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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044433
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】媒体搬送装置及び画像読取装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 31/22 20060101AFI20240326BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
B65H31/22
H04N1/00 567C
H04N1/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022149941
(22)【出願日】2022-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】並木 政樹
【テーマコード(参考)】
3F054
5C062
【Fターム(参考)】
3F054AA02
3F054AC00
3F054BA01
3F054BC13
3F054BC14
3F054DA13
5C062AA05
5C062AB02
5C062AB10
5C062AB30
5C062AB32
5C062AB33
5C062AB35
5C062AC09
5C062AC11
5C062AC15
5C062AC66
5C062AD02
5C062AD03
5C062AD05
(57)【要約】
【課題】排出トレイの載置枚数を増やすことができるようにして、ユーザーの使い勝手を向上すること。
【解決手段】装置本体2に設けられ、媒体3を排出する排出部9と、排出部9により排出される媒体3を受ける排出トレイ11を有する載置部材13とを備え、載置部材13は装置本体2の下部に着脱可能であり、載置部材13と装置本体2の間に装着可能な高さ調整部材15を備える。装置本体2と高さ調整部材15との接続をロックする第1ロック部材17と、高さ調整部材15と載置部材13との接続をロックする第2ロック部材19とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体に設けられ、媒体を排出する排出部と、
前記排出部により排出される媒体を受ける排出トレイを有する載置部材であって、前記装置本体の下部に対して着脱可能である前記載置部材と、
前記載置部材と前記装置本体の間に装着可能な高さ調整部材と、を備える、
ことを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の媒体搬送装置において、
前記装置本体と前記高さ調整部材との接続をロックする第1ロック部材と、
前記高さ調整部材と前記載置部材との接続をロックする第2ロック部材と、を備える、
ことを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項3】
請求項2に記載の媒体搬送装置において、
前記排出トレイは、前記載置部材に収納される収納状態からスライド移動することで前記排出部から排出される媒体を受ける状態になり
前記第2ロック部材は、前記載置部材における前記排出トレイが収納される収納部に位置する、
ことを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項4】
請求項3に記載の媒体搬送装置において、
前記装置本体に設けられ、給送される媒体を載置する給送トレイを備え、
前記給送トレイは、前記装置本体に収納される収納状態から展開されることで前記媒体を給送可能な姿勢となり、
前記載置部材が前記装置本体の下部に装着された状態において、前記給送トレイが前記装置本体に対して展開されることに連動して、前記排出トレイが前記載置部材からスライド移動する、
ことを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の媒体搬送装置において、
前記装置本体の下部に着脱可能な第2載置部材を備え、
前記第2載置部材が有する第2排出トレイは、前記排出トレイより前記媒体が排出される方向の長さが短い、
ことを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項6】
搬送される媒体の画像を読み取る読取部と、
請求項1から請求項5の何れか1項に記載の媒体搬送装置と、を備える
ことを特徴とする画像読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体搬送装置及び画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置の一例として、特許文献1に記載のものが挙げられる。特許文献1には、装置本体の下部に排出された媒体が載置される載置部を有する媒体搬送装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-86579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構造では、媒体を大量に搬送して排出する場合、装置に固定の排出トレイが設けられる構成では、前記媒体を載置することができる限度枚数が少ないと、ユーザーが載置限度枚数になる度に排出トレイから前記媒体を取り除く必要があり、ユーザーの使い勝手が悪かった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明に係る媒体搬送装置は、装置本体に設けられ、媒体を排出する排出部と、前記排出部により排出される媒体を受ける排出トレイを有する載置部材であって、前記装置本体の下部に対して着脱可能である前記載置部材と、前記載置部材と前記装置本体の間に装着可能な高さ調整部材と、を備えることを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係る画像読取装置は、搬送される媒体の画像を読み取る読取部と、後述する第1の態様から第5の態様の何れか一つの態様に記載されている媒体搬送装置と、を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態1の媒体搬送装置を備える画像読取装置を示す側面図(A)(B)。
図2】実施形態1の画像読取装置を下方から見た斜視図。
図3】実施形態1の画像読取装置を示す側面図(A)(B)。
図4】実施形態1の画像読取装置を下方から見た斜視図。
図5】実施形態1の媒体搬送装置の要部断面図(A)と要部斜視図(B)。
図6】実施形態2の画像読取装置を示す側断面図。
図7】実施形態2の画像読取装置を示す側断面図。
図8】実施形態2の画像読取装置の要部斜視図(A)(B)。
図9】実施形態2の変形例1の要部側断面図。
図10】実施形態2の変形例2の要部側断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明について先ず概略的に説明する。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様に係る媒体搬送装置は、装置本体に設けられ、媒体を排出する排出部と、前記排出部により排出される媒体を受ける排出トレイを有する載置部材であって、前記装置本体の下部に対して着脱可能である前記載置部材と、前記載置部材と前記装置本体の間に装着可能な高さ調整部材と、を備えることを特徴とする。
【0009】
本態様によれば、前記載置部材は前記装置本体の下部に着脱可能であり、前記載置部材と前記装置本体の間に装着可能な高さ調整部材を備える。これにより、前記高さ調整部材を用いることにより、前記排出部と前記排出トレイとの間の距離を増やすことができる。以って、前記排出トレイの載置枚数を増やすことができ、ユーザーの使い勝手を向上することができる。
【0010】
本発明の第2の態様に係る媒体搬送装置は、第1の態様において、前記装置本体と前記高さ調整部材との接続をロックする第1ロック部材と、前記高さ調整部材と前記載置部材との接続をロックする第2ロック部材とを備えることを特徴とする。
【0011】
本態様によれば、前記第1ロック部材と前記第2ロック部材を備える。これにより、媒体搬送装置を持ち運びする際に載置部材或いは装置本体がずれる虞がないため、ユーザーの使い勝手を向上することができる。
【0012】
本発明の第3の態様に係る媒体搬送装置は、第2の態様において、前記排出トレイは、前記載置部材に対して展開する状態と収納される状態とにスライド可能であり、前記第2ロック部材は、前記載置部材における前記排出トレイが収納される収納部に位置することを特徴とする。
【0013】
本態様によれば、前記第2ロック部材は、前記載置部材における前記排出トレイが収納される収納部に位置するので、前記第2ロック部材を前記収納部のスペースを活用して設けることができ、装置全体の小型化を実現することができる。
また、前記排出トレイを前記載置部材に対してスライド移動させると、前記第2ロック部材の部分がアクセス可能に露呈するので、ユーザーの使い勝手を向上することができる。
【0014】
本発明の第4の態様に係る媒体搬送装置は、第3の態様において、前記装置本体に設けられ、給送される媒体を載置する給送トレイを備え、前記給送トレイは、前記装置本体に収納される収納状態から展開されることで前記媒体を給送可能な姿勢となり、前記載置部材が前記装置本体の下部に装着された状態において、前記給送トレイが前記装置本体に対して展開されることに連動して、前記排出トレイが前記載置部材からスライド移動することを特徴とする。
【0015】
本態様によれば、前記載置部材が前記装置本体に装着された状態において、前記給送トレイが前記装置本体に対して展開されることに連動して、前記排出トレイが前記載置部材からスライド移動して前記排出部から排出される媒体を受ける状態になる。よって、前記給送トレイと前記排出トレイとが連動して動くのでユーザーの使い勝手が向上する。
【0016】
本発明の第5の態様に係る媒体搬送装置は、第1の態様から第4の態様のいずれか一つの態様において、前記装置本体の下部に着脱可能な第2載置部材を備え、前記第2載置部材が有する第2排出トレイは、前記排出トレイより前記媒体が排出される方向の長さが短いことを特徴とする。
【0017】
本態様によれば、短尺な媒体専用の第2載置部材を備えているので、その第2載置部材に換えることで、前記媒体の長さに合わせて載置部材を適切に使うことができる。
【0018】
本発明の第6の態様に係る画像読取装置は、搬送される媒体の画像を読み取る読取部と、第1の態様から第5の態様の何れか一つの態様に記載の媒体搬送装置とを備えることを特徴とする。
【0019】
本態様によれば、画像読取装置として、第1の態様から第5の態様の何れか一つの態様に記載の媒体搬送装置と同様の効果を得ることができる。
【0020】
[実施形態]
以下、本発明の各実施形態に係る媒体搬送装置と、この媒体搬送装置を備える画像読取装置について、図面に基づいて具体的に説明する。
以下の説明においては、互いに直交する3つの軸を、各図に示すように、それぞれX軸、Y軸、Z軸とする。3つの軸(X,Y,Z)の矢印の示す方向が各方向の+方向であり、その逆が-方向である。Z軸方向は鉛直方向即ち重力が作用する方向に相当し、+Z方向が鉛直上方を示し、-Z方向が鉛直下方を示す。X軸方向及びY軸方向は、水平方向に相当する。+Y方向が装置の前方向を示し、-Y方向が装置の後方向を示す。+X方向が装置の右方向を示し、-X方向が装置の左方向を示す。
【0021】
[実施形態1]
<画像読取装置の全体構成>
実施形態1の画像読取装置1は、媒体の画像を読み取り可能なスキャナーである。ここで、前記画像は、前記媒体に視覚的に記録されているものを意味し、例えば文字、図形、表、絵、写真等である。また、前記媒体は、シートに限らず、カード、冊子等も含まれる。
図1図6及び図7に示したように、画像読取装置1は、媒体3の画像を読み取り可能な読取部5と、媒体搬送装置7とを備える。
媒体搬送装置7は、装置本体2と、装置本体2に設けられ、媒体3を排出する排出部9と、排出部9により排出される媒体3を受ける排出トレイ11を有する載置部材13と、後述する高さ調整部材15(図1)と、を備える。
装置本体2には、搬送経路4において、読取部5の上流に設けられ媒体3に搬送力を付与する搬送ローラー8(図7)等の他の構造部材が通常のスキャナーと同様に配置されている。
尚、搬送経路4とは、この明細書においては、排出部9の上流側の部分だけでなく、排出部9の下流側の部分、即ち排出経路も含む意味で使われている。
【0022】
<媒体搬送装置>
図1図6及び図7に示したように、本実施形態の媒体搬送装置7は、一部繰り返しの説明になるが、装置本体2に設けられ、読取部5より上流から搬送経路4を搬送方向Fに搬送されてくる媒体3を排出方向Dに排出する排出部9と、排出部9により排出される媒体3を受ける排出トレイ11を有する載置部材13とを備えている。載置部材13は装置本体2の下部に着脱可能に構成されている。そして、載置部材13と装置本体2の底面10と間に装着可能な高さ調整部材15を備えている。
尚、図6図7は、高さ調整部材15が装置本体2に装着されておらず、載置部材13が装置本体2の底面10に装着されている状態を示している。
【0023】
<第1ロック部材、第2ロック部材>
本実施形態では、装置本体2と高さ調整部材15との接続をロックする第1ロック部材17と、高さ調整部材15と載置部材13との接続をロックする第2ロック部材19とを備えている。
図2図5に示したように、本実施形態では、第1ロック部材17は、装置本体2の幅方向(X軸方向)に離間して2つ設けられている。図4図5に示したように、同じく第2ロック部材19も装置本体2の幅方向(X軸方向)に離間して2つ設けられている。
【0024】
第1ロック部材17,17は、高さ調整部材15の下面6に取り付けられており、後述する係止部18,18と係止する被係止部14,14(図5(B))を有する。装置本体2の底面10には、2つのフック12、12(図5)が下方(-Z方向)に向かって突設されている。高さ調整部材15は、第1ロック部材17の被係止部14,14の近傍に孔16,16が形成されている。装置本体2のフック12,12は、被係止部14,14と係止する係止部18,18(図5(B))を有している。
また、図3(A)に示したように、装置本体2の底面10には位置決め突起30が4つ突設されている。図3(A)は、側面図であるので、4つの突起30の内の2つの突起30しか見えていない。そして、高さ調整部材15には、位置決め突起30に対応して、図示を省く4つの位置決め孔が形成されている。
また、図2に示したように、高さ調整部材15にも、その下面6に4つの位置決め突起32が突設されている。載置部材13に形成される、図示を省いた前記4つの位置決め孔は、4つの位置決め突起32の位置に対応する位置に形成されている。
【0025】
本実施形態では、図2図5に示したように、高さ調整部材15の下面6にも、2つのフック26,26が形成されている。フック26,26は繋ぎ部28,28を介して、フック12,12と水平方向において同じ位置になるように形成されている。別の言い方をすると、フック26,26はフック12,12の真下に位置するように配置されている。本実施形態では、フック26,26は、繋ぎ部28,28以外の部分は、フック12,12と同じ大きさ及び形状に作られている。そのため、同一部分に同一符号を付してその説明は省略する。
図2では、フック12,12は、フック26,26に隠れて見えていない状態である。また、図5(B)では、フック26,26の図示が図面の複雑化を避ける為に省かれている。
【0026】
図2に示したように、第1ロック部材17,17は、軸20,20に回転可能に取り付けられている。そして、軸20,20と第1ロック部材17,17との間にネジリコイルバネ22,22が縮設されている。ネジリコイルバネ22,22は、被係止部14,14を係止部18,18と係止する係止位置に向かう方向に弾性力によって付勢し、且つその係止位置に保持するように構成されている。
【0027】
<装置本体への高さ調整部材の装着とロック>
装置本体2と高さ調整部材15とを、4つの位置決め突起30と4つの位置決め孔で位置合わせをして、装置本体2のフック12,12を高さ調整部材15の孔16,16に貫通させる。これにより、第1ロック部材17の被係止部14,14は、係止部18,18の斜面34,34にガイドされて前記係止位置から前記弾性力に抗して退避する。更に貫通方向に移動すると、係止部18,18が斜面34,34を超える。被係止部14,14は、ネジリコイルバネ22,22の前記弾性力によって係止位置に戻る。これにより、第1ロック部材17の被係止部14,14にフック12,12の係止部18,18が係止した状態になる。この係止により、高さ調整部材15は、装置本体2の底面10に第1ロック部材17,17によりロックされた状態で接続される。
図5の係止状態において、第1ロック部材17を前記弾性力に抗して矢印24の方向に回転させると被係止部14,14が係止部18,18から外れる。これにより、ロック状態は解除され、高さ調整部材15を装置本体2から外すことが可能な状態になる。
【0028】
次に、第2ロック部材19,19について説明する。
第2ロック部材19,19は、図4図5(A)に示したように、載置部材13の下面36の軸38,38に取り付けられている。尚、図5(A)では、軸38,38の図示が省略されている。第2ロック部材19,19は、第1ロック部材17,17と同じ構造で作られている。そのため、同一部分に同一符号を付してその説明は省略する。
図5(A)に示したように、載置部材13は、第2ロック部材19の被係止部14,14の近傍に孔42,42が形成されている。また、載置部材13には、位置決め突起32に対応して、図示を省く4つの位置決め孔が形成されている。載置部材13に形成される、図示を省いた前記4つの位置決め孔は、図4の符号40を付した4つの位置に対応する位置に形成されている。
【0029】
<高さ調整部材への載置部材の装着とロック>
高さ調整部材15と載置部材13とを、位置決め突起32と位置決め孔で位置合わせをして、高さ調整部材15のフック26,26を載置部材13の孔42,42に貫通させる。これにより、第2ロック部材19の被係止部14,14は、係止部18,18の斜面34,34にガイドされて前記係止位置から前記弾性力に抗して退避する。更に貫通方向に移動すると、係止部18,18が斜面34,34を超える。被係止部14,14は、ネジリコイルバネ22,22の前記弾性力によって係止位置に戻る。これにより、第2ロック部材19の被係止部14,14にフック26,26の係止部18,18が係止した状態になる。この係止により、載置部材13は、高さ調整部材15の底面6に第2ロック部材19,19によりロックされた状態で接続される。
ロック解除は、第1ロック部材17,17と同様であるので、その説明は省略する。
【0030】
<スライド移動>
本実施形態では、媒体搬送装置7は、排出トレイ11が載置部材13に収納される収納状態(図6)からスライド移動することで排出部9から排出される媒体3を受ける状態(図7)になるように構成されている。載置部材13は、排出トレイ11を内部に収納する収納部21を有する。
そして、図5(A)に示したように、第2ロック部材19は、載置部材13における排出トレイ11が収納される収納部21のスペースに位置するように構成されている。
【0031】
<第2載置部材>
本実施形態では、媒体搬送装置7は、装置本体2の下部に着脱可能な第2載置部材25を備えている。第2載置部材25は第2排出トレイ27を有している。第2排出トレイ27は、排出トレイ11より媒体3が排出される方向の長さが短い構造に形成されている。
第2載置部材25を使う場合は、図1(A)に示した状態の載置部材13を高さ調整部材15から外す。それから、代わりに第2調整部材25を高さ調整部材15に取り付けて、図1(B)の状態にする。
【0032】
<実施形態1の作用の説明>
図3(B)及び図6の状態は、装置本体2に載置部材13が直接装着されている状態である。この状態で、図4に示したように、排出トレイ11を前方(+Y方向)にスライド移動して第2ロック部材19,19の部分を露呈させる。次に、第2ロック部材を上記説明に記載した通りに操作してロック解除の状態に変える。これにより、図3(A)に示したように、装置本体2を載置部材13から分離することができる。
次に、装置本体2の底面10に高さ調整部材15を装着する。この装着は、第1ロック部材17,17を上記説明に記載した通りに操作してロック状態にすることで接続完了となる。図2はこの状態に相当する。
更に、高さ調整部材15の下面6に載置部材13を装着する。この装着は、第2ロック部材19,19を上記説明に記載した通りに操作してロック状態にすることで接続完了となる。図1はこの状態に相当する。
【0033】
<実施形態1の効果の説明>
(1)実施形態1では、載置部材13は装置本体2の下部に着脱可能であり、載置部材13と装置本体2の間に装着可能な高さ調整部材15を備える。これにより、高さ調整部材15を用いることにより、排出部9と排出トレイ11との間の距離を増やすことができる。以って、排出トレイ11の載置枚数を増やすことができ、ユーザーの使い勝手を向上することができる。
(2)また、本実施形態では、第1ロック部材17,17と第2ロック部材19,19を備える。これにより、媒体搬送装置7を持ち運びする際に載置部材14或いは装置本体2がずれる虞がないため、ユーザーの使い勝手を向上することができる。
【0034】
(3)また、本実施形態では、第2ロック部材19,19は、載置部材13における排出トレイ11が収納される収納部21に位置する。これにより、第2ロック部材19,19を収納部21のスペースを活用して設けることができ、装置全体の小型化を実現することができる。
また、排出トレイ11を載置部材13に対してスライド移動させると、第2ロック部材19,19の部分がアクセス可能に露呈するので、ユーザーの使い勝手を向上することができる。
(4)また、本実施形態では、短尺な媒体専用の第2載置部材27を備えているので、その第2載置部材27に換えることで、媒体3の長さに合わせて載置部材を適切に使うことができる。
【0035】
[実施形態2]
以下、実施形態2に係る媒体搬送装置7と、この媒体搬送装置7を備える画像読取装置1について、図6から図8に基づいて説明する。実施形態1と同一部分については同一符号を付してその構成及び対応する効果の説明は省略する。
図6図7に示したように、本実施形態では、媒体搬送装置7は、装置本体2に設けられ、給送される媒体3を載置する給送トレイ23を備えている。給送トレイ23は、装置本体2に収納される収納状態(図6)から展開されることで、図7に示した媒体3を給送可能な姿勢となるように構成されている。給送トレイ23は、図示を省く軸を回動支点として矢印39に沿って回動することで展開される。
本実施形態では、載置部材13が装置本体2の下部に装着された状態において、給送トレイ23が装置本体2に対して展開されることに連動して、排出トレイ11が載置部材13からスライド移動する。このスライド移動により、排出トレイ11は、排出部9から排出される媒体3を受けることが可能な状態になる。
【0036】
次に図6から図8に基いて、給送トレイ23と排出トレイが連動する連動構造1について説明する。
装置本体2の後面に沿ってレバー31が縦方向に設けられている。レバー31は図示を省くバネ等の付勢部材によって上方に付勢力を受けている。レバー31は、その下端にL字フック33が設けられており、図8(A)に示したように、L字フック33が載置部材13に設けられた被フック部37に係止して、前記付勢力に抗してその位置に保持されている(図6の状態)。
【0037】
給送トレイ23は、矢印39に沿って回動して展開されると、給送トレイ23の一部がレバー31と接触し、更にレバー31を下方に押すように構成されている。レバー31が下方に移動することで、L字フック33が被フック部37を外れつつ排出トレイ11の後端部35を前方に向かって押す。このように、レバー31は、図6及び図8(A)の位置から下方に移動し図7及び図8(B)の位置に変わり、その位置で保持される。
排出トレイ11は、L字フック33に押されたことで媒体3を受ける位置にスライド移動する。
図7の状態の排出トレイ11を載置部材13の収納部21内に戻す際は、給送トレイ23を図6の収納状態に戻す。これにより、レバー31は前記付勢力によって上方に移動し、上死点となる図6の位置で停止する。この状態で排出トレイ11を載置部材13の収納部21内に押し戻すと、L字フック33が被フック部37に係止して、その位置に保持される。
【0038】
<連動構造の変形例1>
次に図9(A)(B)に基いて、給送トレイ23と排出トレイが連動する他の連動構造2について説明する。
連動構造2では、レバー31の下側に回転カム41が設けられている。回転カム41は軸43に回転可能に取り付けられている。図9(A)の状態から、レバー31が前記付勢力に抗して下方に移動すると、回転カム41は、軸43を回転支点として回転し、自由端側が排出トレイ11の後端部35を前方(+Y方向)に押す。これにより、図9(B)に示したように、排出トレイ11は、その後端部35が回転カム41に押されたことで媒体3を受ける位置にスライド移動する。
【0039】
図9(B)の状態の排出トレイ11を載置部材13の収納部21内に戻す際は、給送トレイ23を収納状態に戻す。これにより、レバー31は前記付勢力によって上方に移動し、上死点となる図9(A)の位置で停止する。この状態で排出トレイ11を載置部材13の収納部21内に押し戻すと、図9(A)の状態になってその位置に保持される。
【0040】
<連動構造の変形例2>
次に図10(A)(B)に基いて、給送トレイ23と排出トレイが連動する他の連動構造3について説明する。
連動構造3では、レバー31の下側に移動カム51が前後方向に移動可能に設けられている。移動カム51は傾斜面53を有する。傾斜面53にレバー31の下部55が接触している。図10(A)の状態から、レバー31が前記付勢力に抗して下方に移動すると、移動カム51は傾斜面53を介して前方(+Y方向)に移動する。これにより、図10(B)に示したように、排出トレイ11は移動カム51と一緒に前方(+Y方向)にスライド移動する。
図10(B)の状態の排出トレイ11を載置部材13の収納部21内に戻す際は、給送トレイ23を収納状態に戻す。これにより、レバー31は前記付勢力によって上方に移動し、上死点となる図10(A)の位置で停止する。この状態で排出トレイ11を載置部材13の収納部21内に押し戻すと、図10(A)の状態になってその位置に保持される。
【0041】
上記連動構造の説明では、装置本体2に載置部材13が直接装着され、高さ調整部材15が装着されていない状態について説明した。高さ調整部材15が装置本体2と載置部材13の間に装着されている状態でも、上記連動構造によって同様に連動させることができる。
この場合、レバー31をその長さを伸縮可能な構造とし、更に高さ調整部材15にレバー31を通す孔を設けることで構造簡単に対応することができる。
【0042】
〔他の実施形態〕
本発明に係る媒体搬送装置7及び媒体搬送装置7を備える画像読取装置1は、以上述べた実施形態の構成を有することを基本とするものであるが、本願発明の要旨を逸脱しない範囲内での部分的構成の変更や省略等を行うことは勿論可能である。
(1)上記実施形態では、本発明に係る媒体搬送装置7を備える装置を画像読取装置1として説明したが、これに限定されず、印刷装置や媒体搬送装置等にも適用することができる。
(2)第1ロック部材17,17と第2ロック部材19,19の構造が上記実施形態の構造に限定されない。フック12,12をスナップフィットの構造を採用して、外れないように接続してもよい。また、ネジとネジ穴の組合せで両者を外れないように接続してもよい。
【符号の説明】
【0043】
1…画像読取装置、2…装置本体、3…媒体、4…搬送経路、5…読取部、
6…下面、7…媒体搬送装置、8…搬送ローラー、9…排出部、10…底面、
11…排出トレイ、12…フック、13…載置部材、14…被係止部、
15…高さ調整部材、16…孔、17…第1ロック部材、18…係止部、
19…第2ロック部材、20…軸、21…収納部、22…ネジリコイルバネ、
23…給送トレイ、24…矢印、25…第2載置部材、26…フック、
27…第2排出トレイ、28…繋ぎ部、30…突起、31…レバー、32…突起、
33…L字フック、34…斜面、35…後端部、36…下面、37…被フック部、
38…軸、41…回転カム、42…孔、43…軸、51…移動カム、
53…傾斜面、55…下部、D…排出方向、F…搬送方向
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