(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044191
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】不揮発性半導体記憶装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H10B 63/10 20230101AFI20240326BHJP
H10B 63/00 20230101ALI20240326BHJP
【FI】
H01L27/105 449
H01L27/105 448
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022149589
(22)【出願日】2022-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 健介
(72)【発明者】
【氏名】高島 大三郎
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 直樹
(72)【発明者】
【氏名】石本 康実
【テーマコード(参考)】
5F083
【Fターム(参考)】
5F083FZ10
5F083JA35
5F083JA36
5F083JA37
5F083JA39
5F083JA40
5F083JA56
5F083JA60
5F083MA06
5F083MA16
5F083MA19
(57)【要約】
【課題】不揮発性半導体記憶装置を提供することを課題とする。
【解決手段】実施形態によれば、セルブロックは、複数のメモリセルと選択トランジスタを有する。複数のメモリセルは、複数のワード線に対応してローカルソース線とローカルビット線の間に並列接続される。選択トランジスタは、ローカルビット線とビット線との間に接続される。メモリセルは、セルトランジスタと抵抗変化素子を有する。セルトランジスタのゲートがワード線に接続される。抵抗変化素子は、ローカルソース線とローカルビット線の間でセルトランジスタに対し直列に接続される。複数のワード線は、複数の導電膜で構成される。セルブロックは、複数の導電膜を貫通する柱状構造体で構成される。選択トランジスタとローカルビット線は、ローカルビット線の構成材料と異なる材料のコンタクト部で接続される。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ一端がビット線に接続された複数のセルブロックの配列を含むセルアレイを備え、
前記セルブロックは、
複数のワード線に対応してローカルソース線とローカルビット線との間に並列に接続された複数のメモリセルと、
前記ローカルビット線と前記ビット線との間に接続された選択トランジスタと、
を有し、
前記メモリセルは、
ゲートが前記ワード線に接続されたセルトランジスタと、
前記ローカルソース線と前記ローカルビット線との間で前記セルトランジスタに対して直列に接続された抵抗変化素子と、
を有し、
前記複数のワード線は、互いに離間して積層された複数の導電膜で構成され、
前記セルブロックは、積層方向に前記複数の導電膜を貫通する柱状構造体で構成され、
前記選択トランジスタと前記ローカルビット線の接続において、前記ローカルビット線の構成材料とは異なる材料からなる導通コンタクトを介し、前記選択トランジスタと前記ローカルビット線が接続されている
不揮発性半導体記憶装置。
【請求項2】
前記導通コンタクトが、前記ローカルビット線の線幅より小さな膜厚を有し、金属を含む膜からなる
請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項3】
前記導通コンタクトが、前記ローカルビット線の線幅より小さな膜厚を有し、金属を含む膜からなり、前記導通コンタクトが、前記ローカルビット線の線端に接続された基部と、該基部の周縁部から前記ローカルビット線の延在方向に延出された延出部を有する
請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項4】
前記導通コンタクトが、前記ローカルビット線の線端と前記選択トランジスタのゲート電極直下のチャネル領域の一部に接続されている
請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項5】
前記柱状構造体は、
前記積層方向に延びて前記複数の導電膜を貫通するゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜の内側で前記積層方向に延びて前記複数の導電膜を貫通する半導体膜と、
前記半導体膜の内側で前記積層方向に延びて前記複数の導電膜を貫通するローカルビット線柱と、
前記半導体膜の内側で前記積層方向に延びて前記複数の導電膜を貫通するローカルソース線柱と、
前記半導体膜の内側で且つ前記ローカルビット線柱又は前記ローカルソース線柱の外側で前記複数の導電膜を貫通する抵抗変化膜と、
を有する
請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項6】
前記柱状構造体は、複数の前記ローカルビット線柱を有する
請求項5に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項7】
前記抵抗変化素子は、一端が前記ローカルビット線に接続され、他端が前記セルトランジスタに接続される
請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項8】
前記ローカルビット線と前記ローカルソース線がライナー層を備えた絶縁膜により分離されている
請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項9】
基板上に形成したソース線の上に複数の絶縁膜と犠牲膜を交互に積層して積層体を形成し、この積層体に該積層体を厚さ方向に貫通する複数のメモリホールを相互に間隔をあけて個々に前記ソース線に到達するように形成した後、
各メモリホール内に、ゲート絶縁膜と半導体膜と抵抗変化膜とローカルビット線を備えた構成と、ローカルソース線を備えた構成を、ホール内絶縁膜を介し、互いに絶縁状態で有するセルブロックを形成し、
前記セルブロックの形成後に、前記メモリホール上部側の前記抵抗変化膜と前記ローカルビット線を除去してコンタクト用ホールを形成し、
このコンタクト用ホール内に前記半導体膜と前記ローカルビット線の線端に接続する導通コンタクトを形成し、
この後、前記積層体に前記ソース線に到達するスリットを形成し、このスリットを介するエッチングにより前記複数の犠牲膜を除去して複数の空隙を形成し、
前記複数の空隙に金属層を形成して前記各空隙にワード線を形成する
不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
【請求項10】
前記メモリホール内に、
該メモリホールの内周面に沿って形成されるゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜に周囲を部分的に囲まれた状態で前記メモリホールの延在方向に伸びる半導体膜と、
該半導体膜に周囲を部分的に囲まれた状態で前記メモリホールの延在方向に伸びる抵抗変化膜と、
該抵抗変化膜に周囲を囲まれた状態で前記メモリホールの延在方向に伸びるローカルビット線と、
前記メモリホールの内側に前記半導体膜、前記抵抗変化膜及び前記ローカルビット線に対しホール内絶縁膜を介し離間して前記メモリホールの延在方向に沿って伸びるローカルソース線を形成してセルブロックを形成する
請求項9に記載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
【請求項11】
前記複数のワード線を形成することにより、
前記積層体上部に形成したワード線と該ワード線に隣接する前記メモリホール上部の前記ゲート絶縁膜と前記半導体膜を備える選択トランジスタを形成するとともに、
前記セルブロックの前記ローカルビット線と前記ローカルソース線との間に、前記ワード線にゲートを接続したセルトランジスタに直列接続された前記抵抗変化膜による抵抗変化素子を備えたメモリセルを形成する
請求項9に記載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
【請求項12】
前記コンタクト用ホール内に前記導通コンタクトを形成するにあたり、
前記ローカルビット線の線端に接触する基部と、該基部の周縁から前記コンタクト用ホール内の半導体膜に接するように延在する延出部を形成する
請求項9に記載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
【請求項13】
前記コンタクト用ホールを形成するにあたり、
前記メモリホール内において、前記コンタクト用ホールの底部を、前記積層体の最上層のワード線と最上層から2番目のワード線の間の位置まで形成し、
前記コンタクト用ホール内に前記導通コンタクトを形成するにあたり、
前記ローカルビット線の線端に接触する基部と、該基部の周縁から前記コンタクト用ホール内の半導体膜に接するように延在し、かつ前記最上層のワード線の内側位置まで延在する延出部を形成する
請求項9に記載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、不揮発性半導体記憶装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
抵抗変化素子を含むメモリセル有する不揮発性半導体記憶装置では、抵抗変化素子に電流を流すことで、抵抗変化素子の高抵抗状態と低抵抗状態を切り換えることができる。不揮発性半導体記憶装置を高集積化すると、抵抗変化素子を切り換えるためのトランジスタの積層数が増加するので、トランジスタのチャネル抵抗が増加しない構成が望まれる。また、抵抗変化素子に流す電流を適切化することが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-160004号公報
【特許文献2】国際公開第2012/077174号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一つの実施形態は、高集積化してもトランジスタのチャネル抵抗が増加しないとともに、抵抗変化素子に流す電流を適切化できる不揮発性半導体記憶装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の半導体記憶装置は、セルアレイを有する不揮発性半導体記憶装置が提供される。セルアレイは、複数のセルブロックの配列を含む。複数のセルブロックのそれぞれは、一端がビット線に接続される。複数のセルブロックは、ビット線方向に並ぶ。セルブロックは、複数のメモリセルと選択トランジスタとを有する。複数のメモリセルは、複数のワード線に対応してローカルソース線とローカルビット線との間に並列に接続される。選択トランジスタは、ローカルビット線とビット線との間に接続される。メモリセルは、セルトランジスタと抵抗変化素子とを有する。セルトランジスタは、ゲートがワード線に接続される。抵抗変化素子は、ローカルソース線とローカルビット線との間でセルトランジスタに対して直列に接続される。複数のワード線は、複数の導電膜で構成される。複数の導電膜は、互いに離間して積層される。セルブロックは、柱状構造体で構成される。柱状構造体は、積層方向に複数の導電膜を貫通する。選択トランジスタとローカルビット線の接続において、ローカルビット線の構成材料とは異なる材料からなる導通コンタクトを介し、選択トランジスタとローカルビット線が接続されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置の概略構成を示す図。
【
図2】第1実施形態にかかるセルアレイの構成を示す回路図。
【
図3】第1実施形態にかかるセルアレイの部分概略構成を示す斜視図。
【
図4】第1実施形態にかかるセルアレイに周辺回路基板を一体化した場合の全体概略構成を示す断面図。
【
図5】第1実施形態にかかるセルブロックの構成を示す斜視図。
【
図6】第1実施形態にかかるセルアレイの部分概略構成を示す垂直方向の断面図。
【
図7】第1実施形態にかかるセルアレイの部分概略構成を示す水平方向の断面図。
【
図8】第1実施形態にかかるセルブロックの構成を示す回路図。
【
図9】第1実施形態にかかるセルブロックの動作を示す回路図。
【
図10】第2実施形態にかかるセルアレイの部分概略構成を示す垂直方向の断面図。
【
図11】第3実施形態にかかるセルアレイの部分概略構成を示す垂直方向の断面図。
【
図12】第1実施形態にかかるセルブロックの配置構成を示す平面図。
【
図13】第4実施形態にかかるセルブロックの配置構成を示す平面図。
【
図14】第5実施形態にかかるセルブロックの配置構成を示す平面図。
【
図15】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法を示す垂直方向の断面図。
【
図16】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法を示す平面図。
【
図17】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法を示す垂直方向の断面図。
【
図18】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法を示す平面図。
【
図19】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法を示す垂直方向の断面図。
【
図20】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法を示す平面図。
【
図21】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法を示す垂直方向の断面図。
【
図22】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法を示す平面図。
【
図23】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法を示す垂直方向の断面図。
【
図24】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法を示す平面図。
【
図25】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法を示す垂直方向の断面図。
【
図26】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法を示す平面図。
【
図27】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法を示す垂直方向の断面図。
【
図28】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法を示す平面図。
【
図29】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法を示す垂直方向の断面図。
【
図30】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法を示す平面図。
【
図31】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法を示す垂直方向の断面図。
【
図32】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法を示す平面図。
【
図33】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法を示す垂直方向の断面図。
【
図34】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法を示す平面図。
【
図35】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法を示す垂直方向の断面図。
【
図36】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法を示す平面図。
【
図37】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法を示す垂直方向の断面図。
【
図38】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法においてAA断面とBB断面を示す垂直方向の断面図。
【
図39】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法を示す平面図。
【
図40】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法においてAA断面とBB断面を示す垂直方向の断面図。
【
図41】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法を示す平面図。
【
図42】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法においてAA断面とBB断面を示す垂直方向の断面図。
【
図43】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法を示す平面図。
【
図44】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法においてAA断面とBB断面を示す垂直方向の断面図。
【
図45】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法を示す平面図。
【
図46】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法においてAA断面とBB断面を示す垂直方向の断面図。
【
図47】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法を示す平面図。
【
図48】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法においてAA断面とBB断面を示す垂直方向の断面図。
【
図49】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法を示す平面図。
【
図50】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法においてAA断面とBB断面を示す垂直方向の断面図。
【
図51】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法を示す平面図。
【
図52】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法においてAA断面とBB断面を示す垂直方向の断面図。
【
図53】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法を示す平面図。
【
図54】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法においてAA断面とBB断面を示す垂直方向の断面図。
【
図55】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法を示す平面図。
【
図56】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法においてAA断面とBB断面を示す垂直方向の断面図。
【
図57】第1実施形態にかかるセルアレイの製造方法を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に添付図面を参照し、実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置について詳細に説明する。なお、これらの実施形態により本発明が限定されるものではない。
「第1実施形態」
第1実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置について説明する。不揮発性半導体記憶装置は、例えば、複数のメモリセルが3次元方向に配列される不揮発性の半導体メモリである。
【0008】
半導体メモリは、大型コンピュータの主記憶から、パーソナルコンピュータ、家電製品、携帯端末等、至る所で利用されている。半導体メモリの種類としては、揮発性のDRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(StaticRAM)、不揮発性のMROM(Mask Read Only Memory)、NAND型フラッシュメモリ、NOR型フラッシュメモリ等のフラッシュEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)等が市場に出まわっている。DRAMは揮発性メモリであるにも関らず、その低コスト性(SRAMに比べてセル面積が1/4未満)、高速性(フラッシュEEPROMより速い)の点で優れており、パーソナルコンピュータ市場、携帯端末市場で大きなマーケットを有する。
【0009】
一方、書き換え可能で電源を切ることが可能な不揮発性のフラッシュEEPROMは、携帯端末や、各種メモリカード、SSD(Solid State Drive)等で市場が非常に大きくなりつつある。3次元フラッシュメモリは、コントロールゲート(ワード線)を積層後、メモリホールMHを一括で形成してメモリセルとなる膜材等を埋め込むため、コスト削減が可能になり、現在のマーケットの主流になっている。しかし、書き換え回数(W/E回数)が10の4乗から3乗回程度しかなく、書き込む時間がマイクロ秒、ミリ秒程度必要で、しかも高い12V~22Vの電圧が必要で、微細化の点、性能の点で改善の余地がある。
【0010】
これに対して、新規メモリとして、強誘電体メモリ(FeRAM:Ferroelectric RAM)、磁気抵抗メモリ(MRAM:Magnetoresistive RAM)、相変化メモリ(PCM:Phase Change Memory)、抵抗変化メモリ(ReRAM:Resistive RAM)等の開発が盛んである。この内、MRAM、PCM、ReRAMは、メモリセルの情報記憶素子の抵抗を変化させて抵抗状態を情報として記憶する抵抗変化型メモリである。相変化メモリ(PCM)、抵抗変化メモリ(ReRAM)は抵抗値が2桁から5桁変化し、多値化が可能な点、記憶素子サイズ縮小により、書込み電流、読み出し電流が削減出来、高集積化に向く点等、NOR型フラッシュ、NAND型フラッシュの代替になる可能性がある。また、磁気抵抗メモリ(MRAM)は、この抵抗変化率が相変化メモリ(PCM)及び抵抗変化メモリ(ReRAM)に比べると小さい(例えば、200%程度である)が、反磁界の問題を解決すれば、NOR型フラッシュ、NAND型フラッシュの代替になる可能性がある。
【0011】
すなわち、3次元フラッシュメモリは、一括穴加工の為コストが低いが、書き込み読み出し性能や疲労回数が劣る可能性がある。一方、性能が高い抵抗変化型メモリ、例えば相変化メモリは、ワード線、ビット線が交互に形成されるため、製造コストが高くなりやすい。
この課題を解決するために、不揮発性半導体記憶装置においては、以下のような構成を採用可能である。
【0012】
具体的には、本実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置1は、
図1に示すように構成され得る。
図1は、不揮発性半導体記憶装置1の概略構成を示す図である。不揮発性半導体記憶装置1は、通信媒体2を介して、ホスト3と接続可能である。不揮発性半導体記憶装置1は、例えば、抵抗変化型メモリである。通信媒体2は、例えば、同期式並列通信線である。ホスト3は、例えば、コントローラ又はCPUである。不揮発性半導体記憶装置1、通信媒体2、ホスト3を含む構成は、メモリシステム4として構成され得る。メモリシステムは、SDカード等のメモリカードでもよいし、SSD等のストレージシステムでもよいし、eMMCデバイスでもよい。ホスト3は、コントローラでもよいし、CPUでもよい。
【0013】
不揮発性半導体記憶装置1は、セルアレイ5、ロウデコーダ6、センスアンプ7、周辺回路8、及びインターフェース部(I/F部)13を有する。周辺回路8は、ドライバ9、シーケンサ10、アドレスレジスタ11、コマンドレジスタ12を含む。セルアレイ5は、複数のメモリセルが配列される。複数のメモリセルは、複数のワード線と複数のビット線とを用いてアクセス可能である。複数のワード線は、それぞれがロウアドレスに対応付けられる。複数のビット線は、それぞれがカラムアドレスに対応付けられる。コマンドレジスタ12は、I/F部13を介してホスト3から受けるホスト要求に含まれるコマンドを保持する。アドレスレジスタ11は、I/F部13を介してホスト3から受けるホスト要求に含まれるアドレスを保持する。
【0014】
シーケンサ10は、コマンドレジスタ12に保持されるコマンドを実行し、セルアレイ5に対するデータのライト動作又はリード動作を制御する。シーケンサ10による制御に応じて、ロウデコーダ6は、アドレスレジスタ11に保持されるアドレスをデコードし、デコードされたロウアドレスに対応するワード線を選択可能である。シーケンサ10による制御に応じて、ドライバ9は、ワード線を選択するための電圧を生成してロウデコーダ6へ供給する。シーケンサ10による制御に応じて、センスアンプ7は、アドレスレジスタ11に保持されるアドレスをデコードし、デコードされたカラムアドレスに対応するビット線を選択可能である。
【0015】
セルアレイ5において複数のメモリセルを3次元的に配列することを考える場合、抵抗変化型メモリ、例えば相変化メモリ(PCM)に適用出来る構成として、鎖接続型メモリがあげられる。鎖接続型メモリでは、複数のメモリセルが鎖状に直列接続されてストリングとして構成される。各メモリセルは、抵抗変化素子とセルトランジスタとの並列接続で構成される。選択メモリセルでセルトランジスタがオフされ、非選択メモリセルでセルトランジスタがオンされることで、選択メモリセルの抵抗変化素子に選択的に電圧を印加可能である。この構造は、3次元のフラッシュメモリに類似した構造で実現出来る。
【0016】
例えば、メモリホール内側面にゲート酸化膜、半導体膜、抵抗変化膜、コア絶縁膜を順に堆積して形成可能であるが、その製造時に半導体膜を多結晶半導体で堆積し、その動作時に円筒状の半導体膜に対して軸方向にセル電流が流れることになる。すなわち、鎖接続型メモリでは、ストリングにおける複数のセルトランジスタのチャネル領域が直列接続されることに対応し、抵抗変化素子(抵抗変化膜)へのアクセス動作時に半導体膜を通る電流経路が長くなる。このため、半導体膜における粒界等の影響によりセル電流量が抵抗変化素子のリード・ライトに要求される電流量に対して不足する可能性がある。
【0017】
よって、この対策として、鎖接続型メモリに代えて梯子接続型メモリを採用する。梯子接続型メモリでは、
図2に示すような複数のセルブロックCB0~CB11が2次元的に配列されてセルアレイ5が構成される。
図2は、セルアレイ5の構成を示す回路図である。セルブロックCBは、複数のメモリセルMCがローカルビット線LBL及びローカルソース線LSL間で梯子状に並列接続されて構成される。各メモリセルMCは、抵抗変化素子REとセルトランジスタMTとの直列接続で構成される。ローカルビット線LBLは、選択トランジスタSGを介してビット線BLに接続される。ローカルソース線LSLは、ソース線SLに接続される。
【0018】
抵抗変化素子(抵抗変化膜)REへのアクセス動作時には、選択セルブロックCBの選択トランジスタSGをオン状態とし、非選択セルブロックCBの選択トランジスタSGをオフのままにする。選択セルブロックCBでは、選択メモリセルMCのセルトランジスタMTをオン状態とし、非選択メモリセルMCのセルトランジスタMTをオフのままにする。ビット線BLとソース線SLとに電圧を印可すると、ビット線BL→ローカルビット線LBL→選択メモリセルMCの抵抗変化素子RE→選択メモリセルMCのセルトランジスタMT→ローカルソース線LSL→ソース線SLの経路でセル電流が流され得る。
【0019】
すなわち、梯子接続型メモリでは、セルブロックCBにおける複数のセルトランジスタMTのチャネル領域が並列接続されることに対応し、抵抗変化素子(抵抗変化膜)REへのアクセス動作時に半導体膜を通る電流経路を短くできる。このため、半導体膜内の粒界等の影響で電流が低下しても、セル電流量を抵抗変化素子REのライト動作(Set・Reset動作)及びリード動作(Set・Reset状態の検知)が可能な程度に確保することができる。
【0020】
図2に示す回路は、
図3に示す構成で実現され得る。
図3は、セルアレイ5の一部構成を示す斜視図である。
図3では、ビット線BLの延在方向をY方向とし、メモリセルMCの積層方向をZ方向とし、Y方向及びZ方向に垂直な方向をX方向と規定する。セルアレイ5は、
図3に示すように基板21の+Z側においてXY方向に伸びる板状の導電膜からなるソース線SLを有する。ソース線SLの+Z側にXY方向に伸びる絶縁膜からなる絶縁膜222が積層されている。絶縁膜222の+Z側において、柱状のセルブロックCBがXY方向に2次元的に配列されるとともに、積層体22が柱状のセルブロックCBでZ方向に貫通されて3次元的なメモリセルMCの配列として構成される。
【0021】
基板21の+Z側には、積層体22を含む複数の積層体が配され得る。複数の積層体は、分離部STを間にして互いにY方向にずれた位置に配され得る。分離部STは、少なくとも積層体22に接する面が絶縁物質で形成され、積層体22を他の積層体から電気的に分離している。分離部STは、XZ方向に沿って延びた略フィン形状を有する。
分離部STは、XZ方向に平板状の2つの絶縁部DLと、2つの絶縁部DLに挟まれたXZ方向に平板状の電極部SL’とを有する。この電極部SL’は、XY方向に平板状のソース線SLへ接続されている。
【0022】
積層体22では、ワード線WLと絶縁膜222とが交互に繰り返しZ方向に積層されている。ワード線WLは、XY方向に延びる板状の導電膜で構成される。以下では、ワード線WLを導電膜WLと呼ぶことがある。積層体22では、複数の導電膜(ワード線)WL0~WL63がZ方向に互いに離間して配置されている。各導電膜WLは、導電物(例えば、タングステンなどの金属)を主成分とする材料で形成され得る。各絶縁膜222は、絶縁物(例えば、シリコン酸化物)を主成分とする材料で形成され得る。
【0023】
積層体22の最上の絶縁膜222には、セルブロック選択線SGLが+Z方向に積層されている。セルブロック選択線SGLは、XY方向に延びる板状の導電膜で構成される。以下の説明では、セルブロック選択線SGLを導電膜SGLと呼ぶことがある。導電膜SGLは、導電物(例えば、タングステンなどの金属)を主成分とする材料で形成され得る。導電膜SGLは、分断膜SHEによりY方向に分断されている。分断膜SHEは、導電膜WLの上方(+Z側)に設けられ、XZ方向に延在し、積層体22の最上の層間絶縁膜23に達している。分断膜SHEは、絶縁物(例えば、シリコン酸化物)で形成され得る。これにより、各セルブロック選択線SGLは、互いに電気的に絶縁される。
【0024】
各セルブロックCBは、Z方向に延び、積層体22をZ方向に貫通する。セルブロックCBは、複数の導電膜WL0~WL63をZ方向に貫通する柱状構造体で構成される。複数のセルブロックCB0~CB(n-1)は、XY方向に2次元的に配列され得る。各セルブロックCBは、Z方向に延び半導体チャネルとして機能する半導体膜CHを含む。半導体膜CHは、積層体22をZ方向に貫通し、半導体チャネルとして機能する。半導体膜CHと導電膜WLとが交差する位置にはメモリセルMCが構成され、半導体膜CHと導電膜SGLとが交差する位置にはセルブロック選択トランジスタSGが構成される。
【0025】
導電膜SGLの+Z側には、層間絶縁膜23が配されている。層間絶縁膜23は、絶縁物(例えば、シリコン酸化物)を主成分とする材料で形成され得る。
【0026】
層間絶縁膜23の+Z側には、複数のビット線BLが配されている。複数のビット線BLは、X方向に所定の間隔をあけて配列されている。ビット線BLは、それぞれ、Y方向に延びたライン状の導電膜で構成される。ビット線BLは、それぞれ、導電物(例えば、タングステン、銅、アルミニウムなどの金属)を主成分とする材料で形成され得る。
【0027】
ビット線BLと半導体膜CHとの間には、コンタクトプラグCP1が配されていてもよい。この場合、コンタクトプラグCP1は、上端でビット線BLに接触し、下端で半導体膜CHに接触し、ビット線BL及び半導体膜CHを電気的に接続することができる。コンタクトプラグCP1は、導電物(例えば、タングステンなどの金属)を主成分とする材料で形成され得る。
【0028】
X方向に隣接する2つのセルブロックCBのセットは、1つおきに対を成す。例えば、
図2に示すように、セルブロックCB0とセルブロックCB3とは対を成し、セルブロックCB3とセルブロックCB6とは対を成さず、セルブロックCB6とセルブロックCB9とは対を成す。
【0029】
X方向に隣接する2つのセルブロックCBのセットは、例えば、
図5~
図7に示すように構成される。
図5は、セルブロックCBの構成を示す斜視図であり、2つのセルブロックCB0、CB3のセットの構成を例示する。
図6は、セルブロックCBの構成を示す垂直方向の断面図であり、セルブロックCBの中心軸を通るXZ断面を示す。
図6では、簡略化のため、ワード線WL-ワード線WL間などに存在する絶縁膜の図示を省略している。
図7は、セルブロックCBの構成を示す平面方向の断面図である。
図7(a)は、
図6をA-A’線で切ったXY断面を示し、
図7(b)は、
図6をB-B’線で切ったXY断面を示し、
図7(c)は、
図6をC-C’線で切ったXY断面を示す。
【0030】
セットにおけるセルブロックCB0とセルブロックCB3とは、それぞれ、
図5~
図7に示すように、柱状構造体で構成される。柱状構造体は、X方向を長手方向とするXY平面形状を有するとともにそのXY断面形状で柱状にZ方向に延びた3次元形状を有する。セルブロックCB0の柱状構造体とセルブロックCB3の柱状構造体とはX方向に結合され、セルブロックCB0とセルブロックCB3とのセットは、略楕円柱形状を有する。
【0031】
各セルブロックの柱状構造体は、ゲート絶縁膜GD、半導体膜CH、ローカルビット線柱LBL、ローカルソース線柱LSL、抵抗変化膜RE、導通コンタクトCDPを有する。
【0032】
ローカルソース線柱LSLは、セルブロックCB0とセルブロックCB3とのセットで共有されるが、柱状構造体における他の構成は、セルブロックCB0とセルブロックCB3にそれぞれ設けられている。
【0033】
ゲート絶縁膜GDは、Z方向に延びて導電膜WL0~WL63を貫通する。ゲート絶縁膜GDは、略楕円筒形状を有する。半導体膜CHは、ゲート絶縁膜GDの内側でZ方向に延びて複数の導電膜WL0~WL63を貫通する。半導体膜CHは、略半楕円筒形状を有し、その外側面がゲート絶縁膜GDの内側面に接している。
抵抗変化膜REは、半導体膜CHに接触する部分とローカルビット線柱LBLに接触する部分とを含む。
【0034】
ローカルビット線柱LBLは、半導体膜CHの内側でZ方向に延びて導電膜WL0~WL63を貫通する。ローカルビット線柱LBLは、略半円柱形状を有する。
ローカルソース線柱LSLは、半導体膜CHの内側でZ方向に延びて導電膜WL0~WL63を貫通する。ローカルソース線柱LSLは、略角柱形状を有する。各セルブロックCBにおいて、ローカルソース線柱LSLの-Z側の端部がコンタクトプラグCP3を介してソース線SLに接続されている。
【0035】
抵抗変化膜REは、半導体膜CHの内側で且つローカルビット線柱LBLの外側で導電膜WL0~WL63を貫通する。抵抗変化膜REは、半導体膜CHに隣接する部分とローカルビット線柱LBLに隣接する部分とを含む。すなわち、抵抗変化膜REは、略半円筒形状を有し、その外側面が半導体膜CHの内側面に隣接し、その内側面がローカルビット線柱LBLの外側面に隣接している。
【0036】
各セルブロックCBにおいて、ローカルビット線柱LBLと抵抗変化膜REのそれぞれの+Z側端は、コンタクトプラグCP1に一番近いワード線WL0より若干+Z側に配置されている。これらの+Z側端とセルブロック選択線SGLとの間に位置するように導通コンタクトCDCが形成されている。導通コンタクトCDCの平面視形状は、ローカルビット線柱LBLと抵抗変化膜REを合わせた部分の平面視形状と同等である。導通コンタクトCDCの周面は半導体膜CHの内周面に接している。導通コンタクトCDCの-Z側の面は、ローカルビット線柱LBLと抵抗変化膜REの+Z側端に接している。
【0037】
導通コンタクトCDCは、半導体膜CHを構成する材料と異なる、TiN、TaNなどの金属を含む導電材料からなる。あるいは導通コンタクトCDCは、金属シリサイドからなる導電材料から構成されていても良い。金属シリサイドは一例として、Si層を形成後にNiやCoなどの金属イオンを注入してSi層をシリサイド化することができる。
導通コンタクトCDCは、金属を含む良導電性の材料からなる。このため、選択トランジスタSGがオン状態となった場合に、半導体膜CHとローカルビット線柱LBLとの良好なコンタクト性を導通コンタクトCDCが確保する。
【0038】
図4は、以上説明したセルアレイ5を周辺回路基板と一体化した構成の一例を示す。
周辺回路基板30は、基板21の上側(+Z側)に複数の駆動用トランジスタ31を備えている。各駆動用トランジスタ31は、基板21上にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、基板21内に設けられたソース拡散層(不図示)およびドレイン拡散層(不図示)を備えている。周辺回路基板30は、これらの駆動用トランジスタ31のゲート電極、ソース拡散層、またはドレイン拡散層上に設けられた複数のコンタクトプラグ33を有する。さらに、コンタクトプラグ33の+Z側に設けられ、複数の配線を含む第1配線層34と、第1配線層34の+Z側に設けられ、コンタクトプラグ35を含む第2配線層36と、第2配線層36の+Z側に設けられた第3配線層37を有している。基板21と配線層34の間に絶縁膜が設けられているが
図4では絶縁膜の記載を略し、配線層34、36、37の記載も略記している。
第3配線層37の+Z側に設けられた絶縁膜38上に、先に説明したソース線SLが形成され、ソース線SLの+Z側に先に
図3等を基に説明した積層体22が形成され、積層体22を貫通するように先に説明したセルブロックCBが設けられている。
【0039】
図4に示す構成において、セルブロックCBが形成された領域の-Y側の領域には、ワード線WLの端縁部分を階段状に形成した階段部40が形成されている。
階段部40とソース線SLの+Z側の領域と、階段部40とソース線SLの-Y側の領域にそれぞれ絶縁膜が形成されているが、
図4では絶縁膜の記載は略している。
【0040】
階段部40には、それぞれのワード線WLに接続するためのビアプラグ41が図示略の絶縁膜をZ方向に貫通するように接続されている。ソース線SLの-Y側の領域において第2配線層37の+Z側には、図示略の絶縁膜を貫通するように金属プラグ42が形成されている。金属プラグ42は絶縁膜の+Z側に形成された第4配線層43、ビアプラグ45、第5配線層46、コンタクトプラグ47を介しビット線BLに接続されている。
図4に示すように周辺回路基板30の+Z側にセルアレイ5を積層した構成により高集積化した不揮発性半導体記憶装置1を提供できる。
【0041】
先に説明したセルブロックCBを製造する場合のプロセスの概要について以下に説明する。なお、以下の説明では、プロセスの概要に関し、文章を主体として簡略的に説明し、プロセスの詳細については後に図面を参照しつつ説明する。
半導体基板21(
図3参照)の+Z側にソース線SLを形成後、絶縁膜222と犠牲膜とを交互に複数回積層し、積層体22を形成する。絶縁膜222は、例えばシリコン酸化物を主成分とする材料で形成され、犠牲膜は、例えばシリコン窒化物を主成分とする材料で形成される。セルブロックCBを形成するため、それぞれが積層体22をZ方向に貫通する複数のメモリホールMHを形成し、各メモリホールMHに2個のセルブロックCBのセットを埋め込む。各メモリホールMHはソース線SLに到達するように形成する。その後、犠牲膜を除去し、それによって形成された空隙に導電膜WLを埋め込む事により、非常に低コストの不揮発性半導体記憶装置を実現できる。
【0042】
2個のセルブロックCBのセットの埋め込みとしては、
図5、
図6及び
図7(a)~
図7(c)に示す様に、XY平面視横長の楕円形状のメモリホールMHの側壁内周に、ゲート絶縁膜GDを堆積し、その内側に半導体膜CHを堆積し、その後、内部を絶縁膜DFで埋めた後、リソグラフィを用いて、図中の中央、左右の3つのサブホールSHを形成する。
図7(c)の中央のサブホールSHには、内部にタングステン等を用いて低抵抗のローカルソース線柱LSLを埋める。
【0043】
セルブロック選択線SGLのZ位置、セルブロック選択線SGL及び導電膜WLの間のZ位置では、
図7(a)、
図7(b)に示すように、ローカルビット線LBLは半導体膜CHに接しない。導電膜WLに対応したZ位置では、
図7(c)に示すように、ローカルビット線柱LBLは半導体膜CHに隣接する構造とする。
【0044】
図7(c)に示す左右のサブホールSHでは、半導体膜CHの内側に半導体膜CHに接するように抵抗変化膜REを堆積するが、セルブロック選択線SGLのZ位置、セルブロック選択線SGL及び導電膜WLの間のZ位置では、
図7(a)、
図7(b)に示すように、抵抗変化膜REを除去する。半導体膜CHに対してもX方向中央付近で且つ導電膜WL直上のZ位置までの部分を除去する。その更に内側にはタングステン等の低抵抗のローカルビット線柱LBLを埋めるが、セルブロック選択線SGLのZ位置では、
図7(a)に示すように、ローカルビット線柱LBLを除去する。
【0045】
これにより、セルブロック選択線SGLのZ位置では、セルブロック選択線SGLで制御可能であるセルブロックの選択トランジスタSGを形成することができ、ビット線BL0,BL1とローカルビット線LBL0,LBL1の接続スイッチを形成できる。
また、セルブロック選択線SGL及び導電膜WLの間のZ位置では、ローカルビット線LBLは半導体膜CHに電気的に接続されるので、選択トランジスタSGがオン状態では、ビット線BL0,BL1に電気的に接続される。
また、導電膜WLに対応したZ位置では、ローカルビット線柱LBLが抵抗変化膜RE及び半導体膜CH経由でローカルソース線柱LSLに接続されるので、メモリセルMCが形成され得る。例えば、抵抗変化膜REをカルコゲナイド系の材料(Ge、Sb、Te)等の相変化材料で形成すれば、メモリセルMCをPCMメモリセルとして構成できる。
【0046】
セルブロックCB0とセルブロックCB3とのセットの等価回路図は、
図8に示す構成となる。
図8は、セルブロックCBの構成を示す回路図である。
【0047】
図8の等価回路図に示すように、メモリセルMCは、ワード線WLi(i=0~63)に接続されるセルトランジスタMTと2端子型の抵抗変化素子REとの直列接続で構成される。ワード線WL0~WL63に各々接続される複数のメモリセルMC0~MC63は、並列接続で、一方を共通のローカルビット線(ローカルビット線LBL0,LBL1)、他方を共通のローカルソース線LSLに接続される。ローカルビット線LBLは、セルブロック選択トランジスタSG0,SG1を介してビット線BL0,BL1に接続される。
【0048】
この構成により、セルブロック選択トランジスタSG0,SG3をオン状態としてセルブロックCB0,CB3を選択し、選択セルブロックCB0,CB3の内の選択ワード線WLにつながるセルトランジスタMTをオン状態とすることにより、選択メモリセルMCの抵抗変化素子REに選択的に電圧印可、電流印可が可能になり、ランダムリード、ランダムライトが可能になる。
更に、ビット線BL、ソース線SL間の電流経路における直列トランジスタ数は僅か、2個に抑えることが出来、トランジスタのON抵抗が高くても十分に抵抗変化素子REのSet/Reset動作が可能な電流を供給できる。
【0049】
この例では、ローカルソース線LSLを共通とした、左右2つのセルブロックCB0,CB3の等価回路を示している。共通のワード線WL1、セルブロック制御線SGLを使っており、2つのセルブロックCB0,CB3の2つのセルブロックCB0,CB3のメモリセルMC1を同時にリード/ライトしても良い。
【0050】
あるいは、
図9に示す様に、図中右側のセルブロックCB3に対応するビット線BL1の電位をソース線SL電位と均等な固定電位にして、選択ワード線WL1に電圧を印加する。これにより、セルブロックCB3は、選択ワード線WL1に対応したメモリセルMC1に電圧が印可されず、非アクセスとされ得る。図中左側のセルブロックCB0に対応した(ビット線BL0の電位)>(ソース線SLの電位)とする。これにより、セルブロックCB0は、選択ワード線WL1に対応したメモリセルMC1に選択的にセル電流が流れてリード/ライトされ得る。
【0051】
この場合、電流パスとしては、
図6、
図7(c)及び
図9に示すように、選択セルブロックCB0のローカルビット線柱LBLから選択メモリセルMC1の半導体膜CHを介して中央のローカルソース線柱LSLに向かって電流が流れるパスになる。
図9は、セルブロックCBの動作を示す回路図であり、選択ワード線がWL1である場合の電流パスを一点鎖線で示している。この時、抵抗変化膜REの抵抗状態(Set,Reset状態)に応じて電流量が変わるため、リード動作が可能になる。
【0052】
積層したワード線WLの開口部に配されるセルトランジスタMTは通常ポリシリコンチャンネルで移動度がバルクトランジスタに比べて非常に低いが、アクセス時のセルブロックCBの直列トランジスタ(
図9の場合、セルブロック選択トランジスタSGと1つのセルトランジスタMT)の数が2個と少ないため、十分大きなセル電流が流され得る。この為、抵抗変化素子REのSet/Reset駆動動作が容易になる。ローカルビット線柱LBLやローカルソース線柱LSLを低抵抗のタングステン等で形成すると、ワード線WLの積層数を増やしても抵抗変化素子REのリード、ライト動作時のセル電流が殆ど減らないため、低コストのメモリを実現出来る。
【0053】
なお、第1実施形態において、抵抗変化膜REとローカルビット線柱LBLとの間および抵抗変化膜REと半導体膜CHの間に熱バリア膜を設けても良い。
熱バリア膜は、熱抵抗の高い導電物質で形成され、例えばTiN、TaN、TiOx,C,CN等の導電物質で形成される。
この熱バリア膜は、抵抗変化膜REとローカルビット線柱LBLとの間で電流を通しながら抵抗変化膜REからの熱の漏れを抑制できる。熱バリア膜は、抵抗変化膜REと半導体膜CHとの間で電流を通しながら抵抗変化膜からの熱の漏れを抑制できる。
【0054】
例えば、抵抗変化膜REが相変化材料、磁性材料、金属酸化物材料のいずれで形成される場合も、昇温で動作、或いは高温でスイッチングし易くして動作するので、熱抵抗の高い熱バリア膜で挟むことで、発熱による熱の逃げを抑え、より低電流で昇温させることが出来る。
中央のローカルソース線柱LSLの回りにも熱バリア膜を挿入すれば、抵抗変化膜REの熱エネルギーが半導体膜CHを介してローカルソース線柱LSLに逃げるのも防ぐことが出来る。それとともに、熱バリア膜により、抵抗変化膜REと他の膜との電気的な接触抵抗を下げることが可能となる。
また、熱バリア膜によれば、抵抗変化膜REへ、或いは抵抗変化膜REからの各種原子の拡散防止が可能になり、データの保持信頼性の劣化を抑制できる。
【0055】
以上のように、抵抗変化膜REとローカルビット線柱LBLとの間に熱バリア膜を介在し、抵抗変化膜REと半導体膜CHとの間に熱バリア膜を介在させることができる。これらにより、選択メモリセルMCの抵抗変化素子REをSet/Reset動作が可能な温度まで昇温するためのセル電流の大きさを低減でき、不揮発性半導体記憶装置1の消費電力を低減できる。
【0056】
なお、熱バリア膜の材料として界面の電気抵抗が比較的高い材料を採用し、界面抵抗での発熱を昇温に用いる熱アシスト機能を持たせてもよい。あるいは、熱バリアの材料として抵抗変化膜REに対する熱的な接触抵抗が高い材料を選択し、熱バリア膜及び抵抗変化膜REの界面を初期高抵抗の状態にしてもよい。これにより、導電膜WL間の電流パス分離を実現できる。このように、熱バリア膜は、多数の用途に適用可能である。
【0057】
「第2実施形態」
次に、第2実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置について
図10を基に説明する。以下では、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
第1実施形態では、
図6に示すように各セルブロックCBのローカルビット線柱LBLの+Z側端に接するように、導通コンタクトCDCを設けた。第2実施形態においても、
図10に示すように各セルブロックCBのローカルビット線柱LBLの+Z側端に接するように、導通コンタクトCDC2を設ける構成は同等である。第2実施形態にかかる導通コンタクトCDC2は、
図6に示す導通コンタクトCDCと形状が異なる。
【0058】
導通コンタクトCDC2は、ローカルビット線柱LBLの+Z側の端に接する基部50とこの基部50の周縁から+Z側に筒型に伸びる延出部51を有する。基部50は、ローカルビット線柱LBLと抵抗変化膜REのそれぞれの+Z側端に接触している。
導通コンタクトCDC2を構成する材料は、導通コンタクトCDCを構成する材料と同等の材料からなる。例えば、導通コンタクトCDC2は、TiN、TaNなどの金属を含む導電膜から、あるいは、金属シリサイドなどの導電膜から形成されている。
【0059】
基部50と延出部51は同じ膜厚の導電膜からなり、延出部51は、半導体膜CHの内側面に接するように形成されている。
図10に示す垂直方向の断面において導通コンタクトCDC2は、U字型に形成されている。換言すると、導通コンタクトCDC2は、ローカルビット線柱LBLの線幅(
図10のX方向に沿う幅)より小さな膜厚を有し、金属を含む導電膜により形成されている。
その他の構成は第1実施形態と同等であり、導通コンタクトCDC2を備えたセルブロックCBがセルアレイ5に設けられて不揮発性半導体記憶装置が構成されている。
【0060】
ローカルビット線柱LBLの+Z側の端より上方に成膜によって導電膜を堆積する場合、
図7(b)に示すように半導体膜CHの内側全部を埋めるように成膜すると導通コンタクトCDCの全体を成膜する場合に成膜時間を長く要する。
図10に示すように基部50と延出部51からなり、ローカルビット線柱LBLの線幅より小さな膜厚の導通コンタクトCDC2であれば、成膜時間を短縮でき、製造時間の短縮に寄与する。
【0061】
導通コンタクトCDC2は、基部50においてローカルビット線柱LBLに接し、延出部51において広い面積で半導体膜CHに接しているので、選択トランジスタSGがオン状態となった場合にビット線BLからローカルビット線LBLへの導通部分において接触抵抗を減少させ、良好な導通状態を得ることができる。
その他の作用効果については第1実施形態の不揮発性半導体記憶装置と同等である。
【0062】
「第3実施形態」
次に、第3実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置について
図11を基に説明する。以下では、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
第1実施形態では、
図6に示したように各セルブロックCBのローカルビット線柱LBLの+Z側端に接するように、導通コンタクトCDCを設けた。第3実施形態においても、
図11に示すように各セルブロックCBのローカルビット線柱LBLの+Z側端に接するように、導通コンタクトCDC3を設ける構成は同等である。導通コンタクトCDC3は、
図6に示した導通コンタクトCDCと形状が異なり、形成されている位置が異なる。
【0063】
導通コンタクトCDC3は、ローカルビット線柱LBLの+Z側の端に接する基部50とこの基部50の周縁から+Z側に筒型に伸びる延出部51を有する。この基部50は、詳細には、ローカルビット線柱LBLと抵抗変化膜REのそれぞれの+Z側端に接触している。
導通コンタクトCDC3を構成する材料は、導通コンタクトCDCを構成する材料と同等の材料からなる。例えば、導通コンタクトCDC3は、TiN、TaNなどの金属を含む導電膜から、あるいは、金属シリサイドなどの導電膜から形成されている。
【0064】
基部50と延出部51は同じ膜厚の導電膜からなり、延出部51は、半導体膜CHの内側面に接するように形成されている。
図11に示す垂直方向の断面において導通コンタクトCDC3は、U字型に形成されている。換言すると、導通コンタクトCDC3は、ローカルビット線柱LBLの線幅(
図10のX方向に沿う幅)より小さな膜厚を有し、金属を含む導電膜により形成されている。
【0065】
ただし、第3実施形態においては、ローカルビット線柱LBLと抵抗変化膜REが、
図6に示す構成よりも+Z側に延出形成されている。具体的に、ローカルビット線柱LBLと抵抗変化膜REは、Z方向において選択トランジスタSG近くまで延出され、それらの+Z側に導通コンタクトCDC3が設けられている。
導通コンタクトCDC3の延出部51は、選択トランジスタSGの形成された領域まで延出されている。延出部51の+Z側端とコンタクトプラグCP1との間には絶縁膜DFが形成されている。
【0066】
第3実施形態においては、ローカルソース線柱LSLについても、ローカルビット線柱LBLと同様に+Z側に延出されている。ローカルソース線柱LSLの+Z方向の先端はローカルビット線柱LBLの+Z方向の先端と同等位置に形成されている。ローカルソース線柱LSLの先端側に、基部52と延出部53を有する延長部CDC4を備える。CDC4の構成材料はCDC3と同等であり、構成もCDC3と同等である。
図11の構成では、導通コンタクトCDC3がローカルビット線柱LBLの線端と、選択トランジスタSGのゲート電極直下のチャネル領域を形成する半導体膜CHの一部に接続されている。
その他の構成は第1実施形態と同等であり、導通コンタクトCDC2を備えたセルブロックCBがセルアレイ5に設けられて不揮発性半導体記憶装置が構成されている。
【0067】
ローカルビット線柱LBLの+Z側の端より上方に成膜によって導電膜を堆積する場合、第1実施形態の
図7(b)に示すように半導体膜CHの内側全部を埋めるように成膜すると導通コンタクトCDCの全体を成膜する場合に成膜時間を長く要する。
図11に示すように基部50と延出部51からなり、ローカルビット線柱LBLの線幅より小さな膜厚の導通コンタクトCDC3であれば、成膜時間を短縮でき、製造時間の短縮に寄与する。
導通コンタクトCDC3は基部50においてローカルビット線柱LBLに接し、延出部51において広い面積で半導体膜CHに接しているので、選択トランジスタSGがオン状態となった場合にビット線BLからローカルビット線LBLへの導通部分において接触抵抗を減少させ、良好な導通状態を得ることができる。
【0068】
また、
図11に示す構成では、導通コンタクトCDC3が選択トランジスタSGの近傍に形成されているので、選択トランジスタSGとワード線WLとの距離を短くできる。このため、選択トランジスタSGがオン状態となった場合に、半導体膜CHとローカルビット線柱LBLのコンタクト性について、先の第1、第2実施形態よりも良好な接続性を確保できる。
第3実施形態においては、ローカルビット線柱LBLに接続した導通コンタクトCDC3に加え、ローカルソース線柱LSLに接続した延長部CDC4を備えている。延長部CDC4は、絶縁膜DFの内部にCDC3を成膜する場合、同じ工程で作製することができる。
その他の作用効果については第1実施形態の不揮発性半導体記憶装置と同等である。
【0069】
「セルブロックセットの配列構成」
図12は第1実施形態の不揮発性半導体記憶装置1におけるセルブロックCBとビット線BLと分断膜SHEの配置関係を示す。
図12に示すように複数のビット線BLはY方向に沿い、X方向に所定の間隔をあけて配列され、複数の分断膜SHEはX方向に沿い、Y方向に所定の間隔をあけて配列されている。セットとなる2つのセルブロックCBはX方向に結合されて略楕円柱形状を有するが、ここでは仮に、セットとなった2つのセルブロックの結合体をセルブロックセット55として以下に説明する。
【0070】
第1実施形態においては、複数の分断膜SHEの間にセルブロックセット55がX方向に所定の間隔をあけて1列になるように配置されている。セルブロックセット55は平面視レーストラック形状であり、平面視したセルブロックセット55は個々のレーストラック形状の長軸をX方向に揃え、X方向に隣接する他のセルブロックセット55との間に一定の間隔をあけて配列されている。
【0071】
ビット線BLはセルブロックセット55を構成する2つのセルブロックCBのそれぞれに接続する必要があるので、1つのセルブロックセット55に対し2本のビット線BLが接続されている。セルブロックCBにビット線BLが接続される部分にコンタクトプラグCP1が配置されている。
分断膜SHE、SHEの間の領域に設けるセルブロックセット55の配列構成は
図12に示す例に限らず、以下に説明する実施形態を採用しても良い。
【0072】
「第4実施形態」
図13は第4実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置におけるセルブロックセット55の配列構成を示す。
図13に示すように分断膜SHE、SHEの間の領域に、X方向に沿って2列のセルブロックセット55を千鳥状に配置されている。
各セルブロックセット55には2本のビット線BLが必要であるため、
図13に示すようにビット線BLはX方向に
図12に示す構成よりも小さい間隔で複数配列されている。
【0073】
「第5実施形態」
図14は第5実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置におけるセルブロックセット55の配列構成を示す。
図14に示すように分断膜SHE、SHEの間の領域に、X方向に沿って3列のセルブロックセット55を配置することができる。
セルブロックセット55を配置する場合、各列のX方向に沿って配置されるセルブロックセット55の前後間隔は先の第1実施形態や第2実施形態と同様、全て同等に形成され得る。また、Y方向に隣接するセルブロックセット55の列どうしにおいて、セルブロックセット55の形成位置はX方向に一定距離だけ順次位置ずれするように配置されている。
【0074】
各セルブロックセット55には2本のビット線BLが必要であるため、
図14に示すようにビット線BLはX方向に沿って
図13に示す構成よりも小さい間隔で複数配列される。一例として、現状の微細構造化されている半導体記憶装置におけるビット線BLとして、線幅20nmとして
図14のX方向に隣接するビット線BL間隔を40nm程度に形成可能である。また、1つのセルブロックセット55とそのX方向に隣接する他のセルブロックセット55までの間の距離を含めた領域に、6本のビット線を設置可能である。
図14に示すようにビット線BLを配置し、セルブロックセット55を分断膜SHE、SHEの間の領域に3列で位置ずれ配列した場合、1つのセルブロックセット55とそのX方向に隣接する他のセルブロックセット55までの間の距離bを240nm程度に設定できる。
【0075】
図14に示す構成において鎖線で楕円形に描いた位置にコンタクトプラグCP1が配置される。
図14に示す構成において、隣接する分断膜SHE、SHEの間にセルブロックセット55を3列位置ずれで密に配置したとして、
図14に例示するようにビット線BLを配列して各セルブロックCBに接続することができる。
【0076】
図12~
図14に示すセルブロックセット55の配置例はそれぞれ1つの例示に過ぎない。隣接する分断膜SHE、SHE間の間隔の大きさと、ビット線BLの線幅および間隔と、セルブロックセット55の長軸方向の長さおよび短軸方向の幅に合わせて、セルブロックセット55の配置形状に特に制限はなく、如何なる配置形態を採用してもよい。
【0077】
「不揮発性半導体記憶装置の製造方法」
次に、
図15~
図57を基に第1実施形態にかかる不揮発性半導体記憶装置の製造方法について詳細に説明する。
図示略の基板上に絶縁膜を介し板状の導電膜からなるソース線60を
図15に示すように形成し、その上に+Z方向に沿って絶縁膜61と犠牲膜62を交互に複数積層した積層体63を形成する。絶縁膜61は、例えばシリコン酸化物を主成分とする材料で形成され、犠牲膜62は例えばシリコン窒化物を主成分とする材料で形成される。積層体63の最上層は絶縁膜61とする。最上層の絶縁膜61から数えて2番目の絶縁膜61は他の絶縁膜61より若干厚い絶縁膜とし、他の絶縁膜61は同等厚さに形成する。
【0078】
最上層の絶縁膜61の上にメモリホールMHを形成するための第1マスク65を設ける。
図16は第1マスク65の平面図である。メモリホール形成用の平面視レーストラック形状の複数の透孔65aを2列形成した状態を示している。この例では
図3に示す第1実施形態のセルブロックCBを製造する方法について説明するため、第1マスク65には、レーストラック形状の複数の透孔65aがそれらの長軸をX方向に向け、X方向に所定の間隔をあけて複数個形成されている。また、複数の透孔65aをX方向に形成した透孔列はY方向に所定の間隔をあけて複数列形成されている。
図16では図面の簡略化のために透孔列を2列のみ表示しているが、透孔列は不揮発性半導体記憶装置1の全体に設けられるセルブロックセット55の個数に合わせて必要な数だけ設けられる。
【0079】
第1マスク65を介しリアクティブイオンエッチングなどの方法を実施し、積層体63に
図17に示すようにソース線SLに達するメモリホールMHを形成する。
図18にメモリホールMHの平面視形状を示す。
次に、
図19に示すように積層体63の表面とメモリホールMHの内部にゲート絶縁膜67、半導体膜68、抵抗変化膜69を順次堆積するとともに、メモリホール内の残余部分を金属膜70で埋めるように成膜する。ゲート絶縁膜67は例えばHfOxから形成し、半導体膜68は例えば多結晶シリコンから形成し、抵抗変化膜69は例えばカルコゲナイド系材料(Ge、Sb、Te)等の相変化材料から形成する。金属膜70はタングステンなどの金属材料から形成する。
ゲート絶縁膜67、半導体膜68、抵抗変化膜69の膜厚をメモリホールMHの内径に比べて薄く形成すると、これらの膜はメモリホールMHの底面と内周面に沿って堆積する。金属膜70はメモリホール内部の大部分を占めるように厚く成膜する。
【0080】
各膜の成膜後、積層体63の表面を化学機械研磨により平坦化し、積層体63の表面においてメモリホールMH形成領域の外側にゲート絶縁膜67のみが残るように加工する。
図19は化学機械研磨後の積層体63の垂直方向の断面を示し、
図20は平面を示す。各メモリホールMHの内側には、メモリホールMHを埋めるように金属膜70と抵抗変化膜69と半導体膜68とゲート絶縁膜67からなる平面視レーストラック形状の充填体71が形成される。
【0081】
図21、
図22に示すように積層体63の上にサブホール形成用の第2マスク73を形成する。第2マスク73には、積層体63の表面に露出している充填体71を平面視した場合に各充填体71の長軸方向中央部を横切るようなスリット状の複数の透孔73aが配列されている。各透孔73aは、Y方向に沿い、X方向に所定の間隔をあけて配列されている。
図22に示す各透孔73aのX方向幅は、充填体71のX方向長さの1/3程度とする。
【0082】
次に、リアクティブイオンエッチングなどの方法を実施し、積層体63に
図23に示すようにソース線SLに達する第1サブホール75を形成する。
図24に第1サブホール75の平面視形状を示す。第1サブホール75は金属膜70をZ方向に貫通し、さらに-Z側の抵抗変化膜69と半導体膜68とゲート絶縁膜67を貫通してソース線60に到達するように形成する。
【0083】
第1サブホール75は、
図24に示すように平面視矩形状であり、平面視レーストラック形状の充填体71のX方向中央部をZ方向に貫通するように形成する。第1サブホール75のX方向の内幅は、第1サブホール75を形成すると、第1サブホール75のX方向両側にU字状の抵抗変化膜69が生成する幅とする。第1サブホール75のY方向の内幅は、金属膜70のY方向長さに抵抗変化膜69、69の膜厚を加えた幅に形成される。
第1サブホール75を形成することにより、充填体71においてY方向内面側の抵抗変化膜69は除去され、該内面側には半導体膜68が露出される。また、第1サブホール75の形成により抵抗変化膜69の一部が除去されるため、第1サブホール75のX方向両側に平面視U字状の抵抗変化膜69が形成される。
【0084】
図25、
図26に示すように、第1サブホール75の内面側に窒化チタンなどからなる導電膜76を形成し、第1サブホール75の残余部分にタングステンなどの金属材料からなる金属層77を埋め込む。第1サブホール75の底部は、抵抗変化膜69、半導体膜68、ゲート絶縁膜67を貫通してソース線60に達しているので、導電膜76はソース線60に接するように形成される。このため、金属層77は導電膜76を介しソース線60に電気的に接続される。
図26に示すように第1サブホール75の内側に導電膜76と金属層77を埋め込むため、
図20~
図22に示されていた平面視レーストラック状の充填体71は、平面視レーストラック状の充填体79に置き換えられる。
【0085】
図27、
図28に示すように積層体63の上に加工用の第3マスク78を形成する。第3マスク78には、積層体63の表面に露出している充填体79を平面視した場合に、各金属層77のX方向両端を含むようなスリット状の複数の透孔78aが形成されている。各透孔78aは、Y方向に沿い、X方向に間欠的に配列されている。各透孔78aのX方向幅は、平面視した充填体79において、金属層77のX方向端部と該端部に隣接する導電膜76の一部と、この導電膜76に隣接する金属膜70の一部を含む幅とする。
【0086】
次に、リアクティブイオンエッチングなどの方法を実施し、メモリホールMHの内部に
図29に示す第2サブホール80、80を形成する。
図30に第2サブホール80の平面視形状を示す。第2サブホール80は金属膜70をZ方向に貫通し、さらに-Z側の抵抗変化膜69を貫通してメモリホール底部の半導体膜68に到達するように形成する。
【0087】
第2サブホール80、80は、
図30に示すように平面視矩形状であり、平面視レーストラック形状の充填体79のX方向に沿って離間した位置をZ方向に貫通するように形成する。
第2サブホール80のX方向の内幅は、充填体79のX方向の長さの数分の一程度に形成される。第2サブホール80のY方向の内幅は、充填体79のY方向幅より若干小さく形成される。例えば、第2サブホール80のY方向の内幅は、金属膜70のY方向長さに抵抗変化膜69、69の膜厚を加えた幅とされる。
第2サブホール80の形成により、Y方向に沿って抵抗変化膜69、69の一部が除去される。第2サブホール80のY方向内面側には、半導体膜68の一部が露出される。
【0088】
ここで、X方向に隣接する第2サブホール80、80の間に、金属層77のY方向両側を導電膜76で挟んだ形状のローカルソース線柱81が形成される。第2サブホール80、80の底部側には導電膜76の底部からなる導通部82が形成される。導通部82は
図29に示す断面においてU字状に描かれる。ローカルソース線柱81は、この導通部82を介しソース線60に接続される。また、ローカルソース線柱81のX方向左右両側に第2サブホール80を介し離間して金属膜70からなるローカルビット線柱84が形成される。
【0089】
図31、
図32に示すように、第2サブホール80、80の内面側に窒化ケイ素などからなる薄いライナー膜83を形成し、第2サブホール80の残余部分に酸化ケイ素などからなるホール内絶縁膜85を埋め込む。第2サブホール80の-Z側の底部は、抵抗変化膜69を貫通して半導体膜68に到達しているので、ライナー膜83の-Z側端部は、半導体膜68と導通部82に到達するように形成される。ライナー膜83は薄く形成されるので、その内側に形成されるホール内絶縁膜85は、抵抗変化膜69の-Z側の底部を貫通して第2サブホール80の-Z側の底部の半導体膜68に近い位置まで形成される。
図31、
図32に示すように第2サブホール80の内側にライナー膜83とホール内絶縁膜85を埋め込みした。このため、
図25~
図28に示されていた平面視レーストラック状の充填体79は、平面視レーストラック状の充填体86に置き換えられる。
【0090】
図33、
図34に示すようにメモリホールMHの内部に形成した充填体86のうち、メモリホール内の上部側(+Z側)のローカルビット線柱84とローカルソース線柱81をエッチングにより除去する。このエッチングによりコンタクト用ホール87を形成できる。コンタクト用ホール87は、積層体63における+Z側の最上層の絶縁膜61と、その下の犠牲膜62を通過し、その1つ下の絶縁膜61の底部側(-Z側)まで形成する。コンタクト用ホール87の内側にはライナー膜83で周囲を囲まれた状態のホール内絶縁膜85が柱状に残留する。
図35、
図36に示すように、コンタクト用ホール87を埋める導電材料層88を形成する。導電材料層88は、半導体膜CHを構成する材料と異なる、TiN、TaNなどの金属を含む導電材料あるいはケイ素膜にコバルトやニッケルなどの金属をイオン注入した金属シリサイドからなる。
【0091】
図35に示す導電材料層88のうち、上部側(+Z側)をエッチングにより除去し、エッチングにより形成したホールに絶縁材料を埋め込むことにより、
図37に示すホール内絶縁膜89を形成する。このホール内絶縁膜89は、積層体63における最上層の絶縁膜61の形成領域と、その下の犠牲膜62の形成領域を通過し、さらに1つ下の絶縁膜61の形成領域における上部側(+Z側)に相当する位置まで形成する。
ホール内絶縁膜89の下側(-Z側)には、隣接する絶縁膜61の半分程度の厚さに相当する導通コンタクト90が形成される。導通コンタクト90は、ローカルビット線柱84の+Z側線端に接するように形成される。なお、ローカルソース線柱81の+Z側の線端に接するように導通コンタクト90と同等材料からなる導電部91が形成される。
【0092】
図37に示す構成の平面図を
図39に示すとともに、
図39におけるAA線に沿う断面の一部(AA断面)と、
図39に示すBB線に沿う断面(BB断面)をまとめて
図38に示す。
図39のAA線に沿う断面は、XZ面に沿う断面であり、BB線に沿う断面は、YZ面に沿う断面である。
図37に示すようにメモリホールMHの内側にホール内絶縁膜89と導通コンタクト90を埋め込んだため、先に示されていた平面視レーストラック状の充填体86は、平面視レーストラック状の充填体92に置き換えられる。
【0093】
図40、
図41に示すように積層体63の上に加工用の第4マスク93を形成する。第4マスク93には、積層体63の表面に露出している充填体92を平面視した場合に、各充填体92のX方向中央部を含むようなスリット状の複数の透孔93aが形成されている。各透孔93aは、Y方向に沿い、X方向に間欠的に配列されている。各透孔93aのX方向幅は、ホール内絶縁膜89とそのX方向両側に隣接するライナー膜83とホール内絶縁膜85の一部を含む幅とする。各透孔93aの幅は、ホール内絶縁膜89のX方向両側に位置するホール内絶縁膜85について、X方向幅の半分強程度を含む幅とする。
【0094】
次に、リアクティブイオンエッチングなどの方法を実施し、メモリホールMHの内部において透孔93aの-Z側に位置する部分を導通コンタクト90に達する位置まで除去する。この除去部分に、酸化ケイ素などからなるホール内絶縁膜95を埋め戻す処理を行う。埋め戻し処理後の断面を
図42に示す。
図42に示すように、X方向左右のホール内絶縁膜89、89に挟まれていた領域にホール内絶縁膜95が形成される。X方向左右のホール内絶縁膜89、89に挟まれていた領域に形成されていたライナー膜83、83とその間に形成されていたホール内絶縁膜89(
図40、
図41参照)は除去され、これらの代わりにホール内絶縁膜95が形成される。
図43にホール内絶縁膜95を形成した後の積層体63の平面視形状を示す。メモリホールMH内のホール内絶縁膜89をホール内絶縁膜95に置き換えることで先の図に示していた充填体92は、充填体96に置き換えられる。
【0095】
図44、
図45に示すように、積層体63の上に分断膜形成用の第5マスク98を形成する。第5マスク98には、積層体63の表面に露出している充填体96を平面視した場合、充填体96の2つの列の中間位置にスリット状の透孔98aが形成されている。透孔98aは充填体96の2つの列の中間位置に沿ってX方向に延在される。
【0096】
図44に示す透孔98aの-Z側のゲート絶縁膜67および絶縁膜61と、その下の犠牲膜62と絶縁膜61に至る溝部を形成し、この溝部に絶縁膜を埋めることにより、
図46に示す分断膜SHEを形成する。溝部はリアクティブイオンエッチングなどの方法により作成できる。分断膜SHEは、シリコン酸化物などの絶縁物で形成できる。
図47に、
図46のaa線に沿って切断した場合の平面(aa平面)と
図46のbb線に沿って切断した場合の平面(bb平面)を示す。
【0097】
図48に示すように、積層体63の上にリプレース用の第6マスク99を形成する。第6マスク99には、積層体63の表面に露出している充填体96を平面視した場合、充填体96の2つの列の+Y側の位置に、X方向に沿うようにスリット状の透孔99aが形成されている。
第6マスク99を利用し、リアクティブイオンエッチングを実施することにより、
図50に示すリプレース用スリット100を形成する。リプレース用スリット100は、積層体63の最上層のゲート絶縁膜67から積層体63をZ方向に貫通し、ソース線60に到達するように形成する。
図50に示すaa線に沿う断面を平面視したaa平面と、
図50に示すbb線に沿う断面を平面視したbb平面をまとめて
図51に示す。
【0098】
リプレース用スリット100を利用しエッチングにより積層体63の全ての犠牲膜62を除去し、
図52に示す空隙101を形成する。
図52に示すaa線に沿う断面を平面視したaa平面と、
図52に示すbb線に沿う断面を平面視したbb平面をまとめて
図53に示す。
図52に示す空隙101に、例えばCVD(化学気相成長法)法により電極材料を充填して
図54に示す板状のワード線WLを形成する。
図54に示すaa線に沿う断面を平面視したaa平面と、
図54に示すbb線に沿う断面を平面視したbb平面をまとめて
図55に示す。
【0099】
図56に示すようにリプレース用スリット100の内側面を覆うように酸化ケイ素などからなる絶縁部DLを形成し、さらにリプレース用スリット100の内部にタングステンなどの金属からなる電極材料を充填すると、
図56に示す電極部SL ’を形成できる。
図56に示すaa線に沿う断面を平面視したaa平面と、
図56に示すbb線に沿う断面を平面視したbb平面をまとめて
図55に示す。
【0100】
以上説明の製造方法により、
図2~
図9を基に先に説明した第1実施形態と同等構造の不揮発性半導体記憶装置110を製造することができる。
不揮発性半導体記憶装置110は、メモリホールMH内に、該メモリホールMHの内周面に沿って形成されるゲート絶縁膜67と、ゲート絶縁膜67に周囲を部分的に囲まれた状態で前記メモリホールMHの延在方向に伸びる半導体膜68を有する。
不揮発性半導体記憶装置110は、半導体膜68に周囲を部分的に囲まれた状態でメモリホールMHの延在方向に伸びる抵抗変化膜69を有する。さらに、抵抗変化膜69に周囲を囲まれた状態でメモリホールMHの延在方向に伸びるローカルビット線84を有する。メモリホールMHの内側に半導体膜68、抵抗変化膜69及びローカルビット線84に対しホール内絶縁膜89、95を介し離間してメモリホールMHの延在方向に沿って伸びるローカルソース線81を設けたセルブロックCBが形成されている。
【0101】
不揮発性半導体記憶装置110では、複数のワード線WLを形成することにより、積層体63の上部に形成したワード線WLと該ワード線WLに隣接するメモリホール上部のゲート絶縁膜67と前記半導体膜68を備える選択トランジスタSGが形成されている。
セルブロックCBのローカルビット線84とローカルソース線81との間に、ワード線WLにゲートを接続したセルトランジスタMTに直列接続された抵抗変化膜69による抵抗変化素子を備えたメモリセルMCが形成されている。
不揮発性半導体記憶装置110は、第1実施形態の不揮発性半導体記憶装置1と同等構成であり、第1実施形態の不揮発性半導体記憶装置1と同等の作用効果を得ることができる。
【0102】
「第2実施形態の製造方法」
第1実施形態の製造方法においては、
図33に示すようにコンタクト用ホール87を形成した後、
図35に示すように導電材料層88を形成した。この場合、コンタクト用ホール87の内部全体を導電材料層88で埋めるのではなく、コンタクト用ホール87の底部と内周壁にのみ接するように導電材料膜を形成し、コンタクト用ホール87の中心部側に導電材料膜を成膜しない状態とすることができる。
【0103】
このようにコンタクト用ホール87の底部と内周部のみに導電材料膜を形成すると、
図10に示す第2実施形態の導通コンタクトCDC2を備えた不揮発性半導体記憶装置を製造できる。
コンタクト用ホール87の底部に接するように形成した導電材料膜から導通コンタクトCDC2の基部50を形成できる。コンタクト用ホール87の内側面に接するように形成した導電材料膜から導通コンタクトCDC2の延出部51を形成できる。
その他の工程を前述の通り実施することにより、
図10に示す第2実施形態の不揮発性半導体記憶装置を製造することができる。
【0104】
「第3実施形態の製造方法」
第1実施形態の製造方法においては、
図33に示すように積層体63にコンタクト用ホール87を形成した後、
図35に示すように導電材料層88を形成した。
この場合、コンタクト用ホール87の底部をメモリホールMH内において、積層体63の最上層の犠牲膜62より1つ下側(-Z側)の絶縁膜61の位置まで形成する。
そして、導電材料層を形成する場合、コンタクト用ホール87の内部全体を導電材料層88で埋めるのではなく、コンタクト用ホール87の底部と内周壁にのみ接するように導電材料膜を形成し、コンタクト用ホール87の中心部側に導電材料膜を成膜しない状態とする。コンタクト用ホール87の内周壁に導電材料層を成膜する場合、積層体63の最上層の犠牲膜62の内側に至る位置まで導電材料膜を成膜する。
【0105】
このようにコンタクト用ホール87の底部と内周部のみに導電材料膜を形成すると、
図11に示す第3実施形態の導通コンタクトCDC3を備えた不揮発性半導体記憶装置を製造できる。
コンタクト用ホール87の底部に接するように形成した導電材料膜から導通コンタクトCDC3の基部50を形成できる。コンタクト用ホール87の内側面に接するように形成した導電材料膜から導通コンタクトCDC3の延出部51を形成できる。
その他の工程を前述の通り実施することにより、
図11に示す第3実施形態の不揮発性半導体記憶装置を製造することができる。
【0106】
以上、本発明の実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0107】
1…不揮発性半導体記憶装置、5…セルアレイ、BL…ビット線、
CB,CB0~CB(n-1)…セルブロック、CDC…導通コンタクト、
CH…半導体膜、DF…絶縁膜、GD…ゲート絶縁膜、
LBL…ローカルビット線柱(ローカルビット線)、
LSL…ローカルソース線柱(ローカルソース線)、
MC,MC0~MC63…メモリセル、MH…メモリホール、
MT…セルトランジスタ、
RE、RE’,RE0~RE63…抵抗変化素子(抵抗変化膜)、
SG…選択トランジスタ、SL…ソース線、WL、WL0~WL63…ワード線、CDC2、CDC3…導通コンタクト、50…基部、51…延出部、61…絶縁膜、62…犠牲膜、63…積層体、67…ゲート絶縁膜、68…半導体膜、
69…抵抗変化膜、83…ライナー膜、85…ホール内絶縁膜、
87…コンタクト用ホール、89、95…ホール内絶縁膜、100…スリット、
101…空隙。