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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004446
(43)【公開日】2024-01-16
(54)【発明の名称】供給装置および調理器具
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/00 20060101AFI20240109BHJP
   A47J 27/08 20060101ALI20240109BHJP
   A47J 36/04 20060101ALI20240109BHJP
【FI】
A47J27/00 101E
A47J27/00 109Z
A47J27/08 Z
A47J27/00 105Z
A47J36/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023052493
(22)【出願日】2023-03-29
(31)【優先権主張番号】202210751519.8
(32)【優先日】2022-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202221652555.0
(32)【優先日】2022-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】515264436
【氏名又は名称】ゼァージアン スーポア エレクトリカル アプライアンス マニュファクチャリング カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハイポン チェン
(72)【発明者】
【氏名】ゾーヨン リー
(72)【発明者】
【氏名】ホワ リュー
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055AA01
4B055BA31
4B055CA13
4B055CB02
4B055CC38
4B055CC52
4B055FC06
(57)【要約】
【課題】供給装置および調理器具の提供。
【解決手段】
供給装置はブラケットと、ブラケットに接続されるキャリアとを含み、キャリアは自己駆動によって積載状態から積荷下ろし状態へ切り替えられるように構成され、自己駆動は、キャリアの重心がバランス位置からアンバランス位置に移動することによって引き起こされる駆動である。調理器具は、鍋本体と、カバーと、内鍋と、前記供給装置とを備える。供給装置は、ブラケットを介して内鍋に支持される。本発明によれば、キャリアは、自己駆動により2つの状態間の切り替えを完了できるため、外部駆動装置の設定を省略することができ、それによって、コストの削減ができる。調理器具は供給装置により調理途中において食材の自動投入を実現でき、ユーザーは、調理前に一度材料を追加するだけで、雑穀米などのさまざまな材料を同時に調理するという目的を達成でき、雑穀米と白米の味を確保でき、本発明は構造が簡単であり、コストが低い。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理器具のための供給装置であって、ブラケットと、前記ブラケットに接続されるキャリアとを含み、前記キャリアは自己駆動によって積載状態から積荷下ろし状態へ切り替えられるように構成され、前記自己駆動は、前記キャリアの重心がバランス位置からアンバランス位置に移動することによって引き起こされる駆動であることを特徴とする供給装置。
【請求項2】
初期状態で互いにバランスが取れているキャリア領域およびおもり領域をさらに含み、前記おもり領域には、おもりが設置され、前記おもりの重量は時間とともに変化可能であり、前記キャリアは、前記キャリア領域内の食材が前記キャリア領域から脱離されるように、時間Tの後に前記キャリア領域と前記おもり領域との間の平衡状態が破られることを特徴とする請求項1に記載の供給装置。
【請求項3】
前記自己駆動は、前記ブラケットおよび前記キャリアの間に設けられる制限力の消失または変化によって引き起こされる駆動であることを特徴とする請求項1に記載の供給装置。
【請求項4】
前記供給装置は制限装置を含み、前記制限装置は互いに協働する2つの磁性材料を含み、前記2つの磁性材料の一つは前記ブラケットに配置され、他の一つは前記キャリアに配置されることを特徴とする請求項3に記載の供給装置。
【請求項5】
前記2つの磁性材料の一つは軟質磁性材料であり、他の一つは永久磁石であり、前記軟質磁性材料は所定温度で磁気的に減衰するように構成されることを特徴とする請求項4に記載の供給装置。
【請求項6】
前記制限装置はストッパーとフィッティングを含み、前記ストッパーは前記ブラケットに配置され、前記フィッティングは前記キャリアに配置され、前記キャリアが前記積載状態にあるとき、前記ストッパーは前記フィッティングと係合し、前記ストッパーおよび前記フィッティングの少なくとも一つは、所定温度で変形するように構成される変形部を含むことを特徴とする請求項4に記載の供給装置。
【請求項7】
前記変形部は、サーマルバイメタル材料、形状記憶合金、形状記憶ポリマーのいずれか一つで構成されることを特徴とする請求項6に記載の供給装置。
【請求項8】
前記キャリアは、回転軸を介して前記ブラケットに回転可能に接続され、前記回転軸は第1の方向に沿って延びることを特徴とする請求項1に記載の供給装置。
【請求項9】
前記キャリアが前記積載状態にある時に、前記回転軸は前記キャリアの重心から下方に配置されることを特徴とする請求項8に記載の供給装置。
【請求項10】
前記回転軸は、第2の方向に沿って前記キャリアの一側に配置され、前記第2の方向は、前記キャリアの回動軸線の方向および前記キャリアの高さ方向に対して垂直であることを特徴とする請求項9に記載の供給装置。
【請求項11】
前記キャリアの高さ方向において、前記回転軸の軸心と前記キャリアの底部との間の垂直距離hは、1/3H≦h<1/2H を満たし、H は前記キャリアの最小高さであり、及び/又は
第2方向において、前記回転軸の軸心と前記キャリアの最も外側との間の距離lは、 1/3W≦l<1/2W を満たし、Wは、前記第2方向における前記キャリアの幅であり、前記第2方向は、前記キャリアの回動軸線の方向および前記キャリアの高さ方向に対して垂直であることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の供給装置。
【請求項12】
前記キャリアの縦断面および/または横断面が弧状であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の供給装置。
【請求項13】
前記キャリアは、第1の収容キャビティと、第2の方向で前記第1の収容キャビティに隣接する第2の収容キャビティとを含み、前記第1の収容キャビティは前記おもり領域であり、前記第2の収容キャビティは前記キャリア領域であり、前記第1の収容キャビティの底部に貫通孔が設置され、前記第2方向は、前記キャリアの回動軸線の方向および前記キャリアの高さ方向に対して垂直であることを特徴とする請求項2に記載の供給装置。
【請求項14】
前記供給装置は、前記キャリアに配置される第1の止めリブと、前記ブラケットに配置される第2の止めリブとを含み、前記第2の止めリブは、前記第2の収容キャビティに隣接して配置される、前記第2の止めリブは、前記キャリアが第2の収容キャビティの一側に向かって回転するのを防止するために、前記第1の止めリブと係合することを特徴とする請求項13に記載の供給装置。
【請求項15】
前記キャリアは、1つの収容キャビティのみを含むことを特徴とする請求項3乃至10のいずれか一項に記載の供給装置。
【請求項16】
前記ブラケットは、支持体と、前記支持体から下方に延びる第1のフランジおよび第2のフランジとを含み、前記支持体は、リング状であり、その半径方向に沿って外側に延びるバーリング部を備え、前記第1のフランジおよび前記第2のフランジには、前記回転軸が貫通するピボット孔が設置されることを特徴とする請求項8に記載の供給装置。
【請求項17】
鍋本体と、
前記鍋本体にカバー可能に設置されるカバーと、
前記鍋本体に配置される内鍋と、
請求項1~16のいずれか一つに記載の供給装置と、
を備え、前記供給装置は、前記ブラケットを介して前記内鍋に支持されることを特徴とする調理器具。
【請求項18】
前記供給装置は、初期状態で互いにバランスが取れているキャリア領域およびおもり領域を含み、前記キャリアは前記積載状態から前記積荷下ろし状態へ回転する際に、前記キャリアの最下点と前記内鍋の底との間の最短距離は、20mm以上40mm以下と定義されることを特徴とする請求項17に記載の調理器具。
【請求項19】
前記キャリア領域の容積は、収容可能な食材の最大重量が75g~200gになるように設計され、および/または前記キャリアが前記積荷下ろし状態で、前記キャリアの最下点と前記内鍋の底との間の調理スペースは、最大75g~200gの食材を収容できるように設計されることを特徴とする請求項18に記載の調理器具。
【請求項20】
前記キャリアは1つの収容キャビティのみを備え、前記キャリアが前記積載状態から前記積荷下ろし状態に回転する際に、前記キャリアの最下点と前記内鍋の底との間の最短距離は、40mm以上60mm以下であることを特徴とする請求項17に記載の調理器具。
【請求項21】
前記収容キャビティの容積は、収容可能な食材の最大重量が75g~400g になるように設計され、前記キャリアが前記積荷下ろし状態で、前記キャリアの最下点と前記内鍋の底との間の調理スペースは最大75g~400gの食材を収容できるように設計されることを特徴とする請求項20に記載の調理器具。
【請求項22】
前記キャリアは回転軸を介して前記ブラケットに回転可能に接続され、前記回転軸は前記内鍋の回転中心軸に対して法線方向に配置されることを特徴とする請求項17乃至21のいずれか一項に記載の調理器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電化厨房機器の技術分野に関し、具体的には供給装置および調理器具に関する。
【背景技術】
【0002】
雑穀米は、白米にさまざまな豆を混ぜて炊き上げたお米であり、栄養価が高く、コクと旨みを有する。雑穀米を炊く場合、通常、火が通りにくい豆と白米を混ぜて同時に炊くと、豆は水分を十分に吸収せず、食感が硬くなり、または白米は水分を吸いすぎて食感が柔らかすぎる。そのため、一般的には、使用者は10時間近く豆を水に浸すか、炒めたり、高圧調理したりして豆の吸水を促してから、白米と一緒に炊く。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、この方法では時間がかかり、使用者に対して、途中で素材を追加する必要があり、操作が不便である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
したがって、上記の問題を少なくとも部分的に解決する供給装置および調理器具が必要である。
【0005】
一連の概念を簡略化した形で本発明の概要に紹介し、詳細な説明でさらに詳細に説明する。本発明における発明の概要は、請求された技術的解決策の主要な特徴および必須の技術的特徴を限定することを意味するものではなく、また、請求された技術的解決策の保護範囲を決定しようとすることを意味するものではない。
【0006】
上記の問題を少なくとも部分的に解決するために、本発明の一実施例は、供給装置を提供し、供給装置はブラケットと、ブラケットに接続されるキャリアとを含み、キャリアは自己駆動によって積載状態から積荷下ろし状態へ切り替えられるように構成され、自己駆動は、キャリアの重心がバランス位置からアンバランス位置に移動することによって引き起こされる駆動である。
【0007】
本実施例によれば、キャリアは、積載状態から積荷下ろし状態への移行を自己駆動で完了することができるため、外部駆動装置の設定を省略することができ、それによって、組立工程の簡素化、コストの削減、組立の簡素化を図ることができる。
【0008】
あるいは、供給装置は初期状態で互いにバランスが取れているキャリア領域およびおもり領域を含み、おもり領域には、おもりが設置され、おもりの重量は時間とともに変化可能であり、キャリアは、キャリア領域内の食材がキャリア領域から脱離されるように、時間Tの後にキャリア領域とおもり領域との間の平衡状態が破られる。
【0009】
本実施例によれば、おもりの重量は時間とともに変化することによって、キャリア全体の重心が時間とともに移動し、キャリアがバランス状態を維持し続けることができなくなる時に、自動的にバランスを崩して反転することができる。本実施例によれば、構造が簡単であり、コストが低い。
【0010】
あるいは、自己駆動は、ブラケットおよびキャリアの間に配置される制限力の消失または変化によって引き起こされる駆動である。本実施例によれば、外部の駆動装置の設定を省略でき、構造が単純で実現が容易である。
【0011】
あるいは、前記供給装置は制限装置を含み、前記制限装置は互いに協働する2つの磁性材料を含み、前記2つの磁性材料の一つは前記ブラケットに配置され、他の一つは前記キャリアに配置される。本実施例によれば、構造が単純であり、製造と組み立てが簡単であり、コストが低い。
【0012】
あるいは、2つの磁性材料の一つは軟質磁性材料であり、他の一つは永久磁石であり、前記軟質磁性材料は所定温度で磁気的に減衰するように構成される。本実施例によれば、構造が単純であり、製造と組み立てが簡単であり、コストが低い。
【0013】
あるいは、制限装置はストッパーとフィッティングを含み、ストッパーはブラケットに配置され、フィッティングはキャリアに配置され、キャリアが積載状態にあるとき、ストッパーはフィッティングと係合し、ストッパーおよびフィッティングの少なくとも一つは、所定温度で変形するように構成される変形部を含む。本実施例によれば、構造が単純であり、製造と組み立てが簡単であり、コストが低い。
【0014】
あるいは、変形部は、サーマルバイメタル材料、形状記憶合金、形状記憶ポリマーのいずれか一つで構成される。本実施例によれば、実現が容易であり、コストが低い。
【0015】
あるいは、キャリアは、回転軸を介してブラケットに回転可能に接続され、回転軸は第1の方向に沿って延びる。本実施例によれば、構造が単純であり、製造と組み立てが簡単であり、コストが低い。
【0016】
あるいは、キャリアが積載状態にある時に、回転軸はキャリアの重心から下方に配置される。本実施例によれば、キャリアが容易にバランスを失って反転する。
【0017】
あるいは、前記回転軸は、第2の方向に沿って前記キャリアの一側に配置され、前記第2の方向は、前記キャリアの回動軸線の方向および前記キャリアの高さ方向に対して垂直である。本実施例によれば、キャリアがバランスを失った後に所定の方向に沿って容易に反転する。
【0018】
あるいは、前記キャリアの高さ方向において、前記回転軸の軸心と前記とキャリアの底部との間の垂直距離hは、1/3H≦h<1/2Hを満たし、Hは前記キャリアの最小高さであり、及び/又は第2方向において、前記回転軸の軸心と前記キャリアの最も外側との間の距離lは、1/3W≦l<1/2W を満たし、Wは、前記第2方向における前記キャリアの幅であり、前記第2方向は、前記キャリアの回動軸線の方向および前記キャリアの高さ方向に対して垂直である。
【0019】
本実施例によれば、キャリアがバランスを失った後に所定の方向に沿って容易に反転する。
【0020】
あるいは、前記キャリアの縦断面および/または横断面が弧状である。本実施例によれば、キャリアの製造および洗浄が容易になり、キャリアが内鍋またはカバーに衝突するのを防ぐことができる。
【0021】
あるいは、前記キャリアは、第1の収容キャビティと、第2の方向で前記第1の収容キャビティに隣接する第2の収容キャビティとを含み、前記第1の収容キャビティは前記おもり領域であり、前記第2の収容キャビティは前記キャリア領域であり、前記第1の収容キャビティの底部に貫通孔が設置され、前記第2方向は、前記キャリアの回動軸線の方向および前記キャリアの高さ方向に対して垂直である。本実施例によれば、キャリアの重心のオフセットを実現するのが容易である。
【0022】
あるいは、前記供給装置は、前記キャリアに配置される第1の止めリブと、前記ブラケットに配置される第2の止めリブとを含み、前記第2の止めリブは、前記第2の収容キャビティに隣接して配置される、前記第2の止めリブは、前記キャリアが第2の収容キャビティの一側に向かって回転するのを防止するために、前記第1の止めリブと係合する。本実施例によれば、キャリアの安定性を向上させることができ、構造が簡単で低コストである。
【0023】
あるいは、前記キャリアは、1つの収容キャビティのみを含む。本実施例によれば、構造が簡単で低コストである。
【0024】
あるいは、前記ブラケットは、支持体と、前記支持体から下方に延びる第1のフランジおよび第2のフランジとを含み、前記支持体は、リング状であり、その半径方向に沿って外側に延びるバーリング部を備え、前記第1のフランジおよび前記第2のフランジには、前記回転軸が貫通するピボット孔が設置される。本実施例によれば、構造が単純であり、製造と組み立てが簡単であり、コストが低い。
【0025】
本実施例の他の実施形態によれば、調理器具が提供され、前記調理器具は、鍋本体と、前記鍋本体にカバー可能に設置されるカバーと、前記鍋本体に配置される内鍋と、上述の供給装置とを備え、前記供給装置は、前記ブラケットを介して前記内鍋に支持される。
【0026】
本実施例によれば、キャリアの自己駆動により、ユーザーの操作なしに、調理途中の食材の自動投入を実現でき、これにより、例えば雑穀米を炊く場合、火が通りにくい食材は内鍋に入れて炊き、火が通りやすい食材はキャリアに入れるだけで、調理開始後、火が通りにくい食材は先に吸水して加熱し、所定の段階に達すると、キャリアが自動的に反転し、火が通りやすい食材が内鍋に落ちる。従って、ユーザーは調理前に一度材料を追加するだけで、雑穀米などのさまざまな材料を同時に調理するという目的を達成でき、雑穀をしっかり吸収して炊き上げることができ、白米の味が柔らかくなりすぎるのを防ぐことができる。本実施例によれば、構造が単純であり、製造と組み立てが簡単であり、コストが低い。
【0027】
あるいは、前記供給装置は、初期状態で互いにバランスが取れているキャリア領域およびおもり領域を含み、前記キャリアは前記積載状態から前記積荷下ろし状態へ反転する際に、前記キャリアの最下点と前記内鍋の底との間の最短距離は、20mm以上40mm以下と定義される。本実施例によれば、内鍋の底に十分な調理スペースを確保できる。
【0028】
あるいは、前記キャリア領域の容積は、収容可能な食材の最大重量が75g~200gになるように設計され、および/または前記キャリアが前記積荷下ろし状態で、前記キャリアの最下点と前記内鍋の底との間の調理スペースは、最大75g~200gの食材を収容できるように設計される。本実施例によれば、キャリアおよび/または内鍋の底に十分な調理スペースを確保できる。
【0029】
あるいは、前記キャリアは1つの収容キャビティのみを備え、前記キャリアが前記積載状態から前記積荷下ろし状態に回転する際に、前記キャリアの最下点と前記内鍋の底との間の最短距離は、40mm以上60mm以下である。本実施例によれば、内鍋の底に十分な調理スペースを確保できる。
【0030】
あるいは、前記収容キャビティの容積は、収容可能な食材の最大量が75g~400g になるように設計され、および/または前記キャリアが前記積荷下ろし状態で、前記キャリアの最下点と前記内鍋の底との間の調理スペースは最大75g~400gの食材を収容できるように設計される。本実施例によれば、キャリアおよび/または内鍋の底に十分な調理スペースを確保できる。
【0031】
あるいは、前記キャリアは回転軸を介して前記ブラケットに回転可能に接続され、前記回転軸は前記内鍋の回転中心軸に対して法線方向に配置される。本実施例によれば、構造が単純であり、製造と組み立てが簡単であり、コストが低い。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本発明の以下の図面は、本発明を理解するために本発明の一部としてここに含まれる。添付の図面は、本発明の原理を説明するために、本発明の実施形態およびその説明を示す。
図1】は本発明の第1実施形態に係る調理器具の内鍋と供給装置の分解概略図である
図2】は図1に示す調理器具の内鍋と供給装置とを組み立てた状態の概略断面図である。
図3】はキャリアが第1の位置にあるときの、図2に示される供給装置の概略断面図である。
図4】はキャリアが第2の位置にあるときの、図2に示される供給装置の概略断面図である。
図5】は図2に示す調理器具の内鍋および供給装置の概略上面図である。
図6】は図2に示す調理器具の内鍋および供給装置の別の概略断面図である。
図7】は本発明の第2実施形態に係る調理器具の内鍋と供給装置の分解概略図である。
図8】は図7に示す調理器具の内鍋と供給装置とを組み立てた状態の概略断面図である。
図9】はキャリアが第1の位置にあるときの、図8に示される供給装置の概略断面図である。
図10】はキャリアが第2の位置にあるときの、図8に示される供給装置の概略断面図である。
図11】は図8に示す調理器具の内鍋および供給装置の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下の説明では、本発明のより完全な理解を提供するために、多くの具体的な詳細が与えられる。しかしながら、当業者には、本発明の実施形態は、これらの詳細の1つ以上がなくても実施できることが明らかであろう。他の例では、本発明の実施形態との混同を避けるために、当技術分野で知られているいくつかの技術的特徴については説明していない。
【0034】
本発明の実施形態を十分に理解するために、以下の説明で詳細な構造を説明する。 本発明の実施形態の実施が、当業者にはよく知られた特定の詳細に限定されないことは明らかである。
【0035】
なお、本明細書において「上」、「下」、「上」、「下」、「前」、「後」などの方向を示す用語は、調理器具が水平に置かれている状態、閉じた状態、ユーザーが調理器具を使用する位置は基準です。具体的には、調理器具が使用者に面する方向を「前」、その反対の方向を「後」と定義する。
【0036】
本発明は、供給装置およびその供給装置を備えた調理器具を提供する。調理器具は、電気炊飯器、電気圧力鍋、または他の電気加熱器具であってもよい。本発明の好ましい実施形態に係る調理器具は、白米、白米粥等の各種の米を調理することができ、特に各種雑穀米、八宝粥等を調理するのに適している。また、本発明の調理器具は、各種のご飯を炊く機能だけでなく、スープを作るなどの他の機能も備えることができる。供給装置に関連する構造を除いて、本発明の好ましい実施形態による調理器は、従来の調理器具と実質的に同じ構造を有し、簡潔にするために、調理器具の全体的な概略図は省略されている。
【実施例0037】
調理器具は、鍋本体とカバーとを備える。 鍋本体は、実質的に丸い直方体の形状、実質的に円筒形状、または任意の他の適切な形状とすることができる。鍋本体には、実質的に円筒形状または任意の他の適切な形状を有する内鍋110が配置される。内鍋110は鍋本体の内鍋収納部に出し入れ自在であるため、内鍋110の掃除が容易である。内鍋110は、緑豆、小豆、その他の調理の難しい雑穀などの調理食材の少なくとも一部を保管するために使用される。内鍋110には供給装置180を有し、供給装置180は一部の食材を保管するように構成される。特に、供給装置180は、いくつかの火が通りやすい食材を保管するために使用することができ、以下で詳細に説明する。内鍋110の上部は上面開口部を有する。ユーザーは、上部開口部を通じて内鍋110に調理対象の食材を保管でき、上部開口部を通じて内鍋110から調理済みの食材を取り出すことができる。
【0038】
また、鍋本体には、内鍋110を加熱する内鍋加熱装置(図示せず)が設けられている。 内鍋加熱装置は、内鍋110の底部および/または側面を加熱することができる。内鍋加熱装置は、電熱管や電磁コイル等の誘導加熱装置を用いてもよい。
【0039】
カバーは、鍋本体の上方に配置される。 カバーの形状は基本的に鍋本体の形状に対応している。例えば、カバーは、角が丸まった直方体の形状であってもよい。カバーは内カバーを含み、内カバーは、取り外して洗浄できるように取り外し可能な内カバーであってもよい。カバーは、鍋本体に開閉可能に配置され、鍋本体の上部全体、または少なくとも鍋本体の内鍋110を覆うように構成される。具体的には、この実施例において、カバーは、例えばヒンジ手段によって最大開位置と閉位置との間で鍋本体の上方に枢動可能に配置され得る。カバーと鍋本体のヒンジ位置は通常、調理器具の後端に位置しているため、ユーザーは調理器具の前端で操作できる。 鍋本体に対してカバーを閉める時、カバーと鍋本体(具体的には鍋本体の内鍋110)との間に調理スペースが形成される。
【0040】
以下、本発明の実施形態に係る供給装置について詳細に説明する。
【0041】
図1を参照すると、供給装置180は、キャリア120と、キャリア120を支持するブラケット130とを含む。 キャリア120は、特に米や粟などの火が通りやすい食材を保管するために使用することができ、一方、内鍋110は、例えば豆、穀物などの火が通りにくい食材を保管するために使用することができる。ブラケット130は内鍋110に着脱可能に支持され、キャリア120は回転軸140を介してブラケット130に回転可能に連結される。この実施例には、ブラケット130を内鍋110に着脱自在に支持することにより、ブラケット130やキャリア120の清掃作業を容易にすることができる。
【0042】
具体的には、キャリア120は、第1の位置と第2の位置とを有し、キャリア120は、自己駆動によって第1の位置から第2の位置まで反転することができる。図2および図3に示すように、キャリア120が第1の位置にあるとき、キャリア120は積載状態にあり、キャリア120の開口部は内鍋110の上方を向いて、キャリア120はバランス状態にあり得る。この状態で、ユーザーはキャリア120に食材を追加することができる。図4に示すように、キャリア120が第2の位置に反転すると、キャリア120は積荷下ろし状態となり、キャリア120の開口部は内鍋110の底に面し、このときに、キャリア120内の食材が内鍋110に落ちて、内鍋110の火が通りにくい食材と一緒に調理を続けることができる。以下では、米は火が通りやすい食材、豆は火が通りにくい食材として説明する。
【0043】
一実施形態では、調理開始後の所定段階で、キャリア120が自己駆動によって自動的にバランスを崩して、第1の位置から第2の位置に反転することができる。すなわち、キャリア120内の食材は遅れて調理することができ、内鍋内の豆はこの所定段階よりも前の遅延段階で事前に調理することができ、それにより、豆は事前に水を吸収して加熱することができる。この実施例によれば、複数の異なる食材を含む食品を調理する場合、火が通りにくい食材を内鍋110の底に入れ、火が通りやすい食材(白米など)をキャリア120に入れ、調理が開始されると、火が通りにくい食材が水分を吸収して、調理が開始され、調理が所定段階に達する際、キャリア120が自動的に第1の位置から第2の位置に反転し、キャリア120内の火が通りやすい食材は、内鍋110に落ちて、一定時間で調理された火が通りにくい食材と一緒に調理される。こうすることで、火が通りにくい食材があらかじめ吸水して硬くなりすぎることを防ぎ、また、火が通りやすい食材が吸水しすぎて柔らかくなりすぎることを防ぎ、最終的に目的を達成できる。この実施例によれば、構造が簡単であり、容易に操作でき、コストも低い。本実施形態において、自己駆動とは、キャリアの重心がバランス位置からアンバランス位置に移動することによって引き起こされる駆動であり、詳細は後述する。
【0044】
図1に示すように、調理器具は、キャリア120を第1の位置でバランスの取れた状態に保つように構成されたバランス装置150をさらに含み、これについては以下で詳細に説明する。
【0045】
引き続き図1を参照すると、ブラケット130は、支持体131と、支持体131から下方に延びる第1のフランジ132および第2のフランジ133とを含み、第1のフランジ132と第2のフランジ133は対向して配置され、支持体131は、リング状であり、内鍋110の口部内に延びることができ、支持体131の外径は内鍋110の口部の内径にほぼ一致する。支持体131は、径方向外側に延びるフランジ部134が設置され、このフランジ部134が内鍋110の口部に支持可能となる。第1のフランジ132および第2のフランジ133にはピボット孔135が設けられており、回転軸140はピボット孔135内に延びている。図5と一緒によると、回転軸140は第1方向D1に沿って延在し、内鍋110の回転中心軸に対して法線方向に配置されているため、第1方向D1はキャリア120の回動軸線の方向である。
【0046】
図3に示すように、好ましい実施形態では、回転軸140は、キャリア120の高さ方向において、第1の位置においてキャリア120の重心の下方に配置される。回転軸140は、第1方向D1および内鍋の高さ方向と垂直する第2方向D2に沿って、キャリア120の一側に配置され、すなわち、回転軸140は、キャリア120の中心軸に対して第2方向にずれている。この実施例によれば、キャリア120が反転する力を容易に発生し、反転しやすくなる。
【0047】
さらに好ましくは、高さ方向において、回転軸140の軸心とキャリア120の底部との間の垂直距離 h は、1/3H≦h<1/2Hを満たし、Hは前記キャリアの最小高さであり、第2方向において、回転軸140の軸心とキャリア120の最も外側との間の距離lは、1/3W≦l<1/2W を満たし、Wは、第2方向D2におけるキャリア120の幅である
【0048】
好ましくは、図3図6に示すように、キャリア120の縦断面および/または横断面が弧状である。キャリア120を内鍋110に容易に出し入れ、キャリア120が内鍋110やカバーと干渉することを防止するために、好ましくは、キャリア120の第1方向D1の寸法Lは、キャリア120の第2方向D2の寸法Wより大きく、キャリア120が略舟形に構成され、キャリア120の第1方向D1における寸法Lは、内鍋110の口の最小径φ1よりも小さく、キャリア120の最大高さH2は、内鍋110の内腔高さH1よりも小さい。
【0049】
さらに好ましくは、キャリア120はキャリア120の回転空間が円筒回転形状となるように構成されることにより、キャリア120の容量ができるだけ大きくなり、キャリア120が調理器具の他の構造(内鍋、カバーなど)と衝突することを回避することができる。
【0050】
好ましい実施形態では、図1および図2に示すように、キャリア120は、第1の収容キャビティ121および第2の収容キャビティ122を含み、第2の収容キャビティ122は、第2の方向D2において第1の収容キャビティ121と隣接する。第1の収容キャビティ121はおもり領域であり、第2の収容キャビティ122はキャリア領域である。図1および図5に示すように、図示の実施形態では、第1の収容キャビティ121および第2の収容キャビティ122は第1方向D1における寸法は略同一であり、第2方向D2における寸法は若干異なっている。当業者であれば、実際の必要に応じて、第1方向D1または第2方向D2における第1の収容キャビティ121または第2の収容キャビティ122の寸法を調整することもできることが理解されよう。第1の収容キャビティ121の底部には、調理スペースに連通する貫通孔123が設けられている。第1の収容チャンバ121は、水などのおもりを収容するように構成され、おもりの重量は時間とともに変化可能である。第2の収容キャビティ122は、火が通りやすい食材、または火が通りやすい食材と水との混合物、例えば米と水の混合物を収容するように構成される。
【0051】
調理開始前の初期状態では、第1の収容キャビティ121に遅延タイミング用のバラスト水を入れ、第2の収容キャビティ122に米と水の混合物を添加し、内鍋110に水と豆を添加することができる。初期状態において、第1の収容キャビティ121と第2の収容キャビティ122とはバランスが取れている。
【0052】
調理開始後、内鍋110の底部の加熱装置が加熱を開始し、底部の豆と水の混合エリアが加熱され始め、同時に、第1の収容キャビティ121内のバラスト水は、重力により底部の貫通孔123から豆と水の混合エリアに滴下し(図2の矢印)、第1の収容キャビティ121内のバラスト水の重量減少により、キャリア120全体の重心が徐々に第2の収容キャビティ122側に移動し、時間Tの経過後、第1の収容キャビティ121内のバラスト水の重量が、キャリアの全体の重心が第2方向に沿って回転軸の右側に移動するように変化する時、キャリア120は、自動的にバランスを失い、第1の位置から第2の位置に反転し、米と水の混合物は豆と水の混合エリアに落下する。底部加熱装置は米と水の混合物および豆と水の混合物を加熱し続け、残りの調理加熱機能を実行する。
【0053】
好ましくは、回転軸140はキャリア120の第2の収容キャビティ122に対応する位置に配置され、それによって、キャリア120がバランスを失った後、第2の収容キャビティ122に反転しやすい。
【0054】
好ましくは、図1図4に示すように、第1の収容キャビティ121の高さは、第2の収容キャビティ122の高さよりも高い。この実施例によれば、第1の収容キャビティ121と第2の収容キャビティ122にバラスト水および米と水の混合物をそれぞれ入れる時、第1の収容キャビティ121におけるバラスト水の重量が第2収容キャビティ122における米と水の混合物の重量よりも容易に大きくなり、それによって、キャリア120は、バラスト水の重量が米と水の混合物の重量よりも大きいため、全体として、第1の収容キャビティ121に反転する力を有する。キャリア120は第1の位置にバランスが保たせるために、好ましくは、図1に示すように、この実施例において、バランス装置150は回転軸140に配置される第1の止めリブ151と、ブラケット130に配置される第2の止めリブ152とを含み、第2の止めリブ152は、第2の収容キャビティ122に隣接して配置され、具体的には、第2の止めリブ152は、ブラケット130のピボット孔135の上に設置される。第2の止めリブ152は、キャリア120が第1の位置に第2の収容キャビティ122の一側に向かって回転するのを防止するために、第1の止めリブ151と係合し、それによって、キャリア120はバランスの取れた安定した状態を達成する。
【0055】
図6に示すように、キャリア120は回転する過程において、キャリア120の構造における各点は内鍋110の空間内で円弧を描いて移動し、図に示すように、点Aと点Bはそれぞれ円弧を描いて移動し、点Aの円弧軌道はA-A1であり、円弧半径はRoaで定義され、点Bの円弧軌道は B-B1であり、円弧半径はRobで定義される。好ましくは、キャリア120が第1の位置から第2の位置に反転するとき、キャリア120の最高点は内鍋110の口部と面一になり、キャリア120の最下点と内鍋110の底との間の最短距離は、H1-(Roa+Rob)であり、H1は、内鍋110の内腔の高さであり、鍋本体の底部に十分な調理スペースを確保するには、20mm≦H1-(Roa+Rob)≦40mmであることが好ましく、例えば、H1-(Roa+Rob)は、20mm、30mm、40mm等であってもよい。
【0056】
好ましくは、第2の収容キャビティ122の容積は、75g~200gの最大重量の食材を収容できるように設計され、キャリア120が第2位置にあるとき、キャリア120の最下点が位置する水平面と、内鍋110の底との間の調理スペースは最大75g~200gの食材を収容できるように設計される。当業者であれば、実際のニーズに応じて設定を行うことができる。
【実施例0057】
添付の図面7~図11を参照して本発明の第2の実施例に係る調理器具について説明し、供給装置の構成を除いては、本発明の第1の実施例に係る調理器具と実質的に同一の構成を有する。従って、簡潔にするために、相違点のみを以下に説明する。
【0058】
図7に示すように、この実施例において、キャリア220は1つの収容キャビティのみを備え、この収容キャビティは、米と水の混合物などの火が通りやすい食材を収容するように構成される。上述の実施例と同様に、キャリア220の高さ方向において、回転軸240は、第1の位置におけるキャリア220の重心の下方に配置される。第2の方向において、回転軸240はキャリア220の中心軸から第2の方向に離れて配置される。この実施例により、キャリア220が反転するための力を生成しやすくなり、反転することが容易に達成しえる。
【0059】
図7図9図10に示すように、本実施例において、自己駆動とは、ブラケット230とキャリア220との間に設けられる制限力の消失または変化によって引き起こされる駆動である。さらに、供給装置は制限装置250を含み、制限装置250は互いに協働する第1の磁性材料251および第2の磁性材料252を含み、第1の磁性材料251および第2の磁性材料252の一つは回転軸240に配置され、他の一つはブラケット230に配置される。2つの磁性材料の相互吸着により、調理器具が待機状態にあるときに、キャリア220に制限力を加えることができ、キャリア220の回転を防止することができ、それによって、キャリア220内に食材を供給する際に、キャリア220を相対的に固定することができ、また、第1の位置におけるキャリア220のバランスを実現することができる。
【0060】
好ましくは、第1の磁性材料251および第2の磁性材料252の一つは軟質磁性材料であり、他の一つは永久磁石である。軟質磁性材料は調理空間内の温度が所定温度に達すると磁気的に減衰するように構成され、それによって、第1の磁性材料251と第2の磁性材料との間の吸引力が弱くなり、キャリア220は自動的にバランスを失う。
【0061】
調理を開始する前に、米と水の混合物をキャリア220の収容キャビティに入れ、水と豆を内鍋210に入れ、キャリア220は磁性材料の相互吸着によってバランスが保たれる。
【0062】
調理が開始されると、内鍋210の底部の加熱装置が加熱し始め、底部の豆と水の混合エリアが水を吸収して加熱し始め、調理スペース内の温度が第1所定温度T1に達する時、キュリー特性により軟質磁性材料の磁力が急激に減少し、第1の磁性材料251と第2の磁性材料252との間の吸着がなくなり、それによって、キャリア220のバランスが崩れて第1の位置から第2の位置に反転し、米と水の混合物が豆と水の混合エリアに落下する。底部加熱装置は米と水の混合物と豆と水の混合物を加熱し続け、残りの調理加熱機能を実行する。
【0063】
好ましくは、内鍋210内の火が通りにくい豆が十分に水を吸収できるため、鍋内の温度が第2の所定温度T2に達した時、加熱装置は間欠加熱を実行することができ、それによって、内鍋210の温度が第1の所定時間t1持続して、T2~T2+Xの範囲に維持され、底部の豆が十分に水を吸収することができる。加熱時間が第1の所定時間t1を満たす場合には、加熱装置を制御して火力を上げて鍋内の温度を短時間で第1の所定温度T1まで加熱することができ、これによりキャリア220は自動的にバランスを失う。
【0064】
内鍋の底部における火が通りにくい食材が十分に吸水できるように、第2所定温度T2は、70℃<T2≦110℃、10分≦t1≦30分、3℃≦X≦5℃を満たす。遅延処理の精度を確保し、誤操作や温度制御誤差による偶発的にキャリアを反転して食材を落ちることを防ぐために、T1≧T2+5℃であることが好ましい。
【0065】
好ましくは、キャリア220が第1の位置から第2の位置に反転する際に、キャリア220の最高点は内鍋110の口部と面一である。キャリア220の最下点と内鍋110の底部との間の最短距離は、40mm以上60mm以下に限定される。例として、最短距離は40mm、50mm、60mm等であってもよい。
【0066】
好ましくは、キャリア220の収容キャビティの容積は、収容可能な食材の最大重量が75g~400g になるように設計され、キャリア220が第2の位置において、キャリア220の最下点が位置する水平面と内鍋110の底との間の調理スペースは最大75g~400gの食材を収容できるように設計される。当業者であれば、実際のニーズに応じて設定を行うことができる。
【0067】
図示されていない他の実施形態では、制限装置は他の構造を採用することもでき、例えば、制限装置はストッパーとフィッティングを含み、ストッパーはブラケットに配置され、フィッティングはキャリアに配置され、キャリアが積載状態にあるとき、ストッパーはフィッティングと係合し、それによって、キャリアのバランスを保つことができる。好ましくは、ストッパーおよびフィッティングの少なくとも一つは、所定温度で変形するように構成される変形部を含み、変形部は、サーマルバイメタル材料、形状記憶合金、形状記憶ポリマーのいずれか一つで構成され、変形部は、所定の温度で変形し、ストッパーとフィッティングとの係合状態を解除できるように構成されている。
【0068】
別段の定義がない限り、本明細書で使用される技術用語および科学用語は、本発明の技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。ここで使用される用語は、特定の実装を説明することのみを目的としており、本発明を限定することを意図したものではない。本明細書で使用される「配置される」などの用語は、ある構成要素が別の構成要素に直接取り付けられること、またはある構成要素が仲介物を介して別の構成要素に取り付けられることを意味する場合がある。一実施形態で本明細書に記載される特徴は、その特徴が他の実施形態に適用できないか、別段の記載がない限り、別の実施形態に単独で、または他の特徴と組み合わせて適用することができる。
【0069】
本発明を実施形態に基づいて説明したが、上記実施形態は例示および説明を目的としたものであり、本発明をその範囲内に限定するものではないことを理解されたい。当業者は、本発明の教示に従ってさらに多くの変形および修正を行うことができ、これらの変形および修正はすべて、本発明によって主張される保護の範囲内に含まれることを理解することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【外国語明細書】