(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044156
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】情報収集装置、空調装置、及び列車
(51)【国際特許分類】
F24F 11/50 20180101AFI20240326BHJP
F24F 11/63 20180101ALI20240326BHJP
B61D 27/00 20060101ALI20240326BHJP
B61D 37/00 20060101ALI20240326BHJP
F24F 11/88 20180101ALI20240326BHJP
【FI】
F24F11/50
F24F11/63
B61D27/00 F
B61D37/00 G
B61D27/00 E
B61D27/00 Z
F24F11/88
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022149534
(22)【出願日】2022-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100103263
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 康
(72)【発明者】
【氏名】上條 芳武
(72)【発明者】
【氏名】小山 泰平
(72)【発明者】
【氏名】橋詰 尚志
(72)【発明者】
【氏名】祐川 直純
(72)【発明者】
【氏名】片柳 正宏
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AA20
3L260AB02
3L260BA61
3L260BA64
3L260CB02
3L260CB06
3L260CB08
3L260CB23
3L260CB24
3L260JA05
(57)【要約】
【課題】センサ数が増加しても、配線チェックが容易で、メンテナンス性を向上でき、ノイズの影響を抑制できる。
【解決手段】情報収集装置は、空調装置の室内部又は室外部の少なくとも一方に配置される複数の信号線からの複数の信号を受信する受信部と、前記複数の信号を複数の第1デジタル信号に変換する複数のアナログ-デジタル変換部と、前記複数の第1デジタル信号を空調制御装置に送信するとともに、前記空調制御装置からの第2デジタル信号を受信する通信部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調装置の室内部又は室外部の少なくとも一方に配置される複数の信号線からの複数の信号を受信する受信部と、
前記複数の信号を複数の第1デジタル信号に変換する複数のアナログ-デジタル変換部と、
前記複数の第1デジタル信号を空調制御装置に送信するとともに、前記空調制御装置からの第2デジタル信号を受信する通信部と、を備える、
情報収集装置。
【請求項2】
前記通信部を有する情報収集部と、
前記空調制御装置として機能し、前記情報収集部により制御可能な空調制御部と、を備える、
請求項1に記載の情報収集装置。
【請求項3】
前記通信部は、前記空調制御装置と有線又は無線でシリアル通信を行う、
請求項1に記載の情報収集装置。
【請求項4】
室内部に配置される第1熱交換装置と、
室外部に配置される第2熱交換装置と、
前記第1熱交換装置及び前記第2熱交換装置の間に配置される圧縮機と、
情報収集装置と、を備え、
前記情報収集装置は、
前記室内部又は前記室外部の少なくとも一方に配置される複数の信号線からの複数の信号を受信する受信部と、
前記複数の信号を複数の第1デジタル信号に変換する複数のアナログ-デジタル変換部と、
前記複数の第1デジタル信号を空調制御装置に送信するとともに、前記空調制御装置からの第2デジタル信号を受信する通信部と、を備える、
空調装置。
【請求項5】
前記情報収集装置は、
少なくとも1つの子機と、
前記通信部を有し、前記子機と無線通信を行う親機と、を有し、
前記子機は、前記受信部と、前記複数のアナログ-デジタル変換部とを有する、
請求項4に記載の空調装置。
【請求項6】
請求項4に記載の空調装置を搭載する列車。
【請求項7】
少なくとも1つの前記空調装置を有する、連結された複数の車両を備え、
前記車両内の前記空調装置の前記通信部は、他の前記車両内の前記空調装置の前記通信部と、無線通信を行う、
請求項6に記載の列車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、情報収集装置、空調装置、及び列車に関する。
【背景技術】
【0002】
空調装置は多機能化が進んでおり、空調装置内に設けられるセンサの数も増える傾向にある。これらセンサからの信号は、空調制御装置で一元的に管理されるが、センサ数の増加とともに、空調装置内の配線の数が増加し、配線の断線チェック等を含めたメンテナンスの負担が大きくなる。また、配線の数が増えるほど、ノイズの影響を受けやすくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021―75229号公報
【特許文献2】特許第3144810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本実施形態では、センサ数が増加しても、配線チェックが容易で、メンテナンス性を向上でき、ノイズの影響を抑制できる情報収集装置、空調装置、及び列車を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態に係る情報収集装置は、空調装置の室内部又は室外部の少なくとも一方に配置される複数の信号線からの複数の信号を受信する受信部と、前記複数の信号を複数の第1デジタル信号に変換する複数のアナログ-デジタル変換部と、前記複数の第1デジタル信号を空調制御装置に送信するとともに、前記空調制御装置からの第2デジタル信号を受信する通信部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1の実施形態に係る空調装置の構成を示す上面図である。
【
図2】第1の実施形態に係る情報収集装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】第2の実施形態における空調装置の構成を示す上面図である。
【
図4】第2の実施形態に係る情報収集装置の構成を示すブロック図である。
【
図5】第3の実施形態における空調装置の構成を示す上面図である。
【
図6】第3の実施形態に係る情報収集装置の構成を示すブロック図である。
【
図7】第4の実施形態における空調装置の構成を示す上面図である。
【
図8】第4の実施形態に係る情報収集装置の構成を示すブロック図である。
【
図9】第5の実施形態に係る列車の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る空調装置1の構成を示す上面図である。空調装置1は、例えば列車に搭載される。空調装置1は、室内部2と室外部3に分かれている。室内部2には例えば、室内熱交換器(第1熱交換器)21と室内送風機22が配置されている。室外部3には例えば、室外熱交換器(第2熱交換器)31、室外送風機32、及び圧縮機33が配置されている。なお、本明細書における空調とは、空気調節と空気調和の少なくとも一方の意味合いを含むものとする。
【0009】
空調装置1では、室内熱交換器21と室外熱交換器31との間を冷媒が循環する。冷媒は、室内熱交換器21及び室外熱交換器31の間において熱を移動させる。室内熱交換器21は、車両の内部空間の空気と冷媒との間で熱交換を行う。室外熱交換器31は、外気と冷媒との間で熱交換を行う。
【0010】
室外送風機32は、外気との熱交換を促す気流を発生させる。室内送風機22は、内部空間との熱交換を促す気流を発生させるとともに、熱交換された空気を、車両の内部空間へ供給する。
【0011】
圧縮機33は、室内熱交換器21及び室外熱交換器31の間に配置され、冷媒を圧縮する。圧縮機33が冷媒を圧縮することで、室内熱交換器21及び室外熱交換器31の間で冷媒の循環が促される。
【0012】
空調装置1は、情報収集装置4を備えている。情報収集装置4は、室内部2又は室外部3の少なくとも一方に配置されている。例えば、
図1においては室内部2に情報収集装置4が配置される例を示している。情報収集装置4は、室内部2と室外部3にまたがって配置されてもよい。また情報収集装置4は、室内部2、室外部3、又は室内部2と室外部3を仕切る仕切り部に配置されていてもよい。
【0013】
室内部2又は室外部3に配置される複数の機器には、例えば温度又は電流などを測定する複数のセンサが取り付けられている。情報収集装置4は、複数のセンサと複数の信号線で接続されている。情報収集装置4には例えば、室内熱交換器21の温度を測定するセンサから伸びる信号線211、室内送風機22の電流を測定するセンサから伸びる信号線221、室外熱交換器31の温度を測定するセンサから伸びる信号線311、室外送風機32の電流を測定するセンサから伸びる信号線321、及び圧縮機33の電流を測定するセンサから伸びる信号線331が、接続されている。
【0014】
情報収集装置4に接続される信号線は、上記の例に限定されない。例えば、空調装置1を不図示のインバータで制御する場合には、情報収集装置4にインバータ制御信号を伝送する信号線が接続されてもよい。また、情報収集装置4に空調制御するためのリレー、又は接触器などの信号を伝送する信号線が接続されてもよい。
【0015】
情報収集装置4は、各信号線を介して受信した信号をデジタル信号に変換し、シリアル伝送線511を介して空調制御装置51に送信する。また情報収集装置4は、空調制御装置51から、デジタル信号を受信する。空調制御装置51は、少なくとも1つの空調装置1を制御する。
【0016】
例えば、列車において、空調制御装置51は1つの車両に設けられた空調装置1を制御する。1つの車両に複数の空調装置1が設けられる場合、これら複数の空調装置1を1つの空調制御装置51が制御してもよいし、個々の空調装置1ごとに専用の空調制御装置51を設けてもよい。また、列車の複数の車両内の複数の空調装置1を1つの空調制御装置51が制御してもよい。いずれの場合も、各空調装置1の内部に設けられる情報収集装置4は、対応する空調制御装置51とシリアル通信を行う。
【0017】
空調制御装置51は、空調装置1のほか、不図示の車上機器(例えば、電車制御装置、電源装置、保安装置などを一括管理する機器)と情報の送受を行う場合がある。この場合は、1つの車両にはシリアル伝送線511のほか、車上機器と空調制御装置51との間で情報の送受を行う複数の伝送線が配置される場合がある。
【0018】
図2は、第1の実施形態に係る情報収集装置4の構成を示すブロック図である。情報収集装置4は、受信部41と、複数のアナログ-デジタル変換部(A/D変換部)42と、マスターIC(Integrated Circuit)431とを備える。
【0019】
受信部41は、空調装置1の室内部2又は室外部3の少なくとも一方に配置される複数の信号線からの複数の信号を受信する。
図2の例においては、センサ61~63と、インバータコントローラ64と、リレー(接触器)65が、情報収集装置4とアナログ信号線611~613、シリアル伝送線614、デジタル信号線615によって接続されている。なお、情報収集装置4に接続される信号線は、
図2の例に限定されない。アナログ信号線611~613、シリアル伝送線614、デジタル信号線615は、室内部2又は室外部3のいずれかに配置されるか、室内部2と室外部3とにまたがって配置される。受信部41は、アナログ信号線611~613、シリアル伝送線614、デジタル信号線615から、信号を受信する。
【0020】
アナログ-デジタル変換部42は、情報収集装置4に複数備えられ、受信部41とそれぞれ接続される。これら複数のアナログ-デジタル変換部42は、受信部41が受信した複数の信号を、アナログ-デジタル変換によって複数の第1デジタル信号に変換する。
【0021】
マスターIC431は、通信部43を構成する。通信部43は、空調制御装置51と有線又は無線のシリアル伝送線511で接続されている。
【0022】
通信部43は、複数の第1デジタル信号を空調制御装置51に送信するとともに、空調制御装置51からの第2デジタル信号を受信する。具体的には、通信部43を構成するマスターIC431は複数のアナログ-デジタル変換部42と接続されるとともに、空調制御装置51とシリアル伝送線511で接続される。マスターIC431は、複数のアナログ-デジタル変換部42から複数の第1デジタル信号を受け取り、シリアル伝送線511を介して空調制御装置51に送信する。また、空調制御装置51は、シリアル伝送線511を介して通信部43に第2デジタル信号を送信し、空調装置を制御する。制御は通常の制御に加えて、収集した情報をもとに制御することが可能となる。
【0023】
このように、本実施形態の空調装置1は、複数のセンサ61~63等からの信号線を集約して空調制御装置51とシリアル通信を行う情報収集装置4を備えている。これにより、複数の配線を空調装置1の外側に引き回す必要がなくなり、1つの車両内の配線数を削減できる。
【0024】
配線数を減らせることで、配線チェックが容易になり、メンテナンス性を向上できる。また、空調制御装置51と空調装置1との間では、デジタル信号を送受する。これにより、ノイズの影響を抑制できる。
【0025】
(第2の実施形態)
上述の通り、空調装置1が1つの車両に1つ配置される構成としてもよい。この場合、空調制御装置51は、空調装置1の内部に配置する構成をとることができる。あるいは、空調制御装置51は、情報収集装置4の内部に配置してもよい。
【0026】
図3は、第2の実施形態における空調装置1aの構成を示す上面図である。空調装置1aは情報収集装置4aを備える。また、空調装置1aは、情報収集装置4aと、車上機器53とを接続する、有線又は無線のシリアル伝送線521を備える。
図3では、空調装置1aが
図1の空調制御装置51と同等の機能を有することを前提としている。
【0027】
図4は、第2の実施形態における情報収集装置4aの構成を示すブロック図である。情報収集装置4aは、情報収集部44と、空調制御部52とを備える。
【0028】
情報収集部44は、受信部41と、複数のアナログ-デジタル変換部42と、通信部43とを有する。情報収集装置4aにおける受信部41及び複数のアナログ-デジタル変換部42の動作は、第1の実施形態に係る空調装置1における受信部41及び複数のアナログ-デジタル変換部42の動作と同様である。
【0029】
空調制御部52は、空調制御装置として機能する。空調制御部52は、通信部43内のマスターIC431と、有線又は無線のシリアル伝送線511で接続されている。空調制御部52は、情報収集部44の情報に基づいて空調装置を制御することが可能となる。具体的には、空調制御部52は、マスターIC431から、センサ61~63等で測定された複数の信号をアナログ-デジタル変換した複数の第1デジタル信号を受信する。空調制御部52は、これら複数の第1デジタル信号に基づき1つの車両の空調を制御する。また、空調制御部52は、第2デジタル信号を通信部43に送信し、空調装置を制御する。制御は通常の制御に加えて、収集した情報をもとに制御することが可能となる。
【0030】
このように、第2の実施形態では、空調制御装置51と同等の機能を実行する空調制御部52を情報収集装置4aの内部に配置する。これにより、情報収集装置4aと空調制御部52との距離を短くでき、ノイズ耐性が高くなる。また、第1の実施形態と同様に、情報収集装置4aと空調制御部52との間の配線数を減らすことができ、配線チェックが容易になり、メンテナンス性を向上できる。
【0031】
(第3の実施形態)
情報収集装置4は、様々な構成を取ることができる。例えば情報収集装置4は、空調装置1内のセンサと接続する子機と、空調制御装置51と接続する親機とで、構成してもよい。また子機を複数配置し、それぞれ異なるセンサと接続させてもよい。
【0032】
図5は、第3の実施形態における空調装置1bの構成を示す上面図である。空調装置1bは情報収集装置4bを備えている。情報収集装置4bは、親機70と、室内部2又は室外部3の少なくとも一方に配置される、少なくとも1つの子機71を有する。
図5の例では、情報収集装置4bに3つの子機71a、71b、71cが設けられている。
【0033】
親機70は、子機71a、71b、71cと無線通信を行う。親機70は、子機71a、71b、71cからセンサ等のデータを受信するとともに、空調制御装置51と有線又は無線のシリアル伝送線511を介してデジタル信号を送受信する。
【0034】
子機71aは、例えば室内部2に配置されている。子機71aには、室内熱交換器21の温度を測定するセンサから伸びる信号線211、室内送風機22の電流を測定するセンサから伸びる信号線221が接続されている。
【0035】
子機71bは、例えば室外部3に配置されている。子機71bには、室外熱交換器31の温度を測定するセンサから伸びる信号線311、室外送風機32の電流を測定するセンサから伸びる信号線321が接続されている。
【0036】
子機71cは、例えば室外部3内の圧縮機室3aに配置されている。圧縮機室3aは、例えば仕切り板3bによって区切られた空間であり、圧縮機33が配置されている。子機71cには、圧縮機33の電流を測定するセンサから伸びる信号線331が接続されている。
【0037】
情報収集装置4bは、親機70と、少なくとも1つの子機71で構成されていればよい。情報収集装置4bが有する子機71の数、親機70及びそれぞれの子機71の配置場所、及び子機71と空調装置1b内の各センサとの接続構成は、上記の例に限定されない。
【0038】
図6は、第3の実施形態における情報収集装置4bの構成を示すブロック図である。親機70は、通信部432を有する。通信部432は、第1の実施形態における通信部43と同様に、シリアル伝送線511を介して空調制御装置51と第1デジタル信号及び第2デジタル信号を送受信する。
【0039】
子機71は、受信部41と、複数のアナログ-デジタル変換部42と、マスターIC431を備えている。
図6の2つの子機71は、
図5の子機71a、71b、71cのいずれか2つであり、残りの1つは図示を省略している。
【0040】
受信部41は、第1の実施形態における受信部41と同様に、アナログ信号線611~613、シリアル伝送線614、デジタル信号線615から複数の信号を受信する。アナログ-デジタル変換部42は、受信部41が受信した複数の信号を、アナログーデジタル変換によって第1デジタル信号に変換する。マスターIC431は、無線を介して親機70に第1デジタル信号を送信する。
【0041】
このように、第3の実施形態における情報収集装置4bは、親機70と、親機70と無線通信を行う子機71とを備えている。この場合においても第1の実施形態と同様に、情報収集装置4bは複数のセンサからの信号線を集約し、デジタル信号で空調制御装置51に一括送信することができる。これにより、情報収集装置4bは、第1の実施形態と同様に、配線数を削減できることからメンテナンス性が向上し、ノイズの影響を抑制できる。また、子機71をセンサの付近に配置することで、センサと子機71間の配線長を短くすることができる。
【0042】
(第4の実施形態)
第3の実施形態における情報収集装置4bでは、子機71は親機70を介して、空調制御装置51とデジタル信号を送受信していた。これに対して、子機71と空調制御装置51とで直接デジタル信号を送受信してもよい。
【0043】
図7は、第4の実施形態における空調装置1cの構成を示す上面図である。空調装置1cは、室内部2又は室外部3の少なくとも一方に配置される、少なくとも1つの情報収集装置4を備える。
図7の例では、情報収集装置4c、4d、4eを備える。情報収集装置4c、4d、4eは、空調制御装置51と無線通信を行う。
【0044】
情報収集装置4cは、第3の実施形態における子機71aと同様に、信号線211、221が接続される。情報収集装置4dは、子機71bと同様に、信号線311、321が接続される。情報収集装置4eは、子機71cと同様に、信号線331が接続される。空調装置1cにおける、情報収集装置4の数、及び情報収集装置4と信号線の接続の構成は、上記の例に限定されない。
【0045】
図8は、第4の実施形態における情報収集装置4の構成を示すブロック図である。
図8の2つの情報収集装置4は、
図7の情報収集装置4c、4d、4eのいずれか2つであり、残りの1つは図示を省略している。情報収集装置4の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0046】
通信部43は、無線により複数の第1デジタル信号を空調制御装置51に送信するとともに、空調制御装置51からの第2デジタル信号を受信する。
【0047】
このように、第4の実施形態においては、少なくとも1つの情報収集装置4が空調制御装置51と無線で直接デジタル信号を送受信できる。この場合、親機は不要となり、第3の実施形態と比べて空調装置1c及び情報収集装置4の構成を簡略化することができる。また、第4の実施形態では、第1の実施形態と同様に、情報収集装置4ごとにセンサからの情報を集約し、デジタル信号で空調制御装置51に一括送信する。これにより、配線数を削減できることから、メンテナンス性が向上し、ノイズの影響を抑制できる。
【0048】
(第5の実施形態)
空調装置1は、列車に複数搭載される場合がある。この場合、空調装置1同士でデータを送受信し、列車全体の空調を制御してもよい。
【0049】
図9は、第5の実施形態に係る列車10の構成を示す模式図である。列車10は、少なくとも1つの空調装置1を有する、連結された複数の車両100a、100bを備えている。空調装置1は、少なくとも1つの情報収集装置4を有し、情報収集装置4は通信部43を有する。以下の説明では、車両100aに配置された通信部43を通信部43aと呼び、車両100bに配置された通信部43を通信部43bと呼ぶ。
【0050】
列車10においては、車両100a内の空調装置1内の通信部43aは、車両100bの空調装置1の通信部43bと、無線通信を行う。通信部43a及び通信部43bは、互いに情報収集装置4が収集した情報を送受信する。
【0051】
なお、通信部43a、43bは、同一車両内で無線通信を行うものでもよいし、異なる車両間で無線通信を行うものでもよい。通信部43a、43bが同一車両間で無線通信を行う場合、同一車両内で空調制御が完結するクローズドな環境とすることができる。
【0052】
このように、第5の実施形態による列車10は、同一車両内の複数の空調装置1の間での空調制御、あるいは異なる車両に設けられる複数の空調装置1の間での空調制御を行うことができる。これによって、各車両の空調装置の運転状態を詳細に把握しつつ、少ない配線で列車内の空調制御システムを構築することができ、配線チェックが容易となり、メンテナンス性が向上する。また、車両間の空調の違いを把握することで、異常が発生した場合の検知精度を向上させることができる。
【0053】
なお、本発明は上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって種々の発明を形成できる。また例えば、各実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除した構成も考えられる。さらに、異なる実施形態に記載した構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0054】
[付記]
[項目1]
空調装置の室内部又は室外部の少なくとも一方に配置される複数の信号線からの複数の信号を受信する受信部と、
前記複数の信号を複数の第1デジタル信号に変換する複数のアナログ-デジタル変換部と、
前記複数の第1デジタル信号を空調制御装置に送信するとともに、前記空調制御装置からの第2デジタル信号を受信する通信部と、を備える、
情報収集装置。
[項目2]
前記通信部を有する情報収集部と、
前記空調制御装置として機能し、前記情報収集部により制御可能な空調制御部と、を備える、
項目1に記載の情報収集装置。
[項目3]
前記通信部は、前記空調制御装置と有線又は無線でシリアル通信を行う、
項目1に記載の情報収集装置。
[項目4]
室内部に配置される第1熱交換装置と、
室外部に配置される第2熱交換装置と、
前記第1熱交換装置及び前記第2熱交換装置の間に配置される圧縮機と、
情報収集装置と、を備え、
前記情報収集装置は、
前記室内部又は前記室外部の少なくとも一方に配置される複数の信号線からの複数の信号を受信する受信部と、
前記複数の信号を複数の第1デジタル信号に変換する複数のアナログ-デジタル変換部と、
前記複数の第1デジタル信号を空調制御装置に送信するとともに、前記空調制御装置からの第2デジタル信号を受信する通信部と、を備える、
空調装置。
[項目5]
前記情報収集装置は、
少なくとも1つの子機と、
前記通信部を有し、前記子機と無線通信を行う親機と、を有し、
前記子機は、前記受信部と、前記複数のアナログ-デジタル変換部とを有する、
項目4に記載の空調装置。
[項目6]
項目4に記載の空調装置を搭載する列車。
[項目7]
少なくとも1つの前記空調装置を有する、連結された複数の車両を備え、
前記車両内の前記空調装置の前記通信部は、他の前記車両内の前記空調装置の前記通信部と、無線通信を行う、
項目6に記載の列車。
【符号の説明】
【0055】
1、1a、1b、1c 空調装置、2 室内部、3 室外部、3a 圧縮機室、3b 仕切り板、4、4a、4b、4c、4d、4e 情報収集装置、10 列車、21 室内熱交換器、22 室内送風機、31 室外熱交換器、32 室外送風機、33 圧縮機、41 受信部、42 アナログ-デジタル変換部、43、43a、43b、432 通信部、44 情報収集部、51 空調制御装置、52 空調制御部、53 車上機器、61、62、63 センサ、64 インバータコントローラ、65 リレー、70 親機、71、71a、71b、71c 子機、100a、100b 車両、211、221、311、321、331 信号線、611、612、613 アナログ信号線、614 シリアル伝送線、615 デジタル信号線、431 マスターIC、511、521