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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044301
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】回路モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20240326BHJP
   H01L 23/52 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
H01L25/04 C
H01L23/52 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022149746
(22)【出願日】2022-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中島 大輔
(57)【要約】
【課題】本発明の目的は、回路モジュールの小型化を図ることである。
【解決手段】回路基板は、Z軸の負方向に向かってこの順に並ぶ正主面及び負主面を有する基板本体を含んでいる。絶縁性部材は、基板本体の負主面を覆っている。電子部品は、電子部品本体、及び、電子部品本体の表面に設けられている第1電子部品外部電極及び第2電子部品外部電極を有している。電子部品は、絶縁性部材の表面に固定されている。第1ワイヤ及び第2ワイヤは、絶縁性部材の表面に沿って延びている。第1電子部品外部電極は、第1ワイヤに電気的に接続されている。第2電子部品外部電極は、第2ワイヤに電気的に接続されている。第1ワイヤ及び第2ワイヤは、回路基板に電気的に接続されている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路モジュールは、回路基板と、絶縁性部材と、電子部品と、第1ワイヤと、第2ワイヤと、を備えており、
X軸、Y軸及びZ軸は、互いに直交しており、
前記回路基板は、前記Z軸の負方向に向かってこの順に並ぶ正主面及び負主面を有する基板本体を含んでおり、
前記絶縁性部材は、前記基板本体の前記負主面を覆っており、
前記電子部品は、電子部品本体、及び、前記電子部品本体の表面に設けられている第1電子部品外部電極及び第2電子部品外部電極を有しており、
前記電子部品は、前記絶縁性部材の表面に固定されており、
前記第1ワイヤ及び前記第2ワイヤは、前記絶縁性部材の前記表面に沿って延びており、
前記第1電子部品外部電極は、前記第1ワイヤに電気的に接続されており、
前記第2電子部品外部電極は、前記第2ワイヤに電気的に接続されており、
前記第1ワイヤ及び前記第2ワイヤは、前記回路基板に電気的に接続されている、
回路モジュール。
【請求項2】
前記回路基板は、前記正主面に位置する1以上の第1回路基板外部電極及び1以上の第2回路基板外部電極を、含んでおり、
前記絶縁性部材の前記表面は、前記X軸の負方向に向かってこの順に並ぶX正面及びX負面、前記Y軸の負方向に向かってこの順に並ぶY正面及びY負面、及び、前記回路基板より前記Z軸の負側に位置するZ負面を含んでおり、
前記第1ワイヤ及び前記第2ワイヤは、前記X正面において前記Z軸に沿って延びており、かつ、前記回路基板の前記正主面において前記X軸に沿って延びており、かつ、前記X負面において前記Z軸に沿って延びており、
前記電子部品は、前記X正面に固定されており、
前記第1ワイヤは、前記1以上の第1回路基板外部電極に電気的に接続されており、
前記第2ワイヤは、前記1以上の第2回路基板外部電極に電気的に接続されている、
請求項1に記載の回路モジュール。
【請求項3】
前記回路モジュールは、半導体集積回路と、インダクタ素子と、を更に備えており、
前記半導体集積回路及び前記インダクタ素子は、前記基板本体の前記負主面に実装されており、
前記電子部品は、コンデンサ素子である、
請求項2に記載の回路モジュール。
【請求項4】
前記回路モジュールは、1以上の第3ワイヤを、更に備えており、
前記回路基板は、前記正主面に位置する1以上の第3回路基板外部電極を、更に含んでおり、
前記1以上の第3ワイヤは、前記Y正面において前記Z軸に沿って延びており、かつ、前記回路基板の前記正主面において前記Y軸に沿って延びており、
前記1以上の第3ワイヤのそれぞれは、前記1以上の第3回路基板外部電極に電気的に接続されている、
請求項3に記載の回路モジュール。
【請求項5】
前記半導体集積回路、前記インダクタ素子及び前記電子部品は、電源回路の一部分である、
請求項3又は請求項4に記載の回路モジュール。
【請求項6】
前記第1ワイヤは、グランド電位に接続され、
前記第2ワイヤは、電源電位に接続される、
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の回路モジュール。
【請求項7】
前記回路モジュールは、第1導体部材及び第2導体部材を、更に備えており、
前記第1導体部材及び前記第2導体部材は、前記絶縁性部材を前記Z軸に沿って貫通しており、
前記絶縁性部材の前記表面は、前記X軸の負方向に向かってこの順に並ぶX正面及びX負面、前記Y軸の負方向に向かってこの順に並ぶY正面及びY負面、及び、前記回路基板より前記Z軸の負側に位置するZ負面を含んでおり、
前記第1ワイヤ及び前記第2ワイヤは、前記X正面において前記Z軸に沿って延びており、かつ、前記Z負面において前記X軸に沿って延びており、
前記電子部品は、前記X正面に固定されており、
前記第1導体部材の前記Z軸の正側の端部は、前記第1ワイヤに電気的に接続されており、
前記第1導体部材の前記Z軸の負側の端部は、前記回路基板に電気的に接続されており、
前記第2導体部材の前記Z軸の正側の端部は、前記第2ワイヤに電気的に接続されており、
前記第2導体部材の前記Z軸の負側の端部は、前記回路基板に電気的に接続されている、
請求項1に記載の回路モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の回路モジュールに関する発明としては、特許文献1に記載の電源モジュールが知られている。この電源モジュールは、基板、インダクタ、IC及び複数のコンデンサを備えている。インダクタ、IC及び複数のコンデンサは、基板に実装されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2017/183385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の電源モジュールにおいて、電源モジュールの小型化を図りたいという要望がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、回路モジュールの小型化を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態に係る回路モジュールは、
回路モジュールは、回路基板と、絶縁性部材と、電子部品と、第1ワイヤと、第2ワイヤと、を備えており、
X軸、Y軸及びZ軸は、互いに直交しており、
前記回路基板は、前記Z軸の負方向に向かってこの順に並ぶ正主面及び負主面を有する基板本体を含んでおり、
前記絶縁性部材は、前記基板本体の前記負主面を覆っており、
前記電子部品は、電子部品本体、及び、前記電子部品本体の表面に設けられている第1電子部品外部電極及び第2電子部品外部電極を有しており、
前記電子部品は、前記絶縁性部材の表面に固定されており、
前記第1ワイヤ及び前記第2ワイヤは、前記絶縁性部材の前記表面に沿って延びており、
前記第1電子部品外部電極は、前記第1ワイヤに電気的に接続されており、
前記第2電子部品外部電極は、前記第2ワイヤに電気的に接続されており、
前記第1ワイヤ及び前記第2ワイヤは、前記回路基板に電気的に接続されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、回路モジュールの小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、回路モジュール10の斜視図である。
図2図2は、回路モジュール10の斜視図である。
図3図3は、回路モジュール10の断面図である。
図4図4は、回路基板12の正主面S1を示した図である。
図5図5は、回路モジュール10の等価回路図である。
図6図6は、電子部品20a,22a、第1ワイヤ16a及び第2ワイヤ18aの等価回路図である。
図7図7は、回路モジュール10aの斜視図である。
図8図8は、回路モジュール10aの断面図である。
図9図9は、回路モジュール10bの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態)
[回路モジュール10の構造]
以下に、本発明の一実施形態に係る回路モジュール10の構造について図面を参照しながら説明する。図1及び図2は、回路モジュール10の斜視図である。図3は、回路モジュール10の断面図である。図4は、回路基板12の正主面S1を示した図である。図5は、回路モジュール10の等価回路図である。
【0010】
以下では、回路基板12の正主面S1から負主面S2へと向かう方向をZ軸の負方向と定義する。回路基板12は、Z軸の負方向に見て、正方形状を有している。Z軸の負方向に見て、回路基板12の2辺は、X軸に沿って延びている。Z軸の負方向に見て、回路基板12の残余の2辺は、Y軸に沿って延びている。X軸、Y軸及びZ軸は、互いに直交している。
【0011】
回路モジュール10は、例えば、電源モジュールである。そのため、回路モジュール10は、電源電圧を適切な電圧に変換して負荷に出力する回路を含んでいる。本実施形態では、回路モジュール10は、DC-DCコンバータである。回路モジュール10は、図1ないし図3に示すように、回路基板12と、絶縁性部材14と、電子部品20a,20b,22a,22b,24a,24b,26a,26bと、第1ワイヤ16a,16bと、第2ワイヤ18a,18bと、第3ワイヤ30a~30fと,第4ワイヤ32a~32fと、インダクタ素子60と、半導体集積回路61と、を備えている。
【0012】
回路基板12は、例えば、ガラスエポキシ基板である。回路基板12は、図4に示すように、基板本体39、第1回路基板外部電極40a~40f,46a~46f、第2回路基板外部電極42a~42f,44a~44f、第3回路基板外部電極50a~50f及び第4回路基板外部電極52~52fを含んでいる。基板本体39は、Z軸の負方向に向かってこの順に並ぶ正主面S1及び負主面S2を有している。基板本体39は、Z軸の負方向に見て、正方形状を有している。基板本体39は、複数の絶縁体層が積層された構造を有している。基板本体39の内部には、導体層及び層間接続導体を含む電気回路が設けられている。
【0013】
第1回路基板外部電極40a~40f,46a~46f、第2回路基板外部電極42a~42f,44a~44f、第3回路基板外部電極50a~50f及び第4回路基板外部電極52~52fは、図4に示すように、正主面S1に位置している。第1回路基板外部電極40a~40f,46a~46f、第2回路基板外部電極42a~42f,44a~44f、第3回路基板外部電極50a~50f及び第4回路基板外部電極52~52fは、マトリクス状に配列されている。
【0014】
より詳細には、第1回路基板外部電極40a~40fは、X軸の正方向へとこの順に一列に並んでいる。第1回路基板外部電極46a~46fは、X軸の正方向へとこの順に一列に並んでいる。第2回路基板外部電極42a~42fは、X軸の正方向へとこの順に一列に並んでいる。第2回路基板外部電極44a~44fは、X軸の正方向へとこの順に一列に並んでいる。第3回路基板外部電極50a~50fは、X軸の正方向へとこの順に一列に並んでいる。第4回路基板外部電極52a~52fは、X軸の正方向へとこの順に一列に並んでいる。第3回路基板外部電極50a~50fの列、第1回路基板外部電極40a~40fの列、第2回路基板外部電極42a~42fの列、第2回路基板外部電極44a~44fの列、第1回路基板外部電極46a~46fの列、及び、第4回路基板外部電極52a~52fは、Y軸の負方向へとこの順に並んでいる。
【0015】
第1回路基板外部電極40a~40f及び第1回路基板外部電極46a~46fは、グランド電位に接続される。第2回路基板外部電極42a~42f及び第2回路基板外部電極44a~44fは、電源電位に接続される。第3回路基板外部電極50a~50f及び第4回路基板外部電極52~52fには、信号が入出力する。
【0016】
インダクタ素子60及び半導体集積回路61は、図3に示すように、基板本体39の負主面S2に実装されている。
【0017】
絶縁性部材14は、図1及び図2に示すように、基板本体39の負主面S2を覆っている。これにより、インダクタ素子60及び半導体集積回路61は、図3に示すように、絶縁性部材14内に位置している。絶縁性部材14の表面は、X軸の負方向に向かってこの順に並ぶX正面SX1及びX負面SX2、Y軸の負方向に向かってこの順に並ぶY正面SY1及びY負面SY2、及び、回路基板12よりZ軸の負側に位置するZ負面SZ1を含んでいる。絶縁性部材14及び回路基板12は、直方体形状を有している。このような絶縁性部材14の材料は、例えば、樹脂である。樹脂は、例えば、エポキシ樹脂である。
【0018】
第1ワイヤ16a,16b及び第2ワイヤ18a,18bは、銅等の金属により作製された線状導体である。第1ワイヤ16a,16b及び第2ワイヤ18a,18bは、図1及び図2に示すように、絶縁性部材14の表面に沿って延びている。より詳細には、第1ワイヤ16a,16b及び第2ワイヤ18a,18bは、X正面SX1においてZ軸に沿って延びており、かつ、回路基板12の正主面S1においてX軸に沿って延びており、かつ、X負面SX2においてZ軸に沿って延びている。また、第1ワイヤ16a,16bの両端及び第2ワイヤ18a,18bの両端は、絶縁性部材14からZ軸の負方向に突出している。第1ワイヤ16a、第2ワイヤ18a、第2ワイヤ18b及び第1ワイヤ16bは、Y軸の負方向に向かってこの順に並んでいる。
【0019】
また、第1ワイヤ16a,16b及び第2ワイヤ18a,18bは、回路基板12に電気的に接続されている。より詳細には、第1ワイヤ16aは、Z軸の負方向に見て、第1回路基板外部電極40a~40fと重なっている。そして、第1ワイヤ16aは、第1回路基板外部電極40a~40fに半田により固定されている。これにより、第1ワイヤ16aは、第1回路基板外部電極40a~40fに電気的に接続されている。これにより、第1ワイヤ16aは、グランド電位に接続される。
【0020】
第1ワイヤ16bは、Z軸の負方向に見て、第1回路基板外部電極46a~46fと重なっている。そして、第1ワイヤ16bは、第1回路基板外部電極46a~46fに半田により固定されている。これにより、第1ワイヤ16bは、第1回路基板外部電極46a~46fに電気的に接続されている。これにより、第1ワイヤ16bは、グランド電位に接続される。
【0021】
第2ワイヤ18aは、Z軸の負方向に見て、第2回路基板外部電極42a~42fと重なっている。そして、第2ワイヤ18aは、第2回路基板外部電極42a~42fに半田により固定されている。これにより、第2ワイヤ18aは、第2回路基板外部電極42a~42fに電気的に接続されている。これにより、第2ワイヤ18aは、電源電位に接続される。
【0022】
第2ワイヤ18bは、Z軸の負方向に見て、第2回路基板外部電極44a~44fと重なっている。そして、第2ワイヤ18bは、第2回路基板外部電極44a~44fに半田により固定されている。これにより、第2ワイヤ18bは、第2回路基板外部電極44a~44fに電気的に接続されている。これにより、第2ワイヤ18bは、電源電位に接続される。
【0023】
第3ワイヤ30a~30fは、銅等の金属により作製された線状導体である。第3ワイヤ30a~30fは、図1に示すように、Y正面SY1においてZ軸に沿って延びており、かつ、回路基板12の正主面S1においてY軸に沿って延びている。また、第3ワイヤ30a~30fのZ軸の負側の端部は、絶縁性部材14からZ軸の負方向に突出している。第3ワイヤ30a~30fは、X軸の正方向に向かってこの順に並んでいる。第3ワイヤ30a~30fのそれぞれは、第3回路基板外部電極50a~50fに電気的に接続されている。
【0024】
第4ワイヤ32a~32fは、銅等の金属により作製された線状導体である。第4ワイヤ32a~32fは、図2に示すように、Y負面SY2においてZ軸に沿って延びており、かつ、回路基板12の正主面S1においてY軸に沿って延びている。また、第4ワイヤ32a~32fのZ軸の負側の端部は、絶縁性部材14からZ軸の負方向に突出している。第4ワイヤ32a~32fは、X軸の正方向に向かってこの順に並んでいる。第4ワイヤ32a~32fのそれぞれは、第4回路基板外部電極52a~52fに電気的に接続されている。
【0025】
電子部品20a,20b,22a,22b,24a,24b,26a,26bは、コンデンサ素子である。電子部品20aは、電子部品本体200、第1電子部品外部電極204及び第2電子部品外部電極206を含んでいる。電子部品本体200は、直方体形状を有している。第1電子部品外部電極204及び第2電子部品外部電極206は、電子部品本体200の表面に設けられている。第1電子部品外部電極204及び第2電子部品外部電極206は、Y軸に沿って並んでいる。なお、電子部品20b,22a,22b,24a,24b,26a,26bの構造は、電子部品20aの構造と同じであるので説明を省略する。
【0026】
以上のような電子部品20a,20b,22a,22b,24a,24b,26a,26bは、絶縁性部材14の表面に固定されている。本実施形態では、電子部品20a,20b,22a,22bは、X正面SX1に固定されている。電子部品20aは、電子部品22aのZ軸の正側に位置している。電子部品20bは、電子部品20aのY軸の負側に位置している。電子部品22bは、電子部品22aのY軸の負側に位置している。
【0027】
電子部品20a,22aの第1電子部品外部電極204は、X軸の負方向に見て、第1ワイヤ16aと重なっている。電子部品20a,22aの第2電子部品外部電極206は、X軸の負方向に見て、第2ワイヤ18aと重なっている。電子部品20a,22aの第1電子部品外部電極204は、第1ワイヤ16aに半田により固定されている。電子部品20a,22aの第2電子部品外部電極206は、第2ワイヤ18aに半田により固定されている。その結果、電子部品20a,22aの第1電子部品外部電極204は、第1ワイヤ16aに電気的に接続されている。電子部品20a,22aの第2電子部品外部電極206は、第2ワイヤ18aに電気的に接続されている。なお、電子部品22a,22b,24a,24b,26a,26bの構造は、電子部品20a,20bと同じであるので説明を省略する。
【0028】
以上のような回路モジュール10は、図示しない回路基板に実装される。具体的には、回路基板には、貫通孔が設けられた複数の電極が設けられている。第1ワイヤ16a,16b、第2ワイヤ18a,18b、第3ワイヤ30a~30f及び第4ワイヤ32a~32fのZ軸の負側の端部のそれぞれは、複数の貫通孔に挿入され、半田により電極に固定される。
【0029】
回路モジュール10は、図5に示す等価回路を有している。図5の等価回路図では、回路モジュール10、負荷100及び電源102を備えている。回路モジュール10は、例えば、電源モジュールである。そのため、回路モジュール10は、電源102の電源電圧を適切な電圧に降圧して負荷100に出力するバックコンバータを含んでいる。半導体集積回路61、インダクタ素子60及び電子部品20a,20b,22a,22b,24a,24b,26a,26bは、電源回路の一部分である。
【0030】
半導体集積回路61は、コントローラ62、スイッチ63,64を含んでいる。コントローラ62には、第3ワイヤ30a~30f及び第4ワイヤ32a~32fが接続されている。コントローラ62は、第3ワイヤ30a~30f及び第4ワイヤ32a~32fから伝送される信号により、スイッチ63,64のオンとオフとを切り替える。
【0031】
具体的には、スイッチ64がオンに制御され、スイッチ63がオフに制御されると、インダクタ素子60及び電子部品22a,22b,26a,26bに電流が流れる。これにより、インダクタ素子60にエネルギーが蓄積される。スイッチ64がオンに制御され、スイッチ63がオフに制御されると、インダクタ素子60に蓄積されたエネルギーにより、インダクタ素子60及び電子部品22a,22b、26a,26bに電流が流れる。この動作が繰り返されることにより、負荷100に降圧された電圧が印加される。
【0032】
[効果]
回路モジュール10によれば、回路モジュール10の小型化を図ることができる。より詳細には、特許文献1に記載の電源モジュールでは、インダクタ、IC及び複数のコンデンサは、基板に実装されている。従って、複数のコンデンサは、インダクタ及びICの周囲に配置されている。その結果、電源モジュールが大型化しやすい。
【0033】
一方、電子部品20a,20b,22a,22b,24a,24b,26a,26bは、絶縁性部材14の表面に固定されている。よって、電子部品20a,20b,22a,22b,24a,24b,26a,26bは、回路基板に実装されない。その結果、回路モジュール10が回路基板に占める面積が小さくなる。すなわち、回路モジュール10によれば、回路モジュール10の小型化を図ることができる。
【0034】
回路モジュール10によれば、ノイズによる影響を抑制できる。より詳細には、電子部品20a,20b,22a,22b,24a,24b,26a,26bは、コンデンサ素子である。また、第1ワイヤ16a,16bは、グランド電位に接続される。第2ワイヤ18a,18bは、電源電位に接続される。これにより、コンデンサである電子部品20a,20b,22a,22b,24a,24b,26a,26bが、電源電位と接地電位との間に接続される。これにより、電子部品20a,20b,22a,22b,24a,24b,26a,26bは、回路モジュール10内にノイズが侵入することを抑制する。電子部品20a,20b,22a,22b,24a,24b,26a,26bは、回路モジュール10からノイズが出力することを抑制する。よって、回路モジュール10によれば、ノイズによる影響を抑制できる。
【0035】
回路モジュール10によれば、回路モジュール10の抵抗値を低減できる。より詳細には、第1ワイヤ16a,16b、第2ワイヤ18a,18b、第3ワイヤ30a~30f、及び、第4ワイヤ32a~32fのZ軸の負側の端部のそれぞれは、複数の貫通孔に挿入され、半田により電極に固定される。このような第1ワイヤ16a,16bと、第2ワイヤ18a,18bは、大きな断面積を有するので、小さな抵抗値を有する。よって、回路モジュール10によれば、回路モジュール10の抵抗値を低減できる。
【0036】
回路モジュール10によれば、インダクタ素子60が発生した熱は、第1ワイヤ16a,16b、第2ワイヤ18a,18b、第3ワイヤ30a~30f、及び、第4ワイヤ32a~32fにより回路モジュール10外に放射される。
【0037】
回路モジュール10によれば、電子部品20a,22aの両方が、ノイズフィルタとして機能しやすくなる。図6は、電子部品20a,22a、第1ワイヤ16a及び第2ワイヤ18aの等価回路図である。
【0038】
電子部品20a,22aの第1電子部品外部電極204は、第1ワイヤ16aに電気的に接続されている。電子部品20a,22aの第2電子部品外部電極206は、第2ワイヤ18aに電気的に接続されている。これにより、図6に示すように、電子部品20a,22aの両方が第1ワイヤ16a及び第2ワイヤ18aに直接に接続される。そのため、電子部品20a,22aの両方が、ノイズフィルタとして機能しやすくなる。
【0039】
(第1変形例)
以下に、第1変形例に係る回路モジュール10aについて図面を参照しながら説明する。図7は、回路モジュール10aの斜視図である。図8は、回路モジュール10aの断面図である。
【0040】
回路モジュール10aは、第1導体部材70a,70b、第2導体部材72a,72b、第3導体部材80a,80b、第4導体部材82a,82b、第5ワイヤ116a,116b及び第6ワイヤ118a,118bを、更に備えている点において回路モジュール10と相違する。なお、図8では、第1導体部材70b、第2導体部材72b、第3導体部材80b及び第4導体部材82bのみを図示した。
【0041】
第1ワイヤ16a,16b及び第2ワイヤ18a,18bは、図7に示すように、X正面SX1においてZ軸に沿って延びており、かつ、Z負面SZ1においてX軸に沿って延びている。第5ワイヤ116a,116b及び第6ワイヤ118a,118bは、X負面SX2においてZ軸に沿って延びており、かつ、Z負面SZ1においてX軸に沿って延びている。
【0042】
第1導体部材70a,70b、第2導体部材72a,72b、第3導体部材80a,80b及び第4導体部材82a,82bは、図8に示すように、絶縁性部材14をZ軸に沿って貫通している。第1導体部材70aのZ軸の正側の端部は、第1ワイヤ16aに電気的に接続されている。第1導体部材70bのZ軸の正側の端部は、第1ワイヤ16bに電気的に接続されている。第2導体部材72aのZ軸の正側の端部は、第2ワイヤ18aに電気的に接続されている。第2導体部材72bのZ軸の正側の端部は、第2ワイヤ18bに電気的に接続されている。第3導体部材80aのZ軸の正側の端部は、第5ワイヤ116aに電気的に接続されている。第3導体部材80bのZ軸の正側の端部は、第5ワイヤ116bに電気的に接続されている。第4導体部材82aのZ軸の正側の端部は、第6ワイヤ118aに電気的に接続されている。第4導体部材82bのZ軸の正側の端部は、第6ワイヤ118bに電気的に接続されている。
【0043】
第1導体部材70aのZ軸の負側の端部、第1導体部材70bのZ軸の負側の端部、第2導体部材72aのZ軸の負側の端部、第2導体部材72bのZ軸の負側の端部、第3導体部材80aのZ軸の負側の端部、第3導体部材80bのZ軸の負側の端部、第4導体部材82aのZ軸の負側の端部、及び、第4導体部材82bのZ軸の負側の端部は、回路基板12に電気的に接続されている。
【0044】
また、回路基板12は、第1回路基板外部電極40a~40f,46a~46f、第2回路基板外部電極42a~42f,44a~44f、第3回路基板外部電極50a~50f及び第4回路基板外部電極52~52fを備えていない。回路モジュール10aのその他の構造は、回路モジュール10と同じであるので説明を省略する。回路モジュール10aは、回路モジュール10と同じ効果を奏することができる。
【0045】
(第2変形例)
以下に、第2変形例に係る回路モジュール10bについて図面を参照しながら説明する。図9は、回路モジュール10bの断面図である。
【0046】
回路モジュール10bは、回路基板12は、第1回路基板外部電極40a~40f,46a~46f、第2回路基板外部電極42a~42f,44a~44f、第3回路基板外部電極50a~50f及び第4回路基板外部電極52~52fを更に備えている点において回路モジュール10aと相違する。ただし、第1回路基板外部電極40a~40f,46a~46f、第2回路基板外部電極42a~42f,44a~44f、第3回路基板外部電極50a~50f及び第4回路基板外部電極52~52fは、第1ワイヤ16a,16b、第2ワイヤ18a,18b、第3ワイヤ30a~30f、第4ワイヤ32a~32f、第5ワイヤ116a,116b及び第6ワイヤ118a,118bには接触していない。
【0047】
第1回路基板外部電極40a~40f,46a~46f、第2回路基板外部電極42a~42f,44a~44f、第3回路基板外部電極50a~50f及び第4回路基板外部電極52~52fは、回路基板12内の電気回路を介して、第1ワイヤ16a,16b、第2ワイヤ18a,18b、第3ワイヤ30a~30f、第4ワイヤ32a~32f、第5ワイヤ116a,116b及び第6ワイヤ118a,118bと電気的に接続されている。そして、回路モジュール10bが回路基板に実装されるときには、第1回路基板外部電極40a~40f,46a~46f、第2回路基板外部電極42a~42f,44a~44f、第3回路基板外部電極50a~50f及び第4回路基板外部電極52~52fは、回路基板の電極に半田により固定される。回路モジュール10bのその他の構造は、回路モジュール10aと同じであるので説明を省略する。回路モジュール10bは、回路モジュール10aと同じ効果を奏することができる。
【0048】
(その他の実施形態)
本発明に係る回路モジュールは、回路モジュール10,10a,10bに限らず、その要旨の範囲内において変更可能である。また、回路モジュール10,10a,10bの構造を任意に組み合わせてもよい。
【0049】
回路モジュール10,10a,10bは、例えば、電源モジュールでなくてもよい。回路モジュール10,10a,10bは、例えば、通信モジュールであってもよい。
【0050】
電子部品20a,20b,22a,22b,24a,24b,26a,26bは、コンデンサ素子でなくてもよい。電子部品20a,20b,22a,22b,24a,24b,26a,26bは、例えば、インダクタ素子であってもよい。
【0051】
なお、電子部品の数は、1以上であればよい。
【0052】
なお、第1ワイヤの数は、1以上であればよい。
【0053】
なお、第2ワイヤの数は、1以上であればよい。
【0054】
なお、第3のワイヤの数は、1以上であればよい。
【0055】
なお、第4のワイヤの数は、1以上であればよい。
【0056】
なお、第1回路基板外部電極の数は、1以上であればよい。
【0057】
なお、第2回路基板外部電極の数は、1以上であればよい。
【0058】
なお、第3回路基板外部電極の数は、1以上であればよい。
【0059】
なお、第4回路基板外部電極の数は、1以上であればよい。
【0060】
なお、第5回路基板外部電極の数は、1以上であればよい。
【0061】
なお、第6回路基板外部電極の数は、1以上であればよい。
【0062】
なお、半導体集積回路61及びインダクタ素子60は、必須の構成要件ではない。
【0063】
なお、電子部品20a,20b,22a,22b,24a,24b,26a,26bは、絶縁性部材14のY正面SY1又はY負面SY2に固定されていてもよい。また、電子部品20a,20b,22a,22b,24a,24b,26a,26bは、絶縁性部材14のZ負面SZ1に固定されていてもよい。
【0064】
なお、回路基板12の正主面S1に電子部品が実装されていてもよい。
【0065】
なお、第1ワイヤが電源電位に接続され、第2ワイヤがグランド電位に接続されてもよい。また、第1ワイヤ及び第2ワイヤに信号が伝送されてもよい。
【0066】
なお、第1導体部材70a,70b、第2導体部材72a,72b、第3導体部材80a,80b及び第4導体部材82a,82bは、ワイヤであってもよい。すなわち、第1導体部材70a,70b、第2導体部材72a,72b、第3導体部材80a,80b及び第4導体部材82a,82bのそれぞれは、第1ワイヤ16a,16b、第2ワイヤ18a,18b、第5ワイヤ116a,116b及び第6ワイヤ118a,118bとつながっていてもよい。
【0067】
なお、絶縁性部材14の形状は、直方体形状に限らない。
【0068】
なお、第1回路基板外部電極40a~40f,46a~46f、第2回路基板外部電極42a~42f,44a~44f、第3回路基板外部電極50a~50f及び第4回路基板外部電極52~52fの形状は、四角形状に限らない。
【0069】
本発明は、以下の構造を備える。
【0070】
(1)
回路モジュールは、回路基板と、絶縁性部材と、電子部品と、第1ワイヤと、第2ワイヤと、を備えており、
X軸、Y軸及びZ軸は、互いに直交しており、
前記回路基板は、前記Z軸の負方向に向かってこの順に並ぶ正主面及び負主面を有する基板本体を含んでおり、
前記絶縁性部材は、前記基板本体の前記負主面を覆っており、
前記電子部品は、電子部品本体、及び、前記電子部品本体の表面に設けられている第1電子部品外部電極及び第2電子部品外部電極を有しており、
前記電子部品は、前記絶縁性部材の表面に固定されており、
前記第1ワイヤ及び前記第2ワイヤは、前記絶縁性部材の前記表面に沿って延びており、
前記第1電子部品外部電極は、前記第1ワイヤに電気的に接続されており、
前記第2電子部品外部電極は、前記第2ワイヤに電気的に接続されており、
前記第1ワイヤ及び前記第2ワイヤは、前記回路基板に電気的に接続されている、
回路モジュール。
【0071】
(2)
前記回路基板は、前記正主面に位置する1以上の第1回路基板外部電極及び1以上の第2回路基板外部電極を、含んでおり、
前記絶縁性部材の前記表面は、前記X軸の負方向に向かってこの順に並ぶX正面及びX負面、前記Y軸の負方向に向かってこの順に並ぶY正面及びY負面、及び、前記回路基板より前記Z軸の負側に位置するZ負面を含んでおり、
前記第1ワイヤ及び前記第2ワイヤは、前記X正面において前記Z軸に沿って延びており、かつ、前記回路基板の前記正主面において前記X軸に沿って延びており、かつ、前記X負面において前記Z軸に沿って延びており、
前記電子部品は、前記X正面に固定されており、
前記第1ワイヤは、前記1以上の第1回路基板外部電極に電気的に接続されており、
前記第2ワイヤは、前記1以上の第2回路基板外部電極に電気的に接続されている、
(1)に記載の回路モジュール。
【0072】
(3)
前記回路モジュールは、半導体集積回路と、インダクタ素子と、を更に備えており、
前記半導体集積回路及び前記インダクタ素子は、前記基板本体の前記負主面に実装されており、
前記電子部品は、コンデンサ素子である、
(2)に記載の回路モジュール。
【0073】
(4)
前記回路モジュールは、1以上の第3ワイヤを、更に備えており、
前記回路基板は、前記正主面に位置する1以上の第3回路基板外部電極を、更に含んでおり、
前記1以上の第3ワイヤは、前記Y正面において前記Z軸に沿って延びており、かつ、前記回路基板の前記正主面において前記Y軸に沿って延びており、
前記1以上の第3ワイヤのそれぞれは、前記1以上の第3回路基板外部電極に電気的に接続されている、
(3)に記載の回路モジュール。
【0074】
(5)
前記半導体集積回路、前記インダクタ素子及び前記電子部品は、電源回路の一部分である、
(3)又は(4)に記載の回路モジュール。
【0075】
(6)
前記第1ワイヤは、グランド電位に接続され、
前記第2ワイヤは、電源電位に接続される、
(1)ないし(5)のいずれかに記載の回路モジュール。
【0076】
(7)
前記回路モジュールは、第1導体部材及び第2導体部材を、更に備えており、
前記第1導体部材及び前記第2導体部材は、前記絶縁性部材を前記Z軸に沿って貫通しており、
前記絶縁性部材の前記表面は、前記X軸の負方向に向かってこの順に並ぶX正面及びX負面、前記Y軸の負方向に向かってこの順に並ぶY正面及びY負面、及び、前記回路基板より前記Z軸の負側に位置するZ負面を含んでおり、
前記第1ワイヤ及び前記第2ワイヤは、前記X正面において前記Z軸に沿って延びており、かつ、前記Z負面において前記X軸に沿って延びており、
前記電子部品は、前記X正面に固定されており、
前記第1導体部材の前記Z軸の正側の端部は、前記第1ワイヤに電気的に接続されており、
前記第1導体部材の前記Z軸の負側の端部は、前記回路基板に電気的に接続されており、
前記第2導体部材の前記Z軸の正側の端部は、前記第2ワイヤに電気的に接続されており、
前記第2導体部材の前記Z軸の負側の端部は、前記回路基板に電気的に接続されている、
(1)に記載の回路モジュール。
【符号の説明】
【0077】
10,10a,10b:回路モジュール
12:回路基板
14:絶縁性部材
16a,16b:第1ワイヤ
18a,18b:第2ワイヤ
20a,20b,22a,22b,24a,24b,26a,26b:電子部品
30a~30f:第3ワイヤ
32a~32f:第4ワイヤ
39:基板本体
40a~40f:第1回路基板外部電極
42a~42f:第2回路基板外部電極
44a~44f:第2回路基板外部電極
46a~46f:第1回路基板外部電極
50a~50f:第3回路基板外部電極
52a~52f:第4回路基板外部電極
60:インダクタ素子
61:半導体集積回路
62:コントローラ
63,64:スイッチ
70a,70b:第1導体部材
72a,72b:第2導体部材
80a,80b:第3導体部材
82a,82b:第4導体部材
100:負荷
102:電源
116a,116a:第5ワイヤ
118a,118b:第6ワイヤ
200:電子部品本体
204:第1電子部品外部電極
206:第2電子部品外部電極
S1:正主面
S2:負主面
SX1:X正面
SX2:X負面
SY1:Y正面
SY2:Y負面
SZ1:Z負面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9