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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044485
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】給湯器
(51)【国際特許分類】
   F24H 9/02 20060101AFI20240326BHJP
【FI】
F24H9/02 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150030
(22)【出願日】2022-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】100166017
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 和政
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】倉田 康平
【テーマコード(参考)】
3L037
【Fターム(参考)】
3L037AA02
3L037AB01
3L037AB02
3L037AB07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】操作パネルと操作パネル外の化粧部との連続性を高めて美観を向上させ得る構成を、より簡易に実現しやすい技術を提供する。
【解決手段】給湯器においてフロントパネルは、前側に露出した前面を有する本体前面部80と、前面よりも後方側に凹む凹部86と、その内に設けられる開口部と、を具備する。操作装置100は、前側に露出する操作面を有する操作パネル110と、その後方側に配置される装置本体部と、を具備する。化粧板170は、凹部86内において支持面によって後方側から支持されつつ固定され、開口部の少なくとも一部が、化粧板170の下側に設けられる。操作装置100は、装置本体部が開口部内に挿入されつつ操作パネル110が開口部の周縁部を前側から覆うように固定される。化粧板170と操作パネル110とが凹部86内において上下に連なりつつフロントパネルの上端側から下端側へと上下に延びるように中央側装飾部を構成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前端側が開放した箱体と、
前記箱体に対して前側から固定されるフロントパネルと、
前記フロントパネルに固定される操作装置と、
化粧板と、
を備えた給湯器であって、
前記フロントパネルは、前側に露出した前面を有する本体前面部と、前記本体前面部の前面よりも後方側に凹む凹部と、前記凹部内に設けられる開口部と、を具備し、
前記操作装置は、前側に露出する操作面を有する操作パネルと、前記操作パネルの後方側に配置される装置本体部と、を具備し、
前記凹部の両側に、前記本体前面部がそれぞれ配置され、
前記凹部内において前記本体前面部の前面よりも後方位置に、前側を向く支持面が配置され、
前記化粧板は、前記凹部内において前記支持面によって後方側から支持されつつ固定され、
前記開口部の少なくとも一部が、前記化粧板の下側に設けられ、
前記操作装置は、前記装置本体部が前記開口部内に挿入されつつ前記操作パネルが前記開口部の周縁部を前側から覆うように固定され、
前記化粧板と前記操作パネルとが前記凹部内において上下に連なりつつ前記フロントパネルの上端側から下端側へと上下に延びるように中央側装飾部を構成する
給湯器。
【請求項2】
前記凹部は、前記本体前面部の下端まで延びており、
前記操作パネルの下端が、当該給湯器の前面部の下端を部分的に構成する
請求項1に記載の給湯器。
【請求項3】
前記装置本体部の下面部には、下側に突出する突出部が設けられ、
前記操作パネルの下端側部分と前記突出部との間の隙間に、前記開口部の下縁部が差し込まれている
請求項2に記載の給湯器。
【請求項4】
両側の前記本体前面部の前面と、前記化粧板の前面と、前記操作面とが、面一に連なっている
請求項1又は請求項2に記載の給湯器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、給湯器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示される熱源機は、筐体の内部に、基板ケースとリモコンとしての機能を有する操作パネルユニットとが設けられている。操作パネルユニットは、正面視略矩形状に形成された操作パネルを備えている。操作パネルは各種の設定を行うための複数の操作スイッチからなる操作部と、各種の情報を表示する表示部とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-211181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1を含め、従来の構成では、フロントパネルの本体部に対して開口部を設け、この開口部に操作装置を挿し通すように配置している。しかし、このように操作装置を配置した場合、操作装置の上下左右の全てにおいて本体部の枠体開口部を構成する枠が存在するため、フロントパネル本体の開口部及び操作装置の存在感が別個に強調されてしまい、美観の面で改善の余地があった。
【0005】
本開示は、操作パネルと操作パネル外の化粧部との連続性を高めて美観を向上させ得る構成を、より簡易に実現しやすい技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一つである給湯器は、
前端側が開放した箱体と、
前記箱体に対して前側から固定されるフロントパネルと、
前記フロントパネルに固定される操作装置と、
化粧板と、
を備えた給湯器であって、
前記フロントパネルは、前側に露出した前面を有する本体前面部と、前記本体前面部の前面よりも後方側に凹む凹部と、前記凹部内に設けられる開口部と、を具備し、
前記操作装置は、前側に露出する操作面を有する操作パネルと、前記操作パネルの後方側に配置される装置本体部と、を具備し、
前記凹部の両側に、前記本体前面部がそれぞれ配置され、
前記凹部内において前記本体前面部の前面よりも後方位置に、前側を向く支持面が配置され、
前記化粧板は、前記凹部内において前記支持面によって後方側から支持されつつ固定され、
前記開口部の少なくとも一部が、前記化粧板の下側に設けられ、
前記操作装置は、前記装置本体部が前記開口部内に挿入されつつ前記操作パネルが前記開口部の周縁部を前側から覆うように固定され、
前記化粧板と前記操作パネルとが前記凹部内において上下に連なりつつ前記フロントパネルの上端側から下端側へと上下に延びるように中央側装飾部を構成する。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る技術は、操作パネルと操作パネル外の化粧部との連続性を高めて美観を向上させ得る構成を、より簡易に実現しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係る給湯器において筐体部以外を省略した構成を例示する斜視図である。
図2図2は、第1実施形態に係る給湯器において前パネルを省略した状態を例示する正面図である。
図3図3は、図1の構成の正面図である。
図4図4は、第1実施形態に係る給湯器における筐体部の分解斜視図である。
図5図5は、図1の構成を、前方側且つ斜め下側から見た斜視図である。
図6図6は、図3の構成から化粧板及び操作装置を省略した構成を例示する正面図である。
図7図7は、図3の構成から操作パネルを省略した構成を例示する正面図である。
図8図8は、図3の構成を左右方向中心位置で切断した切断面を概略的に示す断面図である。
図9図9は、図8の構成の一部を、後方側且つ斜め上方側から見た斜視図である。
図10図10は、フロントパネル、操作装置、及び筐体本体部の一部を後方側且つ斜め下方側から見た斜視図である。
図11図11は、フロントパネルに操作装置が組み付けられた構成を後方側から見た背面図である。
図12図12は、図11の一部を拡大して示す拡大図である。
図13図13は、フロントパネルに操作装置が組み付けられた構成の一部を後方側且つ斜め下方側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では、本開示の実施形態が列記されて例示される。なお、以下で例示される特徴は、矛盾しない組み合わせでどのように組み合わされてもよい。
【0010】
〔1〕前端側が開放した箱体と、
前記箱体に対して前側から固定されるフロントパネルと、
前記フロントパネルに固定される操作装置と、
化粧板と、
を備えた給湯器であって、
前記フロントパネルは、前側に露出した前面を有する本体前面部と、前記本体前面部の前面よりも後方側に凹む凹部と、前記凹部内に設けられる開口部と、を具備し、
前記操作装置は、前側に露出する操作面を有する操作パネルと、前記操作パネルの後方側に配置される装置本体部と、を具備し、
前記凹部の両側に、前記本体前面部がそれぞれ配置され、
前記凹部内において前記本体前面部の前面よりも後方位置に、前側を向く支持面が配置され、
前記化粧板は、前記凹部内において前記支持面によって後方側から支持されつつ固定され、
前記開口部の少なくとも一部が、前記化粧板の下側に設けられ、
前記操作装置は、前記装置本体部が前記開口部内に挿入されつつ前記操作パネルが前記開口部の周縁部を前側から覆うように固定され、
前記化粧板と前記操作パネルとが前記凹部内において上下に連なりつつ前記フロントパネルの上端側から下端側へと上下に延びるように中央側装飾部を構成する
給湯器。
【0011】
上記〔1〕の給湯器は、化粧板と操作パネルとがフロントパネルの凹部内において上下に連なりつつフロントパネルの上端側から下端側へと上下に延びるように中央側装飾部を構成する。よって、この給湯器は、操作パネルの付近において上下に延びる連続的なデザインを構成することができ、美観を高めることができる。しかも、操作装置は、装置本体部が開口部内に挿入されつつ操作パネルが開口部の周縁部を前側から覆うように固定されるため、開口部付近が露出することに起因する美観の低下を抑えることができ、美観をより一層高めることができる。
【0012】
〔2〕前記凹部は、前記本体前面部の下端まで延びており、
前記操作パネルの下端が、当該給湯器の前面部の下端を部分的に構成する
〔1〕に記載の給湯器。
【0013】
上記〔2〕の給湯器は、上記凹部が本体前面部の下端まで延びており、操作パネルの下端が給湯器の前面部の下端を部分的に構成するようになっている。このように構成されるため、操作パネルにおいて給湯器前面の下端部を構成する部分の下方に別途枠体部分などを設ける必要が無く、構成の簡素化と操作パネルの下端側を外縁として利用するデザインとを実現できる。
【0014】
〔3〕前記装置本体部の下面部には、下側に突出する突出部が設けられ、
前記操作パネルの下端側部分と前記突出部との間の隙間に、前記開口部の下縁部が差し込まれている
〔2〕に記載の給湯器。
【0015】
上記〔3〕の給湯器は、操作パネルの下端付近に前側への力が加わった場合でも、突出部の引っ掛かりによって突出部付近の保持状態を維持しやすい。
【0016】
〔4〕両側の前記本体前面部の前面と、前記化粧板の前面と、前記操作面とが、面一に連なっている
〔1〕又は〔2〕に記載の給湯器。
【0017】
上記〔4〕の給湯器は、両側の本体前面部の前面と、化粧板の前面と、操作面とを、面一に連ならせることができるため、これらの面の間で大きな段差が存在するような構成と比較して各面に対する意図しない衝撃を抑えることができる。この点に加え、給湯器の前面において全体的に凹凸感を抑えたすっきりとしたデザインを実現することができる。
【0018】
<第1実施形態>
以下の説明は、第1実施形態に係る給湯器1に関する。
1.給湯器1の全体構成
図1は、第1実施形態に係る給湯器1において筐体部2以外を省略した構成を例示する斜視図である。図2は、給湯器1の筐体部2からフロントパネル2Aを外した構成を簡略的に例示する正面図である。図1図2のように、給湯器1は、筐体部2、燃焼装置3、熱交換器4,排気部5、送風機7などを備える。給湯器1は、例えば、屋内設置型の給湯器である。
【0019】
筐体部2は、大部分又は全部が金属材料によって構成される箱状のケースであり、図2のように前端側に開口部2Wが設けられるとともに前方が開放した箱体として構成される筐体本体部2Bと、筐体本体部2Bに対して着脱されるフロントパネル2Aとを備える。フロントパネル2Aは、開口部2Wを前側から閉塞するように筐体本体部2Bに固定される。
【0020】
図2のように、筐体部2は、燃焼装置3、熱交換器4、排気部5、送風機7などの各部品を収容する。燃焼装置3は、筐体部2の内部において中央付近に配置される。熱交換器4は、筐体部2の内部において燃焼装置3の上方に配置される。排気部5は、筐体部2の内部において熱交換器4の上方に配置される。ガス分配部10は、燃焼装置3とフロントパネル2Aとの間に配置される。送風機7は、筐体部2の内部において燃焼装置3の下側に配置される。
【0021】
図1図2図3図4のように、本実施形態の例では、矩形状に構成されるフロントパネル2Aの長手方向が上下方向となっており、例えば、給湯器1を設置したときの鉛直上下方向が上記上下方向である。そして、フロントパネル2Aの短手方向が左右方向となっており、上記上下方向及び上記左右方向と直交する方向が前後方向である。図4のように給湯器1を正面視した場合の左側が給湯器1の左側であり、給湯器1を正面視した場合の右側が給湯器1の右側である。
【0022】
図2に示される燃焼装置3は、ガス分配部10を介して供給されるガス(燃料ガス)を上記バーナ群によって燃焼させる装置であり、ケース3Aやバーナ群などを備える。ケース3Aは、筐体部2内に収まる角箱状のケースである。熱交換器4は、燃焼装置3でのガスの燃焼に基づく燃焼排気が供給される装置であり、金属製のケーシング4Aと、ケーシング4Aの内部に少なくとも一部が収容される伝熱管とを備える。熱交換器4は、燃焼装置3から排出される燃焼排気を導入して内部を通過させ、この燃焼排気と伝熱管内を流れる水との間で熱交換を行うことで、伝熱管内の水を加熱する。熱交換器4内を通過した燃焼排気は排気部5に排出される。排気部5は、排気部本体5Aと排気筒5Bとを備え、排気部本体5Aは、熱交換器4から排出された燃焼排気を上方に導く流路であり、排気筒5Bは、排気部本体5A内の燃焼排気を給湯器1の外部へ排出する流路である。送風機7は、燃焼用空気を供給するファンである。送風機7は、例えば、図示されていないモータの駆動軸が回転することにより、この駆動軸と連動する複数の羽根が回転し、上側(燃焼装置3側)に向かって強制的に空気を流す。
【0023】
図2のように、給湯器1において筐体部2の下側には、給湯器1の外部に設けられるガス管からガスが導入される導入口であるガス入口191と、給湯器1の外部に設けられる水道管から水が導入される水入口192と、湯を給湯器1の外部に導出する出湯口である湯出口193とが設けられている。ガス入口191に導入されたガスは、元弁や比例弁等を備えたガス供給部194を介してガス分配部10内に供給される。水入口192に導入された水は、給水管195を介して熱交換器4の伝熱管に供給される。図2には、給水管195の一部が図示される。熱交換器4の伝熱管によって導かれる湯は、伝熱管の下流端に接続された出湯管196を介して湯出口193から排出される。
【0024】
2.筐体部2の詳細構成
図1のように、筐体本体部2Bは、フロントパネル2Aの後方側に配置される。図2のように、筐体本体部2Bは、前側に開口部2Wが設けられた開閉可能な構造をなす。筐体本体部2Bは、一体部20、背板部30、及び底板部40を備え、一体部20、背板部30、底板部40によって各収容部品(燃焼装置3、熱交換器4、排気部5、送風機7等)の上下左右及び後方を覆うように配置される。筐体本体部2Bは、上記各収容部品を覆う空間の上下左右及び後方を囲み且つ前方側を開放した箱状形態をなし、天板部50の前端部51、一対の側板部60,70のそれぞれの前端部61,71、底板部40の前端部41が筐体本体部2Bの開口部2Wを構成する。
【0025】
図4のように、背板部30は、筐体本体部2Bの背面部を構成する部分である。底板部40は、筐体本体部2Bの下面部を構成する部分である。一体部20は、筐体本体部2Bの上面部を構成する天板部50と、筐体本体部2Bの一対の側面部を構成する一対の側板部60,70と、を具備する部分である。例えば、一体部20は、天板部50と一対の側板部60,70とが同一材料によって一体的に構成されている。
【0026】
一対の側板部60,70はいずれも上下方向に延びており、上下方向の長い板状形態をなす。側板部60の大部分は上下に長い平板部69によって構成され、平板部69の厚さ方向は左右方向である。側板部60の前端部61は、平板部69の前端から内側(右側)に折れ曲がる折れ曲がり部である。側板部70の大部分は上下に長い平板部79によって構成され、平板部79の厚さ方向は左右方向である。側板部70の前端部71は、平板部79の前端から内側(左側)に折れ曲がる折れ曲がり部である。天板部50の大部分は左右に長い平板部59によって構成され、平板部59の厚さ方向は上下方向である。天板部50の前端部51は、平板部59の前端から下側に折れ曲がる折れ曲がり部である。底板部40の大部分は左右に長い平板部49によって構成され、平板部49の厚さ方向は上下方向である。底板部40の前端部41は、平板部49の前端から上側に折れ曲がる折れ曲がり部である。背板部30は、一体部20の後端部付近の部分及び底板部40の後端部付近の部分に対して固定される。具体的には、背板部30は、天板部50及び一対の側板部60,70のそれぞれの後端部及び底板部40の後端部に対してネジ等の連結部材によって固定される。図4図5のように、底板部40は、一対の側板部60,70の下端部付近の部分及び背板部30の下端部付近の部分に対してネジ等の連結部材によって固定される。
【0027】
フロントパネル2Aは、筐体本体部2B(箱体)に対して前側から固定される部品である。フロントパネル2Aは、後述される化粧板170及び操作装置100が固定される蓋体である。図4のように、フロントパネル2Aは、金属板によって板状に構成された板部によって本体前面部80が構成され、この本体前面部80の上端から折れ曲がる上側折れ曲がり部16と、本体前面部80の左端から折れ曲がる左側折れ曲がり部14と、本体前面部80の右端から折れ曲がる右側折れ曲がり部15と、本体前面部80の下端から折れ曲がる下側折れ曲がり部18とを備える。図1図3図4の例では、フロントパネル2Aの前面部の大部分の領域が本体前面部80によって構成され、中央側の一部領域が本体前面部80以外の部品(化粧板170、操作パネル110)によって構成されている。フロントパネル2Aにおける本体前面部80、上側折れ曲がり部16、左側折れ曲がり部14、右側折れ曲がり部15、下側折れ曲がり部18は、例えば、金属板材に対して塗装が施された構成をなす。
【0028】
図4のように、上側折れ曲がり部16は、フロントパネル2Aの上面部を構成する。上側折れ曲がり部16は、フロントパネル2Aの上端面を構成する長板状の長板部16Cと、長板部16Cの後端から折れ曲がって下方に突出する突出部16A,16Bとを備える。長板部16Cは、左右方向に延びるとともに上下方向を板厚方向とする構成で、細長の板状に構成されている。突出部16Aは、長板部16Cの左端寄りの位置から下方に突出する板片である。突出部16Bは、長板部16Cの右端寄りの位置から下方に突出する板片である。
【0029】
図4のように、下側折れ曲がり部18はフロントパネル2Aの下面部を構成する。下側折れ曲がり部18は、フロントパネル2Aの下端面を構成する長板状の長板部18Cと、長板部18Cの後端から更に後方に突出する突出部18A,18Bとを備える。長板部18Cは、左右方向に延びるとともに上下方向を板厚方向とする構成で、細長の板状に構成されている。突出部18Aは、長板部18Cの左端寄りの位置から後方に突出する板片である。突出部18Bは、長板部18Cの右端寄りの位置から後方に突出する板片である。
【0030】
図4のように、左側折れ曲がり部14は、フロントパネル2Aの左側の側面部を構成する。図1のような取り付け状態のときには、左側折れ曲がり部14の後端部は、側板部60の前端部61(折れ曲がり片)と近接しつつ対向する。図4のように、右側折れ曲がり部15は、フロントパネル2Aの右側の側面部を構成する。図1のような取り付け状態のときには、右側折れ曲がり部15の後端部は、側板部70の前端部71(折れ曲がり片)と近接しつつ対向する。
【0031】
図6には、図3に示されるフロントパネル2Aから化粧板170及び操作装置100が取り外された状態の正面図が示される。図6のように、本体前面部80は、前側に露出した前面80Aを有する板状の部分である。本体前面部80と凹部86は同一の金属板材によって一体的に構成されており、上記金属板材に対して曲げ加工などが施されることにより、本体前面部80の前面80Aよりも後方側に凹むように凹部86が形成されている。図6の例では、凹部86の両側に、本体前面部80がそれぞれ配置されている。
【0032】
本体前面部80は、凹部86よりも左右方向一方側(図6の例では正面から見て左側)に配置される一方側前面部81と、凹部86よりも左右方向他方側(図6の例では正面から見て右側)に配置される他方側前面部82と、を有する。一方側前面部81及び他方側前面部82は、いずれも、金属材料を主体として板状に構成された板部である。図4図6の例では、一方側前面部81の前面全体又はほぼ全体が平坦面とされている。一方側前面部81は、上面側から見て上下に長い長方形状の形態をなす。同様に、他方側前面部82の前面全体又はほぼ全体が平坦面とされている。他方側前面部82は、上面側から見て上下に長い長方形状の形態をなす。凹部86は、本体前面部80の上端から下端まで延びている。凹部86は、上端から下端まで全領域又は大部分の領域にわたって一定幅W1となっている。
【0033】
図6の例では、凹部86の上端の高さは、本体前面部80の上端の高さと一致している。一方側前面部81の上端の縁は、左右方向に直線状に延びている。そして、他方側前面部82の上端の縁は、左右方向に直線状に延びている。更に、図3のように、後述される化粧板170の上端の縁も左右方向に直線状に延びている。一方側前面部81の上端の縁の上下方向の位置(高さ)と、他方側前面部82の上端の縁の上下方向の位置(高さ)と、化粧板170の上端の縁の上下方向の位置(高さ)とが同一又は略同一となっている。具体的には、一方側前面部81の上端の縁と、化粧板170の上端の縁と、他方側前面部82の上端の縁とが、左右方向に連続的に直線状に続いている。
【0034】
図6の例では、凹部86の下端の高さは、本体前面部80の下端の高さと一致している。一方側前面部81の下端の縁は、左右方向に直線状に延びている。そして、他方側前面部82の下端の縁は、左右方向に直線状に延びている。更に、後述される操作パネル110の下端の縁も左右方向に直線状に延びている。一方側前面部81の下端の縁の上下方向の位置(高さ)と、他方側前面部82の下端の縁の上下方向の位置(高さ)と、操作パネル110の下端の縁の上下方向の位置(高さ)とが同一又は略同一となっている。具体的には、一方側前面部81の下端の縁と、操作パネル110の下端の縁と、他方側前面部82の下端の縁とが、左右方向に連続的に直前状に続いている。
【0035】
3.中央側装飾部180の詳細構成
図1図3図5のように、フロントパネル2Aには、中央側装飾部180が設けられる。具体的には、化粧板170と操作パネル110とが凹部86内において上下に連なりつつフロントパネル2Aの上端側から下端側へと上下に延びるように中央側装飾部180を構成する。
【0036】
図6のように、凹部86内の左右両側の内壁部86A,86Bはいずれも、本体前面部80の上端から下端まで直線状に上下方向に続いている。そして、内壁部86A,86Bの左右方向の間隔は、本体前面部80の上端から下端まで一定の幅W1となっている。図1図3図5のように、中央側装飾部180は、内壁部86A,86Bの間に配置される装飾部である。中央側装飾部180付近では、両側の本体前面部80の前面80Aと、化粧板170の前面170Aと、操作パネル110の前面(操作面110A)とが、共通の仮想平面上に位置するように面一に連なっている。
【0037】
図6のように、凹部86内において前面80Aよりも後方位置に、前側を向く支持面90Aが配置される。図6図9のように、支持面90Aは、一方側前面部81及び他方側前面部82に対して段差状に設けられた段差部90の前面である。段差部90は、一方側前面部81及び他方側前面部82と一体的に構成され、一方側前面部81及び他方側前面部82よりも少し後方位置に配置される板状の部分である。段差部90の厚さ方向は前後方向である。支持面90Aと直交する方向は前後方向である。支持面90Aと前面80A(一方側前面部81及び他方側前面部82の各前面)の前後方向の距離は、凹部86における支持面90Aの両側の内壁部86A,86Bの前後方向の長さであり、化粧板170の厚さと同程度である。内壁部86A,86Bは、それぞれ上下方向に延びている。内壁部86A,86Bは、支持面90Aから前側に立ち上がるように構成される。
【0038】
化粧板170は、凹部86内において支持面90Aによって後方側から支持されつつ固定される部材である。図6の例では、凹部86における上下方向全範囲のうちの上半分の領域全体を含む所定領域が、化粧板170が配置される領域である。化粧板170は、後述される開口部96の上側に設けられる。化粧板170は、例えば接着剤などの接着媒体によって支持面90Aに接着される。化粧板170を支持面90Aに固定する方法はこの方法以外でもよい。
【0039】
図3のように、化粧板170は、正面視した形状が上下方向に長い長方形状となっている。化粧板170の左右方向の幅は、凹部86の左右方向の幅W1(図6)と同程度である。化粧板170の上端は左右方向に延びる上縁を構成する。化粧板170の左右の両端は、上下方向に延びる左右の縁をそれぞれ構成する。化粧板170の左端は、化粧板170の上下方向全範囲にわたって内壁部86Aと近接しつつ対向する。化粧板170の右端は、化粧板170の上下方向全範囲にわたって内壁部86Bと近接しつつ対向する。化粧板170の下端は左右方向に延びる下縁を構成する。操作パネル110の上端は、左右方向に延びる上縁を構成する。化粧板170の下端と、操作パネル110の上端は、上下に向かい合いつつ近接している。化粧板170の下端と操作パネル110の上端は互いに接触していてもよく、僅かな隙間を隔てて対向していてもよい。
【0040】
操作装置100は、フロントパネル2Aに固定される部品である。操作装置100は、前側に露出する操作面110Aを有する操作パネル110と、操作パネル110の後方側に配置される装置本体部120と、を具備する。操作装置100は、後述される開口部96内に装置本体部120が挿入されつつ操作パネル110が開口部96の周縁部(支持部98)を前側から覆うようにフロントパネル2Aに固定される。図10図13のように、装置本体部120は、フロントパネル2Aに設けられた固定片93,94に対してねじ等の連結部材によって固定されている。固定片93,94は、開口部96の内縁部から後方側に立ち上がりつつ後方側に延びるように設けられており、固定片93,94の各々の後端部が操作装置100を後方側から支持している。
【0041】
凹部86内において段差部90の下方側に、開口部96が設けられている。開口部96は、凹部86内において開口して設けられる部分であり、具体的には、凹部86内において前後に貫通した貫通孔として構成される。開口部96は、直線状に上下に続く内壁部86A,86Bの間の領域に設けられる。なお、図3図6の例では、開口部96の全体が、化粧板170の下側に設けられる。但し、この構成に限定されず、開口部96の一部が化粧板170の下側に設けられる構成でもよい。内壁部86A,86Bの間において開口部96の周囲の部分(開口部96の周縁付近を構成する周縁部)には、操作パネル110を支持する枠状の支持部98が設けられる。
【0042】
図7図8図9のように、装置本体部120は、装置本体部120の外殻を構成するケース体として機能する収容体122と、収容体122の内部に配置される基板部128とを備える。収容体122は、前方側に配置される前方側外殻部124と前方側外殻部124よりも後方側に配置される後方側外殻部126とを備える。前方側外殻部124は、装置本体部120の前面部を構成する前面構成部130と前面構成部130から後方側に凸となる凸部134とを備える。前面構成部130は板状に構成される。前面構成部130の一部は、ボタン部132A,132B,132C,132Dの各々の一部として構成される。凸部134は、上壁部134A、一対の側壁部134B,134C、下壁部134Dを備えた環状形態をなしており、後端部が開口している。凸部134は、基板部128の上下左右を囲む周壁部として構成される。後方側外殻部126は、板状に構成された蓋体であり、凸部134の後端部の開口を閉塞するように固定される。前面構成部130のうち、凸部134の上方側、下方側、左方側、右方側に張り出すように環状に張り出す張出部131は、支持部98に後方側から支持されつつ支持部98に対して環状に接触する。装置本体部120の張出部131が開口部96の周縁部を全体的に覆うように当該周縁部の前側に配置され、この張出部131を覆うように操作パネル110が上記周縁部の前側に配置される。
【0043】
操作パネル110は、装置本体部120の前側を覆うシート体又は板体として構成されている。操作パネル110の前面は、利用者からの接触操作(押圧操作)を受ける操作面110Aとして構成される。操作パネル110は、撓み変形可能に構成されている。利用者が操作面110Aを前側から後ろ側に押した場合、その押した位置の後方にボタン部材が存在していれば、操作面110Aに対する押圧力は当該ボタン部材に伝わり、ボタン部材が押されるようになっている。具体的には、図7のように、装置本体部120の前面部にボタン部132A,132B,132C,132Dが設けられており、ボタン部132A,132B,132C,132Dの各々の前端部は、後方側に押すことができるように変位可能とされている。従って、操作パネル110においてボタン部132A,132B,132C,132Dのいずれかの前側の位置が後方側に押された場合に、押された位置に対応するボタン部の押圧力を受けた基板部128が押された位置に対応する信号を発生させるようになっている。
【0044】
操作パネル110は、一部又は全部が光透過性の材料によって構成されている。そして、装置本体部120の前面側から照射された光が操作パネル110を介して前側に照射されるようになっている。図6のように、装置本体部120の前面部には、発光可能に構成されるとともに前側に光を照射可能な表示部133が設けられている。そして、この表示部133を前方側から覆うように操作パネル110が配置される。表示部133において表示がなされた場合に、その表示が操作パネル110を介して前側から視認されるようになっている。図7の例では、表示部133は、例えば、7セグメント方式で文字や記号を表示可能とされている。
【0045】
図3図5のように、操作パネル110の下端は、給湯器1の前面部の下端を部分的に構成する。図3図5の例では、給湯器1の前面部の下端は、左右方向に延びる直線状の縁を構成しており、このうちの一部の領域が操作パネル110の下端によって構成される。
【0046】
図12図13のように、装置本体部120の下面部には、下側に突出する突出部161,162が設けられる。具体的には、凸部134の一部をなす下壁部134Dの下面から下側に突出するように突出部161,162が設けられている。下壁部134Dの下面の高さは、開口部96の下側の縁の高さと同程度となっており、突出部161,162の高さは、開口部96の下側の縁の高さよりも低くなっている。つまり、突出部161,162は、開口部96の下側の縁よりも下位置まで突出している。そして、操作パネル110の下端側部分(開口部96の下側の縁よりも下側の部分)と突出部161,162との間の隙間に、開口部96の下縁部(上記下側の縁を構成する部分)が差し込まれている。突出部161,162の前側には、開口部96の下縁部が位置するため、開口部96の下縁部付近において張出部131を前側に引っ張るような力が加わったり、装置本体部120の下端部付近に対して前側に押す力が加わっても、開口部96の下縁部に突出部161,162が引っ掛かるため、装置本体部120の下端部付近が前側に移動しすぎることが抑えられる。
【0047】
3.効果の例
給湯器1は、化粧板170と操作パネル110とがフロントパネル2Aの凹部86内において上下に連なりつつフロントパネル2Aの上端側から下端側へと上下に延びるように中央側装飾部180を構成する。よって、この給湯器1は、操作パネル110の付近において上下に延びる連続的なデザインを構成することができ、美観を高めることができる。しかも、操作装置100は、装置本体部120が開口部96内に挿入されつつ操作パネル110が開口部96の周縁部を前側から覆うように固定されるため、開口部96付近が露出することに起因する美観の低下を抑えることができ、美観をより一層高めることができる。
【0048】
給湯器1は、凹部86が本体前面部80の下端まで延びており、操作パネル110の下端が給湯器1の前面部の下端を部分的に構成するようになっている。このように構成されるため、操作パネル110において給湯器1前面の下端部を構成する部分の下方に別途枠体部分などを設ける必要が無く、構成の簡素化と操作パネル110の下端側を外縁として利用するデザインとを実現できる。
【0049】
給湯器1は、操作パネル110の下端付近に前側への力が加わった場合でも、突出部161,162の引っ掛かりによって突出部161,162付近の保持状態を維持しやすい。
【0050】
給湯器1は、両側の本体前面部80の前面80Aと、化粧板170の前面と、操作面112とを、面一に連ならせることができるため、これらの面の間で大きな段差が存在するような構成と比較して各面に対する意図しない衝撃を抑えることができる。この点に加え、給湯器1の前面において全体的に凹凸感を抑えたすっきりとしたデザインを実現することができる。
【0051】
<他の実施形態>
本発明は、上記記述及び図面によって説明された実施形態に限定されるものではない。例えば、上述又は後述の実施形態の特徴は、矛盾しない範囲であらゆる組み合わせが可能である。また、上述又は後述の実施形態のいずれの特徴も、必須のものとして明示されていなければ省略することもできる。さらに、上述された実施形態は、次のように変更されてもよい。
【0052】
上記実施形態では、両側の本体前面部80の前面80Aと、化粧板170の前面170Aと、操作面112とが、面一に連なっているが、若干の段差(例えば極めて微小な段差)があってもよい。
【0053】
上記実施形態では、両側の本体前面部80の前面80Aの下端と、操作パネル110の下端とが面一に連なっているが、若干の段差(例えば極めて微小な段差)があってもよい。
【0054】
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、今回開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示された範囲内又は特許請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0055】
1 :給湯器
2 :筐体部
2A :フロントパネル
2B :筐体本体部(箱体)
80 :本体前面部
80A :前面
86 :凹部
90 :支持面
96 :開口部
100 :操作装置
110 :操作パネル
112 :操作面
120 :装置本体部
161 :突出部
162 :突出部
170 :化粧板
170A:前面
180 :中央側装飾部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13