(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004422
(43)【公開日】2024-01-16
(54)【発明の名称】車載器取付具および車載器取付構造体
(51)【国際特許分類】
B60R 11/02 20060101AFI20240109BHJP
E05B 19/00 20060101ALI20240109BHJP
【FI】
B60R11/02 Z
E05B19/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022104099
(22)【出願日】2022-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006758
【氏名又は名称】株式会社ヨコオ
(74)【代理人】
【識別番号】110001667
【氏名又は名称】弁理士法人プロウィン
(72)【発明者】
【氏名】山本 次男
【テーマコード(参考)】
3D020
【Fターム(参考)】
3D020BA01
3D020BB01
3D020BC03
3D020BD01
3D020BD08
(57)【要約】
【課題】電子キーを収容する車載器を車両に固定するための車載器取付具および車載器取付構造体を提供する。
【解決手段】車両の電子キーを収容する車載器を前記車両に取り付けるための車載器取付具であって、前記車載器に連結される連結部と、前記連結部から延設されて前記車両に固定される固定部とを備え、前記連結部には、第1締結部材が挿通される中心孔と、所定の長さを有し締結位置を変更可能に第2締結部材が挿通される角度調整孔が形成されている。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の電子キーを収容する車載器を前記車両に取り付けるための車載器取付具であって、
前記車両に固定される固定部と、
前記固定部から延設されて前記車載器に連結される連結部と、
を備え、
前記連結部には、
第1締結部材が挿通される中心孔と、
所定の長さを有し、締結位置を変更可能に第2締結部材が挿通される角度調整孔が形成されている、
車載器取付具。
【請求項2】
前記角度調整孔は、前記中心孔を中心とした円弧の一部として形成されている、
請求項1に記載の車載器取付具。
【請求項3】
前記連結部は、平面視において前記固定部から逸脱するオーバーハング領域を有し、
前記中心孔は前記オーバーハング領域に形成されている、
請求項1に記載の車載器取付具。
【請求項4】
前記連結部とは別の位置で前記車載器に連結される追加連結部を有し、
前記追加連結部には、
所定の長さを有し、締結位置を変更可能に第3締結部材が挿通される追加調整孔が形成されている、
請求項1に記載の車載器取付具。
【請求項5】
前記固定部は、前記連結部と前記追加連結部で別体に形成されている、
請求項4に記載の車載器取付具。
【請求項6】
前記角度調整孔の長さ方向に沿って、締結位置を示すインジケータ部が配置されている、
請求項1に記載の車載器取付具。
【請求項7】
請求項1から6の何れか一つに記載の車載器取付具と、
前記車載器と、前記第1締結部材と、前記第2締結部材を備える車載器取付構造体であって、
前記車載器は、
前記第1締結部材および前記第2締結部材が締結される締結部を有する、
車載器取付構造体。
【請求項8】
前記締結部は、前記車載器の対向する2面に形成された少なくとも4つの締結孔を有し、
前記締結孔は前記車載器において上下対称および左右対称に配置されている、
請求項7に記載の車載器取付構造体。
【請求項9】
前記締結孔の近傍に、それぞれを識別するための識別部が配置されている、
請求項8に記載の車載器取付構造体。
【請求項10】
前記車載器の前記締結部が配された面とは異なる面に接触して配されるサポート部材を備える、
請求項8に記載の車載器取付構造体。
【請求項11】
前記サポート部材は、弾性変形可能な振動吸収部を含む、
請求項10に記載の車載器取付構造体。
【請求項12】
車両の電子キーを収容する車載器を前記車両に取り付けるための車載器取付構造体であって、 前記車両に固定される固定部と、
前記固定部から延設されて前記車載器に連結される連結部と、からなる取付具を備え、
前記車載器は、対向する2面に設けられた前記連結部と締結する締結部を有し、
前記締結部は、前記車載器の前記対向する2面の前記連結部との関係を互いに変更した状態でも前記連結部との締結を可能に構成されている、
車載器取付構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載器を車両に取り付けるための車載器取付具および車載器取付構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の利用形態として、複数人で1台又は複数台の車両をシェアする形態がある。カーシェアリングやレンタカーがそれに該当する。以降こうした利用形態を総括して「シェアリング」と呼ぶ。
【0003】
シェアリングにおいては、シェアリング対象の車両を使用するための鍵の扱いが重要となる。例えば、特許文献1には、シェアリング等で利用可能な電子キーを収容する車載器の技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、電子キーを収容する車載器を車両に固定するための車載器取付具および車載器取付構造体の技術については知られていなかった。
本発明の目的の一例は、電子キーを収容する車載器を車両に固定するための車載器取付具および車載器取付構造体を提供することにある。本発明の他の目的は、本明細書の記載から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、車両の電子キーを収容する車載器を前記車両に取り付けるための車載器取付具であって、前記車両に固定される固定部と、前記固定部から延設されて前記車載器に連結される連結部と、を備え、前記連結部には、第1締結部材が挿通される中心孔と、所定の長さを有し、締結位置を変更可能に第2締結部材が挿通される角度調整孔が形成されている、車載器取付具である。
本発明の一態様は、車両の電子キーを収容する車載器を前記車両に取り付けるための車載器取付構造体であって、前記車両に固定される固定部と、前記固定部から延設されて前記車載器に連結される連結部と、からなる取付具を備え、前記車載器は、対向する2面に設けられた前記連結部と締結する締結部を有し、前記締結部は、前記車載器の前記対向する2面の前記連結部との関係を互いに変更した状態でも前記連結部との締結を可能に構成されている、車載器取付構造体である。
【0007】
本発明の上記態様によれば、電子キーを収容する車載器を車両に固定するための車載器取付具および車載器取付構造体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る電子キー操作装置100を用いたシェアリングシステム3のシステム構成の例を示す模式図である。
【
図2】電子キー操作装置100の1つの実施形態の動作を概念的に示す模式図である。
【
図3】電子キー操作装置100の電子キー収容部110に、電子キー収容ケース300に入れられた電子キー200を収容する1つの実施形態を示す模式斜視図である。
【
図4】
図3の実施形態で用いられる電子キー収容ケース300の詳細を、電子キー200を入れた状態で概略的に示す模式斜視図である。
【
図5】電子キー操作装置100の概要を示す模式斜視図であり、
図5(a)は正面、上面、右側面を示し、
図5(b)は正面、下面、左側面を示している。
【
図6】電子キー操作装置100の概要を示す図であり、
図6(a)は正面図を示し、
図6(b)は左側面図を示し、
図6(c)は右側面図を示している。
【
図7】締結部の構造例を示す斜視片側断面図であり、
図7(a)は右側面130rの斜視片側断面図であり、
図7(b)は固定金具182を拡大した斜視片側断面図である。
【
図8】車載器取付具400の構造を示す模式図であり、
図8(a)は模式斜視図であり、
図8(b)は模式上面図であり、
図8(c)は模式側面図であり、
図8(d)は模式正面図である。
【
図9】電子キー操作装置100に車載器取付具400を取り付けた状態を示す模式斜視図であり、
図9(a)は上面130t側に取り付けた場合を示し、
図9(b)は下面130b側に取り付けた場合を示している。
【
図10】電子キー操作装置100に対する車載器取付具400の角度調整を示す模式側面図であり、
図10(a)は固定部401に平行に保持する場合を示し、
図10(b)は角度θだけ傾斜させて保持する場合を示している。
【
図11】車載器取付具400を用いて電子キー操作装置100を車両に搭載した場合の電子キー収容ケース300の抜き差し動作について説明する図であり、
図11(a)はグローブボックス620を閉じた状態を示し、
図11(b)はグローブボックス620を開いた状態を示している。
【
図12】第2実施形態に係る車載器取付具410の構造を示す模式図であり、
図12(a)は模式斜視図であり、
図12(b)は模式上面図であり、
図12(c)は模式側面図であり、
図12(d)は模式正面図である。
【
図13】第2実施形態に係る車載器取付具420の構造を示す模式図であり、
図13(a)は模式斜視図であり、
図13(b)は模式上面図であり、
図13(c)は模式側面図であり、
図13(d)は模式正面図である。
【
図14】電子キー操作装置100に車載器取付具410,420を取り付けた状態を示す模式斜視図であり、
図14(a)は上面130t側に取り付けた場合を示し、
図14(b)は下面130b側に取り付けた場合を示している。
【
図15】電子キー操作装置100に対する車載器取付具410,420の角度調整を示す模式側面図であり、
図15(a)は固定部421に平行に保持する場合を示し、
図15(b)は角度θだけ傾斜させて保持する場合を示している。
【
図16】車載器取付具410,420を用いて電子キー操作装置100を車両に搭載した場合の電子キー収容ケース300の抜き差し動作について説明する図である。
【
図17】第3実施形態に係る車載器取付具430~450の構造を示す模式斜視図である。
【
図18】第4実施形態に係る車載器取付具400,420を用いた車載器取付構造体について説明する図である。
【
図19】第5実施形態に係る車載器取付具400およびサポート部材460を用いた車載器取付構造体について説明する図である。
【
図20】サポート部材460として弾性変形可能な振動吸収部材を用いた例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明を以下の実施形態を例として具体的に説明をするが、本発明はこれによって限定されるものではない。本明細書における各装置、機構、手段等について特に詳細な言及がない場合には、これらについては当業者であれば周知の機械的装置、機構、手段等を用いることができる。各実施形態は、当業者が通常の知識に基づいて組み合わせることが可能であり、各実施形態について特記していない構成については、他の実施形態と同じ構成又はその実施形態に適した構成を有することができる。断面図において、他の部材と識別しやすくするために各部材の断面を様々な斜線で表しているが、これらの斜線の差異は、その部材の材質、形状等の差異を表すものではない。また、斜視図においても、他の部材と識別しやすくするために各部材を色又はドットで表しているが、これらの差異も、その部材の材質、形状等の差異を表すものではない。
【0010】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について
図1~
図11を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係る電子キー操作装置100を用いたシェアリングシステム3のシステム構成例を示す模式図である。
【0011】
シェアリングシステム3は、シェアリング対象である車両5と、車両5に付属する純正の電子キー200を収容した電子キー収容ケース300と、電子キー収容ケース300が装着された車載器である電子キー操作装置100と、ネットワーク9を介して電子キー操作装置100と通信接続するサーバシステム1100と、ネットワーク9を介して電子キー操作装置100と通信接続するシェアリング対象のユーザが使用するユーザ端末1500と、を有する。車両5は、少なくとも1つの電子キー操作装置100を搭載する。実際のシェアリングシステム3を運用する場合は、車両5及び電子キー操作装置100のセットが1つ又は複数用意され、その1つ又は複数用意されたセットに対応した1つ又は複数のユーザ端末1500が用いられることとなる。
【0012】
電子キー200は、シェアリング対象の車両5が備える施錠機構を解錠/施錠する押下釦である解錠ボタン210及び施錠ボタン220(
図2参照)を有する。電子キー200は、解錠ボタン210が押されると所定の解錠信号を発信し、施錠ボタン220が押されると所定の施錠信号を発信する。ネットワーク9は、データ通信が可能な通信路を意味する。通信方法については有線/無線を問わない。電子キー収容ケース300は、内部に電子キー200を収容するとともに、電子キー操作装置100に装着されて、電子キー操作装置100の駆動により解錠ボタン210または施錠ボタン220の押し下げ動作が可能なように電子キー200を保持する部材である。
【0013】
サーバシステム1100は、シェアリングシステム3のユーザ登録と、予約管理と、ユーザ端末1500や電子キー操作装置100への予約情報の提供と、を行う。具体的には、サーバシステム1100は、管理プログラム501を記憶し、これを実行することによって、(1)ユーザ登録機能、(2)車両5別の予約設定機能、(3)予約情報700(例えば、固有の予約ID、予約車両ID、予約期間、パスワードなどを含む。)の生成機能、(4)予約情報700の写し(予約情報700t)をユーザ端末1500へ提供する機能、(5)予約情報700の写し(予約情報700c)を電子キー操作装置100へ提供する機能、を実装する。
【0014】
ユーザ端末1500は、ユーザが使用するネットワーク9に接続可能なコンピュータシステムであって、例えばスマートフォン、タブレット型コンピュータ、ノートパソコン、ウェアラブルコンピュータ等により実現される。
【0015】
ユーザ端末1500は、アプリケーションプログラムを記憶し、実行することができる。アプリケーションプログラムとしては、端末プログラム502を記憶している。端末プログラム502は、(1)サーバシステム1100にアクセスするための機能と、(2)ユーザによる解錠操作に応じて電子キー操作装置100へ所定の解錠要求を行い、予約情報700tを提供して電子キー操作装置100に解錠させる機能と、(3)ユーザによる施錠操作に応じて電子キー操作装置100と通信接続して所定の施錠要求を行い、予約情報700tを提供して電子キー操作装置100に施錠させる機能と、を実現させる。
【0016】
なお、第1方向X、第2方向Y又は第3方向Zを示す矢印は、当該矢印の基端から先端に向かう方向が当該矢印によって示される方向の正方向であり、当該矢印の先端から基端に向かう方向が当該矢印によって示される方向の負方向であることを示している。第1方向Xは、電子キー収容ケース300の電子キー操作装置100に対しての挿抜方向に平行な方向となっている。第1方向Xの正方向は、電子キー収容ケース300の挿入方向となっている。第1方向Xの負方向は、電子キー収容ケース300の抜去方向となっている。第2方向Yは、第1方向Xに直交し、電子キー操作装置100の厚み方向に平行な方向となっている。第2方向Yの正方向は、電子キー操作装置100の下方から上方に向かう方向となっている。第2方向Yの負方向は、電子キー操作装置100の上方から下方に向かう方向となっている。第3方向Zは、第1方向X及び第2方向Yの双方に直交している。第3方向Zは、電子キー操作装置100の幅方向に平行な方向となっている。第3方向Zの正方向は、電子キー操作装置100の電子キー収容ケース300が装着される側から当該装着される側とは反対側に向かう方向となっている。第3方向Zの負方向は、電子キー操作装置100の電子キー収容ケース300が装着される側とは反対側から当該装着される側に向かう方向となっている。図面中の第1方向X、第2方向Y及び第3方向Zを、それぞれ奥行方向、厚さ方向及び幅方向ともいう。
【0017】
図2は、電子キー操作装置100の1つの実施形態の動作を概念的に示す模式図である。この電子キー操作装置100は、アクチュエータ800と、押圧部材60と、電子キー収容部110と、操作機構部120を具備する。また、電子キー収容ケース300には電子キー200が収容され、電子キー収容ケース300が電子キー操作装置100に装着部(図示省略)によって装着される。このとき電子キー200は、解錠ボタン210,施錠ボタン220が電子キー操作装置100に対向するように、電子キー収容ケース300内に位置決めされて保持されている。
【0018】
電子キー収容部110は、電子キー200を収容する部分である。電子キー収容部110は、電子キー200の解錠ボタン210、施錠ボタン220を操作機構部120にある押圧部材60の側に向けた状態で、電子キー200を収容する。第1の実施形態においては、電子キー200は、電子キー収容ケース300に格納された状態で、電子キー収容部110に収容されている。
【0019】
操作機構部120は、電子キー200の解錠ボタン210、施錠ボタン220を押すための機械構造部分であり、筐体部10中に、制御部(図示省略)、制御部から信号を受けるアクチュエータ800、アクチュエータ800から動力を受ける押圧部材60を有している。
【0020】
アクチュエータ800は、制御部(図示省略)から制御されて、直接的に又は間接的に、押圧部材60に動力を与える駆動部となる。アクチュエータ800は、例えば電磁ソレノイドであってもよく、具体的にはプッシュ式のリニアソレノイドで実現され、駆動電流の通電に伴って電磁力でロッド状の押圧部材60を押し出すことができる。電子キー200に対する解錠又は施錠の指示が、ネットワーク9を介して電子キー操作装置100に与えられると、制御の指示に応じてアクチュエータ800は押圧部材60を押し出し、押圧部材60の先端が電子キー200の解錠ボタン210又は施錠ボタン220の押し下げ動作を実行する。解錠の指示が与えられると解錠ボタン210の押し下げ動作を実行し、施錠の指示が与えられると施錠ボタン220の押し下げ動作を実行する。なお、押圧部材60が電子キー200の解錠ボタン210又は施錠ボタン220を押し、そしてアクチュエータ800の動力が止まった後に、押圧部材60を復帰機構によって元の位置に戻すことができる。
【0021】
図3は、電子キー操作装置100の電子キー収容部110に、電子キー収容ケース300に入れられた電子キー200を収容する1つの実施形態を示す模式斜視図である。
図4は、
図3の実施形態で用いられる電子キー収容ケース300の詳細を、電子キー200を入れた状態で概略的に示す模式斜視図である。
図3および
図4に示したように、電子キー200は、電子キー収容ケース300に格納された状態で、電子キー収容部110に挿入される。
【0022】
電子キー収容ケース300は、電子キー200を格納する格納部310と、キーフィッター320と、格納部310の開口を開閉する蓋部330と、を有し、電子キー200を取り出し可能に格納する。電子キー収容ケース300は、電子キー200の解錠ボタン210及び施錠ボタン220を露出した状態で電子キー200を格納し、それにより電子キー収容部110に電子キー収容ケース300を収容した時に、押圧部材60が解錠ボタン210及び施錠ボタン220を押せるようにする。
【0023】
キーフィッター320は、電子キー200の外形形状に対応した形状を有することができる。例えばキーフィッター320は、外形形状に沿って電子キー200の収容範囲がくり抜かれた、硬質スポンジ等で形成された部材であってもよい。キーフィッター320は、電子キー200の解錠ボタン210及び施錠ボタン220が格納部310の所定の位置となるように電子キー200の位置決めをする。キーフィッター320は、電子キー操作装置100を取り付ける車両の電子キー200の種類に応じたタイプが選択されて用いられる。
【0024】
次に、
図5および
図6を用いて、電子キー操作装置100の各部について詳細に説明する。
図5は、電子キー操作装置100の概要を示す模式斜視図であり、
図5(a)は正面、上面、右側面を示し、
図5(b)は正面、下面、左側面を示している。
図6は、電子キー操作装置100の概要を示す図であり、
図6(a)は正面図を示し、
図6(b)は左側面図を示し、
図6(c)は右側面図を示している。
【0025】
電子キー操作装置100は、前述したように電子キー収容部110と操作機構部120の2つの部分を備えており、両者を合わせて箱形の外形が構成されている。一例として、電子キー操作装置100の箱形形状は、前面130f、背面(図示省略)、上面130t、下面130b、右側面130rおよび左側面130lを有している。ここで、前面130f、背面、上面130t、下面130b、右側面130rおよび左側面130lの各面とは、完全に平坦なことを意味せず、凹凸や構造物を含みながらも全体として面として認識できる程度を意味している。また、各面の名称は便宜的に付与したものであり、電子キー操作装置100を配置する方向に応じて実際の上下および左右の位置は入れ替え可能である。
【0026】
前面130fは、利用者が操作時に電子キー操作装置100に正対する面であり、
図5,6に示した例ではX軸の負方向端部におけるYZ平面を構成している。前面130fの電子キー収容部110においては、電子キー収容ケース300の一部が露出している。利用者は正面から電子キー収容ケース300を操作して、電子キー収容部110から電子キー収容ケース300を抜き差しすることができる。また、
図6(a)で示すように前面130fの操作機構部120においては、スピーカー部140および表示部150が配置されている。スピーカー部140は、制御部での制御に応じて音を発する部分であり、利用者に対する案内音声やアラームを報知するために用いられる。表示部150は、電子キー操作装置100の動作状態を表示する部分であり、電源のオン/オフ状態、電子キー収容ケース300の着脱状態、電子キー200の収容状態等の各種情報を視認するための情報を表示する。表示部150の具体的構成は限定されず、複数の発光ダイオードの点滅を用いるとしてもよく、画像表示装置を用いるとしてもよい。
【0027】
左側面130lは、前面130fを正面視した際に左側に位置する面であり、
図5,6に示した例ではZ軸方向の負方向端部におけるXY平面を構成している。また、
図6(b)で示すように左側面130lは、電子キー収容部110の一部を構成しており、締結孔161~164と、識別部165~168が形成されている。右側面130rは、前面130fを正面視した際に右側に位置する面であり、
図5,6に示した例ではZ軸方向の正方向端部におけるXY平面を構成している。また、
図6(c)で示すように右側面130rは操作機構部120の一部を構成しており、締結孔171~174と、識別部175~178が形成されている。
【0028】
締結孔161~164,171~174は、後述する車載器取付具を固定するための部分であり、本発明における締結部を構成している。締結孔161~164,171~174の具体的構造は限定されず、車載器取付具の取り付けに用いられる締結部材の形状および構造に対応して、螺子孔や貫通孔などを用いることができる。識別部165~168,175~178は、締結孔161~164,171~174の近傍に形成された印である。
図5,6に示した例では、識別部165~168,175~178として数字を用いているが、形状や内容は限定されず英文字や図形等を用いるとしてもよい。
【0029】
締結孔161~164,171~174の個数および位置は限定されないが、電子キー操作装置100の上下方向および左右方向において対称となる位置に形成されることが好ましい。また、電子キー操作装置100の外形も上下方向および左右方向において対称に形成されることが好ましい。具体的に
図5,6に示した例では、左側面130lの締結孔161~164と、右側面130rの対応する締結孔171~174は、それぞれ前面130f、上面130t、下面130bからの距離が同じ位置に形成されている。また、締結孔161,163,171,173の上面130tからの距離と、締結孔162,164,172,174の下面130bからの距離は何れも同じとされている。よって、電子キー操作装置100の上下左右を入れ替えた場合にも、車両に対する締結孔161~164,171~174の配置は入れ替え前後で変わらず、同じ車載器取付具を用いて取付を行うことが可能となる。
【0030】
図7は、締結部の構造例を示す斜視片側断面図であり、
図7(a)は右側面130rの斜視片側断面図であり、
図7(b)は固定金具182を拡大した斜視片側断面図である。
図7(a)(b)に示した例では、締結孔172,174は、右側面130rに形成された所定の径を有する貫通孔である。また右側面130rの内面には、締結孔171~174に対応する位置に固定金具181,182が配置されている。固定金具181,182は板状部182a,と螺子孔部182bを有している。板状部182aは右側面130rの裏面に当接する略板状の部分であり、締結孔171~174に対応する位置に螺子孔部182bが形成されている。螺子孔部182bは板状部182aに形成された孔であり、内周面には締結部材に対応した螺子溝が形成されている。
図7(a)(b)に示した例では、締結孔172,174のみを示して説明したが、他の締結孔161~164,171,173も同様の構造を有している。
【0031】
次に、電子キー操作装置100を車両に取り付けるための車載器取付具400およびそれを用いた車載器取付構造体について説明する。
図8は、車載器取付具400の構造を示す模式図であり、
図8(a)は模式斜視図であり、
図8(b)は模式上面図であり、
図8(c)は模式側面図であり、
図8(d)は模式正面図である。
図8に示したように車載器取付具400は、固定部401と、連結部402と、固定孔403と、中心孔404と、角度調整孔405と、インジケータ部406を備えている。
【0032】
固定部401は、電子キー操作装置100を取り付けるための車両における搭載領域に当接する部分である。固定部401の形状は限定されないが、
図8に示した例では略四辺形状の略平板状であり、両端部が延設して立設されて連結部402が構成されている。また、固定部401は車両側の搭載領域に対応した形状を有して、電子キー操作装置100を保持することができれば、板状に限定されず凹凸や曲面を有してもよい。
【0033】
連結部402は、固定部401から延設されて電子キー操作装置100に連結される部分である。連結部402の形状は限定されないが、
図8に示した例では固定部401から略直角に折り曲げて立設された略平板状とされている。また
図8に示した例では、連結部402は基本領域402aとオーバーハング領域402bとを備えている。
図8(c)に示したように基本領域402aは、平面視において固定部401の幅方向(図中横方向)の範囲内となる領域である。また、
図8(c)に示したようにオーバーハング領域402bは、平面視において固定部401の幅方向(図中横方向)の範囲から逸脱する領域である。
【0034】
固定孔403は、車載器取付具400を車両の搭載領域に固定するための固定具(図示省略)が挿通される孔である。
図8では、固定孔403として固定部401と一体に形成されたナット形状を示しており、固定具としてボルトを用いる例を示しているが、具体的な形状や個数、配置は限定されない。また、固定孔403を省略して、固定部401の裏面側と車両の搭載領域の間を両面テープや接着剤を用いて接着するとしてもよい。
【0035】
中心孔404は、連結部402に形成された所定の径で形成された貫通孔であり、後述する締結部材が挿通される部分である。
図8に示した例では、中心孔404は連結部402のうちオーバーハング領域402bに形成されている。中心孔404の形状は限定されないが、後述するように締結部材を挿通した状態で締結部材を回動可能とするために円形とすることが好ましい。
【0036】
角度調整孔405は、後述する締結部材が挿通される孔であり、所定の長さを有している。角度調整孔405の幅は略一定であり、締結部材の締結位置を長さ方向の所定の位置に変更可能とされている。
図8(a),(c)に示した例では、角度調整孔405は、中心孔404を中心とした円弧の一部として形成されている。このとき、中心孔404から角度調整孔405の距離(半径)は、電子キー操作装置100に形成された締結孔161~164,171~174の何れかの距離と等しく設定されている。
図8では、角度調整孔405として中心角が40度程度の円弧状とした例を示しているが、円弧の長さや中心角度は限定されない。
【0037】
インジケータ部406は、角度調整孔405の長さ方向に沿って配置された印であり、締結位置を示す指標として用いられる部分である。
図8(a),(c)に示した例では、インジケータ部406として、連結部402の表面に刻印された目盛りおよび数値を用いている。インジケータ部406の具体的な構造と表示内容は限定されず、印刷やシール貼り付けを用いるとしてもよく、中心孔404を中心とした角度を示すとしてもよい。
【0038】
図9は、電子キー操作装置100に車載器取付具400を取り付けた状態を示す模式斜視図であり、
図9(a)は上面130t側に取り付けた場合を示し、
図9(b)は下面130b側に取り付けた場合を示している。
図9(a)(b)に示すように本実施形態の車載器取付構造体は、中心孔404に締結部材407aを挿通し、角度調整孔405に締結部材407bを挿通して、連結部402を電子キー操作装置100に連結した構造を有している。
【0039】
締結部材407a,407bは、締結孔161~164,171~174に対応した径および形状を有しており、選択された締結孔161~164,171~174に挿通されて締結される。締結部材407a,407bの具体的構成は限定されず、例えば螺子やボルト、リベット等を用いることができる。
【0040】
図9(a)に示した例では、固定部401を上面130t側に配置し、中心孔404を締結孔161に位置合わせして締結部材407aで締結し、角度調整孔405を締結孔163に重ねて締結部材407bで締結している。したがって、中心孔404と角度調整孔405の距離は、締結孔161,163の距離と等しい。
図9(b)に示した例では、固定部401を下面130b側に配置し、中心孔404を締結孔162に位置合わせして締結部材407aで締結し、角度調整孔405を締結孔164に重ねて締結部材407bで締結している。したがって、中心孔404と角度調整孔405の距離は、締結孔162,164の距離と等しい。
【0041】
図9(a)(b)に示したように、電子キー操作装置100の外形が上下対称および左右対称であり、締結孔161~164,171~174の配置も上下左右で対称となっているため、電子キー操作装置100と車載器取付具400の連結方向は上下方向および左右方向を入れ替えることが可能である。また、車両の搭載領域に
図9(a)(b)に示した車載器取付構造体を固定する際には、電子キー操作装置100を上下反転させて配置するとしてもよく、右側面130rまたは左側面130lを下方に向けて電子キー操作装置100を縦置きに配置するとしてもよい。
【0042】
図10は、電子キー操作装置100に対する車載器取付具400の角度調整を示す模式側面図であり、
図10(a)は固定部401に平行に保持する場合を示し、
図10(b)は角度θだけ傾斜させて保持する場合を示している。
図10においては、中心孔404および角度調整孔405と締結孔161~164との位置関係を示すために締結部材407a,407bの図示を省略している。また、
図10では左側面130lについて説明するが、右側面130rについても同様である。また、下面130b側に車載器取付具400を配置した例を用いて説明するが、上面130t側に配置した場合も同様である。
【0043】
車載器取付具400を電子キー操作装置100に連結する際に、シェアリング事業者または車両整備業者の作業員は、車種ごとに予め定められた取付指示書を確認する。取付指示書には、車種に応じて用いる車載器取付具400の種類と、使用する締結孔161~164,171~174と、角度調整孔405での締結位置が示されている。
【0044】
図10(a)に示した例は、締結部の「2」を用い、角度「0」の位置であり、中心孔404が「後」と取付指示書に記載されていた場合である。この場合に作業者は、締結孔161~164,171~174のうち、「2」に該当するものが何れかを識別部165~168,175~178から探す。識別部165~168,175~178のうち「2」が表示されているものは識別部166,168,176,178であり、その後ろ近傍(X方向正方向側)に位置するのは締結孔162,174であるから、作業者は中心孔404を締結孔162,174に位置合わせする。この状態で、締結部材407aを中心孔404および締結孔162,174に挿通して仮止めを行うことが好ましい。
【0045】
上述したように、中心孔404と角度調整孔405の距離は、締結孔162,164の距離と等しいため、締結部材407aを用いて中心孔404と締結孔162,174を仮止めした状態では、角度調整孔405内に締結孔164,172を位置させることができる。また、中心孔404を回動中心として車載器取付具400が回転自在とされているため、作業者はインジケータ部406の中から角度「0」に相当する位置を探して、締結孔164,172が角度「0」の位置となるように位置合わせして締結部材407bで締結する。その後、締結部材407a,407bを強固に締結することで、取付指示書で指定された位置および角度で車載器取付具400を電子キー操作装置100に連結した車載器取付構造体を得ることができる。作業者は、電子キー操作装置100へ車載器取付具400の連結作業後に、車両の搭載領域に車載器取付具400の固定部401を固定して、車載器取付構造体を車両に搭載する。
【0046】
同様に、
図10(b)に示した例は、締結部の「2」を用い、角度「8」の位置であり、中心孔404が「後」と取付指示書に記載されていた場合である。この場合にも作業者は、締結孔161~164,171~174の選択と中心孔404の仮止めと、インジケータ部406での位置選択と角度調整孔405の締結を行う。これにより、固定部401に対して車載器取付具400が所定の角度θだけ傾斜した車載器取付構造体を得ることができる。
【0047】
上述したように、中心孔404と角度調整孔405の距離は、締結孔162,164の距離と等しいため、連結部402は必然的に当該距離よりも大きく形成する必要がある。しかし、連結部402が基本領域402aとオーバーハング領域402bを備え、中心孔404がオーバーハング領域402bに形成されることで、基本領域402aの幅(図中横方向)を小さくすることができる。換言すると、基本領域402aの幅は固定部401の幅であるため、固定部401の幅を小さくして車両との接触面積を小さくすることができる。車載器取付具400および車載器取付構造体は、車両のグローブボックスやラゲッジスペースなどの車室内から隠蔽できる領域に搭載されることが多い。したがって、固定部401を取り付けるための搭載領域を確保することが困難であり、中心孔404をオーバーハング領域402bに設けて固定部401の幅を小さくすることで、搭載領域の選択自由度を向上させることができる。
【0048】
また、中心孔404と固定部401の距離は、電子キー操作装置100の下面130bと背面の角部から締結孔162,174までの距離よりも大きくしておくことが好ましい。これにより、
図10(b)に示したように、電子キー操作装置100を固定部401に対して最大限傾斜させた場合にも、電子キー操作装置100の角部と固定部401が干渉することを防止して、電子キー操作装置100の取り付け角度の自由度を向上させることができる。また、
図10(a)(b)では、角度調整孔405の下端および上端を締結孔164の締結位置とした例を示したが、角度調整孔405の任意の位置で締結部材407bを用いて締結することで、自由な角度で電子キー操作装置100を車両に取り付けることができる。
【0049】
図11は、車載器取付具400を用いて電子キー操作装置100を車両に搭載した場合の電子キー収容ケース300の抜き差し動作について説明する図であり、
図11(a)はグローブボックス620を閉じた状態を示し、
図11(b)はグローブボックス620を開いた状態を示している。
図11に示した例では、車両のインストルメントパネル610に配置されたグローブボックス620内を電子キー操作装置100の搭載領域としている。また、車載器取付具400をグローブボックス620の奥側の壁面621に固定している。作業者は、インストルメントパネル610からグローブボックス620を一時的に取り外し、車両外において壁面621に対してボルト等の固定具408を用いて車載器取付構造体を取り付ける。その後、グローブボックス620をインストルメントパネル610に戻して、各種配線を敷設して取付作業は終了する。壁面621は、グローブボックス620の奥側に位置しており、車両の使用時にはインストルメントパネル610内部に隠蔽されるため、固定具408は利用者から視認されず美観を向上させることができる。
【0050】
図11(b)に示したように、本実施形態の車載器取付具400を用いて角度調整孔405における締結位置を適切に設定することで、車種ごとにグローブボックス620の形状が異なっていたとしても、グローブボックス620を開いた状態での電子キー操作装置100の傾斜を適切に保持することができる。ここで、電子キー操作装置100の傾斜が適切であるとは、電子キー収容ケース300の抜き差し動作がインストルメントパネル610またはグローブボックス620によって妨げられないことを意味している。したがって、利用者はグローブボックス620を開いて容易に電子キー収容ケース300の抜き差し動作を行うことができる。
【0051】
次に、本実施形態におけるシェアリングサービスの利用手順例について説明する。はじめに利用者は、車両の近傍でユーザ端末1500を用いてネットワーク9を介して電子キー操作装置100へ所定の解錠要求を行う。解除要求を受け取った電子キー操作装置100は、アクチュエータ800によって押圧部材61を駆動して、解錠ボタン210を押し下げて車両のドアを解錠する。利用者がドアを開けて車両に搭乗すると、電子キー操作装置100は、その制御部(図示省略)が例えば利用者の搭乗を検出するとスピーカー部140から「グローブボックスを開けてください」等の案内音声を報知させる。
【0052】
その案内音声に従って、
図11(a)に示す状態から利用者がグローブボックス620を開けると、
図11(b)に示したように車載器取付具400で固定された電子キー操作装置100に車室内から利用者によるアクセスが可能となる。グローブボックス620が開けられたタイミング(例えば、制御部がグローブボックス620が開状態になったことを検出したタイミング)で、電子キー操作装置100はスピーカー部140から「キーケースを取り出しキーを取り出してください」等の案内音声を報知する。利用者は、その案内音声に従って電子キー操作装置100から電子キー収容ケース300を抜き取り、電子キー収容ケース300内から電子キー200を取り出す。電子キー200が取り出されたタイミング(例えば、制御部が検知センサなどで電子キー200の脱離を検知したタイミング)で、電子キー操作装置100はスピーカー部140から「キーケースを元に戻しグローブボックスを閉じてください」等の案内音声を報知する。利用者は、その案内音声に従って空の電子キー収容ケース300を電子キー操作装置100に差し込み、グローブボックス620を閉じて
図11(a)の状態とし、取り出した電子キー200を用いて車両の運転を行う。
【0053】
利用者が車両の運転を終了する場合には、例えば、車両の現在位置が車両の返却場所に到達したことを制御部(図示省略)が認識するなどした場合には、電子キー操作装置100はスピーカー部140から「キーケースを取り出しキーを収容してください」等の案内音声を報知する。利用者は、その案内音声に従って再度グローブボックス620を開け、電子キー収容ケース300を抜き取り、電子キー収容ケース300に所定の位置および向きとなるように電子キー200を収容する。利用者が電子キー200を電子キー収容ケース300に収容したタイミング(例えば、制御部が検知センサなどで電子キー200の装着を検知したタイミング)で、電子キー操作装置100はスピーカー部140から「グローブボックスを開けてキーケースを返却してグローブボックスを閉じてください」等の案内音声を報知する。利用者は、その案内音声に従って電子キー収容ケース300を電子キー操作装置100に差し込み、グローブボックス620を閉じて再び
図11(a)の状態とし、車両から降車する。
【0054】
最後に利用者は、車両の近傍でユーザ端末1500を用いてネットワーク9を介して電子キー操作装置100へ所定の施錠要求を行う。施錠要求を受け取った電子キー操作装置100は、アクチュエータ800によって押圧部材62を駆動して、施錠ボタン220を押し下げて車両のドアを解錠する。電子キー操作装置100は、ネットワーク9を介してサーバシステム1100に利用者によるシェアリングサービス利用終了を伝達する。
【0055】
上述したように、本実施形態の中心孔404と角度調整孔405が形成された車載器取付具400および車載器取付構造体を用いることで、車載器である電子キー操作装置100を適切な角度で車両の搭載領域に固定することができる。また、角度調整孔405が中心孔404を中心とした円弧状に形成されているため、シェアリングシステム3の利用者が電子キー収容ケース300の抜き差しを容易に行えるように、車種に応じて様々な角度で電子キー操作装置100を保持することができる。
【0056】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について
図12~
図16を用いて説明する。第1実施形態と重複する内容は説明を省略する。本実施形態では、車載器取付具410に加えて追加連結部を有する車載器取付具420を用いる点が第1実施形態とは異なっている。
図12は、車載器取付具410の構造を示す模式図であり、
図12(a)は模式斜視図であり、
図12(b)は模式上面図であり、
図12(c)は模式側面図であり、
図12(d)は模式正面図である。
図12に示したように車載器取付具410は、固定部411と、連結部412と、固定孔413と、中心孔414と、角度調整孔415と、インジケータ部416を備えている。
【0057】
固定部411は、電子キー操作装置100を取り付けるための車両における搭載領域に当接する部分である。連結部412は、固定部411から延設されて電子キー操作装置100に連結される部分である。固定孔413は、車載器取付具400を車両の搭載領域に固定するための固定具(図示省略)が挿通される孔である。中心孔414は、連結部412に形成された所定の径で形成された貫通孔であり、締結部材が挿通される部分である。角度調整孔415は、締結部材が挿通される孔であり、所定の長さを有している。インジケータ部416は、角度調整孔405の長さ方向に沿って配置された印であり、締結位置を示す指標として用いられる部分である。
【0058】
また
図12に示した例では、連結部412は基本領域412aとオーバーハング領域412bとを備えている。
図12(c)に示したように基本領域412aは、平面視において固定部411の幅方向(図中横方向)の範囲内となる領域である。また、
図12(c)に示したようにオーバーハング領域412bは、平面視において固定部411の幅方向(図中横方向)の範囲から逸脱する領域である。また、角度調整孔415は、中心孔414を中心とした円弧の一部として形成されている。このとき、中心孔414から角度調整孔415の距離(半径)は、電子キー操作装置100に形成された締結孔161,162間の距離と等しく設定されている。
図12では、角度調整孔415として中心角が120度程度の円弧状とした例を示しているが、円弧の長さや中心角度は限定されない。
【0059】
図13は、車載器取付具420の構造を示す模式図であり、
図13(a)は模式斜視図であり、
図13(b)は模式上面図であり、
図13(c)は模式側面図であり、
図13(d)は模式正面図である。
図13に示したように車載器取付具420は、固定部421と、連結部422と、角度調整孔425と、インジケータ部426を備えている。
【0060】
固定部421は、電子キー操作装置100を取り付けるための車両における搭載領域に当接する部分である。固定部421の形状は限定されないが、
図13に示した例では略四辺形状の略平板状であり、両端部が延設して立設されて連結部422が構成されている。本実施形態では、接着剤や両面テープ等の接着部材(図示省略)を用いて、固定部421の裏面側を車両側に貼り付ける。
【0061】
連結部422は、固定部421から延設されて電子キー操作装置100に連結される部分であり、本発明における追加連結部に相当している。連結部422の形状は限定されないが、
図13に示した例では固定部421から略直角に折り曲げて立設された略平板状とされている。
【0062】
角度調整孔425は、後述する締結部材が挿通される孔であり、所定の長さを有し、本発明における追加調整孔に相当している。角度調整孔425の幅は略一定であり、締結部材の締結位置を長さ方向の所定の位置に変更可能とされている。
図13に示した例では、角度調整孔425は、略直線状に形成されている。インジケータ部426は、角度調整孔425の長さ方向に沿って配置された印であり、締結位置を示す指標として用いられる部分である。
【0063】
図14は、電子キー操作装置100に車載器取付具410,420を取り付けた状態を示す模式斜視図であり、
図14(a)は上面130t側に取り付けた場合を示し、
図14(b)は下面130b側に取り付けた場合を示している。
図14(a)(b)に示すように本実施形態の車載器取付構造体は、車載器取付具410の中心孔414に締結部材417aを挿通し、角度調整孔415に締結部材417bを挿通して、連結部412を電子キー操作装置100に連結している。また、車載器取付構造体は、車載器取付具420の角度調整孔425に締結部材427を挿通して、連結部422を電子キー操作装置100に連結している。
【0064】
図14(a)に示した例では、固定部421を上面130t側に配置し、中心孔414を締結孔162に位置合わせして締結部材417aで締結し、角度調整孔415を締結孔161に重ねて締結部材417bで締結している。したがって、中心孔414と角度調整孔415の距離は、締結孔161,162の距離と等しい。
図14(b)に示した例では、固定部421を下面130b側に配置し、中心孔414を締結孔161に位置合わせして締結部材417aで締結し、角度調整孔415を締結孔162に重ねて締結部材417bで締結している。
【0065】
図14(a)(b)に示したように、電子キー操作装置100の外形が上下対称および左右対称であり、締結孔161~164,171~174の配置も上下左右で対称となっているため、電子キー操作装置100と車載器取付具410,420の連結方向は上下方向および左右方向を入れ替えることが可能である。また、車両の搭載領域に
図14(a)(b)に示した車載器取付構造体を固定する際には、電子キー操作装置100を上下反転させて配置するとしてもよく、右側面130rまたは左側面130lを下方に向けて電子キー操作装置100を縦置きに配置するとしてもよい。
【0066】
図15は、電子キー操作装置100に対する車載器取付具410,420の角度調整を示す模式側面図であり、
図15(a)は固定部421に平行に保持する場合を示し、
図15(b)は角度θだけ傾斜させて保持する場合を示している。
図15においては、中心孔414、角度調整孔415,425と締結孔161~164との位置関係を示すために締結部材417a,417b,427の図示を省略している。
【0067】
図15(a)に示した例は、締結部の「2」を用い、角度「0」および高さ「8」の位置であり、中心孔414が「後」と取付指示書に記載されていた場合である。この場合に作業者は、中心孔414を締結孔162,174に位置合わせする。上述したように、中心孔414と角度調整孔415の距離は、締結孔161,162の距離と等しいため、締結部材417aを用いて中心孔414と締結孔162,174を仮止めした状態では、角度調整孔415内に締結孔161,173を位置させることができる。また、中心孔414を回動中心として車載器取付具400が回転自在とされているため、作業者はインジケータ部416の中から角度「0」に相当する位置を探して、締結孔161,173が角度「0」の位置となるように位置合わせして締結部材417bで締結する。その後、締結部材417a,417bを強固に締結する。また作業者は、角度調整孔425の高さ「8」に相当する位置をインジケータ部426から探し、締結孔164,172が高さ「8」の位置となるように位置合わせして締結部材427で締結する。
【0068】
作業者は以上の手順によって、取付指示書で指定された位置および角度で車載器取付具410,420を電子キー操作装置100に連結した車載器取付構造体を得ることができる。また作業者は、電子キー操作装置100へ車載器取付具410,420の連結作業後に、車両の搭載領域に車載器取付具410,420の固定部411,421を固定して、車載器取付構造体を車両に搭載する。
【0069】
同様に、
図15(b)に示した例は、締結部の「2」を用い、角度「1.5」および高さ「5」の位置であり、中心孔414が「後」と取付指示書に記載されていた場合である。この場合にも作業者は、締結孔161~164,171~174の選択と中心孔414の仮止めと、インジケータ部416,426での位置選択と角度調整孔415,425の締結を行う。これにより、固定部411に対して車載器取付具400が所定の角度θだけ傾斜した車載器取付構造体を得ることができる。
【0070】
図16は、車載器取付具410,420を用いて電子キー操作装置100を車両に搭載した場合の電子キー収容ケース300の抜き差し動作について説明する図である。
図16に示した例では、車両のインストルメントパネル630に配置されたグローブボックス640内を電子キー操作装置100の搭載領域としている。また、車載器取付具420をグローブボックス640の車室側の壁面641に両面テープ(図示省略)で貼り付けている。また、車載器取付具410をグローブボックス640の底面642にボルト等の固定具418を用いて固定している。底面642は、グローブボックス640の底に位置しており、車両の使用時には車室内から隠蔽されるため、固定具418は利用者から視認されず美観を向上させることができる。
【0071】
本実施形態でも、中心孔404と角度調整孔405が形成された車載器取付具410および車載器取付構造体を用いることで、車載器である電子キー操作装置100を適切な角度で車両の搭載領域に固定することができる。また、角度調整孔415が中心孔414を中心とした円弧状に形成されているため、シェアリングシステム3の利用者が電子キー収容ケース300の抜き差しを容易に行えるように、車種に応じて様々な角度で電子キー操作装置100を保持することができる。また、連結部412が基本領域412aとオーバーハング領域412bを備え、中心孔414がオーバーハング領域412bに形成されることで、基本領域412aの幅(図中横方向)を小さくすることができる。
【0072】
また、車載器取付具410,420を併用し、連結部412,422が締結孔161~164,171~174の異なる位置に連結されることで、電子キー操作装置100を複数個所で強固に保持することができる。さらに、車載器取付具410,420の固定部411,421を分離することで、電子キー操作装置100を車両の複数の面に接触させて固定でき、固定の強度を確保しつつ設計の自由度を向上させることができる。
【0073】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について
図17を用いて説明する。第1実施形態と重複する内容は説明を省略する。本実施形態では、車載器取付具を左右に2分割した点が第1実施形態および第2実施形態とは異なっている。
図17は、車載器取付具430~450の構造を示す模式斜視図である。
【0074】
図17(a)に示したように、車載器取付具430はそれぞれ左右に2分割されており、固定部431a,431b、連結部432a,432bと、固定孔433a,433bと、中心孔434a,434bと、角度調整孔435a,435bと、インジケータ部436a,436bを備えている。同様に、
図17(b)に示したように、車載器取付具440はそれぞれ左右に2分割されており、固定部441a,441b、連結部442a,442bと、固定孔443a,443bと、中心孔444a,444bと、角度調整孔445a,445bと、インジケータ部446a,446bを備えている。また、
図17(c)に示したように、車載器取付具450はそれぞれ左右に2分割されており、固定部451a,451b、連結部452a,452bと、角度調整孔455a,455bと、インジケータ部456a,456bを備えている。
【0075】
本実施形態では、左右に2分割された車載器取付具430~450を用いることで、固定部431a,431b,441a,441b,451a,451bの面積を小さくして、車両の搭載領域での接触面積をさらに小さくすることができる。また、電子キー操作装置100の左側面130lと右側面130rに個別に角度を設定することができ、車載器取付具430~450の設置自由度を向上させることができる。
【0076】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について
図18を用いて説明する。第1実施形態と重複する内容は説明を省略する。本実施形態では、車載器取付具400,420を用いて、グローブボックス620内の異なる面にそれぞれ固定する点が第1実施形態および第2実施形態とは異なっている。
図18は、車載器取付具400,420を用いた車載器取付構造体について説明する図である。
【0077】
図18(a)(b)に示した例では、電子キー操作装置100の上面130t側に車載器取付具400を連結して、下面130b側に車載器取付具420を連結している。また、車載器取付具400の固定部401は、グローブボックス620の奥側の壁面621に固定具408を用いて固定されている。また、車載器取付具420の固定部421は、グローブボックス620の車室側の壁面622に両面テープを用いて固定されている。
【0078】
本実施形態でも、車載器取付具400,420を併用し、連結部402,422が締結孔161~164,171~174の異なる位置に連結されることで、電子キー操作装置100を複数個所で強固に保持することができる。さらに、車載器取付具400,420の固定部401,421が分離されてグローブボックス620の対抗する二面に固定されることで、固定の強度を確保するとともに車両の走行時またはグローブボックス620の開閉動作時における振動を抑制することができる。
【0079】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について
図19、
図20を用いて説明する。第1実施形態と重複する内容は説明を省略する。本実施形態では、車載器取付具400に加えてサポート部材460を用いる点が第1実施形態および第2実施形態とは異なっている。
【0080】
図19は、車載器取付具400およびサポート部材460を用いた車載器取付構造体について説明する図である。
図19(a)(b)に示した例では、電子キー操作装置100の上面130t側に車載器取付具400を連結して、下面130b側にサポート部材460を配置している。また、車載器取付具400の固定部401は、グローブボックス620の奥側の壁面621に固定具408を用いて固定されている。また、サポート部材460は、グローブボックス620の車室側の壁面622に接触している。
【0081】
サポート部材460は、電子キー操作装置100を構成する面のうち、締結部(締結孔161~164,171~174)が配された面とは異なる面に接触して配置されるとともに、車両の搭載領域に接触する部材である。
図19、
図20に示した例では、サポート部材460は、車載器取付具420が取り付けられた側の面(上面130t)と反対側の面(下面130b)に接触して設けられ、グローブボックス620の車室側の壁面622に接触して配置されている。
【0082】
サポート部材460を構成する材料は限定されないが、所定の剛性を有する材質で構成することで、車載器取付具400を補助してより強固に電子キー操作装置100をグローブボックス620内に取り付けることができる。また、車両の走行時またはグローブボックス620の開閉動作時等において、電子キー操作装置100に加速度が加わった場合にも、電子キー操作装置100の振動を抑制することができる。
【0083】
また、サポート部材460として弾性変形可能な振動吸収部を含んだものを用いるとしてもよい。ここで、弾性変形可能な振動吸収部としては、樹脂材料からなるスポンジ状部材や、袋状部材内に気体を封止したエアークッション、コイルバネや板バネ等が挙げられる。弾性変形可能な振動吸収部を含んだサポート部材460を用いることで、車両の走行時またはグローブボックス620の開閉動作時等において、電子キー操作装置100に加速度が加わった場合にも、電子キー操作装置100の振動をより効果的に抑制することができる。
【0084】
図20は、サポート部材460として弾性変形可能な振動吸収部材を用いた例を示す模式図である。
図20ではグローブボックス620の開口部から見た電子キー操作装置100と車載器取付具400とサポート部材460の配置を示している。サポート部材460としては樹脂で構成されたスポンジ状部材を複数積層した構造を用いている。また、各スポンジ状部材の表裏面は両面テープまたは接着剤で貼り合わされているとしてもよい。また、電子キー操作装置100とグローブボックス620との間隙に応じてスポンジ状部材の積層数を調整するとしてもよい。さらに、サポート部材460と電子キー操作装置100の間、またはサポート部材460と壁面622との間も、両面テープまたは接着剤で貼り合わされているとしてもよい。
【0085】
図20に示した例では、グローブボックス620の奥側の壁面621と車室側の壁面622とが非平行であるが、電子キー操作装置100とグローブボックス620との間隙にサポート部材460を弾性変形させて挟み込んで配置している。これにより、グローブボックス620の内部形状に依らずサポート部材460を配置することができ、サポート部材460の設置自由度を向上させることができる。
【0086】
ここでは、サポート部材460を電子キー操作装置100の略中央に配置した例を示しているが、サポート部材460の配置は限定されず、右側面130rまたは左側面130lに近い側に配置されるとしてもよい。また、サポート部材460を複数個所に分割して配置するとしてもよい。
【0087】
以上、図面を参照して本発明の実施形態および変形例について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0088】
本明細書によれば、以下の態様が提供される。
(態様1)
態様1では、車両の電子キーを収容する車載器を前記車両に取り付けるための車載器取付具であって、前記車両に固定される固定部と、前記固定部から延設されて前記車載器に連結される連結部と、を備え、前記連結部には、第1締結部材が挿通される中心孔と、所定の長さを有し、締結位置を変更可能に第2締結部材が挿通される角度調整孔が形成されている車載器取付具である。態様1によれば、連結部に中心孔と角度調整孔が形成されているため、車載器を適切な角度で車両の搭載領域に固定することができる。
【0089】
(態様2)
態様2では、前記角度調整孔は、前記中心孔を中心とした円弧の一部として形成されている。態様2によれば、角度調整孔における締結位置を変更することで、車種に応じて様々な角度で電子キー操作装置100を保持することができる。
【0090】
(態様3)
態様3では、前記連結部は、平面視において前記固定部から逸脱するオーバーハング領域を有し、前記中心孔は前記オーバーハング領域に形成されている。態様3によれば、オーバーハング領域に形成された中心孔から角度調整孔までの距離を確保しつつ、固定部の幅を小さくして設置自由度を向上させることができる。
【0091】
(態様4)
態様4では、前記連結部とは別の位置で前記車載器に連結される追加連結部を有し、前記追加連結部には、所定の長さを有し、締結位置を変更可能に第3締結部材が挿通される追加調整孔が形成されている。態様4によれば、追加連結部を用いて車載器の異なる位置で連結することで、より強固に車載器を固定することができる。
【0092】
(態様5)
態様5では、前記固定部は、前記連結部と前記追加連結部で別体に形成されている。態様5によれば、追加連結部の車両への設置自由度を向上させることができる。
【0093】
(態様6)
態様6では、前記角度調整孔の長さ方向に沿って、締結位置を示すインジケータ部が配置されている。態様6によれば、車種ごとに角度調整孔の適切な位置で容易に車載器と車載器取付具を連結することができる。
【0094】
(態様7)
態様7では、態様1から6の何れか一つに記載の車載器取付具と、前記車載器と、前記第1締結部材と、前記第2締結部材を備える車載器取付構造体であって、前記車載器は、前記第1締結部材および前記第2締結部材が締結される締結部を有する、車載器取付構造体である。態様7によれば、第1締結部材および第2締結部材を用いて、中心孔と角度調整孔を締結部に締結することで、車載器を適切な角度で車両の搭載領域に固定することができる。
【0095】
(態様8)
態様8では、前記締結部は、前記車載器の対向する2面に形成された少なくとも4つの締結孔を有し、前記締結孔は前記車載器において上下対称および左右対称に配置されている。態様8によれば、車両に対する車載器の固定方向を変更しても、同じ車載器取付具を用いて容易に固定することができ、設置自由度を向上させることができる。このような構成を採用することによって、車載器をグローブボックス内の様々な位置に様々な方向で取り付けることが可能となる。その結果、一定の大きさを有する上記のような車載器を、現行で販売されているほぼ全ての自動車のグローブボックス内に問題なく取り付けることができる。
【0096】
(態様9)
態様9では、前記締結孔の近傍に、それぞれを識別するための識別部が配置されている。 態様9によれば、車種ごとに適切な締結孔の位置を容易に判別して、中心孔および角度調整孔を締結することができる。
【0097】
(態様10)
態様10では、前記車載器の前記締結部が配された面とは異なる面に接触して配されるサポート部材を備える。態様10によれば、サポート部材で車載器を補助的に支えるため、より強固に車載器を車両に固定することができる。
【0098】
(態様11)
態様11は、前記サポート部材は、弾性変形可能な振動吸収部を含む。態様11によれば、車両の走行時やグローブボックスの開閉時に生じる車載器の振動を抑制することができる。
(態様12)
態様12では、車両の電子キーを収容する車載器を前記車両に取り付けるための車載器取付構造体であって、前記車両に固定される固定部と、前記固定部から延設されて前記車載器に連結される連結部と、からなる取付具を備え、前記車載器は、対向する2面に設けられた前記連結部と締結する締結部を有し、前記締結部は、前記車載器の前記対向する2面の前記連結部との関係を互いに変更した状態でも前記連結部との締結を可能に構成されている、車載器取付構造体である。態様12によれば、締結部が、車載器の対向する2つの面と前記取付具の連結部との関係を互いに変更しても締結可能に構成されているため、車載器の車両への取付自由度が向上した車載器取付構造体を提供することができる。
【符号の説明】
【0099】
3…シェアリングシステム
5…車両
9…ネットワーク
501…管理プログラム
502…端末プログラム
700,700c,700t…予約情報
1100…サーバシステム
1500…ユーザ端末
100…電子キー操作装置
10…筐体部
60,61,62…押圧部材
110…電子キー収容部
120…操作機構部
800…アクチュエータ
130b…下面
130f…前面
130l…左側面
130r…右側面
130t…上面
140…スピーカー部
150…表示部
161~164,171~174…締結孔
165~168,175~178…識別部
181,182…固定金具
182a…板状部
182b…螺子孔部
200…電子キー
210…解錠ボタン
220…施錠ボタン
300…電子キー収容ケース
310…格納部
320…キーフィッター
330…蓋部
400,410,420,430,440,450…車載器取付具
401,411,421,431a,431b,441a,441b,451a,451b…固定部
402,412,422,432a,432b,442a,442b,452a,452b…連結部
402a,412a…基本領域
402b,412b…オーバーハング領域
403,413,433a,433b,443a,443b…固定孔
404,414,434a,434b,444a,444b…中心孔
405,415,425,435a,435b,445a,445b,455a,455b…角度調整孔
406,416,426,436a,436b,446a,446b,456a,456b…インジケータ部
407a,407b,417a,417b,427…締結部材
408,418…固定具
460…サポート部材
610,630…インストルメントパネル
620,640…グローブボックス
621,622,641…壁面
642…底面