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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044441
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】収容ボックス
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/244 20210101AFI20240326BHJP
   H05K 5/00 20060101ALI20240326BHJP
   H01M 50/296 20210101ALI20240326BHJP
   H01M 50/271 20210101ALI20240326BHJP
【FI】
H01M50/244 A
H05K5/00 C
H01M50/296
H01M50/271 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022149950
(22)【出願日】2022-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 晃
【テーマコード(参考)】
4E360
5H040
【Fターム(参考)】
4E360AA10
4E360AB12
4E360AD02
4E360AD06
4E360AD20
4E360BA04
4E360BB02
4E360BB22
4E360BC03
4E360GA04
4E360GB95
4E360GC20
5H040AA22
5H040AS22
5H040AY08
5H040AY14
5H040CC03
5H040CC25
5H040CC26
5H040DD06
5H040DD27
(57)【要約】
【課題】本明細書では、バッテリパックをバッテリ取付ユニットから容易に取り外すことができる技術を提供する。
【解決手段】収容ボックスは、ケースと、ケースに支持されている複数のバッテリ取付ユニットと、を備えている。バッテリパックは、複数のバッテリ取付ユニットのそれぞれに着脱可能に取り付けられる。バッテリパックは、電気機器に取り付けられているときに、電気機器に係合する係合部であって、係合部材へのユーザの操作により電気機器との係合が解除される係合部材を備えている。バッテリ取付ユニットは、バッテリパックがバッテリ取付ユニットに取り付けられているときに、バッテリパックに電気的に接続される端子部材ユニットと、端子部材ユニットを保持している保持部材と、を備えている。保持部材は、バッテリパックがバッテリ取付ユニットに取り付けられているときに、バッテリパックの係合部と係合しない。
【選択図】図18
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機器に取り付けられて使用されるバッテリパックを収容したまま充電可能な収容ボックスであって、
ケースと、
前記ケースに支持されている複数のバッテリ取付ユニットと、を備えており、
前記バッテリパックは、前記複数のバッテリ取付ユニットのそれぞれに着脱可能に取り付けられ、
前記バッテリパックは、前記電気機器に取り付けられているときに、前記電気機器に係合する係合部材であって、前記係合部材へのユーザの操作により前記電気機器との係合が解除される係合部材を備えており、
前記バッテリ取付ユニットは、
前記バッテリパックが前記バッテリ取付ユニットに取り付けられているときに、前記バッテリパックに電気的に接続される端子部材ユニットと、
前記端子部材ユニットを保持している保持部材と、を備えており、
前記保持部材は、前記バッテリパックが前記バッテリ取付ユニットに取り付けられているときに、前記バッテリパックの前記係合部材と係合しない、収容ボックス。
【請求項2】
前記保持部材は、前記バッテリパックが前記バッテリ取付ユニットに取り付けられているときに、前記バッテリパックの前記係合部材と離れている、請求項1に記載の収容ボックス。
【請求項3】
前記バッテリパックは、バッテリ充電端子部材と、バッテリ通信端子部材と、を備えており、
前記端子部材ユニットは、
前記バッテリパックが前記バッテリ取付ユニットに取り付けられているときに、前記バッテリパックの前記バッテリ充電端子部材に電気的に接続される充電端子部材と、
前記バッテリパックが前記バッテリ取付ユニットに取り付けられているときに、前記バッテリパックの前記バッテリ通信端子部材に電気的に接続される通信端子部材と、を備えており、
前記バッテリパックは、前記バッテリ取付ユニットに対して取付方向に移動することにより、前記バッテリ取付ユニットに取り付けられ、
前記取付方向における前記端子部材ユニットの前記充電端子部材の長さは、前記取付方向における前記端子部材ユニットの前記通信端子部材の長さの150%以下である、請求項1または2に記載の収容ボックス。
【請求項4】
前記端子部材ユニットの前記充電端子部材は、
前記取付方向に沿って延びる直線部と、
前記直線部の端に接続されており、前記直線部から離反するにつれて細くなる差込部と、を備えており、
前記バッテリパックが前記バッテリ取付ユニットに対して前記取付方向に移動したときに、前記差込部は、前記直線部よりも先に前記バッテリパックの前記バッテリ充電端子部材に差し込まれ、
前記取付方向における前記差込部の長さは、前記取付方向における前記充電端子部材の長さの20%以上である、請求項3に記載の収容ボックス。
【請求項5】
前記取付方向における前記端子部材ユニットの前記充電端子部材の前記長さは、前記取付方向における前記バッテリパックの前記バッテリ充電端子部材の長さよりも短く、
前記バッテリパックの前記バッテリ充電端子部材は、
前記充電端子部材を挟み込み可能である第1クランプ部と、
前記充電端子部材を挟み込み可能であり、前記第1クランプ部よりも前記取付方向側に配置されている第2クランプ部と、を備えており、
前記バッテリパックが前記バッテリ取付ユニットに取り付けられるときに、前記端子部材ユニットの前記充電端子部材は、前記第1クランプ部を通過することなく前記第2クランプ部に挟み込まれる、請求項3または4に記載の収容ボックス。
【請求項6】
前記バッテリパックは、前記バッテリ取付ユニットに取り付けられているときに、取付位置に位置しており、
前記バッテリパックを前記バッテリ取付ユニットに取り付けるとき、前記バッテリパックは、前記バッテリパックの自重により、前記取付位置まで移動する、請求項3から5のいずれか一項に記載の収容ボックス。
【請求項7】
前記収容ボックスは、載置面に載置可能であり、
前記収容ボックスが前記載置面に載置されており、かつ、前記バッテリパックが前記バッテリ取付ユニットに取り付けられているとき、前記バッテリパックは、前記載置面に直交する直交面に対して傾斜している、請求項1から6のいずれか一項に記載の収容ボックス。
【請求項8】
前記収容ボックスは、載置面に載置可能であり、
前記ケースは、上側が開口した上側開口を有する箱形状を有しており、前記複数のバッテリ取付ユニットのそれぞれの少なくとも一部分を収容しており、
前記複数のバッテリ取付ユニットは、
第1バッテリ取付ユニットと、
前記第1バッテリ取付ユニットと前記載置面に沿う第1方向に離れて配置されている第2バッテリ取付ユニットと、を備えており、
前記バッテリパックが前記第1バッテリ取付ユニットに取り付けられているときに、前記バッテリパックは、前記上側開口を通って、前記ケースの内部から外部に突出しており、
前記バッテリパックが前記第2バッテリ取付ユニットに取り付けられているときに、前記バッテリパックは、前記上側開口を通って、前記ケースの内部から外部に突出しており、
前記第1バッテリ取付ユニットに取り付けられている前記バッテリパックが前記ケースから突出している突出長さは、前記第2バッテリ取付ユニットに取り付けられている前記バッテリパックが前記ケースから突出する突出長さよりも長い、請求項1から7のいずれか一項に記載の収容ボックス。
【請求項9】
前記第1バッテリ取付ユニットと前記第2バッテリ取付ユニットのそれぞれは、前記上側開口を通って前記ケースの内部から外部に突出しており、
前記第1バッテリ取付ユニットが前記ケースから突出している突出長さは、前記第2バッテリ取付ユニットが前記ケースから突出している突出長さよりも長い、請求項8に記載の収容ボックス。
【請求項10】
前記ケースの前記上側開口を閉じることが可能であるケースカバーをさらに備えており、
前記ケースカバーは、前記ケースに対して可動するように前記ケースに取り付けられており、前記ケースの前記上側開口を閉じる閉位置と前記ケースの前記上側開口を開く開位置との間を移動し、
前記ケースカバーは、前記開位置にあるとき、前記第2バッテリ取付ユニットよりも前記第1方向に配置されている、請求項8または9に記載の収容ボックス。
【請求項11】
前記ケースの前記上側開口を閉じることが可能であるケースカバーと、
前記ケースカバーに取り付けられており、弾性材料からなる緩衝材と、をさらに備えており、
前記緩衝材は、前記ケースカバーが前記ケースの前記上側開口を閉じているときに、前記第1バッテリ取付ユニットに取り付けられている前記バッテリパックと前記ケースカバーとの間に挟まれるとともに、前記第2バッテリ取付ユニットに取り付けられている前記バッテリパックと前記ケースカバーとの間には挟まれ、
前記緩衝材が前記第1バッテリ取付ユニットに取り付けられている前記バッテリパックに押し込まれる押し込み深さは、前記緩衝材が前記第2バッテリ取付ユニットに取り付けられている前記バッテリパックに押し込まれる押し込み深さと略同一である、請求項8から10のいずれか一項に記載の収容ボックス。
【請求項12】
前記ケースは、上側が開口した上側開口を有する箱形状を有しており、
前記ケースの前記上側開口を閉じることが可能であり、前記ケースの前記上側開口が閉じられているときに前記ケースとの間に収容空間を画定するケースカバーをさらに備えており、
前記複数のバッテリ取付ユニットは、前記収容空間に配置され、
前記バッテリパックは、前記バッテリ取付ユニットに取り付けられているときに、取付位置に位置しており、
前記ケースカバーは、前記ケースの前記上側開口を閉じているときに、前記バッテリパックを前記バッテリ取付ユニットに対して前記取付位置に維持する、請求項1から11のいずれか一項に記載の収容ボックス。
【請求項13】
前記ケースカバーに取り付けられており、前記ケースカバーが前記ケースの前記上側開口を閉じているときに、前記バッテリパックと前記ケースカバーとの間に挟まれる緩衝材をさらに備えており、
前記緩衝材は、弾性材料からなる、請求項12に記載の収容ボックス。
【請求項14】
前記ケースカバーが前記ケースの前記上側開口を閉じていることを検出する検出装置と、
制御ユニットと、を備えており、
前記制御ユニットは、前記検出装置が、前記ケースカバーが前記ケースの前記上側開口を閉じていることを検出したときに、前記バッテリ取付ユニットに取り付けられている前記バッテリパックへの充電を許可する、請求項12または13に記載の収容ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、電気機器に取り付けられて使用されるバッテリパックを収容したまま充電可能な収容ボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、収容ボックスが開示されている。収容ボックスは、電気機器に取り付けられて使用されるバッテリパックを収容したまま充電可能である。収容ボックスは、ケースと、ケースに支持されている複数のバッテリ取付ユニットと、を備えている。バッテリパックは、複数のバッテリ取付ユニットのそれぞれに着脱可能に取り付けられる。バッテリパックは、ロック爪と、ロック爪を移動させるアンロックボタンと、を備えている。バッテリ取付ユニットには、ロック爪が嵌り込む係合凹部が設けられている。バッテリパックがバッテリ取付ユニットに取り付けられている状態で、アンロックボタンが押し下げ操作されると、ロック爪が係合凹部から外れる。これにより、バッテリパックがバッテリ取付ユニットから取り外し可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-62808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような収容ボックスでは、バッテリパックをバッテリ取付ユニットから取り外すためには、アンロックボタンを押し下げ操作して、ロック爪を係合凹部から外す必要がある。このため、バッテリパックをバッテリ取付ユニットから容易に取り外すことができない。本明細書では、バッテリパックをバッテリ取付ユニットから容易に取り外すことができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書は、収容ボックスを開示する。収容ボックスは、電気機器に取り付けられて使用されるバッテリパックを収容したまま充電可能である。収容ボックスは、ケースと、ケースに支持されている複数のバッテリ取付ユニットと、を備えている。バッテリパックは、複数のバッテリ取付ユニットのそれぞれに着脱可能に取り付けられる。バッテリパックは、電気機器に取り付けられているときに、電気機器に係合する係合部材であって、係合部材へのユーザの操作により電気機器との係合が解除される係合部材を備えている。バッテリ取付ユニットは、バッテリパックがバッテリ取付ユニットに取り付けられているときに、バッテリパックに電気的に接続される端子部材ユニットと、端子部材ユニットを保持している保持部材と、を備えている。保持部材は、バッテリパックがバッテリ取付ユニットに取り付けられているときに、バッテリパックの係合部材と係合しない。
【0006】
上記の構成によれば、バッテリパックがバッテリ取付ユニットに取り付けられているとき、バッテリパックの係合部材は、バッテリ取付ユニットの保持部材と係合しない。このため、バッテリパックをバッテリ取付ユニットから取り外すとき、係合部材と保持部材との係合を解除する作業が不要となる。これにより、バッテリパックをバッテリ取付ユニットから容易に取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施例の収容ボックス2において、ケースカバー8が閉位置にあるときの斜視図である。
図2】実施例の収容ボックス2において、ケースカバー8が開位置にあるときの斜視図である。
図3】実施例の2個の収容ボックス2が縦積みされている斜視図である。
図4】実施例の収容ボックス2の下側指掛け溝28近傍の断面図である。
図5】実施例の3個の収容ボックス2において、中央の収容ボックス2が両端の収容ボックス2から引き出されるときの斜視図である。
図6】実施例の収容ボックス2のベルト取付孔30近傍の断面図である。
図7】実施例の収容ボックス2において、ケースカバー8が閉位置にあるときの断面図である。
図8】実施例のバッテリ取付ユニット36の斜視図である。
図9】実施例の収容ボックス2において、ケースカバー8が取り外されているときの側面図である。
図10】実施例のバッテリ取付ユニット36の断面図である。
図11】実施例の収容ボックス2において、ケースカバー8が開位置にあるときのバッテリ取付ユニット36近傍の断面図である。
図12】実施例のバッテリ取付ユニット36の後側バッテリ取付ユニット48近傍の斜視図である。
図13】実施例のバッテリ取付ユニット36の端子部材ユニット64、82、100近傍の後面図である。
図14】実施例のバッテリパックBPの側面図である。
図15】実施例のバッテリパックBPの斜視図である。
図16】実施例のバッテリパックBPのバッテリ端子部材ユニット146近傍の斜視図である。
図17】実施例のバッテリ取付ユニット36の充電端子部材120とバッテリパックBPのバッテリ充電端子部材160との位置関係を示す断面図である。
図18】実施例のバッテリ取付ユニット36の逃がし溝70、86、104近傍の縦断面図である。
図19】実施例のバッテリ取付ユニット36の逃がし溝70、86、104近傍の水平断面図である。
図20】実施例の収容ボックス2において、ケースカバー8が閉位置にあるときのバッテリ取付ユニット36近傍の断面図である。
図21】実施例の緩衝材180とバッテリパックBPの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の代表的かつ非限定的な具体例について、図面を参照して以下に詳細に説明する。この詳細な説明は、本発明の好ましい例を実施するための詳細を当業者に示すことを単純に意図しており、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、開示された追加的な特徴ならびに発明は、さらに改善された収容ボックスを提供するために、他の特徴や発明とは別に、又は共に用いることができる。
【0009】
また、以下の詳細な説明で開示される特徴や工程の組み合わせは、最も広い意味において本発明を実施する際に必須のものではなく、特に本発明の代表的な具体例を説明するためにのみ記載されるものである。さらに、以下の代表的な具体例の様々な特徴、ならびに、特許請求の範囲に記載されるものの様々な特徴は、本発明の追加的かつ有用な実施形態を提供するにあたって、ここに記載される具体例のとおりに、あるいは列挙された順番のとおりに組合せなければならないものではない。
【0010】
本明細書及び/又は特許請求の範囲に記載された全ての特徴は、実施例及び/又は特許請求の範囲に記載された特徴の構成とは別に、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、個別に、かつ互いに独立して開示されることを意図するものである。さらに、全ての数値範囲及びグループ又は集団に関する記載は、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、それらの中間の構成を開示する意図を持ってなされている。
【0011】
1つまたはそれ以上の実施形態において、保持部材は、バッテリパックがバッテリ取付ユニットに取り付けられているときに、バッテリパックの係合部材と離れていてもよい。
【0012】
上記の構成によれば、簡素な構成により、バッテリパックの係合部材がバッテリ取付ユニットの保持部材と係合することを抑制することができる。
【0013】
1つまたはそれ以上の実施形態において、バッテリパックは、バッテリ充電端子部材と、バッテリ通信端子部材と、を備えていてもよい。端子部材ユニットは、バッテリパックがバッテリ取付ユニットに取り付けられているときに、バッテリパックのバッテリ充電端子部材に電気的に接続される充電端子部材と、バッテリパックがバッテリ取付ユニットに取り付けられているときに、バッテリパックのバッテリ通信端子部材に電気的に接続される通信端子部材と、を備えていてもよい。バッテリパックは、バッテリ取付ユニットに対して取付方向に移動することにより、バッテリ取付ユニットに取り付けられてもよい。取付方向における端子部材ユニットの充電端子部材の長さは、取付方向における端子部材ユニットの通信端子部材の長さの150%以下であってもよい。
【0014】
取付方向における端子部材ユニットの充電端子部材の長さが取付方向における端子部材ユニットの通信端子部材の長さの150%よりも大きいと、バッテリパックのバッテリ充電端子部材と端子部材ユニットの充電端子部材との間に作用する摩擦力により、バッテリパックをバッテリ取付ユニットに取り付けにくい。上記の構成によれば、バッテリパックをバッテリ取付ユニットに取り付けやすくすることができる。
【0015】
1つまたはそれ以上の実施形態において、端子部材ユニットの充電端子部材は、取付方向に沿って延びる直線部と、直線部の端に接続されており、直線部から離反するにつれて細くなる差込部と、を備えていてもよい。バッテリパックがバッテリ取付ユニットに対して取付方向に移動したときに、差込部は、直線部よりも先にバッテリパックのバッテリ充電端子部材に差し込まれてもよい。取付方向における差込部の長さは、取付方向における充電端子部材の長さの20%以上であってもよい。
【0016】
取付方向における差込部の長さが取付方向における充電端子部材の長さの20%未満である場合、バッテリパックのバッテリ充電端子部材と差込部との間に作用する摩擦力により、バッテリパックをバッテリ取付ユニットに取り付けにくい。上記の構成によれば、バッテリパックをバッテリ取付ユニットに取り付けやすくすることができる。
【0017】
1つまたはそれ以上の実施形態において、取付方向における端子部材ユニットの充電端子部材の長さは、取付方向におけるバッテリパックのバッテリ充電端子部材の長さよりも短くてもよい。バッテリパックのバッテリ充電端子部材は、充電端子部材を挟み込み可能である第1クランプ部と、充電端子部材を挟み込み可能であり、第1クランプ部よりも取付方向側に配置されている第2クランプ部と、を備えていてもよい。バッテリパックがバッテリ取付ユニットに取り付けられるときに、端子部材ユニットの充電端子部材は、第1クランプ部を通過することなく第2クランプ部に挟み込まれてもよい。
【0018】
一般的なバッテリパックでは、高速に充電できるように、バッテリ充電端子部材が長く設計されている。バッテリパックを高速に充電する必要がない構成では、端子部材ユニットの充電端子部材は、バッテリ充電端子部材の一部分にのみ接触するように構成されていることがある。端子部材ユニットの充電端子部材が第1クランプ部に挟み込まれる構成とすると、バッテリパックをバッテリ取付ユニットに取り付けようとするとき、充電端子部材は、第2クランプ部に挟み込まれて第2クランプ部を通過した後に第1クランプ部に挟み込まれる。上記の構成によれば、バッテリパックをバッテリ取付ユニットに取り付けるとき、充電端子部材は、第1クランプ部を通過することなく、第2クランプ部に挟み込まれる。これにより、端子部材ユニットの充電端子部材が第1クランプ部に挟み込まれる構成と比較して、バッテリパックをバッテリ取付ユニットに取り付けやすくすることができる。
【0019】
1つまたはそれ以上の実施形態において、バッテリパックは、バッテリ取付ユニットに取り付けられているときに、取付位置に位置していてもよい。バッテリパックをバッテリ取付ユニットに取り付けるとき、バッテリパックは、バッテリパックの自重により、取付位置まで移動してもよい。
【0020】
上記の構成によれば、バッテリパックをバッテリ取付ユニットに容易に取り付けることができる。
【0021】
1つまたはそれ以上の実施形態において、収容ボックスは、載置面に載置可能であってもよい。収容ボックスが載置面に載置されており、かつ、バッテリパックがバッテリ取付ユニットに取り付けられているとき、バッテリパックは、載置面に直交する直交面に対して傾斜していてもよい。
【0022】
上記の構成によれば、バッテリパックをバッテリ取付ユニットから取り外しやすくすることができる。
【0023】
1つまたはそれ以上の実施形態において、収容ボックスは、載置面に載置可能であってもよい。ケースは、上側が開口した上側開口を有する箱形状を有しており、複数のバッテリ取付ユニットのそれぞれの少なくとも一部分を収容していてもよい。複数のバッテリ取付ユニットは、第1バッテリ取付ユニットと、第1バッテリ取付ユニットと載置面に沿う第1方向に離れて配置されている第2バッテリ取付ユニットと、を備えていてもよい。バッテリパックが第1バッテリ取付ユニットに取り付けられているときに、バッテリパックは、上側開口を通って、ケースの内部から外部に突出していてもよい。バッテリパックが第2バッテリ取付ユニットに取り付けられているときに、バッテリパックは、上側開口を通って、ケースの内部から外部に突出していてもよい。第1バッテリ取付ユニットに取り付けられているバッテリパックがケースから突出している突出長さは、第2バッテリ取付ユニットに取り付けられているバッテリパックがケースから突出する突出長さよりも長くてもよい。
【0024】
バッテリパックがケースから突出しているとき、ユーザは、バッテリパックを手で掴みやすい。上記の構成によれば、バッテリパックが第1バッテリ取付ユニットと第2バッテリ取付ユニットのそれぞれに取り付けられているとき、ユーザは、バッテリパックを手で掴んでバッテリパックを第1バッテリ取付ユニットから容易に取り外すことができる。
【0025】
1つまたはそれ以上の実施形態において、第1バッテリ取付ユニットと第2バッテリ取付ユニットのそれぞれは、上側開口を通ってケースの内部から外部に突出していてもよい。第1バッテリ取付ユニットがケースから突出している突出長さは、第2バッテリ取付ユニットがケースから突出している突出長さよりも長くてもよい。
【0026】
上記の構成によれば、バッテリパックが第1バッテリ取付ユニットと第2バッテリ取付ユニットのそれぞれに取り付けられているとき、ユーザは、バッテリパックを手で掴んでバッテリパックを第1バッテリ取付ユニットからより容易に取り外すことができる。
【0027】
1つまたはそれ以上の実施形態において、収容ボックスは、ケースの上側開口を閉じることが可能であるケースカバーをさらに備えていてもよい。ケースカバーは、ケースに対して可動するようにケースに取り付けられており、ケースの上側開口を閉じる閉位置とケースの上側開口を開く開位置との間を移動してもよい。ケースカバーは、開位置にあるとき、第2バッテリ取付ユニットよりも第1方向に配置されていてもよい。
【0028】
ケースカバーが開位置にあるとき、ユーザは、第2バッテリ取付ユニットに対してケースカバーと反対側に立って、バッテリパックをバッテリ取付ユニットから取り外そうとする。上記の構成によれば、バッテリパックが第1バッテリ取付ユニットと第2バッテリ取付ユニットのそれぞれに取り付けられているとき、バッテリパックを第1バッテリ取付ユニットからより容易に取り外すことができる。
【0029】
1つまたはそれ以上の実施形態において、収容ボックスは、ケースの上側開口を閉じることが可能であるケースカバーと、ケースカバーに取り付けられており、弾性材料からなる緩衝材と、をさらに備えていてもよい。緩衝材は、ケースカバーがケースの上側開口を閉じているときに、第1バッテリ取付ユニットに取り付けられているバッテリパックとケースカバーとの間に挟まれるとともに、第2バッテリ取付ユニットに取り付けられているバッテリパックとケースカバーとの間には挟まれてもよい。緩衝材が第1バッテリ取付ユニットに取り付けられているバッテリパックに押し込まれる押し込み深さは、緩衝材が第2バッテリ取付ユニットに取り付けられているバッテリパックに押し込まれる押し込み深さと略同一であってもよい。
【0030】
上記の構成によれば、緩衝材から第1バッテリ取付ユニットに取り付けられているバッテリパックに作用する力は、緩衝材から第2バッテリ取付ユニットに取り付けられているバッテリパックに作用する力と略同一となる。これにより、ケースカバーがケースの上側開口を閉じているとき、緩衝材から複数のバッテリパックに作用する力を略同一としつつ、複数のバッテリパックを所定の位置に維持することができる。
【0031】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ケースは、上側が開口した上側開口を有する箱形状を有していてもよい。収容ボックスは、ケースの上側開口を閉じることが可能であり、ケースの上側開口が閉じられているときにケースとの間に収容空間を画定するケースカバーをさらに備えていてもよい。複数のバッテリ取付ユニットは、収容空間に配置されてもよい。バッテリパックは、バッテリ取付ユニットに取り付けられているときに、取付位置に位置していてもよい。ケースカバーは、ケースの上側開口を閉じているときに、バッテリパックをバッテリ取付ユニットに対して取付位置に維持してもよい。
【0032】
上記の構成によれば、ケースカバーがケースの上側開口を閉じているとき、バッテリパックがバッテリ取付ユニットに対して取付位置から外れることを抑制することができる。
【0033】
1つまたはそれ以上の実施形態において、収容ボックスは、ケースカバーに取り付けられており、ケースカバーがケースの上側開口を閉じているときに、バッテリパックとケースカバーとの間に挟まれる緩衝材をさらに備えていてもよい。緩衝材は、弾性材料からなってもよい。
【0034】
バッテリパックのサイズは、製造公差によりバッテリパック間で異なることがある。緩衝材が弾性変形しない構成では、ケースカバーがケースの上側開口を閉じるときに、ケースカバーから特定のバッテリパックに過度な力が作用することがある。上記の構成によれば、バッテリパックのサイズがバッテリパック間で異なっている場合でも、緩衝材が弾性変形することにより、ケースカバーから特定のバッテリパックに過度な力が作用することを抑制することができる。
【0035】
1つまたはそれ以上の実施形態において、収容ボックスは、ケースカバーがケースの上側開口を閉じていることを検出する検出装置と、制御ユニットと、を備えていてもよい。制御ユニットは、検出装置が、ケースカバーがケースの上側開口を閉じていることを検出したときに、バッテリ取付ユニットに取り付けられているバッテリパックへの充電を許可してもよい。
【0036】
バッテリパックが取付位置から外れていると、バッテリパックを正常に充電することができない。上記の構成によれば、バッテリパックが取付位置に位置している状態で充電されるため、バッテリパックを正常に充電することができる。
【0037】
(実施例)
図1および図2に示すように、収容ボックス2は、複数(本実施例では12個)のバッテリパックBPを内部に収容した状態で同時に充電することができる充電器である。図7に示すように、収容ボックス2は、充電台4と配線等により電気的に接続されておらず、バッテリパックBPを収容した状態で充電台4に載置されると、バッテリパックBPを充電する。充電台4は、電源コード(図示省略)を介して外部電源(図示省略)から供給される電力により動作する。収容ボックス2は、例えば、電磁誘導方式の非接触充電器である。変形例では、収容ボックス2は、電磁誘導方式以外の種々の方式の非接触充電器であってもよい。以下では、収容ボックス2が載置される載置面P1に直交する方向を上下方向と呼び、収容ボックス2の長手方向を左右方向と呼び、上下方向と左右方向に直交する方向を前後方向と呼ぶ。
【0038】
図1および図2に示すように、収容ボックス2は、ケース6と、ケースカバー8と、を備えている。ケース6は、略直方体形の箱形状を有する。ケース6は、上側が開口した上側開口12を有する。また、ケース6は、左側後端近傍と右側後端近傍のそれぞれに配置されているカバー取付部14を備えている。ケースカバー8は、取付部材16により、カバー取付部14に回動可能に取り付けられている。ケースカバー8は、閉位置と開位置との間を移動可能である。図1に示すように、ケースカバー8が閉位置にあるとき、ケース6の上側開口12(図2参照)が閉じられる。これにより、図7に示すように、ケース6とケースカバー8との間に収容空間18が画定される。バッテリパックBPは、収容空間18に配置される。図2に示すように、ケースカバー8が開位置にあるとき、ケース6の上側開口12が開かれる。これにより、ユーザは、ケース6の前側から、バッテリパックBPを収容ボックス2に取り付けることができるとともに、バッテリパックBPを収容ボックス2から取り外すことができる。
【0039】
図1および図2に示すように、ケース6の上端近傍には、4個のカバーロック部材20が可動するように取り付けられている。2個のカバーロック部材20は、ケース6の前面6aの左端近傍と右端近傍に取り付けられており、1個のカバーロック部材20は、ケース6の左面6bの後端近傍に取り付けられており、残り1個のカバーロック部材20は、ケース6の右面6cの後端近傍に取り付けられている。
【0040】
ケースカバー8には、4個のカバー係合突起22が形成されている。2個のカバー係合突起22は、ケースカバー8の前面8aの左端近傍と右端近傍に配置されており、1個のカバー係合突起22は、ケースカバー8の右面8cの後端近傍に配置されている。図示省略されているが、残り1個のカバー係合突起22は、ケースカバー8の左面8bの後端近傍に配置されている。ケースカバー8が閉位置にあるときに、ユーザがカバーロック部材20を操作して上側に引き上げることにより、カバー係合突起22は、カバーロック部材20と係合する。カバーロック部材20がカバー係合突起22と係合すると、ユーザは、ケースカバー8を開位置から閉位置に向けて移動させることができない。
【0041】
また、ケース6の下端近傍には、4個のケース係合突起24が形成されている。2個のケース係合突起24は、ケース6の前面6aの左端近傍と右端近傍に配置されており、1個のケース係合突起24は、ケース6の左面6bの後端近傍に配置されており、残り1個のケース係合突起24は、ケース6の右面6cの後端近傍に配置されている。ケースカバー8が閉位置にあるとき、ケース係合突起24は、カバー係合突起22と上下方向に一列に並ぶ。
【0042】
また、ケースカバー8には、4個のケースロック部材26が可動するように取り付けられている。2個のケースロック部材26は、ケースカバー8の前面8aの左端近傍と右端近傍に取り付けられており、1個のカバー係合突起22は、ケースカバー8の左面8bの後端近傍に取り付けられており、残り1個のカバー係合突起22は、ケースカバー8の右面8cの後端近傍に取り付けられている。ケースカバー8が閉位置にあるとき、ケースロック部材26は、カバーロック部材20と上下方向に並んで配置されている。ケース6とケースカバー8には上下方向に延びる縦溝27が形成されており、ケースロック部材26とカバーロック部材20は、カバー係合突起22とともに縦溝27内に配置されている。図3に示すように、複数(図3では2個)の収容ボックス2が縦積みされているとき、ユーザがケースロック部材26を操作して上側に引き上げることにより、ケースロック部材26は、ケース係合突起24(図1参照)と係合する。これにより、縦積みされた複数の収容ボックス2が崩れることを抑制することができる。
【0043】
さらに、図1および図2に示すように、ケース6の下端近傍には、2個の下側指掛け溝28が形成されている。一方の下側指掛け溝28は、ケース6の左面6bから凹んでおり、他方の下側指掛け溝28は、ケース6の右面6cから凹んでいる。図4に示すように、下側指掛け溝28は、ケース6の左面6b(右面6c)からケース6の内側に向かって左右方向に沿って延びた後、屈曲して上側に延びている。例えば、図5に示すように、3個の収容ボックス2が前後方向に並んでいるとき、ユーザは、両端の収容ボックス2の間に配置されている中央の収容ボックス2において、下側指掛け溝28に指を入れてケース6に指を掛けた後、中央の収容ボックス2を引くことにより、中央の収容ボックス2を両端の収容ボックス2から容易に引き出すことができる。なお、図5では、両端の収容ボックス2が破線により図示されている。
【0044】
さらに、図1および図2に示すように、ケースカバー8には、2個のベルト取付孔30が形成されている。一方のベルト取付孔30は、ケースカバー8の左面8bから凹んでおり、他方のベルト取付孔30は、ケースカバー8の右面8cから凹んでいる。図6に示すように、ベルト取付孔30は、ケースカバー8の左面8b(右面8c)からケースカバー8の内側に向かって左右方向に沿って延びた後、屈曲してケースカバー8の上面8dまで上側に延びている。ベルト取付孔30には、肩掛けベルト32が挿通される。肩掛けベルト32は、一方の端部が一方のベルト取付孔30に挿通され、他方の端部が他方のベルト取付孔30に挿通されることにより、ケースカバー8に取り付けられる。ユーザは、肩掛けベルト32を肩にかけることにより、収容ボックス2を容易に持ち運ぶことができる。また、ユーザは、2個のベルト取付孔30に指を入れてケースカバー8に指を掛けることにより、収容ボックス2を持ち運ぶこともできる。さらに、図1に示すように、ケースカバー8には、ハンドル34が取り付けられており、ユーザは、ハンドル34を把持することにより、収容ボックス2を持ち運ぶこともできる。よって、ユーザは、状況に応じて収容ボックス2の持ち運び方法を選択することができる。
【0045】
図7に示すように、収容ボックス2は、バッテリ取付ユニット36と、制御ユニット38と、受電ユニット40と、検出装置41と、をさらに備えている。バッテリ取付ユニット36は、ケース6に支持されている。バッテリ取付ユニット36には、バッテリパックBPが着脱可能に取り付けられる。図8に示すように、バッテリ取付ユニット36は、ベース42と、前側バッテリ取付ユニット44と、中央バッテリ取付ユニット46と、後側バッテリ取付ユニット48と、を備えている。
【0046】
図7に示すように、ベース42は、ケース6の内部に配置されている。図8に示すように、ベース42は、ベース本体50と、前側取付部材52と、中央取付部材54と、後側取付部材56と、を備えている。ベース本体50は、幅広の板形状を有する。図7に示すように、ベース本体50は、ねじ57によりケース6に固定されている。ベース本体50の上面58の上下方向の位置は、後方向に向かって段階的に高くなる。上面58は、前側上面58aと、中央上面58bと、後側上面58cと、を備えている。収容ボックス2が載置面P1に載置されているとき、前側上面58aと、中央上面58bと、後側上面58cは、載置面P1に対して略平行である。載置面P1からの距離は、後側上面58cで最も短く、前側上面58aで最も長い。前側上面58aと中央上面58bとの間の高さH1は、中央上面58bと後側上面58cとの間の高さH2と略同一である。高さH1、H2は、例えば、3mm以上、5mm以上、10mm以上、または20mm以上である。
【0047】
また、ベース本体50は、収容空間18を、基板収容空間18aとバッテリ収容空間18bに分ける。基板収容空間18aには、制御ユニット38と受電ユニット40が配置されている。制御ユニット38は、収容ボックス2が充電台4の所定の位置に載置されたときに、受電ユニット40と充電台4の送電ユニット(図示省略)との間での誘導磁束の生成を制御するように構成されている。電磁誘導方式による非接触充電の構成はよく知られているため、以下では、非接触充電の構成の説明を省略する。誘導磁束が生成されると、受電ユニット40に電流が流れる。制御ユニット38は、受電ユニット40に流れた電流をバッテリ取付ユニット36に取り付けられたバッテリパックBPに供給する。これにより、バッテリパックBPが充電される。
【0048】
バッテリ収容空間18bには、検出装置41と、前側取付部材52と、中央取付部材54と、後側取付部材56と、前側バッテリ取付ユニット44と、中央バッテリ取付ユニット46と、後側バッテリ取付ユニット48が配置される。図2に示すように、検出装置41は、ケース6内で、ケース6の上側開口12近傍に固定されている。検出装置41は、ケースカバー8がケース6の上側開口12を閉じていること、即ち、ケースカバー8が閉位置にあるか否かを検出可能である。検出装置41は、例えば、押し込み式スイッチである。この構成では、検出装置41は、ケースカバー8が閉位置にあるときにケースカバー8に押し込まれることにより、ケースカバー8が閉位置にあることを検出する。変形例では、検出装置41は、押し込み式スイッチ以外の装置、例えば、光が遮られたか否かを検出可能な光センサであってもよい。図7に示すように、検出装置41は、ケースカバー8が閉位置にあることを検出している間、信号を制御ユニット38に送信する。制御ユニット38は、検出装置41から信号を受信している間、バッテリパックBPへの充電を許可する。
【0049】
前側取付部材52と中央取付部材54と後側取付部材56は、ベース本体50と一体的に形成されている。前側取付部材52と中央取付部材54と後側取付部材56は、前後方向に並んで配置されている。前側取付部材52は、ベース本体50の前端近傍から、ベース本体50から離反する方向(上方向)に延びている。中央取付部材54は、ベース本体50の前側上面58aと中央上面58bとの接続箇所近傍から、ベース本体50から離反する方向(上方向)に延びている。後側取付部材56は、ベース本体50の中央上面58bと後側上面58cとの接続箇所近傍から、ベース本体50から離反する方向(上方向)に延びている。収容ボックス2が載置面P1に載置されているとき、前側取付部材52と中央取付部材54と後側取付部材56は、載置面P1に対して略直交するように延びている。図8に示すように、前側取付部材52と中央取付部材54と後側取付部材56は、左右方向に細長い板形状を有する。
【0050】
前側バッテリ取付ユニット44は、後側から前側取付部材52に固定されている。図9に示すように、前側バッテリ取付ユニット44は、ケース6に部分的に収容されている。前側バッテリ取付ユニット44は、ケース6の上側開口12を通って、ケース6から上側に突出している。上側開口12からの前側バッテリ取付ユニット44の突出長さLa1は、例えば、20mm以上、25mm以上、または30mm以上である。図8に示すように、前側バッテリ取付ユニット44は、前側保持部材60と、複数対(本実施例では4対)の前側レールユニット62と、複数(本実施例では4個)の前側端子部材ユニット64と、複数(本実施例では4個)の前側支持部材66と、を備えている。
【0051】
前側保持部材60と、一対の前側レールユニット62と、1個の前側端子部材ユニット64と、1個の前側支持部材66は、前側バッテリ取付部68を構成している。即ち、前側バッテリ取付ユニット44は、複数(本実施例では4個)の前側バッテリ取付部68を備えている。4個の前側バッテリ取付部68は、左右方向に並んで配置されている。前側バッテリ取付部68には、バッテリパックBP(図2参照)が着脱可能に取り付けられる。複数のバッテリパックBPのそれぞれが前側バッテリ取付部68に取り付けられると、複数のバッテリパックBPは、左右方向に並ぶ。図9に示すように、バッテリパックBPが前側バッテリ取付部68に取り付けられているとき、バッテリパックBPは、ケース6の上側開口12を通って、ケース6から上側に突出している。このため、ユーザは、バッテリパックBPを手で容易に掴むことができる。上側開口12からのバッテリパックBPの突出長さLb1は、例えば、50mm以上、55mm以上、または60mm以上である。
【0052】
図8に示すように、前側保持部材60は、バッテリパックBPが前側バッテリ取付部68に取り付けられているとき、バッテリパックBPと対向する。図10に示すように、前側保持部材60の後面60aは、ベース本体50の前側上面58aに直交する直交面P2に対して傾斜している、即ち、載置面P1(図9参照)に直交する直交面P2に対して傾斜している。傾斜角度は、例えば、2度以下、3度以下、5度以下、または10度以下である。これにより、バッテリパックBPが前側バッテリ取付部68に取り付けられているとき、バッテリパックBPは、直交面P2に対して傾斜して配置される。バッテリパックBPが直交面P2に対して傾斜するとは、バッテリパックBPの長手軸が直交面P2に対して傾斜していることを示す。また、直交面P2は、上下方向と左右方向に沿って延びている。バッテリパックBPの傾斜角度は、前側保持部材60の後面60aの傾斜角度と略同一である。また、バッテリパックBPを前側保持部材60の後面60aに沿って取付方向D1にスライドさせることにより、バッテリパックBPが前側バッテリ取付部68に取り付けられ、バッテリパックBPを前側保持部材60の後面60aに沿って取付方向D1と反対の取外方向D2にスライドさせることにより、バッテリパックBPが前側バッテリ取付部68から取り外される。取付方向D1と取外方向D2は、上下方向に対して傾斜している。傾斜角度は、前側保持部材60の後面60a傾斜角度と略同一である。
【0053】
図8に示すように、4対の前側レールユニット62は、左右方向に並んで配置されている。一対の前側レールユニット62は、前側保持部材60から後側に突出している。一対の前側レールユニット62は、上下方向に延びている。一対の前側レールユニット62は、互いに左右方向に離れて配置されている。一対の前側レールユニット62は、互いに近づく方向に突出する一対の前側レール爪72を備えている。一対の前側レール爪72は、前側保持部材60の後面60aと略平行となるように、前側保持部材60から離れて配置されている。一対の前側レール爪72は、略上下方向に延びている。一対の前側レール爪72は、バッテリパックBPと係合可能である。バッテリパックBPが一対の前側レール爪72に係合しているとき、バッテリパックBPは、取付方向D1(図10参照)と取外方向D2(図10参照)にスライドすることができる一方、左右方向と前後方向にスライドすることができない。
【0054】
前側端子部材ユニット64は、前側保持部材60を貫通することにより、前側保持部材60に保持されている。前側端子部材ユニット64は、前側保持部材60から後側に向かって突出している。左右方向において、前側端子部材ユニット64は、一対の前側レールユニット62の間に配置されている。前側端子部材ユニット64は、制御ユニット38(図7参照)と電気的に接続されている。前側端子部材ユニット64の詳細な構成については、後で説明する。
【0055】
左右方向において、前側支持部材66は、一対の前側レールユニット62の間に配置されている。前側支持部材66は、前側保持部材60から後側に突出するとともに、ベース本体50の上面58から上側に突出している。前側支持部材66は、バッテリパックBPが前側バッテリ取付部68に取り付けられているときに、バッテリパックBPの一対の取付レールユニット142(図15参照)に当接して、バッテリパックBPを支持する。
【0056】
前側保持部材60には、複数(本実施例では4個)の前側逃がし溝70が形成されている。4個の前側逃がし溝70は、左右方向に並んで配置されている。左右方向において、前側逃がし溝70は、一対の前側レールユニット62の間に配置されている。前側逃がし溝70は、前側保持部材60の後面60aの上端に配置されている。前側逃がし溝70は、後面60aから前側に向かって凹んでいる。前側逃がし溝70の深さ(前後方向の幅)は、前側保持部材60の上端に向かうにつれて深くなる。前側逃がし溝70の上端は、開放されている、即ち、閉じられていない。
【0057】
図10に示すように、前側支持部材66の後側には、前側支持台74が配置されている。前側支持台74は、ベース本体50の上面58から上側に向かって突出している。前側支持台74は、バッテリパックBPが前側バッテリ取付部68に取り付けられているときに、バッテリパックBPの下端に当接して、バッテリパックBPを下側から支持する。
【0058】
中央バッテリ取付ユニット46は、後側から中央取付部材54に固定されている。中央バッテリ取付ユニット46は、前側バッテリ取付ユニット44よりも後側に配置されている。図9に示すように、中央バッテリ取付ユニット46は、ケース6に部分的に収容されている。中央バッテリ取付ユニット46は、ケース6の上側開口12を通って、ケース6から上側に突出している。中央バッテリ取付ユニット46がケース6から突出する突出長さLa2は、前側バッテリ取付ユニット44がケース6から突出する突出長さLa1よりも短い。突出長さLa2は、例えば、15mm以上、20mm以上、または25mm以上である。また、突出長さLa2は、突出長さLa1よりも高さH1(図7参照)だけ短い。突出長さLa2と突出長さLa1との差は、例えば、3mm、5mm、10mm、または20mmである。
【0059】
図8に示すように、中央バッテリ取付ユニット46は、前側バッテリ取付ユニット44と同様の構成を有する。中央バッテリ取付ユニット46は、中央保持部材78と、複数対(本実施例では4対)の中央レールユニット80と、複数(本実施例では4個)の中央端子部材ユニット82と、複数(本実施例では4個)の中央支持部材84と、を備えている。中央保持部材78は、前側保持部材60と同様の構成を有しており、一対の中央レールユニット80は、一対の前側レールユニット62と同様の構成を有しており、中央端子部材ユニット82は、前側端子部材ユニット64と同様の構成を有しており、中央支持部材84は、前側支持部材66と同様の構成を有する。また、中央保持部材78に形成されている中央逃がし溝86は、前側保持部材60に形成されている前側逃がし溝70と同様の構成を有する。さらに、一対の中央レールユニット80の一対の中央レール爪88は、一対の前側レールユニット62の一対の前側レール爪72と同様の構成を有する。
【0060】
中央保持部材78と、一対の中央レールユニット80と、1個の中央端子部材ユニット82と、1個の中央支持部材84は、中央バッテリ取付部90を構成している。即ち、中央バッテリ取付ユニット46は、複数(本実施例では4個)の中央バッテリ取付部90を備えている。4個の中央バッテリ取付部90は、左右方向に並んで配置されている。中央バッテリ取付部90には、バッテリパックBP(図2参照)が着脱可能に取り付けられる。複数のバッテリパックBPのそれぞれが中央バッテリ取付部90に取り付けられると、複数のバッテリパックBPは、左右方向に並ぶ。図9に示すように、バッテリパックBPが中央バッテリ取付部90に取り付けられているとき、バッテリパックBPは、ケース6の上側開口12を通って、ケース6から上側に突出している。このため、ユーザは、バッテリパックBPを手で容易に掴むことができる。中央バッテリ取付部90に取り付けられているバッテリパックBPがケース6から突出する突出長さLb2は、前側バッテリ取付部68に取り付けられているバッテリパックBPがケース6から突出する突出長さLb1よりも短い。突出長さLb2は、例えば、45mm以上、50mm以上、または55mm以上である。また、突出長さLb2は、突出長さLb1よりも高さH1(図7参照)だけ短い。突出長さLb2と突出長さLb1との差は、例えば、3mm、5mm、10mm、または20mmである。また、バッテリパックBPが中央バッテリ取付部90に取り付けられているとき、バッテリパックBPは、直交面P2に対して傾斜している。バッテリパックBPの傾斜角度は、中央保持部材78の後面の傾斜角度と略同一である。
【0061】
図10に示すように、中央支持部材84の前側には、中央支持台92が配置されている。中央支持台92は、ベース本体50の上面58から上側に向かって突出している。中央支持台92は、バッテリパックBPが中央バッテリ取付部90に取り付けられているときに、バッテリパックBPの下端に当接して、バッテリパックBPを下側から支持する。
【0062】
後側バッテリ取付ユニット48は、後側から後側取付部材56に固定されている。後側バッテリ取付ユニット48は、中央バッテリ取付ユニット46よりも後側に配置されている。このため、前側バッテリ取付ユニット44と、中央バッテリ取付ユニット46と、後側バッテリ取付ユニット48は、前後方向に並んでいる。なお、前後方向は、前側バッテリ取付ユニット44と、中央バッテリ取付ユニット46と、後側バッテリ取付ユニット48が並ぶ方向と略同一である。図11に示すように、後側バッテリ取付ユニット48は、ケース6のカバー取付部14よりも前側に配置されている。後側バッテリ取付ユニット48は、ケースカバー8が閉位置にあるとき、ケースカバー8よりも前側に配置されている。図9に示すように、後側バッテリ取付ユニット48は、ケース6に部分的に収容されている。後側バッテリ取付ユニット48は、ケース6の上側開口12を通って、ケース6から上側に突出している。後側バッテリ取付ユニット48がケース6から突出する突出長さLa3は、中央バッテリ取付ユニット46がケース6から突出する突出長さLa2よりも短い。突出長さLa3は、例えば、10mm以上、15mm以上、または20mm以上である。また、突出長さLa3は、突出長さLa2よりも高さH2(図7参照)だけ短い。突出長さLa3と突出長さLa2との差は、例えば、3mm、5mm、10mm、または20mmである。また、ケース6から突出する突出長さは、前側バッテリ取付ユニット44、中央バッテリ取付ユニット46、後側バッテリ取付ユニット48の順に短くなる。
【0063】
図8に示すように、後側バッテリ取付ユニット48は、前側バッテリ取付ユニット44と同様の構成を有する。後側バッテリ取付ユニット48は、後側保持部材96と、複数対(本実施例では4対)の後側レールユニット98と、複数(本実施例では4個)の後側端子部材ユニット100と、複数(本実施例では4個)の後側支持部材102と、を備えている。後側保持部材96は、前側保持部材60と同様の構成を有しており、一対の後側レールユニット98は、一対の前側レールユニット62と同様の構成を有しており、後側端子部材ユニット100は、前側端子部材ユニット64と同様の構成を有しており、後側支持部材102は、前側支持部材66と同様の構成を有する。また、後側保持部材96に形成されている後側逃がし溝104は、前側保持部材60に形成されている前側逃がし溝70と同様の構成を有する。さらに、一対の後側レールユニット98の一対の後側レール爪106は、一対の前側レールユニット62の一対の前側レール爪72と同様の構成を有する。
【0064】
後側保持部材96と、一対の後側レールユニット98と、1個の後側端子部材ユニット100と、1個の後側支持部材102は、後側バッテリ取付部108を構成している。即ち、後側バッテリ取付ユニット48は、複数(本実施例では4個)の後側バッテリ取付部108を備えている。4個の後側バッテリ取付部108は、左右方向に並んで配置されている。後側バッテリ取付部108には、バッテリパックBP(図2参照)が着脱可能に取り付けられる。複数のバッテリパックBPのそれぞれが後側バッテリ取付部108に取り付けられると、複数のバッテリパックBPは、左右方向に並ぶ。図9に示すように、バッテリパックBPが後側バッテリ取付部108に取り付けられているとき、バッテリパックBPは、ケース6の上側開口12を通って、ケース6から上側に突出している。このため、ユーザは、バッテリパックBPを手で容易に掴むことができる。後側バッテリ取付部108に取り付けられているバッテリパックBPがケース6から突出する突出長さLb3は、中央バッテリ取付部90に取り付けられているバッテリパックBPがケース6から突出する突出長さLb2よりも短い。突出長さLb3は、例えば、40mm以上、45mm以上、または50mm以上である。また、突出長さLb3は、突出長さLb2よりも高さH2(図7参照)だけ短い。突出長さLb3と突出長さLb2との差は、例えば、3mm、5mm、10mm、または20mmである。また、ケース6から突出する突出長さは、前側バッテリ取付ユニット44に取り付けられたバッテリパックBP、中央バッテリ取付ユニット46に取り付けられたバッテリパックBP、後側バッテリ取付ユニット48に取り付けられたバッテリパックBPの順に短くなる。このため、ユーザは、収容ボックス2の前側(バッテリ取付ユニット36に対してケースカバー8(図11参照)と反対側)に立って、まず、前側バッテリ取付ユニット44に取り付けられたバッテリパックBPを取り出し、次に、中央バッテリ取付ユニット46に取り付けられたバッテリパックBPを取り出し、最後に、後側バッテリ取付ユニット48に取り付けられたバッテリパックBPを取り出すことにより、バッテリパックBPを収容ボックス2から容易に取り出すことができる。また、バッテリパックBPが後側バッテリ取付部108に取り付けられているとき、バッテリパックBPは、直交面P2に対して傾斜している。バッテリパックBPの傾斜角度は、後側保持部材96の後面の傾斜角度と略同一である。
【0065】
図10に示すように、後側支持部材102の前側には、後側支持台110が配置されている。後側支持台110は、ベース本体50の上面58から上側に向かって突出している。後側支持台110は、バッテリパックBPが後側バッテリ取付部108に取り付けられているとき、バッテリパックBPの下端に当接して、バッテリパックBPを下側から支持する。
【0066】
前側端子部材ユニット64と中央端子部材ユニット82と後側端子部材ユニット100の詳細な構成を説明する。前側端子部材ユニット64と中央端子部材ユニット82と後側端子部材ユニット100の構成は同様であるため、以下では、後側端子部材ユニット100を例に挙げて説明する。図12に示すように、後側端子部材ユニット100は、金属製の複数(本実施例では2個)の充電端子部材120と、金属製の複数(本実施例では4個)の通信端子部材122と、を備えている。
【0067】
充電端子部材120と通信端子部材122は、インサート成形により、後側保持部材96に直接固定されている。充電端子部材120と通信端子部材122は、後側保持部材96から後側に突出している。充電端子部材120が後側保持部材96から突出する長さは、通信端子部材122が後側保持部材96から突出する長さと略同一である。上下方向において、充電端子部材120と通信端子部材122は、後側逃がし溝104と後側支持部材102との間に配置されている。
【0068】
充電端子部材120は、バッテリパックBP(図2参照)に充電電流を流すための端子である。2個の充電端子部材120は、左右方向に並んで配置されている。通信端子部材122は、制御ユニット38(図7参照)とバッテリパックBPとの間の通信用の端子である。左右方向において、4個の通信端子部材122は、2個の充電端子部材120の間に配置されている。4個の通信端子部材122は、左右方向に並んで配置される2個の上側通信端子部材124と、左右方向に並んで配置される2個の下側通信端子部材126と、を備えている。上側通信端子部材124は、下側通信端子部材126と上下方向に並んで配置されている。2個の下側通信端子部材126は、2個の充電端子部材120と左右方向に並んで配置されている。
【0069】
図13に示すように、充電端子部材120は、直線部130と、差込部132と、を備えている。直線部130と差込部132は、後側保持部材96の外部に露出している。直線部130は、取付方向D1に沿って延びている。左右方向における直線部130の幅は、取付方向D1に一定である。差込部132は、直線部130の一端に接続されている。左右方向における差込部132の幅は、直線部130から離反するにつれて短くなる。取付方向D1における差込部132の長さLt1は、例えば、取付方向D1における直線部130の長さLt2の100%以下、90%以下、80%以下、70%以下、または65%以下である。また、長さLt1は、例えば、長さLt2の20%以上、25%以上、30%以上、または35%以上である。さらに、長さLt1は、例えば、取付方向D1における充電端子部材120の長さLt3の55%以下、50%以下、45%以下、または40%以下である。また、長さLt1は、例えば、長さLt3の20%以上、25%以上、30%以上、または35%以上である。
【0070】
また、充電端子部材120の長さLt3は、取付方向D1における下側通信端子部材126の長さLt4の100%以上である。なお、長さLt4は、後側保持部材96から露出している部分の下側通信端子部材126の長さである。さらに、長さLt3は、例えば、長さLt4の150%以下、140%以下、130%以下、または125%以下である。また、下側通信端子部材126の長さLt4は、取付方向D1における上側通信端子部材124の長さLt5と略同一である。なお、長さLt5は、後側保持部材96から露出している部分の上側通信端子部材124の長さである。
【0071】
上側通信端子部材124は、下側通信端子部材126と同様の形状を有する。上側通信端子部材124は、ベース部134と、差込部136と、を備えている。ベース部134と差込部136は、後側保持部材96の外部に露出している。ベース部134は、取付方向D1に沿って延びている。差込部136は、ベース部134の一端に接続されている。左右方向における差込部136の幅は、ベース部134から離反するにつれて短くなる。取付方向D1における差込部136の長さLt6は、上側通信端子部材124の長さLt5の40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、または20%以下である。長さLt6は、長さLt5の5%以上、10%以上、または15%以上である。また、長さLt6は、充電端子部材120の差込部132の長さLt1よりも短い。上側通信端子部材124の差込部136のテーパー角は、充電端子部材120の差込部132のテーパー角よりも大きい。
【0072】
次に、図14に示すバッテリパックBPを説明する。バッテリパックBPは、電気機器200のバッテリ取付部202に取り付けられて使用される。図14では、電気機器200が破線により図示されている。電気機器200は、バッテリパックBPから供給される電力によって動作する電気機器であってもよい。電気機器200は、例えば、ドライバやドリル等のモータを動力源とする電動工具であってもよく、草刈機やブロワ等のモータを動力源とする電動作業機であってもよい。あるいは、電気機器200は、ライトやラジオ、スピーカ等の、モータを備えていない電気機器であってもよい。あるいは、電気機器200は、バッテリパックBPに対して電力を供給する充電器であってもよい。バッテリパックBPでは、定格電圧が例えば36Vであり、最大電圧が例えば40Vであり、定格容量が例えば2.5Ahである。また、バッテリパックBPでは、定格電圧が例えば36Vであり、最大電圧が例えば40Vであり、定格容量が例えば4.0Ahであってもよい。さらに、バッテリパックBPでは、定格電圧が例えば36Vであり、最大電圧が例えば40Vであり、定格容量が例えば5.0Ahであってもよい。また、バッテリパックBPでは、定格電圧が例えば36Vであり、最大電圧が例えば40Vであり、定格容量が例えば8.0Ahであってもよい。バッテリパックBPの重量は、例えば、2kg以下である。
【0073】
図15に示すように、バッテリパックBPは、ケーシング140と、一対の取付レールユニット142と、フック144と、バッテリ端子部材ユニット146(図16参照)と、を備えている。ケーシング140は、二次電池、例えば、リチウムイオンバッテリを内部に収容している。
【0074】
一対の取付レールユニット142は、ケーシング140の前面から突出している。一対の取付レールユニット142は、ケーシング140の前面に沿って略上下方向に延びている。一対の取付レールユニット142は、互いに離れる方向に突出する一対の取付レール爪148を備えている。一対の取付レール爪148は、ケーシング140の前面に沿って略上下方向に延びている。一対の取付レール爪148は、バッテリパックBPがバッテリ取付ユニット36(図8参照)に取り付けられているとき、収容ボックス2の一対の前側レール爪72(図8参照)、一対の中央レール爪88(図8参照)、または一対の後側レール爪106(図8参照)と係合する。また、電気機器200のバッテリ取付部202(図14参照)には、バッテリ取付方向に延びる一対の機器レール爪(図示省略)が形成されており、バッテリパックBPがバッテリ取付部202に取り付けられているとき、一対の取付レール爪148は、一対の機器レール爪と係合する。バッテリパックBPをバッテリ取付部202に対してバッテリ取付方向にスライドさせると、一対の取付レール爪148が一対の機器レール爪と係合することにより、バッテリパックBPがバッテリ取付部202に取り付けられる。一対の取付レール爪148が一対の機器レール爪と係合すると、バッテリパックBPは、バッテリ取付部202に対してバッテリ取付方向と、バッテリ取付方向と反対のバッテリ取外方向にのみスライドすることができる一方、バッテリ取付方向とバッテリ取外方向と異なる方向、例えば、バッテリ取付方向に直交する方向にスライドすることができない。また、バッテリ取付部202に取り付けられたバッテリパックBPをバッテリ取付部202に対してバッテリ取外方向にスライドさせると、一対の取付レール爪148が一対の機器レール爪から外れることにより、バッテリパックBPがバッテリ取付部202から取り外される。
【0075】
フック144は、ケーシング140に可動するように取り付けられている。フック144は、係合部150と、操作部152と、を備えている。係合部150は、一対の取付レールユニット142の間に配置されている。係合部150は、例えば係合爪である。図14に示すように、電気機器200のバッテリ取付部202には、係合凹部204が形成されており、係合部150は、係合凹部204と係合可能である。係合部150は、通常、ケーシング140の外部に突出している。係合部150は、ケーシング140の内部に移動可能である。また、係合部150は、ケーシング140の前面に対して鋭角に傾斜している案内部154を備えている。図15に示すように、操作部152は、係合部150と一体的に形成されている。操作部152は、ケーシング140内に押し込み可能となるように、ケーシング140に取り付けられている。操作部152がユーザに操作されてケーシング140内に押し込まれると、係合部150の全体が、ケーシング140内に移動する。操作部152がケーシング140内に押し込まれた状態で、操作部152が操作されなくなると、付勢バネ(図示省略)による付勢力により、操作部152は、初期位置に復帰する。これにより、係合部150は、ケーシング140の外部に突出する初期状態に戻る。
【0076】
バッテリパックBPをバッテリ取付部202に着脱するときのフック144の動きを説明する。図14に示すように、バッテリパックBPをバッテリ取付部202に対してバッテリ取付方向にスライドさせると、係合部150は、案内部154がバッテリ取付部202に当接することにより、ケーシング140内に徐々に押し込まれる。係合部150が係合凹部204まで到達すると、案内部154がバッテリ取付部202と当接しなくなるため、係合部150は、付勢バネ(図示省略)の付勢力により、初期状態に戻り、係合凹部204と係合する。係合部150が係合凹部204と係合している状態では、バッテリパックBPをバッテリ取付部202に対してバッテリ取外方向にスライドさせること、即ち、バッテリパックBPをバッテリ取付部202から取り外すことができない。
【0077】
バッテリパックBPをバッテリ取付部202から取り外すとき、図15に示す操作部152がユーザによりケーシング140内に押し込まれる。これにより、係合部150は、ケーシング140内に移動し、係合部150と係合凹部204との係合が解除される。操作部152がケーシング140内に押し込まれた状態で、バッテリパックBPをバッテリ取付部202に対してバッテリ取外方向にスライドさせると、一対の取付レール爪148がバッテリ取付部202の一対の機器レール爪から外れ、バッテリパックBPがバッテリ取付部202から取り外される。
【0078】
バッテリ端子部材ユニット146を説明する。図15に示すように、一対の取付レール爪148の間には、複数の端子溝156が配置されており、バッテリ端子部材ユニット146(図16参照)は、端子溝156内に配置されている。図16に示すバッテリ端子部材ユニット146は、ケーシング140(図15参照)内に配置されている。バッテリ端子部材ユニット146は、金属製の複数(本実施例では2個)のバッテリ充電端子部材160と、金属製の複数(本実施例では4個)のバッテリ通信端子部材162と、を備えている。
【0079】
バッテリ充電端子部材160は、4個の充電クランプ部164を備えている。4個の充電クランプ部164は、一列に並んでいる。4個の充電クランプ部164は、一体的に形成されている。バッテリ充電端子部材160は、4個の充電クランプ部164の少なくとも1つが他の端子部材を挟み込むことにより、他の端子部材と電気的に接続するように構成されている。以下では、4個の充電クランプ部164の内の上側に配置されている2個の充電クランプ部164を、上側充電クランプ部166と呼び、4個の充電クランプ部164の内の下側に配置されている2個の充電クランプ部164を、下側充電クランプ部168と呼ぶことがある。下側充電クランプ部168は、上側充電クランプ部166よりも取付方向D1側に配置されている。
【0080】
バッテリ通信端子部材162は、他の端子部材を挟み込むことにより、他の端子部材と電気的に接続するように構成されている。4個のバッテリ通信端子部材162は、左右方向に並んで配置される2個の上側バッテリ通信端子部材172と、左右方向に並んで配置される2個の下側バッテリ通信端子部材174と、を備えている。2個の上側バッテリ通信端子部材172は、一方のバッテリ充電端子部材160の上側充電クランプ部166と他方のバッテリ充電端子部材160の上側充電クランプ部166との間に配置されている。2個の下側バッテリ通信端子部材174は、一方のバッテリ充電端子部材160の下側充電クランプ部168と他方のバッテリ充電端子部材160の下側充電クランプ部168との間に配置されている。
【0081】
バッテリパックBPを前側バッテリ取付部68(または中央バッテリ取付部90または後側バッテリ取付部108)(図8参照)に取り付ける流れを説明する。まず、バッテリパックBP(図15参照)を、前側保持部材60(または中央保持部材78または後側保持部材96)(図8参照)の上側に配置し、バッテリパックBPの自重により前側保持部材60(または中央保持部材78または後側保持部材96)に沿って取付方向D1(図12参照)にスライドさせる。図17に示す前側バッテリ取付部68(または中央バッテリ取付部90または後側バッテリ取付部108)の充電端子部材120は、バッテリパックBPの下側充電クランプ部168の下側から、下側充電クランプ部168の間に差し込まれる。このとき、まず、充電端子部材120の差込部132が下側充電クランプ部168の間に差し込まれ、次に、充電端子部材120の直線部130が下側充電クランプ部168の間に差し込まれる。差込部132のテーパー角が通信端子部材124の差込部136(図13参照)のテーパー角よりも小さいため、差込部132は、差込部136よりも下側充電クランプ部168の間に差し込まれ易い。なお、図17では、直線部130と差込部132の境界が破線により図示されている。差込部132が最も下側に配置される充電クランプ部164を通過して、下側から2番目に配置される充電クランプ部164にわずかに差し込まれると、バッテリパックBPが取付位置に到達する。このとき、充電端子部材120は、バッテリ充電端子部材160と電気的に接続されている。本実施例では、充電端子部材120が1個の充電クランプ部164の全体と他の1個の充電クランプ部164の一部にのみ差し込まれるため、バッテリパックBPの自重により、バッテリパックBPは取付位置まで移動する。図11に示すように、バッテリパックBPが取付位置に到達すると、バッテリパックBPの下端が、前側支持台74(または中央支持台92または後側支持台110)と当接し、バッテリパックBPの一対の取付レールユニット142(図15参照)が前側支持部材66(または中央支持部材84または後側支持部材102)(図10参照)と当接する。これにより、バッテリパックBPを取付方向D1にさらにスライドさせることができなくなる。このため、図17に示すように、バッテリパックBPの取り付け時、充電端子部材120は、上側充電クランプ部166の間を通過しない。
【0082】
また、バッテリパックBPが取付位置にあるとき、充電端子部材120は、下側充電クランプ部168(2個の充電クランプ部164)のみに挟まれている。充電端子部材120が本実施例の充電端子部材120よりも長く、4個の充電クランプ部164に挟まれている構成では、バッテリパックBPが高速に充電される一方、本実施例のように、充電端子部材120が2個の充電クランプ部164のみに挟まれている構成では、バッテリパックBPは長時間かけて(例えば8時間で)充電される。このため、例えば、バッテリパックBPを使用する前日の夜にバッテリパックBPの充電を開始すると、バッテリパックBPを使用する日の朝にバッテリパックBPの充電が完了しており、バッテリパックBPを効率良く充電することができる。
【0083】
また、図示省略されているが、前側バッテリ取付部68(または中央バッテリ取付部90または後側バッテリ取付部108)の上側通信端子部材124(図12参照)は、差込部136(図13参照)から図16に示す下側バッテリ通信端子部材174に差し込まれる。次に、上側通信端子部材124は、下側バッテリ通信端子部材174から抜け出て、上側バッテリ通信端子部材172に差し込まれる。上側通信端子部材124が上側バッテリ通信端子部材172に差し込まれると、バッテリパックBPが取付位置に到達する。このとき、上側通信端子部材124は、上側バッテリ通信端子部材172と電気的に接続されている。さらに、図示省略されているが、前側バッテリ取付部68(または中央バッテリ取付部90または後側バッテリ取付部108)の下側通信端子部材126(図12参照)は、下側バッテリ通信端子部材174に差し込まれる。下側通信端子部材126が下側バッテリ通信端子部材174に差し込まれると、バッテリパックBPが取付位置に到達する。このとき、下側通信端子部材126は、下側バッテリ通信端子部材174と電気的に接続されている。
【0084】
また、バッテリパックBPを取付方向D1にスライドさせると、図18および図19に示すバッテリパックBPの係合部150は、上側から前側逃がし溝70(または中央逃がし溝86または後側逃がし溝104)に入り込む。バッテリパックBPが取付位置に到達したとき、係合部150は、前側逃がし溝70(または中央逃がし溝86または後側逃がし溝104)内に配置されている。前側逃がし溝70と中央逃がし溝86と後側逃がし溝104の形状が同様であるため、以下では、係合部150と前側逃がし溝70との関係を例に挙げて説明する。
【0085】
左右方向における係合部150の幅W1は、左右方向の前側逃がし溝70の幅W2よりも短い。このため、左右方向において、係合部150は、前側逃がし溝70内で前側保持部材60と離れている。また、係合部150が初期位置にあるとき、係合部150がケーシング140から突出している突出長さLp1は、ケーシング140と前側逃がし溝70内の前側保持部材60との間の幅W3よりも短い。このため、前後方向において、係合部150は、案内部154が前側逃がし溝70内で前側保持部材60と対向した状態で、前側保持部材60と離れている。さらに、上下方向において、係合部150は、前側逃がし溝70内で前側保持部材60と離れている。また、前側バッテリ取付部68は、係合部150と上下方向(または取付方向D1)に重なり合う位置であって、係合部150よりも取外方向D2側に配置されていない。よって、係合部150は、前側保持部材60と接触しておらず、前側保持部材60と係合していない。このため、バッテリパックBPは、係合部150が係合することなく、前側バッテリ取付部68(または中央バッテリ取付部90または後側バッテリ取付部108)に取り付けられる。また、バッテリパックBPを前側バッテリ取付部68(または中央バッテリ取付部90または後側バッテリ取付部108)に取り付けるとき、係合部150の案内部154は、前側保持部材60と当接しないため、係合部150は、ケーシング140内に押し込まれない。
【0086】
バッテリパックBPが取付位置に到達すると、即ち、バッテリパックBPが前側バッテリ取付部68(または中央バッテリ取付部90または後側バッテリ取付部108)に取り付けられると、バッテリパックBPは充電可能となる。バッテリパックBPの充電時には、バッテリパックBPを取付位置に維持する必要がある。このため、図20に示すように、収容ボックス2は、緩衝材180をさらに備えている。緩衝材180は、弾性材料、例えば、ゴム材料からなる。緩衝材180は、略平板形状を有する。緩衝材180は、ケースカバー8の内部の内上面8eに取り付けられている。緩衝材180は、ケースカバー8が閉位置にあるとき、バッテリパックBPとケースカバー8との間に挟まれている。これにより、バッテリパックBPは、ケースカバー8と緩衝材180により、取付位置に維持される。バッテリパックBPが取付位置にあるとき、緩衝材180の接触面180aは、バッテリパックBPと接触する。接触面180aは、ケースカバー8に取り付けられる緩衝材180の面と反対の面である。
【0087】
緩衝材180は、前側接触部182と、中央接触部184と、後側接触部186と、を備えている。ケースカバー8が閉位置にあるとき、前側接触部182と中央接触部184と後側接触部186は、前後方向に並んで配置されている。ケースカバー8が閉位置にあるとき、前側接触部182は、前側バッテリ取付ユニット44に取り付けられたバッテリパックBPと対向する位置に配置されており、中央接触部184は、中央バッテリ取付ユニット46に取り付けられたバッテリパックBPと対向する位置に配置されており、後側接触部186は、後側バッテリ取付ユニット48に取り付けられたバッテリパックBPと対向する位置に配置されている。ケースカバー8が閉位置にあるとき、前側接触部182は、前側バッテリ取付ユニット44に取り付けられたバッテリパックBPとケースカバー8との間に挟まれ、中央接触部184は、中央バッテリ取付ユニット46に取り付けられたバッテリパックBPとケースカバー8との間に挟まれ、後側接触部186は、後側バッテリ取付ユニット48に取り付けられたバッテリパックBPとケースカバー8との間に挟まれる。
【0088】
緩衝材180の厚み(接触面180aとケースカバー8の内上面8eとの間の幅)は、前側接触部182で最も薄く、後側接触部186で最も厚い。また、ケースカバー8が閉位置にあるとき、接触面180aは、前側接触部182で最も上側に配置されており、後側接触部186で最も下側に配置されている。前側接触部182での接触面180aと中央接触部184での接触面180aとの間の高さH3は、中央接触部184での接触面180aと後側接触部186での接触面180aとの間の高さH4と略同一である。また、高さH3は、ベース本体50の前側上面58aと中央上面58bとの間の高さH1と略同一である。高さH4は、ベース本体50の中央上面58bと後側上面58cとの間の高さH2と略同一である。
【0089】
ケースカバー8が閉位置にあるとき、緩衝材180は、バッテリパックBPに押し付けられる。図21に示すように、緩衝材180は、弾性変形することにより、バッテリパックBPに押し込まれている。図21では、緩衝材180の厚みとバッテリパックBPの上下方向の長さが誇張して図示されている。前側接触部182がバッテリパックBPにより押し込まれる押し込み深さDp1は、中央接触部184がバッテリパックBPにより押し込まれる押し込み深さDp2と、後側接触部186がバッテリパックBPにより押し込まれる押し込み深さDp3のそれぞれと略同一である。このため、複数のバッテリパックBPは、緩衝材180により均一な力で取付位置まで押し込まれる。
【0090】
(効果)
本実施例の収容ボックス2は、電気機器200に取り付けられて使用されるバッテリパックBPを収容したまま充電可能である。収容ボックス2は、ケース6と、ケース6に支持されている複数のバッテリ取付ユニット36と、を備えている。バッテリパックBPは、複数のバッテリ取付ユニット36のそれぞれに着脱可能に取り付けられる。バッテリパックBPは、電気機器200に取り付けられているときに、電気機器200に係合するフック144(係合部材の一例)であって、フック144へのユーザの操作により電気機器200との係合が解除されるフック144を備えている。バッテリ取付ユニット36は、バッテリパックBPがバッテリ取付ユニット36に取り付けられているときに、バッテリパックBPに電気的に接続される端子部材ユニット64、82、100と、端子部材ユニット64、82、100を保持している保持部材60、78、96と、を備えている。保持部材60、78、96は、バッテリパックBPがバッテリ取付ユニット36に取り付けられているときに、バッテリパックBPのフック144と係合しない。
【0091】
上記の構成によれば、バッテリパックBPがバッテリ取付ユニット36に取り付けられているとき、バッテリパックBPのフック144は、バッテリ取付ユニット36の保持部材60、78、96と係合しない。このため、バッテリパックBPをバッテリ取付ユニット36から取り外すとき、フック144と保持部材60、78、96との係合を解除する作業が不要となる。これにより、バッテリパックBPをバッテリ取付ユニット36から容易に取り外すことができる。
【0092】
また、保持部材60、78、96は、バッテリパックBPがバッテリ取付ユニット36に取り付けられているときに、バッテリパックBPのフック144と離れている。
【0093】
上記の構成によれば、簡素な構成により、バッテリパックBPのフック144がバッテリ取付ユニット36の保持部材60、78、96と係合することを抑制することができる。
【0094】
また、バッテリパックBPは、バッテリ充電端子部材160と、バッテリ通信端子部材162と、を備えている。端子部材ユニット64、82、100は、バッテリパックBPがバッテリ取付ユニット36に取り付けられているときに、バッテリパックBPのバッテリ充電端子部材160に電気的に接続される充電端子部材120と、バッテリパックBPがバッテリ取付ユニット36に取り付けられているときに、バッテリパックBPのバッテリ通信端子部材162に電気的に接続される通信端子部材122と、を備えている。バッテリパックBPは、バッテリ取付ユニット36に対して取付方向D1に移動することにより、バッテリ取付ユニット36に取り付けられる。取付方向D1における端子部材ユニット64、82、100の充電端子部材120の長さLt3は、取付方向D1における端子部材ユニット64、82、100の通信端子部材122の長さLt4、Lt5の150%以下である。
【0095】
取付方向D1における端子部材ユニット64、82、100の充電端子部材120の長さLt3が取付方向D1における端子部材ユニット64、82、100の通信端子部材122の長さLt4、Lt5の150%よりも大きいと、バッテリパックBPのバッテリ充電端子部材160と端子部材ユニット64、82、100の充電端子部材120との間に作用する摩擦力により、バッテリパックBPをバッテリ取付ユニット36に取り付けにくい。上記の構成によれば、バッテリパックBPをバッテリ取付ユニット36に取り付けやすくすることができる。
【0096】
また、端子部材ユニット64、82、100の充電端子部材120は、取付方向D1に沿って延びる直線部130と、直線部130の端に接続されており、直線部130から離反するにつれて細くなる差込部132と、を備えている。バッテリパックBPがバッテリ取付ユニット36に対して取付方向D1に移動したときに、差込部132は、直線部130よりも先にバッテリパックBPのバッテリ充電端子部材160に差し込まれる。取付方向D1における差込部132の長さLt1は、取付方向D1における充電端子部材120の長さLt3の20%以上である。
【0097】
取付方向D1における差込部132の長さLt1が取付方向D1における充電端子部材120の長さLt3の20%未満である場合、バッテリパックBPのバッテリ充電端子部材160と差込部132との間に作用する摩擦力により、バッテリパックBPをバッテリ取付ユニット36に取り付けにくい。上記の構成によれば、バッテリパックBPをバッテリ取付ユニット36に取り付けやすくすることができる。
【0098】
また、取付方向D1における端子部材ユニット64、82、100の充電端子部材120の長さLt3は、取付方向D1におけるバッテリパックBPのバッテリ充電端子部材160の長さよりも短い。バッテリパックBPのバッテリ充電端子部材160は、充電端子部材120を挟み込み可能である上側充電クランプ部166(第1クランプ部の一例)と、充電端子部材120を挟み込み可能であり、上側充電クランプ部166よりも取付方向D1側に配置されている下側充電クランプ部168(第2クランプ部の一例)と、を備えている。バッテリパックBPがバッテリ取付ユニット36に取り付けられるときに、端子部材ユニット64、82、100の充電端子部材120は、上側充電クランプ部166を通過することなく下側充電クランプ部168に挟み込まれる。
【0099】
一般的なバッテリパックBPでは、高速に充電できるように、バッテリ充電端子部材160が長く設計されている。バッテリパックBPを高速に充電する必要がない構成では、端子部材ユニット64、82、100の充電端子部材120は、バッテリ充電端子部材160の一部分にのみ接触するように構成されていることがある。端子部材ユニット64、82、100の充電端子部材120が上側充電クランプ部166に挟み込まれる構成とすると、バッテリパックBPをバッテリ取付ユニット36に取り付けようとするとき、充電端子部材120は、下側充電クランプ部168に挟み込まれて下側充電クランプ部168を通過した後に上側充電クランプ部166に挟み込まれる。上記の構成によれば、バッテリパックBPをバッテリ取付ユニット36に取り付けるとき、充電端子部材120は、上側充電クランプ部166を通過することなく、下側充電クランプ部168に挟み込まれる。これにより、端子部材ユニット64、82、100の充電端子部材120が上側充電クランプ部166に挟み込まれる構成と比較して、バッテリパックBPをバッテリ取付ユニット36に取り付けやすくすることができる。
【0100】
また、バッテリパックBPは、バッテリ取付ユニット36に取り付けられているときに、取付位置に位置している。バッテリパックBPをバッテリ取付ユニット36に取り付けるとき、バッテリパックBPは、バッテリパックBPの自重により、取付位置まで移動する。
【0101】
上記の構成によれば、バッテリパックBPをバッテリ取付ユニット36に容易に取り付けることができる。
【0102】
また、収容ボックス2は、載置面P1に載置可能である。収容ボックス2が載置面P1に載置されており、かつ、バッテリパックBPがバッテリ取付ユニット36に取り付けられているとき、バッテリパックBPは、載置面P1に直交する直交面P2に対して傾斜している。
【0103】
上記の構成によれば、バッテリパックBPをバッテリ取付ユニット36から取り外しやすくすることができる。
【0104】
また、収容ボックス2は、載置面P1に載置可能である。ケース6は、上側が開口した上側開口12を有する箱形状を有しており、複数のバッテリ取付ユニット36のそれぞれの少なくとも一部分を収容している。複数のバッテリ取付ユニット36は、前側バッテリ取付ユニット44(第1バッテリ取付ユニットの一例)と、前側バッテリ取付ユニット44と載置面P1に沿う後方向(第1方向の一例)に離れて配置されている中央バッテリ取付ユニット46(第2バッテリ取付ユニットの一例)と、を備えている。バッテリパックBPが前側バッテリ取付ユニット44に取り付けられているときに、バッテリパックBPは、上側開口12を通って、ケース6の内部から外部に突出している。バッテリパックBPが中央バッテリ取付ユニット46に取り付けられているときに、バッテリパックBPは、上側開口12を通って、ケース6の内部から外部に突出している。前側バッテリ取付ユニット44に取り付けられているバッテリパックBPがケース6から突出している突出長さLb1は、中央バッテリ取付ユニット46に取り付けられているバッテリパックBPがケース6から突出する突出長Lb2さよりも長い。
【0105】
バッテリパックBPがケース6から突出しているとき、ユーザは、バッテリパックBPを手で掴みやすい。上記の構成によれば、バッテリパックBPが前側バッテリ取付ユニット44と中央バッテリ取付ユニット46のそれぞれに取り付けられているとき、ユーザは、バッテリパックBPを手で掴んでバッテリパックBPを前側バッテリ取付ユニット44から容易に取り外すことができる。
【0106】
また、前側バッテリ取付ユニット44と中央バッテリ取付ユニット46のそれぞれは、上側開口12を通ってケース6の内部から外部に突出している。前側バッテリ取付ユニット44がケース6から突出している突出長さLa1は、中央バッテリ取付ユニット46がケース6から突出している突出長さLa2よりも長い。
【0107】
上記の構成によれば、バッテリパックBPが前側バッテリ取付ユニット44と中央バッテリ取付ユニット46のそれぞれに取り付けられているとき、ユーザは、バッテリパックBPを手で掴んでバッテリパックBPを前側バッテリ取付ユニット44からより容易に取り外すことができる。
【0108】
また、収容ボックス2は、ケース6の上側開口12を閉じることが可能であるケースカバー8をさらに備えている。ケースカバー8は、ケース6に対して可動するようにケース6に取り付けられており、ケース6の上側開口12を閉じる閉位置とケース6の上側開口12を開く開位置との間を移動する。ケースカバー8は、開位置にあるとき、中央バッテリ取付ユニット46よりも後方向に配置されている。
【0109】
ケースカバー8が開位置にあるとき、ユーザは、中央バッテリ取付ユニット46に対してケースカバー8と反対側に立って、バッテリパックBPをバッテリ取付ユニット36から取り外そうとする。上記の構成によれば、バッテリパックBPが前側バッテリ取付ユニット44と中央バッテリ取付ユニット46のそれぞれに取り付けられているとき、バッテリパックBPを前側バッテリ取付ユニット44からより容易に取り外すことができる。
【0110】
また、収容ボックス2は、ケース6の上側開口12を閉じることが可能であるケースカバー8と、ケースカバー8に取り付けられており、弾性材料からなる緩衝材180と、をさらに備えている。緩衝材180は、ケースカバー8がケース6の上側開口12を閉じているときに、前側バッテリ取付ユニット44に取り付けられているバッテリパックBPとケースカバー8との間に挟まれるとともに、中央バッテリ取付ユニット46に取り付けられているバッテリパックBPとケースカバー8との間には挟まれる。緩衝材180が前側バッテリ取付ユニット44に取り付けられているバッテリパックBPに押し込まれる押し込み深さDp1は、緩衝材180が中央バッテリ取付ユニット46に取り付けられているバッテリパックBPに押し込まれる押し込み深さDp2と略同一である。
【0111】
上記の構成によれば、緩衝材180から前側バッテリ取付ユニット44に取り付けられているバッテリパックBPに作用する力は、緩衝材180から中央バッテリ取付ユニット46に取り付けられているバッテリパックBPに作用する力と略同一となる。これにより、ケースカバー8がケース6の上側開口12を閉じているとき、緩衝材180から複数のバッテリパックBPに作用する力を略同一としつつ、複数のバッテリパックBPを所定の位置に維持することができる。
【0112】
また、ケース6は、上側が開口した上側開口12を有する箱形状を有している。収容ボックス2は、ケース6の上側開口12を閉じることが可能であり、ケース6の上側開口12が閉じられているときにケース6との間に収容空間18を画定するケースカバー8をさらに備えている。複数のバッテリ取付ユニット36は、収容空間18に配置されている。バッテリパックBPは、バッテリ取付ユニット36に取り付けられているときに、取付位置に位置している。ケースカバー8は、ケース6の上側開口12を閉じているときに、バッテリパックBPをバッテリ取付ユニット36に対して取付位置に維持する。
【0113】
上記の構成によれば、ケースカバー8がケース6の上側開口12を閉じているとき、バッテリパックBPがバッテリ取付ユニット36に対して取付位置から外れることを抑制することができる。
【0114】
また、収容ボックス2は、ケースカバー8に取り付けられており、ケースカバー8がケース6の上側開口12を閉じているときに、バッテリパックBPとケースカバー8との間に挟まれる緩衝材180をさらに備えている。緩衝材180は、弾性材料からなる。
【0115】
バッテリパックBPのサイズは、製造公差によりバッテリパックBP間で異なることがある。緩衝材180が弾性変形しない構成では、ケースカバー8がケース6の上側開口12を閉じるときに、ケースカバー8から特定のバッテリパックBPに過度な力が作用することがある。上記の構成によれば、バッテリパックBPのサイズがバッテリパックBP間で異なっている場合でも、緩衝材180が弾性変形することにより、ケースカバー8から特定のバッテリパックBPに過度な力が作用することを抑制することができる。
【0116】
また、収容ボックス2は、ケースカバー8がケース6の上側開口12を閉じていることを検出する検出装置41と、制御ユニット38と、を備えている。制御ユニット38は、検出装置41が、ケースカバー8がケース6の上側開口12を閉じていることを検出したときに、バッテリ取付ユニット36に取り付けられているバッテリパックBPへの充電を許可する。
【0117】
バッテリパックBPが取付位置から外れていると、バッテリパックBPを正常に充電することができない。上記の構成によれば、バッテリパックBPが取付位置に位置している状態で充電されるため、バッテリパックBPを正常に充電することができる。
【0118】
(変形例)
一実施形態では、収容ボックス2は、外部電源に直接接続可能な電源コードを備えていてもよい。この構成では、収容ボックス2は、外部電源から電源コードを介して供給される電力により、バッテリパックBPを充電する。
【0119】
実施例では、バッテリ取付ユニット36は、3個のバッテリ取付ユニット44、46、48を備えているが、変形例では、バッテリ取付ユニット44、46、48の数は、2個であってもよく、4個以上であってもよい。
【0120】
一実施形態では、前側バッテリ取付部68の数と、中央バッテリ取付部90の数と、後側バッテリ取付部108の数のそれぞれは、3個以下であってもよく、5個以上であってもよい。
【0121】
一実施形態に係る収容ボックス2は、バッテリパックBPの充電が完了したことを通知する通知部をさらに備えていてもよい。通知部は、例えば、バッテリパックBPの充電が完了したことを示す表示を表示する表示パネルであってもよく、バッテリパックBPの充電が完了したときに点灯または消灯するLEDランプであってもよく、バッテリパックBPの充電が完了したときにユーザの携帯端末(例えばスマートフォン等)に完了通知を通知する通知手段であってもよい。
【0122】
一実施形態に係る収容ボックス2は、緩衝材180を備えていなくてもよい。このとき、バッテリパックBPは、ケースカバー8に当接することにより、取付位置に維持される。
【0123】
一実施形態に係る充電端子部材120は、1個の充電クランプ部164にのみ挟まれてもよい。
【0124】
一実施形態に係る充電端子部材120は、バッテリ充電端子部材160の上側充電クランプ部166と下側充電クランプ部168の両方に挟まれてもよい。この場合、充電端子部材120は、3個または4個の充電クランプ部164に挟まれる。この構成では、バッテリパックBPを高速(例えば数時間以内)で充電することができる。
【0125】
一実施例に係る端子部材ユニット64、82、100は、充電端子部材120と通信端子部材122が固定された樹脂部材をさらに備えており、この樹脂部材が、ネジまたはインサート成形により、保持部材60、78、96に固定されてもよい。このとき、充電端子部材120と通信端子部材122は、インサート成形または圧入により、樹脂部材に固定されてもよい。
【符号の説明】
【0126】
2 :収容ボックス
6 :ケース
8 :ケースカバー
12 :上側開口
14 :カバー取付部
18 :収容空間
36 :バッテリ取付ユニット
38 :制御ユニット
41 :検出装置
42 :ベース
44 :前側バッテリ取付ユニット
46 :中央バッテリ取付ユニット
48 :後側バッテリ取付ユニット
50 :ベース本体
52 :前側取付部材
54 :中央取付部材
56 :後側取付部材
60 :前側保持部材
64 :前側端子部材ユニット
68 :前側バッテリ取付部
70 :前側逃がし溝
78 :中央保持部材
82 :中央端子部材ユニット
86 :中央逃がし溝
90 :中央バッテリ取付部
96 :後側保持部材
100 :後側端子部材ユニット
104 :後側逃がし溝
108 :後側バッテリ取付部
120 :充電端子部材
122 :通信端子部材
130 :直線部
132 :差込部
140 :ケーシング
144 :フック
146 :バッテリ端子部材ユニット
150 :係合部
152 :操作部
160 :バッテリ充電端子部材
162 :バッテリ通信端子部材
166 :上側充電クランプ部
168 :下側充電クランプ部
180 :緩衝材
200 :電気機器
202 :バッテリ取付部
204 :係合凹部
BP :バッテリパック
D1 :取付方向
D2 :取外方向
Dp1、Dp2、Dp3:押し込み深さ
H1、H2、H3、H4:高さ
La1、La2、La3、Lb1、Lb2、Lb3、Lp1:突出長さ
Lt1、Lt2、Lt3、Lt4、Lt5:長さ
P1 :載置面
P2 :直交面
W1、W2、W3:幅

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21