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特開2024-44503放送システム及びそのCMオンエア確認方法
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  • 特開-放送システム及びそのCMオンエア確認方法 図1
  • 特開-放送システム及びそのCMオンエア確認方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044503
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】放送システム及びそのCMオンエア確認方法
(51)【国際特許分類】
   H04H 20/14 20080101AFI20240326BHJP
   H04H 60/37 20080101ALI20240326BHJP
   H04H 60/59 20080101ALI20240326BHJP
   H04N 21/24 20110101ALI20240326BHJP
【FI】
H04H20/14
H04H60/37
H04H60/59
H04N21/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150064
(22)【出願日】2022-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 信行
(72)【発明者】
【氏名】三腰 稔洋
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA04
5C164MA05S
5C164SB01S
5C164SB41P
5C164YA21
(57)【要約】
【課題】 放送システムにおいて、CMコードの入力間違いをなくし、CMのオンエアを確実に確認可能とする。
【解決手段】 実施形態によれば、搬入されたCMコンテンツをオンエアスケジュールに従ってオンエアする放送システムにおいて、前記CMコンテンツのオンエアを確認し上位装置に通知するCMオンエア管理装置を備える。前記CMオンエア管理装置は、前記CMコンテンツのオンエア前に当該CMコンテンツから映像特徴量を抽出し、前記オンエア後のCMコンテンツから映像特徴量を抽出し、前記オンエア前に抽出された映像特徴量と前記オンエア後に抽出された映像特徴量とを比較して両者の同一性を判断し、その判断結果を上位装置に通知する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬入されたCM(Commercial Message)コンテンツをオンエアスケジュールに従ってオンエアする放送システムにおいて、
前記CMコンテンツのオンエアを確認し上位装置に通知するCMオンエア管理装置を備え、
前記CMオンエア管理装置は、
前記CMコンテンツのオンエア前に当該CMコンテンツから映像特徴量を抽出するオンエア前特徴量抽出手段と、
前記オンエア後のCMコンテンツから映像特徴量を抽出するオンエア後特徴量抽出手段と、
前記オンエア前に抽出された映像特徴量と前記オンエア後に抽出された映像特徴量とを比較して両者の同一性を判断し、その判断結果を前記上位装置に通知する比較処理手段と
を具備する放送システム。
【請求項2】
前記オンエア前特徴量抽出手段は、前記CMコンテンツのプレビュー時に前記映像特徴量を抽出する請求項1記載の放送システム。
【請求項3】
搬入されたCM(Commercial Message)コンテンツをオンエアスケジュールに従ってオンエアする放送システムに用いられ、
前記CMコンテンツのオンエアを確認し上位装置に通知する場合に、
前記CMコンテンツのオンエア前に当該CMコンテンツから映像特徴量を抽出し、
前記オンエア後のCMコンテンツから映像特徴量を抽出し、
前記オンエア前に抽出された映像特徴量と前記オンエア後に抽出された映像特徴量とを比較して両者の同一性を判断し、その判断結果を前記上位装置に通知する
放送システムのCMオンエア確認方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、放送システム及びそのCMオンエア確認方法に関する。
【背景技術】
【0002】
放送局では、ビジネスの1つとして、CM(Commercial Message:商業的表示(広告))をオンエア(以下、OA)し、そのOA費用をスポンサーから受領しており、スポンサーよって指定された時間帯に指定されたCMが流れたか否かを確認し、その確認結果をスポンサーに対して回答している。
【0003】
この方式は、CMバンクシステムにおいて、搬入されたCMコンテンツファイルをプレイアウトサーバに格納し、OAスケジュールに従ってサーバから読み出し、デコーダでOA用のフォーマットに変換してマスターシステムに送る。この際、営業放送(いわゆる営放)システムから指示があったCMコードを該当するCMコンテンツにおける映像の特定のANC(アンシラリー)領域に重畳しておく。マスターシステムでは、OA映像を放送データとして送信する際に、OA映像からCMコードを確認用に抽出する。営放システムでは、CMバンクシステムに指示したCMコードとマスターシステムで抽出されたCMコードとをマッチングし、その結果をOAの証としてスポンサーに提出している。
【0004】
しかしながら、従来のCMオンエア確認方法では、営放システムにおいて、CMコードの指示入力を取り違える等の間違いが起こる可能性があり、信頼性に問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-058049号公報
【特許文献2】特開2001-313960号公報
【特許文献3】特開平11-168759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上述べたように、従来の放送システムでは、CMのオンエア確認処理において、CMコードの入力間違いが起こる可能性があり、信頼性に問題があった。
【0007】
本実施形態は上記課題に鑑みなされたもので、CMコードの入力間違いをなくし、CMのオンエアを確実に確認することのできる放送システムとそのCMオンエア確認方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本実施形態によれば、搬入されたCMコンテンツをオンエアスケジュールに従ってオンエアする放送システムにおいて、前記CMコンテンツのオンエアを確認し上位装置に通知するCMオンエア管理装置を備え、前記CMオンエア管理装置は、前記CMコンテンツのオンエア前に当該CMコンテンツから映像特徴量を抽出する手段と、前記オンエア後のCMコンテンツから映像特徴量を抽出する手段と、前記オンエア前に抽出された映像特徴量と前記オンエア後に抽出された映像特徴量とを比較して両者の同一性を判断し、その判断結果を上位装置に通知する。
【0009】
具体的には、上記放送システムは、CMバンクシステムと、マスターシステムと、営業放送システムと、CMオンエア管理装置とを備える。CMバンクシステムは、搬入されたCMコンテンツを格納し、オンエアスケジュールに従って読み出してマスターシステムに送る。マスターシステムは、CMバンクシステムからのCMコンテンツをオンエア条件に合わせた上でオンエア用放送信号に組み込んで出力する。営業放送システムは、CMオンエアを含む放送業務を一元的に管理する。CMオンエア管理装置は、映像認識エンジンを備え、営業放送システムからのCMオンエア確認の指示を受け、CMバンクシステムで事前にCMコンテンツをプレビューする際に、そのCMコンテンツから映像の特徴量を抽出し、マスターシステムでオンエアした際に、そのCMコンテンツから映像の特徴量を抽出し、前記映像認識エンジンによってプレビュー時の映像特徴量とオンエア時の映像特徴量とを比較して、両者の同一性判断からオンエアの素材自体で確認する方式を採用し、CMコードの入力を省き、間違いをなくすことで、CMのオンエアを確実に確認し、信頼性を確保する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係る放送システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、図1に示す放送システムのCMオンエア確認方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、実施形態に係る放送システムの構成を示すブロック図である。図1において、11はCMバンクシステム、12はマスターシステム、13は営業放送システム、14はCMオンエア管理装置である。
【0013】
CMバンクシステム11は、搬入されたCMコンテンツをプレイアウトサーバ111に格納し、OAスケジュールに従ってサーバから読み出し、デコーダ112でOA用のフォーマットに変換してマスターシステム12に送る。マスターシステム12は、CMバンクシステム11からのCMコンテンツを映像加工部121に入力し、オンエア条件に合わせた映像に加工した上で、符号化・多重化処理部122に入力し、映像・音声・テキスト等を含むオンエア用放送信号に変換して送出装置(図示せず)に送信する。
【0014】
営業放送システム13は、民放が放送する番組、CMなどの情報や関連業務を一元的に管理する業務系基幹システムである。CMオンエア管理装置14は、映像認識エンジンを備え、営業放送システム13からのCMオンエア確認の指示を受け、CMバンクシステムで事前にCMコンテンツをプレビューする際に、そのCMコンテンツから映像の特徴量を抽出し、マスターシステム12でオンエアした際に、そのCMコンテンツから映像の特徴量を抽出し、映像認識エンジンによってプレビュー時の映像特徴量とオンエア時の映像特徴量とを比較して、両者の同一性判断から素材自体でオンエアを確認し、営業放送システム13に比較結果を通知する。
【0015】
図2は、図1に示すCMオンエア管理装置14のCMオンエア確認方法を示すフローチャートである。図2において、営業放送システム13からCMオンエア確認指示を受けると(ステップS11)、CMバンクシステム11でのプレビューCMから映像特徴量Aを抽出して保存し(ステップS12)、CMオンエアを待機する(ステップS13)。CMがオンエアされた場合には、オンエアCMから映像特徴量A’を抽出し(ステップS14)、映像認識エンジンによってプレビューCMの映像特徴量AとオンエアCMの映像特徴量A’とを比較して(ステップS15)、両者の映像特徴量A、A’が一致するか判断する(ステップS16)。一致した場合には、CMオンエアが正常であったことを営業放送システム13に通知し(ステップS17)、不一致の場合には、アラームを出力して営業放送システム13にその旨を通知する(ステップS18)。
【0016】
すなわち、本実施形態では、CMコードの入力の間違いをなくすため、CMコードを利用せず、CMオンエア管理装置14において、映像認識技術を採用し、プレビュー時のCMコンテンツから映像特徴量Aを抽出し、オンエア時のCMコンテンツから映像特徴量A’を抽出し、OA前後のCMコンテンツから抽出された映像特徴量A、A’を比較してその一致を判断することで、指定のCMが指定通り流れたかを確認する。このように、OAの素材自体で確認する方式としたことで、CMコードの入力を省き、間違いをなくすことができる。
【0017】
なお、本発明は上記実施形態をそのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0018】
11…CMバンクシステム、111…プレイアウトサーバ、112…デコーダ、12…マスターシステム、121…映像加工部、122…符号化・多重化処理部、13…営業放送システム、14…CMオンエア管理装置。
図1
図2