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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044278
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】光制御装置および光伝送路監視方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/077 20130101AFI20240326BHJP
【FI】
H04B10/077 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022149706
(22)【出願日】2022-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】黒澤 直史
【テーマコード(参考)】
5K102
【Fターム(参考)】
5K102AA43
5K102AB06
5K102LA06
5K102LA15
5K102LA22
5K102LA33
5K102LA42
5K102LA52
5K102MA03
5K102MB11
5K102PD12
5K102PH41
5K102PH47
5K102PH48
5K102RB02
(57)【要約】
【課題】光伝送システムにおいて、監視光の使用帯域を最小化しつつ、光伝送路の状態を監視することが困難である。
【解決手段】本発明の光制御装置は、第1の光伝送路と第2の光伝送路に接続される第1の接続手段と、第1の光伝送路と第2の光伝送路に接続される第2の接続手段と、第1の接続手段における第1の光経路および第2の接続手段における第2の光経路を、導通状態および非導通状態のいずれかに相補的に設定する経路設定手段、とを有する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光伝送路と第2の光伝送路に接続される第1の接続手段と、
前記第1の光伝送路と前記第2の光伝送路に接続される第2の接続手段と、
前記第1の接続手段における第1の光経路および前記第2の接続手段における第2の光経路を、導通状態および非導通状態のいずれかに相補的に設定する経路設定手段、とを有する
光制御装置。
【請求項2】
前記経路設定手段は、
前記第1の光伝送路を伝搬した第1の監視光が、前記第2の光伝送路を介して前記第1の監視光の送出側に折り返す第1の折り返し状態、および
前記第2の光伝送路を前記第1の監視光と逆方向に伝搬した第2の監視光が、前記第1の光伝送路を介して前記第2の監視光の送出側に折り返す第2の折り返し状態、のいずれかとなるように
前記第1の光経路および前記第2の光経路を設定する
請求項1に記載した光制御装置。
【請求項3】
前記経路設定手段は、
前記第1の光経路において、前記第1の監視光および前記第2の監視光を通過させる通過状態、および前記第1の監視光および前記第2の監視光を遮断する遮断状態のいずれかに切り替える第1の光切替手段と、
前記第2の光経路において、前記通過状態および前記遮断状態のいずれかに切り替える第2の光切替手段、とを備え、
前記第1の光切替手段および前記第2の光切替手段は相補的に動作し、一方が前記通過状態に切り替えるとき、他方は前記遮断状態に切り替える
請求項2に記載した光制御装置。
【請求項4】
前記経路設定手段は、第1の切替制御手段と第2の切替制御手段を備え、
前記第1の切替制御手段は、前記第1の光伝送路を伝搬した第1の切替制御信号を受け付けたとき、前記第1の光切替手段を前記通過状態に設定し、前記第2の光切替手段を前記遮断状態に設定し、
前記第2の切替制御手段は、前記第2の光伝送路を伝搬した第2の切替制御信号を受け付けたとき、前記第1の光切替手段を前記遮断状態に設定し、前記第2の光切替手段を前記通過状態に設定する
請求項3に記載した光制御装置。
【請求項5】
前記第1の光経路における前記第1の光切替手段を通る光経路に、前記第1の監視光および前記第2の監視光の波長帯域を制御帯域とする第1の帯域制御手段を備え、
前記第2の光経路における前記第2の光切替手段を通る光経路に、前記制御帯域を有する第2の帯域制御手段を備える
請求項4に記載した光制御装置。
【請求項6】
前記経路設定手段は、
前記第1の監視光および前記第2の監視光の波長帯域を反射帯域とする波長選択反射手段と、
前記波長選択反射手段が前記第1の光経路に含まれる第1の経路状態、および前記波長選択反射手段が前記第2の光経路に含まれる第2の経路状態のいずれかに切り替える経路切替手段、とを備える
請求項2に記載した光制御装置。
【請求項7】
前記経路設定手段は、
前記第1の光伝送路を伝搬した第1の切替制御信号を受け付けたとき、前記経路切替手段を前記第1の経路状態に設定する第1の経路制御手段と、
前記第2の光伝送路を伝搬した第2の切替制御信号を受け付けたとき、前記経路切替手段を前記第2の経路状態に設定する第2の経路制御手段、とを備える
請求項6に記載した光制御装置。
【請求項8】
前記経路設定手段が設定した前記第1の光経路および前記第2の光経路に関する設定情報を、前記第1の監視光の送出元に送付する第1の設定情報送付手段と、
前記設定情報を、前記第2の監視光の送出元に送付する第2の設定情報送付手段、とをさらに有する
請求項2から7のいずれか一項に記載した光制御装置。
【請求項9】
第1の光伝送路を伝搬する監視光が第2の光伝送路を通って折り返すループバック状態となるように光制御装置に指示する指示信号を、前記第1の光伝送路に送出し、
確認信号を前記第1の光伝送路に送出し、
前記確認信号に対する応答から、前記光制御装置が前記ループバック状態にあるか否かを判定し、
前記光制御装置のいずれかが前記ループバック状態にないと判定した場合、所定時間の経過後に、前記指示信号を前記第1の光伝送路に再送出し、
前記光制御装置のすべてが前記ループバック状態にあると判定した場合、前記監視光を前記第1の光伝送路に送出する
光伝送路監視方法。
【請求項10】
前記指示信号、前記確認信号、および前記監視光のいずれも送出していないときに、対向側から前記第2の光伝送路を介して光信号を受け付けた場合、前記指示信号の送出を行わない
請求項9に記載した光伝送路監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光制御装置および光伝送路監視方法に関し、特に、長距離光伝送システムで用いられる光制御装置および光伝送路監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
海底光伝送システムなどの長距離光伝送システムにおいては、特定波長帯域の監視光のレベル変動を測定する方式や監視光に情報を付加する方式によって、光中継器や光ファイバなどからなる光伝送路の状態を監視するシステムが知られている。このような光伝送路を監視するシステムの一例が特許文献1に記載されている。
【0003】
特許文献1に記載された関連する光伝送路監視システムは、上り回線用の光伝送路監視装置、上り及び下り回線を有する光伝送路、下り回線用の光伝送路監視装置、および上り回線用の信号光源を有する。さらに関連する光伝送路監視システムは、信号光源からの信号光と上り回線用の光伝送路監視装置からの光ファイバ監視用プローブ光または光中継器監視用プローブ光とを波長多重する波長多重器を備える。
【0004】
関連する光伝送路監視システムにおいて、信号光とプローブ光は各光中継器の出力部に接続された光ファイバカプラにより一部が分岐され、さらに波長選択型反射デバイスでプローブ光のみが反射される。反射されたプローブ光は再び光ファイバカプラに入力されて、光ファイバカプラを介して下り回線に送出され、上り回線用の光伝送路監視装置に入力される。ここで、関連する光伝送路監視システムにおいては、上り回線と下り回線で、監視用プローブ光に異なる波長を割り当てる構成としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-062217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、関連する光伝送路監視システムにおいては、上り回線と下り回線で、監視光に異なる波長を割り当てる構成としている。そして、上り回線用の波長選択型反射デバイスの反射中心波長を上り回線用の監視光の波長に一致させ、下り回線用の波長選択型反射デバイスの反射中心波長を下り回線用の監視光の波長に一致させている。しかしながら、光伝送路の波長帯域における監視光の使用帯域を最小化するためには、同一波長帯域の監視光を自局と対向局の両局で使用することが望ましい。
【0007】
同一波長帯域の監視光を用いる場合、上り回線用の監視光と下り回線用の監視光の両方が、上り回線用と下り回線用の波長選択型反射デバイスでそれぞれ反射されることになる。その結果、光伝送路において監視光が多重に折り返される状態(多重反射)が発生する。このような多重に折り返される状態が発生すると、光信号の発振や監視用測定データの混同などが生じ、光伝送路の状態を監視することが困難になる。
【0008】
このように、光伝送システムにおいて、監視光の使用帯域を最小化しつつ、光伝送路の状態を監視することが困難である、という問題があった。
【0009】
本発明の目的は、上述した課題である、光伝送システムにおいて、監視光の使用帯域を最小化しつつ、光伝送路の状態を監視することが困難である、という課題を解決する光制御装置および光伝送路監視方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の光制御装置は、第1の光伝送路と第2の光伝送路に接続される第1の接続手段と、第1の光伝送路と第2の光伝送路に接続される第2の接続手段と、第1の接続手段における第1の光経路および第2の接続手段における第2の光経路を、導通状態および非導通状態のいずれかに相補的に設定する経路設定手段、とを有する。
【0011】
本発明の光伝送路監視方法は、第1の光伝送路を伝搬する監視光が第2の光伝送路を通って折り返すループバック状態となるように光制御装置に指示する指示信号を、第1の光伝送路に送出し、確認信号を第1の光伝送路に送出し、確認信号に対する応答から、光制御装置がループバック状態にあるか否かを判定し、光制御装置のいずれかがループバック状態にないと判定した場合、所定時間の経過後に、指示信号を第1の光伝送路に再送出し、光制御装置のすべてがループバック状態にあると判定した場合、監視光を第1の光伝送路に送出する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の光制御装置および光伝送路監視方法によれば、光伝送システムにおいて、監視光の使用帯域を最小化しつつ、光伝送路の状態を監視することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1の実施形態に係る光制御装置の構成を示すブロック図である。
図2A】本発明の第1の実施形態に係る光制御装置が第1の折り返し状態にある場合を示す図である。
図2B】本発明の第1の実施形態に係る光制御装置が第2の折り返し状態にある場合を示す図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る光制御装置の別の構成を示すブロック図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る光制御装置のさらに別の構成を示すブロック図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係る光制御装置のさらに別の構成を示すブロック図である。
図6】本発明の第2の実施形態に係る光伝送路監視システムの構成を示すブロック図である。
図7】本発明の第2の実施形態に係る光伝送路監視方法を説明するためのフローチャートである。
図8A】本発明の第2の実施形態に係る光伝送路監視方法によって設定されるループバック状態を説明するための図である。
図8B】本発明の第2の実施形態に係る光伝送路監視方法によって設定されるループバック状態を説明するための図である。
図9】本発明の第2の実施形態に係る別の光伝送路監視方法を説明するためのフローチャートである。
図10】本発明の第3の実施形態に係る光制御装置の構成を示すブロック図である。
図11】本発明の第3の実施形態に係る光伝送路監視方法を説明するためのフローチャートである。
図12】本発明の第3の実施形態に係る別の光伝送路監視方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
【0015】
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光制御装置100の構成を示すブロック図である。光制御装置100は、第1の接続部(第1の接続手段)110、第2の接続部(第2の接続手段)120、および経路設定部(経路設定手段)130を有する。光制御装置100は、好適には海底光伝送システムなどの長距離光伝送システムにおいて用いられる。
【0016】
第1の接続部110は、第1の光伝送路10と第2の光伝送路20に接続される。第2の接続部120は、同様に、第1の光伝送路10と第2の光伝送路20に接続される。そして、経路設定部130は、第1の接続部110における第1の光経路および第2の接続部120における第2の光経路を、導通状態および非導通状態のいずれかに相補的に設定する。
【0017】
このような構成としたことにより、本実施形態の光制御装置100によれば、第1の光伝送路10を伝搬した光信号が折り返して第2の光伝送路20を伝搬することが可能になる。同様に、第2の光伝送路20を伝搬した光信号が折り返して第1の光伝送路10を伝搬することが可能になる。これにより、第1の光伝送路10および第2の光伝送路20の状態を監視することができる。
【0018】
このとき、本実施形態の光制御装置100では、経路設定部130が第1の光経路および第2の光経路を、導通状態および非導通状態のいずれかに相補的に設定する構成としている。そのため、第1の光伝送路10および第2の光伝送路20をそれぞれ伝搬する光信号の波長が同一であっても、光制御装置100内で光信号が多重に折り返される状態を回避することができる。すなわち、本実施形態の光制御装置100によれば、光伝送システムにおいて、監視光の使用帯域を最小化しつつ、光伝送路の状態を監視することができる。
【0019】
ここで、第1の接続部110および第2の接続部120はそれぞれ、光カプラおよび光サーキュレータの少なくとも一方と、光ファイバを備える。
【0020】
経路設定部130は、図2Aに示した第1の折り返し状態、および図2Bに示した第2の折り返し状態、のいずれかとなるように第1の光経路および第2の光経路を設定する構成とすることができる。
【0021】
第1の折り返し状態においては、図2Aに示すように、第1の光伝送路10を伝搬した第1の監視光11が、第2の光伝送路20を介して第1の監視光11の送出側に折り返す。このとき、第1の接続部110における第1の光経路は導通状態であり、第2の接続部120における第2の光経路は相補的に非導通状態となる。そのため、光制御装置100内で第1の監視光11が多重に折り返されることはない。
【0022】
また、第2の折り返し状態においては、図2Bに示すように、第2の光伝送路20を第1の監視光11と逆方向に伝搬した第2の監視光21が、第1の光伝送路10を介して第2の監視光21の送出側に折り返す。このとき、第2の接続部120における第2の光経路は導通状態であり、第1の接続部110における第1の光経路は相補的に非導通状態にとなる。したがって、この場合においても、光制御装置100内で第2の監視光21が多重に折り返されることはない。
【0023】
なお、第1の監視光11の波長および第2の監視光21の波長は、同一の波長帯域に属するものとすることができる。
【0024】
次に、本実施形態による光制御装置について、さらに詳細に説明する。
【0025】
図3に示した光制御装置101のように、経路設定部130が、第1の光切替部(第1の光切替手段)131と第2の光切替部(第2の光切替手段)132を備えた構成とすることができる。
【0026】
ここで、第1の光切替部131は、第1の光経路において、第1の監視光および第2の監視光を通過させる通過状態、および第1の監視光および第2の監視光を遮断する遮断状態のいずれかに切り替える。同様に、第2の光切替部132は、第2の光経路において、通過状態および遮断状態のいずれかに切り替える。このとき、第1の光切替部131および第2の光切替部132は相補的に動作し、一方が通過状態に切り替えるとき、他方は遮断状態に切り替える。第1の光切替部131および第2の光切替部132として、典型的には、光スイッチを用いることができる。
【0027】
光制御装置101は図3に示したように、第1の切替制御部(第1の切替制御手段)141と第2の切替制御部(第2の切替制御手段)142を備えた構成とすることができる。
【0028】
ここで、第1の切替制御部141は、第1の光伝送路10を伝搬した第1の切替制御信号を受け付けたとき、第1の光切替部131を通過状態に設定し、第2の光切替部132を遮断状態に設定する。これにより、図2Aに示したように、第1の光伝送路10を伝搬した第1の監視光11が、第2の光伝送路20を介して第1の監視光11の送出側に折り返すようにすることができる。
【0029】
また、第2の切替制御部142は、第2の光伝送路20を伝搬した第2の切替制御信号を受け付けたとき、第1の光切替部131を遮断状態に設定し、第2の光切替部132を通過状態に設定する。これにより、図2Bに示したように、第2の光伝送路20を第1の監視光11と逆方向に伝搬した第2の監視光21が、第1の光伝送路10を介して第2の監視光21の送出側に折り返すようにすることができる。
【0030】
図3には、第1の光伝送路10を伝搬する第1の伝搬光を増幅する第1の光増幅部(第1の光増幅手段)31と、第2の光伝送路20を伝搬する第2の伝搬光を増幅する第2の光増幅部(第2の光増幅手段)32を合わせて示した。このように、第1の光増幅部31と第2の光増幅部32からなる光中継装置が、光制御装置101を備えた構成とすることができる。
【0031】
本実施形態による光制御装置は、さらに、第1の帯域制御部(第1の帯域制御手段)および第2の帯域制御部(第2の帯域制御手段)を備えた構成とすることができる。第1の帯域制御部は、第1の光経路における第1の光切替部131を通る光経路に位置し、第1の監視光および第2の監視光の波長帯域を制御帯域としている。また、第2の帯域制御部は、第2の光経路における第2の光切替部132を通る光経路に位置し、上記の制御帯域を有している。第1の帯域制御部および第2の帯域制御部によって、第1の監視光および第2の監視光と、主信号光とを分離することができる。
【0032】
図3では、上記の制御帯域を通過帯域とする帯域通過フィルタを用いた第1の帯域制御部151および第2の帯域制御部152を備えた構成を示した。これに限らず、図4に示した光制御装置102のように、上記の制御帯域を反射帯域とする波長選択反射フィルタを用いた第1の帯域制御部153および第2の帯域制御部154を備えた構成としてもよい。
【0033】
波長選択反射フィルタを用いた場合、第1の光切替部と第2の光切替部を共通とした構成とすることができる。図5に、このように光切替部を共通とした光制御装置103の構成を示す。
【0034】
光制御装置103は、経路設定部(経路設定手段)として、波長選択反射部(波長選択反射手段)250と経路切替部(経路切替手段)230を備える。波長選択反射部250は、第1の監視光および第2の監視光の波長帯域を反射帯域としている。したがって、波長選択反射部250は、主信号光と第1の監視光および第2の監視光のうち、第1の監視光および第2の監視光だけを反射させる。経路切替部230は、波長選択反射部250が第1の光経路に含まれる第1の経路状態、および波長選択反射部250が第2の光経路に含まれる第2の経路状態のいずれかに切り替える。経路切替部230として、典型的には方路切替スイッチを用いることができる。
【0035】
光制御装置103は図5に示したように、経路設定部(経路設定手段)として、第1の経路制御部(第1の経路制御手段)241と第2の経路制御部(第2の経路制御手段)242を備えた構成とすることができる。
【0036】
ここで、第1の経路制御部241は、第1の光伝送路10を伝搬した第1の切替制御信号を受け付けたとき、経路切替部230を第1の経路状態に設定する。これにより、第1の光伝送路10を伝搬した第1の監視光11が、第2の光伝送路20を介して第1の監視光11の送出側に折り返すようにすることができる(図2Aを参照)。
【0037】
また、第2の経路制御部242は、第2の光伝送路20を伝搬した第2の切替制御信号を受け付けたとき、経路切替部230を第2の経路状態に設定する。これにより、第2の光伝送路20を第1の監視光11と逆方向に伝搬した第2の監視光21が、第1の光伝送路10を介して第2の監視光21の送出側に折り返すようにすることができる(図2Bを参照)。
【0038】
図3から図5においては、第1の切替制御部141と第2の切替制御部142、および第1の経路制御部241と第2の経路制御部242はそれぞれ、第1の光増幅部31および第2の光増幅部32の入力側に配置された構成を示した。しかし、これに限らず、第1の光増幅部31および第2の光増幅部32の出力側に配置された構成としてもよい。
【0039】
次に、本実施形態による光経路制御方法について説明する。
【0040】
本実施形態による光経路制御方法においては、第1の光伝送路と第2の光伝送路に接続される第1の光経路、および第1の光伝送路と第2の光伝送路に接続される第2の光経路を、導通状態および非導通状態のいずれかに相補的に設定する。これにより、第1の光伝送路および第2の光伝送路をそれぞれ伝搬する光信号の波長が同一であっても、光信号が多重に折り返される状態を回避することができる。
【0041】
ここで、第1の光経路および第2の光経路を設定することは、以下の第1の設定および第2の設定のいずれかを含む。第1の設定では、第1の光伝送路を伝搬した第1の監視光を、第2の光伝送路を介して第1の監視光の送出側に折り返すように設定する。第2の設定では、第2の光伝送路を第1の監視光と逆方向に伝搬した第2の監視光を、第1の光伝送路を介して第2の監視光の送出側に折り返すように設定する。これにより、第1の光伝送路および第2の光伝送路の状態を監視することができる。
【0042】
第1の光経路および第2の光経路を設定する際に、第1の光経路において通過状態および遮断状態のいずれかに切り替え、第2の光経路において通過状態および遮断状態のいずれかに切り替えるものとすることができる。ここで、通過状態では、第1の監視光および第2の監視光を通過させる。また、遮断状態では、第1の監視光および第2の監視光を遮断する。そして、第1の光経路および第2の光経路において、一方において通過状態に切り替えるとき、他方において遮断状態に切り替えることとすることができる。
【0043】
また、第1の光経路および第2の光経路を設定する際に、以下の第1の経路状態および第2の経路状態のいずれかに切り替えることとしてもよい。ここで、第1の経路状態では、第1の光経路において第1の監視光が反射される。そして、第2の経路状態では、第2の光経路において第2の監視光が反射される。
【0044】
以上説明したように、本実施形態による光制御装置100、101、102、103、および光経路制御方法によれば、光伝送システムにおいて、監視光の使用帯域を最小化しつつ、光伝送路の状態を監視することができる。
【0045】
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図6に、本実施形態による光伝送路監視システム1000の構成を示す。光伝送路監視システム1000は、光制御装置1100と監視装置1200を有する。光伝送路監視システム1000は、好適には海底光伝送システムなどの長距離光伝送システムにおいて用いられる。したがって、光伝送路監視システム1000は典型的には、図6に示すように、複数の光制御装置1100を含む構成である。
【0046】
光制御装置1100として、第1の実施形態による光制御装置101、102、103のいずれかを用いることができる。すなわち、光制御装置1100は、第1の接続部110、第2の接続部120、および経路設定部130を有する。第1の接続部110は、第1の光伝送路10と第2の光伝送路20に接続される。第2の接続部120は、同様に、第1の光伝送路10と第2の光伝送路20に接続される。そして、経路設定部130は、第1の接続部110における第1の光経路および第2の接続部120における第2の光経路を、導通状態および非導通状態のいずれかに相補的に設定する。そのため、第1の光伝送路10および第2の光伝送路20をそれぞれ伝搬する光信号の波長が同一であっても、光制御装置1100内で光信号が多重に折り返される状態を回避することができる。
【0047】
ここで経路設定部130は、第1の光伝送路10を伝搬した第1の切替制御信号を受け付けたとき、第1の光伝送路10を伝搬した第1の監視光11が、第2の光伝送路20を介して第1の監視光11の送出側に折り返すように設定する(図2Aを参照)。また、経路設定部130は、第2の光伝送路20を伝搬した第2の切替制御信号を受け付けたとき、第2の光伝送路20を第1の監視光11と逆方向に伝搬した第2の監視光21が、第1の光伝送路10を介して第2の監視光21の送出側に折り返すように設定する(図2Bを参照)。
【0048】
監視装置1200は、光送出部(光送出手段)1210と制御部(制御手段)1220を備える。
【0049】
光送出部1210は、第1の切替制御信号、第1の監視光、および確認信号のいずれかを第1の光伝送路10に送出する。
【0050】
制御部1220は、確認信号に対する応答から、光制御装置1100が第1の監視光を折り返すループバック状態にあるか否かを判定する。制御部1220は、光制御装置1100のいずれかがループバック状態にないと判定した場合、所定時間の経過後に、第1の切替制御信号を第1の光伝送路10に再送出するように光送出部1210を制御する。一方、光制御装置1100のすべてがループバック状態にあると判定した場合、第1の監視光を第1の光伝送路10に送出するように光送出部1210を制御する。これにより、第1の光伝送路10および第2の光伝送路20の状態を監視することができる。
【0051】
このように、本実施形態の光伝送路監視システム1000によれば、光伝送システムにおいて、監視光の使用帯域を最小化しつつ、光伝送路の状態を監視することができる。
【0052】
制御部1220は、以下の場合には、第1の切替制御信号の送出を行わないように光送出部1210を制御する構成とすることができる。すなわち、光送出部1210が第1の切替制御信号、第1の監視光、および確認信号のいずれも送出していないときに、対向側から第2の光伝送路20を介して光信号を受け付けた場合、第1の切替制御信号の送出を行わないように光送出部1210を制御する。これにより、対向側が第2の監視光を用いて監視測定を行っている際に、自局側でも監視測定を実行することによる光信号の競合を回避することができる。
【0053】
次に、本実施形態による光伝送路監視方法について、図7に示したフローチャートを用いて説明する。
【0054】
本実施形態による光伝送路監視方法においては、まず、第1の光伝送路を伝搬する監視光が第2の光伝送路を通って折り返すループバック状態となるように光制御装置に指示する指示信号を、第1の光伝送路に送出する(ステップS110)。この指示信号は、典型的には光パルス信号である。指示信号の波長は、光伝送路の監視に用いる監視光の波長と同一としてもよい。
【0055】
続いて、確認信号を第1の光伝送路に送出する(ステップS120)。光制御装置の切り替え状態を一定時間だけ保持することとしている場合、確認信号として指示信号と同様の光パルス信号を用いることができる。
【0056】
そして、この確認信号に対する応答から、光制御装置がループバック状態にあるか否かを判定する(ステップS130)。このとき、図8Aに示すように、自局側に折り返すループバック状態に切り替わっている光制御装置1101からは確認信号(光パルス信号)が戻ってくる。しかし、自局側に折り返すループバック状態に切り替わっていない光制御装置1102からは確認信号(光パルス信号)信号は戻ってこない。これは、自局と対向局においてそれぞれ光伝送路の監視動作を行う場合、各局が送出する指示信号によって光制御装置のループバック状態がそれぞれ独立に設定されるからである。
【0057】
光制御装置のいずれかがループバック状態にないと判定した場合(ステップS130/NO)、処理の開始時にゼロに設定されたフラグ(Flag)がゼロのままであるか否か判断する(ステップS140)。
【0058】
フラグ(Flag)がゼロのままである場合(ステップS140/YES)、所定時間の経過後に(ステップS150)、指示信号を第1の光伝送路に再送出する(ステップS110)。そして、フラグ(Flag)を「1」に設定する。ここで、自局と対向局とで、所定時間を異なる値に設定することによって、指示信号を再送出するタイミングをずらすことができる。これにより、自局と対向局からのそれぞれの指示信号によって、光制御装置のループバック状態が別々に再設定されることを回避することができる。
【0059】
フラグ(Flag)が「1」である場合(ステップS140/NO)は、再設定処理により指示信号が競合しない状態で光制御装置のループバック状態を設定したにもかかわらず、確認信号が戻ってこない場合である。したがって、この場合には、光伝送路に障害があると判断し処理を終了する(ステップS160)。
【0060】
一方、図8Bに示すように、すべての光制御装置1101から確認信号が戻ってくる場合、光制御装置のすべてがループバック状態にあると判定する(ステップS130/YES)。この場合、監視光を第1の光伝送路に送出する(ステップS170)。これにより、光伝送路の監視を行うことができる。
【0061】
このように、本実施形態による光伝送路監視方法においては、指示信号を送出した後に確認信号を送出し、その結果により光制御装置のループバック状態を再設定することとしている。これにより、自局と対向局との間で時刻情報を共有していない場合であっても、監視光の競合を回避することができる。
【0062】
なお、確認信号を第1の光伝送路に送出する(ステップS120)ステップは、光制御装置の状態を確認することが明らかに不要な場合には、省略することとしてもよい。
【0063】
図9に示すように、本実施形態の光伝送路監視方法において、指示信号、確認信号、および監視光のいずれも送出していないときに、対向側から第2の光伝送路を介して光信号を受け付けたか否かを判定することとしてもよい(ステップS180)。ここで、対向側から光信号を受け付けた場合(ステップS180/YES)、指示信号の送出を行わない。これにより、対向側が監視測定を行っている際に、自局側でも監視測定を実行することによる光信号の競合を回避することができる。
【0064】
一方、指示信号、確認信号、および監視光のいずれも送出していないときに、対向側から光信号を受け付けていないと判定した場合(ステップS180/NO)、指示信号を送出し(ステップS110)、上述の処理を進める。
【0065】
以上説明したように、本実施形態による光伝送路監視システム1000および光伝送路監視方法によれば、光伝送システムにおいて、監視光の使用帯域を最小化しつつ、光伝送路の状態を監視することができる。
【0066】
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図10に、本実施形態による光制御装置300の構成を示す。
【0067】
光制御装置300は、第1の接続部(第1の接続手段)110、第2の接続部(第2の接続手段)120、および経路設定部(経路設定手段)を有する。図10では、経路設定部(経路設定手段)として、第1の光切替部(第1の光切替手段)131と第2の光切替部(第2の光切替手段)132を有する構成を示す。
【0068】
第1の接続部110は、第1の光伝送路10と第2の光伝送路20に接続される。第2の接続部120は、同様に、第1の光伝送路10と第2の光伝送路20に接続される。そして、経路設定部は、第1の接続部110における第1の光経路および第2の接続部120における第2の光経路を、導通状態および非導通状態のいずれかに相補的に設定する。
【0069】
このような構成としたことにより、本実施形態の光制御装置300によれば、第1の光伝送路10および第2の光伝送路20をそれぞれ伝搬する光信号の波長が同一であっても、光制御装置300内で光信号が多重に折り返される状態を回避することができる。
【0070】
ここで経路設定部は、第1の光伝送路10を伝搬した第1の切替制御信号を受け付けたとき、第1の光伝送路10を伝搬した第1の監視光11が、第2の光伝送路20を介して第1の監視光11の送出側に折り返すように設定する(図2Aを参照)。また、経路設定部は、第2の光伝送路20を伝搬した第2の切替制御信号を受け付けたとき、第2の光伝送路20を第1の監視光11と逆方向に伝搬した第2の監視光21が、第1の光伝送路10を介して第2の監視光21の送出側に折り返すように設定する(図2Bを参照)。
【0071】
図10では、光制御装置300が、さらに、第1の切替制御部(第1の切替制御手段)141と第2の切替制御部(第2の切替制御手段)142、および第1の帯域制御部151と第2の帯域制御部152を備えた構成を示す。ここまでの構成は、第1の実施形態による光制御装置101の構成と同様である。
【0072】
本実施形態による光制御装置300は、第1の設定情報送付部(第1の設定情報送付手段)310と第2の設定情報送付部(第2の設定情報送付手段)320をさらに有する構成とした。ここで、第1の設定情報送付部310は、経路設定部が設定した第1の光経路および第2の光経路に関する設定情報を、第1の監視光の送出元に送付する。そして、第2の設定情報送付部320は、この設定情報を第2の監視光の送出元に送付する。
【0073】
このような構成とすることにより、第1の監視光の送出元である自局の監視装置および第2の監視光の送出元である対向局の監視装置は、光制御装置300における第1の光経路および第2の光経路に関する設定情報を取得することができる。
【0074】
この設定情報には、第1の光経路および第2の光経路が導通状態および非導通状態のいずれかであるかの情報、すなわち、光制御装置300が監視光を自局側に折り返す(ループバック)状態にあるか否かの情報が含まれる。また、設定情報には、光制御装置300のシリアル番号などの識別情報が含まれる。したがって、監視装置は、いずれの光制御装置300が監視光を自局に折り返しているかを把握することができる。
【0075】
次に、本実施形態による光伝送路監視方法について、図11に示したフローチャートを用いて説明する。
【0076】
本実施形態による光伝送路監視方法においては、まず、第1の光伝送路を伝搬する監視光が第2の光伝送路を通って折り返すループバック状態となるように光制御装置に指示する指示信号を、第1の光伝送路に送出する。本実施形態の光伝送路監視方法では、指示信号として、光制御装置の設定変更コマンドを送出する(ステップS210)。この設定変更コマンドにより、各光制御装置は設定変更コマンドを送出してきた監視装置に監視光をループバックする状態に切り替える。
【0077】
続いて、確認信号として、状態確認コマンドを第1の光伝送路に送出する(ステップS220)。そして、状態確認コマンドの応答として、全ての光制御装置から設定情報を受け取ったか否かを確認する(ステップS230)。この設定情報には、光制御装置がループバック状態にあるか否かの情報が含まれる。
【0078】
設定情報を受け取らなかった光制御装置が存在する場合(ステップS230/NO)、光伝送路に障害があると判断し処理を終了する(ステップS240)。
【0079】
一方、全ての光制御装置から設定情報を受け取った場合(ステップS230/YES)、この設定情報から、光制御装置がループバック状態にあるか否かを判定する(ステップS250)。
【0080】
光制御装置のいずれかがループバック状態にないと判定した場合(ステップS250/NO)、所定時間の経過後に(ステップS260)、設定変更コマンドを第1の光伝送路に再送出する(ステップS210)。ここで、自局と対向局とで、所定時間を異なる値に設定することによって、設定変更コマンドを再送出するタイミングをずらすことができる。これにより、自局と対向局からのそれぞれの設定変更コマンドによって、光制御装置のループバック状態が別々に再設定されることを回避することができる。
【0081】
一方、設定情報から光制御装置のすべてがループバック状態にあると判定した場合(ステップS250/YES)、監視光を第1の光伝送路に送出する(ステップS270)。これにより、光伝送路の監視を行うことができる。
【0082】
このように、本実施形態による光伝送路監視方法においては、設定変更コマンドを送出した後に状態確認コマンドを送出し、その結果により光制御装置のループバック状態を再設定することとしている。これにより、自局と対向局との間で時刻情報を共有していない場合であっても、監視光の競合を回避することができる。
【0083】
図12に示すように、指示信号としての設定変更コマンド、確認信号としての状態確認コマンド、および監視光のいずれも送出していないときに、対向側から第2の光伝送路を介して光信号を受け付けたか否かを判定することとしてもよい(ステップS280)。ここで、対向側から光信号を受け付けた場合(ステップS280/YES)、設定変更コマンドの送出を行わない。これにより、対向側が監視測定を行っている際に、自局側でも監視測定を実行することによる光信号の競合を回避することができる。
【0084】
一方、設定変更コマンド、状態確認コマンド、および監視光のいずれも送出していないときに、対向側から光信号を受け付けていないと判定した場合(ステップS280/NO)、設定変更コマンドを送出し(ステップS210)、上述の処理を進める。
【0085】
以上説明したように、本実施形態による光制御装置300および光伝送路監視方法によれば、光伝送システムにおいて、監視光の使用帯域を最小化しつつ、光伝送路の状態を監視することができる。
【0086】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0087】
(付記1)第1の光伝送路と第2の光伝送路に接続される第1の接続手段と、前記第1の光伝送路と前記第2の光伝送路に接続される第2の接続手段と、前記第1の接続手段における第1の光経路および前記第2の接続手段における第2の光経路を、導通状態および非導通状態のいずれかに相補的に設定する経路設定手段、とを有する光制御装置。
【0088】
(付記2)前記経路設定手段は、前記第1の光伝送路を伝搬した第1の監視光が、前記第2の光伝送路を介して前記第1の監視光の送出側に折り返す第1の折り返し状態、および前記第2の光伝送路を前記第1の監視光と逆方向に伝搬した第2の監視光が、前記第1の光伝送路を介して前記第2の監視光の送出側に折り返す第2の折り返し状態、のいずれかとなるように前記第1の光経路および前記第2の光経路を設定する付記1に記載した光制御装置。
【0089】
(付記3)前記経路設定手段は、前記第1の光経路において、前記第1の監視光および前記第2の監視光を通過させる通過状態、および前記第1の監視光および前記第2の監視光を遮断する遮断状態のいずれかに切り替える第1の光切替手段と、前記第2の光経路において、前記通過状態および前記遮断状態のいずれかに切り替える第2の光切替手段、とを備え、前記第1の光切替手段および前記第2の光切替手段は相補的に動作し、一方が前記通過状態に切り替えるとき、他方は前記遮断状態に切り替える付記2に記載した光制御装置。
【0090】
(付記4)前記経路設定手段は、第1の切替制御手段と第2の切替制御手段を備え、前記第1の切替制御手段は、前記第1の光伝送路を伝搬した第1の切替制御信号を受け付けたとき、前記第1の光切替手段を前記通過状態に設定し、前記第2の光切替手段を前記遮断状態に設定し、前記第2の切替制御手段は、前記第2の光伝送路を伝搬した第2の切替制御信号を受け付けたとき、前記第1の光切替手段を前記遮断状態に設定し、前記第2の光切替手段を前記通過状態に設定する付記3に記載した光制御装置。
【0091】
(付記5)前記第1の光経路における前記第1の光切替手段を通る光経路に、前記第1の監視光および前記第2の監視光の波長帯域を制御帯域とする第1の帯域制御手段を備え、前記第2の光経路における前記第2の光切替手段を通る光経路に、前記制御帯域を有する第2の帯域制御手段を備える付記4に記載した光制御装置。
【0092】
(付記6)前記経路設定手段は、前記第1の監視光および前記第2の監視光の波長帯域を反射帯域とする波長選択反射手段と、前記波長選択反射手段が前記第1の光経路に含まれる第1の経路状態、および前記波長選択反射手段が前記第2の光経路に含まれる第2の経路状態のいずれかに切り替える経路切替手段、とを備える付記2に記載した光制御装置。
【0093】
(付記7)前記経路設定手段は、前記第1の光伝送路を伝搬した第1の切替制御信号を受け付けたとき、前記経路切替手段を前記第1の経路状態に設定する第1の経路制御手段と、前記第2の光伝送路を伝搬した第2の切替制御信号を受け付けたとき、前記経路切替手段を前記第2の経路状態に設定する第2の経路制御手段、とを備える付記6に記載した光制御装置。
【0094】
(付記8)前記経路設定手段が設定した前記第1の光経路および前記第2の光経路に関する設定情報を、前記第1の監視光の送出元に送付する第1の設定情報送付手段と、前記設定情報を、前記第2の監視光の送出元に送付する第2の設定情報送付手段、とをさらに有する付記2から7のいずれか一項に記載した光制御装置。
【0095】
(付記9)第1の光伝送路を伝搬する監視光が第2の光伝送路を通って折り返すループバック状態となるように光制御装置に指示する指示信号を、前記第1の光伝送路に送出し、確認信号を前記第1の光伝送路に送出し、前記確認信号に対する応答から、前記光制御装置が前記ループバック状態にあるか否かを判定し、前記光制御装置のいずれかが前記ループバック状態にないと判定した場合、所定時間の経過後に、前記指示信号を前記第1の光伝送路に再送出し、前記光制御装置のすべてが前記ループバック状態にあると判定した場合、前記監視光を前記第1の光伝送路に送出する光伝送路監視方法。
【0096】
(付記10)前記指示信号、前記確認信号、および前記監視光のいずれも送出していないときに、対向側から前記第2の光伝送路を介して光信号を受け付けた場合、前記指示信号の送出を行わない付記9に記載した光伝送路監視方法。
【0097】
(付記11)前記第1の帯域制御手段および前記第2の帯域制御手段は、前記制御帯域を通過帯域とする帯域通過フィルタである付記5に記載した光制御装置。
【0098】
(付記12)前記第1の帯域制御手段および前記第2の帯域制御手段は、前記制御帯域を反射帯域とする波長選択反射フィルタである付記5に記載した光制御装置。
【0099】
(付記13)前記第1の接続手段および前記第2の接続手段はそれぞれ、光カプラおよび光サーキュレータの少なくとも一方と、光ファイバを備える付記1から7、および11、12のいずれか一項に記載した光制御装置。
【0100】
(付記14)前記第1の監視光の波長および前記第2の監視光の波長は、同一の波長帯域に属する付記2から7、および11、12のいずれか一項に記載した光制御装置。
【0101】
(付記15)付記1から7、および11、12のいずれか一項に記載した前記光制御装置と、前記第1の光伝送路を伝搬する第1の伝搬光を増幅する第1の光増幅手段と、前記第2の光伝送路を伝搬する第2の伝搬光を増幅する第2の光増幅手段、とを有する光中継装置。
【0102】
(付記16)付記4または7に記載した前記光制御装置と、監視装置、とを有し、前記監視装置は、前記第1の切替制御信号、前記第1の監視光、および確認信号のいずれかを前記第1の光伝送路に送出する光送出手段と、制御手段を備え、前記制御手段は、前記確認信号に対する応答から、前記光制御装置が前記第1の監視光を折り返すループバック状態にあるか否かを判定し、前記光制御装置のいずれかが前記ループバック状態にないと判定した場合、所定時間の経過後に、前記第1の切替制御信号を前記第1の光伝送路に再送出するように前記光送出手段を制御し、前記光制御装置のすべてが前記ループバック状態にあると判定した場合、前記第1の監視光を前記第1の光伝送路に送出するように前記光送出手段を制御する光伝送路監視システム。
【0103】
(付記17)前記制御手段は、前記光送出手段が前記第1の切替制御信号、前記第1の監視光、および前記確認信号のいずれも送出していないときに、対向側から前記第2の光伝送路を介して光信号を受け付けた場合、前記第1の切替制御信号の送出を行わないように前記光送出手段を制御する付記16に記載した光伝送路監視システム。
【0104】
(付記18)第1の光伝送路と第2の光伝送路に接続される第1の光経路、および前記第1の光伝送路と前記第2の光伝送路に接続される第2の光経路を、導通状態および非導通状態のいずれかに相補的に設定し、前記第1の光経路および前記第2の光経路を設定することは、前記第1の光伝送路を伝搬した第1の監視光を、前記第2の光伝送路を介して前記第1の監視光の送出側に折り返すように設定すること、および前記第2の光伝送路を前記第1の監視光と逆方向に伝搬した第2の監視光を、前記第1の光伝送路を介して前記第2の監視光の送出側に折り返すように設定すること、のいずれかを含む光経路制御方法。
【0105】
(付記19)前記第1の光経路および前記第2の光経路を設定することは、前記第1の光経路において、前記第1の監視光および前記第2の監視光を通過させる通過状態、および前記第1の監視光および前記第2の監視光を遮断する遮断状態のいずれかに切り替え、前記第2の光経路において、前記通過状態および前記遮断状態のいずれかに切り替え、前記第1の光経路および前記第2の光経路において、一方において前記通過状態に切り替えるとき、他方において前記遮断状態に切り替えることを含む付記18に記載した光経路制御方法。
【0106】
(付記20)前記第1の光経路および前記第2の光経路を設定することは、前記第1の光経路において前記第1の監視光が反射される第1の経路状態、および前記第2の光経路において前記第2の監視光が反射される第2の経路状態のいずれかに切り替えることを含む付記18に記載した光経路制御方法。
【0107】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0108】
100、101、102、103、300、1100 光制御装置
110 第1の接続部
120 第2の接続部
130 経路設定部
131 第1の光切替部
132 第2の光切替部
141 第1の切替制御部
142 第2の切替制御部
151、153 第1の帯域制御部
152、154 第2の帯域制御部
230 経路切替部
241 第1の経路制御部
242 第2の経路制御部
250 波長選択反射部
310 第1の設定情報送付部
320 第2の設定情報送付部
1000 光伝送路監視システム
1200 監視装置
1210 光送出部
1220 制御部
10 第1の光伝送路
11 第1の監視光
20 第2の光伝送路
21 第2の監視光
31 第1の光増幅部
32 第2の光増幅部
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12