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  • 特開-飛行体を用いた鳥獣対策システム 図1
  • 特開-飛行体を用いた鳥獣対策システム 図2
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  • 特開-飛行体を用いた鳥獣対策システム 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044238
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】飛行体を用いた鳥獣対策システム
(51)【国際特許分類】
   A01M 29/16 20110101AFI20240326BHJP
   B64D 47/08 20060101ALI20240326BHJP
   B64D 27/10 20060101ALI20240326BHJP
   B64D 27/04 20060101ALI20240326BHJP
   B64D 27/24 20240101ALI20240326BHJP
【FI】
A01M29/16
B64D47/08
B64D27/10
B64D27/04
B64D27/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022149650
(22)【出願日】2022-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】000116574
【氏名又は名称】愛三工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 修也
(72)【発明者】
【氏名】赤松 利昭
(72)【発明者】
【氏名】石黒 登
(72)【発明者】
【氏名】今井 俊介
(72)【発明者】
【氏名】藤村 修
(72)【発明者】
【氏名】廣井 千陽
【テーマコード(参考)】
2B121
【Fターム(参考)】
2B121AA01
2B121AA07
2B121DA51
2B121DA62
2B121DA63
2B121EA26
2B121FA13
2B121FA14
(57)【要約】
【課題】飛行体に既存の装置を用いて鳥獣を追い払うことができる飛行体を用いた鳥獣対策システムを提供すること。
【解決手段】本開示の一態様は、鳥獣対策システム1において、プロペラ25を回転させるモータ22と、モータ22を駆動させるための電力を発電する太陽光発電部22と、エンジン24と、鳥獣を監視する監視カメラ24と、を備えるドローン11を有する。そして、監視カメラ24により鳥獣が検出されたときに、モータ22の駆動音またはエンジン24の駆動音の少なくともいずれか一方を発生させて、鳥獣を追い払う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロペラを回転させるモータと、
前記モータを駆動させるための電力を発電する太陽光発電部と、
エンジンと、
鳥獣を監視する監視カメラと、を備える飛行体を有し、
前記監視カメラにより前記鳥獣が検出されたときに、
前記モータの駆動音または前記エンジンの駆動音の少なくともいずれか一方を発生させて、前記鳥獣を追い払うこと、
を特徴とする飛行体を用いた鳥獣対策システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、果樹などを荒らす鳥獣を追い払うための飛行体を用いた鳥獣対策システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、飛行体(無人航空機)に設けられる威嚇部から照射される光や超音波により、農地から害獣を威嚇し追い払おうとするシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-50503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のシステムでは、飛行体に、農地から害獣を威嚇し追い払うための専用の装置として、光や超音波を照射する威嚇部を搭載しなければならず、飛行体の重量や体格が大きくなってしまう。
【0005】
そこで、本開示は上記した課題を解決するためになされたものであり、飛行体に既存の装置を用いて鳥獣を追い払うことができる飛行体を用いた鳥獣対策システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた本開示の一形態は、飛行体を用いた鳥獣対策システムにおいて、プロペラを回転させるモータと、前記モータを駆動させるための電力を発電する太陽光発電部と、エンジンと、鳥獣を監視する監視カメラと、を備える飛行体を有し、前記監視カメラにより前記鳥獣が検出されたときに、前記モータの駆動音または前記エンジンの駆動音の少なくともいずれか一方を発生させて、前記鳥獣を追い払うこと、を特徴とする。
【0007】
この態様によれば、モータやエンジンの駆動音により鳥獣を追い払うことができる。そのため、飛行体にて飛行のために既存のモータやエンジンを用いて鳥獣を追い払うことができるので、飛行体に鳥獣を追い払うための専用の装置を設けることなく鳥獣を追い払うことができる。したがって、飛行体の重量や体格が大きくなることを抑制できる。
【0008】
また、状況に応じてモータの駆動音とエンジンの駆動音を使い分けることにより、効率よく鳥獣を追い払うことができる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の飛行体を用いた鳥獣対策システムによれば、飛行体に既存の装置を用いて鳥獣を追い払うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態の飛行体を用いた鳥獣対策システムの構成図である。
図2】ドローンの外観斜視図である。
図3】果樹にとまっている鳥をカメラにより見つけ出す時を示す図である。
図4】ドローンが果樹に接近して鳥を追い払う様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の飛行体を用いた鳥獣対策システムの実施形態の一例である鳥獣対策システム1について説明する。
【0012】
<鳥獣対策システムの構成>
本実施形態の鳥獣対策システム1は、図1図2に示すように、ドローン11を有する。
【0013】
ドローン11は、無人航空機であって、本開示の「飛行体」の一例である。このドローン11は、バッテリ21と、モータ22と、太陽光発電部23と、エンジン24と、監視カメラ25と、制御部26を備えている。
【0014】
バッテリ21は、ドローン11の飛行用の電力、すなわち、モータ22や監視カメラ25の駆動用の電力を蓄電する蓄電池である。また、バッテリ21から制御部26への電力の供給も行われる。
【0015】
モータ22は、ドローン11のプロペラ27を回転させるための駆動部である。
【0016】
太陽光発電部23は、ドローン11の飛行用の電力や、モータ22や監視カメラ25の駆動用の電力を、太陽光により発電するソーラーパネルを備える発電装置である。
【0017】
エンジン24は、不図示の発電機を駆動させるための内燃機関である。本実施形態のドローン11は、バッテリ21とエンジン24(発電機)とを備えたハイブリッドシステムを有する。
【0018】
監視カメラ25は、ドローン11の周囲を撮影して鳥獣を監視する撮影部である。
【0019】
制御部26は、ドローン11の全体を制御する装置であり、ドローン11の飛行や、エンジン24の駆動や、監視カメラ25よる撮影を制御する。なお、制御部26には、監視カメラ25で撮影される画像が取り込まれる。
【0020】
<鳥獣対策について>
このような構成の鳥獣対策システム1において、制御部26は、図3に示すように、監視カメラ25により全ての対象となる果樹(木)を順次巡行して鳥獣の有無を監視する。
【0021】
そして、監視カメラ25により鳥獣が検出されたときに、制御部26は、図4に示すように、検出された果樹の近くまでドローン11を飛行させる。そして、制御部26は、ドローン11をホバリングさせながら、モータ22の駆動音またはエンジン24の駆動音の少なくともいずれか一方を発生させて、鳥獣を追い払う。
【0022】
このとき、例えば、ドローン11は、モータ22やエンジン24の駆動音を小さくしながら鳥獣に近づき、鳥獣に近づいたときにモータ22やエンジン24の駆動音を大きくする。このようにして、モータ22やエンジン24の駆動音を突然大きくするようにして威嚇して、鳥獣をびっくりさせるので、効率よく、鳥獣を追い払うことができる。また、ドローン11が鳥獣に近づくまでは、モータ22やエンジン24の駆動音を小さくするので、モータ22の駆動用の電力の消費や、エンジン24におけるガソリンの消費を抑えることができる。
【0023】
また、状況に応じてモータ22の駆動音とエンジン24の駆動音を使い分けることにより、効率よく鳥獣を追い払うことができる。例えば、夜間は、エンジン24の駆動音が騒音になるおそれがあるので、出来るだけモータ22の駆動音で鳥獣を追い払うようにする。
【0024】
<本実施形態の作用効果>
本実施形態の鳥獣対策システム1は、プロペラ27を回転させるモータ22と、モータ22を駆動させるための電力を発電する太陽光発電部23と、エンジン24と、鳥獣を監視する監視カメラ25と、を備えるドローン11を有する。そして、制御部26は、監視カメラ25により鳥獣が検出されたときに、モータ22の駆動音またはエンジン24の駆動音の少なくともいずれか一方を発生させて、鳥獣を追い払う。
【0025】
このようにして、モータ22の駆動音やエンジン24の駆動音により鳥獣を追い払うことができる。そのため、ドローン11が飛行するためにドローン11に既存のモータ22やエンジン24を用いて鳥獣を追い払うことができるので、ドローン11に鳥獣を追い払うための専用の装置を設けることなく鳥獣を追い払うことができる。したがって、ドローン11の重量や体格が大きくなることを抑制できる。
【0026】
また、太陽光発電による電力や、その他、エンジン24で発電機を回して発電した電力などにより、安定してモータ22を駆動させることができる。そのため、長時間に亘って、ドローン11を用いて鳥獣を追い払うことができる。
【0027】
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本開示を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。
【符号の説明】
【0028】
1 鳥獣対策システム
11 ドローン
21 バッテリ
22 モータ
23 太陽光発電部
24 エンジン
25 監視カメラ
26 制御部
27 プロペラ
図1
図2
図3
図4