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特開2024-44159情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044159
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20240326BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240326BHJP
【FI】
G06Q30/06 312
G06Q50/10
G06Q30/06 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022149538
(22)【出願日】2022-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神崎 亜実
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB53
5L049BB55
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】複数の受注者がそれぞれ必要とするデータを考慮して、受注者毎の印刷にかかるコストを把握可能な情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】全印工連システム12は、CPUが、印刷データの仕様と、複数の印刷工場14のそれぞれが印刷データを印刷するために必用な情報とを取得し、取得した印刷データの仕様と、必用な情報に基づき、印刷データの印刷を発注するために必要なコストを印刷工場14毎に算出して提示する処理を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、前記プロセッサは、
印刷データの仕様と、複数の受注者のそれぞれが前記印刷データを印刷するために必用な情報とを取得し、
取得した前記印刷データの仕様と、前記必用な情報に基づき、前記印刷データの印刷を発注するために必要なコストを受注者毎に算出して提示する処理を行う情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、受注者の選択結果を受け付けて、選択された受注者に発注する処理を更に行う請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記印刷データに前記情報が埋め込まれ、かつ前記情報の埋め込みが不要な受注者が選択された場合、前記印刷データから前記情報を削除して発注する請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記必要な情報として、フォントデータを削除して発注する請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、コスト及び納期を前記受注者毎に更に提示する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記受注者をフィルタとして並べ替えて提示する請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記コストをフィルタとして並べ替えて提示する請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、納期をフィルタとして並べ替えて提示する請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項9】
請求項1に記載の情報処理装置と、
前記情報処理装置に前記印刷データの仕様と、前記必要な情報を送信し、受注者毎に算出したコストを受信する情報処理端末と、
を含む情報処理システム。
【請求項10】
コンピュータに、
印刷データの仕様と、複数の受注者のそれぞれが前記印刷データを印刷するために必用な情報とを取得し、
取得した前記印刷データの仕様と、前記必用な情報に基づき、前記印刷データの印刷を発注するために必要なコストを受注者毎に算出して提示する処理を実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、フォント除去しやすい形でフォント埋込PDFを生成するステップと、 生成と同時に、そのフォントを効率的に除去するためのフォント除去支援情報を生成するステップと、 PDFとフォント除去支援情報とを関連付けて保管するステップと、 PDF配信する直前に、配信先に依存して、フォント除去支援情報に基づきPDFからフントを除去するステップを含む電子文書生成・配信システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-186165号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発注者から受注者に印刷を依頼する際に、受注者にとって必要ない情報を含めて、発注者が印刷データを送信する場合があった。例えば、発注者から印刷データに文字のフォントデータを埋め込んで、受注者に送信する場合、受注者が当該フォントデータを既に持っていれば、フォントデータの埋め込みがなくても、受注者は印刷可能である。
【0005】
このように、受注者が必要とするデータを考慮せず、発注者が印刷データを送信するのでは、印刷にかかるコストが余計にかかってしまう。例えば、ファイルの受け渡しに使うクラウドを使用する場合、フォントを埋め込んだ分のデータ量が増えて、クラウド使用料が上がってしまう。
【0006】
そこで、本開示は、複数の受注者がそれぞれ必要とするデータを考慮して、受注者毎の印刷にかかるコストを把握可能な情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1態様に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、印刷データの仕様と、複数の受注者のそれぞれが前記印刷データを印刷するために必用な情報とを取得し、取得した前記印刷データの仕様と、前記必用な情報に基づき、前記印刷データの印刷を発注するために必要なコストを受注者毎に算出して提示する処理を行う。
【0008】
第2態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、受注者の選択結果を受け付けて、選択された受注者に発注する処理を更に行う。
【0009】
第3態様に係る情報処理装置は、第2態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記印刷データに前記情報が埋め込まれ、かつ前記情報の埋め込みが不要な受注者が選択された場合、前記印刷データから前記情報を削除して発注する。
【0010】
第4態様に係る情報処理装置は、第3態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記必要な情報として、フォントデータを削除して発注する。
【0011】
第5態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、コスト及び納期を前記受注者毎に更に提示する。
【0012】
第6態様に係る情報処理装置は、第5態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記受注者をフィルタとして並べ替えて提示する。
【0013】
第7態様に係る情報処理装置は、第5態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記コストをフィルタとして並べ替えて提示する。
【0014】
第8態様に係る情報処理装置は、第5態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、納期をフィルタとして並べ替えて提示する。
【0015】
第9態様に係る情報処理システムは、第1態様に係る情報処理装置と、前記情報処理装置に前記印刷データの仕様と、前記必要な情報を送信し、受注者毎に算出したコストを受信する情報処理端末と、を含む。
【0016】
第10態様に係る情報処理プログラムは、コンピュータに、印刷データの仕様と、複数の受注者のそれぞれが前記印刷データを印刷するために必用な情報とを取得し、取得した前記印刷データの仕様と、前記必用な情報に基づき、前記印刷データの印刷を発注するために必要なコストを受注者毎に算出して提示する処理を実行させる。
【発明の効果】
【0017】
第1態様によれば、複数の受注者がそれぞれ必要とするデータを考慮して、受注者毎の印刷にかかるコストを把握可能な情報処理装置を提供できる。
【0018】
第2態様によれば、受注者毎の印刷にかかるコストを考慮した上で、発注することができる。
【0019】
第3態様によれば、ファイルの受け渡しに使うクラウドを使用する場合に不要なコストを削減できる。
【0020】
第4態様によれば、ファイルの受け渡しに使うクラウドを使用する場合に、フォントデータ分のコストを削減できる。
【0021】
第5態様によれば、コストと納期を考慮して発注先を選択することが可能となる。
【0022】
第6態様によれば、受注者を基準に発注先の選択が可能となる。
【0023】
第7態様によれば、コストを基準に発注先の選択が可能となる。
【0024】
第8態様によれば、納期を基準に発注先の選択が可能となる。
【0025】
第9態様によれば、複数の受注者がそれぞれ必要とするデータを考慮して、受注者毎の印刷にかかるコストを把握可能な情報処理システムを提供できる。
【0026】
第10態様によれば、複数の受注者がそれぞれ必要とするデータを考慮して、受注者毎の印刷にかかるコストを把握可能な情報処理プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本実施形態に係る情報処理システムの概略構成を示す図である。
図2】本実施形態に係るクラウドサーバ及び各印刷工場に設けられて情報処理端末の電気系の要部構成を示すブロック図である。
図3】本実施形態に係る全印工連システムの機能構成を示す機能ブロック図である。
図4】印刷工場情報の取得を示す図である。
図5】印刷工場リストの取得手順を示す図である。
図6】印刷工場リストの表示例を示す図である。
図7】印刷工場のフィルタで並び替える例を説明するための図である。
図8】コストのフィルタで並び替える例を説明するための図である。
図9】納期のフィルタで並び替える例を説明するための図である。
図10】本実施形態に係る全印工連システムで行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本開示の実施の形態の一例を詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る情報処理システム10の概略構成を示す図である。
【0029】
本実施形態に係る情報処理システム10は、全印工連システム12、及び複数の印刷工場(図1では、印刷工場A14A、印刷工場B14B、印刷工場C14C、印刷工場D14D、・・・)を含む。なお、以下の説明では、印刷工場A14A、印刷工場B14B、印刷工場C14C、印刷工場D14D、・・・は、特に区別しない場合は、印刷工場14という。
【0030】
全印工連システム12は、クラウド16上に設けられ、複数の印刷工場14とネットワークを介して接続され、情報の授受が可能とされている。例えば、全印工連システム12は、各印刷工場14と通信し、印刷可能な印刷工場リストを取得する。一方、各印刷工場14は、必要な印刷設定を全印工連システム12に送信する等を行う。詳細には、各印刷工場14には、情報処理端末20(図2参照)が設けられ、全印工連システム12と情報処理端末20との間で情報の授受が行われる。
【0031】
また、全印工連システム12は、接続された各印刷工場14において、受注から発注までの印刷ジョブを管理する工程管理システムとして機能すると共に、各印刷工場14を繋いで印刷ジョブの調整等を行う機能を有する。例えば、全印工連システム12は、ある印刷工場14が受注した印刷ジョブが納期までに終了しないような場合に、他の印刷工場14に当該印刷ジョブを委託する等の調整を行う。
【0032】
続いて、全印工連システム12をクラウドサービスとして提供する情報処理装置の一例としてのクラウドサーバ及び各印刷工場14に設けられた情報処理端末の構成について説明する。図2は、本実施形態に係るクラウドサーバ18及び各印刷工場14に設けられて情報処理端末20の電気系の要部構成を示すブロック図である。なお、クラウドサーバ18及び情報処理端末20は、一般的なコンピュータ構成であるため、以下では、代表してクラウドサーバ18を説明し、情報処理端末20の詳細な説明は省略する。
【0033】
本実施形態に係るクラウドサーバ18は、図2に示すように、CPU18A、ROM18B、RAM18C、HDD18D、操作部18E、ディスプレイ18F、及び通信回線I/F(インタフェース)部18Gを備えている。CPU18Aは、クラウドサーバ18の全体の動作を司る。ROM18Bは、各種制御プログラムや各種パラメータ等が予め記憶される。RAM18Cは、CPU18Aによる各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる。HDD18Dは、各種のデータやアプリケーション・プログラム等が記憶される。操作部18Eはキーボードやマウス等が適用され、各種の情報を入力するために用いられる。操作部18Eは、各種の情報を表示するために用いられる。通信回線I/F部18Gは、各種通信回線に接続され、当該通信回線に接続された他の装置と各種データの送受信を行う。以上のクラウドサーバ18の各部はシステムバス18Hにより電気的に相互に接続されている。なお、本実施形態に係るクラウドサーバ18では、HDD18Dを記憶部として適用しているが、これに限らず、フラッシュメモリ等の他の不揮発性の記憶部を適用してもよい。
【0034】
以上の構成により、本実施形態に係るクラウドサーバ18は、CPU18Aにより、ROM18B、RAM18C、及びHDD18Dに対するアクセス、操作部18Eを介した各種データの取得、操作部18Eに対する各種情報の表示を各々実行する。また、クラウドサーバ18は、CPU18Aにより、通信回線I/F部18Gを介した通信データの送受信の制御を実行する。
【0035】
具体的には、クラウドサーバ18は、CPU18Aが、印刷データの仕様と、複数の受注者のそれぞれが印刷データを印刷するために必用な情報とを取得し、取得した印刷データの仕様と、必用な情報に基づき、印刷データの印刷を発注するために必要なコストを受注者毎に算出して提示する処理を行う。
【0036】
当該処理を行うために本実施形態では、CPU18AがROM18BまたはHDD18Dに記憶された情報処理プログラムを実行することにより、図3に示す機能を有する。図3は、本実施形態に係る全印工連システム12の機能構成を示す機能ブロック図である。
【0037】
本実施形態に係る全印工連システム12は、表示/情報入出力部30、印刷属性情報取得部32、印刷工場判断部34、印刷工場情報取得部36、印刷工場リスト取得部38、フォント有無判断部40、及びクラウド使用料変動判断部42の機能を有する。
【0038】
表示/情報入出力部30は、印刷工場14等の依頼ユーザから印刷を委託するジョブ及びジョブ情報の入力を受け付ける。ジョブ情報には、印刷データの仕様と、複数の受注者のそれぞれが印刷データを印刷するために必用な情報とが含まれる。また、表示/情報入出力部30は、印刷可能な印刷工場を表示する処理を行う。なお、ジョブとは、印刷データに基づく印刷を実行するために印刷工場14やクラウドサービス等が実行する処理または処理の集まりをいう。
【0039】
印刷属性情報取得部32は、表示/情報入出力部30に入力されたジョブ情報から印刷属性を取得する。印刷属性としては、用紙種類、用紙サイズ、トナー、フォント、フィニッシャー等を一例として取得する。なお、印刷属性のうちフォントは、複数の受注者のそれぞれが前記印刷データを印刷するために必用な情報の一例に対応し、フォント以外の印刷属性は、印刷データの仕様の一例に対応する。
【0040】
印刷工場判断部34は、印刷に必要な印刷属性を所有する印刷工場を判断する。例えば、印刷工場情報取得部36に、印刷に必要な印刷属性を送信することにより、対応する印刷工場リストを印刷工場情報取得部36から受け取る。
【0041】
印刷工場情報取得部36は、印刷に関する各種情報を各印刷工場14から取得する。具体的には、図4に示すように、印刷工場14の機材情報、及び所有フォントを含むスペック等の印刷工場情報を印刷工場14から全印工連システム12に入力してデータベースに保存されたものを取得してもよい。印刷工場情報取得部36は、例えば、各印刷工場14で対応可能な印刷属性を取得し、印刷工場判断部34から送信される印刷に必要な印刷属性に対応する印刷工場14を抽出して印刷工場リストを生成する。印刷工場リストは、例えば、納期及び印刷コストを含む印刷工場リストを生成し、印刷工場判断部34に送信する。
【0042】
印刷工場リスト取得部38は、印刷工場情報取得部36で生成された印刷工場リストを取得し、クラウド使用料変動、印刷コストなどを含めた印刷工場リストを生成して表示/情報入出力部30に出力する。
【0043】
フォント有無判断部40は、印刷工場リスト中の各印刷工場14のフォントデータの有無を判断し、判断結果をクラウド使用料変動判断部42に出力する。
【0044】
クラウド使用料変動判断部42は、フォント有無判断部40の判断結果に基づいて、クラウドの使用料の変動を判断して、判断結果を印刷工場リスト取得部38に出力する。
【0045】
ここで、図5を参照して印刷工場リストの取得手順の具体例を説明する。図5は、印刷工場リストの取得手順を示す図である。
【0046】
まず、「1.」として、印刷を委託するジョブを全印工連システム12に入力する。例えば、用紙サイズや用紙種類等の印刷属性を含む印刷ジョブ指示書と共に、フォントや色情報等の印刷属性を含む印刷データを入力する。
【0047】
また、「2.」として、印刷属性情報取得部32が、フォントを含む印刷に必要な属性をジョブから取得する。
【0048】
次に、「3.」として、印刷工場判断部34が、フォント、用紙種類、用紙サイズ等の印刷に必要な印刷属性を印刷工場情報取得部36に送信する。
【0049】
続いて、「4.」として、印刷工場リスト取得部38が、必要な属性を印刷するスペックのある印刷工場リストを表示/情報入出力部30に返信し、印刷工場リストを提示する。
【0050】
そして、「5.」として、作業員が印刷工場リストから印刷工場を選択する。
【0051】
続いて、表示/情報入出力部30によって表示される印刷工場リストの具体的な表示例について説明する。図6は、印刷工場リストの表示例を示す図である。
【0052】
図6の例では、各印刷工場14のスペックと共に、対象ジョブを出力可能な印刷工場リストが表示されている。印刷工場14毎にコスト及び納期を含めて表示されるので、コスト及び納期を比較できる。図6の例では、印刷工場A14A及び印刷工場B14Bはクラウド使用料が削減されるが、印刷工場C14C及び印刷工場D14Dはクラウド使用料が必要な例を示す。コスト及び納期が印刷工場14によって異なる要因としては、あらゆる要因によってコストや納期が異なる。一例としては、受注と直接関連しない要因としては、印刷機材の所有数、受け入れ可能な受注量、土地代、人件費などがある。また、受注と直接関連する要因としては、時期(閑散期や繁忙期等)、サポート体制、使用する機材、 送料などがある。
【0053】
なお、印刷工場リストは、図7に示すように、印刷工場のフィルタで並び替えてもよい。例えば、フィルタとしては、部分検索、スペック検索、これまでに委託したことがある印刷工場14等がある。また、並び替えとしては、これまでの委託履歴を元に委託回数が多い順、または少ない順に並び替えてもよい。
【0054】
また、工場リストは、図8に示すように、コストのフィルタで並び替えてもよい。例えば、フィルタとしては範囲検索(以下または以上など)がある。また、並び替えとしては、価格が安い順、または高い順、クラウド費用の削減順またはフォント埋め込み等による影響による増加順等がある。
【0055】
また、印刷工場リストは、図9に示すように、納期のフィルタで並び替えてもよい。例えば、フィルタとしては、範囲検索(以上または以下など)がある。また、並び替えとしては、日付が早い順または遅い順等がある。
【0056】
続いて、上述のように構成された本実施形態に係る全印工連システム12で行われる具体的な処理について説明する。図10は、本実施形態に係る全印工連システム12で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図10の処理は、例えば、クライアントがジョブ及びジョブ情報を全印工連システム12に入力した場合に開始する。
【0057】
ステップ100では、CPU18Aが、ジョブ及びジョブ情報を受け付けてステップ102へ移行する。すなわち、表示/情報入出力部30が依頼ユーザから印刷を委託するジョブ及びジョブ情報の入力を受け付ける。
【0058】
ステップ102では、CPU18Aが、ジョブの印刷属性を取得してステップ104へ移行する。すなわち、表示/情報入出力部30に入力されたジョブ情報から印刷属性を取得する。
【0059】
ステップ104では、CPU18Aが、ジョブを出力可能な印刷工場14を特定しリスト化してステップ106へ移行する。すなわち、印刷工場情報取得部36が、印刷に関する各種情報を各印刷工場14から取得して印刷工場リストを生成する。
【0060】
ステップ106では、CPU18Aが、特定した印刷工場に必要なフォントが存在するかを確認してステップ108へ移行する。すなわち、フォント有無判断部40が、印刷工場リスト中の各印刷工場14のフォントの有無を判断する。
【0061】
ステップ108では、CPU18Aが、フォントがあるか否かを判定する。該判定が否定された場合にはステップ110へ移行し、肯定された場合にはステップ112へ移行する。
【0062】
ステップ110では、CPU18Aが、フォントを埋め込んだ場合に必要となるクラウド使用料を算出してステップ114へ移行する。すなわち、クラウド使用料変動判断部42が、フォントデータを埋め込んだ場合に必要となるクラウドの使用料を算出する。
【0063】
一方、ステップ112では、CPU18Aが、フォントを埋め込まなかった場合に削減可能なクラウド使用料を算出してステップ114へ移行する。すなわち、クラウド使用料変動判断部42が、フォントデータを埋め込まなかった場合に削減可能なクラウドの使用料を算出する。
【0064】
ステップ114では、CPU18Aが、特定した印刷工場リストを現在のクラウド費用比と共に表示してステップ116へ移行する。例えば、表示/情報入出力部30が、図6に示すように、各印刷工場14のスペックと共に、対象ジョブを出力可能な印刷工場リストを表示する。
【0065】
ステップ116では、CPU18Aが、印刷工場が選択されたか否かを判定する。該判定は、表示/情報入出力部30が印刷工場の選択を受け付けたか否かを判定する。該判定が肯定されるまで待機してステップ118へ移行する。
【0066】
ステップ118では、CPU18Aが、選択された印刷工場14がフォントライセンスを保有しているか否かを判定する。フォントライセンスを保有していて判定が肯定された場合にはステップ120へ移行し、判定が比定された場合にはステップ122へ移行する。
【0067】
ステップ120では、CPU18Aが、ジョブに埋め込まれたフォントデータを削除してステップ122へ移行する。
【0068】
ステップ122では、CPU18Aが、選択された印刷工場14にジョブ及びジョブ情報を送信することによりジョブを発注して一連の処理を終了する。
【0069】
なお、上記の実施形態では、フォントの有無によりクラウド使用料が変動することでコストが変動する例を説明したが、コストの変動要因はこれに限るものではない。例えば、印刷工場14に一度送信した印刷データ等の情報を再度利用する場合には、送信済みの情報の送付が不要となるため、送信済みの情報を利用するか否かによってもコストが変動する場合がある。
【0070】
また、上記の実施形態において、CPUをプロセッサの一例として説明したが、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
【0071】
また、上記の実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0072】
また、上記の実施形態に係る情報処理システム10の各部で行われる処理は、ソフトウエアで行われる処理としてもよいし、ハードウエアで行われる処理としてもよいし、双方を組み合わせた処理としてもよい。また、情報処理システム10の各部で行われる処理は、プログラムとして記憶媒体に記憶して流通させるようにしてもよい。
【0073】
また、本開示は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【0074】
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(((1)))
プロセッサを備え、前記プロセッサは、
印刷データの仕様と、複数の受注者のそれぞれが前記印刷データを印刷するために必用な情報とを取得し、
取得した前記印刷データの仕様と、前記必用な情報に基づき、前記印刷データの印刷を発注するために必要なコストを受注者毎に算出して提示する処理を行う情報処理装置。
【0075】
(((2)))
前記プロセッサは、受注者の選択結果を受け付けて、選択された受注者に発注する処理を更に行う(((1)))に記載の情報処理装置。
【0076】
(((3)))
前記プロセッサは、前記印刷データに前記情報が埋め込まれ、かつ前記情報の埋め込みが不要な受注者が選択された場合、前記印刷データから前記情報を削除して発注する(((2)))に記載の情報処理装置。
【0077】
(((4)))
前記プロセッサは、前記必要な情報は、フォントデータである(((1)))~(((3)))の何れか1つに記載の情報処理装置。
【0078】
(((5)))
前記プロセッサは、コスト及び納期を前記受注者毎に更に提示する(((1)))~(((4)))の何れか1つに記載の情報処理装置。
【0079】
(((6)))
前記プロセッサは、前記受注者をフィルタとして並べ替えて(((5)))に記載の情報処理装置。
【0080】
(((7)))
前記プロセッサは、前記コストをフィルタとして並べ替えて(((5)))に記載の情報処理装置。
【0081】
(((8)))
前記プロセッサは、納期をフィルタとして並べ替えて表示する(((5)))に記載の情報処理装置。
【0082】
(((9)))
(((1)))~(((8)))の何れか1つに記載の情報処理装置と、
前記情報処理装置に前記印刷データの仕様と、前記必要な情報を送信し、受注者毎に算出したコストを受信する情報処理端末と、
を含む情報処理システム。
【0083】
(((10)))
コンピュータに、
印刷データの仕様と、複数の受注者のそれぞれが前記印刷データを印刷するために必用な情報とを取得し、
取得した前記印刷データの仕様と、前記必用な情報に基づき、前記印刷データの印刷を発注するために必要なコストを受注者毎に算出して提示する処理を実行させるための情報処理プログラム。
【0084】
(((1)))によれば、複数の受注者がそれぞれ必要とするデータを考慮して、受注者毎の印刷にかかるコストを把握可能な情報処理装置を提供できる。
【0085】
(((2)))によれば、受注者毎の印刷にかかるコストを考慮した上で、発注することができる。
【0086】
(((3)))によれば、ファイルの受け渡しに使うクラウドを使用する場合に不要なコストを削減できる。
【0087】
(((4)))によれば、ファイルの受け渡しに使うクラウドを使用する場合に、フォントデータ分のコストを削減できる。
【0088】
(((5)))によれば、コストと納期を考慮して発注先を選択することが可能となる。
【0089】
(((6)))によれば、受注者を基準に発注先の選択が可能となる。
【0090】
(((7)))によれば、コストを基準に発注先の選択が可能となる。
【0091】
(((8)))によれば、納期を基準に発注先の選択が可能となる。
【0092】
(((9)))によれば、複数の受注者がそれぞれ必要とするデータを考慮して、受注者毎の印刷にかかるコストを把握可能な情報処理システムを提供できる。
【0093】
(((10)))態様によれば、複数の受注者がそれぞれ必要とするデータを考慮して、受注者毎の印刷にかかるコストを把握可能な情報処理プログラムを提供できる。
【符号の説明】
【0094】
10 情報処理システム
12 全印工連システム
14 印刷工場
16 クラウド
18 クラウドサーバ
18A CPU
20 情報処理端末
30 表示/情報入出力部
32 印刷属性情報取得部
34 印刷工場判断部
36 印刷工場情報取得部
38 印刷工場リスト取得部
40 フォント有無判断部
42 クラウド使用料変動判断部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10