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特開2024-44222情報処理方法、情報処理システム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044222
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20240101AFI20240326BHJP
【FI】
G06Q50/26 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022149625
(22)【出願日】2022-09-20
(71)【出願人】
【識別番号】519405134
【氏名又は名称】xID株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】日下 光
(72)【発明者】
【氏名】長澤 草
(72)【発明者】
【氏名】三浦 康司
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC35
(57)【要約】
【課題】真正性が確保された個人情報を用いた、迅速な行政サービスの提供の実現を支援する技術を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様によれば、情報処理システムによって実行される情報処理方法が提供される。この情報処理方法は、特定ステップと、表示制御ステップとを備える。特定ステップでは、通知対象者リストに含まれる第1のユーザ情報と、電子証明書情報に含まれる第2のユーザ情報との一致率に基づいて、通知対象者リストに含まれるユーザのうち、一致率が閾値以上のユーザを電子通知対象者として特定する。表示制御ステップでは、電子通知対象者を表示させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムによって実行される情報処理方法であって、
特定ステップと、表示制御ステップとを備え、
前記特定ステップでは、通知対象者リストに含まれる第1のユーザ情報と、電子証明書情報に含まれる第2のユーザ情報との一致率に基づいて、前記通知対象者リストに含まれるユーザのうち、前記一致率が閾値以上のユーザを電子通知対象者として特定し、
前記表示制御ステップでは、前記電子通知対象者を表示させる、
情報処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記ユーザ情報は、前記ユーザに関する複数種類の属性情報を含み、
前記特定ステップでは、前記第1のユーザ情報に含まれる少なくとも1つの第1の属性情報と、これに対応する前記第2のユーザ情報に係る第2の属性情報との一致率に基づいて、前記電子通知対象者を特定する、
情報処理方法。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理方法において、
前記属性情報は、前記ユーザの氏名と住所と生年月日と性別と電話番号とメールアドレスとのうち少なくとも1つを含む、
情報処理方法。
【請求項4】
請求項2に記載の情報処理方法において、
変換ステップをさらに備え、
前記変換ステップでは、前記第1の属性情報のうち少なくとも1つを第1のハッシュ情報に変換し、前記第2の属性情報のうち少なくとも1つを第2のハッシュ情報に変換し、
前記特定ステップでは、前記第1の属性情報に対応する前記第1のハッシュ情報と、これに対応する第2のハッシュ情報との一致率に基づいて、前記電子通知対象者を特定する、
情報処理方法。
【請求項5】
請求項2に記載の情報処理方法において、
前記属性情報の種類に応じて、前記閾値を変化させる、
情報処理方法。
【請求項6】
請求項1に記載の情報処理方法において、
判定ステップをさらに備え、
前記判定ステップでは、参照情報に基づいて、前記ユーザの居住地における自治体が所定のサービスの利用対象リストに前記自治体が含まれるか否かを判定し、
前記特定ステップでは、前記利用対象リストに前記自治体が含まれる場合、その自治体を居住地とする前記ユーザを電子通知対象者として特定する、
情報処理システム。
【請求項7】
請求項1に記載の情報処理方法において、
受付ステップをさらに備え、
前記受付ステップでは、ユーザから前記閾値の入力操作を受け付ける、
情報処理方法。
【請求項8】
少なくとも1つの装置からなる情報処理システムであって、
請求項1~7に記載の情報処理方法の各ステップがなされるようにプログラムを実行可能な、少なくとも1つのプロセッサを備える、
情報処理システム。
【請求項9】
プログラムであって、
少なくとも1つのコンピュータに、請求項1~7に記載の情報処理方法の各ステップを実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、情報処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には顧客照合システムが開示されている。
【0003】
特許文献1に開示される本人確認方法システムにおいて、顧客が、顧客側の端末を操作して注文書を作成した場合に、注文書に記入された事項に基づいて、ホストコンピュータが、顧客リストを利用して顧客照合を行なう。顧客リスト中に登録済みの顧客であって、2個のキーがともに一致する顧客が存在しない場合には、得意先データに新規登録を行なう。既に登録済みの顧客であれば、ユーザコードを一致させたうえで、受注データを生成し、得意先データ所定の情報を追記する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-163270
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示される技術では、ユーザ情報を照合する際、照合対象となる情報が完全に一致する場合でなければ本人確認が完了しない。また、照合対象となる情報を入力する手間なく照合ができる方法について開示されていない。
【0006】
本発明では上記事情を鑑み、真正性が確保された個人情報を用いた、迅速な行政サービスの提供の実現を支援する技術を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、情報処理システムによって実行される情報処理方法が提供される。この情報処理方法は、特定ステップと、表示制御ステップとを備える。特定ステップでは、通知対象者リストに含まれる第1のユーザ情報と、電子証明書情報に含まれる第2のユーザ情報との一致率に基づいて、通知対象者リストに含まれるユーザのうち、一致率が閾値以上のユーザを電子通知対象者として特定する。表示制御ステップでは、電子通知対象者を表示させる。
【0008】
本開示によれば、真正性が確保された個人情報を用いた、迅速な行政サービスの提供の実現を支援する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態における情報処理システム1の全体構成を示す図である。
図2】情報処理装置3のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】情報処理装置3の機能を示す機能ブロック図である。
図4】情報処理装置3による情報処理の一例を示すアクティビティ図である。
図5】ユーザ端末2に表示される認証画面1000の一例を示すイメージ図である。
図7】属性情報7の一例を示すイメージ図である。
図6】担当者端末4に表示される画面1100の一例を示すイメージ図である。
図8】対応する属性情報7の照合結果を示すイメージ図である。
図9】第1のハッシュ情報81と第2のハッシュ情報82の一例を示すイメージ図である。
図10】ユーザ端末2に表示される住民通知の一例を示すイメージ図である。
図11】郵送通知対象者のリストをダウンロード可能な画面1200の一例を示すイメージ図である。
図12】担当者端末4に表示される画面1300の一例を示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0011】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0012】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0または1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、または量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0013】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0014】
1.ハードウェア構成(第1の実施形態)
本節では、本実施形態に係る情報処理システム1のハードウェア構成について説明する。図1は、第1の実施形態における情報処理システム1の全体構成を示す図である。
【0015】
1.1 情報処理システム1
情報処理システム1は、ユーザ端末2と、情報処理装置3とを備え、これらが電気通信回線を通じて通信可能に構成される。これらの構成要素についてさらに説明する。
【0016】
1.2 ユーザ端末2
ユーザ端末2は、自治体または民間事業者から住民通知の提供を受ける住民が操作するものであり、スマートフォン、タブレット端末、コンピュータ、その他電気通信回線を通じて情報処理装置3にアクセス可能なものであれば、その形態は問わない。ここで、行政サービスは、例えば、マイナンバーカードを活用した住民通知である。住民通知とは、
【0017】
ユーザ端末2は、表示部と、入力部と、通信部と、記憶部と、制御部とを有し、これらの構成要素がユーザ端末2の内部において通信バスを介して電気的に接続されている。
【0018】
表示部及び入力部は、例えば、ユーザ端末2の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。表示部は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。入力部は、表示部と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。
【0019】
通信部、記憶部及び制御部は、情報処理装置3と略同様のハードウェア構成を備える。次に説明する情報処理装置3における通信部31、記憶部32及び制御部33の記載を参照されたい。
【0020】
1.3 情報処理装置3
情報処理装置3は、なお、本実施形態における事業者または自治体は、公的個人認証サービスにより発行された署名用電子証明書又は利用者証明用電子証明書の失効情報等の提供を受ける署名検証者により管理されるサーバである。図2は、情報処理装置3のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33を備え、これらの構成要素が情報処理装置3の内部において通信バス30を介して電気的に接続されている。各構成要素についてさらに説明する。
【0021】
(通信部31)
通信部31は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、LTE/3G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。
【0022】
(記憶部32)
記憶部32は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部33によって実行される情報処理装置3に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組合せであってもよい。
【0023】
(制御部33)
制御部33は、情報処理装置3に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部33は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、情報処理装置3に係る種々の機能を実現する。すなわち、ソフトウェア(記憶部32に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部33)によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部(図3参照)として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部33は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0024】
1.4 担当者端末4
担当者端末4は、マイナンバーカードを所有する住民であるユーザに対して、種々の情報を通知する事業者または自治体に所属する担当者が操作するものである。担当者端末4は、住民基本台帳ネットワークシステムにより管理されるにアクセスし、このうち自己が管轄する地域の住民の個人情報をユーザ情報6(第1のユーザ情報61)として記憶する。なお、担当者端末4は、住民基本台帳ネットワークシステムからネットワークまたは通信部を介して個人情報を取得してもよい。担当者端末4は、スマートフォン、タブレット端末、コンピュータ、その他電気通信回線を通じて情報処理装置3にアクセス可能なものであれば、その形態は問わない。
【0025】
担当者端末4は、表示部と、入力部と、通信部と、記憶部と、制御部とを有し、これらの構成要素が担当者端末4の内部において通信バスを介して電気的に接続されている。担当者端末4は、性能及び細かな仕様等は異なっていてもよいが、ユーザ端末2及び情報処理装置3と略同様のハードウェア構成を備える。
【0026】
1.5 認証局サーバ5
認証局サーバ5は、電子証明書の認証機関が運営するサーバである。認証局サーバ5は、表示部と、入力部と、通信部と、記憶部と、制御部とを有し、これらの構成要素が認証局サーバ5の内部において通信バスを介して電気的に接続されている。認証局サーバ5は、性能及び細かな仕様等は異なっていてもよいが、ユーザ端末2及び情報処理装置3と略同様のハードウェア構成を備える。
【0027】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。本実施形態に係るシステムは、情報処理システム1により実現される。後述する情報処理方法は、情報処理システム1によって実行される。
【0028】
ここで、情報処理システム1に例示されるシステムとは、1つまたはそれ以上の装置または構成要素からなるものである。したがって、情報処理装置3単体であっても情報処理システム1に例示されるシステムに含まれる。本実施形態に係る情報処理方法は、後述する各ステップがなされるようにプログラムを実行可能な、少なくとも1つのプロセッサを備える少なくとも1つの装置により実現される。プログラムは、少なくとも1つのコンピュータに、後述する情報処理方法の各ステップを実行させる。以下、情報処理システム1に含まれる各構成要素についてさらに説明する。
【0029】
図3は、情報処理装置3の機能を示す機能ブロック図である。前述の通り、ソフトウェア(記憶部32に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部33)によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部として実行されうる。
【0030】
具体的には、情報処理装置3(制御部33)は、各機能部として、受付部331と、特定部332と、表示制御部333と、判定部334と、変換部335と、管理部336とを備える。
【0031】
受付部331は、取得ステップを実行可能に構成される。取得ステップにおいて、受付部331は、通信部31または記憶部32を介して情報を受け付け、これを作業メモリに読出可能に構成される。特に、受付部331は、通信ネットワークおよび通信部31を介して種々の情報を取得するように構成される。本実施形態では、受付部331が取得した種々の情報は、記憶部32に記憶されるものとして説明する。
【0032】
特定部332は、特定ステップを実行可能に構成される。特定部332は、通知対象者リスト20から電子通知対象者21を特定する。詳細は後述する。
【0033】
表示制御部333は、表示ステップを実行可能に構成される。具体的には、表示制御部333は、表示制御ステップを実行可能に構成される。表示制御ステップにおいて、表示制御部333は、記憶部32に記憶された種々の情報またはこれらを含む画面等を、ユーザ端末2で視認可能な態様で表示させる。具体的には、表示制御部333は、画面、画像、アイコン、メッセージ等の視覚情報を、ユーザ端末2のディスプレイに表示させるように制御する。表示制御部333は、視覚情報をユーザ端末2に表示させるためのレンダリング情報だけを生成するものであってもよい。
【0034】
判定部334は、記憶部32に記憶された種々の情報どうしを比較して所定の条件を満たすか否かを判定可能に構成される。例えば、判定部334は、受付部331が取得した種々のデータと、記憶部32に予め記憶された条件とを比較して、これを満たすか否かを判定することができる。判定部334の判定結果に基づいて、情報処理装置3は異なる処理を実行することができる。具体的な例については次節でさらに詳述する。
【0035】
変換部335は、変換ステップを実行可能に構成される。具体的には、変換部335は、ユーザ情報6をハッシュ値に変換する。
【0036】
管理部336は、管理ステップを実行可能に構成される。具体的には、管理部336は、ユーザ情報6を記憶部32に記憶させる。ここで、ユーザ情報6は、第1のユーザ情報61と第2のユーザ情報62とを含む。
【0037】
3.情報処理の詳細
第3節では、イメージ図を参照しながら、アクティビティ図に沿って情報処理装置3により実行される情報処理方法について説明する。図4は、情報処理装置3による情報処理の一例を示すアクティビティ図である。
【0038】
まず、ユーザ端末2は、ユーザの操作に基づいて、識別IDの発行要求を情報処理装置3に送信する(アクティビティA101)。受付部331は、ネットワーク及び通信部31を介してかかる要求を受け付ける。続いて、表示制御部333は、ユーザ端末2に認証画面1000を表示させる(アクティビティA102)。図5は、ユーザ端末2に表示される認証画面1000の一例を示すイメージ図である。ユーザは、認証画面1000で示される示唆に基づいて、ユーザ端末2の背面にマイナンバーカードをかざす。換言すると、ユーザ端末2は、内蔵されたNFC(近距離無線通信)チップによりマイナンバーカードに記録された署名用電子証明書、公開鍵等を含む電子証明書情報22を読み取る(アクティビティA103)。なお、ユーザ端末2の通信部は、ユーザ端末2に接続されたICカードリーダにマイナンバーカードが通されることによって、マイナンバーカードに記録された電子証明書情報22を読み取ってもよい。
【0039】
次に、情報処理装置3は、署名用電子証明書が有効か否かを示す失効情報等の提供依頼を認証局サーバ5に送信する。認証局サーバ5は、電子証明書の失効情報等の提供依頼を受信すると、電子証明書の有効性を照会し、照会結果を電子証明書の失効情報として情報処理装置3に送信する。
【0040】
次に、判定部334は、認証局サーバ5から受け付けた失効情報等に基づいて署名用電子証明書の有効性の検証を実行する(アクティビティA104)。具体的には、判定部334は、署名用電子証明書が失効していることを示す失効通知を受付部331が受け付けた場合、署名用電子証明書の検証を検証失敗と判定する。一方、署名用電子証明書が有効であることを示す有効通知を受付部331が受け付けた場合、署名用電子証明書の検証を検証成功と判定する。署名用電子証明書が有効である場合、判定部334は、署名用電子証明書に含まれる個人情報を公開鍵により復号し、本人確認を実施する。
【0041】
本人確認が完了すると、記憶部32は、電子証明書情報22に含まれる個人情報を第2のユーザ情報62として記憶する。また、管理部336は、識別IDを生成し、第2のユーザ情報62と紐づけて記憶部32に記憶させる(アクティビティA105)。
【0042】
このとき、受付部331は、ユーザ端末2を介して電話番号705、メールアドレス706、本籍地、学歴等の属性情報7を受け付けてもよい。受け付けた属性情報7は、管理部336により第2のユーザ情報62と紐づけて管理される。つまり、ユーザ情報6は、ユーザに関する複数種類の属性情報7を含む。図7は、属性情報7の一例を示すイメージ図である。図7に示すように、属性情報7は、ユーザの氏名701と住所702と生年月日703と性別704と電話番号705とメールアドレス706と本籍地と学歴とのうち少なくとも1つを含む。
【0043】
次に、担当者端末4は、入力部を介して住民通知情報の入力を受け付ける(アクティビティA106)。図6は、担当者端末4に表示される画面1100の一例を示すイメージ図である。画面1100または画面1100から遷移した不図示の画面において、担当者は、ユーザへの通知内容、通知設定等入力操作をすることができる。画面1100には、タイトルの入力欄1101、住民通知の本文の入力欄1102、受信者の設定欄1103、通知日時の設定欄1104が設けられている。ここで、受信者の設定欄1103において、ユーザは、通知対象者リスト20を含むファイルを取り込むことができる(アクティビティA107)。かかるファイルの形式は、例えば、CSV形式またはEXCEL形式である。また、通知対象者リスト20は、ユーザの氏名701と住所702と生年月日703と性別704と電話番号705とメールアドレス706と本籍地と学歴とのうち少なくとも1つを含む。通知対象者リスト20に含まれる種々の情報は、第1のユーザ情報61として記憶部32に記憶される。
【0044】
入力された種々の情報および通知対象者リスト20は、住民通知情報23として情報処理装置3に送信される。次に、受付部331は、ネットワーク及び通信部31を介して住民通知情報23を担当者端末4から受け付ける(アクティビティA108)。ここで、住民通知情報23は、主として自治体から住民へのメッセージである。住民通知情報23は、例えば、税額の決定通知、税金の督促通知、災害情報、予防接種推奨通知、特定健診勧奨通知、狂犬病注射通知、広報紙、選挙情報等である。
【0045】
次に、特定部332は、通知対象者リスト20に含まれる第1のユーザ情報61と、電子証明書情報22に含まれる第2のユーザ情報62とを照合して、両者の一致率を算出する(アクティビティA109)。そして、特定部332は、一致率が閾値以上のユーザを電子通知対象者21として特定する(アクティビティA110)。具体的には例えば、特定部332は、第1のユーザ情報61に含まれる少なくとも1つの第1の属性情報71と、これに対応する第2のユーザ情報62に係る第2の属性情報72との一致率に基づいて、電子通知対象者21を特定する。図8は、対応する属性情報7の照合結果を示すイメージ図である。図8の例によれば、特定部332は、ユーザの氏名701、住所702、生年月日703、性別704それぞれについて、文字列を照合し、文字数の合計のうち一致する文字数の割合を算出する。また、表示制御部333は、照合結果を一致率として表示させる。なお、閾値は、具体的には例えば、70,72,74,76,78,80,82,84,86,88,90,92,94,96,98,100であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。なお、閾値は、ユーザが任意に設定可能である。受付部331は、予めユーザから閾値の入力操作を受け付ける。
【0046】
このとき、例えば、特定部332は、各属性情報7の照合結果の平均に基づいて、通知対象者リスト20に含まれるユーザのうち電子通知対象者21を抽出してもよい。例えば、特定部332は、照合結果に基づいて、一致率が閾値以上である属性情報7の数が閾値以上のユーザを電子通知対象者21として抽出してもよい。また、管理部336は、属性情報7の種類に応じて、閾値を変化させてもよい。例えば、ユーザの氏名701については閾値を90%とし、住所702については閾値を80%としてもよい。
【0047】
ここで、変換部335は、ユーザ情報6をハッシュ情報8に変換してもよい。図9は、第1のハッシュ情報81と第2のハッシュ情報82の一例を示すイメージ図である。図9に示すように、変換部335は、第1のユーザ情報61を第1のハッシュ情報81に変換するとともに、第2のユーザ情報62を第2のハッシュ情報82に変換してもよい。そして、特定部332は、第1のハッシュ情報81と第2のハッシュ情報82とを照合して、一致率を算出してもよい。なお、図9においては、第1のユーザ情報61に含まれる複数の属性情報7がまとめてひとつの第1のハッシュ情報81に変換された場合の例が示される。
【0048】
一方、変換部335は、ユーザ情報6に含まれる属性情報7のそれぞれをハッシュ情報8に変換し、各属性情報7について一致率を算出してもよい。換言すれば、特定部332は、第1の属性情報71に対応する第1のハッシュ情報81と、これに対応する第2のハッシュ情報82との一致率に基づいて、電子通知対象者21を特定する。具体的には例えば、変換部335は、第1の属性情報71のうち少なくとも1つを第1のハッシュ情報81に変換する。また、変換部335は、第2の属性情報72のうち少なくとも1つを第2のハッシュ情報82に変換する。なお、変換部335は、複数の属性情報7をまとめて一つのハッシュ情報8に変換してもよいし、属性情報7それぞれについてハッシュ情報8に変換してもよい。そして、特定部332は、第1のハッシュ情報81と第2のハッシュ情報82とを照合する。
【0049】
このように、特定部332は、通知対象者リスト20に含まれる第1のユーザ情報61と、電子証明書情報22に含まれる第2のユーザ情報62と一致率に基づいて、通知対象者リスト20に含まれるユーザのうち、一致率が閾値以上のユーザを電子通知対象者21として特定する。
【0050】
このとき、判定部334は、ユーザ情報6と参照情報とに基づいて、ユーザの居住地における自治体が所定のサービスの利用対象リストに自治体が含まれるか否かを判定する。参照情報は、所定のサービスを利用対象となる自治体を示すデータベースである。さらに、特定部332は、特定部332は、利用対象リストに自治体が含まれる場合、その自治体を居住地とするユーザのみを電子通知対象者21として特定してもよい(アクティビティA111)。なお、かかる判定は、アクティビティA110よりも前に実行されてもよい。
【0051】
そして、表示制御部333は、通知対象者リスト20に含まれるユーザのうち、アクティビティA110およびアクティビティA111において抽出された電子通知対象者21のリストを表示させる。図10は、ユーザ端末2に表示される住民通知の一例を示すイメージ図である。図10で示すように、表示制御部333は、設定された通知日時が到達した場合、その電子通知対象者21のユーザ端末2に住民通知情報23を表示させる(アクティビティA112)。また、表示制御部333は、通知対象者リスト20に含まれるユーザのうち、電子通知対象者21以外のユーザである郵送通知対象者のデータベースを担当者端末4が読出可能に表示させる(アクティビティA113)。図11は、郵送通知対象者のリストをダウンロード可能な画面1200の一例を示すイメージ図である。画面1200には、押下することにより郵送通知対象者のリストをダウンロード可能なアイコン1201が設けられている。このような態様によれば、担当者は、住民に通知を行う際、郵送対応が必要な住民の一覧を示すデータベースを利用することができる。
【0052】
<まとめ>
以上をまとめると、本実施形態に係る情報処理方法は、特定ステップと、表示制御ステップとを備える。特定ステップでは、通知対象者リスト20に含まれる第1のユーザ情報61と、電子証明書情報22に含まれる第2のユーザ情報62との一致率に基づいて、通知対象者リスト20に含まれるユーザのうち、一致率が閾値以上のユーザを電子通知対象者21として特定する。表示制御ステップでは、電子通知対象者21を表示させる。
【0053】
このような態様によれば、情報処理システム1は、真正性が確保された個人情報を用いた、迅速な行政サービスの提供の実現を支援する技術を提供することができる。具体的には、情報処理システム1は、公的個人認証サービスを利用して、署名用電子証明書に由来する第1のユーザ情報61と住民基本台帳に由来する第2のユーザ情報62とを参照して、真正性を確保して電子通知対象者21を特定することができる。これにより、ユーザ端末2を介してオンライン上で確実に通知対象者であるユーザ本人に対して自治体からの通知を送ることができる。その結果、住民全体ではなく、子育て世代や高齢者等の特定の条件を満たすユーザ個人に対して、効率的に住民通知情報23を通知することができる。
【0054】
さらに、本実施形態によれば、自治体に対して、電子通知対象者21以外のユーザのみに郵送通知を行うためのデータベースを提供することができる。これにより、これまで郵送で住民へ送っていた郵送物の一部をオンライン上で通知するとともに、オンライン通知の対象者以外のユーザのみに郵送通知することが可能となり、人的コスト、輸送コスト等を削減することができる。また、ユーザにとっては、情報処理システム1にログインするだけで、通知の度にマイナンバーカードの認証を行うなどの手間をかけることなく、居住地の自治体からの通知を受けることができる。
【0055】
4.変形例
第4節では、前述した情報処理システム1の情報処理方法の変形例について説明する。情報処理システム1は、以下の構成を含む態様で提供されてもよい。
【0056】
閾値から一定範囲内のユーザを抽出されてもよい。そして、表示制御部333は、かかるユーザを担当者端末4に表示させてもよい。そして、特定部332は、かかるユーザのうち、担当者により選択されたユーザを電子通知対象者21として特定してもよい。このような態様によれば、一致率が閾値に近いユーザについて、担当者による目視による選択によって、電子通知対象者21とするユーザを決定することができる。
【0057】
また、アクティビティA110において、表示制御部333は、照合結果の一覧を把握可能に表示させてもよい。特に、表示制御部333は、設定された閾値における一致率の分布をグラフにより表示可能としてもよい。図12は、担当者端末4に表示される画面1300の一例を示すイメージ図である。これにより、担当者は、照合結果の分布を参照しながら、適切な閾値を設定することができる。
【0058】
本実施形態では、参照情報がルックアップテーブル等のデータベースであるものとし、それに含まれる詳細な項目を説明したが、あくまでも一例でありこの限りではない。さらに、参照情報は、そもそもルックアップテーブル等のデータベースに限定されず、複数の情報を数学的に関係づけた数理モデルでもよいし、さらに好ましくは、複数の情報の相関性を予め機械学習させた学習済みモデルであってもよい。
【0059】
アクティビティA108の処理は、アクティビティA110の後に実行されてもよい。
【0060】
本実施形態では、受付部331、特定部332、表示制御部333、判定部334、変換部335および管理部336を、情報処理装置3の制御部33によって実現される機能部として説明しているが、この少なくとも一部を、担当者端末4の制御部によって実現される機能部として実施してもよい。
【0061】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0062】
(1)情報処理システムによって実行される情報処理方法であって、特定ステップと、表示制御ステップとを備え、前記特定ステップでは、通知対象者リストに含まれる第1のユーザ情報と、電子証明書情報に含まれる第2のユーザ情報との一致率に基づいて、前記通知対象者リストに含まれるユーザのうち、前記一致率が閾値以上のユーザを電子通知対象者として特定し、前記表示制御ステップでは、前記電子通知対象者を表示させる、情報処理方法。
【0063】
(2)上記(1)に記載の情報処理方法において、前記ユーザ情報は、前記ユーザに関する複数種類の属性情報を含み、前記特定ステップでは、前記第1のユーザ情報に含まれる少なくとも1つの第1の属性情報と、これに対応する前記第2のユーザ情報に係る第2の属性情報との一致率に基づいて、前記電子通知対象者を特定する、情報処理方法。
【0064】
(3)上記(2)に記載の情報処理方法において、前記属性情報は、前記ユーザの氏名と住所と生年月日と性別と電話番号とメールアドレスとのうち少なくとも1つを含む、情報処理方法。
【0065】
(4)上記(2)又は(3)に記載の情報処理方法において、変換ステップをさらに備え、前記変換ステップでは、前記第1の属性情報のうち少なくとも1つを第1のハッシュ情報に変換し、前記第2の属性情報のうち少なくとも1つを第2のハッシュ情報に変換し、前記特定ステップでは、前記第1の属性情報に対応する前記第1のハッシュ情報と、これに対応する第2のハッシュ情報との一致率に基づいて、前記電子通知対象者を特定する、情報処理方法。
【0066】
(5)上記(2)~(4)の何れか1つに記載の情報処理方法において、前記属性情報の種類に応じて、前記閾値を変化させる、情報処理方法。
【0067】
(6)上記(1)~(5)の何れか1つに記載の情報処理方法において、判定ステップをさらに備え、前記判定ステップでは、参照情報に基づいて、前記ユーザの居住地における自治体が所定のサービスの利用対象リストに前記自治体が含まれるか否かを判定し、前記特定ステップでは、前記利用対象リストに前記自治体が含まれる場合、その自治体を居住地とする前記ユーザを電子通知対象者として特定する、情報処理システム。
【0068】
(7)上記(1)~(6)の何れか1つに記載の情報処理方法において、受付ステップをさらに備え、前記受付ステップでは、ユーザから前記閾値の入力操作を受け付ける、情報処理方法。
【0069】
(8)少なくとも1つの装置からなる情報処理システムであって、上記(1)~(7)に記載の情報処理方法の各ステップがなされるようにプログラムを実行可能な、少なくとも1つのプロセッサを備える、情報処理システム。
【0070】
(9)プログラムであって、少なくとも1つのコンピュータに、上記(1)~(7)に記載の情報処理方法の各ステップを実行させる、プログラム。
もちろん、この限りではない。
【0071】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0072】
1 :情報処理システム
2 :ユーザ端末
20 :通知対象者リスト
21 :電子通知対象者
22 :電子証明書情報
23 :住民通知情報
3 :情報処理装置
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
331 :受付部
332 :特定部
333 :表示制御部
334 :判定部
335 :変換部
336 :管理部
4 :担当者端末
5 :認証局サーバ
6 :ユーザ情報
61 :第1のユーザ情報
62 :第2のユーザ情報
7 :属性情報
71 :第1の属性情報
72 :第2の属性情報
701 :氏名
702 :住所
703 :生年月日
704 :性別
705 :電話番号
706 :メールアドレス
8 :ハッシュ情報
81 :第1のハッシュ情報
82 :第2のハッシュ情報
1000 :認証画面
1100 :画面
1101 :入力欄
1102 :入力欄
1103 :設定欄
1104 :設定欄
1200 :画面
1201 :アイコン
1300 :画面
図1
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図12