知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044456
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】給湯器
(51)【国際特許分類】
F24H 9/02 20060101AFI20240326BHJP
【ＦＩ】
F24H9/02 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2022149976
(22)【出願日】2022-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】100166017
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 和政
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柿崎 友助
【テーマコード（参考）】
3L037
【Ｆターム（参考）】
3L037AA02
3L037AB01
3L037AB02
(57)【要約】
【課題】フロントパネルの装着時にハーネス部が挟み込まれることを抑制する。
【解決手段】給湯器１は、ハーネス部１４０が操作装置１００及び制御装置９に取り付けられた状態で、操作装置１００が固定されたフロントパネル２Ａが、制御部９が固定される筐体本体部２Ｂに対して着脱し得る。ハーネス部１４０は、電線部１４４、接続部１４８、第１被覆部１４１、第２被覆部１４２、非被覆部を備える。第１被覆部１４１は、電線部１４４の一部をなす第１部分を伸長させつつ保持し、第１部分が延びる方向に沿って延びる。第２被覆部１４２は、第１被覆部１４１とは異なる位置において電線部１４４の一部をなす第２部分を伸長させつつ保持し、第２部分が延びる方向に沿って延びる。非被覆部は、被覆部によって覆われていない部分であり、電線部１４４において第１被覆部１４１と第２被覆部１４２の間に設けられる。
【選択図】図１
【解決手段】給湯器１は、ハーネス部１４０が操作装置１００及び制御装置９に取り付けられた状態で、操作装置１００が固定されたフロントパネル２Ａが、制御部９が固定される筐体本体部２Ｂに対して着脱し得る。ハーネス部１４０は、電線部１４４、接続部１４８、第１被覆部１４１、第２被覆部１４２、非被覆部を備える。第１被覆部１４１は、電線部１４４の一部をなす第１部分を伸長させつつ保持し、第１部分が延びる方向に沿って延びる。第２被覆部１４２は、第１被覆部１４１とは異なる位置において電線部１４４の一部をなす第２部分を伸長させつつ保持し、第２部分が延びる方向に沿って延びる。非被覆部は、被覆部によって覆われていない部分であり、電線部１４４において第１被覆部１４１と第２被覆部１４２の間に設けられる。
【選択図】図１
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前端側が開放した箱体と、
前記箱体に対して前側から固定されるフロントパネルと、
前記フロントパネルに固定される操作装置と、
前記箱体内に固定され、前記操作装置から信号を受信する制御装置と、
前記操作装置から前記制御装置に与えられる信号の伝送経路であるハーネス部と、
を備え、
前記ハーネス部が前記操作装置及び前記制御装置に取り付けられた状態で、前記操作装置が固定された前記フロントパネルが前記箱体に対して着脱し得る給湯器であって、
前記ハーネス部は、
可撓性を有する電線を１以上有する電線部と、
前記電線部の一端側に設けられ、前記操作装置に取り付けられる接続部と、
前記電線部を覆い、前記電線部を伸ばしつつ保持する被覆部と、
を有し、
前記被覆部は、前記電線部の一部をなす第１部分を伸長させつつ保持し、前記第１部分が延びる方向に沿って延びる第１被覆部と、
前記第１被覆部とは異なる位置において前記電線部の一部をなす第２部分を伸長させつつ保持し、前記第２部分が延びる方向に沿って延びる第２被覆部と、
を有し、
前記電線部において前記第１被覆部と前記第２被覆部の間に、前記被覆部によって覆われていない非被覆部が設けられる
給湯器。
前記箱体に対して前側から固定されるフロントパネルと、
前記フロントパネルに固定される操作装置と、
前記箱体内に固定され、前記操作装置から信号を受信する制御装置と、
前記操作装置から前記制御装置に与えられる信号の伝送経路であるハーネス部と、
を備え、
前記ハーネス部が前記操作装置及び前記制御装置に取り付けられた状態で、前記操作装置が固定された前記フロントパネルが前記箱体に対して着脱し得る給湯器であって、
前記ハーネス部は、
可撓性を有する電線を１以上有する電線部と、
前記電線部の一端側に設けられ、前記操作装置に取り付けられる接続部と、
前記電線部を覆い、前記電線部を伸ばしつつ保持する被覆部と、
を有し、
前記被覆部は、前記電線部の一部をなす第１部分を伸長させつつ保持し、前記第１部分が延びる方向に沿って延びる第１被覆部と、
前記第１被覆部とは異なる位置において前記電線部の一部をなす第２部分を伸長させつつ保持し、前記第２部分が延びる方向に沿って延びる第２被覆部と、
を有し、
前記電線部において前記第１被覆部と前記第２被覆部の間に、前記被覆部によって覆われていない非被覆部が設けられる
給湯器。
【請求項2】
前記フロントパネルの下端部よりも上側の位置において、前記第１被覆部を前記接続部側から前記接続部よりも左右方向の一方側に延びる姿勢で保持する保持部を有する
請求項１に記載の給湯器。
請求項１に記載の給湯器。
【請求項3】
前記フロントパネルと一体的に構成される又は前記フロントパネルに対して取り付けられる固定対象部を有し、
前記操作装置及び前記保持部が、共通の連結部材によって前記固定対象部に固定される
請求項２に記載の給湯器。
前記操作装置及び前記保持部が、共通の連結部材によって前記固定対象部に固定される
請求項２に記載の給湯器。
【請求項4】
前記接続部は、前記操作装置における前記左右方向の他方側の位置に取り付けられ、
前記固定対象部は、前記操作装置の裏面部における前記接続部よりも前記左右方向の一方側の位置に取り付けられる
請求項３に記載の給湯器。
前記固定対象部は、前記操作装置の裏面部における前記接続部よりも前記左右方向の一方側の位置に取り付けられる
請求項３に記載の給湯器。
【請求項5】
前記フロントパネルが前記箱体に取り付けられた通常状態において、前記非被覆部が前記第１部分から上側に屈曲し、前記第２被覆部は、前記非被覆部側から上側に延びる姿勢で配置され、前記第１被覆部よりも上位置に保持される
請求項２からは請求項４のいずれか一項に記載の給湯器。
請求項２からは請求項４のいずれか一項に記載の給湯器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、給湯器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献１に開示される熱源機は、筐体の内部に、基板ケースとリモコンとしての機能を有する操作パネルユニットとが設けられている。操作パネルユニットは、正面視略矩形状に形成された操作パネルを備えている。操作パネルは各種の設定を行うための複数の操作スイッチからなる操作部と、各種の情報を表示する表示部とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開２０１９－２１１１８１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
給湯器の筐体を構成する場合、前側が開放した箱体に対して前側からフロントパネルを着脱可能に取り付けるようにすると、メンテナンス時などにおいてフロントパネルを取り外すことで箱体内の部品に対して前側からアクセス可能となり、作業性の面で有利である。但し、この種の構成のものでは、フロントパネルに操作装置を設ける場合に、操作装置と箱体内に収容された部品との間で電気的な接続を確保するためにハーネス部を設ける必要がある。
【0005】
このような給湯器では、フロントパネルを箱体から取り外して作業を行うためには、ハーネス部の長さをある程度確保しなければならない。しかしながら、ハーネス部が長くなるほどハーネス部がコンパクトにまとまりにくくなり、作業者がフロントパネルを箱体に取り付ける作業を行う際に、フロントパネルと箱体との間にハーネス部が挟み込まれやすい。
【0006】
本開示は、操作装置が設けられたフロントパネルが制御装置を収容する箱体に対して着脱可能とされた給湯器において、フロントパネルの装着時にハーネス部が挟み込まれることを抑制し得る技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一つである給湯器は、
前端側が開放した箱体と、
前記箱体に対して前側から固定されるフロントパネルと、
前記フロントパネルに固定される操作装置と、
前記箱体内に固定され、前記操作装置から信号を受信する制御装置と、
前記操作装置から前記制御装置に与えられる信号の伝送経路であるハーネス部と、
を備え、
前記ハーネス部が前記操作装置及び前記制御装置に取り付けられた状態で、前記操作装置が固定された前記フロントパネルが前記箱体に対して着脱し得る給湯器であって、
前記ハーネス部は、
可撓性を有する電線を１以上有する電線部と、
前記電線部の一端側に設けられ、前記操作装置に取り付けられる接続部と、
前記電線部を覆い、前記電線部を伸ばしつつ保持する被覆部と、
を有し、
前記被覆部は、前記電線部の一部をなす第１部分を伸長させつつ保持し、前記第１部分が延びる方向に沿って延びる第１被覆部と、
前記第１被覆部とは異なる位置において前記電線部の一部をなす第２部分を伸長させつつ保持し、前記第２部分が延びる方向に沿って延びる第２被覆部と、
を有し、
前記電線部において前記第１被覆部と前記第２被覆部の間に、前記被覆部によって覆われていない非被覆部が設けられる。
前端側が開放した箱体と、
前記箱体に対して前側から固定されるフロントパネルと、
前記フロントパネルに固定される操作装置と、
前記箱体内に固定され、前記操作装置から信号を受信する制御装置と、
前記操作装置から前記制御装置に与えられる信号の伝送経路であるハーネス部と、
を備え、
前記ハーネス部が前記操作装置及び前記制御装置に取り付けられた状態で、前記操作装置が固定された前記フロントパネルが前記箱体に対して着脱し得る給湯器であって、
前記ハーネス部は、
可撓性を有する電線を１以上有する電線部と、
前記電線部の一端側に設けられ、前記操作装置に取り付けられる接続部と、
前記電線部を覆い、前記電線部を伸ばしつつ保持する被覆部と、
を有し、
前記被覆部は、前記電線部の一部をなす第１部分を伸長させつつ保持し、前記第１部分が延びる方向に沿って延びる第１被覆部と、
前記第１被覆部とは異なる位置において前記電線部の一部をなす第２部分を伸長させつつ保持し、前記第２部分が延びる方向に沿って延びる第２被覆部と、
を有し、
前記電線部において前記第１被覆部と前記第２被覆部の間に、前記被覆部によって覆われていない非被覆部が設けられる。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る技術は、操作装置が設けられたフロントパネルが制御装置を収容する箱体に対して着脱可能とされた給湯器において、フロントパネルの装着時にハーネス部が挟み込まれることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、本開示の実施形態が列記されて例示される。なお、以下で例示される特徴は、矛盾しない組み合わせでどのように組み合わされてもよい。
【0011】
〔１〕前端側が開放した箱体と、
前記箱体に対して前側から固定されるフロントパネルと、
前記フロントパネルに固定される操作装置と、
前記箱体内に固定され、前記操作装置から信号を受信する制御装置と、
前記操作装置から前記制御装置に与えられる信号の伝送経路であるハーネス部と、
を備え、
前記ハーネス部が前記操作装置及び前記制御装置に取り付けられた状態で、前記操作装置が固定された前記フロントパネルが前記箱体に対して着脱し得る給湯器であって、
前記ハーネス部は、
可撓性を有する電線を１以上有する電線部と、
前記電線部の一端側に設けられ、前記操作装置に取り付けられる接続部と、
前記電線部を覆い、前記電線部を伸ばしつつ保持する被覆部と、
を有し、
前記被覆部は、前記電線部の一部をなす第１部分を伸長させつつ保持し、前記第１部分が延びる方向に沿って延びる第１被覆部と、
前記第１被覆部とは異なる位置において前記電線部の一部をなす第２部分を伸長させつつ保持し、前記第２部分が延びる方向に沿って延びる第２被覆部と、
を有し、
前記電線部において前記第１被覆部と前記第２被覆部の間に、前記被覆部によって覆われていない非被覆部が設けられる
給湯器。
前記箱体に対して前側から固定されるフロントパネルと、
前記フロントパネルに固定される操作装置と、
前記箱体内に固定され、前記操作装置から信号を受信する制御装置と、
前記操作装置から前記制御装置に与えられる信号の伝送経路であるハーネス部と、
を備え、
前記ハーネス部が前記操作装置及び前記制御装置に取り付けられた状態で、前記操作装置が固定された前記フロントパネルが前記箱体に対して着脱し得る給湯器であって、
前記ハーネス部は、
可撓性を有する電線を１以上有する電線部と、
前記電線部の一端側に設けられ、前記操作装置に取り付けられる接続部と、
前記電線部を覆い、前記電線部を伸ばしつつ保持する被覆部と、
を有し、
前記被覆部は、前記電線部の一部をなす第１部分を伸長させつつ保持し、前記第１部分が延びる方向に沿って延びる第１被覆部と、
前記第１被覆部とは異なる位置において前記電線部の一部をなす第２部分を伸長させつつ保持し、前記第２部分が延びる方向に沿って延びる第２被覆部と、
を有し、
前記電線部において前記第１被覆部と前記第２被覆部の間に、前記被覆部によって覆われていない非被覆部が設けられる
給湯器。
【0012】
上記〔１〕の給湯器は、フロントパネル側の操作装置と箱体側の制御装置とに取り付けられるようにハーネス部が設けられるため、作業者がハーネス部を箱体内に収容しつつフロントパネルを閉じる際には、ハーネス部がフロントパネルと箱体の間に挟み込まれてしまうことが懸念される。この点に関し、上記給湯器は、ハーネス部において、第１被覆部によって直線状に延びる部分（剛性がある程度確保された部分）と、第２被覆部によって直線状に延びる部分（剛性がある程度確保された部分）とが存在するため、作業者が直線状に延びる部分の配置や姿勢調整等を行いやすくなる。しかも、ハーネス部全体が第１被覆部や第２被覆部よりも撓みやすい構成のものと比較すると、「第１被覆部や第２被覆部よりも撓みやすい部分」が短くなり、第１被覆部及び第２被覆部以外の部分（撓みが懸念される部分）の垂れ下がりが抑えられる。従って、作業者がハーネス部を箱体内に収容しつつフロントパネルを閉じる場合には、第１被覆部及び第２被覆部以外の部分（撓みが懸念される部分）がフロントパネルと箱体の間に挟み込まれないように第１被覆部や第２被覆部の姿勢を調整する作業を行いやすく、上記の挟み込みを防ぎやすい。
【0013】
〔２〕前記フロントパネルの下端部よりも上側の位置において、前記第１被覆部を前記接続部側から前記接続部よりも左右方向の一方側に延びる姿勢で保持する保持部を有する
〔１〕に記載の給湯器。
〔１〕に記載の給湯器。
【0014】
上記〔２〕の給湯器は、直線状に延びる第１被覆部を、フロントパネルの下端部よりも上側の位置において左右方向の一方側に延びる姿勢で保持することができるため、少なくとも第１被覆部付近の垂れ下がりを確実に抑えることができる。よって、この給湯器は、ハーネス部の全体的な垂れ下がりが抑えられた形で第１被覆部の姿勢を維持することができ、作業者がハーネス部を箱体内に収容しつつフロントパネルを閉じる際に、挟み込みの発生がより一層抑制され得る。
【0015】
〔３〕前記フロントパネルと一体的に構成される又は前記フロントパネルに対して取り付けられる固定対象部を有し、
前記操作装置及び前記保持部が、共通の連結部材によって前記固定対象部に固定される
〔２〕に記載の給湯器。
前記操作装置及び前記保持部が、共通の連結部材によって前記固定対象部に固定される
〔２〕に記載の給湯器。
【0016】
上記〔３〕の給湯器は、操作装置を固定対象部に固定するための連結部材を、保持部の連結に兼用することができる。よって、この給湯器は、部品点数や嵩張りを抑えた効率的な構成で、挟み込みの発生をより抑えることができる。
【0017】
〔４〕前記接続部は、前記操作装置における前記左右方向の他方側の位置に取り付けられ、
前記固定対象部は、前記操作装置の裏面部における前記接続部よりも前記左右方向の一方側の位置に取り付けられる
〔３〕に記載の給湯器。
前記固定対象部は、前記操作装置の裏面部における前記接続部よりも前記左右方向の一方側の位置に取り付けられる
〔３〕に記載の給湯器。
【0018】
上記〔４〕の給湯器は、操作装置の左右方向他方側の位置に接続されたハーネス部を、その接続位置よりも左右方向一方側の位置の固定対象部付近で保持することができ、左右方向において離れた保持位置を確保することができる。よって、この給湯器はハーネス部の垂れ下がりをより一層抑えることができ、挟み込みの発生をより一層抑制することができる。
【0019】
〔５〕前記フロントパネルが前記箱体に取り付けられた通常状態において、前記非被覆部が前記第１部分から上側に屈曲し、前記第２被覆部は、前記非被覆部側から上側に延びる姿勢で配置され、前記第１被覆部よりも上位置に保持される
〔２〕からは〔４〕のいずれか一つに記載の給湯器。
〔２〕からは〔４〕のいずれか一つに記載の給湯器。
【0020】
上記〔５〕の給湯器は、第１被覆部と第２被覆部との間に屈曲部を設けて屈曲させた構成を採用しつつ、第２被覆部を第１被覆部よりも上位置で保持することができる。よって、この給湯器は、特に屈曲部及び第２被覆部付近の垂れ下がり、をより確実に防ぐことができ、挟み込みの発生をより一層抑制することができる。
【0021】
＜第１実施形態＞
以下の説明は、第１実施形態に係る給湯器１に関する。
１．給湯器１の全体構成
図１は、第１実施形態に係る給湯器１において筐体部２以外を省略した構成を例示する斜視図である。図２は、給湯器１の筐体部２からフロントパネル２Ａを外した構成を簡略的に例示する正面図である。図１、図２のように、給湯器１は、筐体部２、燃焼装置３、熱交換器４，排気部５、送風機７などを備える。給湯器１は、例えば、屋内設置型の給湯器である。
以下の説明は、第１実施形態に係る給湯器１に関する。
１．給湯器１の全体構成
図１は、第１実施形態に係る給湯器１において筐体部２以外を省略した構成を例示する斜視図である。図２は、給湯器１の筐体部２からフロントパネル２Ａを外した構成を簡略的に例示する正面図である。図１、図２のように、給湯器１は、筐体部２、燃焼装置３、熱交換器４，排気部５、送風機７などを備える。給湯器１は、例えば、屋内設置型の給湯器である。
【0022】
筐体部２は、大部分又は全部が金属材料によって構成される箱状のケースであり、図２のように前端側に開口部２Ｗが設けられるとともに前方が開放した箱体として構成される筐体本体部２Ｂと、筐体本体部２Ｂに対して着脱されるフロントパネル２Ａ（図１）とを備える。フロントパネル２Ａは、開口部２Ｗを前側から閉塞するように筐体本体部２Ｂに固定される。
【0023】
図２のように、筐体部２は、燃焼装置３、熱交換器４、排気部５、送風機７などの各部品を収容する。燃焼装置３は、筐体部２の内部において中央付近に配置される。熱交換器４は、筐体部２の内部において燃焼装置３の上方に配置される。排気部５は、筐体部２の内部において熱交換器４の上方に配置される。ガス分配部１０は、燃焼装置３とフロントパネル２Ａとの間に配置される。送風機７は、筐体部２の内部において燃焼装置３の下側に配置される。
【0024】
図１、図２、図３、図４のように、本実施形態の例では、矩形状に構成されるフロントパネル２Ａの長手方向が上下方向となっており、例えば、給湯器１を設置したときの鉛直上下方向が上記上下方向である。そして、フロントパネル２Ａの短手方向が左右方向であり、上記上下方向及び上記左右方向と直交する方向が前後方向である。図３のように給湯器１を正面視した場合の左側が給湯器１の左側であり、給湯器１を正面視した場合の右側が給湯器１の右側である。
【0025】
図２に示される燃焼装置３は、ガス分配部１０を介して供給されるガス（燃料ガス）を上記バーナ群によって燃焼させる装置であり、ケース３Ａやバーナ群などを備える。ケース３Ａは、筐体部２内に収まる角箱状のケースである。熱交換器４は、燃焼装置３でのガスの燃焼に基づく燃焼排気が供給される装置であり、金属製のケーシング４Ａと、ケーシング４Ａの内部に少なくとも一部が収容される伝熱管とを備える。熱交換器４は、燃焼装置３から排出される燃焼排気を導入して内部を通過させ、この燃焼排気と伝熱管内を流れる水との間で熱交換を行うことで、伝熱管内の水を加熱する。熱交換器４内を通過した燃焼排気は排気部５に排出される。排気部５は、排気部本体５Ａと排気筒５Ｂとを備え、排気部本体５Ａは、熱交換器４から排出された燃焼排気を上方に導く流路であり、排気筒５Ｂは、排気部本体５Ａ内の燃焼排気を給湯器１の外部へ排出する流路である。送風機７は、燃焼用空気を供給するファンである。送風機７は、例えば、図示されていないモータの駆動軸が回転することにより、この駆動軸と連動する複数の羽根が回転し、上側（燃焼装置３側）に向かって強制的に空気を流す。
【0026】
図２のように、給湯器１において筐体部２の下側には、給湯器１の外部に設けられるガス管からガスが導入される導入口であるガス入口１９１と、給湯器１の外部に設けられる水道管から水が導入される水入口１９２と、湯を給湯器１の外部に導出する出湯口である湯出口１９３とが設けられている。ガス入口１９１に導入されたガスは、元弁や比例弁等を備えたガス供給部１９４を介してガス分配部１０内に供給される。水入口１９２に導入された水は、給水管１９５を介して熱交換器４の伝熱管に供給される。図２には、給水管１９５の一部が図示される。熱交換器４の伝熱管によって導かれる湯は、伝熱管の下流端に接続された出湯管１９６を介して湯出口１９３から排出される。
【0027】
２．筐体部２の構成
図１のように、筐体本体部２Ｂは、前端側が開放した箱体であり、フロントパネル２Ａの後方側に配置される。図２のように、筐体本体部２Ｂは、前側に開口部２Ｗが設けられた開閉可能な構造をなす。筐体本体部２Ｂは、一体部２０、背板部３０、及び底板部４０を備え、一体部２０、背板部３０、底板部４０によって各収容部品（燃焼装置３、熱交換器４、排気部５、送風機７等）の上下左右及び後方を覆うように配置される。筐体本体部２Ｂは、上記各収容部品を覆う空間の上下左右及び後方を囲み且つ前方側を開放した箱状形態をなし、天板部５０の前端部５１、一対の側板部６０，７０のそれぞれの前端部６１、底板部４０の前端部４１が筐体本体部２Ｂの開口部２Ｗを構成する。
図１のように、筐体本体部２Ｂは、前端側が開放した箱体であり、フロントパネル２Ａの後方側に配置される。図２のように、筐体本体部２Ｂは、前側に開口部２Ｗが設けられた開閉可能な構造をなす。筐体本体部２Ｂは、一体部２０、背板部３０、及び底板部４０を備え、一体部２０、背板部３０、底板部４０によって各収容部品（燃焼装置３、熱交換器４、排気部５、送風機７等）の上下左右及び後方を覆うように配置される。筐体本体部２Ｂは、上記各収容部品を覆う空間の上下左右及び後方を囲み且つ前方側を開放した箱状形態をなし、天板部５０の前端部５１、一対の側板部６０，７０のそれぞれの前端部６１、底板部４０の前端部４１が筐体本体部２Ｂの開口部２Ｗを構成する。
【0028】
図４のように、背板部３０は、筐体本体部２Ｂの背面部を構成する部分である。底板部４０は、筐体本体部２Ｂの下面部を構成する部分である。一体部２０は、筐体本体部２Ｂの上面部を構成する天板部５０と、筐体本体部２Ｂの一対の側面部を構成する一対の側板部６０，７０と、を具備する部分である。例えば、一体部２０は、天板部５０と一対の側板部６０，７０とが同一材料によって一体的に構成されている。
【0029】
一対の側板部６０，７０はいずれも上下方向に延びており、上下方向の長い板状形態をなす。側板部６０の大部分は上下に長い平板部６９によって構成され、平板部６９の厚さ方向は左右方向である。側板部６０の前端部６１は、平板部６９の前端から内側（右側）に折れ曲がる折れ曲がり部である。側板部７０の大部分は上下に長い平板部７９によって構成され、平板部７９の厚さ方向は左右方向である。側板部７０の前端部７１は、平板部７９の前端から内側（左側）に折れ曲がる折れ曲がり部である。天板部５０の大部分は左右に長い平板部５９によって構成され、平板部５９の厚さ方向は上下方向である。天板部５０の前端部５１は、平板部５９の前端から下側に折れ曲がる折れ曲がり部である。底板部４０の大部分は左右に長い平板部４９によって構成され、平板部４９の厚さ方向は上下方向である。底板部４０の前端部４１は、平板部４９の前端から上側に折れ曲がる折れ曲がり部である。背板部３０は、一体部２０の後端部付近の部分及び底板部４０の後端部付近の部分に対して固定される。具体的には、背板部３０は、天板部５０及び一対の側板部６０，７０のそれぞれの後端部及び底板部４０の後端部に対してネジ等の連結部材によって固定される。図４、図５のように、底板部４０は、一対の側板部６０，７０の下端部付近の部分及び背板部３０の下端部付近の部分に対してネジ等の連結部材によって固定される。
【0030】
フロントパネル２Ａは、筐体本体部２Ｂ（箱体）に対して前側から固定される部品である。フロントパネル２Ａは、後述される化粧板１７０及び操作装置１００が固定される蓋体である。図４のように、フロントパネル２Ａは、金属板によって板状に構成された板部によって本体前面部８０が構成され、この本体前面部８０の上端から折れ曲がる上側折れ曲がり部１６と、本体前面部８０の左端から折れ曲がる左側折れ曲がり部１４と、本体前面部８０の右端から折れ曲がる右側折れ曲がり部１５と、本体前面部８０の下端から折れ曲がる下側折れ曲がり部１８とを備える。図１、図３、図４の例では、フロントパネル２Ａの前面部の大部分の領域が本体前面部８０によって構成され、中央側の一部領域が本体前面部８０以外の部品（化粧板１７０、操作パネル１１０）によって構成されている。図４のように、上側折れ曲がり部１６は、フロントパネル２Ａの上面部を構成し、上端面を構成する長板部１６Ｃと、長板部１６Ｃの後端から折れ曲がって下方に突出する突出部１６Ａ，１６Ｂとを備える。下側折れ曲がり部１８はフロントパネル２Ａの下面部を構成し、下端面を構成する長板部１８Ｃと、長板部１８Ｃの後端から更に後方に突出する突出部１８Ａ，１８Ｂとを備える。左側折れ曲がり部１４は、フロントパネル２Ａの左側の側面部を構成し、図１のような取り付け状態のときに、側板部６０の前端部６１（折れ曲がり片）と近接しつつ対向する。右側折れ曲がり部１５は、フロントパネル２Ａの右側の側面部を構成し、図１のような取り付け状態のときに、側板部７０の前端部７１（折れ曲がり片）と近接しつつ対向する。
【0031】
図６には、図３に示されるフロントパネル２Ａから化粧板１７０及び操作装置１００が取り外された状態の正面図が示される。図６のように、本体前面部８０は、前側に露出した前面８０Ａを有する板状の部分である。本体前面部８０と凹部８６は同一の金属板材によって一体的に構成されており、上記金属板材に対して曲げ加工などが施されることにより、本体前面部８０の前面８０Ａよりも後方側に凹むように凹部８６が形成されている。図６の例では、凹部８６の両側に、本体前面部８０がそれぞれ配置されている。
【0032】
本体前面部８０は、凹部８６よりも左右方向一方側（図６の例では正面から見て左側）に配置される一方側前面部８１と、凹部８６よりも左右方向他方側（図６の例では正面から見て右側）に配置される他方側前面部８２と、を有する。一方側前面部８１及び他方側前面部８２は、いずれも、金属材料を主体として板状に構成された板部である。図４、図６の例では、一方側前面部８１の前面全体又はほぼ全体が平坦面とされている。一方側前面部８１は、上面側から見て上下に長い長方形状の形態をなす。同様に、他方側前面部８２の前面全体又はほぼ全体が平坦面とされている。他方側前面部８２は、上面側から見て上下に長い長方形状の形態をなす。凹部８６は、本体前面部８０の上端から下端まで延びている。凹部８６は、上端から下端まで全領域又は大部分の領域にわたって一定幅となっている。
【0033】
３．中央側装飾部１８０の構成
図１、図３、図５のように、フロントパネル２Ａには、中央側装飾部１８０が設けられる。具体的には、化粧板１７０と操作パネル１１０とが凹部８６内において上下に連なりつつフロントパネル２Ａの上端側から下端側へと上下に延びるように中央側装飾部１８０を構成する。図６のように、凹部８６内の左右両側の内壁部８６Ａ，８６Ｂはいずれも、本体前面部８０の上端から下端まで直線状に上下方向に続いている。そして、内壁部８６Ａ，８６Ｂの左右方向の間隔は、本体前面部８０の上端から下端まで一定の幅Ｗ１となっている。図１、図３、図５のように、中央側装飾部１８０は、内壁部８６Ａ，８６Ｂの間に配置される装飾部である。中央側装飾部１８０付近では、両側の本体前面部８０の前面８０Ａと、化粧板１７０の前面１７０Ａと、操作パネル１１０の前面（操作面１１０Ａ）とが、共通の仮想平面上に位置するように面一に連なっている
図１、図３、図５のように、フロントパネル２Ａには、中央側装飾部１８０が設けられる。具体的には、化粧板１７０と操作パネル１１０とが凹部８６内において上下に連なりつつフロントパネル２Ａの上端側から下端側へと上下に延びるように中央側装飾部１８０を構成する。図６のように、凹部８６内の左右両側の内壁部８６Ａ，８６Ｂはいずれも、本体前面部８０の上端から下端まで直線状に上下方向に続いている。そして、内壁部８６Ａ，８６Ｂの左右方向の間隔は、本体前面部８０の上端から下端まで一定の幅Ｗ１となっている。図１、図３、図５のように、中央側装飾部１８０は、内壁部８６Ａ，８６Ｂの間に配置される装飾部である。中央側装飾部１８０付近では、両側の本体前面部８０の前面８０Ａと、化粧板１７０の前面１７０Ａと、操作パネル１１０の前面（操作面１１０Ａ）とが、共通の仮想平面上に位置するように面一に連なっている
【0034】
図６のように、凹部８６内において前面８０Ａよりも後方位置に、前側を向く支持面９０Ａが配置される。図６～図９のように、支持面９０Ａは、一方側前面部８１及び他方側前面部８２に対して段差状に設けられた段差部９０の前面である。段差部９０は、一方側前面部８１及び他方側前面部８２と一体的に構成され、一方側前面部８１及び他方側前面部８２よりも少し後方位置に配置される板状の部分である。段差部９０の厚さ方向は前後方向である。支持面９０Ａと直交する方向は前後方向である。支持面９０Ａと前面８０Ａ（一方側前面部８１及び他方側前面部８２の各前面）の前後方向の距離は、凹部８６における支持面９０Ａの両側の内壁部８６Ａ，８６Ｂの前後方向の長さであり、化粧板１７０の厚さと同程度である。内壁部８６Ａ，８６Ｂは、それぞれ上下方向に延びている。内壁部８６Ａ，８６Ｂは、支持面９０Ａから前側に立ち上がるように構成される。
【0035】
図５等に示される化粧板１７０は、凹部８６内において支持面９０Ａによって後方側から支持されつつ固定される部材である。図６の例では、凹部８６における上下方向全範囲のうちの上半分の領域全体を含む所定領域が、化粧板１７０が配置される領域である。化粧板１７０は、後述される開口部９６の上側に設けられる。化粧板１７０は、例えば接着剤などの接着媒体によって支持面９０Ａに接着される。化粧板１７０を支持面９０Ａに固定する方法はこの方法以外でもよい。図３のように、化粧板１７０は、正面視した形状が上下方向に長い長方形状となっている。
【0036】
図５等に示される操作装置１００は、フロントパネル２Ａに固定される部品である。図８、図９のように、操作装置１００は、前側に露出する操作面１１０Ａを有する操作パネル１１０と、操作パネル１１０の後方側に配置される装置本体部１２０と、を具備する。操作装置１００は、図６、図７のように、後述される開口部９６内に装置本体部１２０が挿入されつつ操作パネル１１０が開口部９６の周縁部（支持部９８）を前側から覆うようにフロントパネル２Ａに固定される。
【0037】
凹部８６内において段差部９０の下方側に、開口部９６が設けられている。開口部９６は、凹部８６内において開口して設けられる部分であり、具体的には、凹部８６内において前後に貫通した貫通孔として構成される。開口部９６は、直線状に上下に続く内壁部８６Ａ，８６Ｂの間の領域に設けられる。なお、図３、図６の例では、開口部９６の全体が、化粧板１７０の下側に設けられる。但し、この構成に限定されず、開口部９６の一部が化粧板１７０の下側に設けられる構成でもよい。内壁部８６Ａ，８６Ｂの間において開口部９６の周囲の部分（開口部９６の周縁付近を構成する周縁部）には、操作パネル１１０を支持する枠状の支持部９８が設けられる。
【0038】
操作パネル１１０は、装置本体部１２０の前側を覆うシート体又は板体として、撓み変形可能に構成されている。操作パネル１１０の前面は、利用者からの接触操作（押圧操作）を受ける操作面１１０Ａとして構成される。操作パネル１１０は、撓み変形可能に構成されている。利用者が操作面１１０Ａを前側から後ろ側に押した場合、その押した位置の後方にボタン部材が存在していれば、操作面１１０Ａに対する押圧力は当該ボタン部材に伝わり、ボタン部材が押されるようになっている。具体的には、図７のように、装置本体部１２０の前面部にボタン部１３２Ａ，１３２Ｂ，１３２Ｃ，１３２Ｄが設けられており、ボタン部１３２Ａ，１３２Ｂ，１３２Ｃ，１３２Ｄの各々の前端部は、後方側に押すことができるように変位可能とされている。従って、操作パネル１１０においてボタン部１３２Ａ，１３２Ｂ，１３２Ｃ，１３２Ｄのいずれかの前側の位置が後方側に押された場合に、押された位置に対応するボタン部が押圧力を受け信号を発生させるようになっている。
【0039】
操作パネル１１０は、一部又は全部が光透過性の材料によって構成されている。そして、装置本体部１２０の前面側から照射された光が操作パネル１１０を介して前側に照射されるようになっている。図６のように、装置本体部１２０の前面部には、発光可能に構成されるとともに前側に光を照射可能な表示部１３３が設けられている。そして、この表示部１３３を前方側から覆うように操作パネル１１０が配置される。表示部１３３において表示がなされた場合に、その表示が操作パネル１１０を介して前側から視認されるようになっている。図７の例では、表示部１３３は、例えば、７セグメント方式で文字や記号を表示可能とされている。
【0040】
図３、図５のように、操作パネル１１０の上端は、左右方向に延びる上縁を構成し、化粧板１７０の下端は、左右方向に延びる下縁を構成する。操作パネル１１０の上端と化粧板１７０の下端とが、互いに平行又は略平行となっており、上下に向かい合いつつ互いに近接している。化粧板１７０の下端と操作パネル１１０の上端は互いに接触していてもよく、僅かな隙間を隔てて対向していてもよい。操作パネル１１０の下端は、給湯器１の前面部の下端を部分的に構成する。図３、図５の例では、給湯器１の前面部の下端は、左右方向に延びる直線状の縁を構成しており、このうちの一部の領域が操作パネル１１０の下端によって構成される。
【0041】
４．操作装置１００及びハーネス部１４０の詳細構成
給湯器１（図２）は、図１０等に示されるハーネス部１４０が操作装置１００及び制御装置９に取り付けられた状態で、操作装置１００が固定されたフロントパネル２Ａが筐体本体部２Ｂ（箱体）に対して着脱し得る構成である。制御装置９は、筐体本体部２Ｂ（箱体）内に固定され、操作装置１００から信号を受信する装置である。制御装置９は、例えば、マイクロコンピュータや各種電気部品が実装された回路基板を有し且つ情報処理機能を有する情報処理装置である。
給湯器１（図２）は、図１０等に示されるハーネス部１４０が操作装置１００及び制御装置９に取り付けられた状態で、操作装置１００が固定されたフロントパネル２Ａが筐体本体部２Ｂ（箱体）に対して着脱し得る構成である。制御装置９は、筐体本体部２Ｂ（箱体）内に固定され、操作装置１００から信号を受信する装置である。制御装置９は、例えば、マイクロコンピュータや各種電気部品が実装された回路基板を有し且つ情報処理機能を有する情報処理装置である。
【0042】
給湯器１（図２参照）の正規状態は、図８のようにフロントパネル２Ａが筐体本体部２Ｂ（箱体）に対して開口部２Ｗ（図２）を閉塞するように固定された状態であり、操作装置１００と制御装置９との間で通信が行われるようにハーネス部１４０が取り付けられた状態である。給湯器１は、上記正規状態のときに給湯動作を行うことができる。このような正規状態からフロントパネル２Ａを取り外すと、ハーネス部１４０が操作装置１００及び制御装置９に取り付けられた状態でフロントパネル２Ａを筐体本体部２Ｂ（箱体）からある程度の距離まで離すように離脱させることができる。
【0043】
図９のように、装置本体部１２０は、装置本体部１２０の外殻を構成するケース体として機能する収容体１２２と、収容体１２２の内部に配置される基板部１２８とを備える。収容体１２２は、後方側に配置される後方側外殻部１２６と、後方側外殻部１２６よりも前方側に配置される前方側外殻部１２４とを備える。
【0044】
図９のように、前方側外殻部１２４は、装置本体部１２０の前面部を構成する前面構成部１３０と前面構成部１３０から後方側に凸となる凸部１３４とを備える。前面構成部１３０は板状に構成される。前面構成部１３０の一部は、ボタン部１３２Ａ，１３２Ｂ，１３２Ｃ，１３２Ｄの各々の一部として構成される。凸部１３５は、図９、図１０、図１２、図１３のように上壁部１３４Ａ、一対の側壁部１３４Ｂ，１３４Ｃ、下壁部１３４Ｄを備えた環状形態且つ枠形態をなしており、後端部が開口している。後方側外殻部１２６は、板状に構成された蓋体であり、凸部１３５の後端部の開口を閉塞するように固定される。図９のように、前面構成部１３０は、凸部１３５の前端部から上方側、下方側、左方側、右方側に張り出すように環状に張り出す張出部１３１を有する。張出部１３１は、支持部９８に後方側から支持されつつ支持部９８の前面に対して環状に接触する。張出部１３１は、開口部９６の周縁部を前側から全体的に覆うように当該周縁部の前側に配置され、張出部１３１を含めた前面構成部１３０を前側から全体的に覆うように操作パネル１１０が配置される。図１０のように、装置本体部１２０において側壁部１３４Ｃには、ハーネス部１４０の一部をなす接続部１４８を挿入するための開口部１３４Ｚが設けられている（図１１、図１２も参照）。
【0045】
図１０に示されるハーネス部１４０は、操作装置１００から制御装置９に与えられる信号の伝送経路である。ハーネス部１４０は、電線部１４４、接続部１４８、第１被覆部１４１、第２被覆部１４２を有する。図１０には、制御装置９が二点鎖線にて概念的に示される。第１被覆部１４１及び第２被覆部１４２は、被覆部の一例に相当し、電線部１４４を覆い、電線部１４４を伸ばしつつ保持する。
【0046】
電線部１４４は、可撓性を有する電線を１以上有していればよく、図１２等に示される例では、複数本（例えば４本）の電線１４４Ａを備えて電線部１４４が構成される。電線部１４４は、第１被覆部１４１において第１の所定部位が束ねられ、第２被覆部１４２によって第２の所定部位が束ねられる。各々の電線１４４Ａは、金属材料からなる導線を覆うように絶縁材料からなる被覆材が設けられた構成をなす。各々の電線１４４Ａは撓み変形可能に構成された可撓性の線状部材であり、複数の電線１４４Ａが集まってなる電線部１４４も撓み変形可能に構成され、可撓性を有する。
【0047】
図１２のように、接続部１４８は、ハーネス部１４０の一方側の端部を構成し、操作装置１００に取り付けられる部分である。図１２の例では、接続部１４８は、ハウジング及び複数の金属端子を備えたコネクタとして構成され、操作装置１００に対して着脱可能とされている。接続部１４８は、電線部１４４を構成する各電線１４４Ａに電気的に接続された金属端子がハウジング内に収容されている。接続部１４８が操作装置１００に接続された状態では、接続部１４８に設けられた複数の金属端子が操作装置１００に設けられた複数の端子の各々に接触して電気的に接続される。
【0048】
図１１、図１２の例では、「左右方向一方側」が正面から見て右側（図１２のように後方から見て左側）であり、「左右方向他方側」が正面から見て左側（後方から見て右側）である。図１２のように、接続部１４８は、操作装置１００における左右方向の他方側（正面から見て左側）の位置に取り付けられる。具体的には、接続部１４８は、操作装置１００の左右方向他方側（正面から見て左側）の側壁部１３４Ｃに形成された開口部１３４Ｚに挿入されて操作装置１００に差し込まれる構成で取り付けられ、当該側壁部１３４Ｃよりも左右方向他方側に突出して設けられる。
【0049】
電線部１４４において接続部１４８の左右方向他方側の端部と第１被覆部１４１との間に配置される部分は折り返し部１４５Ａを構成する。図１２のように接続部１４８が操作装置１００に取り付けられた状態では、折り返し部１４５Ａは、接続部１４８の左右方向他方側の端部から接続部１４８の外側に露出しつつ左右方向他方側（正面から見て左側）に少し延び、その左右方向他方側に延びた部分の左右方向他方側の端部付近から折り返されて左右方向一方側（正面から見て右側）に延びるように第１被覆部１４１まで配策される。
【0050】
図１１、図１２のように、第１被覆部１４１は、電線部１４４の一部をなす第１部分を伸長させつつ保持し、第１部分が延びる方向に沿って延びる。電線部１４４において第１被覆部１４１に覆われる部分が第１部分である。図１１、図１２の例では、第１被覆部１４１は、左右方向に沿って軸状に延びる。第１被覆部１４１が延びる方向が第１の所定方向の一例に相当する。第１被覆部１４１は、左右方向に延びていてもよく、左右方向に対して傾斜して延びていてもよい。第１被覆部１４１は、筒状に構成される。第１被覆部１４１は、直線状の形状が保持される筒状部材であってもよく、電線部１４４にテープが筒状に巻かれる構成でテープによって直線状に構成されていてもよい。第１被覆部１４１は、樹脂などの絶縁性の材料によって構成されることが望ましい。第１被覆部１４１は、若干の撓み変形が許容される構造であってもよいが、撓み変形が抑えられて直線状の形状が維持される剛性の高い構造であることが望ましい。
【0051】
図１１、図１２に示される保持部１５０は、フロントパネル２Ａの下端部よりも上側の位置において、第１被覆部１４１を接続部１４８側から接続部１４８よりも左右方向一方側（正面から見て右側）に延びる姿勢で保持する。図１１、図１２の例では、操作装置１００の裏面部を構成する後方側外殻部１２６（蓋体）において接続部１４８よりも左右方向一方側に位置する部分が固定対象部９３に固定され、保持部１５０は、この固定対象部９３（操作装置１００が固定される部分）に取り付けられる。図１１、図１２の例では、接続部１４８に固定される折り返し部１４５Ａによって第１被覆部１４１の左右方向他方側の端部が支持されることにより、当該端部が下方に落ちないように保持され、当該端部の上下方向の位置が定められている。また、折り返し部１４５Ａによる第１被覆部１４１の左右方向他方側の端部の保持により、当該端部が前後方向に移動しすぎないように当該端部の前後方向の位置も定められている。一方、保持部１５０は、折り返し部１４５Ａよりも左右方向一方側の位置において第１被覆部１４１を保持し、第１被覆部１４１の中間部分（第１被覆部１４１の両端部の間の所定部分）の上下方向及び前後方向の位置を定めている。第１被覆部１４１は、少なくとも折り返し部１４５Ａ及び保持部１５０によって保持されることにより、保持部１５０よりも左右方向他方側から保持部１５０よりも左右方向一方側へと左右方向に沿って延びる姿勢で維持される。
【0052】
図１２の例では、保持部１５０は、第１被覆部１４１が挿し通される孔部１５２を有する支持部１５１（第１被覆部１４１に接触しつつ支持する部分）と、この支持部１５１と一体的構成される被固定部１５３とを備え、被固定部１５３が固定対象部９３に固定される構造をなす。図１１、図１２の例では、固定対象部９３は、フロントパネル２Ａにおける本体前面部８０などと一体的に構成された金属片である。固定対象部９３は、図６に示される開口部９６の周縁部（支持部９８）から後方に立ち上がり、その立ち上がり部分の後端から折れ曲がって左右方向に延びる部分が板片９２Ａとして構成される。固定対象部９３の一部をなす板片９３Ａは、操作装置１００の裏面部を構成する後方側外殻部１２６（蓋体）を後方側から抑えつつ接触している。このような構成において、操作装置１００は、固定対象部９３（具体的には板片９３Ａ）に固定されており、保持部１５０も、固定対象部９３（具体的には板片９３Ａ）に固定されている。具体的には、操作装置１００及び保持部１５０が、共通の連結部材１５８によって固定対象部９３に固定される。連結部材１５８は、例えば、ねじ、ボルト等の締結部材である。
【0053】
第２被覆部１４２は、第１被覆部１４１とは異なる位置において電線部１４４の一部をなす第２部分を伸長させつつ保持し、第２部分が延びる方向に沿って延びる。電線部１４４において第２被覆部１４２に覆われる部分が第２部分である。図１０、図１１の例では、第２被覆部１４２は、上下方向に沿って軸状に延びている。第２被覆部１４２が延びる方向が第２の所定方向の一例に相当する。なお、第２被覆部１４２は、上下方向に延びていてもよく、上下方向に対して傾斜して延びていてもよい。例えば、第２被覆部１４２の一方側の端部が他方側の端部よりも上位置に配置されるように下側から上側に延びて配置されていればよい。第２被覆部１４２は、筒状に構成される。第２被覆部１４２は、直線状の形状が保持される筒状部材であってもよく、電線部１４４にテープが筒状に巻かれる構成でテープによって直線状に構成されていてもよい。第２被覆部１４２は、樹脂などの絶縁性の材料によって構成されることが望ましい。第２被覆部１４２は、若干の撓み変形が許容される構造であってもよいが、撓み変形が抑えられて直線状の形状が維持される剛性の高い構造であることが望ましい。
【0054】
本構成では、ハーネス部１４０において、第１被覆部１４１の向きに対して第２被覆部１４２の向きが変化可能とされ且つ第１被覆部１４１と第２被覆部１４２の間が屈曲可能且つ変形可能とされている。具体的には、電線部１４４における第１被覆部１４１に覆われる第１部分と第２被覆部１４２に覆われる第２部分の間の中間部分が屈曲部１４５Ｂとして構成される。屈曲部１４５Ｂは、被被覆部の一例に相当し、電線部１４４において第１被覆部１４１と第２被覆部１４２の間に設けられる部分であり、被覆部によって覆われていない部分である。屈曲部１４５Ｂは、屈曲可能且つ変形容易な構成となっている。具体的には、ハーネス部１４０において、第１被覆部１４１が配置された部分や第２被覆部１４２が配置された部分は、屈曲部１４５Ｂが配置された部分よりも剛性が高く変形しにくくなっており、屈曲部１４５Ｂが配置された部分は剛性が低く変形しやすくなっている。図１、図８、図１０のようにフロントパネル２Ａが筐体本体部２Ｂ（箱体）に取り付けられた通常状態では、第２被覆部１４２は、屈曲部１４５Ｂ側から上側に延びる姿勢で配置され、第１被覆部１４１よりも上位置に保持される。そして、上記通常状態では、屈曲部１４５Ｂは、上記第１部分から上側に屈曲し、屈曲部１４５Ｂよりも上側に配置される第２部分につながるように配置される。
【0055】
本構成では、第２被覆部１４２が直線状に構成され、第２被覆部１４２の姿勢は、屈曲部１４５Ｂと接続部分１４５Ｃの位置によって定まる。具体的には、第１被覆部１４１は、左右方向に沿って延びる姿勢で位置決めされ、第１被覆部１４１における左右方向一方側の端部の位置は定められ、制御装置９は、筐体本体部２Ｂ（箱体）内において操作装置１００よりも上側の位置に固定されている。上述の通常状態では、第１被覆部１４１における左右方向一方側の端部と制御装置９との間において下側から上側にかけ渡される構成で接続部分１４５Ｃ、第２被覆部１４２、屈曲部１４５Ｂが配置される。この配策構造では、第２被覆部１４２の下端部が第１被覆部１４１の左右方向一方側の端部よりも上側に配置されるため、屈曲部１４５は、自身の一端が第１被覆部１４１の左右方向一方側の端部に位置し、この一端から上側に続いて自身の他端が第２被覆部１４２の下端部に位置するように屈曲する。
【0056】
接続部分１４５Ｃは、ハーネス部１４０において第２被覆部１４２の上端部と制御装置９の間に配置される部分であり、自身の一端が第２被覆部１４２の上端部の位置に配置され、他端が直接又は他部材を介して制御装置９に固定される。ハーネス部１４０の他方側の端部（接続部分１４５Ｃ）と制御装置９との接続構造は、接続部分１４５Ｃを構成する電線部１４４の端部にコネクタが設けられ、このコネクタが制御装置９に設けられたコネクタに対して着脱可能とされる構成であってもよい。或いは、接続部分１４５Ｃを構成する電線部１４４の端部が制御装置９を構成する基板などに半田等によって接合される構成であってもよい。
【0057】
３．効果の例
給湯器１は、フロントパネル２Ａ側の操作装置１００と筐体本体部２Ｂ（箱体）側の制御装置９とに取り付けられるようにハーネス部１４０が設けられる。このような構成であると、作業者がハーネス部１４０を筐体本体部２Ｂ内に収容しつつフロントパネル２Ａを閉じる際に、ハーネス部１４０がフロントパネル２Ａと筐体本体部２Ｂの間に挟み込まれてしまうことが懸念される。この点に関し、上述の給湯器１は、ハーネス部１４０において、第１被覆部１４１によって直線状に延びる部分（剛性がある程度確保された部分）と、第２被覆部１４２によって直線状に延びる部分（剛性がある程度確保された部分）とが存在するため、作業者が直線状に延びる部分の配置や姿勢調整等を行いやすくなる。しかも、ハーネス部１４０全体が第１被覆部１４１や第２被覆部１４２よりも撓みやすい構成のものと比較すると、「第１被覆部１４１や第２被覆部１４２よりも撓みやすい部分」が短くなり、第１被覆部１４１及び第２被覆部１４２以外の部分（撓みが懸念される部分）の垂れ下がりが抑えられる。従って、作業者がハーネス部１４０を筐体本体部２Ｂ内に収容しつつフロントパネル２Ａを閉じる場合には、第１被覆部１４１及び第２被覆部１４２以外の部分（撓みが懸念される部分）がフロントパネルと箱体の間に挟み込まれないように第１被覆部１４１や第２被覆部１４２の姿勢を調整する作業を行いやすく、上記の挟み込みを防ぎやすい。
給湯器１は、フロントパネル２Ａ側の操作装置１００と筐体本体部２Ｂ（箱体）側の制御装置９とに取り付けられるようにハーネス部１４０が設けられる。このような構成であると、作業者がハーネス部１４０を筐体本体部２Ｂ内に収容しつつフロントパネル２Ａを閉じる際に、ハーネス部１４０がフロントパネル２Ａと筐体本体部２Ｂの間に挟み込まれてしまうことが懸念される。この点に関し、上述の給湯器１は、ハーネス部１４０において、第１被覆部１４１によって直線状に延びる部分（剛性がある程度確保された部分）と、第２被覆部１４２によって直線状に延びる部分（剛性がある程度確保された部分）とが存在するため、作業者が直線状に延びる部分の配置や姿勢調整等を行いやすくなる。しかも、ハーネス部１４０全体が第１被覆部１４１や第２被覆部１４２よりも撓みやすい構成のものと比較すると、「第１被覆部１４１や第２被覆部１４２よりも撓みやすい部分」が短くなり、第１被覆部１４１及び第２被覆部１４２以外の部分（撓みが懸念される部分）の垂れ下がりが抑えられる。従って、作業者がハーネス部１４０を筐体本体部２Ｂ内に収容しつつフロントパネル２Ａを閉じる場合には、第１被覆部１４１及び第２被覆部１４２以外の部分（撓みが懸念される部分）がフロントパネルと箱体の間に挟み込まれないように第１被覆部１４１や第２被覆部１４２の姿勢を調整する作業を行いやすく、上記の挟み込みを防ぎやすい。
【0058】
給湯器１は、直線状に延びる第１被覆部１４１を、フロントパネル２Ａの下端部よりも上側の位置において左右方向の一方側に延びる姿勢で保持することができるため、少なくとも第１被覆部１４１付近の垂れ下がりを確実に抑えることができる。よって、この給湯器１は、ハーネス部１４０の全体的な垂れ下がりが抑えられた形で第１被覆部１４１の姿勢を維持することができ、作業者がハーネス部１４０を筐体本体部２Ｂ内に収容しつつフロントパネル２Ａを閉じる際に、挟み込みの発生がより一層抑制され得る。
【0059】
給湯器１は、操作装置１００を固定対象部１６０に固定するための連結部材を、保持部の連結に兼用することができる。よって、この給湯器１は、部品点数や嵩張りを抑えた効率的な構成で、挟み込みの発生をより抑えることができる。
【0060】
給湯器１は、操作装置１００の左右方向他方側の位置に接続されたハーネス部１４０を、その接続位置よりも左右方向一方側の位置の固定対象部１６０付近で保持することができ、左右方向において離れた保持位置を確保することができる。よって、この給湯器１はハーネス部１４０の垂れ下がりをより一層抑えることができ、挟み込みの発生をより一層抑制することができる。
【0061】
給湯器１は、第１被覆部１４１と第２被覆部１４２との間に屈曲部１４５Ｂを設けて屈曲させた構成を採用しつつ、第２被覆部１４２を第１被覆部１４１よりも上位置で保持することができる。よって、この給湯器１は、特に屈曲部１４５Ｂ及び第２被覆部１４２付近の垂れ下がり、をより確実に防ぐことができ、挟み込みの発生をより一層抑制することができる。
【0062】
＜他の実施形態＞
本発明は、上記記述及び図面によって説明された実施形態に限定されるものではない。例えば、上述又は後述の実施形態の特徴は、矛盾しない範囲であらゆる組み合わせが可能である。また、上述又は後述の実施形態のいずれの特徴も、必須のものとして明示されていなければ省略することもできる。さらに、上述された実施形態は、次のように変更されてもよい。
本発明は、上記記述及び図面によって説明された実施形態に限定されるものではない。例えば、上述又は後述の実施形態の特徴は、矛盾しない範囲であらゆる組み合わせが可能である。また、上述又は後述の実施形態のいずれの特徴も、必須のものとして明示されていなければ省略することもできる。さらに、上述された実施形態は、次のように変更されてもよい。
【0063】
上述の実施形態では、接続部１４８がコネクタとして構成されるが、接続部は、操作装置１００に取り付けられる構造であればコネクタでなくてもよい。例えば、操作装置１００内の基板に半田付けによって固定されていてもよい。
【0064】
上述の実施形態では、固定対象部９３は、フロントパネル２Ａと一体化されているが、固定対象部は、フロントパネル２Ａとは別部材であってもよい。例えば、固定対象部９３が開口部９６の周縁部（支持部９８）付近に対して別部材として固定される構成であってもよく、その他の固定構造であってもよい。
【0065】
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、今回開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示された範囲内又は特許請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0066】
１ ：給湯器
２Ａ ：フロントパネル
２Ｂ ：筐体本体部（箱体）
９ ：制御装置
９３ ：固定対象部
１００ ：操作装置
１４０ ：ハーネス部
１４１ ：第１被覆部（被覆部）
１４２ ：第２被覆部（被覆部）
１４４ ：電線部
１４５Ｂ ：屈曲部（非被覆部）
１４８ ：接続部
１５０ ：保持部
２Ａ ：フロントパネル
２Ｂ ：筐体本体部（箱体）
９ ：制御装置
９３ ：固定対象部
１００ ：操作装置
１４０ ：ハーネス部
１４１ ：第１被覆部（被覆部）
１４２ ：第２被覆部（被覆部）
１４４ ：電線部
１４５Ｂ ：屈曲部（非被覆部）
１４８ ：接続部
１５０ ：保持部
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】