(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044480
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】シート状化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/85 20060101AFI20240326BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20240326BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20240326BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20240326BHJP
A61K 8/891 20060101ALI20240326BHJP
A61Q 15/00 20060101ALI20240326BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
A61K8/85
A61K8/81
A61K8/34
A61K8/37
A61K8/891
A61Q15/00
A61Q19/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150017
(22)【出願日】2022-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】曽我 誠之
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC432
4C083AC482
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD152
4C083AD262
4C083AD532
4C083BB24
4C083CC17
4C083CC24
4C083DD12
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE18
(57)【要約】
【課題】体臭の消臭効果、拭き取り後の毛羽立ちのなさ、拭き取り時の皮膚滑り性、及び拭き取り後の皮膚のきしみのなさに優れるシート状化粧料を提供する。
【解決手段】
(A)不織布と、当該不織布に含浸された(B)液体組成物とを含むシート状化粧料であって、前記(A)不織布は(i)多葉扁平断面ポリエステル繊維を有し、前記(B)液体組成物は、(ii)高分子物質からなる球状粉体を含有することを特徴とするシート状化粧料である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)不織布と、当該不織布に含浸された(B)液体組成物とを含むシート状化粧料であって、
前記(A)不織布は、(i)多葉扁平断面ポリエステル繊維を有し、
前記(B)液体組成物は、(ii)高分子物質からなる球状粉体を含有することを特徴とするシート状化粧料。
【請求項2】
前記(ii)高分子物質からなる球状粉体の含有量に対する、前記(i)多葉扁平断面ポリエステル繊維の含有量の質量比[(i)/(ii)]が、25以上45以下である、請求項1に記載のシート状化粧料。
【請求項3】
前記(i)多葉扁平断面ポリエステル繊維の含有量が、前記(A)不織布全量に対して30質量%以上70質量%以下である、請求項1から2のいずれかに記載のシート状化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シート状化粧料は、汗、皮脂、メイク汚れ等を除去し、身体を清拭する目的で広く用いられている。
【0003】
例えば、使用感触及び安定性に優れたシート状化粧料を得る目的で、シート状基材にポリエーテル変性シリコーン、エタノール、及び水を含有するシート状化粧料が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、快適な肌感触を付与する目的で、シート状基材に、架橋(メタ)アクリル酸エステル系樹脂粉体や油剤を含有する水性分散液を含浸させたシート状化粧料が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、これらの提案を含む従来のシート状化粧料においては、拭き取り性や、肌当たり性(低刺激性等)についてのみ検討されており、体臭の消臭効果、拭き取り後の毛羽立ちのなさ、拭き取り時の皮膚滑り性、及び拭き取り後の皮膚のきしみのなさについては検討されていなかった。
【0004】
したがって、体臭の消臭効果、拭き取り後の毛羽立ちのなさ、拭き取り時の皮膚滑り性、及び拭き取り後の皮膚のきしみのなさに優れるシート状化粧料は、未だ満足できるものは提供されておらず、その速やかな提供が強く求められているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-176813号公報
【特許文献2】特開2006-008659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、体臭の消臭効果、拭き取り後の毛羽立ちのなさ、拭き取り時の皮膚滑り性、及び拭き取り後の皮膚のきしみのなさに優れるシート状化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、前記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、本発明のシート状化粧料が、(A)不織布と、当該不織布に含浸された(B)液体組成物とを含むシート状化粧料であって、前記(A)不織布は、(i)多葉扁平断面ポリエステル繊維を有し、前記(B)液体組成物は、(ii)高分子物質からなる球状粉体を含有することにより、体臭の消臭効果、拭き取り後の毛羽立ちのなさ、拭き取り時の皮膚滑り性、及び拭き取り後の皮膚のきしみのなさに優れるシート状化粧料が得られることを知見した。
【0008】
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては以下の通りである。即ち、
<1>(A)不織布と、当該不織布に含浸された(B)液体組成物とを含むシート状化粧料であって、
前記(A)不織布は、(i)多葉扁平断面ポリエステル繊維を有し、
前記(B)液体組成物は、(ii)高分子物質からなる球状粉体を含有することを特徴とするシート状化粧料である。
<2>前記(ii)高分子物質からなる球状粉体の含有量に対する、前記(i)多葉扁平断面ポリエステル繊維の含有量の質量比[(i)/(ii)]が、25以上45以下である、前記<1>に記載のシート状化粧料である。
<3>多葉扁平断面ポリエステル繊維の含有量が、前記(A)不織布全量に対して30質量%以上70質量%以下である、前記<1>から前記<2>のいずれかに記載のシート状化粧料である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、体臭の消臭効果、拭き取り後の毛羽立ちのなさ、拭き取り時の皮膚滑り性、及び拭き取り後の皮膚のきしみのなさに優れるシート状化粧料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、多葉扁平断面を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(シート状化粧料)
本発明のシート状化粧料は、(A)不織布と、当該不織布に含浸された(B)液体組成物とを含み、必要に応じてその他の部材又は成分を含有していてもよい。
前記(A)不織布は、(i)多葉扁平断面ポリエステル繊維を有し、必要に応じてその他の部材又は成分を含有していてもよい。前記(B)液体組成物は、(ii)高分子物質からなる球状粉体を含有し、必要に応じてその他の部材又は成分を含有していてもよい。
なお、本明細書において、「多葉扁平断面ポリエステル繊維を有する不織布」は、単なる「(A)不織布」と称することがあり、「高分子物質からなる球状粉体を含有する液体組成物は、単なる「(B)液体組成物」と称することがある。
【0012】
<(A)不織布>
前記(A)不織布は、主に、体臭の消臭効果を向上させるために含有される。
【0013】
<<(i)多葉扁平断面ポリエステル繊維>>
本発明における「多葉扁平断面」とは、繊維軸方向に対して直交する断面形状(横断面形状)が、いくつかの凸部を有する扁平形状であることを示す。本発明における「多葉扁平断面ポリエステル繊維」とは、前記多葉扁平断面を有するポリエステル繊維のことを示す。
前記(i)多葉扁平断面ポリエステル繊維は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、その単繊維横断面における多葉扁平断面形状が、下記式(1)の扁平度と、下記式(2)の異形度とを同時に満足することが好ましい(
図1参照)。
・扁平度(A/B)=2.0~3.0・・・式(1)
・異形度(C/D)=1.0~5.0・・・式(2)
ここで、前記「A」は、上記多葉扁平形の横断面の最長の線分の長さを示す。前記「B」は、線分の長さAに垂直に交わる凸部の頂点間を結ぶ最大幅の線分の長さを示す。前記「C」は、上記の多葉扁平形のなす最も大きな凹凸で、隣り合う凸部の頂点間を結ぶ線分の長さを示す。さらに、前記「D」は、上記の凸部間を結ぶ線から凹部の底点に下した垂直の長さを示す。
【0014】
前記扁平度(A/B)としては、2.0~3.0が好ましく、2.0~2.7がより好ましく、2.0~2.5がさらに好ましい。
前記異形度(C/D)は、前記多葉扁平断面において、凸部と凸部との間にある凹部の大きさを表しており、前記異形度(C/D)の値が大きいと凹部が小さく、前記異形度(C/D)の値が小さいと凹部は大きいことを意味する。当該異形度(C/D)としては、1.0~5.0が好ましく、2.0~4.0がより好ましい。
【0015】
前記(i)多葉扁平断面ポリエステル繊維を構成するポリエステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テレフタル酸とエチレングリコール若しくはブチレングリコールとの縮合反応によって生成される高分子重合体、セバシン酸、アジピン酸、トリメリット酸、イソフタル酸、及びパラオキシ安息香酸等とエチレングリコールやブチレングリコールとの縮合体、並びに他のポリエステル類を含むポリエステル重合体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0016】
前記(i)多葉扁平断面ポリエステル繊維における横断面形状が有する、円周上の凸部の数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、皮脂の拭き取り性及び体臭の消臭効果の観点から、5個以上であることが好ましく、8個以上であることがより好ましい。
【0017】
前記(i)多葉扁平断面ポリエステル繊維は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。当該(i)多葉扁平断面ポリエステル繊維の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記(i)多葉扁平断面ポリエステル繊維の市販品としては、例えば、扁平多葉型断面ポリエステル原綿(商品名:ペンタス(登録商標)α、東レ株式会社製)などが挙げられる。
【0018】
前記(A)不織布は、多葉扁平断面ポリエステル繊維の他に、親水性繊維や、多葉扁平断面ポリエステル繊維以外の疎水性繊維を含有していてもよい。
前記親水性繊維としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、綿、パルプ、麻、レーヨンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、吸水性及び皮膚滑り性が向上する点から、レーヨンが好ましい。
前記(i)多葉扁平断面ポリエステル繊維以外の疎水性繊維としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系繊維;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル繊維;ナイロン等のポリアミド系繊維;ポリアクリロニトリル系繊維;ポリビニルアルコール系繊維;あるいはこれらの繊維の混合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0019】
前記(A)不織布における(i)多葉扁平断面ポリエステル繊維の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、体臭の消臭効果が向上する観点から、前記(A)不織布全量に対して10質量%以上100質量%以下が好ましく、30質量%以上70質量%以下であることがより好ましく、40質量%以上60質量%以下であることが特に好ましい。
前記(A)不織布における(i)多葉扁平断面ポリエステル繊維の含有量が、前記(A)不織布全量に対して10質量%以上であると、優れた体臭の消臭効果を得ることができ好適である。
前記(A)不織布における(i)多葉扁平断面ポリエステル繊維の含有量が、前記(A)不織布全量に対して100質量%以下であると、拭き取り時の皮膚滑り性が向上するため好適である。
【0020】
前記(A)不織布の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01mm以上5mm以下が好ましく、0.05mm以上1mm以下がより好ましい。
前記(A)不織布の平均厚みの測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、小型膜厚器(FS-60DS(特型)、株式会社大栄科学精器製作所製)を用いて、0.3kPaの条件のもと測定することができる。
【0021】
前記(A)不織布の態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、多葉扁平断面ポリエステル繊維と親水性繊維とを混紡した単層シートや、中層に芯鞘型複合繊維を、好適にはPE・PP芯鞘型繊維を多葉扁平断面ポリエステル繊維と親水性繊維とを混紡した繊維でサンドイッチ構造とする積層シート状であることが好ましく、多葉扁平断面ポリエステル繊維と親水性繊維とを混紡した単層シート状であることがより好ましい。
【0022】
前記(A)不織布の秤量(一層当たり)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10g/m2~100g/m2が好ましく、20g/m2~80g/m2がより好ましい。
【0023】
本発明における(A)不織布は、適宜製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。当該(A)不織布の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、多葉扁平断面ポリエステル繊維とレーヨンとを用いてウェブを作製し、ウォータージェットで繊維を交絡させることにより得ることができる。
【0024】
前記(A)不織布の市販品としては、例えば、ペンタス含有不織布(横断面形状が、円周上に8個の凸部を有する多葉扁平断面ポリエステル繊維(ペンタス)/レーヨン)(東レ株式会社製)、ペンタス含有不織布(横断面形状が、円周上に8個の凸部を有する多葉扁平断面ポリエステル繊維(ペンタス)/細レーヨン)(大和紡績株式会社製)などが挙げられる。
【0025】
<(B)液体組成物>
前記(B)液体組成物は、主に、体臭の消臭効果や、拭き取り後の皮膚のきしみのなさを向上させるために含有される。
【0026】
<<(ii)高分子物質からなる球状粉体>>
【0027】
本明細書において「球状」とは、粉体の真球度が0.8以上であることを示す。即ち、本明細書において「球状粉体」とは、真球度が0.8以上である粉体を示す。
なお、「真球度」とは、一つの粒子の長軸の長さと短軸の長さの比率のことであり、その数値が1に近づくにつれて真球に近い形状であることを示し、またその数値が小さくなるにつれて真球から離れた形状であることを示す。
真球度の測定方法としては、例えば、以下[真球度の測定方法]によって測定することができる。
[真球度の測定方法]
走査型電子顕微鏡(商品名:SU3500、株式会社日立製作所製)を用いて粒子の短径及び長径を測定し、当該長径に対する当該短径の比(短径/長径)を真球度とする。具体的には、粉体試料において電子顕微鏡写真を撮影し、100個の粒子における長軸の長さ(長径)と、長軸の中点に直交する短軸の長さ(短径)とを各々測定し、比率を求める。得られた比率の平均値を、粉体試料の真球度とする。
【0028】
前記(ii)高分子物質からなる球状粉体としては、上述した性質を有している粉体であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、合成高分子物質や天然高分子物質などが挙げられる。
前記合成高分子物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、架橋シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、架橋ポリスチレン樹脂などが挙げられる。
前記天然高分子物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、セルロース微粒子などが挙げられる。
【0029】
―架橋シリコーン樹脂―
前記(ii)高分子物質からなる球状粉体としての架橋シリコーン樹脂としては、例えば、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー、ポリメチルシルセスキオキサン、シリコーンゴムパウダー(ジメチルポリシロキサンを架橋した構造を持つシリコーンゴムの粉末)などが挙げられる。
【0030】
前記架橋シリコーン樹脂としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。当該架橋シリコーン樹脂の市販品としては、例えば、以下のものが挙げられる。
・シリコーン樹脂(商品名:KMP-590、信越化学工業(株)製、真球度:0.95)
・(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー(商品名:KSP-105、信越化学工業(株)製、真球度:0.98)
・シリコーンゴムパウダー(ジメチルポリシロキサンを架橋した構造を持つシリコーンゴムの粉末、商品名:KMP-597、信越化学工業(株)製、真球度:0.88)
【0031】
―アクリル樹脂―
前記(ii)高分子物質からなる球状粉体としてのアクリル樹脂としては、例えば、架橋(メタ)アクリル酸樹脂などが挙げられる。具体例として、メタクリル酸メチルクロスポリマー、(メタ)アクリル酸エステル共重合体のクロスポリマーである(メタクリル酸ラウリル/メタクリル酸ナトリウム)クロスポリマーなどが挙げられる。
【0032】
前記アクリル樹脂としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。当該アクリル樹脂の市販品としては、例えば、以下のものが挙げられる。
・ポリメタクリル酸メチル系樹脂(商品名:マツモトマイクロスフェアーM-305、松本油脂製薬(株)製、真球度:0.92)
・(メタクリル酸ラウリル/メタクリル酸ナトリウム)クロスポリマー(メタクリル酸ラウリル・ジメタクリル酸エチレングリコール・メタクリル酸ナトリウム共重合体、商品名:ソフケアST、花王(株)製、実質含分:40質量%、粒子径:3μm)
【0033】
―ポリエチレン樹脂―
前記(ii)高分子物質からなる球状粉体としてのポリエチレン樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン樹脂などが挙げられる。ここで、本明細書における「低密度」とは、旧JIS K6748:1995において、密度0.910以上0.930未満のポリエチレンのことを示す。
前記ポリエチレン樹脂としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。当該ポリエチレン樹脂の市販品としては、例えば、以下のものが挙げられる。
・低密度ポリエチレン(商品名:フロービーズLE-1080、住友精化(株)製、真球度:0.87)
【0034】
―架橋ポリスチレン樹脂―
前記(ii)高分子物質からなる球状粉体としての架橋ポリスチレン樹脂としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。当該架橋ポリスチレン樹脂の市販品としては、例えば、以下のものが挙げられる。
・架橋ポリスチレンビーズ(商品名:ファインパール3000SPQ、松浦(株)製、真球度:0.95)
【0035】
これらの中でも、体臭の消臭効果、及び使用後の皮膚のきしみのなさの観点から、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー、メタクリル酸メチルクロスポリマー、(メタクリル酸ラウリル/メタクリル酸ナトリウム)クロスポリマーが好ましい。
【0036】
前記(ii)高分子物質からなる球状粉体の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、体臭の消臭効果、拭き取り時の皮膚滑り性、及び使用時の白残りのなさの観点から、前記(B)液体組成物全量に対して0.5質量%以上4.5質量%以下が好ましく、1.2質量%以上3.5質量%以下がより好ましい。
前記(ii)高分子物質からなる球状粉体の含有量が、前記(B)液体組成物全量に対して0.5質量%以上であると、体臭の消臭効果、及び拭き取り時の皮膚滑り性に優れるため好適である。
前記(ii)高分子物質からなる球状粉体の含有量が、前記(B)液体組成物全量に対して4.5質量%以下であると、使用時の白残りのなさに優れるため好適である。
【0037】
前記(ii)高分子物質からなる球状粉体の平均粒子径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5μm以上30μm以下が好ましい。
【0038】
前記(B)液体組成物において、前記(ii)高分子物質からなる球状粉体の含有量に対する前記(i)多葉扁平断面ポリエステル繊維の含有量の比率[(i)/(ii)](以下、比率[(i)/(ii)]と称することがある)としては、体臭の消臭効果、及び毛羽立ちの抑制の観点から、18以上63以下が好ましく、25以上45以下がより好ましい。
前記比率[(i)/(ii)]が18以上63以下であると、体臭の消臭効果が向上し、拭き取り後のシート状化粧料における毛羽立ちを抑制することができるため好適である。
【0039】
<<(B)液体組成物におけるその他の成分>>
前記(B)液体組成物におけるその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、油脂類、ワックス類、多価アルコール、(ii)高分子物質からなる球状粉体以外のシリコーン類、炭化水素油、高級脂肪酸、低級アルコール、高級アルコール、合成エステル油、界面活性剤、高分子化合物、酸化防止剤、色素、香料、乳化安定剤、pH調整剤、収斂剤、防腐剤、紫外線吸収剤、キレート剤、保湿剤、増粘剤、抗炎症剤、アミノ酸、ビタミン剤、各種植物抽出エキス、殺菌剤、制汗剤、清涼化剤、水などが挙げられる。
前記(B)液体組成物におけるその他の成分の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0040】
-低級アルコール-
前記低級アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エタノール、イソプロピルアルコールなどが挙げられる。
前記低級アルコールの含有量としては、本発明の効果を損なわない限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、粉体の分散性向上による安定的な消臭効果を得ることができる点で、前記(B)液体組成物全量に対して5質量%以上55質量%以下が好ましく、18質量%以上35質量%以下がより好ましい。
前記低級アルコールは、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。当該低級アルコールの合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。当該低級アルコールの市販品としては、例えば、商品名で、トレーサブル 95 1級(発酵エタノール)(日本アルコール産業株式会社製)などが挙げられる。
【0041】
-(ii)高分子物質からなる球状粉体以外のシリコーン類-
前記(ii)高分子物質からなる球状粉体以外のシリコーン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジメチルポリシロキサンなどが挙げられる。なお、「(ii)高分子物質からなる球状粉体以外のシリコーン類」は、その他のシリコーン類と称されることがある。
前記その他のシリコーン類の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記(B)液体組成物全量に対して0.01質量%以上1.0質量%以下が好ましい。
前記その他のシリコーン類は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。当該その他のシリコーン類の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。当該その他のシリコーン類の市販品としては、例えば、商品名で、KF-96-5CS(ジメチルポリシロキサン)、KF-96-10CS(ジメチルポリシロキサン)、KF-96-30CS(ジメチルポリシロキサン)(いずれも、信越化学工業株式会社製)、SH200 C Fluid 5CS(ジメチルポリシロキサン)、SH200 C Fluid 10CS(ジメチルポリシロキサン)(いずれも、ダウ・東レ株式会社製)、BELSIL DM3102E(25℃における動粘度が10万mm2/s以上50万mm2/s以下のジメチルポリシロキサンと、25℃における動粘度が10mm2/sのジメチルポリシロキサンとの混合物)(旭化成ワッカーシリコーン株式会社製)などが挙げられる。
【0042】
-防腐剤-
前記防腐剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチルパラベン、プロピルパラベン、フェノキシエタノールなどが挙げられる。
前記防腐剤の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記(B)液体組成物全量に対して0.05質量%以上0.3質量%以下が好ましい。
前記防腐剤は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。当該防腐剤の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。当該防腐剤の市販品としては、例えば、商品名で、メッキンスーE(エチルパラベン)、メッキンスーP(プロピルパラベン)(いずれも、上野製薬株式会社製)などが挙げられる。
【0043】
-多価アルコール-
前記多価アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,3-ブチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールなどが挙げられる。
前記多価アルコールの含有量としては、本発明の効果を損なわない限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記(B)液体組成物全量に対して0.1質量%以上1.0質量%以下が好ましい。
前記多価アルコールは、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。当該多価アルコールの合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。当該多価アルコールの市販品としては、例えば、商品名で、1,3-ブチレングリコール(株式会社ダイセル製)などが挙げられる。
【0044】
-清涼化剤-
前記清涼化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メントールなどが挙げられる。
前記清涼化剤の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記(B)液体組成物全量に対して0.01質量%以上1.2質量%以下が好ましい。
前記清涼化剤は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。当該清涼化剤の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。当該清涼化剤の市販品としては、例えば、商品名で、l-メントール(高砂香料工業株式会社製)などが挙げられる。
【0045】
-界面活性剤-
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などが挙げられる。
前記界面活性剤の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、前記(B)液体組成物全量に対して0.01質量%以上1.0質量%以下が好ましい。
前記界面活性剤は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。当該界面活性剤の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。当該界面活性剤の市販品としては、例えば、商品名で、NIKKOL HCO-60、NIKKOL HCO-80(いずれも、日光ケミカルズ株式会社製)などが挙げられる。
【0046】
-水-
前記水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記水の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記(B)液体組成物全量に対して55質量%以上75質量%以下が好ましく、60質量%以上70質量%以下がより好ましい。
【0047】
-粘度-
前記(B)液体組成物の25℃での粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記(B)液体組成物の前記(A)不織布への含浸性が良好である点で、0.5mPa・s以上10mPa・s以下であることが好ましい。
前記粘度の測定方法としては、公知の測定方法を適宜選択することができ、例えば、BM型粘度計を用い、No.1ローターを使用し、60rpmで1分間の条件で測定することができる。
【0048】
―pH―
前記(B)液体組成物の25℃でのpHとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜設定することができるが、5.0以上8.5以下であることが好ましい。
前記pHの測定方法としては、特に制限はないが、例えば、(B)液体組成物を25℃に恒温した後、pHメーター(商品名:HM-30R、TOA DKK社製)を用いて、25℃で3分間後の値を測定する方法などが挙げられる。
【0049】
-(B)液体組成物の製造方法-
前記(B)液体組成物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(ii)高分子物質からなる球状粉体、エタノールやイソプロピルアルコール等の低級アルコール、並びに水を混合することで、製造することができる。
【0050】
前記(B)液体組成物は、装置を用いて製造してもよい。当該装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、剪断力と全体混合できる複数の攪拌羽根(例えば、プロペラ、タービン、ディスパー等)とを備えた攪拌装置などが好ましい。
【0051】
本発明のシート状化粧料は、包装体に収容された状態で保管されることが好ましい。前記包装体としては、特に制限はなく、シート状化粧料に通常用いられるものを適宜選択して使用することができる。
【0052】
<シート状化粧料の製造方法>
前記シート状化粧料は、前記(B)液体組成物を前記(A)不織布に含浸させることにより得ることができる。
前記(A)不織布に対する前記(B)液体組成物の含浸倍率(質量比)(液体組成物/不織布)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3~6の範囲が好ましく、3.5~5.0の範囲がより好ましい。
【0053】
前記(B)液体組成物を前記(A)不織布に含浸させる方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができ、例えば、前記(A)不織布に前記(B)液体組成物を滴下乃至スプレーする方法、前記(A)不織布に前記(B)液体組成物を塗工する方法、前記(A)不織布を前記(B)液体組成物に浸漬する方法などが挙げられる。
【0054】
-用途-
本発明のシート状化粧料の用途としては、体臭の消臭効果、拭き取り後の毛羽立ちのなさ、拭き取り時の皮膚滑り性、及び拭き取り後の皮膚のきしみのなさに優れることから、例えば、顔用汗拭きシート、身体用汗拭きシート、身体用デオドラントシート、足用拭き取りシート、介護用清拭シート、皮脂拭き取り用シート、眠気覚まし用シートなどに好適に用いることができる。
【実施例0055】
以下に実施例、比較例、及び処方例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0056】
表1~表6に示す、実施例、比較例、及び処方例に記載の各成分の含有量は質量%で示し、全て純分換算した値である。また、表1~表6において、(i)成分、及び(i)比較成分の数値は、不織布中の含有量(質量%)を示し、(ii)成分、(ii)比較成分、及びその他の成分の数値は、液体組成物中の含有量(質量%)を示す。(i)多葉扁平断面ポリエステル繊維の含有量と、(ii)高分子物質からなる球状粉体との質量比[(i)/(ii)]は、小数点以下第2位を四捨五入し、小数点以下第1位まで求め、記載した。また、共通成分のエタノールは、トレーサブル95 1級(95度、発酵アルコール)(日本アルコール産業株式会社製)を使用し、無水エタノール換算値(無水エタノールに換算した含有量(質量%))を記載した。
【0057】
(実施例1~17及び比較例1~3)
<液体組成物の作製>
下記表1~4に示す組成及び含有量に基づき、液体組成物を作製した。具体的には、エタノールに、メントール、ジメチルポリシロキサン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.)、及び香料を分散又は溶解させた後、1,3-ブチレングリコール、水(精製水)を添加し、最後に(ii)高分子物質からなる球状粉体を加えて分散させ、実施例1~17及び比較例1~3の液体組成物を得た。
なお、比較例2には、(ii)比較成分として、おわん形状を有するマツモトマイクロスフェアーM-310(松本油脂製薬株式会社製)を使用した。比較例3には、(ii)比較成分として、高分子物質からなる粉体には該当しない無水ケイ酸(商品名:サンスフェア H121、AGC株式会社製)を使用した。
実施例1~17及び比較例1~3の各液体組成物の25℃での粘度は、0.5mPa・s~10mPa・sの範囲内であった。前記各液体組成物の粘度は、BM型粘度計を用い、No.1ローターを使用し、60rpmで1分間の条件で測定した。
実施例1~17及び比較例1~3の各液体組成物のpHは、7.0~8.5に調整した。
【0058】
<シート状化粧料の作製>
不織布(多葉扁平断面ポリエステル繊維/細レーヨン、大和紡績株式会社製)に、実施例1~17及び比較例1~3の各液体組成物を含浸させて、シート状化粧料を作製した。
具体的には、前記不織布に、実施例1~17及び比較例1~3の各液体組成物を含浸倍率(質量比)=(液体組成物/不織布)が表1~4に記載の値となるように含浸させた。
【0059】
実施例1~17及び比較例1~3の各液体組成物を用いて作製した各シート状化粧料について、以下の評価方法で、「体臭の消臭効果」、「拭き取り後のシート状化粧料における毛羽立ちのなさ」、「拭き取り時の皮膚滑り性」、「拭き取り後の皮膚のきしみのなさ」、及び「拭き取り時の白残りのなさ」を評価した。結果を表1~4に示した。
【0060】
<体臭の消臭効果の評価>
9名の健康なパネラーに実施例1~17及び比較例1~3のシート状化粧料を、バイアル瓶に入れて、モデル体臭を0.05g垂らした後、香気評価を実施した。下記評価基準に基づき「体臭の消臭効果」を評価し、パネラー9名の平均値を算出した後、下記判定基準に基づき判定した。
なお、モデル体臭には、イソ吉草酸0.0075質量%、トリメチルアミン0.0005質量%、及び1-octen-3-one0.0020質量%、並びにエタノールを100質量%となるように加えた混合液を用いた。
-「体臭の消臭効果」の評価基準-
5点:ニオイを感じない
4点:ニオイを僅かに感じる
3点:ニオイを感じる
2点:強くニオイを感じる
1点:非常に強くニオイを感じる
-「体臭の消臭効果」の判定基準-
◎:4.5点以上5点
〇:3.5点以上4.5点未満
△:2.0点以上3.5点未満
×:2.0点未満
【0061】
<拭き取り後のシート状化粧料における毛羽立ちのなさの評価>
20代~30代の9名の女性の専門評価者に、実施例1~17及び比較例1~3のシート状化粧料を用いて、上腕内側10cmの長さを3往復拭いてもらい、「拭き取り後のシート状化粧料における毛羽立ちのなさ」を以下の評価基準により評価した。
-「拭き取り後のシート状化粧料における毛羽立ちのなさ」の評価基準-
◎:「毛羽立ちが気にならない」と回答した人が、9名
〇:「毛羽立ちが気にならない」と回答した人が、7名以上8名以下
△:「毛羽立ちが気にならない」と回答した人が、4名以上6名以下
×:「毛羽立ちが気にならない」と回答した人が、3名以下
【0062】
<拭き取り時の皮膚滑り性の評価>
20代~30代の9名の女性の専門評価者に、実施例1~17及び比較例1~3のサンプルで上腕内側10cmの長さを3往復拭いてもらい、「拭き取り時の皮膚滑り性」を以下の評価基準により評価した。
-「拭き取り時の皮膚滑り性」の評価基準-
◎:「抵抗なく皮膚滑りがよい」と回答した人が、8名以上
○:「抵抗なく皮膚滑りがよい」と回答した人が、6名以上7名以下
△:「抵抗なく皮膚滑りがよい」と回答した人が、3名以上5名以下
×:「抵抗なく皮膚滑りがよい」と回答した人が、2名以下
【0063】
<拭き取り後の皮膚のきしみのなさの評価>
20代~30代の9名の女性の専門評価者に、実施例1~17及び比較例1~3のサンプルで上腕内側10cmの長さを3往復拭いてもらい、使用してから3分後の「拭き取り後の皮膚のきしみのなさ」を以下の評価基準により評価した。
-「拭き取り後の皮膚のきしみのなさ」の評価基準-
◎:「拭き取り後に皮膚のきしみがない」と回答した人が、8名以上
○:「拭き取り後に皮膚のきしみがない」と回答した人が、6名以上7名以下
△:「拭き取り後に皮膚のきしみがない」と回答した人が、3名以上5名以下
×:「拭き取り後に皮膚のきしみがない」と回答した人が、2名以下
【0064】
<拭き取り後の白残りのなさの評価>
20代~30代の9名の女性の専門評価者に、実施例1~17及び比較例1~3のサンプルで上腕内側10cmの長さを3往復拭いてもらい、使用してから3分後の「拭き取り後の白残りのなさ」を以下の評価基準により評価した。
-「拭き取り後の白残りのなさ」の評価基準-
◎:「拭き取り後に白残りがない」と回答した人が、8名以上
○:「拭き取り後に白残りがない」と回答した人が、6名以上7名以下
△:「拭き取り後に白残りがない」と回答した人が、3名以上5名以下
×:「拭き取り後に白残りがない」と回答した人が、2名以下
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
(処方例1~10)
下記表5及び6に示す組成及び含有量のシート状化粧料を、実施例1と同様の方法で調製した。
【0070】
【0071】
【0072】
前記実施例、比較例、及び処方例で使用した各成分の詳細について、下記表7に示す。
【0073】
本発明のシート状化粧料は、体臭の消臭効果、拭き取り後の毛羽立ちのなさ、拭き取り時の皮膚滑り性、及び拭き取り後の皮膚のきしみのなさに優れるため、例えば、顔用汗拭きシート、身体用汗拭きシート、身体用デオドラントシート、足用拭き取りシート、介護用清拭シート、皮脂拭き取り用シート、眠気覚まし用シートなどに好適に用いることができる。