(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044500
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】逆導通損失低減回路、半導体装置、スイッチング電源
(51)【国際特許分類】
H02M 1/08 20060101AFI20240326BHJP
H02M 3/28 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
H02M1/08 A
H02M3/28 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150059
(22)【出願日】2022-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤巻 匠
【テーマコード(参考)】
5H730
5H740
【Fターム(参考)】
5H730AA14
5H730BB26
5H730DD04
5H730EE03
5H730EE07
5H740BA12
5H740BB05
5H740BB07
5H740BC01
5H740BC02
5H740HH05
5H740JA01
5H740JB01
5H740KK01
(57)【要約】
【課題】GaNデバイスなどの逆導通損失を低減する。
【解決手段】逆導通損失低減回路(16)は、ゲート・ソース間電圧(VgsH及びVgsL)に応じた逆導通特性を持つエンハンスメントモードのスイッチ素子(11H及び11L)の逆導通時にスイッチ素子(11H及び11L)のゲート・ソース間電圧(VgsH及びVgsL)を所定のバイアス電圧(Vx)まで引き上げておく構成とされている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲート・ソース間電圧に応じた逆導通特性を持つエンハンスメントモードのスイッチ素子の逆導通時に前記スイッチ素子の前記ゲート・ソース間電圧を所定のバイアス電圧まで引き上げておくように構成された、逆導通損失低減回路。
【請求項2】
前記バイアス電圧は、0Vよりも高く前記スイッチ素子のオン閾値電圧よりも低い、請求項1に記載の逆導通損失低減回路。
【請求項3】
請求項1に記載の逆導通損失低減回路を備える、半導体装置。
【請求項4】
前記スイッチ素子として、第1電圧の印加端と第2電圧の印加端との間に直列に接続された上側スイッチ素子及び下側スイッチ素子を備える、請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記逆導通損失低減回路は、前記下側スイッチ素子の逆導通時に前記下側スイッチ素子のゲート・ソース間電圧を前記バイアス電圧まで引き上げておくように構成された下側プリオンドライバを含む、請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記下側プリオンドライバは、前記上側スイッチ素子のオン期間中に前記下側スイッチ素子のゲート・ソース間電圧を前記バイアス電圧まで引き上げておくように構成されている、請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記逆導通損失低減回路は、前記上側スイッチ素子の逆導通時に前記上側スイッチ素子のゲート・ソース間電圧を前記バイアス電圧まで引き上げておくように構成された上側プリオンドライバをさらに含む、請求項5に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記上側プリオンドライバは、前記下側スイッチ素子のオン期間中に前記上側スイッチ素子のゲート・ソース間電圧を前記バイアス電圧まで引き上げておくように構成されている、請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記スイッチ素子は、GaNデバイスである、請求項3に記載の半導体装置。
【請求項10】
請求項3~9のいずれか一項に記載の半導体装置と、
前記半導体装置に外付けされて入力電圧から所望の出力電圧を生成するように構成された出力段と、
を備える、スイッチング電源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、逆導通損失低減回路、半導体装置及びスイッチング電源に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、小型で高周波数駆動が可能なスイッチ素子として、GaNデバイスなどの実用化が進められている。
【0003】
なお、上記に関連する従来技術の一例としては、特許文献1を挙げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、GaNデバイスなどのスイッチ素子は、Siデバイスなどのスイッチ素子と比べて逆導通損失が大きいという欠点がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書中に開示されている逆導通損失低減回路は、ゲート・ソース間電圧に応じた逆導通特性を持つエンハンスメントモードのスイッチ素子の逆導通時に前記スイッチ素子の前記ゲート・ソース間電圧を所定のバイアス電圧まで引き上げておく構成とされている。
【0007】
なお、その他の特徴、要素、ステップ、利点、及び、特性については、以下に続く発明を実施するための形態及びこれに関する添付の図面によって、さらに明らかとなる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、GaNデバイスなどのスイッチ素子で生じる逆導通損失を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、スイッチング電源の比較例を示す図である。
【
図3】
図3は、比較例の逆導通損失を示す図である。
【
図4】
図4は、スイッチング電源の第1実施形態を示す図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態の動作波形を示す図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態の逆導通損失を示す図である。
【
図7】
図7は、スイッチング電源の第2実施形態を示す図である。
【
図8】
図8は、第2実施形態の動作波形を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<スイッチング電源(比較例)>
図1は、スイッチング電源の比較例(=後出の実施形態と対比される一般的な構成)を示す図である。本比較例のスイッチング電源1は、一次回路系1p(GND1系)と二次回路系1s(GND2系)との間を電気的に絶縁しつつ、直流入力電圧VINから所望の直流出力電圧VOUTを生成するLLC共振型の絶縁DC/DCコンバータである。
【0011】
本図に即して述べると、スイッチング電源1は、半導体装置10と、電圧源E1及びE2と、出力帰還回路FBと、種々のディスクリート部品(トランスTR、キャパシタC1~C3、ダイオードD1~D3及びインダクタLr)と、を備える。
【0012】
なお、スイッチング電源1をAC/DCコンバータとして用いる場合には、交流入力電圧VACを整流及び平滑して直流入力電圧VINを生成するための前段回路(ダイオードブリッジ又は力率改善回路など)を別途設ければよい。
【0013】
半導体装置10は、スイッチング電源1の制御主体(いわゆる電源制御IC)である。半導体装置10は、装置外部との電気的な接続を確立するための手段として、複数の外部端子(本図ではHVCCピン、VBUSピン、LVCCピン、HINピン、LINピン、GNDピン及びSWピン)を備える。
【0014】
トランスTRは、一次回路系1pに設けられた一次巻線Lpと、二次回路系1sに設けられて一次巻線Lpに磁気結合された二次巻線Lsとを含む。
【0015】
一次巻線Lpの第1端(本図では巻始端)は、インダクタLrの第1端に接続されている。インダクタLrの第2端は、半導体装置10のSWピン(=スイッチ電圧Vswの印加端)に接続されている。一次巻線Lpの第2端(本図では巻終端)は、キャパシタ30の第1端に接続されている。キャパシタC2の第2端は、半導体装置10のGNDピン及び一次回路系1pの接地端(=接地電圧GND1の印加端)に接続されている。
【0016】
なお、トランスTRは、リーケージトランス又は共振トランスであってもよい。すなわち、インダクタLrは、トランスTRの漏れインダクタンスであってもよい。
【0017】
二次巻線Ls1の第1端(例えば巻始端)は、ダイオードD2のアノードに接続されている。二次巻線Ls2の第1端(例えば巻終端)は、ダイオードD3のアノードに接続されている。ダイオードD2及びD3それぞれのカソードとキャパシタC3の第1端は、いずれも直流出力電圧VOUTの印加端に接続されている。二次巻線Ls1の第2端(例えば巻終端)及び二次巻線Ls2の第2端(例えば巻始端)とキャパシタC3の第2端は、いずれも二次回路系1sの接地端(=接地電圧GND2の印加端)に接続されている。二次巻線Ls1及びLs2は、中間タップを持つ単一の二次巻線Lsとして理解され得る。
【0018】
また、上記のように接続されたトランスTR、インダクタLr、ダイオードD2並びにD3、及び、キャパシタC2並びにC3は、半導体装置10に内蔵される上側スイッチ素子11H及び下側スイッチ素子11L(詳細は後述)とともに、直流入力電圧VINから所望の直流出力電圧VOUTを生成するLLC共振型のスイッチング出力段を形成している。特に、ダイオードD2及びD3とキャパシタC3は、二次巻線Lsに生じる誘起電圧を整流及び平滑して直流出力電圧VOUTを生成する整流平滑回路として機能する。
【0019】
電圧源E1の正極端(=直流入力電圧VINの印加端)は、半導体装置10のVBUSピンに接続されている。電圧源E2の正極端(=電源電圧Vccの印加端)及びダイオードD1のアノードは、いずれも半導体装置10のLVCCピンに接続されている。電圧源E1及びE2それぞれの負極端は、いずれも半導体装置10のGNDピン(=接地電圧GND1の印加端)に接続されている。ダイオードD1のカソード及びキャパシタC1の第1端は、いずれも半導体装置10のHVCCピン(=昇圧電圧Vbstの印加端)に接続されている。キャパシタC1の第2端は、半導体装置10のSWピン(=スイッチ電圧Vswの印加端)に接続されている。
【0020】
なお、上記のように接続されたダイオードD1及びキャパシタC1は、スイッチ電圧Vswよりも常にキャパシタC1の両端間電圧VC(≒Vcc-Vf、ただしVfはダイオードD1の順方向降下電圧)だけ高い昇圧電圧Vbstを生成するブートストラップ回路として機能する。つまり、Vsw≒0V(GND1)であるときにはVbst≒VCとなり、Vsw≒VINであるときにはVbst≒VIN+VCとなる。
【0021】
出力帰還回路FBは、直流出力電圧VOUTに応じた帰還信号Sfbを生成して半導体装置10のHINピン及びLINピンに出力する。なお、出力帰還回路FBの回路構成については任意である。例えば、出力帰還回路FBとしては、シャントレギュレータとフォトカプラを用いる構成又はトランスTRの補助巻線を用いる構成などが一般的である。
【0022】
<半導体装置>
引き続き、
図1を参照しながら、半導体装置10の構成及び動作について説明する。本比較例の半導体装置10は、上側スイッチ素子11Hと、下側スイッチ素子11Lと、上側ドライバ12Hと、下側ドライバ12Lと、上側駆動ロジック13Hと、下側駆動ロジック13Lと、ロジック14と、レベルシフタ15と、を備える。
【0023】
上側スイッチ素子11H(例えばNチャネル型)のドレインは、VBUSピンに接続されている。上側スイッチ素子11Hのソースは、SWピンに接続されている。上側スイッチ素子11Hのゲートは、上側ゲート信号HGの印加端に接続されている。このように接続された上側スイッチ素子11Hは、上側ゲート信号HGがハイレベル(≒Vbst)であるときにオン状態となり、上側ゲート信号HGがローレベル(≒Vsw)であるときにオフ状態となる。
【0024】
下側スイッチ素子11L(例えばNチャネル型)のドレインは、SWピンに接続されている。下側スイッチ素子11Lのソースは、GNDピンに接続されている。下側スイッチ素子11Lのゲートは、下側ゲート信号LGの印加端に接続されている。このように接続された下側スイッチ素子11Lは、下側ゲート信号LGがハイレベル(≒Vcc)であるときにオン状態となり、下側ゲート信号LGがローレベル(≒GND1)であるときにオフ状態となる。
【0025】
このように、半導体装置10は、スイッチ素子として、直流入力電圧VIN(=第1電圧に相当)の印加端と接地電圧GND1(=第2電圧に相当)の印加端との間に直列に接続された上側スイッチ素子11H及び下側スイッチ素子11Lを備える。
【0026】
上側スイッチ素子11H及び下側スイッチ素子11Lは、それぞれ、上側ゲート・ソース間電圧VgsH(=HG-Vsw)及び下側ゲート・ソース間電圧VgsL(=LG-GND1)に応じた逆導通特性を持つエンハンスメントモード(=ノーマリオフタイプ)のスイッチ素子であってもよい。例えば、上側スイッチ素子11H及び下側スイッチ素子11Lは、GaNデバイスであってもよい。なお、GaNデバイスは、GaN-HEMT[high electron mobility transistor]と、MOSFET[metal oxide semiconductor field effect transistor]とを組み合わせたデバイスであってもよい。
【0027】
また、上側スイッチ素子11H及び下側スイッチ素子11Lは、それぞれ、集積素子として半導体装置10に内蔵されてもよいし、ディスクリート素子として半導体装置10に外付けされてもよい。
【0028】
上側ドライバ12Hは、上側ゲート信号HGを生成する。本図に即して述べると、上側ドライバ12Hは、トランジスタP1(例えばPチャネル型MOSFET)と、トランジスタN1(例えばNチャネル型MOSFET)とを含む。トランジスタP1のソースは、HVCCピンに接続されている。トランジスタP1及びN1それぞれのドレインは、いずれも上側ゲート信号HGの印加端(=上側スイッチ素子11Hのゲート)に接続されている。トランジスタN1のソースは、SWピンに接続されている。
【0029】
従って、上側ゲート信号HGは、トランジスタP1がオン状態であってトランジスタN1がオフ状態であるときにハイレベル(≒Vbst)となる。一方、上側ゲート信号HGは、トランジスタP1がオフ状態であってトランジスタN1がオン状態であるときにローレベル(≒Vsw)となる。
【0030】
下側ドライバ12Lは、下側ゲート信号LGを生成する。本図に即して述べると、下側ドライバ12Lは、トランジスタP2(例えばPチャネル型MOSFET)と、トランジスタN2(例えばNチャネル型MOSFET)とを含む。トランジスタP2のソースは、LVCCピンに接続されている。トランジスタP2及びN2それぞれのドレインは、いずれも下側ゲート信号LGの印加端(=下側スイッチ素子11Lのゲート)に接続されている。トランジスタN2のソースは、GND1ピンに接続されている。
【0031】
従って、下側ゲート信号LGは、トランジスタP2がオン状態でありトランジスタN2がオフ状態であるときにハイレベル(≒Vcc)となる。一方、下側ゲート信号LGは、トランジスタP2がオフ状態でありトランジスタN2がオン状態であるときにローレベル(≒GND1)となる。
【0032】
上側駆動ロジック13Hは、レベルシフト済みの上側制御信号HS’に応じて上側ドライバ12Hの駆動制御を行う。例えば、上側駆動ロジック13Hは、レベルシフト済みの上側制御信号HS’がハイレベルであるときにトランジスタP1をオン状態としてトランジスタN1をオフ状態とする。一方、上側駆動ロジック13Hは、レベルシフト済みの上側制御信号HS’がローレベルであるときにトランジスタP1をオフ状態としてトランジスタN1をオン状態とする。
【0033】
下側駆動ロジック13Lは、下側制御信号LSに応じて下側ドライバ12Lの駆動制御を行う。例えば、下側駆動ロジック13Lは、下側制御信号LSがハイレベルであるときにトランジスタP2をオン状態としてトランジスタN2をオフ状態とする。一方、下側駆動ロジック13Lは、下側制御信号LSがローレベルであるときにトランジスタP2をオフ状態としてトランジスタN2をオン状態とする。
【0034】
ロジック14は、HINピン及びLINピンに入力される帰還信号Sfbに応じて、上側スイッチ素子11H及び下側スイッチ素子11Lそれぞれを相補的にオン/オフ制御するように、上側制御信号HS及び下側制御信号LSを生成する。
【0035】
本明細書中における「相補的」という文言は、上側スイッチ素子11H及び下側スイッチ素子11Lそれぞれのオン/オフ状態が完全に逆転している場合のほか、上側スイッチ素子11H及び下側スイッチ素子11Lのオン/オフ遷移タイミングに遅延が与えられている場合(いわゆる同時オフ期間(デッドタイム)が設けられている場合)も包含するものとして広義に解釈され得る。
【0036】
なお、ロジック14による出力帰還制御については、既存の周知技術(電圧モード制御方式、電流モード制御方式、又は、ヒステリシス制御方式など)が適用され得る。
【0037】
レベルシフタ15は、上側制御信号HSの信号レベルをシフトして、レベルシフト済みの上側制御信号HS’を生成する。
【0038】
図2は、本比較例の動作波形を示す図である。本図では、上から順に、上側ゲート・ソース間電圧VgsH、下側ゲート・ソース間電圧VgsL、スイッチ電圧Vsw、上側スイッチ素子11Hに流れる上側スイッチ電流IHQ、及び、下側スイッチ素子11Lに流れる下側スイッチ電流ILQがそれぞれ描写されている。
【0039】
なお、上側スイッチ電流IHQについては、VBUSピンからSWピンに向かう方向を正(+)とし、逆方向を負(-)として定義している。また、下側スイッチ電流ILQについては、SWピンからGND1ピンに向かう方向を正(+)とし、逆方向を負(-)として定義している。
【0040】
時刻t12~t13では、上側ゲート・ソース間電圧VgsHがハイレベル(≒VC)とされて、下側ゲート・ソース間電圧VgsLがローレベル(≒0)とされている。従って、上側スイッチ素子11Hがオン状態となり、下側スイッチ素子11Lがオフ状態となる。そのため、正の上側スイッチ電流IHQが増大してスイッチ電圧Vswがハイレベル(≒VIN)となる。なお、このとき、下側スイッチ電流ILQは流れない。
【0041】
時刻t13では、上側スイッチ電流IHQが流れている最中に上側ゲート・ソース間電圧VgsHがローレベル(≒0)に立ち下げられて、上側スイッチ素子11Hがオフ状態に切り替えられている。このとき、一次巻線Lp及びインダクタLrは、自身に流れる一次電流Ipを保持しようとする。
【0042】
ただし、上側スイッチ素子11Hを介する電流経路は遮断されており、正の上側スイッチ電流IHQは流れない。従って、一次電流Ipは、下側スイッチ素子11Lを介する逆導通電流(=負の下側スイッチ電流ILQ)として流れる。このとき、スイッチ電圧Vswは、接地電圧GND1(=0V)よりも下側ソース・ドレイン間電圧VsdLだけ低い負電圧(=-VsdL)まで低下する。
【0043】
時刻t14~t15では、上側スイッチ素子11Hがオフ状態となり、下側スイッチ素子11Lがオン状態となる。そのため、正の下側スイッチ電流ILQが増大してスイッチ電圧Vswがローレベル(≒GND1)となる。なお、このとき、上側スイッチ電流IHQは流れない。
【0044】
時刻t15では、下側スイッチ電流ILQが流れている最中に下側ゲート・ソース間電圧VgsLがローレベル(≒0)に立ち下げられて、下側スイッチ素子11Lがオフ状態に切り替えられている。このとき、一次巻線Lp及びインダクタLrは、自身に流れる一次電流Ipを保持しようとする。
【0045】
ただし、下側スイッチ素子11Lを介する電流経路は遮断されており、正の下側スイッチ電流ILQは流れない。従って、一次電流Ipは、上側スイッチ素子11Hを介する逆導通電流(=負の上側スイッチ電流IHQ)として流れる。このとき、スイッチ電圧Vswは、直流入力電圧VINよりも上側ソース・ドレイン間電圧VsdHだけ高い正電圧(=VIN+VsdH)まで上昇する。
【0046】
<逆導通損失に関する考察>
ところで、上側スイッチ素子11H及び下側スイッチ素子11Lがいずれもオフ状態とされるデッドタイム区間Tdには、上側スイッチ素子11H及び下側スイッチ素子11Lそれぞれの逆導通損失Ploss(=Vsd×IQ×Td×Fsw×2、ただしVsd=VsdH=VsdL、IQ=IHQ=ILQ、Fswはスイッチング周波数)が生じる。
【0047】
なお、上側スイッチ素子11H及び下側スイッチ素子11LがいずれもMOSFETである場合、Vsd=Vf(ただしVfはMOSFETに付随するボディダイオードの順方向降下電圧)となる。一般には、Vsd=0.7V~1V程度となる。
【0048】
一方、上側スイッチ素子11H及び下側スイッチ素子11LがいずれもGaNデバイスである場合には、Vsd=Vth-Vgs+Ron×IQ(ただしVth及びRonはGaNデバイスのオン閾値電圧及びオン抵抗)となる。一般には、Vsd=3~4V(@Vgs=0V)程度となる。
【0049】
図3は、比較例の逆導通損失Plossを示す図である。本図で示すように、上側スイッチ素子11H及び下側スイッチ素子11Lとして、エンハンスメントモードのGaNデバイスが使用される場合(本図右側)には、MOSFETが使用される場合(本図左側)と比べて、逆導通損失Plossが増大する。
【0050】
例えば、Vf=1V、Vth=1.4V、Vgs=0V、Ron=70mΩ、IQ=5A、Fsw=300kHz、Td=100nsとすると、MOSFET使用時の逆導通損失Plossは0.30Wとなり、GaNデバイス使用時の逆導通損失Plossは0.53Wとなる。
【0051】
このように、GaNデバイスは、MOSFETと比べて小型で高周波数駆動が可能である反面、デッドタイム区間Tdでの逆導通損失Plossが増大する。なお、デッドタイム区間Tdの逆導通損失Plossは、スイッチング周波数Fswに比例して増大する。そのため、GaNデバイスの高周波数駆動が要求されるアプリケーションでは、デッドタイム区間Tdの逆導通損失Plossを低減することが重要となる。
【0052】
<スイッチング電源(第1実施形態)>
図4は、スイッチング電源1の第1実施形態を示す図である。本実施形態のスイッチング電源1は、先出の比較例(
図1)を基本としつつ、半導体装置10の内部構成に変更が加えられている。本図に即して述べると、半導体装置10は、既出の構成要素に加えて、逆導通損失低減回路16をさらに備えている。
【0053】
なお、以下の説明では、上側スイッチ素子11H及び下側スイッチ素子11Lは、それぞれ、上側ゲート・ソース間電圧VgsH及び下側ゲート・ソース間電圧VgsLに応じた逆導通特性を持つエンハンスメントモードのGaNデバイスであるものとする。
【0054】
逆導通損失低減回路16は、上側スイッチ素子11H及び下側スイッチ素子11Lそれぞれの逆導通時に上側ゲート・ソース間電圧VgsH及び下側ゲート・ソース間電圧VgsLをそれぞれ所定のバイアス電圧Vxまで引き上げておく機能を備えている。
【0055】
本図に即して述べると、逆導通損失低減回路16は、上側プリオンドライバ16Hと、下側プリオンドライバ16Lと、を含む。
【0056】
上側プリオンドライバ16Hは、上側スイッチ素子11Hの逆導通時に上側スイッチ素子11Hの上側ゲート・ソース間電圧VgsHを0Vからバイアス電圧Vxまで引き上げておくように動作する。
【0057】
例えば、上側プリオンドライバ16Hは、下側スイッチ素子11Lのオン期間中に上側スイッチ素子11Hの上側ゲート・ソース間電圧VgsHを0Vからバイアス電圧Vxまで引き上げておくように動作してもよい。
【0058】
本図に即して述べると、上側プリオンドライバ16Hは、トランジスタP3(例えばPチャネル型MOSFET)と、トランジスタN3及びN4(例えばNチャネル型MOSFET)と、電圧源E3と、電流源CS1と、を含む。
【0059】
トランジスタP3のソースと電流源CS1の第1端は、いずれもHVCCピンに接続されている。トランジスタP3のドレインは、トランジスタN3のドレインに接続されている。トランジスタN3のソースは、上側ゲート信号HGの印加端(=上側スイッチ素子11Hのゲート)に接続されている。トランジスタP3のゲートは、上側駆動ロジック13Hの出力端に接続されている。
【0060】
トランジスタN3のゲートと電流源CS1の第2端は、いずれもトランジスタN4のドレインに接続されている。トランジスタN4のゲートは、トランジスタN4のドレインに接続されている。トランジスタN4のソースは、電圧源E3の正極端に接続されている。電圧源E3の負極端は、SWピンに接続されている。電圧源E3は、その負極端に印加されるスイッチ電圧Vswを基準として、その正極端にバイアス電圧Vxを生成する。
【0061】
例えば、トランジスタP1及びP3がいずれもオフ状態とされて、トランジスタN1がオン状態とされているときには、上側ゲート信号HGとしてスイッチ電圧Vswが印加される。従って、上側ゲート・ソース間電圧VgsH(=HG-Vsw)が0Vとなる。
【0062】
一方、トランジスタP1及びN1がいずれもオフ状態とされて、トランジスタP3がオン状態とされているときには、上側ゲート信号HGとしてスイッチ電圧Vswよりもバイアス電圧Vxだけ高い電圧(=Vsw+Vx)が印加される。従って、上側ゲート・ソース間電圧VgsH(=HG-Vsw)としてバイアス電圧Vxが印加される。
【0063】
下側プリオンドライバ16Lは、下側スイッチ素子11Lの逆導通時に下側スイッチ素子11Lの下側ゲート・ソース間電圧VgsLを0Vからバイアス電圧Vxまで引き上げておくように動作する。
【0064】
例えば、下側プリオンドライバ16Lは、上側スイッチ素子11Hのオン期間中に下側スイッチ素子11Lの下側ゲート・ソース間電圧VgsLを0Vからバイアス電圧Vxまで引き上げておくように動作してもよい。
【0065】
本図に即して述べると、下側プリオンドライバ16Lは、トランジスタP4(例えばPチャネル型MOSFET)と、トランジスタN5及びN6(例えばNチャネル型MOSFET)と、電圧源E4と、電流源CS2と、を含む。
【0066】
トランジスタP4のソースと電流源CS2の第1端は、いずれもLVCCピンに接続されている。トランジスタP4のドレインは、トランジスタN5のドレインに接続されている。トランジスタN5のソースは、下側ゲート信号LGの印加端(=下側スイッチ素子11Lのゲート)に接続されている。トランジスタP4のゲートは、下側駆動ロジック13Lの出力端に接続されている。
【0067】
トランジスタN5のゲートと電流源CS2の第2端は、いずれもトランジスタN6のドレインに接続されている。トランジスタN6のゲートは、トランジスタN6のドレインに接続されている。トランジスタN6のソースは、電圧源E4の正極端に接続されている。電圧源E4の負極端は、GNDピンに接続されている。電圧源E4は、その負極端に印加される接地電圧GND1を基準として、その正極端にバイアス電圧Vxを生成する。
【0068】
例えば、トランジスタP2及びP4がいずれもオフ状態とされて、トランジスタN2がオン状態とされているときには、下側ゲート信号LGとして接地電圧GND1が印加される。従って、下側ゲート・ソース間電圧VgsL(=LG-GND1)が0Vとなる。
【0069】
一方、トランジスタP2及びN2がいずれもオフ状態とされて、トランジスタP4がオン状態とされているときには、下側ゲート信号LGとして接地電圧GND1よりもバイアス電圧Vxだけ高い電圧(=GND1+Vx)が印加される。従って、下側ゲート・ソース間電圧VgsL(=LG-GND1)としてバイアス電圧Vxが印加される。
【0070】
図5は、第1実施形態の動作波形を示す図である。本図では、先出の
図2と同じく、上から順に、上側ゲート・ソース間電圧VgsH、下側ゲート・ソース間電圧VgsL、スイッチ電圧Vsw、上側スイッチ電流IHQ、及び、下側スイッチ電流ILQがそれぞれ描写されている。
【0071】
本図で示した第1実施形態の動作波形は、基本的に、比較例の動作波形(
図2)と同様である。すなわち、
図2の時刻t11~t16を、本図の時刻t21~t26と読み替えることにより、スイッチング電源1の基本動作が理解され得る。
【0072】
ただし、本実施形態のスイッチング電源1では、先の逆導通損失低減回路16により、上側ゲート・ソース間電圧VgsH及び下側ゲート・ソース間電圧VgsLそれぞれのバイアス印加制御が行われる。
【0073】
本図に即して述べると、下側スイッチ素子11Lの逆導通時(例えば時刻t23~t24)には、下側ゲート・ソース間電圧VgsLがバイアス電圧Vxまで引き上げられる。例えば、下側ゲート・ソース間電圧VgsLは、上側ゲート・ソース間電圧VgsHがハイレベルに立ち上げられてから待機時間Twが経過した時点で0Vからバイアス電圧Vxまで立ち上げられてもよい。このようなバイアス印加制御により、下側ソース・ドレイン間電圧VsdL(=Vth-VgsL+Ron×ILQ)は、バイアス非印加時(VgsL=0V)のそれと比べてバイアス電圧Vxの分だけ低下する。従って、下側スイッチ素子11Lの逆導通損失を低減することが可能となる。
【0074】
また、例えば、上側スイッチ素子11Hの逆導通時(例えば時刻t21~t22及び時刻t25~t26)には、上側ゲート・ソース間電圧VgsHがバイアス電圧Vxまで引き上げられる。例えば、上側ゲート・ソース間電圧VgsHは、下側ゲート・ソース間電圧VgsLがハイレベルに立ち上げられてから待機時間Twが経過した時点で0Vからバイアス電圧Vxまで立ち上げられてもよい。このようなバイアス印加制御により、上側ソース・ドレイン間電圧VsdH(=Vth-VgsH+Ron×IHQ)は、バイアス非印加時(VgsH=0V)のそれと比べてバイアス電圧Vxの分だけ低下する。従って、上側スイッチ素子11Hの逆導通損失を低減することが可能となる。
【0075】
なお、バイアス電圧Vxは、0Vよりも高く上側スイッチ素子11H及び下側スイッチ素子11Lそれぞれのオン閾値電圧Vthよりも低い電圧値(例えばVx=0.8V)に設定されてもよい。このような電圧設定によれば、上側スイッチ素子11H及び下側スイッチ素子11Lの同時オンが防止され得る。
【0076】
図6は、第1実施形態の逆導通損失を示す図である。本図で示すように、ゲート・ソース間電圧Vgsとしてバイアス電圧Vxが印加される場合(本図右側)には、バイアス電圧Vxが印加されない場合(本図左側)と比べて、逆導通損失Plossが低減される。
【0077】
例えば、Vth=1.4V、Vx=0.8V、Ron=70mΩ、IQ=5A、Fsw=300kHz、Td=100nsとすると、バイアス非印加時の逆導通損失Plossは0.53Wとなり、バイアス印加時の逆導通損失Plossは0.32Wとなる。
【0078】
<スイッチング電源(第2実施形態)>
図7は、スイッチング電源1の第2実施形態を示す図である。本実施形態のスイッチング電源1は、先出の第1実施形態(
図4)を基本としつつ、直流入力電圧VINから直流出力電圧VOUTを生成するスイッチング出力段のトポロジが変更されている。
【0079】
本図に即して述べると、本実施形態のスイッチング電源1では、先出のトランスTR、インダクタLr、キャパシタC2及びC3、ダイオードD2及びD3に代えて、インダクタL1及びキャパシタC4が半導体装置10に外付けされている。
【0080】
インダクタL1の第1端は、半導体装置10のSWピンに接続されている。インダクタL1の第2端とキャパシタC4の第1端は、いずれも直流出力電圧VOUTの印加端に接続されている。キャパシタC4の第2端は、半導体装置10のGNDピン(=接地電圧GND1の印加端)に接続されている。
【0081】
上記のように接続されたインダクタL1とキャパシタC4は、半導体装置10に内蔵される上側スイッチ素子11H及び下側スイッチ素子11Lとともに、直流入力電圧VINから直流出力電圧VOUTを生成するBUCK型のスイッチング出力段を形成している。
【0082】
また、上記のトポロジ変更に伴い、半導体装置10の内部構成にも変更が加えられている。本図に即して述べると、先出の上側プリオンドライバ16Hが取り除かれている。
【0083】
図8は、第2実施形態の動作波形を示す図である。本図では、先出の
図2及び
図5と同じく、上から順に、上側ゲート・ソース間電圧VgsH、下側ゲート・ソース間電圧VgsL、スイッチ電圧Vsw、上側スイッチ電流IHQ、及び、下側スイッチ電流ILQがそれぞれ描写されている。
【0084】
本実施形態のスイッチング電源1では、先出の逆導通損失低減回路16により、下側ゲート・ソース間電圧VgsLのバイアス印加制御が行われる。
【0085】
本図に即して述べると、下側スイッチ素子11Lの逆導通時(例えば時刻t33~t34)には、下側ゲート・ソース間電圧VgsLがバイアス電圧Vxまで引き上げられる。例えば、下側ゲート・ソース間電圧VgsLは、上側ゲート・ソース間電圧VgsHがハイレベルに立ち上げられてから待機時間Twが経過した時点で0Vからバイアス電圧Vxまで立ち上げられてもよい。このようなバイアス印加制御により、下側ソース・ドレイン間電圧VsdL(=Vth-VgsL+Ron×ILQ)は、バイアス非印加時(VgsL=0V)の下側ソース・ドレイン間電圧VsdL’と比べてバイアス電圧Vxの分だけ低下する。従って、下側スイッチ素子11Lの逆導通損失を低減することが可能となる。
【0086】
このように、逆導通損失低減回路16は、ソフトスイッチング制御されるLLC共振コンバータだけでなく、ハードスイッチング制御されるBUCKコンバータの同期整流側にも適用され得る。
【0087】
<総括>
以下では、上記で説明した種々の実施形態について総括的に述べる。
【0088】
例えば、本明細書中に開示されている逆導通損失低減回路は、ゲート・ソース間電圧に応じた逆導通特性を持つエンハンスメントモードのスイッチ素子の逆導通時に前記スイッチ素子の前記ゲート・ソース間電圧を所定のバイアス電圧まで引き上げておく構成(第1の構成)とされている。
【0089】
上記第1の構成による逆導通損失低減回路において、前記バイアス電圧は、0Vよりも高く前記スイッチ素子のオン閾値電圧よりも低い構成(第2の構成)としてもよい。
【0090】
また、本明細書中に開示されている半導体装置は、上記第1又は第2の構成による逆導通損失低減回路を備える構成(第3の構成)とされている。
【0091】
なお、上記第3の構成による半導体装置は、前記スイッチ素子として、第1電圧の印加端と第2電圧の印加端との間に直列に接続された上側スイッチ素子及び下側スイッチ素子を備える構成(第4の構成)としてもよい。
【0092】
また、上記第4の構成による半導体装置において、前記逆導通損失低減回路は、前記下側スイッチ素子の逆導通時に前記下側スイッチ素子のゲート・ソース間電圧を前記バイアス電圧まで引き上げておくように構成された下側プリオンドライバを含む構成(第5の構成)としてもよい。
【0093】
また、上記第5の構成による半導体装置において、前記下側プリオンドライバは、前記上側スイッチ素子のオン期間中に前記下側スイッチ素子のゲート・ソース間電圧を前記バイアス電圧まで引き上げておく構成(第6の構成)としてもよい。
【0094】
また、上記第5または第6の構成による半導体装置において、前記逆導通損失低減回路は、前記上側スイッチ素子の逆導通時に前記上側スイッチ素子のゲート・ソース間電圧を前記バイアス電圧まで引き上げておくように構成された上側プリオンドライバをさらに含む構成(第7の構成)としてもよい。
【0095】
また、上記第7の構成による半導体装置において、前記上側プリオンドライバは、前記下側スイッチ素子のオン期間中に前記上側スイッチ素子のゲート・ソース間電圧を前記バイアス電圧まで引き上げておく構成(第8の構成)としてもよい。
【0096】
また、上記第3~第8いずれかの構成による半導体装置において、前記スイッチ素子はGaNデバイスである構成(第9の構成)としてもよい。
【0097】
また、例えば、本明細書中に開示されているスイッチング電源は、上記第3~第9いずれかの構成による半導体装置と、前記半導体装置に外付けされて入力電圧から所望の出力電圧を生成するように構成された出力段とを備える構成(第10の構成)とされている。
【0098】
<その他の変形例>
なお、本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。また、本開示の技術的範囲は、特許請求の範囲により規定されるものであって、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0099】
1 スイッチング電源
1p 一次回路系(GND1系)
1s 二次回路系(GND2系)
10 半導体装置
11H 上側スイッチ素子
11L 下側スイッチ素子
12H 上側ドライバ
12L 下側ドライバ
13H 上側駆動ロジック
13L 下側駆動ロジック
14 ロジック
15 レベルシフタ
16 逆導通損失低減回路
16H 上側プリオンドライバ
16L 下側プリオンドライバ
C1~C4 キャパシタ
CS1、CS2 電流源
D1~D3 ダイオード
E1~E4 電圧源
FB 出力帰還回路
L1、Lr インダクタ
Lp 一次巻線
Ls1、Ls2 二次巻線
N1~N6 トランジスタ(NMOSFET)
P1~P4 トランジスタ(PMOSFET)
TR トランス