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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044383
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】便器排水接続管及び水洗式便器
(51)【国際特許分類】
   E03D 11/14 20060101AFI20240326BHJP
【FI】
E03D11/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022149872
(22)【出願日】2022-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】只野 みゆう
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 拓真
(72)【発明者】
【氏名】本所 芳郎
【テーマコード(参考)】
2D039
【Fターム(参考)】
2D039AA02
2D039AD02
2D039CA01
2D039CA04
2D039CB02
(57)【要約】
【課題】水洗式便器を容易に施工することができる便器排水接続管を提供する。
【解決手段】便器排水接続管40は、便器本体70の排出口74に接続するソケット部150を上流端部に有する第1配管41Aと、施工時に第1配管41Aの下流端部に接続し、施工後の状態において、上流端から下流端に向けて斜め下方に傾斜して伸びる第2配管42Aと、を備えている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器本体の排出口に接続する接続部を上流端部に有する第1配管と、
施工時に前記第1配管の下流端部に接続し、施工後の状態において、上流端から下流端に向けて斜め下方に傾斜して伸びる第2配管と、
を備えている便器排水接続管。
【請求項2】
前記第2配管の下流端部に接続する第3配管を備えている請求項1に記載の便器排水接続管。
【請求項3】
前記第1配管は湾曲部を有している請求項1及び請求項2のいずれか一項に記載の便器排水接続管。
【請求項4】
前記第3配管は湾曲部を有している請求項2に記載の便器排水接続管。
【請求項5】
前記第1配管及び前記第3配管は、同じ曲がり角度である請求項2に記載の便器排水接続管。
【請求項6】
前記第2配管は、硬質であり、直線状に伸びている請求項1及び請求項2のいずれか一項に記載の便器排水接続管。
【請求項7】
前記第3配管の下流端部は、トイレブースに前記便器本体を取り付けた際、前記便器本体の左右に位置する横壁のいずれか一方に設けられた排水管に接続する請求項2に記載の便器排水接続管。
【請求項8】
便器本体と、
前記便器本体を固定するフレーム部材と、
前記フレーム部材に固定する請求項1及び請求項2のいずれか1項に記載の便器排水接続管と、
を具備している水洗式便器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は便器排水接続管及び水洗式便器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は従来の便器排水接続管を開示している。この便器排水接続管は、トイレブースの後壁に設けられた排水管と、便器本体の排出口とを接続する。この便器排水接続管は、第1ソケット管を備えている。第1ソケット管は、上流側管部、及び上流側管部の下流端から連続した第1アジャスタ管部を有している。第1ソケット管は、上流側管部と第1アジャスタ管部とを一体に形成している。この便器排水接続管は、トイレブースに設けられた排水管と便器本体の排出口とを接続している。排水管と排出口とを接続した状態において、上流側管部を略水平方向に伸び、第1アジャスタ管部を上流端から下流端に向けて斜め下方に傾斜して伸びている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-68533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の便器排水接続管の第1ソケット管は、上流側管部と第1アジャスタ管部とを一体に形成している。このため、この便器排水接続管は、トイレブースに設けられた排水管と便器本体の排出口とを接続する際、排水管に対する排出口の位置ずれの許容範囲が狭く、水洗式便器の施工に手間を要する場合がある。
【0005】
本開示は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、水洗式便器を容易に施工することができる便器排水接続管を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の便器排水接続管は、便器本体の排出口に接続する接続部を上流端部に有する第1配管と、施工時に前記第1配管の下流端部に接続し、施工後の状態において、上流端から下流端に向けて斜め下方に傾斜して伸びる第2配管と、を備えている。
【0007】
本開示の水洗式便器は、便器本体と、前記便器本体を固定するフレーム部材と、前記フレーム部材に固定する便器排水接続管と、を具備している。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態1の水洗式便器を示す一部切り欠き斜視図である。
図2】実施形態1の第1便器排水接続管を使用して便器本体の排出口と排水管とを接続した状態を示す断面図である。
図3】実施形態1の第1便器排水接続管を示す断面図である。
図4】実施形態1の第2便器排水接続管を示す断面図である。
図5】実施形態1の第1便器排水接続管を示す分解斜視図である。
図6】実施形態1の第1便器排水接続管の施工状態を示す斜視図である。
図7】実施形態1のフレーム部材の施工状態を示す斜視図である。
図8】実施形態1の第1便器排水接続管の施工状態を示す側面図である。
図9】実施形態1の第1便器排水接続管をフレーム部材への固定する状態を示す斜視図である。
図10】実施形態1の排水ソケットをフレーム部材の固定部に取り付ける状態を示す側面図である。
図11】実施形態1の排水ソケットをフレーム部材の固定部に取り付ける状態を示す斜視図である。
図12】実施形態1の便器本体をフレーム部材に取り付ける状態を示す斜視図である。
図13】実施形態2の便器排水接続管を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の便器排水接続管を具備した水洗式便器を具体化した実施形態1及び2について、図面を参照しつつ説明する。
【0010】
<実施形態1>
実施形態1の水洗式便器1は、図1に示すように、後壁W1と、後壁W1の左右両端から前方に広がる左右一対の横壁W2とを有するトイレブースTに施工されている。水洗式便器1は、キャビネット10、フレーム部材20、便器排水接続管40、便器本体70、便座装置80、及び洗浄タンク90を具備している。
【0011】
説明の便宜上、トイレブースTに施工された水洗式便器1の便器本体70に取り付けられた便座装置80の便座に着座した状態の使用者の前方を「前方」とし、後方を「後方」とする。便座に着座した使用者から見て左方を「左方」とし、右方を「右方」とする。トイレブースTの床面Fから離れる方向を「上方」とし、床面Fに近い方向を「下方」とする。各図に示す3次元の直交座標系において、X軸の正方向は「前方」、X軸の負方向は「後方」、Y軸の正方向は「左方」、Y軸の負方向は「右方」、Z軸の正方向は「上方」、Z軸の負方向は「下方」である。
【0012】
キャビネット10は、トイレブースTの後壁W1に沿って、取り付けられている。キャビネット10の左右幅は、トイレブースTの間口とほぼ同じである。キャビネット10は、上側前パネル11、下側前パネル13(図12参照)、一対の扉部材15、及びカウンタ17を有している。上側前パネル11は、フレーム部材20に取り付けられた便器本体70よりも上方のキャビネット10の中央部の前面を構成している。上側前パネル11は、キャビネット10内に配置された洗浄タンク90を前方から見えないように隠蔽している。下側前パネル13は、上側前パネル11よりも下方であって、フレーム部材20に取り付けられた便器本体70の左右両側及び下側のキャビネット10の前面を構成している。
【0013】
各扉部材15は、上側前パネル11及び下側前パネル13の左右両側であって、キャビネット10の左右両端部の前面を構成している。各扉部材15は、キャビネット10の左右両端部内に設けられた各収納部を開閉自在に設けられている。
【0014】
カウンタ17はキャビネット10の上端に着脱自在に配置されている。カウンタ17は、キャビネット10の上端に配置し、キャビネット10の上面を構成している。カウンタ17をキャビネット10の上端に配置した平面視において、カウンタ17は左右に長い矩形状である。カウンタ17をキャビネット10の上端に配置した状態において、カウンタ17の後端縁は、トイレブースTの後壁W1にほぼ接しており、左右両端縁のそれぞれは、左右一対の各横壁W2にほぼ接している。ここで、ほぼ接しているとは、わずかな隙間が形成されていても良いし、接していても良いことを言う。カウンタ17は、キャビネット10内を上方から見えないように隠蔽している。
【0015】
フレーム部材20は、図1図7,及び図11に示すように、左右一対の縦フレーム21、上フレーム23、載置部25、固定部27、下フレーム29、一対の第1固定ボルトB1、一対の第2固定ボルトB2、第3固定ボルトB3、左右一対の支持ボルトB4、及び4本の排水ソケット用ボルトB5を有している。
【0016】
左右一対の縦フレーム21は、左右方向に所定の間隔を開けて鉛直方向に並行に伸びている。各縦フレーム21は同じ長さである。各縦フレーム21の下端部は床面Fに固定されている。各縦フレーム21は、図11に示すように、所定の高さに第1固定ボルトB1を取り付けている。各第1固定ボルトB1は各縦フレーム21から前方に伸びている。一対の第1固定ボルトB1は、便器本体70をフレーム部材20に取り付ける際に利用される。
【0017】
上フレーム23は、図1及び図7に示すように、各縦フレーム21の上端部を連結している。上フレーム23は、水平に左右方向に伸びている。上フレーム23の左右両端部は、各縦フレーム21よりも左右外側に伸びている。上フレーム23は、左右両端部のそれぞれに支持ボルトB4を取り付けている。支持ボルトB4は上フレーム23から後方に伸びている。支持ボルトB4の後端部は後壁W1に固定された補強木Hに後端部が取り付けられている。フレーム部材20は、上フレーム23と補強木Hとを支持ボルトB4で連結することによって、前方に倒れることを防止している。
【0018】
載置部25は、図7及び図11に示すように、載置板部25Aと、載置板部25Aの左右前端から前方に伸びる左右片部25Bを有している。左右片部25Bは、各縦フレーム21に取り付けられた第1固定ボルトB1よりも上側において、各縦フレーム21に固定されている。載置板部25Aは、各縦フレーム21よりも後方であって、各縦フレーム21の間に水平方向に広がっている。載置板部25Aは、上面に洗浄タンク90を載せて固定する(図1参照)。
【0019】
固定部27は、図7及び図11に示すように、各縦フレーム21に取り付けられた第1固定ボルトB1よりも下側において、各縦フレーム21に左右両端縁が固定されている。固定部27は、各縦フレーム21の前面と同一面上に広がる前面27Aを有している。固定部27は、正面視において、横長矩形状であり、中央部に円形状の開口27Bが形成されている。開口27Bは、後述する便器排水接続管40の第1配管が通る。固定部27は、開口27Bの周縁に沿って等間隔に4本の排水ソケット用ボルトB5を取り付けている。各排水ソケット用ボルトB5は、固定部27の前面27Aから前方に伸びている。4本の排水ソケット用ボルトB5は、後述する第1配管を構成する排水ソケット50をフレーム部材20に取り付ける際に利用される。固定部27は、開口27Bの左右両側に一対の第2固定ボルトB2を取り付けている。各第2固定ボルトB2の中心軸から開口27Bの中心まで間隔は、各排水ソケット用ボルトB5の中心軸から開口27Bの中心までの間隔よりも大きい。各第2固定ボルトB2は、固定部27の前面27Aから前方に伸びている。一対の第2固定ボルトB2は、便器本体70をフレーム部材20に取り付ける際に利用される。
【0020】
下フレーム29は、各縦フレーム21に固定された固定部27よりも下側において、各縦フレーム21に左右両端縁が固定されている。下フレーム29は、各縦フレーム21の前面21Aと同一面上に広がる前面29Aを有している。下フレーム29は、左右中央部に第3固定ボルトB3を取り付けている。第3固定ボルトB3は、下フレーム29の前面から前方に伸びている。
【0021】
便器排水接続管40は、図3及び図4に示すように、形態が異なる2種類(第1便器排水接続管40A、第2便器排水接続管40B)を用意し、後壁W1に設けられた排水管P1の高さに応じて使い分けられる。床面Fから排水管P1の中心軸までの高さを排水高さと言う。既設の排水管P1の排水高さは、120mm、148mm、155mmである(それぞれの公差は±5mmである)。排水高さが148mm、及び155mmの場合、第1便器排水接続管40Aを使用し、排水高さが120mmの場合、第2便器排水接続管40Bを使用する。これら便器排水接続管40A,40Bは、第1配管41A,41B、第2配管42A,42B、及び第3配管43A,43Bを備えている。
【0022】
第1配管41A,41Bは、排水ソケット50、及び屈曲管53A,53Bによって構成されている。排水ソケット50及び屈曲管53A,53Bは、硬質の塩化ビニル樹脂製である。排水ソケット50は、第1便器排水接続管40A及び第2便器排水接続管40Bにおいて共通部品である。排水ソケット50は、ソケット部150、及び差込部151を具備している。ソケット部150は直線状に伸びた円筒形状である。ソケット部150は、図2に示すように、前端開口150Aから便器排水路73の下流端部を挿入する。ソケット部150と便器排水路73の下流端部とは、ソケット部150の内周面と便器排水路73の下流端部の外周面との間にパッキンPを配置し、水密状に連結される。ソケット部150は、第1配管41A,41Bの上流端部に設けられた接続部に相当する。
【0023】
ソケット部150は、図9に示すように、下流端部の外周面に外側に広がる4個の鍔部159を有している。4個の鍔部159は、ソケット部150の外周面の同一円周上に等間隔に配置されている。各鍔部159は、貫通孔159Aが1個ずつ形成されている。各貫通孔159Aは、ソケット部150の中心軸A1を中心とした同一円周上に等間隔に配置されている。各貫通孔159Aは、フレーム部材20の固定部27に取り付けられた排水ソケット用ボルトB5が通る。ソケット部150は、図3図4,及び図9に示すように、下流端部に内周面から内側に広がる一定幅の円環状の障壁152を有している。障壁152の内側は円形状の連通口152Aを形成している。連通口152Aの中心はソケット部150の中心軸A1上に位置している。連通口152Aの開口径は屈曲管53Aの上流管部153Aの内径よりも僅かに小さい。ソケット部150は、前方から見た正面視において、4回対称である。
【0024】
差込部151は、図3及び図4に示すように、ソケット部150の障壁152の後面から後方に伸びて連続している。差込部151は直線状に伸びた円筒形状である。ソケット部150の中心軸A1と差込部151の中心軸A2とは同一直線上に伸びている。差込部151の径はソケット部150の径よりも小さい。差込部151の内径は、連通口152Aの開口径よりも大きい。差込部151は屈曲管53A,53Bの上流管部153A,153Bを挿入する。
【0025】
屈曲管53A,53Bは、上流管部153A,153B、中間管部154A,154B、及び下流管部155A,155Bを有している。屈曲管53A,53Bの上流管部153A,153B及び下流管部155A,155Bは直線状に伸びた円筒形状である。屈曲管53A,53Bは、上流管部153A,153Bと下流管部155A,155Bとの間の中間管部154A,154Bが湾曲している。上流管部153A,153Bの内周面と中間管部154A,154Bの内周面とは段差なく連続している。下流管部155A,155Bの径は中間管部154A,154Bの径よりも大きい。
【0026】
第1便器排水接続管40Aにおいて、図3に示すように、屈曲管53Aの上流管部153Aの中心軸A3と、屈曲管53Aの下流管部155Aの中心軸A4とは交差し、その交差角度α1は約22.5度である。第2便器排水接続管40Bにおいて、図4に示すように、屈曲管53Bの上流管部153Bの中心軸A3と、屈曲管53Bの下流管部155Bの中心軸A4とは交差し、その交差角度β1は約30.0度である。
【0027】
屈曲管53A,53Bの上流管部153A,153Bの外径は、図3及び図4に示すように、排水ソケット50の差込部151の内径よりも僅かに小さい。屈曲管53A,53Bの上流管部153A,153Bは、後述するように、施工時に所定の長さに切断される(図8参照)。屈曲管53A,53Bの上流管部153A,153Bと排水ソケット50の差込部151とは、後述するように、施工時に屈曲管53A,53Bの上流管部153A,153Bの外周面と差込部151の内周面とを接着剤によって接着して連結する。排水ソケット50の中心軸A1,A2と屈曲管53A,53Bの上流管部153A,153Bの中心軸A3とは、同一直線上に伸びている。このため、第1便器排水接続管40Aの第1配管41Aは、図3に示すように、上流部(排水ソケット50と屈曲管53Aの上流管部153A)の中心軸A1,A2,A3と、下流部(屈曲管53Aの下流管部155A)の中心軸A4との交差角度α1が約22.5度に曲がっている。同様に、第2便器排水接続管40Bの第1配管41Bは、図4に示すように、上流部の中心軸A1,A2,A3と、下流部の中心軸A4との交差角度β1が約30.0度に曲がっている。
【0028】
第2配管42A,42Bは、図3及び図4に示すように、直線状に伸びた円筒形状である。第2配管42A,42Bは、硬質の塩化ビニル樹脂製である。第2配管42A,42Bは、後述するように、施工時に排水高さに応じた長さに切断される。第2配管42A,42Bの外径は、第1配管41A,41Bの屈曲管53A,53Bの下流管部155A,155Bの内径よりも僅かに小さい。第2配管42A,42Bの上流端部と第1配管41A,41Bの屈曲管53A,53Bの下流管部155A,155Bとは、後述するように、施工時に第2配管42A,42Bの上流端部の外周面と屈曲管53A,53Bの下流管部155A,155Bの内周面とを接着剤によって接着して連結する。第2配管42A,42Bの内径は、屈曲管53A,53Bの中間管部154A,154Bの内径と略等しい。第2配管42A,42Bを第1配管41A,41Bに連結した状態において、第2配管42A,42Bの内周面と第1配管41A,41Bの屈曲管53A,53Bの中間管部154A,154Bの内周面とは段差なく連続している。このため、第1便器排水接続管40A、第2便器排水接続管40Bは、第1配管41A,41Bから第2配管42A,42Bへ便器排水がスムーズに流れる。
【0029】
第3配管43A,43Bは、上流管部156A,156B、中間管部157A,157B、及び下流管部158A,158Bを有している。第3配管43A,43Bは、硬質の塩化ビニル樹脂製である。第3配管43A,43Bの上流管部156A,156B及び下流管部158A,158Bは、直線状に伸びた円筒形状である。第3配管43A,43Bは、上流管部156A,156Bと下流管部158A,158Bとの間の中間管部157A,157Bが湾曲している。
【0030】
第1便器排水接続管40Aの第3配管43Aは、図3に示すように、一つの部材で構成されている。第1便器排水接続管40Aにおいて、第3配管43Aの上流管部156Aの中心軸A5と、第3配管43Aの下流管部158Aの中心軸A6とは交差し、その交差角度α2は約22.5度である。第1便器排水接続管40Aにおいて、第3配管43Aは、第1配管41Aと同じ曲がり角度で曲がっている。
【0031】
第2便器排水接続管40Bの第3配管43Bは、図4に示すように、2つの部材(第1部材44及び第2部材45)で構成されている。第1部材44は、第3配管43Bの上流管部156B及び中間管部157Bを構成している。第2部材45は、上流部を第1部材44の下流部に挿入して連結している。第2部材45の下流部は第3配管43Bの下流管部158Bを構成している。第2部材45の上流部の外径は、第1部材44の下流部の内径よりも僅かに小さい。第1部材44と第2部材45とは、第1部材44の下流部の内周面と第2部材45の上流部の外周面とを接着剤によって接着して連結している。第2部材45の上流部は、内周面の一部が下流側に向けて内側に湾曲して窄んでいる。第2部材45の下流部は円筒形状である。第2部材45の下流部の外径は第1部材44の下流部の内径よりも大きい。第2部材45の下流部の内径は上流部の内径よりも大きい。
【0032】
第2便器排水接続管40Bにおいて、第3配管43Bの上流管部156Bの中心軸A5と、第3配管43Bの下流管部158Bの中心軸A6とは交差し、その交差角度β2は約30.0度である。第3配管43Bは、第1配管41Bと同じ曲がり角度で曲がっている。
【0033】
各便器排水接続管40A,40Bにおいて、図2から図4に示すように、第3配管43A,43Bの上流管部156A,156Bの内径は、第2配管42A,42Bの外径よりも僅かに大きい。第3配管43A,43Bの上流管部156A,156Bと第2配管42A,42Bの下流端部とは、後述するように、施工時に第3配管43A,43Bの上流管部156A,156Bの内周面と第2配管42A,42Bの下流端部の外周面とを接着剤によって接着して連結する。第3配管43A,43Bの中間管部157A,157Bの内径は、第2配管42A,42Bの内径と略等しい。第3配管43A,43Bを第2配管42A,42Bに連結した状態において、第3配管43A,43Bの中間管部157A,157Bの内周面と第2配管42A,42Bの内周面とは段差なく連続している。このため、第1便器排水接続管40A、第2便器排水接続管40Bは、第2配管42A,42Bから第3配管43A,43Bへ便器排水がスムーズに流れる。
【0034】
第3配管43A,43Bの下流管部158A,158Bの内径は、後壁W1に設けられた排水管P1の外径よりも僅かに大きい。第3配管43A,43Bの下流管部158A,158Bは、後述するように、施工時に第3配管43A,43Bの下流管部158A,158Bの内周面と後壁W1に設けられた排水管P1の外周面とを接着剤によって接着して連結する。第3配管43A,43Bの中間管部157A,157Bの内径は、排水管P1の内径と略等しい。第3配管43A,43Bを排水管P1に連結した状態において、第3配管43A,43Bの中間管部157A,157Bの内周面と排水管P1の内周面とは段差なく連続している。このため、第1便器排水接続管40A、第2便器排水接続管40Bは、第3配管43A,43Bから排水管P1へ便器排水がスムーズに流れる。
【0035】
便器本体70は、図1及び図12に示すように、後端側をフレーム部材20に固定し、床面Fから上方に離れて取り付けられる。便器本体70は、便鉢部71、便器排水路73、上面部75、側面部77、及び後面部79を有している。便器排水路73は、上流端部を便鉢部71の下流部に連通している。便器排水路73の下流端部73Aは、直線状に伸びた円筒形状である。便器排水路73の下流端部73Aは、後面部79から突出して後方に伸びている。便器排水路73の下流端開口は、便器本体70の排出口74である。
【0036】
上面部75は、図12に示すように、便鉢部71の上端開口に連続し、後方に向けて水平に広がっている。側面部77は、上面部75の前端から左右方向に伸びた縁部に連続して下方に広がり、便鉢部71を前方向及び左右方向から隠蔽している。側面部77の左右後端縁は、上面部75の後端縁に連続しており、上面部75の後端縁と同一面上に伸びている。便器本体70をフレーム部材20に取り付けると、上面部75の後端縁、及び側面部77の左右後端縁は、下側前パネル13の前面に接触した状態になる。側面部77は、左右両側に一対の左右開口77Aが形成されている。便器本体70は、側面部77の左右開口77Aを介して、便鉢部71の外面の一部、便器排水路73の外面の一部、及び後面部79の前面を露出している。側面部77の左右開口77Aは、図示しない一対のサイドカバーを着脱自在に取り付けられる。左右開口77Aに取り付けられたサイドカバーの外面は、側面部77の外面と略面一になる。
【0037】
後面部79の上端縁は上面部75の下面に連続している。後面部79の左右両端縁は、側面部77の左右開口77Aの後端縁に沿って側面部77の内面に連続している。後面部79は、上面部75の後端縁、及び側面部77の左右後端縁よりも前側で上下左右方向に広がっている。後面部79は、便器排水路73の下流端部73Aが左右中央部から後方に突出している。後面部79は、便器排水路73の下流端部73Aよりも上方に便鉢部71へ洗浄水を供給する給水口(図示せず)が形成されている。給水口は、後述する洗浄タンク90に洗浄管(図示せず)を介して接続される。
【0038】
後面部79は、図12に示すように、一対の第1貫通孔79Aと一対の第2貫通孔79Bが形成されている。各第1貫通孔79A、及び各第2貫通孔79Bは、側面部77の左右開口77Aを介して視認することができる。一対の第1貫通孔79Aは、便器排水路73の下流端部73Aの左右両側に形成されており、便器本体70をフレーム部材20に取り付ける際、第1固定ボルトB1が挿入される。一対の第2貫通孔79Bは、便器排水路73の下流端部73Aの左右両側であり、第1貫通孔79Aよりも左右中心側に形成されている。第2貫通孔79Bは、便器本体70をフレーム部材20に取り付ける際、第2固定ボルトB2が挿入される。
【0039】
便座装置80は、図1に示すように、便器本体70の上面部75上に取り付けられる。便座装置80は、便座(図示せず)、便蓋81、及び機能部83を有している。機能部83は、局部洗浄装置等をカバー83A内に収納している。便座、及び便蓋81は、機能部83に回転自在に軸支されている。洗浄タンク90は、フレーム部材20の載置部25に固定され、キャビネット10内に収納されている。洗浄タンク90は、便器本体70の便鉢部71に供給する洗浄水を貯留する。洗浄タンク90に貯留された洗浄水は、便器洗浄を実行すると、洗浄管(図示せず)を通じて便器本体70の便鉢部71に流れる。
【0040】
<施工手順>
この水洗式便器1の施工手順について説明する。先ず、施工者は、後壁W1から直線状に前後方向に伸びた既設の排水管P1の排水高さを測定するとともに、左右位置を確認する。排水管P1の排水高さに応じて、施工者は、第1便器排水接続管40A及び第2便器排水接続管40Bのいずれか一方を選択して利用する。排水高さが148mm、及び155mmの場合、第1便器排水接続管40Aを利用し、排水高さが120mmの場合、第2便器排水接続管40Bを利用する。
【0041】
これ以降、第1便器排水接続管40Aを利用して水洗式便器1を施工する手順を説明するが、第2便器排水接続管40Bを利用して水洗式便器1を施工する場合も同様の手順である。後壁W1に設けられた排水管P1は、排水高さに応じて、後壁W1からの突出長さが決定されており、施工者は排水管P1をその長さに切断する。次に、施工者は、第1便器排水接続管40Aの第2配管42Aを所定の長さに切断する。第2配管42Aの長さは排水高さに応じて決定される。
【0042】
次に、施工者は、図5及び図6に示すように、第1便器排水接続管40Aを構成する第1配管41Aの屈曲管53Aと、第2配管42Aと、第3配管43Aとを組み立てて、排水管P1に接続する。先ず、施工者は、屈曲管53Aと、第2配管42Aと、第3配管43Aとを接着剤によって接着して組み立てる。この際、施工者は、屈曲管53Aの下流管部155A、第2配管42A、及び第3配管43Aの上流管部156Aのそれぞれの外周面に付された上端位置を示すマーク(図示せず)を合わせて屈曲管53A、第2配管42A、及び第3配管43Aを接続する。施工者は、屈曲管53A、第2配管42A、及び第3配管43Aを組み立てた後、図6に示すように、後壁W1に設けられた排水管P1を第3配管43Aの下流管部158Aの下流端開口から挿入し、接着剤によって接着し接続する。この際、施工者は、後壁W1に設けられた排水管P1に上端位置を示す線を罫書き、この線と第3配管43Aの下流管部158Aの外周面に付された上端位置を示すマーク(図示せず)とを合わせて接続する。
【0043】
次に、施工者は、図7に示すように、フレーム部材20をトイレブースTに取り付ける。フレーム部材20は、後壁W1の所定の高さに固定された補強木Hと上フレーム23とを支持ボルトB4によって連結され、左右一対の縦フレーム21のそれぞれの下端部を床面Fにねじ止めされる。トイレブースTに取り付けられたフレーム部材20は、固定部27の開口27Bに第1配管41Aの屈曲管53Aの上流管部153Aを挿入した状態になる。施工者は、図8に示すように、フレーム部材20の固定部27の前面27Aよりも前方に突出した屈曲管53Aの上流管部153Aを固定部27の前面27Aから所定の長さLに切断する。
【0044】
次に、施工者は、図9及び図10に示すように、排水ソケット50をフレーム部材20に取り付ける。先ず、施工者は、フレーム部材20の固定部27の開口27B周りに4本の排水ソケット用ボルトB5を取り付ける。上側2本の排水ソケット用ボルトB5は、図10に示すように、下側2本の排水ソケット用ボルトB5に比べて、フレーム部材20の固定部27の前面27Aから前方への突出長さが短い。上側2本の排水ソケット用ボルトB5は、フレーム部材20の固定部27の前面27Aから前方への突出長さが略同じである。下側2本の排水ソケット用ボルトB5は、フレーム部材20の固定部27の前面27Aから前方への突出長さが略同じである。施工者は、各排水ソケット用ボルトB5の前端から第1フランジナットN1をねじ込む。各第1フランジナットN1は、フランジ部を前方側にして、フランジ部の前面が屈曲管53Aの前端面よりも前方に出ない位置に各排水ソケット用ボルトB5にねじ込まれる。
【0045】
施工者は、図9及び図10に示すように、排水ソケット50の差込部151の内周面と、屈曲管53Aの上流管部153Aの外周面に接着剤を塗布し、フレーム部材20に取り付けられた4本の排水ソケット用ボルトB5を排水ソケット50のソケット部150の鍔部159に形成された貫通孔159Aに挿入する。施工者は、図10に示すように、下側2本の排水ソケット用ボルトB5をソケット部150の下側の2個の鍔部159に形成された貫通孔159Aに挿入してから、排水ソケット50の差込部151に屈曲管53Aの上流管部153Aを挿入しつつ、上側2本の排水ソケット用ボルトB5をソケット部150の上側の2個の鍔部159に形成された貫通孔159Aに挿入する。下側2本の排水ソケット用ボルトB5をソケット部150の下側の2個の鍔部159に形成された貫通孔159Aに挿入することによって、排水ソケット50の取り付け姿勢が決定するため、4本の排水ソケット用ボルトB5を同時に4個の鍔部159のそれぞれに形成された貫通孔159Aに挿入する場合に比べ、施工者は排水ソケット50を容易に取り付けることができる。
【0046】
施工者は、図11に示すように、各排水ソケット用ボルトB5の前端から第2フランジナットN2をねじ込む。各第2フランジナットN2は、フランジ部を後側にして、各排水ソケット用ボルトB5にねじ込まれる。施工者は、ソケット部150の鍔部159の前後両側から第1フランジナットN1及び第2フランジナットN2を締め付けて、排水ソケット50をフレーム部材20に固定する。第1フランジナットN1及び第2フランジナットN2のねじ込み位置を調整することによって、施工誤差を吸収することができる。第1便器排水接続管40Aを構成する屈曲管53Aの上流管部153Aに接着剤によって接着された排水ソケット50がフレーム部材20に固定されている。このように、第1便器排水接続管40Aはフレーム部材20に固定されている。
【0047】
次に、施工者は、図11及び図12に示すように、便器本体70をフレーム部材20に取り付ける。先ず、施工者は、一対の第1固定ボルトB1、一対の第2固定ボルトB2、及び第3固定ボルトB3をフレーム部材20に取り付ける。各第1固定ボルトB1は、フレーム部材20の縦フレーム21の前面から所定の距離離れた中間部にナットC1をねじ込み、ワッシャーC2、及びパッキンC3を順に挿入する。次に、施工者は、図12に示すように、下側前パネル13をフレーム部材20に取り付ける。下側前パネル13の前面は、一対の第1固定ボルトB1のパッキンCC3、及び第3固定ボルトB3の頭部の前面よりも僅かに後方に位置している。
【0048】
次に、施工者は、便器本体70の後面部79に形成された給水口に接続金具(図示せず)を取り付け、便器排水路73の下流端部にパッキンPを取り付ける。施工者は、図12に示すように、パッキンPを取り付けた便器排水路73の下流端部73Aを排水ソケット50のソケット部150に前方から挿入しつつ(図2参照)、便器本体70の後面部79に形成された一対の第1貫通孔79Aに第1固定ボルトB1を挿入し、一対の第2貫通孔79Bに第2固定ボルトB2を挿入する。施工者は、パッキンD1、ワッシャーD2、及びナットD3の順に各第1固定ボルトB1の前端から挿入し、ワッシャE1、及びナットE2の順に各第2固定ボルトB2の前端から挿入する。施工者は、各ナットD3,E2を締め付けて便器本体70をフレーム部材20に固定する。
【0049】
施工者は、便器本体70をフレーム部材20に固定したのち、洗浄タンク90をフレーム部材20の載置板部25Aの上面に固定する。洗浄タンク90は、洗浄管(図示せず)を介して便器本体70に接続されるとともに、洗浄水を供給する給水管(図示せず)に接続される。次に、施工者は、フレーム部材20に上側前パネル11を取り付ける。次に、施工者は、便座装置80を便器本体70の上面部75上に取り付ける。次に、施工者は、一対の扉部材15を上側前パネル11及び下側前パネル13の左右両側に開閉自在に取り付け、カウンタ17をキャビネット10の上端に配置する。最後に、施工者は、便器本体70の側面部77の左右開口77Aにサイドカバー(図示せず)を取り付けて水洗式便器1の施工を終了する。
【0050】
<実施形態2>
実施形態2の水洗式便器2の便器排水接続管140は、図13に示すように、第3配管143の形態が実施形態1の第1便器排水接続管40Aの第3配管43Aと異なる。他の構成は、実施形態1と同様であり、同じ構成は同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0051】
この便器排水接続管140の第3配管143は、上流管部143A、中間管部143B、及び下流管部143Cを有している。上流管部143A、及び下流管部143Cは、第1便器排水接続管40Aの第3配管43Aの上流管部156A、及び下流管部158Aと同じ形態である。中間管部143Bは、湾曲しており、その曲がり具合が第1便器排水接続管40Aの第3配管43Aの中間管部157Aと異なっている。この便器排水接続管140の第3配管143の上流管部143Aの中心軸と、第3配管143の下流管部143Cの中心軸とは交差し、その交差角度は約90度である。この便器排水接続管140は、第3配管143の下流管部143Cの下流端開口をトイレブースTの右側の横壁W2に向け、右側の横壁W2から直線状に左右方向に伸びた排水管P2に連結することができる。
【0052】
以上説明したように、実施形態1及び2の便器排水接続管40(40A,40B),140は、便器本体70の排出口74に接続する接続部であるソケット部150を上流端部に有する第1配管41A,41Bと、施工時に第1配管41A,41Bの下流端部に接続し、施工後の状態において、上流端から下流端に向けて斜め下方に傾斜して伸びる第2配管42A,42Bと、を備えている。これら便器排水接続管40は、施工時に第1配管41A,41Bの下流端部に第2配管42A,42Bを接続するため、排水管P1,P2に対する排出口74の位置ずれに対する許容範囲を広くすることができ、水洗式便器1,2を容易に施工することができる。
【0053】
実施形態1及び2の便器排水接続管40(40A,40B),140は、第2配管42A,42Bの下流端部に接続する第3配管43A,43B,143を備えている。これら便器排水接続管40(40A,40B),140は、形態が異なる第3配管43A,43B,143を複数種類用意することによって、後壁W1や横壁W2に設けられた排水高さの異なる排水管P1,P2に接続したり、床面Fに設けられた排水管に接続したりすることができる。
【0054】
実施形態1及び2の便器排水接続管40(40A,40B),140の第1配管41A,41Bは湾曲部を有している。これら便器排水接続管40(40A,40B),140は、第1配管41A,41B内を便器排水がスムーズに流れる。
【0055】
実施形態1及び2の便器排水接続管40(40A,40B),140の第3配管43A,43B,143は湾曲部を有している。これら便器排水接続管40(40A,40B),140は、第3配管43A,43B,143内を便器排水がスムーズに流れる。
【0056】
実施形態1の便器排水接続管40(40A,40B)の第1配管41A,41B及び第3配管43A,43Bは、同じ曲がり角度である。この便器排水接続管40(40A,40B)は、第1配管41A,41Bの上流端部のソケット部150の傾斜角度と、第3配管43A,43Bの下流管部158A,158Bの傾斜角度が同じになるため、略等しい排水勾配を有する便器排水路73の下流端部と、排水管P1とを容易に接続することができる。
【0057】
実施形態1及び2の便器排水接続管40(40A,40B),140の第2配管42A,42Bは、硬質であり、直線状に伸びている。これら便器排水接続管40(40A,40B),140は、第2配管42A,42Bを便器排水がスムーズに流れるとともに、耐久性を有している。
【0058】
実施形態2の便器排水接続管140の第3配管143の下流端部は、トイレブースTに便器本体70を取り付けた際、便器本体70の右側に位置する横壁W2に設けられた排水管P2に接続する。この便器排水接続管140は、便器本体70の左右いずれかに位置する横壁W2に設けられた排水管P2に接続することができる。
【0059】
実施形態1及び2の水洗式便器1,2は、便器本体70と、便器本体70を固定するフレーム部材20と、フレーム部材20に固定する便器排水接続管40(40A,40B),140と、を具備している。これら水洗式便器1,2は、フレーム部材20に対して便器本体70及び便器排水接続管40(40A,40B),140を固定するため、便器本体70と便器排水接続管40(40A,40B),140との接続に際し、位置調整などを容易に行うことができ、水洗式便器1,2を容易に施工することができる。
【0060】
本開示は上記記述及び図面によって説明した実施形態1及び2に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)便器排水接続管は、第3配管を備えず、第2配管の下流端部を排水管に接続してもよい。
(2)第1配管及び第3配管は湾曲部を有せず、屈曲していてもよい。
(3)第3配管は3個以上の部材によって構成してもよい。
(4)第2配管は、中心軸に直交する断面形状が楕円形状であってもよい。
(5)排水高さに応じた切断長さを示す型紙を用意し、第2配管を切断する際に型紙を利用して切断長さを決定するようにしてもよい。
(6)排水高さに応じた切断位置を第2配管の外周面に直接的に記してもよい。
(7)第1配管は、排水ソケット及び屈曲管を一体に成形してもよい。
(8)実施形態1及び2において、排水ソケット用ボルトB5と、第1及び第2フランジナットN1,N2とを利用して排水ソケット50をフレーム部材20に取り付けている。これに対して、ネジと、フレーム部材20と排水ソケット50の鍔部159との間に挟み込むスペーサとを利用して排水ソケット50をフレーム部材20に取り付けてもよい。排水ソケット用ボルトB5、スペーサ、及び第2フランジナットN2を利用して排水ソケット50をフレーム部材20に取り付けてもよい。排水ソケット50の上側の2個の鍔部159を排水ソケット用ボルトB5、スペーサ、第2フランジナットN2を利用してフレーム部材20に取り付け、排水ソケット50の下側の2個の鍔部159をネジとスペーサとを利用してフレーム部材20に取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1,2…水洗式便器、20…フレーム部材、40,40A,40B…便器排水接続管(40A…第1便器排水接続管、40B…第2便器排水接続管)、41A,41B…第1配管、42A,42B…第2配管、43A,43B…第3配管、70…便器本体、74…排出口、150…ソケット部(接続部)、T…トイレブース、W2…横壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12
図13