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特開2024-44345広告情報処理システム、その制御方法、及びコンピュータの制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044345
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】広告情報処理システム、その制御方法、及びコンピュータの制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0242 20230101AFI20240326BHJP
【FI】
G06Q30/02 382
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022149820
(22)【出願日】2022-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】597151563
【氏名又は名称】株式会社ゼンリン
(74)【代理人】
【識別番号】100196829
【弁理士】
【氏名又は名称】中澤 言一
(72)【発明者】
【氏名】手嶋 侑斗
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】広告情報処理システムは、領域ごとの特定が考慮された広告効果の結果出力を可能とする。
【解決手段】広告情報処理システムは、複数の領域のそれぞれに関連付けて、各領域の潜在顧客数の情報と、各領域に配布された複数の広告物に対応する商品又はサービスの提供を受けた顧客の数を示す顧客獲得数の情報とを記憶する記憶部と、領域ごとに、潜在顧客数に対する顧客獲得数の割合を示す反響率を算出する算出部と、算出された反響率に基づいて、複数の領域の中から所定数の領域を抽出する決定部と、抽出された所定数の領域に関する情報を表示部に表示する表示処理部と、を有することを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の領域のそれぞれに関連付けて、各領域の潜在顧客数の情報と、各領域に配布された複数の広告物に対応する商品又はサービスの提供を受けた顧客の数を示す顧客獲得数の情報とを記憶する記憶部と、
前記領域ごとに、前記潜在顧客数に対する前記顧客獲得数の割合を示す反響率を算出する算出部と、
前記算出された反響率に基づいて、前記複数の領域の中から所定数の領域を抽出する決定部と、
前記抽出された前記所定数の領域に関する情報を表示部に表示する表示処理部と、
を有することを特徴とする広告情報処理システム。
【請求項2】
前記顧客による前記広告物に対応する商品又はサービスの要求に応じて送信された前記顧客の住所を示す情報を取得する取得部と、
前記取得部によって前記顧客の住所を示す情報が取得された場合、前記複数の領域の中から前記顧客の住所を含む領域を特定し、前記特定された領域の前記顧客獲得数を増加させ、前記増加された顧客獲得数を前記特定された領域に関連付けて前記記憶部に記憶する記憶処理部と、を更に有する、請求項1に記載の広告情報処理システム。
【請求項3】
前記取得部は、前記広告物に対応する商品又はサービスの提供者によって入力された前記顧客の住所を示す情報を取得する、請求項2に記載の広告情報処理システム。
【請求項4】
前記顧客が所持する前記広告物に対応する商品又はサービスの提供を受ける施設内の所定の読取装置によって、前記顧客が所持する前記広告物に表示された識別情報が読み取られた場合、前記取得部は、前記読み取られた識別情報によって特定された住所を示す情報を取得する、請求項2に記載の広告情報処理システム。
【請求項5】
前記広告物に対応する商品又はサービスの要求を示す要求情報が、前記顧客が所持する端末装置から送信された場合、前記取得部は、各顧客によって送信された前記各顧客の住所を示す情報を記憶する外部装置から、前記要求情報を送信した前記端末装置を所持する前記顧客の住所を示す情報を取得する、請求項2に記載の広告情報処理システム。
【請求項6】
前記表示処理部は、前記複数の領域のそれぞれの前記顧客獲得数に関する情報を前記表示部に表示する、請求項1に記載の広告情報処理システム。
【請求項7】
記憶部と算出部と決定部と表示処理部とを有する広告情報処理システムの制御方法であって、
前記記憶部には、複数の領域のそれぞれに関連付けて、各領域の潜在顧客数の情報と、各領域に配布された複数の広告物に対応する商品又はサービスの提供を受けた顧客の数を示す顧客獲得数の情報とが記憶され、
前記算出部が、前記領域ごとに、前記潜在顧客数に対する前記顧客獲得数の割合を示す反響率を算出し、
前記決定部が、前記算出された反響率に基づいて、前記複数の領域の中から所定数の領域を抽出し、
前記表示処理部が、前記抽出された前記所定数の領域に関する情報を表示部に表示すること、
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項8】
記憶部を有するコンピュータの制御プログラムであって、
前記記憶部には、複数の領域のそれぞれに関連付けて、各領域の潜在顧客数の情報と、各領域に配布された複数の広告物に対応する商品又はサービスの提供を受けた顧客の数を示す顧客獲得数の情報とが記憶され、
前記コンピュータに、
前記領域ごとに、前記潜在顧客数に対する前記顧客獲得数の割合を示す反響率を算出し、
前記算出された反響率に基づいて、前記複数の領域の中から所定数の領域を抽出し、
前記抽出された前記所定数の領域に関する情報を表示部に表示すること、
を実行させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示された実施形態は、広告情報処理システム、その制御方法、及びコンピュータの制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、特定の地域内の住宅等にチラシ等の広告物がポスティングされた場合の公告効果を算出する広告情報処理システムが知られている。このような広告情報処理システムでは、店舗等において回収された、各顧客によって持参された広告物に基づいて、当該広告物の広告効果が算出される。
【0003】
例えば、特許文献1には、店舗内において、顧客が広告物に表示されたバーコードを、自身の端末を用いて読み取ると、管理センターが、バーコードに関する情報を記憶する広告情報処理システムが記載されている。この管理センターは、顧客ごとに、所在地情報、来店情報、来店経路等を管理することができ、各顧客の位置を点で示した地図を表示することができる。このような広告情報処理システムによって、来店したことがある顧客が多い領域に広告物を配布する等の広告配布計画を策定することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-182338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の広告情報処理システムでは、店舗利用が想定される人口が多いにも関わらず店舗が利用されていない等の領域特性が考慮された広告効果結果の出力ができず、広告策定者に誤った情報が提供されてしまう場合があった。
【0006】
本明細書で開示された広告情報処理システム、その制御方法、及びコンピュータは、領域ごとの特定が考慮された広告効果の結果出力を可能とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示された広告情報処理システムは、複数の領域のそれぞれに関連付けて、各領域の潜在顧客数の情報と、各領域に配布された複数の広告物に対応する商品又はサービスの提供を受けた顧客の数を示す顧客獲得数の情報とを記憶する記憶部と、領域ごとに、潜在顧客数に対する顧客獲得数の割合を示す反響率を算出する算出部と、算出された反響率に基づいて、複数の領域の中から所定数の領域を抽出する決定部と、抽出された所定数の領域に関する情報を表示部に表示する表示処理部と、を有する。
【0008】
また、開示された広告情報処理システムにおいて、顧客による広告物に対応する商品又はサービスの要求に応じて送信された顧客の住所を示す情報を取得する取得部と、取得部によって顧客の住所を示す情報が取得された場合、複数の領域の中から顧客の住所を含む領域を特定し、特定された領域の顧客獲得数を増加させ、増加された顧客獲得数を特定された領域に関連付けて記憶部に記憶する記憶処理部と、を更に有することが好ましい。
【0009】
また、開示された広告情報処理システムにおいて、取得部は、広告物に対応する商品又はサービスの提供者によって入力された顧客の住所を示す情報を取得することが好ましい。
【0010】
また、開示された広告情報処理システムにおいて、顧客が所持する広告物に対応する商品又はサービスの提供を受ける施設内の所定の読取装置によって、顧客が所持する広告物に表示された識別情報が読み取られた場合、取得部は、読み取られた識別情報によって特定された住所を示す情報を取得することが好ましい。
【0011】
また、開示された広告情報処理システムにおいて、広告物に対応する商品又はサービスの要求を示す要求情報が、顧客が所持する端末装置から送信された場合、取得部は、各顧客によって送信された各顧客の住所を示す情報を記憶する外部装置から、要求情報を送信した端末装置を所持する顧客の住所を示す情報を取得することが好ましい。
【0012】
また、開示された広告情報処理システムにおいて、表示処理部は、複数の領域のそれぞれの顧客獲得数に関する情報を表示部に表示することが好ましい。
【0013】
開示された制御方法は、記憶部と算出部と決定部と表示処理部とを有する広告情報処理システムの制御方法であって、記憶部には、複数の領域のそれぞれに関連付けて、各領域の潜在顧客数の情報と、各領域に配布された複数の広告物に対応する商品又はサービスの提供を受けた顧客の数を示す顧客獲得数の情報とが記憶され、算出部が、領域ごとに、潜在顧客数に対する顧客獲得数の割合を示す反響率を算出し、決定部が、算出された反響率に基づいて、複数の領域の中から所定数の領域を抽出し、表示処理部が、抽出された所定数の領域に関する情報を表示部に表示すること、を含む。
【0014】
開示された制御プログラムは、記憶部を有するコンピュータの制御プログラムであって、記憶部には、複数の領域のそれぞれに関連付けて、各領域の潜在顧客数の情報と、各領域に配布された複数の広告物に対応する商品又はサービスの提供を受けた顧客の数を示す顧客獲得数の情報とが記憶され、コンピュータに、領域ごとに、潜在顧客数に対する顧客獲得数の割合を示す反響率を算出し、算出された反響率に基づいて、複数の領域の中から所定数の領域を抽出し、抽出された所定数の領域に関する情報を表示部に表示すること、を実行させる。
【発明の効果】
【0015】
開示された広告情報処理システム、その制御方法、及びコンピュータによって、領域ごとの特定が考慮された広告効果の結果出力が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】広告情報処理システムの概略構成の一例を示す図である。
図2】端末装置の概略構成の一例を示す図である。
図3】サーバ装置の概略構成の一例を示す図である。
図4】各種テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図5】各種テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図6】端末装置の表示部に表示される画面の一例を示す図である。
図7】端末装置の表示部に表示される画面の一例を示す図である。
図8】広告情報処理システムの動作シーケンスの一例を示す図である。
図9】抽出処理の動作フローの一例を示す図である。
図10】(a)は、取得処理の動作フローの一例を示す図であり、(b)は、効果算出処理の動作フローの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ、本発明の様々な実施形態について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0018】
(広告情報処理システム1)
図1は、広告情報処理システム1の概略構成の一例を示す図である。広告情報処理システム1は、特定の領域内の住宅等にポスティングされた広告物の公告効果を算出するための情報処理システムである。例えば、広告物は、対応する商品又はサービスについて記載されたチラシ及びパンフレット等の印刷広告物である。広告物は、対応する商品又はサービスに関する広告情報を格納した記憶媒体等でもよい。また、広告物は、特定の領域内に住む住民にのみ、インターネット等の通信ネットワークを介して送信され且つ対応する商品又はサービスに関する広告情報を示す電子データでもよい。
【0019】
広告情報処理システム1は、複数のユーザのそれぞれによって操作される端末装置2と、サーバ装置3と、外部装置4とを備える。端末装置2及びサーバ装置3は、例えば、インターネット5等の通信ネットワークを介して相互に接続される。同様に、サーバ装置3及び外部装置4は、例えば、インターネット5等の通信ネットワークを介して相互に接続される。端末装置2及びサーバ装置3間並びにサーバ装置3及び外部装置4間では、ハイパーテキスト転送プロトコル(Hypertext Transfer Protocol,HTTP)等の通信プロトコルに基づいて通信が行われる。なお、端末装置2及びサーバ装置3間並びにサーバ装置3及び外部装置4間の通信方式は、上述の方式に限定されず、本実施形態を実現できるものであれば、どのような通信方式の技術が用いられてもよい。
【0020】
端末装置2は、パーソナルコンピュータ(Personal Computer)等の情報処理装置である。端末装置2は、多機能携帯電話機(所謂「スマートフォン」)、ノートPC、タブレット端末、タブレットPC、又はウェアラブルコンピュータ等でもよい。端末装置2は、サーバ装置3への各種要求の送信及びサーバ装置3から受信された情報に基づく各種画面の表示が可能であれば、どのような情報処理装置でもよい。
【0021】
サーバ装置3は、地図情報及び各種統計情報等を記憶し、地図情報及び各種統計情報等を演算及び加工して端末装置2に表示させる機能を有するGIS(Geographic Information System)サーバ装置等である。図1に示される例では、1台のサーバ装置3が広告情報処理システム1の構成要素として図示されているが、サーバ装置3は、複数の物理的に別体のサーバ装置3の集合であってもよい。この場合、複数のサーバ装置3のそれぞれは、同一の機能を有するものでもよく、1台のサーバ装置3の機能を分散して有するものでもよい。
【0022】
外部装置4は、配布された広告物を所持する顧客に関する情報を獲得(取得)し、当該情報をサーバ装置3に送信する機能を実現する情報処理装置であり、広告物に対応する商品又はサービスを提供する提供者の店舗及び/又は事務所等に設置される。外部装置4は、広告物に対応する商品又はサービスの提供者とは異なる操作者が有するものでもよい。外部装置4は、サーバ装置3とは異なるサーバ装置で構成されてもよい。また、外部装置4は、複数の物理的に別体の外部装置4の集合であってもよい。この場合、複数の外部装置4のそれぞれは、同一の機能を有するものでもよく、1台の外部装置4の機能を分散して有するものでもよい。
【0023】
(端末装置2)
図2は、端末装置2の概略構成の一例を示す図である。端末装置2は、インターネット5等の通信ネットワークを介してサーバ装置3に接続し、サーバ装置3と通信を行う。端末装置2は、端末装置2の操作者(以下「ユーザ」と称する場合がある)によって指示された各種要求をサーバ装置3に送信する機能、及び、サーバ装置3から送信された各種情報を受信し、受信した情報に応じた画面を表示する機能を有する。このような機能を実現するため、端末装置2は、端末通信部21と、端末記憶部22と、端末操作部23と、端末表示部24と、端末処理部25とを備える。
【0024】
端末通信部21は、ハードウェア、ファームウェア、又はTCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)ドライバやPPP(Point-to-Point Protocol)ドライバ等の通信用ソフトウェア又はこれらの組み合わせとして実装される。端末装置2は、端末通信部21を介して、サーバ装置3にデータを送信し且つサーバ装置3からデータを受信することができる。
【0025】
端末記憶部22は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の半導体メモリ装置である。端末記憶部22は、端末処理部25における処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、制御プログラム及びデータ等を記憶する。端末記憶部22に記憶されるドライバプログラムは、端末表示部24を制御する出力デバイスドライバプログラム、及び、端末操作部23を制御する入力デバイスドライバプログラム等である。端末記憶部22に記憶される制御プログラムは、例えば、ユーザによって指示された各種要求をサーバ装置3に送信する機能、及び、サーバ装置3から送信された各種情報を受信し、受信した情報に応じた画面を表示する機能を実現するためのアプリケーションプログラムである。なお、制御プログラムは、サーバ装置3又はその他の装置から送信されたものでもよい。端末記憶部22は、データとして、端末装置2を操作するユーザを一意に識別するための識別情報(例えば、ユーザID(identification))等を記憶する。また、端末記憶部22は、所定の処理に係るデータを一時的に記憶してもよい。
【0026】
端末操作部23は、端末装置2の操作が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、キーボード、マウス、タッチパッド、タッチパネル等である。ユーザは、端末操作部23を用いて、文字、数字及び記号、若しくは、端末表示部24の表示画面上の位置等を入力することができる。端末操作部23は、ユーザにより操作されると、その操作に対応する信号を発生する。そして、端末操作部23は、発生した信号を、ユーザの指示として、端末処理部25に供給する。
【0027】
端末表示部24は、液晶ディスプレイである。なお、端末表示部24は、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等でもよい。端末表示部24は、端末処理部25から供給された静止画像データに応じた静止画像等を表示画面に表示する。端末表示部24は、端末処理部25から供給された動画像データに応じた動画像を表示画面に表示してもよい。また、端末表示部24は、端末装置2の構成要素でなくてもよく、例えば、有線又は無線を介して端末装置2と通信可能な表示装置でもよい。
【0028】
端末処理部25は、端末記憶部22に記憶されたオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム及び制御プログラムに含まれる命令を実行するプロセッサである。端末処理部25は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)等の電子回路、又は各種電子回路の組み合わせである。図2においては、端末処理部25が単一の構成要素として図示されているが、端末処理部25は複数の物理的に別体のプロセッサの集合であってもよい。
【0029】
端末処理部25は、制御プログラムに含まれる各種命令を実行することにより、端末受信部251、表示処理部252、及び端末送信部253として機能する。端末受信部251、表示処理部252、及び端末送信部253の機能については後述する。
【0030】
(サーバ装置3)
図3は、サーバ装置3の概略構成の一例を示す図である。サーバ装置3は、複数のユーザのそれぞれの端末装置2及び外部装置4と通信可能であり、一のユーザの端末装置2から送信された各種要求に応じて地図情報及び各種統計情報等を演算及び加工して生成した情報を、当該一のユーザの端末装置2に送信する。そのために、サーバ装置3は、サーバ通信部31と、サーバ記憶部32と、サーバ処理部33とを備える。
【0031】
サーバ通信部31は、ハードウェア、ファームウェア、又はTCP/IPドライバやPPPドライバ等の通信用ソフトウェア又はこれらの組み合わせとして実装される。サーバ装置3は、サーバ通信部31を介して、端末装置2に情報を送信し且つ端末装置2及び外部装置4から情報を受信することができる。
【0032】
サーバ記憶部32は、例えば、ROM、RAM等の半導体メモリ装置である。サーバ記憶部32は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、又はデータを記憶可能な前記以外の各種記憶装置でもよい。サーバ記憶部32は、サーバ処理部33における処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、制御プログラム及びデータ等を記憶する。サーバ記憶部32は、データとして、領域テーブルT1、年齢別人口テーブルT2、家族構成別世帯数テーブルT3、年収別世帯数テーブルT4、領域条件テーブルT5、広告物テーブルT6、及び広告効果テーブルT7を記憶する。
【0033】
また、サーバ記憶部32は、データとして、地図の構成要素を示すベクトル情報を記憶する。例えば、ベクトル情報には、地点を示すポイント(点)情報、道路又は鉄道等の線形状を示すライン(線)情報、及び、行政区画領域、メッシュ領域、公園、又は湖等の面形状を示すポリゴン(面)情報が含まれる。ベクトル情報は、所定の地図座標系に従った2次元座標によって表現される。ベクトル情報は、所定の地図座標系に従った3次元座標によって表現されてもよい。所定の位置座標系は、緯度、経度及び高度で示される日本測地系2011等の地理座標系である。所定の位置座標系は、平面直角座標系又はUTM(Universal Transverse Mercator)座標系の投影座標系でもよい。
【0034】
例えば、ポイント情報は、所定の基準点(X,Y)を原点とした2次元座標(x,y)を示す情報である。また、ライン情報は、線分の端点を示す2つの点の2次元座標(x1,y1)及び(x2,y2)を示す情報である。ライン情報は、連続して接続する複数の線分を示す複数の2次元座標(x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)、・・・、(xm,ym)を示す情報でもよい。複数の線分のうち、最初の線分の2つの点の2次元座標は(x1,y1)及び(x2,y2)であり、次の線分の2つの点の2次元座標は(x2,y2)及び(x3,y3)である。
【0035】
また、ポリゴン情報は、多角形形状の閉領域の外形を示す複数の線分を特定するための複数の点の2次元座標(x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)、・・・、(xn,yn)を示す情報である。閉領域の外形は、連続して接続する複数の線分によって構成されており、複数の線分のうち、最初の線分の2つの点の2次元座標は(x1,y1)及び(x2,y2)であり、次の線分の2つの点の2次元座標は(x2,y2)及び(x3,y3)である。始点の2次元座標(x1,y1)と終点の2次元座標(xn,yn)は同一座標である。
【0036】
例えば、サーバ記憶部32は、ベクトル情報として行政区画領域を示す複数の領域ベクトル情報を記憶する。行政区画領域は、例えば、町丁目境界によって区画される領域である。行政区画領域を示す領域ベクトル情報は、複数の領域のそれぞれについて、各領域を互いに識別するための領域IDと、各領域の閉領域の外形を特定するためのポリゴン情報とが関連付けられている。また、サーバ記憶部32は、ベクトル情報として公知のメッシュ地図を構成するメッシュ領域を示す複数の領域ベクトル情報を記憶する。メッシュ領域は、所定の地図座標系の平面座標軸に平行の複数の線分によって区切られた矩形領域である。メッシュ領域を示す領域ベクトル情報は、複数のメッシュ領域のそれぞれについて、各領域を互いに識別するための領域IDと、各領域の閉領域の外形を特定するためのポリゴン情報とが関連付けられている。また、サーバ記憶部32は、ベクトル情報として、道路を示す道路情報と、道路の交差点を示す交差点情報とを記憶する。道路情報はライン情報の一種であり、交差点情報はポイント情報の一種である。また、道路情報とともに、各道路の長さを示す道路延長情報が記憶される。
【0037】
サーバ処理部33は、サーバ記憶部32に記憶されたオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、及び制御プログラムをメモリにロードし、ロードしたプログラムに含まれる命令を実行するプロセッサである。サーバ処理部33は、例えば、CPU、MPU、DSP、GPU等の電子回路、又は各種電子回路の組み合わせである。図3においては、サーバ処理部33が単一の構成要素として図示されているが、サーバ処理部33は複数の物理的に別体のプロセッサの集合であってもよい。
【0038】
サーバ処理部33は、制御プログラムに含まれる各種命令を実行することにより、サーバ受信部331、決定部332、サーバ送信部333、記憶処理部334、及び算出部335として機能する。サーバ受信部331、決定部332、サーバ送信部333、記憶処理部334、及び算出部335の機能については後述する。
【0039】
(各種テーブル)
図4及び5は、サーバ記憶部32に記憶される領域テーブルT1、年齢別人口テーブルT2、家族構成別世帯数テーブルT3、年収別世帯数テーブルT4、領域条件テーブルT5、広告物テーブルT6、及び広告効果テーブルT7のデータ構造の一例を示す図である。なお、領域テーブルT1、年齢別人口テーブルT2、家族構成別世帯数テーブルT3、年収別世帯数テーブルT4、領域条件テーブルT5、広告物テーブルT6、及び広告効果テーブルT7のうちの少なくとも一つのテーブルは、端末装置2の端末記憶部22に記憶されてもよい。
【0040】
(領域テーブルT1)
図4(a)は、各行政区画領域の名称、及び、各行政区画領域内の人口を管理する領域テーブルT1のデータ構造の一例である。図4(a)に示される例では、複数の町丁目の領域のそれぞれについて、領域ID、男性の人口、及び、女性の人口等が、互いに関連付けて記憶される。以下、「町丁目の領域」を単に「領域」と称する場合がある。
【0041】
(年齢別人口テーブルT2)
図4(b)は、各行政区画領域内の年齢別の人口を管理する年齢別人口テーブルT2のデータ構造の一例である。図4(b)に示される例では、複数の領域のそれぞれについて、領域ID、6歳未満の人口、6歳以上12歳未満の人口、・・・、50歳以上65歳未満の人口、及び、65歳以上の人口等が、互いに関連付けて記憶される。
【0042】
(家族構成別世帯数テーブルT3)
図4(c)は、各行政区画領域内の家族構成別の世帯数を管理する家族構成別世帯数テーブルT3のデータ構造の一例である。図4(c)に示される例では、複数の領域のそれぞれについて、領域ID、1人世帯(単身世帯)の世帯数、2人世帯の世帯数、3人世帯の世帯数、及び、4人以上の世帯の世帯数等が、互いに関連付けて記憶される。
【0043】
(年収別世帯数テーブルT4)
図4(d)は、各行政区画領域内の世帯年収別の世帯数を管理する家族構成別世帯数テーブルT3のデータ構造の一例である。図4(d)に示される例では、複数の領域のそれぞれについて、領域ID、世帯年収300万円未満の世帯の世帯数、世帯年収300万円以上500万円未満の世帯の世帯数、・・・、及び、世帯年収1,000万円以上の世帯の世帯数等が、互いに関連付けて記憶される。
【0044】
(領域条件テーブルT5)
図5(a)は、広告物を配布する配布領域を決定するための領域条件を管理するための領域条件テーブルT5のデータ構造の一例である。なお、広告物の配布は、例えば、住宅、店舗、工場、又は事務所等の郵便受けに広告物をポスティングすることである。広告物の配布は、歩行者道路、及び/又は、鉄道の改札付近等において、広告物配布者が、手渡しで通行人に広告物を渡すことでもよい。図5(a)に示される例では、領域条件として、提供地点、到達圏、性別人口、年齢別人口、家族構成別世帯数、及び、年収別世帯数のそれぞれに関する条件を示す情報が記憶される。領域条件テーブルT5に記憶された各条件を示す情報は、ユーザによって端末装置2が操作されることによって入力され且つサーバ装置3に送信された情報である。領域条件は、図5(a)に示される例に限定されない。領域条件は、図5(a)に示される各条件のうちの一部の条件でもよく、図5(a)に示される各条件以外の条件が含まれてもよい。
【0045】
提供地点を示す情報は、配布された広告物に対応する商品又はサービスを提供する地点の位置を示す情報である。図5(a)に示される例では、提供地点の位置は、広告物に対応する商品又はサービスを提供する店舗等の住所を示す情報である。また、提供地点の位置は、広告物に対応する商品又はサービスを提供する地点の緯度及び経度を示す情報でもよい。到達圏の条件を示す情報は、例えば、提供地点から出発して、徒歩、自転車、及び自動車のうちのいずれかによって到達できる最長時間を示す情報である。到達圏は、提供地点から出発して、公共交通機関を用いて到達できる最長時間を示す情報でもよい。例えば、図5(a)に示される例では、提供地点及び到達圏の条件により、広告物の配布領域として、提供地点から徒歩30分以内で到達可能な領域が規定される。
【0046】
性別人口の条件を示す情報は、「男性」及び「女性」のうちの少なくとも一つを示す情報である。図5(a)に示される例では、広告物の配布領域として、男性の人口がより多い領域が規定される。また、例えば、性別人口の条件を示す情報として、女性を示す情報が記憶された場合、広告物の配布領域として、女性の人口がより多い領域が規定される。また、性別人口の条件を示す情報として、男性及び女性を示す情報が記憶された場合、広告物の配布領域として、全人口がより多い領域が規定される。
【0047】
年齢別人口の条件を示す情報は、「6歳未満」、「6歳以上12歳未満」、「12歳以上15歳未満」、「15歳以上18歳未満」、「18歳以上35歳未満」、「35歳以上50歳未満」、「50歳以上65歳未満」、及び「65歳以上」のうちの少なくも一つを示す情報である。図5(a)に示される例では、広告物の配布領域として、「6歳以上12歳未満」と「12歳以上15歳未満」と「15歳以上18歳未満」と「18歳以上35歳未満」と「35歳以上50歳未満」と「50歳以上65歳未満」との合計の人口がより多い領域が規定される。また、例えば、年齢別人口の条件を示す情報として、「6歳以上12歳未満」と「12歳以上15歳未満」とを示す情報が記憶された場合、広告物の配布領域として、「6歳以上12歳未満」と「12歳以上15歳未満」との合計の人口がより多い領域が規定される。
【0048】
家族構成別世帯数の条件を示す情報は、「1人世帯(単身世帯)」、「2人世帯」、「3人世帯」、及び「4人以上の世帯」のうちの少なくも一つを示す情報である。図5(a)に示される例では、広告物の配布領域として、2人世帯と3人世帯と4人以上の世帯との合計の世帯数がより多い領域が規定される。また、例えば、家族構成別世帯数の条件を示す情報として、「1人世帯(単身世帯)」を示す情報が記憶された場合、広告物の配布領域として、「1人世帯(単身世帯)」の世帯数がより多い領域が規定される。
【0049】
年収別世帯数の条件を示す情報は、「世帯年収300万円未満の世帯」、「世帯年収300万円以上500万円未満の世帯」、「世帯年収500万円以上700万円未満の世帯」、「世帯年収700万円以上1,000万円未満の世帯」、及び、「世帯年収1,000万円以上の世帯」のうちの少なくも一つを示す情報である。図5(a)に示される例では、広告物の配布領域として、「世帯年収500万円以上700万円未満の世帯」と「世帯年収700万円以上1,000万円未満の世帯」と「世帯年収1,000万円以上の世帯」との合計の世帯数がより多い領域が規定される。また、例えば、年収別世帯数の条件を示す情報として、「世帯年収300万円未満の世帯」と「世帯年収300万円以上500万円未満の世帯」とを示す情報が記憶された場合、広告物の配布領域として、「世帯年収300万円未満の世帯」と「世帯年収300万円以上500万円未満の世帯」との合計の世帯数がより多い領域が規定される。
【0050】
(広告物テーブルT6)
図5(b)は、ポスティングされた広告物又はポスティング予定の広告物を管理する広告物テーブルT6のデータ構造の一例である。図5(b)に示される例では、複数の広告物のそれぞれについて、広告物ID、領域ID、及び、期間等が、互いに関連付けて記憶される。広告物IDは、複数の広告物のそれぞれを互いに識別するための識別情報である。領域IDは、広告物IDによって識別される広告物が配布された領域の領域ID、又は、広告物IDによって識別される広告物の配布予定の領域の領域IDである。期間は、広告物IDによって識別される広告物の有効期間である。例えば、広告物の有効期間とは、配布された広告物に対応する商品の販売期間、又は、配布された広告物に対応するサービスの実施期間等である。
【0051】
(広告効果テーブルT7)
図5(c)は、ポスティングされた広告物の広告効果を管理する広告効果テーブルT7のデータ構造の一例である。広告効果テーブルT7は、広告物に対応する商品又はサービスが同一で且つ所定の期間内に配布された広告物ごとに作成される。図5(c)に示される例では、複数の領域のそれぞれについて、領域ID、全世帯数、配布した広告物の配布数、広告物を配布した配布日、及び顧客獲得数等が、互いに関連付けて記憶される。
【0052】
全世帯数は、領域内の全ての世帯の世帯数を示す情報である。配布数は、領域内の住宅、店舗、工場、又は事務所等に実際に配布した広告物の配布実績の数を示す情報である。なお、全世帯数又は配布数は、広告物に対応する商品を購入する可能性のある潜在顧客の数、又は、広告物に対応するサービスを受ける可能性のある潜在顧客の数を示す情報であり、すなわち、「潜在顧客数の情報」の一例である。
【0053】
配布日は、領域内において広告物を配布した日付を示す情報である。顧客獲得数は、領域内の潜在顧客のうち、広告物に対応する商品を購入した顧客の数、又は、広告物に対応するサービスを受けた顧客の数を示す情報である。
【0054】
以下、図6及び7を参照しつつ、端末処理部25及びサーバ処理部33の機能について説明する。
【0055】
(広告物の配布領域の決定処理)
端末装置2のユーザによる端末操作部23の操作により、端末表示部24に表示されたホーム画面(図示せず)の所定のメニューから、領域条件入力画面の表示指示が選択される。なお、ホーム画面は、例えば、制御プログラムを示す起動アイコン等(図示せず)がユーザによる端末操作部23の操作によって指示された場合に表示される。
【0056】
領域条件入力画面(図示せず)には、ユーザが、提供地点、到達圏の条件、性別人口の条件、年齢別人口の条件、家族構成別世帯数の条件、及び、年収別世帯数の条件等の領域条件を入力する各種入力オブジェクトが表示される。
【0057】
例えば、領域条件入力画面には、提供地点の住所を入力するためのドロップダウンオブジェクト(都道府県、市区町村、町名、町丁目・字のそれぞれを選択するための公知のドロップダウンオブジェクト)が表示されてもよい。この場合、ユーザによる端末操作部23の選択操作により、ドロップダウンオブジェクトの住所が選択されると、表示処理部252は、選択された住所を示す情報を、提供地点を示す情報として端末記憶部22に記憶する。また、領域条件入力画面には、提供地点を指定可能な地図情報が表示されてもよい。この場合、ユーザによる端末操作部23に対するポインティング操作により地図上の地点が指定されると、表示処理部252は、指定された地点の位置(緯度経度等)を示す情報を、提供地点を示す情報として端末記憶部22に記憶する。提供地点の入力手段は上述の手段に限らず、提供地点の地理的位置情報が記憶可能であれば、どのような入力手段が採用されてもよい。
【0058】
また、領域条件入力画面には、到達圏の条件として、移動手段として徒歩、自転車、及び自動車のうちのいずれかを選択するための選択オブジェクトと、到達圏の時間を入力するための数値入力オブジェクトが表示されてもよい。選択オブジェクトは、例えば、徒歩に対応するラジオボタン、自転車に対応するラジオボタン、及び自動車に対応するラジオボタンであり、いずれか1つのラジオボタンのみが選択できるように構成される。数値入力オブジェクトは、数値が入力可能なテキスト入力オブジェクトである。ユーザによる端末操作部23の操作により、移動手段が選択され且つ到達圏の時間を示す数値が入力された場合、表示処理部252は、選択された移動手段を示す情報と入力された時間を示す情報とを、到達圏の条件を示す情報として端末記憶部22に記憶する。
【0059】
また、領域条件入力画面には、性別人口の条件として、「男性」及び「女性」のうちの少なくとも一つを選択できる選択オブジェクトが表示されてもよい。選択オブジェクトは、例えば、「男性(の人口)」に対応するチェックボックス、及び「女性(の人口)」に対応するチェックボックスであり、1つ以上のチェックボックスが選択できるように構成される。ユーザによる端末操作部23の選択操作により、性別人口の条件が選択された場合、表示処理部252は、選択された性別人口の条件を示す情報を端末記憶部22に記憶する。
【0060】
また、領域条件入力画面には、年齢別人口の条件として、「6歳未満」、「6歳以上12歳未満」、「12歳以上15歳未満」、「15歳以上18歳未満」、「18歳以上35歳未満」、「35歳以上50歳未満」、「50歳以上65歳未満」、及び「65歳以上」のうちの少なくとも一つを選択できる選択オブジェクトが表示されてもよい。選択オブジェクトは、例えば、「6歳未満」に対応するチェックボックス、「6歳以上12歳未満」に対応するチェックボックス、「12歳以上15歳未満」に対応するチェックボックス、「15歳以上18歳未満」に対応するチェックボックス、「18歳以上35歳未満」に対応するチェックボックス、「35歳以上50歳未満」に対応するチェックボックス、「50歳以上65歳未満」に対応するチェックボックス、及び「65歳以上」に対応するチェックボックスであり、1つ以上のチェックボックスが選択できるように構成される。ユーザによる端末操作部23の選択操作により年齢別人口の条件が選択された場合、表示処理部252は、選択された年齢別人口の条件を示す情報を端末記憶部22に記憶する。
【0061】
また、領域条件入力画面には家族構成別世帯数の条件として、「1人世帯(単身世帯)」、「2人世帯」、「3人世帯」、及び「4人以上の世帯」のうちの少なくも一つを選択できる選択オブジェクトが表示されてもよい。選択オブジェクトは、例えば、「1人世帯(単身世帯)」に対応するチェックボックス、「2人世帯」に対応するチェックボックス、「3人世帯」に対応するチェックボックス、及び「4人以上の世帯」に対応するチェックボックスであり、1つ以上のチェックボックスが選択できるように構成される。ユーザによる端末操作部23の選択操作により家族構成別世帯数の条件が選択された場合、表示処理部252は、選択された家族構成別世帯数の条件を示す情報を端末記憶部22に記憶する。
【0062】
また、領域条件入力画面には、年収別世帯数の条件として、「世帯年収300万円未満の世帯」、「世帯年収300万円以上500万円未満の世帯」、「世帯年収500万円以上700万円未満の世帯」、「世帯年収700万円以上1,000万円未満の世帯」、及び「世帯年収1,000万円以上の世帯」のうちの少なくも一つを選択できる選択オブジェクトが表示されてもよい。選択オブジェクトは、例えば、「世帯年収300万円未満の世帯」に対応するチェックボックス、「世帯年収300万円以上500万円未満の世帯」に対応するチェックボックス、「世帯年収500万円以上700万円未満の世帯」に対応するチェックボックス、「世帯年収700万円以上1,000万円未満の世帯」に対応するチェックボックス、及び「世帯年収1,000万円以上の世帯」に対応するチェックボックスであり、1つ以上のチェックボックスが選択できるように構成される。ユーザによる端末操作部23の選択操作により年収別世帯数の条件が選択された場合、表示処理部252は、選択された年収別世帯数の条件を示す情報を端末記憶部22に記憶する。
【0063】
ユーザによる端末操作部23の操作によって、領域条件入力画面の各種入力オブジェクトに対する入力と、送信指示に対応する入力オブジェクトの指定が行われると、端末操作部23は、記憶された領域条件を示す情報を端末処理部25に入力する。領域条件を示す情報は、領域条件入力画面の操作によって取得された、提供地点を示す情報、到達圏の条件を示す情報、性別人口の条件を示す情報、年齢別人口の条件を示す情報、家族構成別世帯数の条件を示す情報、及び年収別世帯数の条件を示す情報である。端末装置2の端末送信部253は、入力された領域条件を示す情報(提供地点を示す情報、到達圏の条件を示す情報、性別人口の条件を示す情報、年齢別人口の条件を示す情報、家族構成別世帯数の条件を示す情報、年収別世帯数の条件を示す情報)を、領域表示要求とともに、端末通信部21を介してサーバ装置3に送信する。
【0064】
サーバ装置3のサーバ受信部331は、サーバ通信部31を介して、領域表示要求とともに領域条件を示す情報を受信した場合、受信した領域条件を示す情報を領域条件テーブルT5として、サーバ記憶部32に記憶する。サーバ装置3の決定部332は、領域条件テーブルT5がサーバ記憶部32に記憶されると決定処理を実行する。以下、決定処理の一例を説明する。
【0065】
決定部332は、領域条件テーブルT5に記憶された、提供地点を示す情報及び到達圏の条件を示す情報に基づいて到達圏を算出する。例えば、決定部332は、サーバ記憶部32から、道路情報、交差点情報及び道路延長情報を抽出する。次に、決定部332は、公知のダイクストラ法等を用い、提供地点の最近傍の交差点を起点として到達圏の条件に従って到達可能な交差点を特定する。例えば、到達圏の条件が徒歩10分以内である場合、起点から800m以内の交差点が特定される。そして、決定部332は、特定された全ての交差点を包含する最長の凸多角形(所謂「凸包」)を到達圏として算出する。
【0066】
次に、決定部332は、到達圏内に含まれる領域を特定する。例えば、領域は、町丁目境界によって区画される行政区画領域である。例えば、決定部332は、到達圏内に完全に含まれる領域を特定してもよい。また、決定部332は、到達圏内に少なくとも一部が含まれる領域を特定してもよい。また、決定部332は、到達圏内に半分以上の面積が含まれる領域を特定してもよい。
【0067】
次に、決定部332は、性別人口の条件を示す情報に基づいて、到達圏内に含まれる各領域を、性別人口の条件を満たす人口が多い順番に並べて、各領域の順位を決定する。例えば、性別人口の条件を示す情報が女性を示す情報である場合、到達圏内に含まれる各領域を、女性の人口が多い順番に並べて、各領域の順位を決定する。この場合、最も女性の人口が多い領域の順位は「1」位である。
【0068】
次に、決定部332は、年齢別人口の条件を示す情報に基づいて、到達圏内に含まれる各領域を、年齢別人口の条件を満たす人口が多い順番に並べて、各領域の順位を決定する。例えば、年齢別人口の条件を示す情報が「6歳以上12歳未満」と「12歳以上15歳未満」とを示す情報である場合、到達圏内に含まれる各領域を、「6歳以上12歳未満」と「12歳以上15歳未満」との合計の人口が多い順番に並べて、各領域の順位を決定する。この場合、「6歳以上12歳未満」と「12歳以上15歳未満」との合計の人口が最も多い領域の順位は「1」位である。
【0069】
次に、決定部332は、家族構成別世帯数の条件を示す情報に基づいて、到達圏内に含まれる各領域を、家族構成別世帯数の条件を満たす世帯数が多い順番に並べて、各領域の順位を決定する。例えば、家族構成別世帯数の条件を示す情報が「1人世帯(単身世帯)」を示す情報である場合、到達圏内に含まれる各領域を、「1人世帯(単身世帯)」の世帯数が多い順番に並べて、各領域の順位を決定する。この場合、「1人世帯(単身世帯)」の世帯数が最も多い領域の順位は「1」位である。
【0070】
次に、決定部332は、年収別世帯数の条件を示す情報に基づいて、到達圏内に含まれる各領域を、家族構成別世帯数の条件を満たす世帯数が多い順番に並べて、各領域の順位を決定する。例えば、家族構成別世帯数の条件を示す情報が「世帯年収300万円未満の世帯」と「世帯年収300万円以上500万円未満の世帯」とを示す情報である場合、到達圏内に含まれる各領域を、「世帯年収300万円未満の世帯」と「世帯年収300万円以上500万円未満の世帯」との合計の世帯数が多い順番に並べて、各領域の順位を決定する。この場合、「世帯年収300万円未満の世帯」と「世帯年収300万円以上500万円未満の世帯」の合計の世帯数が最も多い領域の順位は「1」位である。
【0071】
次に、決定部332は、到達圏内に含まれる領域ごとに、決定された各種の順位を示す値の合計値を算出する。例えば、到達圏内に含まれる領域Aにおいて、性別人口の条件を満たす人口の順位が「2」位であり、年齢別人口の条件を満たす人口の順位が「3」位であり、家族構成別世帯数の条件を満たす世帯数の順位が「1」位であり、家族構成別世帯数の条件を満たす世帯数の順位が「2」位である場合、領域Aの順位を示す値の合計値は「8」である。
【0072】
そして、決定部332は、到達圏内に含まれる各領域の中から、算出された合計値の小さい順に所定数の領域のそれぞれを配布領域として決定し、決定された全ての配布領域の領域IDを配布領域情報とする。
【0073】
(広告物の配布領域の表示処理)
サーバ装置3のサーバ送信部333は、各配布領域を示す領域ベクトル情報をサーバ記憶部32から抽出する。次に、サーバ送信部333は、配布領域情報と、各配布領域の合計値を示す情報と、各配布領域を示す領域ベクトル情報とを、対象領域情報としてサーバ通信部31を介して端末装置2に送信する。
【0074】
端末装置2の端末受信部251は、サーバ装置3から送信された対象領域情報を、端末通信部21を介して受信する。端末装置2の表示処理部252は、対象領域情報として受信した領域ベクトル情報に基づいて、各配布領域のポリゴン図形を端末表示部24に表示するとともに、配布領域の合計値に基づいて各配布領域のポリゴン図形の表示態様を変更する。例えば、表示処理部252は、合計値の小さい方から1~10番目までの各配布領域のポリゴン図形を、配布優先度が最も高いことを示す色で着色し、合計値の小さい方から11番目以降の各配布領域のポリゴン図形を、配布優先度が2番目に高いことを示す色で着色する。表示処理部252は、配布優先度を3段階以上に分けて、各配布領域のポリゴン図形の表示態様を変更してもよい。図6は、ユーザの端末装置2の端末表示部24に表示される表示態様が変更された各配布領域のポリゴン図形の一例を示す図である。表示処理部252は、各配布領域のポリゴン図形を、地理的位置が対応する、ラスタ地図画像又は道路ベクトル地図情報等に重畳して表示してもよい。
【0075】
上述の広告情報処理システム1によって、広告物の配布業者は、端末装置2を操作することで領域条件を設定し、サーバ装置3によって決定された配布領域を確認することができる。これにより、広告物の配布業者は、所望する配布対象者を詳細に設定して、その配布対象者がより多いと想定される配布領域を確認し、広告の配布計画を行うことができる。
【0076】
なお、サーバ装置3の決定部332は、広告物の配布予算と広告物の単価とに応じて配布領域を決定してもよい。以下、配布領域の決定処理の一例について説明する。まず、サーバ受信部331によって、広告物の配布予算として33万円を示す情報が受信され且つ広告物の単価として11円を示す情報が受信された場合、決定部332は、広告物の配布予算と広告物の単価に基づいて広告物の配布数を算出する。例えば、広告物の配布予算が33万円であり且つ広告物の単価が11円である場合、広告物の配布数は3万枚(33万円/11円=3万枚)である。
【0077】
次に、決定部332は、到達圏内に含まれる各領域を、算出された合計値の小さい順に並べて、最も合計数が少ない領域の世帯数と2番目に合計数が少ない領域の世帯数の合計を算出する。算出された世帯数が広告物の配布数と同数である場合、決定部332は、算出された世帯数の合計が広告物の配布数と同数であった全ての領域(最も合計数が少ない領域の世帯数と2番目に合計数が少ない領域)のそれぞれを、配布領域として決定し、配布領域の決定処理を終了する。算出された世帯数が広告物の配布数を超えている場合、決定部332は、最も合計数が少ない領域の世帯数のみを、配布領域として決定し、配布領域の決定処理を終了する。
【0078】
算出された世帯数が広告物の配布数未満である場合、決定部332は、算出された世帯数の合計に、次に合計数が少ない領域の世帯数を加算し新たな世帯数の合計を算出する。決定部332は、算出された世帯数が広告物の配布数以上となるまで、世帯数の加算処理を継続する。算出された世帯数が広告物の配布数と同数となった場合、決定部332は、算出された世帯数の合計が広告物の配布数と同数であった全ての領域のそれぞれを、配布領域として決定し、配布領域の決定処理を終了する。算出された世帯数が広告物の配布数を超えた場合、決定部332は、算出された世帯数の合計が広告物の配布数未満であった全ての領域のそれぞれを、配布領域として決定し、配布領域の決定処理を終了する。
【0079】
そして、サーバ装置3のサーバ送信部333は、決定された配布領域を示す情報を端末装置2に送信する。端末装置2の表示処理部252は、端末装置2の端末受信部251によって受信された配布領域を示す情報に基づいて、配布領域のポリゴン図形を表示する。このような広告情報処理システム1によって、広告物の配布予算の範囲内の配布領域の自動的な提示が可能となる。
【0080】
(顧客獲得情報の取得処理)
次に、広告物の配布業者によって広告物が配布された後、外部装置4は、配布された広告物に基づいて、顧客が、広告物に対応する商品又はサービスの提供を受けた場合、当該顧客に関する情報を獲得(取得)する。そして、外部装置4は、取得した顧客に関する情報を顧客獲得情報としてサーバ装置3に送信する。
【0081】
例えば、外部装置4は、広告物に対応する商品又はサービスの提供者の店舗に設置される。当該店舗に来店した顧客が広告物を提示した場合、商品又はサービスの提供者は、その顧客から住所を取得(用紙に顧客住所を記入させる等)し、取得した住所を示す住所情報を外部装置4に入力する。そして、外部装置4は、取得した住所情報を顧客獲得情報としてサーバ装置3に送信する。外部装置4は、顧客から住所を取得するたびに、自動的に顧客獲得情報をサーバ装置3に送信してもよい。また、外部装置4は、所定数の顧客から住所を取得した場合、自動的に所定数の住所を示す住所リストの情報を顧客獲得情報としてサーバ装置3に送信してもよい。
【0082】
また、広告物に、当該広告物が配布された配布領域を示す領域IDに基づいて生成された2次元バーコード等のバーコード情報が表示されてもよい。この場合、外部装置4は、公知のバーコード情報の読取装置と接続される。商品又はサービスの提供者は、顧客から提示された広告物のバーコード情報を読取装置によって読み取った場合、外部装置4は、当該バーコード情報に基づいて領域IDを取得し、取得した領域IDを顧客獲得情報としてサーバ装置3に送信する。外部装置4は、領域IDを取得するたびに、自動的に顧客獲得情報をサーバ装置3に送信してもよく、また、外部装置4は、所定数の顧客から領域IDを取得した場合、自動的に所定数の領域IDを顧客獲得情報としてサーバ装置3に送信してもよい。
【0083】
また、広告物に、当該広告物が配布された配布領域を示す広告物IDに基づいて生成された2次元バーコード等のバーコード情報が表示されてもよい。この場合、外部装置4は、公知のバーコード情報の読取装置と接続される。商品又はサービスの提供者は、顧客から提示された広告物のバーコード情報を読取装置によって読み取った場合、外部装置4は、当該バーコード情報に基づいて広告物IDを取得し、取得した広告物IDを顧客獲得情報としてサーバ装置3に送信する。外部装置4は、広告物IDを取得するたびに、自動的に顧客獲得情報をサーバ装置3に送信してもよく、また、外部装置4は、所定数の顧客から広告物IDを取得した場合、自動的に所定数の広告物IDを顧客獲得情報としてサーバ装置3に送信してもよい。
【0084】
また、顧客が有するユーザ端末(スマートフォン等)が、インターネット5を介して、外部装置4に、広告物に対応する商品又はサービスの提供の要求を示す要求情報を送信した場合、外部装置4は、当該要求とともに送信した顧客の住所を示す情報を受信する。なお、広告物に対応する商品又はサービスの提供の要求を示す要求情報は、広告物に対応する商品の購入の申込を示す情報又は広告物に対応するサービスの利用の申込を示す情報等である。そして、外部装置4は、受信した顧客の住所を示す情報を顧客獲得情報としてサーバ装置3に送信する。なお、顧客が有するユーザ端末は、要求情報の送信前に、事前に顧客の住所を示す情報を外部装置4に送信し、外部装置4において、顧客の住所を示す情報が顧客を識別するための識別情報と関連付けて登録されていてもよい。この場合、顧客が有するユーザ端末は、広告物に対応する商品又はサービスの提供の要求を示す要求情報とともに、顧客を識別するための識別情報を送信する。これにより、外部装置4は、当該要求とともに識別情報を受信すると、識別情報に関連付けて登録された顧客の住所を示す情報を取得し、取得した顧客の住所を示す情報を顧客獲得情報としてサーバ装置3に送信する。
【0085】
サーバ装置3のサーバ受信部331は、外部装置4から送信された顧客獲得情報を受信すると、記憶処理部334に顧客獲得情報を入力する。なお、顧客獲得情報を受信する機能を有するサーバ受信部331は、取得部の一例である。
【0086】
次に、記憶処理部334は、取得した顧客獲得情報が顧客の住所を示す情報である場合、公知の住所と領域IDとの対応テーブル等を用いて、取得した顧客獲得情報から領域IDを特定する。次に、記憶処理部334は、広告効果テーブルT7を参照し、特定した領域IDに関連付けられた顧客獲得数を抽出し、抽出した顧客獲得数を増加させて、増加後の顧客獲得数を特定した領域IDに関連付けて広告効果テーブルT7に記憶する。顧客獲得数の増加処理は、顧客獲得情報が一つの顧客住所を示す情報である場合、顧客獲得数を「1」増加させる処理である。顧客獲得数の増加処理は、顧客獲得情報が複数の顧客住所のリストを示す情報である場合、リストを構成する顧客住所の数を特定し、顧客獲得数を特定した数だけ増加させる処理である。
【0087】
次に、記憶処理部334は、取得した顧客獲得情報が領域IDである場合、広告効果テーブルT7を参照し、取得した領域IDに関連付けられた顧客獲得数を抽出し、抽出した顧客獲得数を増加させて、増加後の顧客獲得数を特定した領域IDに関連付けて広告効果テーブルT7に記憶する。顧客獲得数の増加処理は、顧客獲得情報が一つの領域IDである場合、顧客獲得数を「1」増加させる処理である。顧客獲得数の増加処理は、顧客獲得情報が複数の領域IDのリストを示す情報である場合、リストを構成する領域IDの数を特定し、顧客獲得数を特定した数だけ増加させる処理である。
【0088】
次に、記憶処理部334は、取得した顧客獲得情報が広告物IDである場合、広告物テーブルT6を参照し、取得した顧客獲得情報(広告物ID)に関連付けられた領域IDを特定する。次に、記憶処理部334は、広告効果テーブルT7を参照し、特定した領域IDに関連付けられた顧客獲得数を抽出し、抽出した顧客獲得数を増加させて、増加後の顧客獲得数を特定した領域IDに関連付けて広告効果テーブルT7に記憶する。顧客獲得数の増加処理は、顧客獲得情報が一つの広告物IDである場合、顧客獲得数を「1」増加させる処理である。顧客獲得数の増加処理は、顧客獲得情報が複数の広告物IDのリストを示す情報である場合、リストを構成する広告物IDの数を特定し、顧客獲得数を特定した数だけ増加させる処理である。
【0089】
(広告効果の表示処理)
ユーザによる端末操作部23の操作によって、メニュー画面(図示せず)の効果表示要求の指示に対応する入力オブジェクトの指定が行われると、端末操作部23は、効果表示要求を端末処理部25に入力する。端末装置2の端末送信部253は、入力された効果表示要求を、端末通信部21を介してサーバ装置3に送信する。
【0090】
サーバ装置3のサーバ受信部331は、サーバ通信部31を介して、効果表示要求を受信した場合、サーバ装置3の算出部335は、広告物の効果を算出する。例えば、算出部335は、広告効果テーブルT7から、領域IDごとに、世帯数及び配布数のいずれか一方を潜在顧客数として抽出するとともに、顧客獲得数を抽出する。次に算出部335は、領域IDごとに、潜在顧客数に対する顧客獲得数の割合を示す反響率を、広告物の効果として算出する。
【0091】
決定部332は、広告効果テーブルT7に含まれる各領域IDの中から、算出された反響率の大きい順に所定数の領域IDを高効果領域の領域IDとして決定し、決定された全ての高効果領域の領域IDと効果(反響率)を効果情報として作成する。
【0092】
(高効果領域の表示処理)
サーバ装置3のサーバ送信部333は、作成された効果情報を、サーバ通信部31を介して端末装置2に送信する。端末装置2の端末受信部251は、サーバ装置3から送信された効果情報を、端末通信部21を介して受信する。端末装置2の表示処理部252は、効果情報として受信した領域IDに対応する領域ベクトル情報に基づいて、各高効果領域のポリゴン図形を端末表示部24に表示するとともに、高効果領域の効果(反響率)に基づいて各高効果領域のポリゴン図形の表示態様を変更する。例えば、表示処理部252は、効果(反響率)の大きい方から1~5番目までの各高効果領域のポリゴン図形を、広告物の効果が最も高いことを示す色で着色し、効果(反響率)の大きい方から6番目以降の各高効果領域のポリゴン図形を、広告物の効果が2番目に高いことを示す色で着色する。表示処理部252は、広告物の効果を3段階以上に分けて、各高効果領域のポリゴン図形の表示態様を変更してもよい。図7は、ユーザの端末装置2の端末表示部24に表示される表示態様が変更された各配布領域のポリゴン図形の一例を示す図である。表示処理部252は、各配布領域のポリゴン図形を、地理的位置が対応する、ラスタ地図画像又は道路ベクトル地図情報等に重畳して表示してもよい。
【0093】
(広告情報処理システム1の動作シーケンス)
図8は、広告情報処理システム1の動作シーケンスの一例を示す図である。この動作シーケンスは、予め端末記憶部22及びサーバ記憶部32に記憶された制御プログラムに基づいて、主に端末処理部25及びサーバ処理部33により、端末装置2及びサーバ装置3の各要素と協働して実行される。
【0094】
まず、ユーザによる端末操作部23の操作によって、領域条件入力画面の各種入力オブジェクトに対する入力と、送信指示に対応する入力オブジェクトの指定が行われると、端末操作部23は、各領域条件を示す情報を端末処理部25に入力する(ステップS101)。次に、端末装置2の端末送信部253は、入力された領域条件を示す情報を、領域表示要求とともに、端末通信部21を介してサーバ装置3に送信する(ステップS102)。サーバ装置3のサーバ受信部331によって、領域表示要求とともに領域条件を示す情報が受信され、受信された領域条件を示す情報が領域条件テーブルT5としてサーバ記憶部32に記憶された場合、サーバ装置3の決定部332は、決定処理を実行する(ステップS103)。決定処理の詳細は後述する。
【0095】
次に、サーバ送信部333は、決定処理において出力された、配布領域情報と、各配布領域の合計値を示す情報と、各配布領域を示す領域ベクトル情報とを、対象領域情報としてサーバ通信部31を介して端末装置2に送信する(ステップS104)。端末装置2の端末受信部251によって対象領域情報が受信された場合、端末装置2の表示処理部252は、対象領域情報として受信した領域ベクトル情報に基づいて、各配布領域のポリゴン図形を端末表示部24に表示するとともに、配布領域の合計値に基づいて各配布領域のポリゴン図形の表示態様を決定する(ステップS105)。
【0096】
広告物の配布業者によって広告物が配布された後、配布された広告物に基づいて、顧客が広告物に対応する商品又はサービスの提供を受けた場合、外部装置4は、当該顧客に関する情報を獲得(取得)する(ステップS106)。次に、外部装置4は、取得した顧客に関する情報を顧客獲得情報としてサーバ装置3に送信する(ステップS107)。サーバ装置3のサーバ受信部331は、外部装置4から送信された顧客獲得情報を取得(受信)すると(ステップS108)、記憶処理部334は、取得した顧客獲得情報に基づいて、広告効果テーブルT7を参照し、特定した領域IDに関連付けられた顧客獲得数を抽出し、抽出した顧客獲得数を増加させて、増加後の顧客獲得数を特定した領域IDに関連付けて広告効果テーブルT7に記憶する。
【0097】
ユーザによる端末操作部23の操作によって、メニュー画面(図示せず)の効果表示要求の指示に対応する入力オブジェクトの指定が行われると、端末装置2の端末送信部253は、入力された効果表示要求を、端末通信部21を介してサーバ装置3に送信する(ステップS109)。サーバ装置3のサーバ受信部331は、サーバ通信部31を介して、効果表示要求を受信した場合、サーバ装置3の決定部332及び算出部335は、効果算出処理を実行する(ステップS110)。効果算出処理の詳細は後述する。
【0098】
サーバ装置3のサーバ送信部333は、効果算出処理において作成された効果情報を、サーバ通信部31を介して端末装置2に送信する(ステップS111)。そして、端末装置2の端末受信部251によって効果情報が受信された場合、端末装置2の表示処理部252は、効果情報として受信した領域IDに対応する領域ベクトル情報に基づいて、各高効果領域のポリゴン図形を端末表示部24に表示するとともに、高効果領域の効果(反響率)に基づいて各高効果領域のポリゴン図形の表示態様を決定する(ステップS112)。
【0099】
(決定処理)
図9は、サーバ装置3の決定部332による決定処理の動作フローの一例を示す図である。図9に示す決定処理は、図8のステップS103において実行される。
【0100】
まず、決定部332は、領域条件テーブルT5に記憶された、提供地点を示す情報及び到達圏の条件を示す情報に基づいて到達圏を算出する(ステップS201)。次に、決定部332は、到達圏内に含まれる領域を特定する(ステップS202)。次に、決定部332は、性別人口の条件を示す情報に基づいて、到達圏内に含まれる各領域を、性別人口の条件を満たす人口が多い順番に並べて、各領域の順位を決定する(ステップS203)。次に、決定部332は、年齢別人口の条件を示す情報に基づいて、到達圏内に含まれる各領域を、年齢別人口の条件を満たす人口が多い順番に並べて、各領域の順位を決定する(ステップS204)。次に、決定部332は、家族構成別世帯数の条件を示す情報に基づいて、到達圏内に含まれる各領域を、家族構成別世帯数の条件を満たす世帯数が多い順番に並べて、各領域の順位を決定する(ステップS205)。次に、決定部332は、年収別世帯数の条件を示す情報に基づいて、到達圏内に含まれる各領域を、家族構成別世帯数の条件を満たす世帯数が多い順番に並べて、各領域の順位を決定する(ステップS206)。次に、決定部332は、到達圏内に含まれる各領域の全ての順位を示す値の合計値を算出する(ステップS207)。そして、決定部332は、到達圏内に含まれる各領域の中から、算出された合計値の小さい順に所定数の領域を配布領域として決定し、決定された全ての配布領域の領域IDを配布領域情報として(ステップS208)、決定処理を終了する。なお、決定処理において、ステップS202~S206のうちの少なくとも一つのステップが実行されてもよい。この場合、ステップS207において、実行されたステップに係る順位を示す値を算出対象とすればよい。
【0101】
(効果算出処理)
図10は、サーバ装置3の決定部332及び算出部335による効果算出処理の動作フローの一例を示す図である。図10に示す効果算出処理は、図8のステップS110において実行される。
【0102】
まず、算出部335は、広告効果テーブルT7から、領域IDごとに、世帯数及び配布数のいずれか一方を潜在顧客数として抽出するとともに、顧客獲得数を抽出し、領域IDごとに、潜在顧客数に対する顧客獲得数の割合を示す反響率を、広告物の効果として算出する(ステップS301)。そして、決定部332は、広告効果テーブルT7に含まれる各領域IDの中から、算出された反響率の大きい順に所定数の領域IDを高効果領域の領域IDとして決定し、決定された全ての高効果領域の領域IDと効果(反響率)を効果情報として作成し(ステップS302)、効果算出処理を終了する。
【0103】
以上、詳述したとおり、本実施形態の広告情報処理システム1では、領域ごとの特定が考慮された広告効果の結果出力が可能となる。
【0104】
(変形例1)
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではない。例えば、広告物の効果は、広告物に対応する商品又はサービスの顧客単価及び広告物の配布予算に基づいて設定された目標反響率を基準とするものでもよい。例えば、サーバ装置3の算出部335は、あらかじめ入力された顧客単価及び広告物の配布予算に基づいて目標獲得数を算出する。例えば、算出部335は、広告物の配布予算を顧客単価で除算した値を目標獲得数として算出する。
【0105】
また、算出部335は、広告配布数に対する目標獲得数の割合である目標反響率を算出する。さらに、算出部335は、領域ごとに、目標反響率に対する各領域の反響率の割合である目標達成率を算出する。そして、決定部332は、領域ごとの目標達成率を効果として効果情報を作成してもよい。
【0106】
例えば、配布予算が20万円で顧客単価が800円、広告物の配布数が2万枚である場合、目標獲得数は「250」(20万円/800円)となる。この場合、目標反響率は「1.25%」(250/2万)となる。図5(c)の広告効果テーブルT7において、潜在顧客数を配布数とした場合、領域ID「40006001001」の領域の反響率は「2.1%」(12/572)であり、領域ID「40006001002」の領域の反響率は「0.87%」(4/458)である。したがって、領域ID「40006001001」の領域の目標達成率は、「2.1%」を「1.25%」で除した「168%」となる。また、領域ID「40006001002」の領域の目標達成率は、「0.87%」を「1.25%」で除した「69.6%」となる。
【0107】
このように、広告情報処理システム1によって、広告物の効果を領域ごとの予算の目標達成率とし、効果(目標達成率)に基づく領域ポリゴンが表示されることにより、広告物の配布活動を行うか否かの判断を支援することが可能となる。
【0108】
(変形例2)
決定部332は、広告効果テーブルT7に含まれる各領域IDの中から、算出された反響率の大きい順に、広告物の配布予算に応じた領域IDを高効果領域の領域IDとして決定してもよい。例えば、端末装置2から、広告物の配布予算として33万円を示す情報が送信され且つ広告物の単価として11円を示す情報が送信された場合、決定部332は、広告物の配布予算と広告物の単価に基づいて広告物の配布数(上述の例の場合、3万枚)を算出する。
【0109】
次に、決定部332は、広告効果テーブルT7に含まれる各領域IDを、反響率の大きい順に並べて、最も反響率が大きい領域の世帯数と2番目に反響率が大きい領域の世帯数の合計を算出する。算出された世帯数が広告物の配布数未満である場合、決定部332は、算出された世帯数の合計に、次に反響率が大きい領域の世帯数を加算し新たな世帯数の合計を算出する。決定部332は、算出された世帯数が広告物の配布数以上となるまで、世帯数の加算処理を継続する。算出された世帯数が広告物の配布数と同数となった場合、決定部332は、算出された世帯数の合計が広告物の配布数と同数であった全ての領域の領域IDのそれぞれを、高効果領域の領域IDとして決定する。算出された世帯数が広告物の配布数を超えた場合、決定部332は、算出された世帯数の合計が広告物の配布数未満であった全ての領域の領域IDを、高効果領域の領域IDとして決定する。これにより、広告物の配布予算の範囲内において、反響率の大きい領域に配布した場合の、配布先の領域を容易に算出することが可能となる。
【0110】
このように、広告情報処理システム1によって、実際に広告物を配布した実績を用いて、次の広告物の配布計画を策定することが可能となる。
【0111】
(変形例3)
また、広告物の効果は、1回の広告物の配布の結果(反響率)だけでなく、過去の広告物の配布の結果(反響率)を加味してもよい。例えば、同じ領域条件に従って広告物の配布が複数回行われた場合、領域ごとに、複数回の広告物の効果(反響率)の平均値を、各領域の広告効果としてもよい。
【0112】
更に、決定部332は、各領域の複数回の広告物の効果(反響率)の平均値に基づく顧客獲得推定数を算出してもよい。例えば、決定部332は、領域ごとに、広告物の効果(反響率)の平均値に潜在顧客数を乗算して算出した数を顧客獲得推定数として算出する。そして、所定の領域条件に基づく全ての配布領域の顧客獲得推定数の合計を算出する。
【0113】
このように、広告情報処理システム1によって、複数回の広告物の効果に基づく広告効果の提示及び顧客獲得推定数を算出することができ、次の広告物の配布計画を策定することが可能となる。
【0114】
(変形例4)
行政区画領域ごとの広告物の効果が、メッシュ領域を用いて表示されてもよい。例えば、決定部332は、メッシュ領域と行政区画領域とを重畳した場合、1つのメッシュ領域に全て内包される行政区画領域の世帯数、配布数及び顧客獲得数を広告効果テーブルT7から抽出し、抽出した世帯数、配布数及び顧客獲得数を、1つのメッシュ領域の世帯数、配布数及び顧客獲得数とする。1つのメッシュ領域に全て内包される行政区画領域が複数ある場合、決定部332は、複数の行政区画領域のそれぞれの世帯数の合計、配布数の合計及び顧客獲得数の合計を、1つのメッシュ領域の世帯数、配布数及び顧客獲得数とする。さらに、1つのメッシュ領域に、一部分が内包される行政区画領域が存在する場合、当該行政区画領域の面積に対する内包される一部分の面積の比率を算出し、当該行政区画領域の世帯数、配布数及び顧客獲得数のそれぞれに、算出した比率を乗算して算出した各数値を、1つのメッシュ領域の世帯数、配布数及び顧客獲得数に加算する。これにより、広告情報処理システム1は、各メッシュ領域の世帯数、配布数及び顧客獲得数が算出され、メッシュ領域ごとの広告物の効果を提示することが可能となる。
【0115】
当業者は、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換、及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。
【符号の説明】
【0116】
1 広告情報処理システム
2 端末装置
21 端末通信部
22 端末記憶部
23 端末操作部
24 端末表示部
25 端末処理部
251 端末受信部
252 表示処理部
253 端末送信部
3 サーバ装置
31 サーバ通信部
32 サーバ記憶部
33 サーバ処理部
331 サーバ受信部
332 決定部
333 サーバ送信部
334 記憶処理部
335 算出部
4 外部装置
5 インターネット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10