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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044232
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   H03F 1/42 20060101AFI20240326BHJP
【FI】
H03F1/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022149642
(22)【出願日】2022-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】720009479
【氏名又は名称】オンキヨー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】和田 浩
【テーマコード(参考)】
5J500
【Fターム(参考)】
5J500AA02
5J500AC61
5J500AC93
5J500AF10
5J500AH25
5J500AH42
5J500AK01
5J500AK12
5J500AK18
5J500AK34
5J500AK47
5J500AK48
5J500AM08
5J500AM21
5J500AM23
5J500AS05
5J500AS15
5J500AT01
(57)【要約】
【課題】周波数特性の悪化を防ぐ手段を提供すること。
【解決手段】回路101は、正負電源で動作し、非反転入力端子と反転入力端子とを有する増幅回路102と、片電源で動作し、増幅回路102によって増幅された信号をUSBインターフェース回路に入力するADC入力回路103と、片電源で動作し、ADC入力回路103からの信号が入力される、USBインターフェース回路104と、USBインターフェース回路が動作する片電源の中点電圧を、所定のバイアス電圧に調整する電圧調整回路105と、を備える。電圧調整回路105は、所定のバイアス電圧として、USBインターフェース回路104が動作する片電源の中点電圧を、中点電圧に増幅回路102のゲインの逆数をかけた電圧に調整し、所定のバイアス電圧は、増幅回路102の信号が入力される非反転入力端子とは別の反転入力端子に入力される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正負電源で動作し、非反転入力端子と反転入力端子とを有する増幅回路と、
片電源で動作し、前記増幅回路によって増幅された信号をデジタルインターフェース回路に入力する入力回路と、
片電源で動作し、前記入力回路からの信号が入力される、前記デジタルインターフェース回路と、
前記デジタルインターフェース回路が動作する片電源の中点電圧を、所定のバイアス電圧に調整する電圧調整回路と、を備え、
前記電圧調整回路は、所定のバイアス電圧として、前記中点電圧を、前記中点電圧に前記増幅回路のゲインの逆数をかけた電圧に調整し、
前記所定のバイアス電圧は、前記増幅回路の信号が入力されるいずれかの端子とは別の端子に入力されることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記電圧調整回路は、
非反転入力端子と、反転入力端子と、出力端子と、を有するオペアンプと、2つの抵抗と、を有し、
一方の前記抵抗は、前記オペアンプの前記反転入力端子に接続され、
他方の前記抵抗は、前記オペアンプの前記反転入力端子と前記一方の抵抗との間と、前記オペアンプの前記出力端子と、に接続され、
一方の前記抵抗を介して、前記中点電圧が、前記オペアンプの前記反転入力端子に入力され、
前記オペアンプの前記非反転入力端子は、グラウンドに接続され、
前記所定のバイアス電圧は、前記オペアンプからの出力電圧であることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記2つの抵抗の抵抗値は、前記他方の抵抗の抵抗値を、前記一方の抵抗の抵抗値で割った値が、前記増幅回路のゲインの絶対値の逆数となるように、設定されていることを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記増幅回路は、
前記非反転入力端子と、前記反転入力端子と、出力端子と、を有するオペアンプと、
2つの抵抗と、を有し、
前記オペアンプの前記反転入力端子と前記オペアンプの前記出力端子との間に、前記2つの抵抗のうちの一方の前記抵抗が接続され、
前記一方の抵抗と前記オペアンプの前記反転入力端子との間に、前記2つの抵抗のうちの他方の前記抵抗の一端が接続され、
前記オペアンプの前記非反転入力端子に信号が入力され、
前記他方の抵抗の他端から前記所定のバイアス電圧が入力されることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
正負電源で動作する増幅回路と、
正負電源で動作し、前記増幅回路によって増幅された信号をデジタルインターフェース回路に入力し、非反転入力端子と反転入力端子とを有する入力回路と、
片電源で動作し、前記入力回路からの信号が入力される、前記デジタルインターフェース回路と、
前記デジタルインターフェース回路が動作する片電源の中点電圧を、所定のバイアス電圧に調整する電圧調整回路と、を備え、
前記電圧調整回路は、所定のバイアス電圧として、前記中点電圧を、前記中点電圧に前記入力回路のゲインの逆数をかけた電圧に調整し、
前記所定のバイアス電圧は、前記入力回路の信号が入力されるいずれかの端子とは別の端子に入力されることを特徴とする電子機器。
【請求項6】
前記電圧調整回路は、2つの抵抗を有し、
一方の前記抵抗の一端は、前記中点電圧に接続され、
前記所定のバイアス電圧は、前記一方の抵抗と前記他方の抵抗の接続点から取り出されることを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記2つの抵抗の抵抗値は、前記一方の抵抗の抵抗値を、前記他方の抵抗の抵抗値で割った値が、前記入力回路のゲインの逆数となるように、設定されていることを特徴とする請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記入力回路は、
非反転入力端子と、反転入力端子と、出力端子と、を有するオペアンプと、
3つの抵抗と、を有し、
前記オペアンプの前記反転入力端子と前記オペアンプの前記出力端子とが接続され、
前記3つの抵抗のうちの第1抵抗の一端は、前記オペアンプの前記反転入力端子と前記オペアンプの前記出力端子との間に接続され、
前記3つの抵抗のうちの第2抵抗の一端は、前記オペアンプの前記反転入力端子と前記オペアンプの前記出力端子との間に接続され、
前記第2抵抗の他端は、前記第1抵抗の他端に接続され、
前記3つの抵抗のうちの第3抵抗の一端は、前記第1抵抗及び前記第2抵抗の他端に接続され、
前記第3抵抗の他端から、前記第1抵抗を介して、前記オペアンプの前記反転入力端子に信号が入力され、
前記所定のバイアス電圧は、前記オペアンプの前記非反転入力端子に入力されることを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルインターフェースを備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の中には、USB規格に従った音声信号のやり取りを行うため、オーディオUSBインターフェース回路を備えるものがある(例えば、特許文献1参照。)。オーディオUSBインターフェース回路は、デジタル回路であり、通常、正電源だけの片電源で動作する。このため、オーディオUSBインターフェース回路が、音声信号等の正負波形を扱う場合、音声信号の中点(センター)電圧を作り出す必要がある。この場合、通常、電源電圧の半分の直流電圧を中点電圧として、オーディオUSBインターフェース回路が、正負方向の波形である音声波形を取り扱えるようにしている。このため、オーディオUSBインターフェース回路の前段回路が、正負電源で動作する場合、中点電圧が、グラウンドレベルとなり、音声信号を直結できない。従って、直流カットコンデンサが挿入され、直流カットコンデンサによって直流電圧がカットされることにより、中点電圧が、前段・後段それぞれの回路で合わされ、後述する後段のADC入力回路への音声波形伝送を可能としている。
【0003】
図5(a)は、前段の正負電源で動作する回路からの出力波形である。図5(b)は、後段の片電源(正電源)で動作する回路からの出力波形である。上述のように、両回路において、中点電圧が異なっている。
【0004】
上述のADC入力回路は、前段回路からのアナログ信号をオーディオUSBインターフェース回路に入力する入力回路であり、プリアンプとして機能する。
【0005】
しかしながら、直流をカットするための直流カットコンデンサは、容量によっては、低域周波数がカットされるため、周波数特性が悪化する。例えば、後述する電子聴診器等の主として、100Hz以下の低域が必要とされる装置では不利であり、改善が必要な場合がある。
【0006】
上述の電子聴診器は、マイク等のセンサにより電子的に心音等の音を採取し、採取した音を増幅し、増幅した音を医師等に聴取させる装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007-257730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、オーディオUSBインターフェース回路等のデジタルインターフェースを備える電子機器において、低域周波数がカットされ、周波数特性が悪化するという問題があった。
【0009】
本発明の目的は、周波数特性の悪化を防ぐ手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の発明の電子機器は、正負電源で動作し、非反転入力端子と反転入力端子とを有する増幅回路と、片電源で動作し、前記増幅回路によって増幅された信号をデジタルインターフェース回路に入力する入力回路と、片電源で動作し、前記入力回路からの信号が入力される、前記デジタルインターフェース回路と、前記デジタルインターフェース回路が動作する片電源の中点電圧を、所定のバイアス電圧に調整する電圧調整回路と、を備え、前記電圧調整回路は、所定のバイアス電圧として、前記中点電圧を、前記中点電圧に前記増幅回路のゲインの逆数をかけた電圧に調整し、前記所定のバイアス電圧は、前記増幅回路の信号が入力されるいずれかの端子とは別の端子に入力されることを特徴とする。
【0011】
本発明では、電圧調整回路は、所定のバイアス電圧として、デジタルインターフェース回路が動作する片電源の中点電圧を、中点電圧に増幅回路のゲインの逆数をかけた電圧に調整する。そして、所定のバイアス電圧は、増幅回路の信号が入力されるいずれかの端子とは別の端子に入力される。このため、増幅回路のゼロ信号レベルが、デジタルインターフェース回路の中点電圧となり、入力回路のゼロ信号レベルも、デジタルインターフェース回路の中点電圧であるため、増幅回路と入力回路とのゼロ信号レベルが一致する。これにより、増幅回路と入力回路との間にコンデンサを用いる必要がなく、低域周波数がカットされることがないため、周波数特性が悪化することがない。
【0012】
第2の発明の電子機器は、第1の発明の電子機器において、前記電圧調整回路は、非反転入力端子と、反転入力端子と、出力端子と、を有するオペアンプと、2つの抵抗と、を有し、一方の前記抵抗は、前記オペアンプの前記反転入力端子に接続され、他方の前記抵抗は、前記オペアンプの前記反転入力端子と前記一方の抵抗との間と、前記オペアンプの前記出力端子と、に接続され、一方の前記抵抗を介して、前記中点電圧が、前記オペアンプの前記反転入力端子に入力され、前記オペアンプの前記非反転入力端子は、グラウンドに接続され、前記所定のバイアス電圧は、前記オペアンプからの出力電圧であることを特徴とする。
【0013】
本発明では、オペアンプと、2つの抵抗と、を有する電圧調整回路は、反転増幅回路を構成する。従って、2つの抵抗の抵抗値(定数)によって、反転増幅回路のゲインを設定することができる。このため、反転増幅回路のゲインが、増幅回路のゲインの絶対値の逆数となるように、2つの抵抗の抵抗値(定数)を選択することで、電圧調整回路により、所定のバイアス電圧に調整することができる。
【0014】
第3の発明の電子機器は、第2の発明の電子機器において、前記2つの抵抗の抵抗値は、前記他方の抵抗の抵抗値を、前記一方の抵抗の抵抗値で割った値が、前記増幅回路のゲインの絶対値の逆数となるように、設定されていることを特徴とする。
【0015】
本発明では、2つの抵抗の抵抗値は、他方の抵抗の抵抗値を、一方の抵抗の抵抗値で割った値が、増幅回路のゲインの絶対値の逆数となるように、設定されている。このため、電圧調整回路によって、デジタルインターフェース回路が動作する片電源の中点電圧に、増幅回路のゲインの逆数をかけた電圧に調整することができる。
【0016】
第4の発明の電子機器は、第1の発明の電子機器において、前記増幅回路は、前記非反転入力端子と、前記反転入力端子と、出力端子と、を有するオペアンプと、2つの抵抗と、を有し、前記オペアンプの前記反転入力端子と前記オペアンプの前記出力端子との間に、前記2つの抵抗のうちの一方の前記抵抗が接続され、前記一方の抵抗と前記オペアンプの前記反転入力端子との間に、前記2つの抵抗のうちの他方の前記抵抗の一端が接続され、前記オペアンプの前記非反転入力端子に信号が入力され、前記他方の抵抗の他端から前記所定のバイアス電圧が入力されることを特徴とする。
【0017】
本発明では、増幅回路のゲインは、他方の抵抗の抵抗値を、一方の抵抗の抵抗値で割った値(増幅回路のゲイン=他方の抵抗の抵抗値/一方の抵抗の抵抗値)である。このため、増幅回路のゲインの逆数は、一方の抵抗の抵抗値を、他方の抵抗の抵抗値で割った値となるため、この値を用いて、所定のバイアス電圧に調整することができる。
【0018】
第5の発明の電子機器は、正負電源で動作する増幅回路と、正負電源で動作し、前記増幅回路によって増幅された信号をデジタルインターフェース回路に入力し、非反転入力端子と反転入力端子とを有する入力回路と、片電源で動作し、前記入力回路からの信号が入力される、前記デジタルインターフェース回路と、前記デジタルインターフェース回路が動作する片電源の中点電圧を、所定のバイアス電圧に調整する電圧調整回路と、を備え、前記電圧調整回路は、所定のバイアス電圧として、前記中点電圧を、前記中点電圧に前記入力回路のゲインの逆数をかけた電圧に調整し、前記所定のバイアス電圧は、前記入力回路の信号が入力されるいずれかの端子とは別の端子に入力されることを特徴とする。
【0019】
本発明では、電圧調整回路は、所定のバイアス電圧として、デジタルインターフェース回路が動作する片電源の中点電圧を、中点電圧に入力回路のゲインの逆数をかけた電圧に調整する。そして、所定のバイアス電圧は、入力回路の信号が入力されるいずれかの端子とは別の端子に入力される。このため、入力回路のゼロ信号レベルが、デジタルインターフェース回路の中点電圧となり、デジタルインターフェース回路のゼロ信号レベルも、中点電圧であるため、入力回路とデジタルインターフェース回路とのゼロ信号レベルが一致する。これにより、入力回路とデジタルインターフェース回路との間にコンデンサを用いる必要がなく、低域周波数がカットされることがないため、周波数特性が悪化することがない。
【0020】
第6の発明の電子機器は、第5の発明の電子機器において、前記電圧調整回路は、2つの抵抗を有し、一方の前記抵抗の一端は、前記中点電圧に接続され、他方の前記抵抗は、前記一方の抵抗の他端とグランウンドとの間に接続され、前記所定のバイアス電圧は、前記一方の抵抗と前記他方の抵抗の接続点から取り出されることを特徴とする。
【0021】
本発明では、2つの抵抗を有する電圧調整回路は、電圧分圧回路を構成する。従って、2つの抵抗の抵抗値(定数)によって、バイアス電圧を設定することができる。このため、入力回路のゲインの逆数となるように、2つの抵抗の抵抗値(定数)を選択することで、電圧調整回路により、所定のバイアス電圧に調整することができる。
【0022】
第7の発明の電子機器は、第6の発明の電子機器において、前記2つの抵抗の抵抗値は、前記一方の抵抗の抵抗値を、前記他方の抵抗の抵抗値で割った値が、前記入力回路のゲインの逆数となるように、設定されていることを特徴とする。
【0023】
本発明では、2つの抵抗の抵抗値は、一方の抵抗の抵抗値を、他方の抵抗の抵抗値で割った値が、入力回路のゲインの逆数となるように、設定されている。このため、電圧調整回路によって、デジタルインターフェース回路が動作する片電源の中点電圧に、入力回路のゲインの逆数をかけた電圧に調整することができる。
【0024】
第8の発明の電子機器は、第5の発明の電子機器において、前記入力回路は、非反転入力端子と、反転入力端子と、出力端子と、を有するオペアンプと、3つの抵抗と、を有し、前記オペアンプの前記反転入力端子と前記オペアンプの前記出力端子とが接続され、前記3つの抵抗のうちの第1抵抗の一端は、前記オペアンプの前記反転入力端子と前記オペアンプの前記出力端子との間に接続され、前記3つの抵抗のうちの第2抵抗の一端は、前記オペアンプの前記反転入力端子と前記オペアンプの前記出力端子との間に接続され、前記第2抵抗の他端は、前記第1抵抗の他端に接続され、前記3つの抵抗のうちの第3抵抗の一端は、前記第1抵抗及び前記第2抵抗の他端に接続され、前記第3抵抗の他端から、前記第1抵抗を介して、前記オペアンプの前記反転入力端子に信号が入力され、前記所定のバイアス電圧は、前記オペアンプの前記非反転入力端子に入力されることを特徴とする。
【0025】
本発明では、入力回路のゲインは、第2抵抗の抵抗値を、第3抵抗の抵抗値で割った値(入力回路のゲイン=第2抵抗の抵抗値/第3抵抗の抵抗値)である。このため、入力回路のゲインの逆数は、第3抵抗の抵抗値を、第2抵抗の抵抗値で割った値となるため、この値を用いて、所定のバイアス電圧に調整することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、デジタルインターフェース回路を備える電子機器において、周波数特性が悪化することがない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の第1実施形態に係る回路を示す図である。
図2】電圧調整回路を示す図である。
図3】本発明の第2実施形態に係る回路を示す図である。
図4】電圧調整回路を示す図である。
図5】(a)は、前段の正負電源で動作する回路からの出力波形である。(b)は、後段の片電源(正電源)で動作する回路からの出力波形である。
図6】従来回路を示す図である。
図7】従来回路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0029】
(従来回路)
まず、本発明の第1実施形態の前提となる従来回路について説明する。従来回路は、例えば、ピエゾ素子等のセンサによって心音等の聴診音を採取する、電子聴診器に用いられる。図6は、従来回路501を示す図である。従来回路501は、増幅回路502、ADC入力回路503、USBインターフェース回路504等を備える。
【0030】
増幅回路502は、2つのオペアンプU501、U502等を有する。オペアンプU501、U502は、正電源V+、負電源V-で動作する。オペアンプU501、U502の非反転入力端子(正入力端子)には、アナログ信号が入力される。オペアンプU501、U502の反転入力端子(負入力端子)は、独立した2本の抵抗素子を介して、それぞれ、グラウンド及び出力端子に接続されている。なお、図6においては、アナログ信号の出力源を、電圧源V503で示している。従来回路501が電子聴診器に用いられる場合、ピエゾ素子等のセンサからのアナログ信号が、オペアンプU501、U502に入力される。
【0031】
オペアンプU501、U502は、アナログ信号を増幅する。オペアンプU501、U502が増幅したアナログ信号は、ADC入力回路503に出力される。
【0032】
ADC入力回路503は、オペアンプU503等を有する。オペアンプU503は、後段のUSBインターフェース回路504が、片電源(正電源)で動作することにあわせて、片電源(正電源)VADCで動作するように、設計されている。オペアンプU503の反転入力端子(負入力端子)に、増幅回路502からのアナログ信号が入力される。
【0033】
ここで、増幅回路502からの出力Amp_OutとADC入力回路503の入力Pre_Intとは、ゼロ信号レベルが異なるため、増幅回路502とADC入力回路503とをそのまま接続すると、回路相互間に電流が流れて、正常動作しなくなる。すなわち、Amp_Outのゼロ信号レベルは、0V(GND(グラウンド))であり、Pre_Inのゼロ信号レベルは、2.5V(Vcom(USBインターフェース回路504の中点電圧))である。このため、増幅回路502とADC入力回路503との間には、直流電圧をカットするためのコンデンサC506が設けられている。
【0034】
USBインターフェース回路504(デジタルインターフェース回路)は、ADC入力回路503からのアナログ信号を、デジタル信号にA/D変換し、出力する。なお、図6においては、USBインターフェース回路504の内部にあるオペアンプU506が示されている。ADC入力回路503とUSBインターフェース回路504との間には、直流電圧をカットするためのコンデンサC504が設けられている。
【0035】
上述の直流電圧をカットするためのコンデンサC504、C506は、低域周波数をカットするため、周波数特性が悪化するという問題がある。
【0036】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る回路101を示す図である。図1に示すように、回路101は、増幅回路102、ADC入力回路103、USBインターフェース回路104等を備える。回路101は、例えば、ピエゾ素子等のセンサによって心音等の聴診音を採取する、電子聴診器(電子機器)に用いられる。
【0037】
増幅回路102は、2つのオペアンプU101、U102等を有する。オペアンプU101、U102は、正負電源、すなわち、正電源V+、負電源V-で動作する。オペアンプU101、U102は、非反転入力端子(正入力端子)と、反転入力端子(負入力端子)と、出力端子と、を有する。オペアンプU101、U102の非反転入力端子に、アナログ信号が入力される。回路101が電子聴診器に用いられる場合、ピエゾ素子等のセンサV103からのアナログ信号が、In経由でオペアンプU101、U102に入力される。
【0038】
オペアンプU101の反転入力端子と出力端子との間に、2つの抵抗R102、103のうちの抵抗R102(一方の抵抗)が接続されている。また、抵抗R102とオペアンプU101の反転入力端子との間に、抵抗R103(他方の抵抗)の一端が接続されている。
【0039】
オペアンプU102の反転入力端子と出力端子との間に、2つの抵抗R105、R106のうちの抵抗R106(一方の抵抗)が接続されている。また、抵抗R106とオペアンプU102の反転入力端子との間に、抵抗R105(他方の抵抗)の一端が接続されている。
【0040】
ここで、オペアンプU101のゲインの絶対値は、抵抗R102、R103の抵抗値が十分に大きい場合、抵抗R102の抵抗値を、抵抗R103の抵抗値で割った値(ゲイン≒R102/R103)である。また、オペアンプU102のゲインは、抵抗R105、R106の抵抗値が十分に大きい場合、抵抗R106の抵抗値を、抵抗R105の抵抗値で割った値(ゲイン≒R106/R105)である。抵抗R102の抵抗値と、抵抗R106の抵抗値とは、同一である。また、抵抗R103の抵抗値と、抵抗R105の抵抗値とは、同一である。従って、オペアンプU101のゲインと、オペアンプU102のゲインとは、同一である。
【0041】
例えば、増幅回路102における抵抗R102、R106の抵抗値は、10kΩであり、抵抗R103、R105の抵抗値は、1.2kΩである。従って、オペアンプU101、U102のゲインは、10kΩ/1.2kΩ=8.33・・・である。
【0042】
オペアンプU101、U102は、アナログ信号を増幅する。オペアンプU101、U102が増幅したアナログ信号は、ADC入力回路103に出力される。
【0043】
ADC入力回路103は、オペアンプU103等を有する。オペアンプU103は、後段のUSBインターフェース回路104が、片電源(正電源)で動作することにあわせて、片電源(正電源)VADCで動作するように、設計されている。ADC入力回路103とデジタルインターフェース回路104との動作電源の電圧は、同一である。オペアンプU103の反転入力端子(負入力端子)に、増幅回路102からのアナログ信号が入力される。
【0044】
USBインターフェース回路104(デジタルインターフェース回路)は、ADC入力回路103からのアナログ信号を、デジタル信号にA/D変換し、出力する。なお、図1においては、USBインターフェース回路104の内部にあるオペアンプU106が示されている。
【0045】
回路101は、さらに、電圧調整回路105を備える。電圧調整回路105は、所定のバイアス電圧BIASとして、USBインターフェース回路104が動作する片電源の中点電圧Vcomを、中点電圧VcomにオペアンプU101、U102(増幅回路102)のゲインの逆数をかけた電圧に調整する。上述したように、オペアンプU101、U102のゲインは、R102/R103(=R106/R105)である。従って、電圧調整回路105は、中点電圧Vcomを、中点電圧VcomにオペアンプU101、U102のゲインの逆数R103/R102(=R105/R106)をかけた電圧、すなわち、Vcom×R103/R102(=Vcom×R105/R106)に調整する。
【0046】
図2は、電圧調整回路105を示す図である。図2に示すように、電圧調整回路105は、オペアンプU104、2つの抵抗R113、R116を有する。オペアンプU104は、非反転入力端子(正入力端子)と、反転入力端子(負入力端子)と、出力端子と、を有する。抵抗R116(一方の抵抗)は、反転入力端子に接続されている。抵抗R113(他方の抵抗)は、オペアンプU104の反転入力端子と抵抗R116の間と、オペアンプU104の出力端子と、に接続されている。オペアンプU104の非反転入力端子は、グラウンド(GND)に接続されている。上述の中点電圧Vcomは、抵抗R116を介して、オペアンプU104の反転入力端子に入力される。オペアンプU104の出力電圧が、バイアス電圧BIASである。
【0047】
オペアンプU104(電圧調整回路105)のゲインの絶対値は、抵抗R113の抵抗値を、抵抗R116の抵抗値で割った値(R113/R116)である。従って、オペアンプU104の出力電圧の絶対値は、Vcom×(R113/R116)である。上述のように、増幅回路102(オペアンプU101、U102)のゲインは、8.33・・・である。従って、抵抗R113の抵抗値、及び、抵抗R116の抵抗値は、R113/R116の値が、8.33・・・の逆数、すなわち、1/8.33・・・=約0.12となるように、設定されている。例えば、抵抗R113の抵抗値は、1.2kΩであり、抵抗R112の抵抗値は、10kΩである。
【0048】
上述したように、オペアンプU104のゲインの絶対値は、例えば、0.12であるから、オペアンプU104の出力電圧(バイアス電圧)BIASは、オペアンプU104の反転入力端子に印加されるため、-0.12Vcomである。オペアンプU104の出力電圧(バイアス電圧)BIASは、増幅回路102のオペアンプU101、U102の反転入力端子、すなわち、アナログ信号が入力される非反転入力端子とは別の端子である反転入力端子に入力されるため、バイアス電圧BIASが負電圧なので、増幅回路102の出力は、8.33・・・×0.12Vcom=Vcom分、正方向へ、信号ゼロレベルは、オフセットされる。
【0049】
上述したように、オペアンプU101、U102のゲインは、約8.33であるから、8.33×0.12Vcom≒Vcomとなる。これにより、Amp_OutとPre_Inとのゼロ信号レベルは、同じVcomとなり、結合コンデンサ(図6におけるコンデンサC506)を用いることなく、直結することが可能となる。同様に、ADC入力回路103とUSBインターフェース回路104との間の結合コンデンサ(図6におけるC504)を用いる必要がない。
【0050】
以上説明したように、本実施形態では、電圧調整回路105は、所定のバイアス電圧BIASとして、デジタルインターフェース回路104が動作する片電源の中点電圧Vcomを、中点電圧Vcomに増幅回路102のゲインの逆数をかけた電圧に調整する。そして、所定のバイアス電圧BIASは、増幅回路102の信号が入力される非反転入力端子とは別の反転入力端子に入力される。このため、増幅回路102のゼロ信号レベルが、USBインターフェース回路104の中点電圧Vcomとなり、ADC入力回路103のゼロ信号レベルも、USBインターフェース回路104の中点電圧Vcomであるため、増幅回路102とADC入力回路103とのゼロ信号レベルが一致する。これにより、増幅回路102とADC入力回路103との間にコンデンサを用いる必要がなく、低域周波数がカットされることがないため、周波数特性が悪化することがない。
【0051】
また、本実施形態では、オペアンプU104と、2つの抵抗R113、R116と、を有する電圧調整回路105は、反転増幅回路を構成する。従って、2つの抵抗R113、R116の抵抗値(定数)によって、反転増幅回路のゲインを設定することができる。このため、反転増幅回路のゲインが、増幅回路102のゲインの絶対値の逆数となるように、2つの抵抗R113、R116の抵抗値(定数)を選択することで、電圧調整回路105により、所定のバイアス電圧BIASに調整することができる。
【0052】
また、本実施形態では、2つの抵抗R113、R116の抵抗値は、抵抗R113の抵抗値を、抵抗R116の抵抗値で割った値が、増幅回路102のゲインの絶対値の逆数となるように、設定されている。このため、電圧調整回路105によって、デジタルインターフェース回路104が動作する片電源の中点電圧Vcomに、増幅回路102のゲインの逆数をかけた電圧に調整することができる。
【0053】
また、本実施形態では、増幅回路102のゲインは、抵抗R102(R106)、抵抗R103(R105)が十分に大きい場合、抵抗R102(R106)の抵抗値を、抵抗R103(R105)の抵抗値で割った値(増幅回路のゲイン≒R102/R103(R106/R105))である。このため、増幅回路102のゲインの逆数は、抵抗R103(R105)の抵抗値を、抵抗R102(R106)の抵抗値で割った値となるため、この値を用いて、所定のバイアス電圧に調整することができる。
【0054】
(従来回路)
まず、本発明の第2実施形態の前提となる従来回路について説明する。図7は、従来回路601を示す図である。従来回路601は、増幅回路602、ADC入力回路603、USBインターフェース回路604等を備える。以下、従来回路601と従来回路501との相違点を主に説明する。
【0055】
増幅回路602は、増幅回路502に相当し、ADC入力回路603は、ADC入力回路503に相当し、USBインターフェース回路604は、USBインターフェース回路504に相当する。ADC入力回路503のオペアンプU503は、片電源で動作しているが、ADC入力回路603のオペアンプU603は、正電源+V、負電源-Vで動作している点が、従来回路501と従来回路601とで、異なる。このため、従来回路501では、増幅回路502とADC入力回路503との間に、コンデンサC506が設けられているが、従来回路601では、増幅回路602とADC入力回路603との間に、コンデンサは、設けられていない。
【0056】
しかしながら、従来回路601において、ADC入力回路603とUSBインターフェース回路604との間に、コンデンサC604が必要なままである。ADC入力回路603からの出力Pre_Outのゼロ信号レベルは、0V(グラウンド(GND))であり、USBインターフェース回路604の入力Adc_Inのゼロ信号レベルは、2.5V(USBインターフェース回路604の中点電圧)である。
【0057】
(第2実施形態)
図3は、本発明の第2実施形態に係る回路201を示す図である。図2に示すように、回路201は、増幅回路202、ADC入力回路203、USBインターフェース回路204等を備える。回路201は、例えば、ピエゾ素子等のセンサによって心音等の聴診音を採取する、電子聴診器(電子機器)に用いられる。
【0058】
増幅回路202は、2つのオペアンプU201、U202等を有する。オペアンプU201、U202は、正負電源、すなわち、正電源V+、負電源V-で動作する。オペアンプU201、U202は、非反転入力端子(正入力端子)と、反転入力端子(負入力端子)と、出力端子と、を有する。オペアンプU201、U202の非反転入力端子に、アナログ信号が入力される。回路201が電子聴診器に用いられる場合、ピエゾ素子等のセンサV203からのアナログ信号が、In経由でオペアンプU201、U202に入力される。
【0059】
オペアンプU201の反転入力端子と出力端子との間に、2つの抵抗R202、203のうちの抵抗R202(一方の抵抗)が接続されている。また、抵抗R202とオペアンプU201の反転入力端子との間に、抵抗R203(他方の抵抗)の一端が接続されている。
【0060】
オペアンプU202の反転入力端子と出力端子との間に、2つの抵抗R205、R206のうちの抵抗R206(一方の抵抗)が接続されている。また、抵抗R206とオペアンプU202の反転入力端子との間に、抵抗R205(他方の抵抗)の一端が接続されている。
【0061】
オペアンプU201、U202は、アナログ信号を増幅する。オペアンプU201、U202が増幅したアナログ信号は、ADC入力回路203に出力される。
【0062】
ADC入力回路203は、オペアンプU203等を有する。オペアンプU203は、正負電源、すなわち、正電源V+、負電源V-で動作する。オペアンプU203は、非反転入力端子(正入力端子)と、反転入力端子(負入力端子)と、出力端子と、を有する。オペアンプU203の反転入力端子とオペアンプU203の出力端子とは、接続されている。この間には、コンデンサC205が設けられている。3つの抵抗R209、R214、R215のうちの抵抗R214(第1抵抗)の一端は、オペアンプU203の反転入力端子とオペアンプU203の出力端子との間に接続されている。3つの抵抗R209、R214、R215のうちのR215(第2抵抗)の一端は、オペアンプU203の反転入力端子とオペアンプU203の出力端子との間に接続されている。抵抗R215の他端は、抵抗R214の他端に接続されている。3つの抵抗R209、R214、R215のうちの抵抗R209(第3抵抗)の一端は、抵抗R214及び抵抗R215の他端に接続されている。抵抗R209の他端から、抵抗214を介して、オペアンプU203の反転入力端子にアナログ信号が入力される。所定のバイアス電圧BIASは、オペアンプU203の非反転入力端子に入力される。抵抗R214とコンデンサC205とは、抵抗R215に並列接続されている。
【0063】
ここで、オペアンプU203のゲインの絶対値は、抵抗R215の抵抗値を、抵抗R209の抵抗値で割った値(ゲイン=R215/R209)である。
【0064】
オペアンプU203は、アナログ信号を増幅する。オペアンプU203が増幅したアナログ信号は、USBインターフェース回路204に出力される。
【0065】
USBインターフェース回路204(デジタルインターフェース回路)は、ADC入力回路203からのアナログ信号を、デジタル信号にA/D変換し、出力する。なお、図3においては、USBインターフェース回路204の内部にあるオペアンプU206が示されている。
【0066】
回路201は、さらに、電圧調整回路205を備える。電圧調整回路205は、所定のバイアス電圧BIASとして、USBインターフェース回路204が動作する片電源の中点電圧Vcomを、中点電圧VcomにオペアンプU203(ADC入力回路203)のゲインの逆数をかけた電圧に調整する。上述したように、オペアンプU203のゲインは、R215/R209である。従って、電圧調整回路205は、中点電圧Vcomに、オペアンプU203のゲインの逆数R209/R215をかけた電圧、すなわち、Vcom×R209/R215に調整する。
【0067】
図4は、電圧調整回路205を示す図である。図4に示すように、電圧調整回路205は、2つの抵抗R220、R221を有する。抵抗R220(一方の抵抗)の一端は、中点電圧Vcomに接続されている。抵抗R221(他方の抵抗)は、抵抗R220の他端とグランウンド(GND)との間に接続されている。バイアス電圧BIASは、抵抗R220と抵抗R221の接続点から取り出される。
【0068】
電圧調整回路205のゲインは、抵抗R221の抵抗値を、抵抗R220の抵抗値で割った値(R221/R220)である。従って、電圧調整回路205の出力電圧は、Vcom×(R221/R220)である。上述のように、ADC入力回路203(オペアンプU203)のゲインは、R215/R209である。従って、抵抗R220の抵抗値、及び、抵抗R221の抵抗値は、R221/R220の値が、R215/R209の逆数となるように、設定されている。
【0069】
電圧調整回路205の出力電圧(バイアス電圧)BIASは、ADC入力回路203のオペアンプU203の非反転入力端子、すなわち、アナログ信号が入力される反転入力端子とは別の端子である非反転入力端子に入力される。
【0070】
上述したように、オペアンプU203のゲインは、R215/R209であるから、(R215/R209)×(R221/R220(R215/R209の逆数))×Vcom=Vcomとなる。これにより、Pre_OutとAdc_Inとのゼロ信号レベルは、同じVcomとなり、結合コンデンサ(図7におけるコンデンサC604)を用いることなく、直結することが可能となる。
【0071】
以上説明したように、本実施形態では、電圧調整回路205は、所定のバイアス電圧として、USBインターフェース回路204が動作する片電源の中点電圧を、中点電圧にADC入力回路203のゲインの逆数をかけた電圧に調整する。そして、所定のバイアス電圧は、ADC入力回路203の信号が入力される反転入力端子とは別の非反転入力端子に入力される。このため、ADC入力回路203のゼロ信号レベルが、USBインターフェース回路204の中点電圧Vcomとなり、USBインターフェース回路204のゼロ信号レベルも、中点電圧Vcomであるため、ADC入力回路203とUSBインターフェース回路204とのゼロ信号レベルが一致する。これにより、ADC入力回路203とUSBインターフェース回路204との間にコンデンサを用いる必要がなく、低域周波数がカットされることがないため、周波数特性が悪化することがない。
【0072】
また、本実施形態では、2つの抵抗R220、R221を有する電圧調整回路205は、電圧分圧回路を構成する。従って、2つの抵抗R220、R221の抵抗値(定数)によって、バイアス電圧を設定することができる。このため、ADC入力回路203のゲインの逆数となるように、2つの抵抗R220、R221の抵抗値(定数)を選択することで、電圧調整回路205により、所定のバイアス電圧BIASに調整することができる。
【0073】
また、本実施形態では、2つの抵抗R220、R221の抵抗値は、抵抗R221の抵抗値を、抵抗R220の抵抗値で割った値が、ADC入力回路203のゲインの逆数となるように、設定されている。このため、電圧調整回路205によって、USBインターフェース回路204が動作する片電源の中点電圧Vcomを、中点電圧VcomにADC入力回路203のゲインの逆数をかけた電圧に調整することができる。
【0074】
また、本実施形態では、ADC入力回路203のゲインは、抵抗R215の抵抗値を、抵抗R209の抵抗値で割った値(入力回路のゲイン=R215/抵抗R209の抵抗値)である。このため、ADC入力回路203のゲインの逆数は、抵抗R209の抵抗値を、抵抗R215の抵抗値で割った値となるため、この値を用いて、所定のバイアス電圧に調整することができる。
【0075】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明を適用可能な形態は、上述の実施形態には限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、デジタルインターフェースを備える電子機器に好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0077】
101、201 回路
102、202 増幅回路
103、203 ADC入力回路
104、204 USBインターフェース回路(デジタルインターフェース回路)
105、205 電圧調整回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7