数の第1パーツにおける前記連結部の何れかに連結される複数の第3パーツとを備えることを特徴とする。