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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044339
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】屋根構造体及び屋外構造物
(51)【国際特許分類】
   E04D 3/365 20060101AFI20240326BHJP
   E04B 1/343 20060101ALI20240326BHJP
   E04D 13/064 20060101ALI20240326BHJP
   E04D 3/24 20060101ALI20240326BHJP
   E04D 3/362 20060101ALI20240326BHJP
   E04H 6/02 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
E04D3/365 A
E04B1/343 V
E04D13/064 D
E04D3/24 A
E04D3/362 A
E04H6/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022149799
(22)【出願日】2022-09-21
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 展示日 令和4年4月15日(4月15日~16日に開催) 展示会名、開催場所 エクステリア ガーデンエキシビジョン2022 幕張メッセ(千葉県千葉市美浜区中瀬2-1) 展示日 令和4年5月12日(5月12日~13日に開催) 展示会名、開催場所 エクステリア&ガーデンフェア名古屋2022 ポートメッセ名古屋(愛知県名古屋市港区金城ふ頭2丁目2) 展示日 令和4年6月9日(6月9日~10日に開催) 展示会名、開催場所 関西エクステリアフェア 2022 インテックス大阪(大阪府大阪市住之江区南港北1丁目5-102) 発行日 令和4年5月9日 刊行物 ルシアス カーポート商品カタログ ウェブサイトの掲載日 令和4年5月9日 ウェブサイトのアドレス https://webcatalog.ykkap.co.jp/iportal/CatalogSearch.do?method=catalogSearchByDefaultSettingCategories&volumeID=YKKAPDC1&designID=user
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 販売日 令和4年7月20日 販売した場所 株式会社関東 千葉県船橋市古作3-16-1 販売日 令和4年7月21日 販売した場所 株式会社綾部興産 岡山県倉敷市中島1126-3 販売日 令和4年7月28日 販売した場所 株式会社ダイシン 宮城県仙台市若林区遠見塚2丁目12-11 販売日 令和4年7月29日 販売した場所 ホテイヤトーヨー株式会社 栃木県小山市東城南4-27-13
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 販売日 令和4年8月1日 販売した場所 株式会社阪紀テック 大阪府泉佐野市中町2-5-45 販売日 令和4年8月1日 販売した場所 フジクレスト株式会社 東京都西多摩郡瑞穂町大字武蔵66-1 販売日 令和4年8月2日 販売した場所 株式会社イナモト 大阪府堺市中区平井178番地2 販売日 令和4年8月2日 販売した場所 株式会社三富 岐阜県羽島郡岐南町八剣7丁目75番地 販売日 令和4年8月8日 販売した場所 フジ産業株式会社 栃木県宇都宮市東宿郷3-1-9 あかねビル5F 販売日 令和4年8月10日 販売した場所 有限会社森脇木工アルミ建材 島根県出雲市平田町2751 販売日 令和4年8月17日 販売した場所 株式会社アイシン 滋賀県栗東市下戸山129-1 販売日 令和4年8月18日 販売した場所 福山アルミ建材株式会社 広島県福山市芦田町大字上有地2224 販売日 令和4年8月19日 販売した場所 株式会社サングリーン 愛知県名古屋市緑区桶狭間森前201 販売日 令和4年8月22日 販売した場所 カイコー株式会社 鹿児島県鹿屋市新川町5503 販売日 令和4年8月22日 販売した場所 鴨方トーヨー株式会社 岡山県浅口市鴨方町小坂東2156-1 販売日 令和4年8月26日 販売した場所 株式会社エムツー静岡 静岡県静岡市駿河区下川原6丁目10番15号 販売日 令和4年8月30日 販売した場所 東邦アルミ建材株式会社 神奈川県横浜市旭区東希望が丘215 販売日 令和4年8月31日 販売した場所 株式会社ワイズ 埼玉県本庄市早稲田の杜5丁目14-5
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 販売日 令和4年9月2日 販売した場所 株式会社エクシス 福岡県京都郡苅田町苅田3787-8 販売日 令和4年9月6日 販売した場所 株式会社ヒキダ 静岡県焼津市保福島309 販売日 令和4年9月12日 販売した場所 株式会社ビィーティーエス 岡山県岡山市南区芳泉1-8-6 販売日 令和4年9月21日 販売した場所 AGC硝子建材株式会社 香川県綾歌郡綾川町陶1267-1
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】楠 翔旭
(72)【発明者】
【氏名】堀江 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】小平 知弘
(72)【発明者】
【氏名】永田 幸自
【テーマコード(参考)】
2E108
【Fターム(参考)】
2E108AA02
2E108AS02
2E108BB04
2E108BN02
2E108CC01
2E108CC05
2E108DD03
2E108DD05
2E108EE01
2E108FF11
2E108GG09
(57)【要約】
【課題】組立作業の煩雑化や製造コストの問題を抑えて漏水を防止する。
【解決手段】互いに並設した状態で相互間が連結された複数の屋根材220を備える屋根構造体20であって、屋根材220は、基板部220aと、基板部220aの両側部から上方に向けて突出する第1連結板部220b及び第2連結板部220cとを有し、第1連結板部220bの上部には、上方に開口した溝部220hを構成する溝構成部220dが設けられ、第2連結板部220cの上部には、溝部220hの開口を覆う溝カバー部220fが設けられ、溝カバー部220fが溝部220hを覆う状態で複数の屋根材220が並設され、溝カバー部220fを介して溝部220hにネジ240を挿通させることにより屋根材220の相互間が連結されている。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに並設した状態で相互間が連結された複数の屋根材を備える屋根構造体であって、
前記屋根材は、基部と、前記基部の両側部から上方に向けて突出する第1連結部及び第2連結部とを有し、
前記第1連結部の上部には、上方に開口した溝部を構成する溝構成部が設けられ、
前記第2連結部の上部には、前記溝部の開口を覆う溝カバー部が設けられ、
前記溝カバー部が前記溝部を覆う状態で前記複数の屋根材が並設され、前記溝カバー部を介して前記溝部に連結具を挿通させることにより前記屋根材の相互間が連結されていることを特徴とする屋根構造体。
【請求項2】
前記第2連結部の下部及び前記第1連結部の下部のいずれか一方には、相互間において上方に開口した水受け部を構成する水受け構成部が設けられ、かついずれか他方には前記水受け構成部の上縁部を覆う水受けカバー部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の屋根構造体。
【請求項3】
前記屋根材には、前記第1連結部の下部に前記水受け構成部が設けられる一方、前記第2連結部の下部に前記水受けカバー部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の屋根構造体。
【請求項4】
前記溝カバー部の縁部には、下方に向けて延在するように水切り部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の屋根構造体。
【請求項5】
補助基部の両側部にそれぞれ前記第1連結部と同一形状の補助第1連結部が設けられた補助屋根材と、
一方の端部に前記第2連結部と同一形状のアタッチ第2連結部が設けられ、かつ他方の縁部にパネル支持部が設けられたパネル用アタッチメントとを備え、
前記屋根材の前記第1連結部に前記パネル用アタッチメントが連結されるとともに、前記補助屋根材の前記補助第1連結部に前記パネル用アタッチメントが連結され、これらパネル用アタッチメントの間に透光性を有したパネルが支持されていることを特徴とする請求項1に記載の屋根構造体。
【請求項6】
請求項1~請求項5のいずれか一つに記載の屋根構造体が支持構造体の上部に設けられていることを特徴とする屋外構造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーポート等の屋外構造物に適用される屋根構造体及び屋外構造物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カーポート等の屋外構造物に適用される屋根構造体には、複数の屋根材を互いに並設することによって構成したものが提供されている。屋根材は、平板状を成す基部の一方の縁部に第1連結部が設けられ、かつ他方の縁部に第2連結部が設けられており、これらの連結部を相互に係合させることによって相互に連結されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-56129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述の屋根構造体においては、屋根材の相互間からの漏水を防止するため、第1連結部と第2連結部との接合面に水密材が設けられている。この水密材は、屋根材の全長にわたって切れ間無く設ける必要がある。しかも、並設される屋根材の相互間のすべてに水密材を介在させる必要がある。このため、屋根構造体を組み立てる際の作業性が煩雑化する要因となるばかりでなく、製造コストの点でも好ましいとはいえない。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みて、組立作業の煩雑化や製造コストの問題を抑えて漏水を防止することのできる屋根構造体及び屋外構造物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る屋根構造体は、互いに並設した状態で相互間が連結された複数の屋根材を備える屋根構造体であって、前記屋根材は、基部と、前記基部の両側部から上方に向けて突出する第1連結部及び第2連結部とを有し、前記第1連結部の上部には、上方に開口した溝部を構成する溝構成部が設けられ、前記第2連結部の上部には、前記溝部の開口を覆う溝カバー部が設けられ、前記溝カバー部が前記溝部を覆う状態で前記複数の屋根材が並設され、前記溝カバー部を介して前記溝部に連結具を挿通させることにより前記屋根材の相互間が連結されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、第1連結部において第2連結部との連結部分に溝部が設けてあるため、第1連結部と第2連結部との接合部から進入した水が溝部によって受け止められることになる。従って、第1連結部と第2連結部との間に水密材を設けることなく漏水を防止することができ、組立作業の作業性や製造コストの点で有利となる。しかも、第2連結部に設けた溝カバー部を介して第1連結部の溝部に連結具を挿通させるようにしているため、水密性に影響を与えることなく第1連結部と第2連結部との間を強固に連結することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態1である屋外構造物の斜視図である。
図2図1に示した屋外構造物を側枠側から見た正面図である。
図3図1に示した屋外構造物の要部縦断面正面図である。
図4図1に示した屋外構造物の要部縦断面側面図である。
図5図1に示した屋外構造物の支持構造体を示すもので、(a)は支柱の横断面図、(b)は梁の縦断面図である。
図6図1に示した屋外構造物の支持構造体を示すもので、(a)は分解正面図、(b)は連結した状態の正面図である。
図7図1に示した屋外構造物に適用する枠体の構成要素を示すもので、(a)は一方の側枠の端面図、(b)はもう一方の側枠の端面図、(c)は前枠の分解端面図、(d)は後枠の分解端面図である。
図8図1に示した屋外構造物に適用する枠体の要部を示す斜視図である。
図9図1に示した屋外構造物に適用する枠体の要部を示す平面図である。
図10図1に示した屋外構造物に適用する屋根構造体を示すもので、(a)は縦断面側面図、(b)は屋根材の断面図、(c)は補助屋根材の断面図である。
図11】本発明の実施の形態2である屋外構造物の斜視図である。
図12図11に示した屋外構造物を側枠側から見た正面図である。
図13図11に示した屋外構造物に適用する屋根構造体を示すもので、(a)は要部縦断面側面図、(b)はパネル用アタッチメントの断面図、(c)はパネル用アタッチメントとの間にパネルを支持するパネルカバー部材の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る屋根構造体及び屋外構造物の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0010】
(実施の形態1)
図1図4は、本発明の実施の形態1である屋外構造物を示すものである。ここで例示する屋外構造物は、駐車スペースPSに設けられるカーポートとして用いられるもので、支持構造体10及び屋根構造体20を備えて構成してある。
【0011】
支持構造体10は、後述する屋根構造体20を支持するためのもので、支柱11と、支柱11の上部に設けた梁12とを備えている。本実施の形態1では、駐車スペースPSの一側に支柱11を2本並設するとともに、それぞれの支柱11の上部から同一方向に向けて漸次上方となるように梁12を傾斜延在することによって支持構造体10が構成してある。
【0012】
支柱11は、図5(a)に示すように、断面が略長方形の筒状を成す柱基部11aと、柱基部11aの2つの隅部からそれぞれ同一方向に向けて延在した2つの外方ヒレ部11bとを一体に成形した押し出し形材であり、例えばアルミニウム合金等の金属によって成形してある。それぞれの支柱11は、図1図4に示すように、外方ヒレ部11bが駐車スペースPSの外側に向いた状態で互いにほぼ同じ高さとなるように地面Gから立設してある。2つの外方ヒレ部11bの間において地面Gよりも上方となる部分には、支柱カバー13が装着してある。
【0013】
梁12は、図5(b)に示すように、断面が略長方形の筒状を成す梁基部12aと、梁基部12aの2つの隅部に設けた梁樋構成部12bとを一体に成形した押し出し形材であり、例えばアルミニウム合金等の金属によって成形してある。梁樋構成部12bは、梁基部12aにおいて下方となる2つの隅部から互いに離反する方向に向けて左右方向に延在した後、上方に向けて屈曲することにより、梁基部12aとの間に梁樋部12cを構成するものである。この梁12は、支柱11よりも幅の狭い寸法に構成してある。
【0014】
支柱11と梁12との連結部分には、連結ブラケット14が用いてある。連結ブラケット14は、図6に示すように、支柱11において柱基部11aの筒内部に挿入される柱挿入部分14aと、梁12において梁基部12aの筒内部に挿入される梁挿入部分14bとを有し、柱挿入部分14aの一端部から梁挿入部分14bが交差する方向に延在したものである。この連結ブラケット14は、柱挿入部分14aを柱基部11aの筒内部に挿入するとともに、梁挿入部分14bを梁基部12aの筒内部に挿入し、支柱11と連結ブラケット14との間及び梁12と連結ブラケット14との間をそれぞれ連結ボルト(連結部材)15を螺合することにより、支柱11と梁12との間を連結している。図からも明らかなように、連結ブラケット14と支柱11との間においては、外方ヒレ部11bの相互間において柱基部11aを介して連結ブラケット14に連結ボルト15が螺合してある。従って、カーポートの使用時においては、支柱カバー13によって連結ボルト15が覆われることになり、外観品質の点で有利となる。また、連結ブラケット14と梁12との間においては、梁12の上面を介して連結ブラケット14に連結ボルト15が螺合してある。カーポートの使用時においては、梁12の上面が高所となるため、連結ボルト15を視認することが困難となり、外観品質の点で有利となる。
【0015】
屋根構造体20は、図1図4に示すように、枠体120と、枠体120の内部に設けた複数の屋根材220及び補助屋根材230とを備えている。枠体120は、互いにほぼ平行となるように配設した2つの側枠121の端部間に前枠122及び後枠123を配設することによって長方形状に構成したものである。これら側枠121、前枠122、後枠123は、それぞれアルミニウム合金等の金属によって成形した押し出し形材であり、長手に沿った全長にわたる部分がほぼ一様の断面形状を有するように構成してある。
【0016】
図7(a)、図7(b)に示すように、2つの側枠121は、互いに対称となる断面形状を有するもので、側枠基板部121a、側枠上方フィン部121b、側枠下方フィン部121c、排水樋構成部121d、屋根材連結部121e、側枠カバー部121fが一体に成形してある。側枠基板部121aは、上下に沿って延在する平板状を成すものである。側枠上方フィン部121bは、側枠基板部121aにおいて外周側となる表面の上方部から外周側に突出するように設けたもので、断面が略長方形の筒状に構成してある。側枠下方フィン部121cは、側枠基板部121aにおいて外周側となる表面の下端部から外周側に突出するように設けたもので、断面が略長方形の筒状に構成してある。側枠基板部121aからの側枠下方フィン部121cの突出寸法は、側枠上方フィン部121bよりも小さく設定してある。排水樋構成部121dは、側枠基板部121aの下端縁部から内周側に向けて左右方向に延在した後、上方に向けて屈曲することにより、側枠基板部121aとの間に排水樋部121gを構成するものである。屋根材連結部121eは、側枠基板部121aの上端縁部から内周側に向けて左右方向に延在したものである。側枠カバー部121fは、側枠基板部121aにおいて内周側となる表面の上方部から内周側に突出するように設けた板状を成すものである。側枠カバー部121fの突出縁部は、上方に向けて屈曲している。側枠カバー部121fと屋根材連結部121eとの間には、後述する屋根材220及び補助屋根材230(以下、単に屋根材等220,230という場合がある)を収容することのできる隙間が確保してある。
【0017】
前枠122は、図7(c)に示すように、前方屋根材支持部122a、屋根端対向部122b、前枠水受け樋構成部122c、前枠上方フィン連結部122d、前枠下方フィン部122eを一体に成形したものである。前方屋根材支持部122aは、断面が略長方形の筒状を成すものである。前方屋根材支持部122aの内周側に位置する上方の隅部には、前枠当接部122fが設けてある。前枠当接部122fは、前方屋根材支持部122aの上面よりも上方に突出したもので、上方に向いた前方当接面122gを有するとともに、前方当接面122gよりも内周側となる部分に水密材122hを備えている。前方屋根材支持部122aの上面において前枠当接部122fよりも外周側となる部分は、後述する屋根材等220,230の下面220a1,230a1との間に前枠止水用空間122iを確保すべく前枠当接部122fよりも一段低く構成してある。屋根端対向部122bは、断面が略長方形の筒状を成すもので、前方屋根材支持部122aの上面において外周側となる縁部から上方に突出するように設けてある。屋根端対向部122bの内周側に位置する上方の隅部には、螺合用溝部122jが設けてある。螺合用溝部122jは、上方に開口する溝状の凹所である。前枠水受け樋構成部122cは、前方屋根材支持部122aの内周側に位置する下方の隅部から内周側に向けて左右方向に延在した後、上方に向けて屈曲することにより前方屋根材支持部122aとの間に前枠水受け樋部122kを構成するものである。前枠上方フィン連結部122dは、断面が長方形の筒状を成す上方フィン部材124を装着するための2つの突出部であり、屋根端対向部122bの外周側となる表面から外周側に向けて突出している。前枠下方フィン部122eは、前方屋根材支持部122aにおいて外周側となる下端部表面から外周側に突出するように設けたもので、断面が略長方形の筒状に構成してある。前枠下方フィン部122eの突出寸法は、側枠121に設けた側枠下方フィン部121cとほぼ同じである。
【0018】
後枠123は、図7(d)に示すように、前枠122との間に後述する屋根材等220,230を支持するもので、後方屋根材支持部123a、後枠水受け樋構成部123b、横樋構成部123c、後枠上方フィン連結部123d、後枠下方フィン部123eが一体に成形してある。後方屋根材支持部123aは、断面が略四角形の筒状を成すもので、内周側に位置する上方の隅部に後枠当接部123fを有している。後枠当接部123fは、後方屋根材支持部123aの上面よりも上方に突出したもので、上方に向いた後方当接面123gを有するとともに、後方当接面123gよりも内周側となる部分に水密材123hを備えている。後方屋根材支持部123aの上面において後枠当接部123fよりも外周側となる部分は、後述する屋根材等220,230の下面220a1,230a1との間に後枠止水用空間123iを確保すべく後枠当接部123fよりも一段低く構成してある。後枠水受け樋構成部123bは、後方屋根材支持部123aの内周側に位置する下方の隅部から内周側に向けて左右方向に延在した後、上方に向けて屈曲することにより後方屋根材支持部123aとの間に後枠水受け樋部123jを構成するものである。横樋構成部123cは、後方屋根材支持部123aにおいて外周側となる表面の下端縁から外周側に向けて左右方向に延在した後に屈曲し、上方に向けて延在することにより後方屋根材支持部123aとの間に横樋部123kを構成するものである。横樋構成部123cの延在縁部は、後枠当接部123fよりも上方に突出し、前枠122に設けた屋根端対向部122bの上面とほぼ同じ高さとなっている。後枠上方フィン連結部123dは、上方フィン部材124を装着するための2つの突出部であり、横樋構成部123cにおいて上下に延在する部分の外周側となる表面から外周側に向けて突出している。後枠下方フィン部123eは、横樋構成部123cにおいて上下に延在する部分の外周側となる下端部表面から外周側に突出するように設けたもので、断面が略長方形の筒状に構成してある。後枠下方フィン部123eの突出寸法は、側枠121に設けた側枠下方フィン部121cとほぼ同じである。
【0019】
上記の構成を有する側枠121、前枠122及び後枠123は、図8図9に示すように、側枠121に設けた排水樋構成部121dの上方に延在する部分の両端部及び側枠カバー部121fの両端部にそれぞれ予め切欠125を形成し、前枠122の端部及び後枠123の端部がそれぞれ側枠基板部121aの内周側となる表面に近接した状態で四周組することにより屋根構造体20の枠体120を構成する。図中の符号126は、側枠121と前枠122及び後枠123との間の出隅部に設けたコーナーキャップである。
【0020】
屋根材220及び補助屋根材230は、図1図4図10に示すように、互いに並設することによって枠体120の内部を覆うものである。本実施の形態1では屋根材220及び補助屋根材230として、アルミニウム合金等の金属によって成形した押し出し形材からなるものを適用している。
【0021】
屋根材220は、図10(b)に示すように、基板部(基部)220a、第1連結板部(第1連結部)220b、第2連結板部(第2連結部)220cを一体に成形したもので、前枠122と後枠123との間に架け渡すことのできる長さを有している。基板部220aは、平板状を成すものである。第1連結板部220bは、基板部220aの一方の縁部からほぼ鉛直に沿って上方に延在したものである。第2連結板部220cは、基板部220aの他方の縁部から外側に向けて上方となるように傾斜延在した後、ほぼ鉛直に沿って上方に延在したものである。第1連結板部220b及び第2連結板部220cの高さ方向の寸法は、側枠121に設けた側枠カバー部121fと屋根材連結部121eとの間の隙間よりも小さく設定してある。第1連結板部220bには、外側の表面に溝構成部220d及び水受け構成部220eが設けてあり、第2連結板部220cには、外側の表面に溝カバー部220f及び水受けカバー部220gが設けてある。
【0022】
溝構成部220dは、第1連結板部220bの上方部から外側に向けて左右方向に延在した後、ほぼ鉛直に沿って上方に延在することにより第1連結板部220bとの間に溝部220hを構成するものである。溝部220hは、上方に開口する凹所であり、第1連結板部220bの長手に沿った全長に形成してある。
【0023】
水受け構成部220eは、第1連結板部220bの下端縁部から外側に向けて上方となるように傾斜延在した後、外側に向けて左右方向に延在し、さらにほぼ鉛直に沿って上方に延在することにより、第1連結板部220bとの間に水受け部220iを構成するものである。水受け部220iは、上方に開口し、かつ溝部220hよりも外側に突出するように設けた幅広の凹所であり、第1連結板部220bの長手に沿った全長に形成してある。第1連結板部220bからの水受け構成部220eの突出寸法は、側枠121において側枠基板部121aからの屋根材連結部121eの突出寸法よりも短く設定してある。水受け構成部220eにおいて傾斜延在する部分は、傾斜角度及び高さ寸法が第2連結板部220cにおいて傾斜延在する部分とほぼ同じである。すなわち、第1連結板部220bと第2連結板部220cとが対向するように2枚の屋根材220を並設した場合に、互いの下方部の間にほぼ等脚台形状の凹部220jが構成されるように第2連結板部220c及び水受け構成部220eが構成してある。
【0024】
溝カバー部220fは、第2連結板部220cの上縁部から外側に向けて左右方向に延在したものである。溝カバー部220fの延在縁部には、下方に向けて延在するように水切り部220kが設けてある。水切り部220kの下縁部は、外側に向けて下方となるように傾斜している。溝カバー部220fの下面の高さ寸法は、第1連結板部220bの上縁までの高さ寸法とほぼ同じとなるように設定してある。第2連結板部220cからの溝カバー部220fの突出寸法は、第1連結板部220bからの水受け構成部220eの突出寸法よりも大きく設定してある。
【0025】
水受けカバー部220gは、第2連結板部220cのほぼ中間となる部分から外側に向けて左右方向に延在した後、下方に向けて延在することにより第2連結板部220cとの間に挿入溝220mを構成するものである。水受けカバー部220gの下縁部は、外側に向けて下方となるように傾斜している。挿入溝220mの幅は、水受け構成部220eの鉛直に沿った部分を挿入することのできる寸法に設定してある。挿入溝220mの内底面の高さは、水受け構成部220eの上縁までの高さ寸法とほぼ同じとなるように設定してある。
【0026】
補助屋根材230は、図10(c)に示すように、補助基板部(補助基部)230a、2つの補助第1連結板部(補助第1連結部)230bを一体に成形したもので、屋根材220とほぼ同じ長さを有している。補助基板部230aは、屋根材220の基板部220aと同様、平板状を成すものである。2つの補助第1連結板部230bは、補助基板部230aの両側部からそれぞれほぼ鉛直に沿って上方に延在したものである。補助第1連結板部230bの高さ方向の寸法は、屋根材220の第1連結板部220bとほぼ同じである。2つの補助第1連結板部230bには、それぞれの外側の表面に溝構成部230c及び水受け構成部230dが設けてある。溝構成部230c及び水受け構成部230dは、屋根材220に設けたものと同一のもので、補助屋根材230に溝部220h及び水受け部220iを構成している。
【0027】
上記のように構成した屋根材220及び補助屋根材230は、以下のようにして相互に並設した状態で枠体120に固定することにより屋根構造体20を構成する。すなわち、屋根材220は、第1連結板部220bと第2連結板部220cとが互いに対向する姿勢で並設し、水受け構成部220eを挿入溝220mに挿入するとともに、溝部220hを溝カバー部220fによって覆った状態とする。このとき、水受けカバー部220gが溝カバー部220fと同じ第2連結板部220cに設けてあるため、第1連結板部220bに設けた溝部220hを溝カバー部220fによって覆う際に、第1連結板部220bに設けた水受け構成部220eを水受けカバー部220gによって同時に覆うことが可能となり、屋根材220を相互に並設させる際の作業を容易に行うことが可能である。
【0028】
この状態から溝カバー部220fを介して溝部220hにネジ(連結具)240を螺合すれば、複数の屋根材220を互いに並設した状態で相互間を連結することができる。屋根材220と前枠122との間は、基板部220aを介して前方屋根材支持部122aの前方当接面122gにネジ241を螺合することによって相互間を固定することが可能である。屋根端対向部122bには、内周側となる表面に予め端部水密材122mを配設し、この端部水密材122mを介して屋根材220の端部を隙間無く当接させることが好ましい。同様に、屋根材220と後枠123との間は、基板部220aを介して後方屋根材支持部123aの後方当接面123gにネジ242を螺合することによって相互間を固定することが可能である。屋根材220の第1連結板部220bと側枠121との間は、第1連結板部220bを側枠121の側枠カバー部121fと屋根材連結部121eとの間に配置し、屋根材連結部121eを介して溝部220hにネジ243を螺合することによって相互間を固定することができる。屋根材220の第2連結板部220cと側枠121との間は、補助屋根材230を介在させ、側枠121の屋根材連結部121eを介して補助屋根材230の溝部220hにネジ244を螺合することによって相互間を固定することが可能となる。
【0029】
枠体120に屋根材220及び補助屋根材230を固定した後においては、屋根端対向部122bの上部に前枠カバー250を設ける一方、屋根材220及び補助屋根材230と後枠123との間に屋根材カバー260を設けるようにしている。前枠カバー250は、屋根端対向部122bの螺合用溝部122jにネジ245を螺合することによって屋根端対向部122bの上面から屋根材220の端部を覆うように設けたものである。屋根材カバー260は、屋根材220の上部から後枠123に向けて延在した後、横樋部123kにおいて下方に延在するもので、屋根材220の溝部220hにネジ246を螺合することによって屋根材220に取り付けてある。
【0030】
この屋根構造体20は、側枠121が梁12の延在方向に沿い、かつ後枠123が支柱11側となる状態で支持構造体10の上部に配置し、枠体120の前枠122及び後枠123を介して梁12や支柱11に適宜ネジ部材247を螺合することにより支持構造体10の上部に取り付けた状態となる。支持構造体10に取り付けた屋根構造体20には、後枠123に設けた横樋部123kにおいて一方の支柱11に対応する部分にドレン部材270を配設する。ドレン部材270は、横樋部123kに貯留された水を下方に排出するためのもので、その下端部を支柱11に設けた縦樋280に接続する。図には明示していないが、縦樋280は、支柱11において外方ヒレ部11b及び支柱カバー13の相互間となる部分に上下に沿って延在するものである。これにより、横樋部123kに貯留された水は、ドレン部材270及び縦樋280を介して地面Gに排出されることになる。
【0031】
ここで、上述の屋根構造体20では、屋根材等220,230の下面220a1,230a1が前枠122の下面122a1及び後枠123の下面123a1よりも上方に位置するように設けてある。つまり、屋根材220及び補助屋根材230は、それぞれの下面となる基板部220a及び補助基板部230aが前枠122に設けた前方屋根材支持部122a及び後枠123に設けた後方屋根材支持部123aに当接した状態にあり、前枠122の下面122a1や後枠123の下面123a1が当接する支持構造体10の上面よりも上位となる。従って、この屋根構造体20によれば、複数の屋根材220に架け渡す上梁や梁12と上梁との間に介在させる束部材といった別の部品を要することなく屋根材等220,230と梁12との間に空間を確保することができ、組み立てる際の作業を煩雑化することなく意匠性の向上を図ることができる。しかも、屋根材等220,230と梁12との間の空間に照明器具(図示せず)を配置すれば、照明器具が外部から視認されることなく屋根材等220,230の下面220a1,230a1を照明することが可能となり、外観品質を向上させることが可能となる。
【0032】
また、上述の屋根構造体20よれば、屋根材220の第1連結板部220b及び補助屋根材230の補助第1連結板部230bにそれぞれ溝部220hを設け、第2連結板部220cの溝カバー部220fを介して設けるネジ240,244をこの溝部220hに螺合させるようにしている。しかも溝カバー部220fの縁部には、水切り部220kが設けてある。従って、ネジ240,244として止水材が設けられた特殊のものを適用したり、溝カバー部220fと溝構成部220dとの間に専用の水密材を設けなくても、屋根材等220,230の相互間から駐車スペースPSへの漏水を来すおそれがない。すなわち、ネジ240,244を螺合した孔を通じて溝カバー部220fの下方に浸入した水や溝構成部220d,230cとの間の隙間から溝カバー部220fの下方に浸入した水は、いずれも溝部220hによって受け止められて貯留することになるため、駐車スペースPSに滴下するおそれがない。しかも、仮に溝部220hの水が溢れたとしても、溢れた水はその下方に設けた水受け部220iによって受け止められるため、駐車スペースPSに滴下する等の問題を招来する懸念がない。因に、屋根材等220,230の溝部220hや水受け部220iに受け止められた水は、後枠123に向けて進行し、後枠123の横樋部123kに排出された後、ドレン部材270及び縦樋280を介して地面Gに排出される。
【0033】
さらに、上述の屋根構造体20によれば、後枠123において屋根材等220,230に当接する後方当接面123gが後方屋根材支持部123aの内周側となる部分に設けてあり、屋根材等220,230の端部側となる部分が一段低くなって屋根材等220,230と非接触の後枠止水用空間123iを構成している。従って、後枠123に向けて進行した水が屋根材等220,230の端部において回り込み、屋根材等220,230の下面220a1,230a1を伝って前枠122側に進行したとしても途中で滴下させることができ、内周側への進行を妨げることができる。仮に、水が後枠止水用空間123iを超えて内周側に進行したとしても、屋根材等220,230の下面220a1,230a1との間に水密材123hが設けてあるため、内周側への進行を絶つことができる。さらに、上述の屋根構造体20によれば、後方屋根材支持部123aよりも下方の内周側となる部分に後枠水受け樋部123jを設けるようにしているため、水密材123hを超えて水が内周側に到達したとしても、後枠水受け樋部123jで受け止められることになり、漏水を招来するおそれがない。
【0034】
一方、前枠122と屋根材等220,230との間においては、屋根材等220,230の端部と屋根端対向部122bとの間に端部水密材122mが設けてある。従って、例えば強風等の影響により屋根材等220,230の上面の水が前枠122側に進行したとしても、端部水密材122mによって止水され、屋根材等220,230の下方に漏水する事態を防止することができる。しかも、前枠122において屋根材等220,230に当接する前方当接面122gが前方屋根材支持部122aの内周側となる部分に設けてあり、屋根材等220,230の端部側となる部分が一段低くなって屋根材等220,230と非接触の前枠止水用空間122iを構成している。従って、仮に屋根材等220,230の端部において回り込んだ水が下面220a1,230a1を伝って後枠123側に進行したとしても、途中で滴下させることができ、内周側への進行を妨げることができる。加えて、後枠123と同様、屋根材等220,230の下面220a1,230a1との間に水密材122hが設けてあるため、内周側への水の進行を絶つことができる。さらに、上述の屋根構造体20によれば、前方屋根材支持部122aよりも下方の内周側となる部分に前枠水受け樋部122kを設けるようにしているため、水密材122hを超えて水が内周側に到達したとしても、前枠水受け樋部122kで受け止められることになり、漏水を招来するおそれがない。因に、前枠止水用空間122iで滴下した水や前枠水受け樋部122kで受け止めた水は、いずれかの端部を介して側枠121の排水樋部121gに排出され、その後に排水樋部121gによって案内された後、適宜地面Gに排出されることになる。
【0035】
(実施の形態2)
図11図13は、本発明の実施の形態2である屋外構造物を示すものである。ここで例示する屋外構造物は、実施の形態1と同様、駐車スペースPSに設けられるカーポートとして用いられるもので、実施の形態1とは屋根構造体の一部が異なっている。以下、実施の形態1と異なる構成について主に説明し、実施の形態1と同様の構成には同一の符号を付して詳細説明を省略する。
【0036】
図11図13に示すように、実施の形態2の屋外構造物に適用する屋根構造体20′では、屋根材220に代えて枠体120の一部にパネル300が配設してある。パネル300は、ポリカーボネート等の透光性を有した樹脂によって成形したもので、屋根材220とほぼ同じ長さの平板状に構成してある。パネル300の両側となる部分には、それぞれパネル用アタッチメント310が配設してある。パネル用アタッチメント310は、パネルカバー部材320との間にパネル300の縁部を挟持するもので、前枠122と後枠123との間に架け渡すことのできる長さを有している。パネル用アタッチメント310及びパネルカバー部材320は、アルミニウム合金等の金属によって成形した押し出し形材であり、それぞれが長手に沿った全長にわたる部分がほぼ一様の断面形状を有するように構成してある。本実施の形態2のパネル用アタッチメント310は、アタッチ基板部310a、下方水密材保持部(パネル支持部)310b、アタッチ第2連結板部(アタッチ第2連結部)310c、アタッチ溝構成部310dを一体に成形したものであり、パネルカバー部材320は、カバー基板部320a、上方水密材保持部320b、溝係合突部320cを一体に成形したものである。
【0037】
アタッチ基板部310aは、平板状を成すものである。下方水密材保持部310bは、上方に開口したアリ溝状を成すもので、アタッチ基板部310aの上面において一方の縁部となる部分に設けてある。この下方水密材保持部310bには、下方水密材(パネル支持部)310eが全長にわたって一連に装着してある。アタッチ第2連結板部310cは、アタッチ基板部310aの他方の縁部からほぼ鉛直方向に沿って上方に延在したものである。アタッチ第2連結板部310cの高さ方向の寸法は、屋根材220の第2連結板部220cとほぼ同じである。アタッチ第2連結板部310cには、それぞれの外側の表面に溝カバー部310f及び水受けカバー部310gが設けてある。溝カバー部310f及び水受けカバー部310gは、屋根材220に設けた溝カバー部220f及び水受けカバー部220gと同一のものである。溝カバー部310fの延在縁部には、外側に向けて下方となるように傾斜した水切り部310hが設けてある。水受けカバー部310gは、アタッチ第2連結板部310cのほぼ中間となる部分から外側に向けて左右方向に延在した後、下方に向けて延在することによりアタッチ第2連結板部310cとの間に挿入溝310iを構成している。水受けカバー部310gの下縁部は、外側に向けて下方となるように傾斜している。アタッチ溝構成部310dは、上方に開口したアタッチ溝部310jを構成するためのもので、アタッチ基板部310aの上面において下方水密材保持部310bとアタッチ第2連結板部310cとの間のほぼ中間となる部分に設けてある。図からも明らかなように、アタッチ溝構成部310dにおいてアタッチ第2連結板部310cに近接する部分には、アタッチ第2連結板部310cとの間を連結する連結板部310kが設けてあり、アタッチ基板部310a、アタッチ第2連結板部310c及びアタッチ溝構成部310dの間に中空部310mを構成している。
【0038】
カバー基板部320aは、パネル用アタッチメント310のアタッチ溝構成部310dから下方水密材保持部310bまでの間を覆うことのできる幅を有した板状を成すものである。上方水密材保持部320bは、下方に開口したアリ溝状を成すもので、カバー基板部320aの下面において一方の縁部となる部分に設けてある。この上方水密材保持部320bには、上方水密材320dが全長にわたって一連に装着してある。溝係合突部320cは、アタッチ溝構成部310dを覆う状態で上方水密材保持部320bをパネル用アタッチメント310の下方水密材保持部310bに対向させた際にアタッチ溝構成部310dの両側に対応する部分から下方に向けて突出したものである。
【0039】
上記のように構成したパネル用アタッチメント310は、下方水密材保持部310bが互いに近接した状態で2つ並設するとともに、一方のパネル用アタッチメント310に補助屋根材230を連結することにより、互いに並設した屋根材220の相互間に配設することが可能となる。すなわち、屋根材220の第1連結板部220bに対しては、アタッチ第2連結板部310cが対向する姿勢で並設し、水受け構成部220eを挿入溝310iに挿入するとともに、溝部220hを溝カバー部310fによって覆った状態とする。この状態から溝カバー部310fを介して溝部220hにネジ330を螺合すれば、屋根材220とパネル用アタッチメント310との間を連結することができる。
【0040】
屋根材220の第2連結板部220cに対しては、補助屋根材230を介在させれば、水受け構成部230dを挿入溝310iに挿入するとともに、溝部220hを溝カバー部310fによって覆った状態とし、溝カバー部310fを介して溝部220hにネジ331を螺合すれば良い。
【0041】
互いに対向して配置したパネル用アタッチメント310の間には、両側縁部の下面がそれぞれ下方水密材310eに当接するようにパネル300を配置し、それぞれのパネル用アタッチメント310にパネルカバー部材320を保持させれば、パネル300を保持することが可能となる。パネルカバー部材320をパネル用アタッチメント310に保持させるには、上方水密材320dをそれぞれパネル300の縁部に当接させ、この状態からでカバー基板部320aを介してパネル用アタッチメント310のアタッチ溝部310jにネジ332を螺合すれば良い。パネル300と前枠122との間は、前方屋根材支持部122aの前方当接面122gに前方アタッチメント340を介在させ、前方アタッチメント340に設けた前方水密材340aを当接させることにより、前方アタッチメント340によってパネル300の端部上面を支持するようにしている。同様に、パネル300と後枠123との間は、後方屋根材支持部123aに後方アタッチメント350を介在させ、後方アタッチメント350に設けた後方水密材350aを当接させることにより、後方アタッチメント350によってパネル300の端部上面を支持するようにしている。
【0042】
この実施の形態2の屋根構造体20′においても、実施の形態1の屋根構造体20と同様、屋根材220の第1連結板部220b及び補助屋根材230の補助第1連結板部230bにそれぞれ溝部220hを設け、第2連結板部220cの溝カバー部220fを介して設けるネジ240,244をこの溝部220hに螺合させるようにしている。しかも溝カバー部220fの縁部には、水切り部220kが設けてある。従って、ネジ240,244として止水材が設けられた特殊のものを適用したり、溝カバー部220fと溝構成部220dとの間に専用の水密材を設けなくても、屋根材等220,230の相互間から駐車スペースPSへの漏水を来すおそれがない。すなわち、ネジ240,244を螺合した孔を通じて溝カバー部220fの下方に浸入した水や溝構成部220d,230cとの間の隙間から溝カバー部220fの下方に浸入した水は、いずれも溝部220hによって受け止められて貯留することになるため、駐車スペースPSに滴下するおそれがない。しかも、仮に溝部220hの水が溢れたとしても、溢れた水はその下方に設けた水受け部220iによって受け止められるため、駐車スペースPSに滴下する等の問題を招来する懸念がない。因に、屋根材等220,230の溝部220hや水受け部220iに受け止められた水は、後枠123に向けて進行し、後枠123の横樋部123kに排出された後、ドレン部材270及び縦樋280を介して地面Gに排出される。
【0043】
また、パネル用アタッチメント310と屋根材220との間、パネル用アタッチメント310と補助屋根材230との間においても、溝カバー部310fを介して設けるネジ330,331が溝部220hに螺合されるため、屋根材220の相互間と同等の水密効果を得ることができる。パネル300とパネル用アタッチメント310及びパネルカバー部材320との間においては、上方水密材320d及び下方水密材310eが設けてあるため、互いの隙間から水が浸入する事態を防止することができる。仮に、パネル300とパネル用アタッチメント310やパネルカバー部材320との隙間から水が浸入したとしても、アタッチ基板部310aの上面に受け止められることになり、駐車スペースPSに滴下する事態を招来する懸念がない。アタッチ基板部310aの上面に受け止められた水も、後枠123に向けて進行し、後枠123の横樋部123kに排出された後、ドレン部材270及び縦樋280を介して地面Gに排出される。
【0044】
なお、上述した実施の形態では、カーポートを例示しているが、支持構造体によって支持される屋根構造体を備えた屋外構造物であれば、その他のものにも適用することが可能である。また、支持構造体として支柱及び柱を2つずつ備えたものを例示しているが、支持構造体の数はこれに限定されない。さらに、支持構造体に対して前枠よりも後枠が低くなる状態で屋根構造体を支持させるようにしているが、前枠と後枠とが同じ高さとなるように屋根構造体を支持させるようにしても良い。またさらに、側枠が梁の延在方向に沿った状態、つまり前枠が梁の延在方向に対して直交する状態で屋根構造体を支持構造体に支持させるようにしているが、必ずしもこれに限定されず、前枠が梁の延在方向に対して交差していても良いし、前枠が梁の延在方向に沿った状態で屋根構造体が支持構造体に支持されていても良い。
【0045】
また、上述した実施の形態では、屋根材の基部、第1連結部、第2連結部、並びに補助屋根材の補助基部、補助第1連結部として、それぞれが板状を成すものを例示しているが、必ずしもこれに限定されない。さらに、第1連結部の下部に水受け構成部を設ける一方、第2連結部の下部に水受けカバー部を設けるようにしているが、第1連結部の下部に水受けカバー部を設ける一方、第2連結部の下部に水受け構成部を設けるようにすることも可能である。
【0046】
以上のように、本発明に係る屋根構造体は、互いに並設した状態で相互間が連結された複数の屋根材を備える屋根構造体であって、前記屋根材は、基部と、前記基部の両側部から上方に向けて突出する第1連結部及び第2連結部とを有し、前記第1連結部の上部には、上方に開口した溝部を構成する溝構成部が設けられ、前記第2連結部の上部には、前記溝部の開口を覆う溝カバー部が設けられ、前記溝カバー部が前記溝部を覆う状態で前記複数の屋根材が並設され、前記溝カバー部を介して前記溝部に連結具を挿通させることにより前記屋根材の相互間が連結されていることを特徴としている。
この発明によれば、第1連結部において第2連結部との連結部分に溝部が設けてあるため、第1連結部と第2連結部との接合部から進入した水が溝部によって受け止められることになる。従って、第1連結部と第2連結部との間に水密材を設けることなく漏水を防止することができ、組立作業の作業性や製造コストの点で有利となる。しかも、第2連結部に設けた溝カバー部を介して第1連結部の溝部に連結具を挿通させるようにしているため、水密性に影響を与えることなく第1連結部と第2連結部との間を強固に連結することが可能となる。
【0047】
また本発明は、上述した屋根構造体において、前記第2連結部の下部及び前記第1連結部の下部のいずれか一方には、相互間において上方に開口した水受け部を構成する水受け構成部が設けられ、かついずれか他方には前記水受け構成部の上縁部を覆う水受けカバー部が設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、仮に溝部から水が溢れたとしてもその下方に設けた水受け部によってこれを受け止めることができるため、漏水をより確実に防止することが可能となる。
【0048】
また本発明は、上述した屋根構造体において、前記屋根材には、前記第1連結部の下部に前記水受け構成部が設けられる一方、前記第2連結部の下部に前記水受けカバー部が設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、水受けカバー部が溝カバー部と同じ第2連結部の側に設けてあるため、第1連結部に設けた溝部を溝カバー部によって覆う際に、第1連結部に設けた水受け構成部を水受けカバー部によって同時に覆うことが可能となり、屋根材を相互に並設させる際の作業性の点で有利となる。
【0049】
また本発明は、上述した屋根構造体において、前記溝カバー部の縁部には、下方に向けて延在するように水切り部が設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、溝カバー部と溝構成部との隙間から水が進入する事態を防止することができ、より確実に漏水を防止することができる。
【0050】
また本発明は、上述した屋根構造体において、補助基部の両側部にそれぞれ前記第1連結部と同一形状の補助第1連結部が設けられた補助屋根材と、一方の端部に前記第2連結部と同一形状のアタッチ第2連結部が設けられ、かつ他方の縁部にパネル支持部が設けられたパネル用アタッチメントとを備え、前記屋根材の前記第1連結部に前記パネル用アタッチメントが連結されるとともに、前記補助屋根材の前記補助第1連結部に前記パネル用アタッチメントが連結され、これらパネル用アタッチメントの間に透光性を有したパネルが支持されていることを特徴としている。
この発明によれば、並設された複数の屋根材の間に大きな変更を要することなく透光性を有したパネルを配置することが可能となる。
【0051】
また、本発明に係る屋外構造物は、上述した屋根構造体が支持構造体の上部に設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、第1連結部において第2連結部との連結部分に溝部が設けてあるため、第1連結部と第2連結部との接合部から進入した水が溝部によって受け止められることになる。従って、第1連結部と第2連結部との間に水密材を設けることなく漏水を防止することができ、組立作業の作業性や製造コストの点で有利となる。しかも、第2連結部に設けた溝カバー部を介して第1連結部の溝部に連結具を挿通させるようにしているため、水密性に影響を与えることなく第1連結部と第2連結部との間を強固に連結することが可能となる。
【符号の説明】
【0052】
10 支持構造体、20,20′ 屋根構造体、220 屋根材、220a 基板部、220b 第1連結板部、220c 第2連結板部、220d 溝構成部、220e 水受け構成部、220f 溝カバー部、220g 水受けカバー部、220h 溝部、220i 水受け部、220k 水切り部、230 補助屋根材、230a 補助基板部、230b 補助第1連結板部、240 ネジ、300 パネル、310 パネル用アタッチメント、310c アタッチ第2連結板部、310b 下方水密材保持部、310e 下方水密材
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