(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044241
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】医療用穿刺針及び針保護部材
(51)【国際特許分類】
A61M 5/32 20060101AFI20240326BHJP
【FI】
A61M5/32 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022149654
(22)【出願日】2022-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】中島 健太郎
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066NN02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】針から針保護部材を取り外すときに、針の外周面に塗布された潤滑剤の除去を抑制する。
【解決手段】医療用穿刺針12は、外針30の外周を覆い且つ外針から取り外すことが可能な針保護部材10を備える。針保護部材は、針12aの外針が内部に収容される収容孔42を有した筒体38と、収容孔の内周面42aに配置された複数の膨出部40a~40cとを有する。複数の膨出部が、外針の外周面30aに向けて突出して外周面に接触する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
針と、
前記針の外周を覆うことで前記針を保護し前記針を使用するときに前記針から取り外すことが可能な針保護部材と、
を備えた医療用穿刺針において、
前記針保護部材は、
前記針が内部に収容される収容孔を有し、断面円環状で軸方向に沿って延在して前記針の外周面と前記収容孔の内周面との間に隙間を有した筒体と、
前記収容孔の前記内周面に配置され、前記針の前記外周面に向けて突出して前記外周面に接触する膨出部と、
を有する、医療用穿刺針。
【請求項2】
請求項1記載の医療用穿刺針において、
前記膨出部が、前記筒体の長手方向に沿って延在する、医療用穿刺針。
【請求項3】
請求項1又は2記載の医療用穿刺針において、
前記膨出部は、前記収容孔の周方向において等間隔離間して3つ以上配置される、医療用穿刺針。
【請求項4】
請求項3記載の医療用穿刺針において、
前記筒体の前記長手方向と直交する断面において、前記膨出部は、前記針の前記外周面に向かい合い前記外周面に向けて凸状となり曲面を有した頂部を有し、前記頂部が前記針の前記外周面に当接して変形する、医療用穿刺針。
【請求項5】
請求項4記載の医療用穿刺針において、
前記針の前記外周面の外径と前記膨出部の前記頂部において最も径方向内方の内径との直径差が0.20mm以下である、医療用穿刺針。
【請求項6】
請求項1又は2記載の医療用穿刺針において、
前記針は、外針と、前記外針の内部に挿入される内針とを有する、医療用穿刺針。
【請求項7】
請求項3記載の医療用穿刺針において、
前記収容孔の前記内周面は、隣接する前記膨出部の間に配置される円弧状の内周部を有し、
前記筒体の軸方向から見たとき、前記筒体の周方向における前記膨出部の幅が、前記内周部の幅よりも小さい、医療用穿刺針。
【請求項8】
針の外周を覆うことで前記針を保護し前記針を使用するときに前記針から取り外すことが可能な針保護部材であって、
前記針が内部に収容される収容孔を有し、断面円環状で軸方向に沿って延在して前記針の外周面と前記収容孔の内周面との間に隙間を有した筒体と、
前記収容孔の内周面に配置され、前記針の前記外周面に向けて突出して前記外周面に接触する膨出部と、
を有する、針保護部材。
【請求項9】
請求項8記載の針保護部材において、
前記膨出部が、前記筒体の長手方向に沿って延在する、針保護部材。
【請求項10】
請求項8又は9記載の針保護部材において、
前記膨出部は、前記収容孔の周方向において等間隔離間して3つ以上配置される、針保護部材。
【請求項11】
請求項10記載の針保護部材において、
前記収容孔の前記内周面は、隣接する前記膨出部の間に配置される円弧状の内周部を有し、
前記筒体の軸方向から見たとき、前記筒体の周方向における前記膨出部の幅が、前記内周部の幅よりも小さい、針保護部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、針を覆うことで針を保護する針保護部材を備えた医療用穿刺針及び針保護部材に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、針及び針を保護する針保護部材を備えた薬液投与装置が開示されている。針は、生体の皮膚を穿刺して留置可能なカテーテル及び内針からなる多重針である。針による生体の穿刺が行われないとき、針の外周に対して管状の針保護部材が装着される。針保護部材は、軸方向に沿って長尺である。針の外周に沿って針保護部材が挿通されることで、針の外周面と針保護部材の内周面とが接触して針保護部材が保持される。針による生体の穿刺を行うとき、ユーザが針保護部材を針の軸方向に沿って取り外すことで針が露出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
針保護部材は、樹脂材料から形成されていることが多く、針保護部材及び針の製造ばらつきや温度変化等によって、針の外径と針保護部材の内径との直径差(径差)が変化することがある。このとき、針と針保護部材との軸方向に沿った接触長さが長いため、製造ばらつき等によって針に対して針保護部材を着脱できないことが懸念される。また、針に針保護部材を装着することができず、医療用穿刺針を組み立てることが不可能となることがある。さらに、生体に対する穿刺性を高めるために針の外周面に潤滑剤が塗布されている場合、針保護部材を針から抜去するとき、針保護部材と共に潤滑剤が外部に取り出されて除去されてしまうことがある。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の第1態様は、針と、前記針の外周を覆うことで前記針を保護し前記針を使用するときに前記針から取り外すことが可能な針保護部材と、を備えた医療用穿刺針において、前記針保護部材は、前記針が内部に収容される収容孔を有し、断面円環状で軸方向に沿って延在して前記針の外周面と前記収容孔の内周面との間に隙間を有した筒体と、前記収容孔の内周面に配置され、前記針の外周面に向けて突出して前記外周面に接触する膨出部と、を有する、医療用穿刺針である。
【0007】
この医療用穿刺針によれば、針を覆う針保護部材において、筒体の内周面から突出する膨出部によって針を保持可能とすることで、針保護部材の筒体と針との接触面積を減少させることができるため、針の外周面と針保護部材の内周面とが全周にわたって接触する構造と比較し、針及び針保護部材の製造ばらつき等の影響が抑制され、針に対する針保護部材の着脱を容易に行うことができる。膨出部によって針保護部材と針の外周面との接触部位を減らすことで、針から針保護部材を取り外すときに、針の外周面に塗布された潤滑剤の除去が抑制される。
【0008】
(2)上記の(1)記載の医療用穿刺針において、前記膨出部が、前記筒体の長手方向に沿って延在してもよい。
【0009】
この構成により、筒体の収容孔に針が収容されたとき、膨出部によって針の外周面を長手方向に沿って安定且つ容易に保持することができる。
【0010】
(3)上記の(1)又は(2)記載の医療用穿刺針において、前記膨出部は、前記収容孔の周方向において等間隔離間して3つ以上配置されてもよい。
【0011】
この構成により、3つ以上の膨出部によって針の外周面を保持することで、針に対して針保護部材を着脱するときの安定性を高め、針に対して針保護部材を容易且つ確実に着脱することができる。
【0012】
(4)上記の(1)~(3)のいずれか1つに記載の医療用穿刺針において、前記筒体の前記長手方向と直交する断面において、前記膨出部は、前記針の前記外周面に向かい合い前記外周面に向けて凸状となり曲面を有した頂部を有し、前記頂部が前記針の前記外周面に当接して変形してもよい。
【0013】
この構成により、膨出部の頂部が針の外周面に当接したとき、頂部が変形することで針の外周面に対して膨出部を面接触させることができる。これにより、膨出部を介して筒体に対する針の固定力を高めることができる。針保護部材を針に取り付けるとき、針の外周面に塗布された潤滑剤が筒体によって除去されることが防止される。
【0014】
(5)上記の(4)記載の医療用穿刺針において、前記針の前記外周面の外径と前記膨出部の前記頂部において最も径方向内方の内径との直径差が0.20mm以下でもよい。
【0015】
この構成により、膨出部の頂部と針の外周面との接触関係を最適化させ、針に対する針保護部材の着脱をより一層容易に行うことができる。
【0016】
(6)上記の(1)~(5)のいずれか1つに記載の医療用穿刺針において、前記針は、外針と、前記外針の内部に挿入される内針とを有してもよい。
【0017】
(7)上記の(3)記載の医療用穿刺針において、前記収容孔の前記内周面は、隣接する前記膨出部の間に配置される円弧状の内周部を有し、前記筒体の軸方向から見たとき、前記筒体の周方向における前記膨出部の幅が、前記内周部の幅よりも小さくてもよい。
【0018】
この構成により、針に対する針保護部材の着脱性を効果的にバランスさせることができる。
【0019】
(8)本発明の第2態様は、針の外周を覆うことで前記針を保護し前記針を使用するときに前記針から取り外すことが可能な針保護部材であって、前記針が内部に収容される収容孔を有し、断面円環状で軸方向に沿って延在して前記針の外周面と前記収容孔の内周面との間に隙間を有した筒体と、前記収容孔の内周面に配置され、前記針の前記外周面に向けて突出して前記外周面に接触する膨出部と、
を有する、針保護部材である。
【0020】
(9)上記の(8)記載の針保護部材において、前記膨出部が、前記筒体の長手方向に沿って延在してもよい。
【0021】
(10)上記の(8)又は(9)記載の針保護部材において、前記膨出部は、前記収容孔の周方向において等間隔離間して3つ以上配置してもよい。
【0022】
(11)上記の(10)記載の針保護部材において、前記収容孔の前記内周面は、隣接する前記膨出部の間に配置される円弧状の内周部を有し、前記筒体の軸方向から見たとき、前記筒体の周方向における前記膨出部の幅が、前記内周部の幅よりも小さくてもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、針を覆う針保護部材において、筒体の内周面から突出する膨出部によって針を保持可能とすることで、針保護部材の筒体と針との接触面積を減少させることができるため、針の外周面と針保護部材の内周面とが全周にわたって接触する構造と比較し、針及び針保護部材の製造ばらつき等の影響が抑制され、針に対する針保護部材の着脱を容易に行うことができる。膨出部によって針保護部材と針の外周面との接触部位を減らすことで、針から針保護部材を取り外すときに、針の外周面に塗布された潤滑剤の除去が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る医療用穿刺針を備えた薬液投与装置の全体平面図である。
【
図3】
図3は、
図2に示す薬液投与装置のコネクタにプライミング液送出具を装着した状態を示す全体断面図である。
【
図4】
図4は、
図1の薬液投与装置のコネクタに装置本体を装着した状態を示す全体平面図である。
【
図5】
図5は、
図2の薬液投与装置における医療用穿刺針近傍を示す拡大断面図である。
【
図7】
図7は、
図5のVII-VII線に沿った断面図である。
【
図8】
図8は、
図5に示す薬液投与装置の針から針保護部材を取り外した状態を示す拡大断面図である。
【
図11】
図11は、針保護部材の内径、外針の外径、直径差との関係に基づいて得られた実験データを示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1に示されるように、本実施形態に係る針保護部材10を備えた医療用穿刺針12は、薬液投与装置14に用いられる。
【0026】
薬液投与装置14は、ユーザ(生体)16の腹部等の体表16a上に留置されて、体内(生体内)に薬液S1(
図4参照)を自動的に投与するように構成される。例えば、薬液投与装置14は、ユーザ16に医療処置を行った後に所定時間経過したタイミングで薬液S1をユーザ16に投与する場合、又は、時間をかけて徐々に薬液S1を投与する場合等に使用される。薬液投与装置14が投与する薬液S1は、特に限定されるものではない。薬液S1としては、抗体薬、抗がん剤、化学療法剤、麻酔薬、抗生物質、インスリン、血液製剤、栄養剤等の液体の医薬品があげられる。
【0027】
図2に示すように、薬液投与装置14は、医療用穿刺針12と、医療用穿刺針12を保持する針ハブ18と、針ハブ18に保持され薬液S1(
図4参照)の流通可能なチューブ20と、針ハブ18を保持するホルダ22と、チューブ20の基端部に設けられるコネクタ24とを備える。
【0028】
コネクタ24には、内部に充填されたプライミング液S2(生理食塩水)を先端部から送出可能なプライミング液送出具26(
図3参照)と、内部に充填された薬液S1を送出可能な装置本体28(
図4参照)とが選択的に接続可能である。
【0029】
図5に示すように、医療用穿刺針12は、針12aと、針12aの外周に着脱可能な針保護部材10とを有する。針12aは、ユーザ16(
図6参照)の体内(皮下)に留置される外針30と、外針30の内部を貫通する内針32とを備える。針12aは、外針30及び内針32が径方向に重なった多重針である。針12aは、ユーザ16の体表16aから体内に外針30を挿入して留置することで薬液S1の導入部を構成する(
図6参照)。
【0030】
外針30は、内部に薬液S1の流通可能な内腔(図示せず)を備えた管体である。外針30の内腔は、外針30の先端開口に連通すると共に、外針30の基端側(矢印A方向)において針ハブ18内の空間部34に連通する。外針30の先端部は、針ハブ18の下面(体表16aの対向面)から先端方向(矢印B方向)へ向けて斜め下方へ突出する(
図6参照)。外針30の基端部は、針ハブ18に対してかしめピン(図示せず)を加締めることで固定される。
【0031】
図7に示すように、外針30の外周面30aは、外径Dで形成される。外針30は、軸方向に沿って同一の外径Dで形成される。外針30の外径Dは特に限定されないが、外径Dは、例えば、2.25mm以下、0.5~1.2mm、0.65~0.95mmの範囲内であってもよい。
【0032】
外針30の外周面30aには、シリコーン等の潤滑剤36が塗布される。潤滑剤36は、外針30の外周面30aに沿って略均一に塗布される。潤滑剤36によって、ユーザ16に対する外針30の穿刺が円滑に行われる。
【0033】
図5に示すように、内針32の一部が、外針30の内部に貫通する。内針32の先端側は外針30の内腔に挿通される。内針32の基端は、針ハブ18の内部に挿通され、後述するニードルハブ54の先端に保持される。外針30の内部に内針32が挿通されることで、外針30及び内針32が径方向に重なった針12aが構成される。
【0034】
ユーザ16は、外針30及び内針32からなる針12aを体内に穿刺した後、穿刺状態で外針30から内針32を引き抜く(針12aからニードルハブ54を基端側(矢印A方向)へ離脱させる)ことで、外針30をユーザ16の体内に留置する。
【0035】
針12aの外周には、針保護部材10が着脱可能に配置される。
図5に示す針12aによる穿刺が行われる使用前の初期状態において、針12aに対して針保護部材10が取り付けられる。針保護部材10によって針12a(外針30)の外周及び先端が覆われることで、使用前において針12aによる誤穿刺が防止される。初期状態に針12aによる穿刺が行われるとき、針12aに対して針保護部材10が取り外される(
図8参照)。
【0036】
図9に示すように、針保護部材10は、樹脂材料を軸方向(矢印A、B方向)に沿って押出成形することで形成された管体である。管状に成形された成形体が所望の長さに切断されて針保護部材10となる。
【0037】
図10に示すように、針保護部材10は、外針30の外周を覆うように装着される。針保護部材10は、筒体38と、筒体38の内部に配置される複数の膨出部40とを有する。
【0038】
筒体38は、断面円形状の外周面を有する。筒体38の外周面の外径は、筒体38の軸方向に沿って一定である。筒体38の内部は、針12aを収容可能な収容孔42を有する(
図7参照)。収容孔42は、筒体38の軸方向に沿って延在し、筒体38の先端から基端まで貫通する。収容孔42の内周面42aは、第1内径d1で形成される。収容孔42(内周面42a)の第1内径d1が、外針30の外径Dより大きい(d1>D)。
【0039】
図7に示すように、筒体38の収容孔42に針12aが収容されたとき、収容孔42の内周面42aと外針30の外周面30aとが向かい合う。収容孔42の内周面42aと外針30の外周面30aとの間には、径方向に所定間隔の隙間44を有する。すなわち、収容孔42の内周面42aと外針30の外周面30aとが非接触である。
【0040】
図10に示すように、複数の膨出部40は、収容孔42の内周面42aに配置される。以下、3つの膨出部40a~40cを備える場合について説明する。なお、膨出部40a~40cの数は、2つ以上であればよく、3つ以上であれば最適である。各膨出部40a~40cは、収容孔42の内周面42aから径方向内方に向けて突出する。各膨出部40a~40cは、筒体38の軸方向に沿って延在する。
図10に示す筒体38の軸方向と直交する断面において、複数の膨出部40a~40cは、収容孔42(筒体38)の周方向において等間隔離間して配置される。
【0041】
図10に示す筒体38の軸方向と直交する断面において、膨出部40a~40cは、径方向内方に配置された頂部46を有する。頂部46は、径方向内方に向けて凸状に湾曲した曲面から構成される。複数の膨出部40a~40cの各頂部46に内接する円を仮想円Cとし、仮想円Cの直径を膨出部40a~40cの第2内径d2としたとき、第2内径d2は、外針30の外径Dより小さい(d2<D)。第2内径d2は、膨出部40a~40cにおいて最も径方向内方の直径である。換言すれば、外針30の外径Dが、膨出部40a~40cの第2内径d2より大きい。
【0042】
図7に示すように、筒体38の収容孔42に針12aが収容されたとき、複数の膨出部40a~40cが外針30の外周面30aに向けて突出し、膨出部40a~40cの頂部46が外針30の外周面30aに当接する。このとき、膨出部40a~40cの第2内径d2が、外針30の外径Dより小さいため、各膨出部40a~40cの頂部46は、外針30の外周面30aによって押圧され径方向外方に向けて弾性変形する。各膨出部40a~40cの頂部46が径方向外方に向けて窪む。各頂部46によって、外針30の外周面30aが保持される。外針30の外周面30aは、3つの膨出部40a~40cによって周方向に等間隔離間した3カ所で針保護部材10の収容孔42に保持される。
【0043】
外針30の外径Dと膨出部40a~40cの第2内径d2との直径差H(径差ともいう)は、特に限定されるものではないが、0.20mm以下(H≦0.20mm)であると最適である。
【0044】
ここで、
図11に示す本発明者による実験の結果を参照しながら、外針30の外径Dと膨出部40a~40cの第2内径d2との直径差Hと、針12aから針保護部材10を取り外すときの離脱力Fとの関係について説明する。なお、
図11における実験結果1~6は、収容孔42に膨出部40a~40cを有した針保護部材10に関する結果であり、実験結果7は、収容孔42に膨出部40を備えていない従来の針保護部材に関する結果である。
【0045】
図11の実験結果1~6に示すように、針保護部材10における膨出部40a~40cの第2内径d2と、針12aの外針30の外径Dとの直径差Hを0.23mm以下としたとき、針12aから針保護部材10を取り外すときの離脱力Fが、取り外し可能な所定値以下となることが確認された。実験結果1~6の順に直径差Hが小さくなり、直径差Hが小さくなるのに伴って離脱力Fが小さくなることが確認された。直径差Hが0.23mmである実験結果1に対し、直径差Hが0.20mm以下である実験結果2~6では、離脱力Fがより小さくなるため、直径差Hを0.20mm以下とすると、針12aの外針30に対する針保護部材10の取り外しがより一層容易となる。同様に、針12aに対して針保護部材10を取り付ける際の挿入力も所定の値以下となるため、針保護部材10の取り付け(組み付け)が可能となる。すなわち、直径差Hを0.20mm以下とすることで、針12aに対する針保護部材10の着脱性が良好であることが諒解される。
【0046】
これに対し、実験結果7は、膨出部40を備えていないため、針保護部材10(収容孔42)の内周面42aと針12a(外針30)の外周面30aとが周方向にわたって接触した構成である。そのため、実験結果7から諒解されるように、針保護部材10における膨出部40の第2内径d2と、針12aの外針30の外径Dとの直径差Hが0.20mm以下であっても、周方向の全域にわたって互いに接触した外針30と針保護部材10との接触抵抗が大きくなるため、針12aから針保護部材10を取り外す際の離脱力Fが過大となり取り外しができない。この場合、針12aに対して針保護部材10を取り付ける際の挿入力も離脱力Fと同様に過大となるため、取り付け(組み付け)もできない。
【0047】
上記の
図11に示す実験では、針保護部材10の内部に外針30を収容し、外針30の軸方向一端と、外針30の軸方向一端とは反対方向に配置された針保護部材10の軸方向他端とを、図示しない引張強度試験機によって互いに離間する方向に引張試験を行った。この場合の引張速度は、100mm/分であり、針保護部材10が外針30に対して軸方向に相対移動するまでの張力を測定し、測定された張力の最大値を、針12aから針保護部材10を取り外す際の離脱力Fとしている。
【0048】
直径差Hの下限値は特に限定されるものではない。直径差Hは、0.02mm以上(例えば、0.04mm以上、0.06mm以上、0.09mm以上)であることが好ましい。直径差Hの上限値は特に限定されるものではない。直径差Hの上限値は、針12aから針保護部材10を取り外す際の離脱力Fを低減させる観点から、0.3mm以下(例えば、0.25mm以下、0.23mm以下)であることが好ましい。離脱力Fをさらに低減する観点から、直径差Hの上限値は、0.20mm以下(例えば、0.18mm以下、0.14mm以下、0.12mm以下)であると最適である。
【0049】
図10に示すように、筒体38の収容孔42は、複数の内周部42bを有する。内周部42bは、3つの膨出部40a~40cの間にそれぞれ配置される。すなわち、内周部42bの数は、膨出部40a~40cの数と同数である。隣接する2つの膨出部40a~40cの間に内周部42bが配置される。内周部42bは、円弧状に形成され収容孔42の内周面42aの一部である。
図10に示す筒体38の軸方向から見たとき、筒体38の周方向における各膨出部40a~40cの幅W1が、各内周部42bの幅W2よりも小さい(W1<W2)。
【0050】
針保護部材10の膨出部40a~40cの第2内径d2は特に限定されるものではない。針12aから針保護部材10を取り外す際の離脱力Fを低減する観点から、外針30の外径Dに基づいて直径差Hが上記の範囲となるように第2内径d2を適宜設定することが好ましい。
【0051】
図5に示すように、針ハブ18は、外針30の基端を支持するハブ本体48と、ハブ本体48の側部から突出すると共にチューブ20の先端が接続されるサイドポート50とを備える。ハブ本体48は、先端から基端に向けて直線状に延在し、ハブ本体48の内部には、空間部34を有する。空間部34は、外針30の内腔とサイドポート50に接続されるチューブ20と連通する。ハブ本体48の基端には、把持部材52の接着されたニードルハブ54が着脱可能に装着される。
【0052】
チューブ20は、内部に薬液S1の流通可能な可撓管から形成され、チューブ20の先端部が針ハブ18の接続ポート56に対して固定される。これにより、チューブ20が接続ポート56を通じて針ハブ18の空間部34と連通する。
【0053】
ホルダ22は、平板状に形成され貼付体57(
図2参照)が固定される台座部58と、台座部58の上部に設けられ針ハブ18を保持するハブ保持部60及びポート保持部62とを有する。
図1に示すように、貼付体57は、外針30の挿通される第1貼付部57aと、第1貼付部57aの基端に配置されホルダ22の固定される第2貼付部57bとを有する。貼付体57は、剥離シート59で覆われている。剥離シート59は、第1貼付部57aを覆う第1シート部59aと、第2貼付部57bを覆う第2シート部59bとを有する。
【0054】
台座部58は、上面視で略円形状に形成される。台座部58の表面には、ハブ保持部60及びポート保持部62が設けられる。台座部58の裏面には、貼付体57が固定される。
【0055】
ハブ保持部60は、針ハブ18のハブ本体48を保持する。ハブ保持部60は、筒状に形成され台座部58の中央に配置される。ハブ保持部60は、外針30の延在方向に沿って延在する。ハブ保持部60の先端は、台座部58に向かうように傾斜して配置される(
図6参照)。
【0056】
図1に示すように、コネクタ24は、装置本体28のプレフィルドシリンジ64(
図4参照)と接続可能な第1接続部66と、プライミング液S2を送出可能なプライミング液送出具26(
図3参照)と接続可能な第2接続部68と、チューブ20の基端を保持し第1接続部66に装着されるチューブホルダ70と、前記第1接続部66に保持され基端方向に突出する中空針72とを有する。
【0057】
図2に示すように、第1接続部66は、チューブホルダ70を介してチューブ20の基端部に接続される第1接続部材74を有する。第1接続部材74は、弁体76を備える。弁体76に対して圧力が付与されると、弁体76を通じて第1接続部材74の連通路(図示せず)とチューブ20とが連通する。弁体76に対して圧力が付与されないとき、第1接続部材74の内部とチューブ20との連通が弁体76によって遮断される。
【0058】
図3に示すように、第2接続部68は、第1接続部材74の基端部に着脱可能に装着される第2接続部材78を有する。第2接続部材78は、プライミング液送出具26の先端部が接続可能である。第2接続部材78の嵌合孔80には、プライミング液送出具26におけるバレル94の先端ノズル部94aが挿入され、第2接続部材78の基端にバレル94の先端部が接続される。このとき、バレル94の先端ノズル部94aと嵌合孔80とがテーパ嵌合される。
【0059】
第2接続部材78の先端には、キャップ82を備える。キャップ82は、ゴム等の弾性材料で形成される。キャップ82の軸中心には、中空針72の挿入される針挿入孔(図示せず)が貫通する。
【0060】
チューブホルダ70は、先端が開口した有底円筒状である。チューブホルダ70が第1接続部材74のホルダ孔(図示せず)へ挿入することで嵌合されて固定される。チューブホルダ70の内部には、チューブ20の基端部が挿入され固定される。
【0061】
図3に示すように、中空針72は、金属から形成され内部に針孔(図示せず)を有した針体であり、装置本体28又は第2接続部材78と第1接続部材74との連通路(図示せず)とを接続する。中空針72は第1接続部材74の軸中心に保持される。
【0062】
図2に示すように第2接続部材78を第1接続部材74に接続したとき、中空針72の基端が、キャップ82の針挿入孔を通じて第2接続部材78の内部に挿入される。これにより、中空針72の基端がキャップ82の基端方向に突出し、第1接続部材74の連通路(図示せず)と第2接続部材78の内部とが中空針72によって接続されて連通する。
【0063】
図4に示すように装置本体28は、薬液S1を貯留すると共に適宜のタイミングで先端部から前記薬液S1を送出する機能を有し、各構成を収容する収容空間(図示せず)が内部に形成されたケース90を備える。
【0064】
ケース90の内部には、薬液S1を貯留するプレフィルドシリンジ64と、プレフィルドシリンジ64内の第1ガスケット84を移動させる移動機構86と、移動機構86の駆動制御を行う制御部88と、各構成要素に電力を供給可能な電源部(図示せず)とを備える。
【0065】
プレフィルドシリンジ64は、軸方向(矢印A、B方向)に沿って筒状に形成され、内部に薬液S1が充填される。プレフィルドシリンジ64の先端部は、ケース90の先端から所定長さだけ軸方向(矢印B方向)に突出して外部に露出している。
【0066】
プレフィルドシリンジ64の先端部には、送出ノズル部92を備える。送出ノズル部92に配置されたパッキン(図示せず)によって、プレフィルドシリンジ64の内部に薬液S1が封入された状態で保持される。
【0067】
図3に示すようにプライミング液送出具26は、筒状のバレル94と、バレル94の内部に移動可能に設けられる第2ガスケット96と、第2ガスケット96の連結されたロッド98とを有する。ロッド98の基端は、バレル94の基端から基端方向へ突出する。バレル94の内部において、先端ノズル部94aと第2ガスケット96との間にプライミング液S2が充填される。バレル94の先端ノズル部94aとコネクタ24の嵌合孔80とがテーパ嵌合される。
【0068】
第2ガスケット96は、ロッド98の先端に連結され、ユーザ16が先端方向(矢印B方向)に向けてロッド98を押すことで、第2ガスケット96がバレル94に沿って先端方向(矢印B方向)へ移動する。これにより、バレル94の内部のプライミング液S2が、第2ガスケット96によって先端方向に押されてバレル94の先端部(先端ノズル部94a)の開口部から送出される。
【0069】
次に、薬液投与装置14を用いてユーザ16に対して薬液S1を投与する場合について説明する。薬液投与装置14の使用にあたり、ユーザ16の体表16aに針12aを留置し、プライミング液送出具26を接続して外針30の内部をプライミング液S2で満たした後、装置本体28を接続してユーザ16に対する薬液S1の自動投与を行う。
【0070】
最初に、針12a及びチューブ20の内部をプライミング液S2で満たす第1回目のプライミングを行う。
【0071】
図2に示される薬液投与装置14のコネクタ24に対し、第2接続部材78の基端にプライミング液送出具26を接続する(
図3参照)。プライミング液送出具26におけるバレル94の先端ノズル部94aを、コネクタ24の基端の内部に挿入する。バレル94の先端ノズル部94aが、第2接続部材78の基端に嵌合されて液密に保持される。これにより、バレル94の内部と第2接続部材78の内部とが連通する。バレル94内のプライミング液S2がバレル94の先端ノズル部94aから第2接続部材78の内部へと流入する。
【0072】
図3において、ユーザ16がプライミング液送出具26のロッド98を先端方向(矢印B方向)に向けて押すと、第2ガスケット96がバレル94に沿って先端方向へ移動し、それに伴って、バレル94内のプライミング液S2がバレル94の先端ノズル部94aから第2接続部材78の内部へ送出される。
【0073】
第2接続部材78内のプライミング液S2は、中空針72を通じて連通路内に導入され、プライミング液S2によって弁体76が先端方向(矢印B方向)に向けて押圧され、プライミング液S2が連通路からチューブ20へと流れる。
【0074】
チューブ20からサイドポート50を通じて、プライミング液S2が針ハブ18の空間部34へと流通する。これにより、チューブ20、空間部34及び針12aの内部がプライミング液S2で満たされ、第1回目のプライミングが完了する。
【0075】
プライミング液送出具26によるプライミング液S2の供給を停止すると、弁体76に対する圧力付与がなくなり、それに伴って、弁体76が弾性によって元の形状へと戻って第1接続部材74とチューブ20との連通が弁体76によって遮断される。
【0076】
次に、外針30をユーザ16の体内に留置する。ユーザ16が、針12aを把持して体表16aの所望の位置へと位置決めした後、針12aの外針30から針保護部材10を先端方向へ向けて取り外す。
【0077】
外針30の先端に向けて針保護部材10を軸方向に沿って移動させ、
図8に示すように、針保護部材10の基端が外針30の先端まで到達すると、針保護部材10が外針30から抜去される。このとき、3つの膨出部40a~40cの頂部46が外針30の外周面30aに摺接しながら針保護部材10が外針30に沿って移動する。外針30の外周面30aに対して3つの膨出部40a~40cのみが接触しているため、内周部42bに向かい合う外周面30aの潤滑剤36が好適に維持される(
図7参照)。
【0078】
図6に示すように、外針30の先端を体内に穿刺した後、第1貼付部57aから第1シート部59aを剥離し、第1貼付部57aによって貼付体57の一部をユーザ16の体表16aに沿って貼り付ける。これにより、外針30の先端がユーザ16に穿刺された状態で体表16aに固定される。
【0079】
次に、ニードルハブ54及び把持部材52を外針30に対して基端方向(矢印A方向)に引き抜くことで、ニードルハブ54に保持された内針32を針ハブ18から抜去する。このとき、外針30は体表16aに固着されているため、外針30の内部から内針32が抜き取られて外針30のみが体内に留置される。
【0080】
外針30の留置が完了した後、外針30及びチューブ20の内部をプライミング液S2で再び満たす第2回目のプライミングを行う。
【0081】
第2回目のプライミングは、第1回目のプライミングで使用したバレル94に残っているプライミング液S2を利用して行われる。第2回目のプライミングが完了した後、第2接続部材78と共にプライミング液送出具26を取り外す。第2回目のプライミングは、貼付体57の第2貼付部57bから第2シート部59bを剥離し、第2貼付部57bをユーザ16の体表16aに沿って貼り付けた後に行われる。
【0082】
ユーザ16が、第1接続部材74に対する第2接続部材78の接続を解除した後、第2接続部材78と共にプライミング液送出具26を基端方向(矢印A方向)に向けて引き抜いてプライミング液送出具26を取り外す。
【0083】
次に、
図4に示すようにコネクタ24に対して装置本体28を装着して薬液S1の投与を行う。
【0084】
装置本体28のプレフィルドシリンジ64の先端部を、コネクタ24における第1接続部材74の基端の内部に挿入する。図示しないパッキンの軸中心に中空針72が穿刺される。コネクタ24の基端に対して装置本体28の先端部が接続される。
【0085】
ユーザ16が、ケース90に設けられた電源スイッチ100を投入して装置本体28を起動させた後、制御部88によって薬液投与装置14による薬液投与開始のタイミングを計る。投与開始タイミングになると、制御部88からの制御信号によって移動機構86が駆動し、第1ガスケット84が先端方向に向けて移動しプレフィルドシリンジ64内の薬液S1が送出ノズル部92に向けて押し出される。薬液S1が、中空針72を通じて第1接続部材74の内部へと流れる。薬液S1の圧力によって弁体76が先端方向に向けて弾性変形し、薬液S1は、チューブ20から針ハブ18の空間部34へと流通した後、外針30の内腔を通じてユーザ16の体内へと投与される。
【0086】
装置本体28から体内への薬液S1の投与が完了し、薬液S1の流通が停止することで、弾性によって弁体76が元の形状へと戻る。これにより、ユーザ16の体内への薬液S1の投与が完了する。
【0087】
以上のように、本発明の実施形態では、針12aの外針30を覆う針保護部材10において、筒体38(収容孔42)の内周面42aから突出する複数の膨出部40(40a~40c)によって外針30を保持可能とすることで、針保護部材10の内周面42aと外針30の外周面30aとの接触面積を減少させることができる。そのため、針12aの外周面30aと針保護部材10の内周面42aとが全周にわたって接触する構造と比較し、外針30及び針保護部材10の製造ばらつきや温度変化等の影響が抑制され、外針30に対する針保護部材10の着脱を容易に行うことができる。膨出部40によって針保護部材10と外針30の外周面30aとの接触部位を減らすことで、外針30に対して針保護部材10を取り外すときに、針12aの外周面30aに塗布された潤滑剤36の除去が抑制される。
【0088】
針保護部材10において、筒体38の長手方向に沿って膨出部40a~40cが延在しているため、筒体38の収容孔42に外針30が収容されたとき、膨出部40a~40cによって外針30の外周面30aを長手方向に沿って安定且つ容易に保持することができる。
【0089】
収容孔42の周方向において等間隔離間して3つの膨出部40a~40cを配置し、3つの膨出部40a~40cによって外針30の外周面30aを保持することで、外針30に対して針保護部材10を着脱するときの安定性を高め、外針30を含む針12aに対して針保護部材10を容易且つ確実に着脱することができる。
【0090】
膨出部40a~40cが、外針30の外周面30aに向かい合い外周面30aに向けて凸状となり曲面を有した頂部46を有しているため、膨出部40a~40cの頂部46が外針30の外周面30aに当接したとき、頂部46が変形することで外針30の外周面30aに対して膨出部40a~40cを面接触させることができる。これにより、膨出部40a~40cを介して筒体38に対する外針30の固定力を高めることができる。針保護部材10を針12a(外針30)に取り付けるとき、外針30の外周面30aに塗布された潤滑剤36が筒体38によって除去されることが防止される。
【0091】
外針30の外径Dと膨出部40a~40cの頂部46の第2内径d2との直径差Hを0.20mm以下とすることで、膨出部40a~40cの頂部46と外針30の外周面30aとの接触関係を最適化させ、外針30に対する針保護部材10(筒体38)の着脱をより一層容易に行うことができる。
【0092】
筒体38の周方向において、膨出部40a~40cの幅W1を内周部42bの幅W2よりも小さくすることで、外針30に対する筒体38の着脱性を効果的にバランスさせることができる。
【0093】
なお、本発明は、上述した開示に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る。
【符号の説明】
【0094】
10…針保護部材 12…医療用穿刺針
12a…針 14…薬液投与装置
30…外針 30a…外周面
38…筒体 40、40a~40c…膨出部
42…収容孔 42a…内周面
44…隙間