(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044507
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20240326BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20240326BHJP
H01L 21/306 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
H01L21/68 A
H01L21/304 651Z
H01L21/304 648A
H01L21/304 642A
H01L21/304 651B
H01L21/306 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150068
(22)【出願日】2022-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100093056
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100142930
【弁理士】
【氏名又は名称】戸高 弘幸
(74)【代理人】
【識別番号】100175020
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 知彦
(74)【代理人】
【識別番号】100180596
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 要
(74)【代理人】
【識別番号】100195349
【弁理士】
【氏名又は名称】青野 信喜
(72)【発明者】
【氏名】前川 直嗣
【テーマコード(参考)】
5F043
5F131
5F157
【Fターム(参考)】
5F043DD23
5F043EE35
5F043EE36
5F131AA02
5F131AA03
5F131AA10
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5F131DD86
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5F157DC01
5F157DC90
(57)【要約】
【課題】バッチ式モジュールと枚葉式モジュールを備えた装置の構成を見直すことにより、スループットが改善された基板処理装置を提供する。
【解決手段】本発明の処理ブロック9の枚葉処理に係る枚葉処理領域R2には、第1搬送機構HTRとセンターロボットCRの両方が基板を受け渡し可能なバッファ部31が設けられている。したがって、第1搬送機構HTRは、バッファ部31を介して処理済みの基板Wおよび未処理の基板を一括して受け渡しすることができる。したがって、第1搬送機構HTRの潜在力が引き出され、スループットの高い基板処理装置1が提供できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の基板を一括して処理するバッチ処理と、基板を1枚ずつ処理する枚葉処理とを連続して行う基板処理装置であって、
ストッカーブロックと、前記ストッカーブロックに隣接する移載ブロックと、前記移載ブロックに隣接する処理ブロックとを備え、
前記ストッカーブロックは、複数枚の基板を水平姿勢で所定間隔を空けて鉛直方向に収納する少なくとも一つのキャリアを収容し、前記キャリアからの基板の出し入れのために前記キャリアが載置される少なくとも一つの基板取り出し・収納用のキャリア載置棚を備え、
前記移載ブロックは、前記キャリア載置棚に載置されたキャリアに対して複数枚の基板を一括して取り出し・収納する基板ハンドリング機構と、
複数枚の基板を一括して水平姿勢と鉛直姿勢とに亘って姿勢変換する第1姿勢変換機構とを備え、
前記処理ブロックは、
一端側が前記移載ブロックに隣接し、他端側が前記移載ブロックから離れる方向に延びるバッチ処理領域と、
一端側が前記移載ブロックに隣接し、他端側が前記移載ブロックから離れる方向に延びる枚葉処理領域と、
前記バッチ処理領域と前記枚葉処理領域との間に介在して、一端が前記移載ブロックに隣接し、他端側が前記移載ブロックから離れる方向に延びる枚葉基板搬送領域と、
前記バッチ処理領域に沿って設けられ、一端側が前記移載ブロックにまで延び、他端側が前記移載ブロックから離れる方向に延びるバッチ基板搬送領域とを備え、
前記バッチ処理領域には、その領域が延びる方向に複数枚の基板を一括して浸漬処理する複数個のバッチ処理槽が並び、前記バッチ処理槽の少なくとも1つは複数枚の基板を一括して酸処理する薬液を収容するバッチ薬液処理槽であり、更に、前記移載ブロックに最も近い位置に複数枚の基板を一括して鉛直姿勢と水平姿勢に亘って姿勢変換する第2姿勢変換機構が設けられ、
前記枚葉処理領域には、その領域が延びる方向に基板を1枚ずつ処理する複数個の枚葉処理チャンバが並び、更に、前記移載ブロックに最も近い位置に複数枚の基板を水平姿勢で前記キャリアと同じ前記所定間隔を空けて鉛直方向に載置する基板載置部が設けられ、
前記枚葉基板搬送領域には、前記第2姿勢変換機構と前記枚葉処理チャンバと前記基板載置部との間で基板を搬送する枚葉基板搬送機構が設けられ、
前記バッチ基板搬送領域には、前記移載ブロック内に定められた基板受け渡し位置と前記バッチ処理槽と前記第2姿勢変換機構との間で複数枚の基板を一括して搬送するバッチ基板搬送機構が設けられ、
更に、前記移載ブロックの前記基板ハンドリング機構は、前記枚葉処理領域の前記基板載置部との間で複数枚の基板を一括して受け渡し可能に構成されていること
を特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置において、
前記バッチ処理領域には、前記バッチ薬液処理槽と、薬液処理された複数枚の基板を一括してリンス処理するリンス液を収容するバッチリンス処理槽が備えられており、
前記バッチ薬液処理槽は、前記バッチリンス処理槽よりも前記移載ブロックから離れた位置にあり、
前記枚葉処理領域には、基板を1枚ずつ液処理する枚葉液処理チャンバと、液処理された基板を1枚ずつ乾燥させる枚葉乾燥処理チャンバが備えられており、
前記枚葉乾燥処理チャンバは、前記枚葉液処理チャンバよりも前記移載ブロックに近い位置にあり、
前記移載ブロックにおいて、
前記基板ハンドリング機構は、前記キャリアから複数枚の基板を一括して取り出し、
前記第1姿勢変換機構は、取り出された複数枚の基板を水平姿勢から鉛直姿勢に姿勢変換し、
前記処理ブロックにおいて、
前記バッチ搬送機構は、前記移載ブロックの前記基板受け渡し位置で鉛直姿勢の複数枚の基板を一括して受け取り、受け取った複数枚の基板を前記バッチ薬液処理槽、前記バッチリンス処理槽、前記第2姿勢変換機構へその順に搬送し、
前記第2姿勢変換機構は、受け取った鉛直姿勢の複数枚の基板を水平姿勢に姿勢変換し、
前記枚葉基板搬送機構は、前記第2姿勢変換機構で水平姿勢に変換された基板を1枚ずつ前記枚葉液処理チャンバ、前記枚葉乾燥処理チャンバ、前記基板載置部へその順に搬送し、
前記移載ブロックにおいて、
前記処理ブロックにおける前記基板載置部に複数枚の基板が載置されたときに、前記基板ハンドリング機構は、前記基板載置部から複数枚の基板を一括して取り出し、取り出した複数枚の基板を前記キャリアへ一括して収納する
ことを特徴とする基板処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の基板処理装置において、
前記枚葉処理領域には、基板を1枚ずつ液処理する枚葉液処理チャンバが備えられており、
前記バッチ処理領域には、前記バッチ薬液処理槽と、薬液処理された複数枚の基板を一括してリンス処理するリンス液を収容するバッチリンス処理槽と、リンス処理された複数枚の基板を一括して乾燥処理するバッチ乾燥チャンバが備えられており、
前記バッチ乾燥チャンバは、前記バッチリンス処理槽よりも前記移載ブロックに近い位置にあり、
前記バッチリンス処理槽は、前記バッチ薬液処理槽よりも前記移載ブロックに近い側にあり、
前記移載ブロックにおいて、
前記基板ハンドリング機構は、複数枚の基板を前記キャリアから一括して取り出して前記処理ブロックにおける前記基板載置部に載置し、
前記処理ブロックにおいて、
前記枚葉基板搬送機構は、前記基板載置部に載置された複数枚の基板を1枚ずつ前記枚葉液処理チャンバ、第2姿勢変換機構へその順に搬送し、
前記第2姿勢変換機構は、水平姿勢の複数枚の基板を受け取ったときに、水平姿勢の複数枚の基板を鉛直姿勢に姿勢変換し、
前記バッチ搬送機構は、前記第2姿勢変換機構において鉛直姿勢の複数枚の基板を一括して受け取り、受け取った複数枚の基板を前記バッチ薬液処理槽、前記バッチリンス処理槽、前記バッチ乾燥チャンバ、前記移載ブロックにおける前記基板受け渡し位置へその順に搬送し、
前記移載ブロックにおいて、
前記第1姿勢変換機構は、前記基板受け渡し位置で受け取った複数枚の基板を鉛直姿勢から水平姿勢に姿勢変換し、
前記基板ハンドリング機構は、水平姿勢の複数枚の基板を前記キャリアへ一括して収納する
ことを特徴とする基板処理装置。
【請求項4】
前記請求項2に記載の基板処理装置において、
前記枚葉乾燥処理チャンバは、超臨界流体により基板を乾燥させる
ことを特徴とする基板処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の基板処理装置において、
前記枚葉基板搬送機構は、乾燥処理前の基板を搬送する第1ハンドと、前記第1ハンドの上部に備えられた乾燥処理後の基板を搬送する第2ハンドを備える
ことを特徴とする基板処理装置。
【請求項6】
請求項1に記載の基板処理装置において、
前記枚葉基板搬送機構は、乾燥処理前の基板を搬送する第1ロボットと、乾燥処理後の基板を搬送する第2ロボットを備える
ことを特徴とする基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板、液晶表示用や有機EL(Electroluminescence)表示装置などのFPD(Flat Panel Display)用基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等の各種基板に所定の処理を行う基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の装置として、バッチ式モジュール、枚葉式モジュールを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。バッチ式モジュールは、複数枚の基板に対して一括して所定の処理を行う。枚葉式モジュールは、1枚ずつの基板に所定の処理を行う。バッチ式モジュール、枚葉式モジュールには、それぞれ固有の長所がある。例えば、枚葉式モジュールは、バッチ式モジュールよりも、乾燥処理におけるパーティクル性能が高い。従って、バッチ式モジュール、枚葉式モジュールを備えた装置としては、バッチ式モジュールにおいて液処理を行った後、枚葉式モジュールにおいて乾燥処理を行う構成が考えられる。
【0003】
特許文献1の装置においては、バッチ式モジュール、枚葉式モジュールで処理がされた基板は、1枚ずつカセットに戻される。すなわち、従来構成によれば、枚葉式モジュールで処理された基板は、基板を1枚ずつ搬送するロボットに受け取られて、カセットに積層される構成となっている。つまり、特許文献1の装置は、バッチ式モジュールを持たず枚葉式モジュールにより基板処理を行う基板処理装置と同様な搬送方法で処理後の基板を1枚ずつカセットに戻す構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この様な構成を有する従来装置は、次のような問題を有する。
すなわち従来構成によれば、高いスループットを得ることできない。バッチ式モジュールを有する基板処理装置としては、カセットに配列された複数枚の基板を一括に取り出す基板ハンドリング機構を有しているものがある。このような基板ハンドリング機構は、1枚の基板を逐一搬送しなくてよく、スループットの向上に大きく貢献する。確かに、当該基板ハンドリング機構を有する装置構成は、未処理の基板をカセットから一括で取り出すという点が有利である。しかし、従来装置構成では、枚葉式モジュールから搬出される処理後の基板は、1枚ずつカセットに戻されている。したがって、処理後の基板がカセットに戻される段階において、基板ハンドリング機構の利点が生かされない。
【0006】
また、このような問題は、上述の基板処理装置に限って生じるものではない。枚葉式モジュール、バッチ式モジュールの順に基板処理を行う逆順の基板処理装置についても同様な問題が生じる。当該逆順の装置における基板搬送方法は、基板の流れが、バッチ式モジュール、枚葉式モジュール順に処理を行う上述の装置(正順の装置)における基板搬送方法の逆となる。したがって、一括式の基板ハンドリング機構を有する逆順の装置は、処理後の基板をカセットに一括で戻すという点が有利である。しかし、従来装置構成では、未処理の基板は、カセットから1枚ずつ枚葉式モジュールに搬送されている。つまり、逆順の装置においては、未処理の基板がカセットから取り出される段階において、基板ハンドリング機構の利点が生かされない。
【0007】
また、基板ハンドリング機構は、複数の可動部を有する複雑な装置である。この様な装置は、バッチ式モジュールで用いられている薬液の影響を受けて劣化する可能性がある。バッチ式モジュールにおける薬液は、リン酸などの腐食性の酸が用いられるからである。従来装置は、この点の検討が不十分であり、基板ハンドリング機構が酸による腐食から十分に保護されていない。基板ハンドリング機構が腐食により動作不良となれば、確実な基板の搬送が不可能となる。
【0008】
本発明はこの様な事情に鑑みてなされたものであって、バッチ式モジュールと枚葉式モジュールを備えた装置の構成を見直すことにより、スループットが改善され、確実に基板の搬送が可能な基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、この様な目的を達成するために、次のような構成をとる。
複数枚の基板を一括して処理するバッチ処理と、基板を1枚ずつ処理する枚葉処理とを連続して行う基板処理装置であって、ストッカーブロックと、前記ストッカーブロックに隣接する移載ブロックと、前記移載ブロックに隣接する処理ブロックとを備え、前記ストッカーブロックは、複数枚の基板を水平姿勢で所定間隔を空けて鉛直方向に収納する少なくとも一つのキャリアを収容し、前記キャリアからの基板の出し入れのために前記キャリアが載置される少なくとも一つの基板取り出し・収納用のキャリア載置棚を備え、前記移載ブロックは、前記キャリア載置棚に載置されたキャリアに対して複数枚の基板を一括して取り出し・収納する基板ハンドリング機構と、複数枚の基板を一括して水平姿勢と鉛直姿勢とに亘って姿勢変換する第1姿勢変換機構とを備え、前記処理ブロックは、一端側が前記移載ブロックに隣接し、他端側が前記移載ブロックから離れる方向に延びるバッチ処理領域と、一端側が前記移載ブロックに隣接し、他端側が前記移載ブロックから離れる方向に延びる枚葉処理領域と、前記バッチ処理領域と前記枚葉処理領域との間に介在して、一端が前記移載ブロックに隣接し、他端側が前記移載ブロックから離れる方向に延びる枚葉基板搬送領域と、前記バッチ処理領域に沿って設けられ、一端側が前記移載ブロックにまで延び、他端側が前記移載ブロックから離れる方向に延びるバッチ基板搬送領域とを備え、前記バッチ処理領域には、その領域が延びる方向に複数枚の基板を一括して浸漬処理する複数個のバッチ処理槽が並び、前記バッチ処理槽の少なくとも1つは複数枚の基板を一括して酸処理する薬液を収容するバッチ薬液処理槽であり、更に、前記移載ブロックに最も近い位置に複数枚の基板を一括して鉛直姿勢と水平姿勢に亘って姿勢変換する第2姿勢変換機構が設けられ、前記枚葉処理領域には、その領域が延びる方向に基板を1枚ずつ処理する複数個の枚葉処理チャンバが並び、更に、前記移載ブロックに最も近い位置に複数枚の基板を水平姿勢で前記キャリアと同じ前記所定間隔を空けて鉛直方向に載置する基板載置部が設けられ、前記枚葉基板搬送領域には、前記第2姿勢変換機構と前記枚葉処理チャンバと前記基板載置部との間で基板を搬送する枚葉基板搬送機構が設けられ、前記バッチ基板搬送領域には、前記移載ブロック内に定められた基板受け渡し位置と前記バッチ処理槽と第2姿勢変換機構との間で複数枚の基板を一括して搬送するバッチ基板搬送機構が設けられ、更に、前記移載ブロックの前記基板ハンドリング機構は、前記枚葉処理領域の前記基板載置部との間で複数枚の基板を一括して受け渡し可能に構成されていることを特徴とする基板処理装置。
【0010】
[作用・効果]上述した(1)に係る発明によれば、基板ハンドリング機構と枚葉基板搬送機構の両方が基板を受け渡し可能な基板載置部が枚葉処理領域に設けられている。したがって、基板ハンドリング機構は、基板載置部を介して枚葉処理領域間で基板を一括して受け渡しすることができる。具体的に、上述した正順の装置においては、枚葉基板搬送機構により1枚ずつ払い出される枚葉処理済みの基板が基板載置部において鉛直方向に配列されてストックされる。基板ハンドリング機構は、基板載置部にストックされた複数枚の基板を一括にキャリアに収納する。正順の装置において、基板ハンドリング機構がキャリアから未処理の基板を一括して取り出すのは従来構成と同様である。一方、逆順の装置においては、基板ハンドリング機構により一括して枚葉処理領域に持ち込まれる未処理の基板が基板載置部において鉛直方向に配列されてストックされる。枚葉基板搬送機構は、基板載置部にストックされた複数枚の基板を1枚ずつ枚葉処理チャンバに搬送する。逆順の装置において、基板ハンドリング機構がキャリアに処理済みの基板を一括して収容するのは従来構成と同様である。従って、いずれの装置構成でも、キャリアに対する基板の出し入れは基板ハンドリング機構により一括に行われる。この様に構成すれば、基板ハンドリング機構の潜在力が引き出され、スループットの高い基板処理装置が提供できる。
【0011】
また、上述した(1)に係る発明によれば、バッチ処理領域、枚葉処理領域、枚葉基板搬送領域、バッチ基板搬領域のそれぞれ一端が移載ブロックに隣接している。したがって、移載ブロックとバッチ処理領域との間、および移載ブロックと枚葉処理領域との間で、それぞれ基板の搬送距離が短くなり、これらの間の基板搬送を円滑に行うことができる。
【0012】
また、上述した(1)に係る発明によれば、処理ブロックにおいて、第2姿勢変換機構がバッチ薬液処理槽よりも移載ブロック側に位置しているので、移載ブロックに設けられた基板ハンドリング機構をバッチ薬液処理槽から十分に離間させることができる。この様に構成すれば、基板ハンドリング機構が酸による腐食から十分に保護され、基板ハンドリング機構が腐食により動作不良とならないので、確実な基板の搬送が可能となる。
【0013】
本発明は以下のような特徴も有している。
【0014】
(2)(1)に記載の基板処理装置において、前記バッチ処理領域には、前記バッチ薬液処理槽と、薬液処理された複数枚の基板を一括してリンス処理するリンス液を収容するバッチリンス処理槽が備えられており、前記バッチ薬液処理槽は、前記バッチリンス処理槽よりも前記移載ブロックから離れた位置にあり、前記枚葉処理領域には、基板を1枚ずつ液処理する枚葉液処理チャンバと、液処理された基板を1枚ずつ乾燥させる枚葉乾燥処理チャンバが備えられており、前記枚葉乾燥処理チャンバは、前記枚葉液処理チャンバよりも前記移載ブロックに近い位置にあり、前記移載ブロックにおいて、前記基板ハンドリング機構は、前記キャリアから複数枚の基板を一括して取り出し、前記第1姿勢変換機構は、取り出された複数枚の基板を水平姿勢から鉛直姿勢に姿勢変換し、前記処理ブロックにおいて、前記バッチ搬送機構は、前記移載ブロックの前記基板受け渡し位置で鉛直姿勢の複数枚の基板を一括して受け取り、受け取った複数枚の基板を前記バッチ薬液処理槽、前記バッチリンス処理槽、前記第2姿勢変換機構へその順に搬送し、前記第2姿勢変換機構は、受け取った鉛直姿勢の複数枚の基板を水平姿勢に姿勢変換し、前記枚葉基板搬送機構は、前記第2姿勢変換機構で水平姿勢に変換された基板を1枚ずつ前記枚葉液処理チャンバ、前記枚葉乾燥処理チャンバ、前記基板載置部へその順に搬送し、前記移載ブロックにおいて、前記処理ブロックにおける前記基板載置部に複数枚の基板が載置されたときに、前記基板ハンドリング機構は、前記基板載置部から複数枚の基板を一括して取り出し、取り出した複数枚の基板を前記キャリアへ一括して収納する。
【0015】
[作用・効果](2)のように構成すれば、複数枚の基板は、バッチ処理領域における移載ブロックから離れたバッチ薬液処理槽で薬液処理される。その後、複数枚の基板は、バッチ処理領域における移載ブロックに近いバッチリンス処理槽でリンス処理される。そして、リンス処理後、複数枚の基板は、移載ブロックに最も近い第2姿勢変換機構により鉛直姿勢から水平姿勢へ変換される。水平姿勢とされた複数枚の基板は、枚葉処理の待機状態となる。このように、(2)の構成によれば、移載ブロックとバッチ薬液処理槽との間にバッチリンス槽が位置するので、移載ブロックとバッチ薬液処理槽との距離は更に離れたものとなり、基板ハンドリング機構の故障が更に少なく、確実な基板の搬送が可能な基板処理装置が提供できる。
【0016】
また、(2)のように構成すれば、水平姿勢に変換された基板は1枚ずつ枚葉処理領域における移載ブロックから離れた枚葉液処理チャンバで液処理される。続いて枚葉乾燥処理チャンバで乾燥処理された基板は、バッチ処理領域における移載ブロックに近い基板載置部でストックされ基板ハンドリング機構による一括搬送の待機状態となる。このように(2)の構成によれば、処理ブロックにおいて基板が1枚ずつ移載ブロックに近づく方向に搬送されるのに従い、液処理、乾燥処理、一括搬送待機の各過程が順を追って実行される。したがって、本発明によれば、枚葉処理領域における基板の搬送距離が短く、スループットの高い基板処理装置が実現できる。
【0017】
(3)(1)に記載の基板処理装置において、前記枚葉処理領域には、基板を1枚ずつ液処理する枚葉液処理チャンバが備えられており、前記バッチ処理領域には、前記バッチ薬液処理槽と、薬液処理された複数枚の基板を一括してリンス処理するリンス液を収容するバッチリンス処理槽と、リンス処理された複数枚の基板を一括して乾燥処理するバッチ乾燥チャンバが備えられており、前記バッチ乾燥チャンバは、前記バッチリンス処理槽よりも前記移載ブロックに近い位置にあり、前記バッチリンス処理槽は、前記バッチ薬液処理槽よりも前記移載ブロックに近い側にあり、前記移載ブロックにおいて、前記基板ハンドリング機構は、複数枚の基板を前記キャリアから一括して取り出して前記処理ブロックにおける前記基板載置部に載置し、前記処理ブロックにおいて、前記枚葉基板搬送機構は、前記基板載置部に載置された複数枚の基板を1枚ずつ前記枚葉液処理チャンバ、第2姿勢変換機構へその順に搬送し、前記第2姿勢変換機構は、水平姿勢の複数枚の基板を受け取ったときに、水平姿勢の複数枚の基板を鉛直姿勢に姿勢変換し、前記バッチ搬送機構は、前記第2姿勢変換機構において鉛直姿勢の複数枚の基板を一括して受け取り、受け取った複数枚の基板を前記バッチ薬液処理槽、前記バッチリンス処理槽、前記バッチ乾燥チャンバ、前記移載ブロックにおける前記基板受け渡し位置へその順に搬送し、前記移載ブロックにおいて、前記第1姿勢変換機構は、前記基板受け渡し位置で受け取った複数枚の基板を鉛直姿勢から水平姿勢に姿勢変換し、前記基板ハンドリング機構は、水平姿勢の複数枚の基板を前記キャリアへ一括して収納する。
【0018】
[作用・効果](3)の構成は、上述した逆順の装置に本発明を適用した構成となっている。本発明は、逆順の装置に対しても、上述した(2)と同様な効果を奏する基板処理装置が提供できる。
【0019】
(4)(1)に記載の基板処理装置において、前記枚葉乾燥処理チャンバは、超臨界流体により基板を乾燥させる。
【0020】
[作用・効果](4)のように構成すれば、基板上に生成された回路パターンが確実に保持された状態で基板処理を実行することができる。
【0021】
(5)(1)に記載の基板処理装置において、前記枚葉基板搬送機構は、乾燥処理前の基板を搬送する第1ハンドと、前記第1ハンドの上部に備えられた乾燥処理後の基板を搬送する第2ハンドを備える。
【0022】
[作用・効果](5)のように構成すれば、乾燥処理後の基板が第1ハンドによって濡らされることなく、乾燥処理後の基板の乾燥状態を確実に保つことができる。
【0023】
(6)(1)に記載の基板処理装置において、前記枚葉基板搬送機構は、乾燥処理前の基板を搬送する第1ロボットと、乾燥処理後の基板を搬送する第2ロボットを備える。
【0024】
[作用・効果](6)のように構成すれば、乾燥処理前の基板を搬送するロボットとは別に乾燥処理後の基板を搬送するロボットが設けられているので、乾燥処理前の基板と、乾燥処理後の基板とを同時に搬送することができるので、基板処理装置のスループットが向上する。また、乾燥処理後の基板を搬送するロボットは、乾燥処理前の濡れた基板を把持することがないので、乾燥処理後の基板を搬送するロボットが濡れた状態で乾燥処理後の基板を搬送してしまうことがない。従って、この様に構成することで、基板の乾燥状態を確実に維持する基板処理装置が提供できる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、基板ハンドリング機構と枚葉基板搬送機構の両方が基板を受け渡し可能な基板載置部が枚葉処理領域に設けられている。したがって、基板ハンドリング機構は、基板載置部を介して枚葉処理領域との間で基板を一括して受け渡しすることができる。この様に構成すれば、キャリアに対する基板の出し入れは基板ハンドリング機構により一括に行われる。したがって、基板ハンドリング機構の潜在力が引き出され、スループットの高い基板処理装置が提供できる。また、本発明によれば、基板ハンドリング機構が設けられている移載ブロックとバッチ薬液処理槽との間には、第2姿勢変換機構が位置している。この様に構成すれば、第2姿勢変換機構が設けられる分だけバッチ薬液処理槽が移載ブロックから離れることになる。したがって、本発明によれば、移載ブロックにおける基板ハンドリング機構がバッチ薬液処理槽における酸によって腐食されることが極力防がれる。このように、本発明によれば、基板ハンドリング機構の故障が少なく、確実に基板を搬送することができる基板処理装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】実施例1に係る基板処理装置の全体構成を説明する平面図である。
【
図2】姿勢変換部を具体的に説明する斜視図である。
【
図4】基板処理の流れを説明するフローチャートである。
【
図9】実施例2に係る基板処理装置の全体構成を説明する平面図である。
【
図10】基板処理の流れを説明するフローチャートである。
【
図16】本発明の1変形例を説明する模式図である。
【
図17】本発明の1変形例を説明する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例について説明する。本発明の基板処理装置は、複数枚の基板Wを一括して処理するバッチ処理と、基板Wを1枚ずつ処理する枚葉処理とを連続して行う装置である。
【実施例0028】
<1.全体構成>
基板処理装置1は、
図1に示すように、隔壁により区画された各ブロックを有している。すなわち、基板処理装置1は、搬入出ブロック3と、搬入出ブロック3に隣接するストッカーブロック5と、ストッカーブロック5に隣接する移載ブロック7と、移載ブロック7に隣接する処理ブロック9を備えている。ストッカーブロック5は本発明のストッカーブロックに、移載ブロック7は本発明の移載ブロックに、処理ブロック9は本発明の処理ブロックに、それぞれ相当する。
【0029】
基板処理装置1は、例えば、基板Wに対して薬液処理、洗浄処理、乾燥処理などの各処理を行う。基板処理装置1は、複数枚の基板Wを一括に処理するバッチ式の処理方式と、基板Wを1枚ずつ処理する枚葉式の処理方式の両方を併用した処理方式(いわゆるハイブリッド方式)を採用している。バッチ式の処理方法は、鉛直姿勢で配列された複数枚の基板Wを一括で処理する処理方法である。枚葉式の処理方法は、水平姿勢となっている基板Wを1枚ずつ処理する処理方法である。
【0030】
本明細書では、便宜上、搬入出ブロック3と、ストッカーブロック5と、移載ブロック7と、処理ブロック9とが配列する方向を「前後方向X」とよぶ。当該前後方向Xは、水平に延びる。前後方向Xのうち、ストッカーブロック5から搬入出ブロック3に向かう方向を「前方」とよぶ。前方と反対側の方向を「後方」とよぶ。前後方向Xと直交する水平に延びる方向を「幅方向Y」とよぶ。「幅方向Y」の一方向を便宜上「右方」とよび、他方向を便宜上「左方」とよぶ。前後方向Xおよび幅方向Yと直交する方向(高さ方向)を便宜上「鉛直方向Z」とよぶ。各図では、参考として、前、後、右、左、上、下を適宜に示す。
【0031】
<2.搬入出ブロック>
搬入出ブロック3は、複数枚の基板Wを水平姿勢で所定間隔を空けて鉛直方向に収納するキャリアCがブロック内に投入されるときの入口である投入部11と、キャリアCがブロック外に払い出されるときの出口である払出部13を備える。投入部11および払出部13は、幅方向(Y方向)に延びる搬入出ブロック3の外壁に設けられている。投入部11は、基板処理装置1における幅方向(Y方向)の中央部から見て右方に設けられ、払出部13は、基板処理装置1における幅方向(Y方向)の中央部から見て右方と反対側の左方に設けられている。
【0032】
基板Wは、複数枚(例えば25枚)が1つのキャリアC内に水平姿勢で一定の間隔を空けて積層収納されている。基板処理装置1に搬入される未処理の基板Wを収納したキャリアCは、まず投入部11に載置される。投入部11は、例えば、キャリアCが載置される載置台15を2つ備える。キャリアCは、基板Wの面同士を離間させた状態で収容する水平方向に延びる複数の溝(図示省略)が形成されている。当該溝の各々に基板Wが1枚ずつ挿入される。キャリアCとしては、例えば、密閉型のFOUP(Front Opening Unify Pod)がある。本発明においては、キャリアCとして開放型容器を採用してもよい。
【0033】
払出部13は、基板処理装置1から搬出される処理済みの基板Wを収納したキャリアCを払い出す。この様に機能する払出部13は、投入部11と同様に、例えばキャリアCを載置するための2つの載置台17を備える。投入部11,払出部13は、ロードポートともよばれる。
【0034】
<3.ストッカーブロック>
ストッカーブロック5は、搬入出ブロック3の後方に隣接して配置される。ストッカーブロック5は、キャリアCをストックして管理する搬送収納部ACBを備えている。搬送収納部ACBは、キャリアCを搬送する搬送機構19とキャリアCを載置する棚21とを備えている。ストッカーブロック5がストックできるキャリアCの個数は、1以上である。
【0035】
ストッカーブロック5は、キャリアCを載置する複数の棚21を有する。棚21は、ストッカーブロック5と移載ブロック7とを隔てる隔壁に設けられている。当該棚21には、キャリアCを単に一時的に載置するストック用の棚21bと、移載ブロック7が有する第1搬送機構HTRがアクセスする基板取り出し・収納用のキャリア載置棚21aとがある。基板取り出し・収納用のキャリア載置棚21aは、本発明の基板取り出し・収納用のキャリア載置棚に相当する。キャリア載置棚21aは、キャリアCからの基板Wの出し入れのためにキャリアCが載置される構成である。本実施例では1つの基板取り出し・収納用のキャリア載置棚21aが設けられているが複数個の基板取り出し・収納用のキャリア載置棚21aが設けられてもよい。搬送機構19は、未処理の基板Wを収納するキャリアCを投入部11から取り込んで基板取り出し・収納用のキャリア載置棚21aに載置する。この際、搬送機構19は、キャリアCをキャリア載置棚21aに載置する前に一時的にストック用の棚21bに載置することもできる。また、搬送収納部ACBは、処理済みの基板Wを収納するキャリアCをキャリア載置棚21aから受け入れて、払出部13に載置する。この際、搬送機構19は、キャリアCを払出部13に載置する前に一時的にストック用の棚21bに載置することもできる。ストッカーブロック5が有するキャリア載置棚21aの個数は、1以上である。
【0036】
<4.移載ブロック>
移載ブロック7は、ストッカーブロック5の後方に隣接して配置される。移載ブロック7は、基板取り出し・収納用のキャリア載置棚21aに載置されたキャリアCにアクセス可能な第1搬送機構HTRと、複数枚の基板Wを一括して水平姿勢から垂直姿勢に姿勢変換するHVC姿勢変換部20とプッシャ機構22とを備えている。第1搬送機構HTRは本発明の基板ハンドリング機構に、HVC姿勢変換部20は本発明の第1姿勢変換機構に、それぞれ相当する。更に、移載ブロック7には、バッチ基板搬送領域R4に設けられる第2搬送機構WTRに複数枚の基板Wを受け渡すための基板受け渡し位置Pが設定されている。第1搬送機構HTR,HVC姿勢変換部20,プッシャ機構22はこの順にY方向に配列されている。
【0037】
第1搬送機構HTRは、ストッカーブロック5が有する搬送収納部ACBの後方のうち右方に設けられている。第1搬送機構HTRは、基板取り出し・収納用のキャリア載置棚21aに置かれたキャリアCから複数枚の基板Wを一括して取り出したり、処理済みの複数枚の基板WをキャリアCに一括して収納したりするための機構である。第1搬送機構HTRは、複数枚の基板Wを一括して搬送する複数(例えば、25個)のハンド71を備えている。1つのハンド71は、1枚の基板Wを支持する。したがって、第1搬送機構HTRは、基板Wを1枚だけ搬送することもできる。第1搬送機構HTRは、ストッカーブロック5のキャリア載置棚21aに載置されたキャリアCから複数枚(例えば25枚)の基板Wを一括して取り出す。そして、第1搬送機構HTRは、把持した複数枚の基板WをHVC姿勢変換部20の支持台20Aまで搬送することができる。HVC姿勢変換部20は受け取った水平姿勢の複数枚の基板Wを鉛直姿勢に変換する。プッシャ機構22は、鉛直姿勢の複数枚の基板Wを保持して上下左右に移動させる構成である。
【0038】
また、第1搬送機構HTRは、後述する処理ブロック9から処理済みの複数枚の基板Wを一括して受け取る。そして、第1搬送機構HTRは、ストッカーブロック5が有する基板取り出し・収納用のキャリア載置棚21aに載置されている空のキャリアCに処理済みの基板Wを収納する。処理ブロック9の出口において待機している複数枚の基板Wは、水平姿勢である。したがって、第1搬送機構HTRは、基板Wの水平姿勢を保った状態で複数枚の基板Wを処理ブロック9からストッカーブロック5に搬送する。この様に、第1搬送機構HTRは、未処理の基板WをキャリアCから一括して移載ブロック7へ搬送する構成でもあり、処理済みの基板Wを処理ブロック9から一括してキャリアCへ搬送する構成でもある。
【0039】
図2は、実施例1のHVC姿勢変換部20を説明している。HVC姿勢変換部20は、縦方向(Z方向)に延びる一対の水平保持部20Bと一対の垂直保持部20Cを備えている。支持台20Aは、水平保持部20B,垂直保持部20Cを支持するXY平面に広がる支持面を有している。回転駆動機構20Dは、水平保持部20B,垂直保持部20Cを支持台20Aごと90°回転させる構成である。この回転によって、水平保持部20B,垂直保持部20Cは、左右方向(Y方向)に延びる構成となる。なお、
図3は、HVC姿勢変換部20の動作を説明する模式図である。以降、
図2および
図3を参照しながら各部の構成について説明する。
【0040】
水平保持部20Bは、水平姿勢となっている複数枚の基板Wを下側から支持する。すなわち、水平保持部20Bは、支持対象の基板Wに対応した複数の突起を有する櫛形の構造となっている。互いに隣接する突起の間には基板Wの周縁部が位置する細長状の凹部がある。この凹部に基板Wの周縁部を挿入すると、突起の上面に水平姿勢の基板Wの下面が接触して基板Wは水平姿勢で支持される。
【0041】
垂直保持部20Cは、鉛直姿勢となっている複数枚の基板Wを下側から支持する。すなわち、垂直保持部20Cは、支持対象の基板Wに対応した複数の突起を有する櫛形の構造となっている。互いに隣接する突起の間には基板Wの周縁部が位置する細長状のV溝がある。このV溝に基板Wの周縁部を挿入すると、基板WはV溝に挟持されて垂直姿勢で支持される。垂直保持部20Cは、支持台20Aに2つ設けられているので、基板Wは、周縁部の2箇所のそれぞれが異なるV溝によって挟持される。
【0042】
縦方向(Z方向)に延びる一対の水平保持部20Bおよび一対の垂直保持部20Cは、保持対象の基板Wを囲むように水平姿勢の基板Wに相当する仮想円に沿って設けられている。一対の水平保持部20Bは、基板Wの直径だけ離れており、基板Wの一端と当該一端から最も遠い位置に当たる他端を保持する。このようにして一対の水平保持部20Bは、水平姿勢の基板Wを支持する。一方、一対の垂直保持部20Cは、基板Wの直径よりも短い距離だけ離れており、基板Wの所定部と当該所定部の近傍に位置する特定部を支持する。このようにして一対の垂直保持部20Cは、鉛直姿勢の基板Wを支持する。一対の水平保持部20Bは、左右方向(Y方向)について同じ位置にあり、一対の垂直保持部20Bは、左右方向(Y方向)について同じ位置にある。一対の垂直保持部20Bは、一対の水平保持部20Bよりも支持台20Aが回転されて倒れる方向(左方向)の側に設けられている。
【0043】
回転駆動機構20Dは、前後方向(X方向)に延びる水平軸AX2周りに支持台20Aを少なくとも90°だけ回転可能に支持する。水平状態の支持台20Aが90°回転すると、支持台20Aは垂直状態となり、垂直保持部20B,20Cに保持された複数枚の基板Wの姿勢は、水平姿勢から鉛直姿勢に変換される。
【0044】
図3(f)に示すように、プッシャ機構22は、鉛直姿勢の基板Wが搭載可能なプッシャ22Aと、このプッシャ22Aを回転および昇降させる昇降回転部22Bと、プッシャ22Aを左右方向(Y方向)に移動させる水平移動部22Cと、水平移動部22Cを案内する左右方向(Y方向)に延びるレール22Dを備える。プッシャ22Aは、鉛直姿勢の複数(例えば50枚)の基板Wの各々の下部を支持する構成である。昇降回転部22Bは、プッシャ22Aの下方に設けられる構成であり、プッシャ22Aを上下方向に昇降させる伸縮自在な機構を備えている。昇降回転部22Bはその他、鉛直軸周りにプッシャ22Aを少なくとも180°回転させることが可能である。水平移動部22Cは、昇降回転部22Bを支持する構成であり、プッシャ22Aおよび昇降回転部22Bを水平移動させる。水平移動部22Cは、レール22Dに案内されて、HVC姿勢変換部20に近い取り上げ位置から基板受け渡し位置Pまでプッシャ22Aを移動させる事ができる。また、水平移動部22Cは、プッシャ22Aを基板配列におけるハーフピッチに対応する距離だけ鉛直姿勢の基板Wを、基板Wの配列方向にシフトさせることもできる。
【0045】
ここで、HVC姿勢変換部20とプッシャ機構22の動作を説明する。HVC姿勢変換部20とプッシャ機構22は、2個のキャリアCに収容されていた例えば合計50枚の基板Wをフェイストゥバック方式で所定の間隔(例えば5mm)を空けて配列させる。第1のキャリアC内の25枚の基板Wは、第1基板群に属する第1基板W1として説明される。同様に、第2のキャリアC内の25枚の基板Wは、第2基板群に属する第2基板W2として説明される。なお、
図3(a)~
図3(f)において、作図の都合上、第1基板W1の枚数は3枚であり、第2基板W2の枚数は3枚である。
【0046】
図3(a)は、水平姿勢となっている第1基板W1が第1搬送機構HTRによりHVC姿勢変換部20へと一括的に渡された状態を示している。この時の第1基板W1のデバイス面(回路パターンの形成面)は上向きとなっている。25枚の第1基板W1は、所定の間隔(例えば10mm)で配置されている。この10mmの間隔は、フルピッチ(ノーマルピッチ)とよばれる。この状態の第1基板W1は、水平保持部20Bにより保持される。なお、この時のプッシャ22Aは支持台20Aよりも下方の取り上げ位置にある。
【0047】
図3(b)は、回転駆動機構20DによりHVC姿勢変換部20の支持台20Aが90°回転されたときの様子を示している。このように、HVC姿勢変換部20においては、25枚の第1基板W1の姿勢が水平姿勢から鉛直姿勢に変換される。この状態の第1基板W1は、垂直保持部20Cにより保持される。
【0048】
図3(c)は、プッシャ22Aが取り上げ位置から上昇して取り上げ位置よりも上方に設定された直上位置まで移動された状態を示している。この上昇運動は、昇降回転部22Bが行う。この様に、プッシャ22Aが第1基板W1の下側から上側に移動すると、HVC姿勢変換部20の垂直保持部20Cにより支持されていた第1基板W1は、垂直保持部20Cから引き抜かれてプッシャ22A上に移動する。プッシャ22Aの上面には、基板Wが挟まる溝が設けられている。第1基板W1は、等間隔に配列されたこれら溝に支持される。当該溝は、ハーフピッチで配列され、HVC姿勢変換部20には第1基板W1がフルピッチで配列されているので、直上位置にあるプッシャ22Aの上面には、第1基板W1が挟まっている溝と、基板Wを支持しない空の溝とが交互に配列する。
【0049】
図3(d)は、プッシャ22Aがハーフピッチ幅だけ移動する動作と、回転駆動機構20DによりHVC姿勢変換部20の支持台20Aが90°逆回転されたときの動作とを示している。この状態のHVC姿勢変換部20は、第2基板W2を支持することが可能となる。
図3(d)においては、HVC姿勢変換部20に既に第2基板W2が搬送されたときの様子が示されている。なお、
図3(d)においては、第2基板W2は、水平保持部20Bに支持される。
【0050】
図3(d)の状態において直上位置にあるプッシャ22Aが元の取り上げ位置にまで戻ると、HVC姿勢変換部20は、支持台20Aを再び90°回転させることが可能となる。
【0051】
図3(e)は支持台20Aが実際に再度回転されたときの様子を示している。このとき、プッシャ22Aはハーフピッチ幅だけ移動されているので、
図3(f)に示すようにプッシャ22Aを再び直上位置に移動させると、第2基板W2は、第1基板W1と干渉しないでプッシャ22Aの上面の第1基板W1同士に挟まれた空の溝に収まる。このようにして、第1基板W1と第2基板W2が交互に配列されたロットが形成される。なお、
図3(e)においては、第2基板W2は、垂直保持部20Cに支持される。当該ロットは、フェイストゥバック方式で基板Wが配列されて構成されるので、ロットを構成する基板Wのデバイス面は、全て
図3(f)における左方に向いている。
【0052】
図3(f)は、プッシャ22Aが再度直上位置まで移動したときの様子を示している。そして、プッシャ22Aにおいて生成されたロットは、水平移動部22Cにより左方向(Y方向)に搬送されて基板受け渡し位置Pまで移動される。
【0053】
なお、以下の説明では、処理対象の基板配列の構成については問わない。つまり、通常のロット(フルピッチで例えば25枚が配列されている基板W)であっても、上述のバッチロットであっても本発明の要部は同様の構成となる。以下の説明においては、処理対象を単にロット、または複数枚の基板Wと称する。
【0054】
<5.処理ブロック>
処理ブロック9は、複数枚の基板Wに対して種々の処理を行う。処理ブロック9は、幅方向(Y方向)に配列されるバッチ処理領域R1,枚葉処理領域R2,枚葉基板搬送領域R3およびバッチ基板搬送領域R4に分けられる。各領域は、前後方向(X方向)に延びている。詳細には、バッチ処理領域R1は、処理ブロック9内の左方に配置されている。枚葉処理領域R2は、処理ブロック9内の右方に配列されている。枚葉基板搬送領域R3は、バッチ処理領域R1と枚葉処理領域R2とに挟まれた位置、つまり処理ブロック9内の中央部に配置されている。バッチ基板搬送領域R4は、処理ブロック9の最も左方に配置されている。
【0055】
<5.1.バッチ処理領域>
処理ブロック9におけるバッチ処理領域R1は、前後方向(X方向)に延びた矩形の領域となっている。バッチ処理領域R1の一端側(前方側)は、移載ブロック7に隣接している。バッチ処理領域R1の他端側は、移載ブロック7から離れる方向(後方側)に延びている。
【0056】
バッチ処理領域R1は、主としてバッチ式の処理を行うバッチ式処理部を備えている。具体的には、バッチ処理領域R1は、バッチ処理領域R1が延びる方向に複数枚の基板Wを一括して浸漬処理する複数個のバッチ処理ユニットBPU1~BPU3が配列されている。バッチ処理領域R1は、この他、複数枚の基板Wの姿勢を水平姿勢と垂直姿勢との間で変換する水中姿勢変換部25を備えている。
【0057】
水中姿勢変換部25は、移載ブロック7に後方から隣接する。水中姿勢変換部25は、ロットを液中に浸漬させる浸漬槽43,ロットを昇降させるリフタLF4,およびロットの姿勢を変換する姿勢変換機構45を備えている。浸漬槽43は純水を収容し、槽内の基板Wの乾燥を防止する。浸漬槽43の上方にある受け渡し位置においてロットを第2搬送機構WTRから受け取ったリフタLF4は、浸漬位置(後述のバッチ薬液処理槽CHB1における処理位置に相当)まで基板Wを降下させ、基板Wの全域を純水に浸漬させる。そして、姿勢変換機構45は、純水に浸漬したロットを90度回転させることにより、ロットを構成する基板Wの姿勢を鉛直姿勢から水平姿勢に変換する。リフタLF4は、鉛直姿勢の基板Wから構成されるロットを昇降させることも、水平姿勢の基板Wから構成されるロットを昇降させることもできる。リフタLF4は、基板Wの配列ピッチ単位で段階的にロットを上昇させることにより水平姿勢の基板Wを1枚ずつ液中から液面上に繰り出すことができる。水中姿勢変換部25は、本発明の第2姿勢変換機構に相当する。
【0058】
バッチ処理ユニットBPU1~BPU3の配置について具体的に説明する。第1バッチ処理ユニットBPU1は、水中姿勢変換部25に後方から隣接する。第2バッチ処理ユニットBPU2は、第1バッチ処理ユニットBPU1の後方から隣接する。第3バッチ処理ユニットBPU3は、第2バッチ処理ユニットBPU2の後方から隣接する。従って、第1バッチ処理ユニットBPU1,第2バッチ処理ユニットBPU2,第3バッチ処理ユニットBPU3の順に移載ブロック7から離れる。この様に、水中姿勢変換部25,第1バッチ処理ユニットBPU1,第2バッチ処理ユニットBPU2および第3バッチ処理ユニットBPU3は、この順にバッチ処理領域R1の延びる方向(前後方向:X方向)に並ぶ。
【0059】
第1バッチ処理ユニットBPU1は、具体的には、ロットを一括してリンス処理するバッチリンス処理槽ONBと、ロットを昇降させるリフタLF1とを備える。バッチリンス処理槽ONBは、ロットに対してリンス処理を行う。バッチリンス処理槽ONBは、純水を収容しており、複数枚の基板Wに付着する薬液を洗浄する目的で設けられている。バッチリンス処理槽ONBにおいて、槽内の純水の比抵抗が所定の値に上昇すれば、洗浄処理は終了となる。
【0060】
第2バッチ処理ユニットBPU2は、複数枚の基板Wが第1バッチ処理ユニットBPU1に到達する前に搬送される部位であり、具体的には、バッチ薬液処理槽CHB1と、ロットを昇降させるリフタLF2とを備える。バッチ薬液処理槽CHB1は、リン酸溶液などの薬液を収容する。バッチ薬液処理槽CHB1には、ロットを上下動させるリフタLF2が付設されている。バッチ薬液処理槽CHB1は、例えば薬液を下方から上方に向けて供給して薬液を対流させる。リフタLF2は、鉛直方向(Z方向)に昇降する。具体的には、リフタLF2は、バッチ薬液処理槽CHB1の内部に当たる処理位置と、バッチ薬液処理槽CHB1の上方に当たる受け渡し位置に亘って昇降する。リフタLF2は、鉛直姿勢の基板Wで構成されるロットを保持する。リフタLF2は、受け渡し位置において、ロットを第2搬送機構WTRとの間で受け渡しする。リフタLF2がロットを保持した状態で受け渡し位置から処理位置まで下降すると、基板Wの全域は、薬液の液面下に位置する。リフタLF2がロットを保持した状態で処理位置から受け渡し位置まで上昇すると、基板Wの全域は、薬液の液面上に位置する。薬液処理は、具体的に酸処理であり、酸処理としては、リン酸処理が例示されるが、他の酸を用いた処理であってもよい。リン酸処理は、ロットを構成する複数枚の基板Wに対してエッチング処理を行う。エッチング処理は、例えば、基板Wの表面上の窒化膜を化学的に食刻する。バッチ薬液処理がなされた複数枚の基板Wには、上述の第1バッチ処理ユニットBPU1におけるバッチリンス処理槽ONBによりリンス処理が施される。
【0061】
第3バッチ処理ユニットBPU3は、具体的には、バッチ薬液処理槽CHB2と、ロットを昇降させるリフタLF3とを備える。バッチ薬液処理槽CHB2は、上述のバッチ薬液処理槽CHB1と同様の構成である。つまり、バッチ薬液処理槽CHB2には上述した薬液が収容され、リフタLF3が付設されている。バッチ薬液処理槽CHB2は、ロットに対しバッチ薬液処理槽CHB1と同様の処理を行う。本例の基板処理装置1は、同じ薬液処理が可能な処理槽を複数備える。これは、リン酸処理が他の処理よりも時間を要することによる。リン酸処理には長時間(例えば、60分)の時間を要する。そこで、本例の装置は複数のバッチ薬液処理槽により酸処理を平行して行える様にしている。従って、ロットは、バッチ薬液処理槽CHB1,バッチ薬液処理槽CHB2のいずれかで酸処理される。この様に構成すれば、装置のスループットが高まる。
【0062】
このように、実施例1におけるバッチ薬液処理槽CHB1,バッチ薬液処理槽CHB2は、バッチリンス処理槽ONBよりも移載ブロック7から離れた位置にある。
【0063】
後述のセンターロボットCRは、水中姿勢変換部25におけるリフタLF4が支持する基板Wを1枚ずつ搬送することができる。このときのリフタLF4は、センターロボットCRが基板搬送のため接近してきたときに、例えば、基板5枚分の幅だけ上昇することが可能である。この場合、5枚の基板Wが一括に液面から空中に露出することになる。リフタLF4が基板Wの配列ピッチよりも長いストロークだけ移動することにより、浸漬槽43の液面からセンターロボットCRまでの鉛直方向(Z方向)についての距離を十分に確保することができる。これにより、センターロボットCRのハンド29の先端が浸漬槽43に収容される液体に没入してしまうことがない。基板Wを取得したセンターロボットCRがリフタLF4から離反した後においては、リフタLF4の上昇に伴い空中に繰り出された4枚の基板Wの乾燥を防ぐ目的で、リフタLF4が下降することになる。このとき、リフタLF4は、5枚の基板Wに相当するストロークだけ下降する必要はなく、4枚の基板Wに相当するストロークだけ下降すればよい。液面上に繰り出された5枚の基板Wのうち、最上部の基板Wは、センターロボットCRに搬送されてリフタLF4上にないからである。この様に構成することにより、リフタLF4の移動時間を短縮することができ、スループットの高い装置が提供できる。なお、リフタLF4に残存する基板Wの枚数が5枚に満たないときは、不足する基板Wの枚数に応じてリフタLF4の移動距離を短くすることができる。
【0064】
<5.2.枚葉処理領域>
処理ブロック9における枚葉処理領域R2は、前後方向(X方向)に延びた矩形の領域となっている。枚葉処理領域R2の一端側(前方側)は、移載ブロック7に隣接している。枚葉処理領域R2の他端側は、移載ブロック7から離れる方向(後方側)に延びている。
【0065】
処理ブロック9における枚葉処理領域R2は、主に液処理に係る各チャンバと乾燥処理に係る各チャンバを備えている。具体的には、枚葉処理領域R2は、基板Wを1枚ずつ液処理する枚葉液処理チャンバSWP1および枚葉液処理チャンバSWP2と、液処理された基板Wを1枚ずつ乾燥させる枚葉乾燥処理チャンバSWP3と、複数枚の基板Wを水平姿勢でキャリアCと同じピッチで鉛直方向に載置するバッファ部31を備えている。枚葉液処理チャンバSWP1は、枚葉処理領域R2のうち前後方向(X方向)の最も奥側に配置されている。換言すると、枚葉液処理チャンバSWP1は、枚葉基板搬送領域R3を挟んでバッチ薬液処理槽CHB2と幅方向(Y方向)から対向している。枚葉液処理チャンバSWP2は、枚葉液処理チャンバSWP1の前方と隣接する。枚葉乾燥処理チャンバSWP3は、枚葉液処理チャンバSWP2の前方と隣接する。バッファ部31は、枚葉乾燥処理チャンバSWP3の前方と隣接する。したがって、枚葉処理領域R2における移載ブロック7から最も近い位置にバッファ部31が設けられている。この様に、バッファ部31,枚葉乾燥処理チャンバSWP3,枚葉液処理チャンバSWP2および枚葉液処理チャンバSWP1は、この順に枚葉処理領域R2の延びる方向(前後方向:X方向)に並ぶ。バッファ部31は、本発明の基板載置部に相当する。
【0066】
枚葉液処理チャンバSWP1,枚葉液処理チャンバSWP2の各々は、水平姿勢の基板Wを回転させる回転処理部33と、処理液を基板Wに向けて供給するノズル35を備えている。回転処理部33は、基板WをXY平面(水平面)内で回転駆動する。ノズル35は、回転処理部33から離れた待機位置と回転処理部33の上方に位置する供給位置との間にわたって揺動可能である。処理液としては、IPA(イソプロピルアルコール)や純水、またはこれらの混合液でもよい。枚葉液処理チャンバSWP1,枚葉液処理チャンバSWP2の各々は、例えば、基板Wに対して純水で洗浄処理を行った後、IPAで予備的な乾燥処理を行う構成である。
【0067】
枚葉乾燥処理チャンバSWP3は、例えば、超臨界流体チャンバである。超臨界流体チャンバは、例えば、超臨界流体となった二酸化炭素により基板Wの乾燥処理を行う。超臨界流体として二酸化炭素以外の流体を乾燥に用いてもよい。超臨界状態は、二酸化炭素を固有の臨界圧力と臨界温度下に置くことで得られる。具体的な圧力は、7.38MPaであり、温度は31°Cである。超臨界状態においては、流体の表面張力がゼロになるので、基板W表面の回路パターンに気液界面の影響が生じない。従って、超臨界流体により基板Wの乾燥処理を行えば、基板W上で回路パターンが崩壊する、いわゆるパターン倒れの発生が防止できる。
【0068】
このように実施例1における枚葉乾燥処理チャンバSWP3は、枚葉液処理チャンバSWP1,枚葉液処理チャンバSWP2よりも移載ブロック7に近い位置にある。
【0069】
バッファ部31は、鉛直方向(Z方向)に配列された複数の載置棚39を有し、少なくとも1ロット分(例えば、25枚)の基板Wを収容可能である。載置棚39は、上述したフルピッチで配列されている。バッファ部31は、処理ブロック9と移載ブロック7との間でロットを受け渡すときに用いられる。以下、この点について説明する。処理ブロック9から移載ブロック7へロットを払い出すときには、まず、処理ブロック9における後述のセンターロボットCRが乾燥処理済みの基板Wを1枚ずつバッファ部31に載置する。この様にして、1ロット分の基板Wがフルピッチでバッファ部31に収納される。そして、バッファ部31に収納されたロットは、移載ブロック7における第1搬送機構HTRによって一括に把持される。つまり、処理ブロック9におけるセンターロボットCRは、幅方向(Y方向)からバッファ部31にアクセス可能であり、移載ブロック7における第1搬送機構HTRは、前後方向(X方向)からバッファ部31にアクセス可能である。なお、センターロボットCRは、複数の載置棚39の間で基板Wを受け渡しできるように、鉛直方向(Z方向)に昇降可能である。
【0070】
<5.3.枚葉基板搬送領域>
処理ブロック9における枚葉基板搬送領域R3は、前後方向(X方向)に延びた矩形の領域となっている。枚葉基板搬送領域R3は、バッチ処理領域R1と枚葉処理領域R2との間に介在して、一端が移載ブロック7に隣接し、他端側が移載ブロック7から離れる方向に延びる。
【0071】
枚葉基板搬送領域R3は、水平姿勢の基板Wを搬送するセンターロボットCRを備えている。センターロボットCRは、水中姿勢変換部25と、枚葉液処理チャンバSWP1~SWP3,バッファ部31との間で基板Wを搬送する。センターロボットCRは本発明の枚葉基板搬送機構に相当する。センターロボットCRは、水平姿勢の基板Wを1枚保持することが可能なハンド29を備えている。センターロボットCRは、鉛直方向(Z方向)に重ねてもう1つのハンド29を備える構成としてもよい。センターロボットCRは、前後方向(X方向)に往復移動することが可能である。そして、センターロボットCRは、鉛直方向(Z方向)に往復移動することも可能である。センターロボットCRは、XY平面(水平面)内で旋回可能である。従って、センターロボットCRのハンド29は、Z方向に延びる回転軸周りに回転することで、バッチ式処理に係るバッチ処理領域R1側に向くこともできれば、枚葉処理に係る枚葉処理領域R2側に向くこともできる。センターロボットCRは、本発明の枚葉基板搬送機構に相当する。
【0072】
センターロボットCRのハンド29は、XY平面(水平面)内で進退可能である。従って、ハンド29は、バッチ処理領域R1の水中姿勢変換部25から水平姿勢の基板Wを受け取ることもできれば、枚葉処理領域R2の各枚葉液処理チャンバSWP1~SWP3との間で水平姿勢の基板Wを受け渡しすることもできる。なお、センターロボットCRが2つのハンド29を備える場合は、水中姿勢変換部25から2枚の基板Wを受け取り、枚葉処理領域R2に対して1枚ずつ異なる枚葉液処理チャンバSWP1または枚葉液処理チャンバSWP2に基板Wを受け渡す。
【0073】
<5.4.バッチ基板搬送領域>
処理ブロック9におけるバッチ基板搬送領域R4は、前後方向(X方向)に延びた矩形の領域となっている。バッチ基板搬送領域R4は、バッチ処理領域R1の外縁に沿って設けられ、一端側が移載ブロック7にまで延び、他端側が移載ブロック7から離れる方向に延びる。
【0074】
バッチ基板搬送領域R4には、複数枚の基板Wを一括して搬送する第2搬送機構WTRが設けられている。第2搬送機構WTRは、移載ブロック7内に定められた基板受け渡し位置Pと、水中姿勢変換部25と、各バッチ処理ユニットBPU1~BPU3との間で複数枚の基板W(具体的にはロット)を一括して搬送する。第2搬送機構WTRは、移載ブロック7と処理ブロック9に亘って前後方向(X方向)に往復可能に構成されている。第2搬送機構WTRは、処理ブロック9におけるバッチ基板搬送領域R4に加えて、移載ブロック7内の基板受け渡し位置Pにも移動可能である。第2搬送機構WTRは、本発明のバッチ基板搬送機構に相当する。
【0075】
第2搬送機構WTRは、ロットを搬送する一対のハンド23を備えている。一対のハンド23は、例えば、幅方向(Y方向)に向けられた回転軸を備えており、この回転軸周りに揺動する。一対のハンド23は、ロットを構成する複数枚の基板Wの両端部を挟持する。第2搬送機構WTRは、移載ブロック7における基板受け渡し位置P,水中姿勢変換部25に属するリフタLF4,バッチ処理ユニットBPU1~BPU3に属する各リフタLF1~LF3との間でロットを受け渡す。
【0076】
この様に、本例の基板処理装置1は、左方から右方にかけて、それぞれ前後方向(X方向)に延びた細長状のバッチ基板搬送領域R4,バッチ処理領域R1,枚葉基板搬送領域R3,枚葉処理領域R2の順に各領域が配列されている。
【0077】
<5.5.窓部>
上述したように、処理ブロック9におけるバッファ部31は、移載ブロック7に隣接している。この移載ブロック7に設けられた第1搬送機構HTRは、バッファ部31にアクセス可能である。したがって、第1搬送機構HTRは、水平姿勢でキャリアCと同じピッチで鉛直方向に配列した状態でバッファ部31に載置されている複数枚の基板Wを一括して受け渡し可能である。移載ブロック7と処理ブロック9を隔てる隔壁には、窓部77が設けられている。これにより、移載ブロック7の第1搬送機構HTRは、処理ブロック9のバッファ部31にアクセス可能となる。
【0078】
本例の基板処理装置1は、上述した各部の他、各機構および各処理部を制御するCPU(Central Processing Unit)75と、プログラムや設定値など処理過程に必要な種々の情報を記憶する記憶部76を備えている。なお、CPUの具体的構成は特に限定されない。装置全体で1つのCPUを備えるようにしてもよいし、各ブロックに1つまたは複数のCPUを備えるようにしてもよい。この点は、記憶部76についても同様である。CPUが行う制御としては、例えば、第1搬送機構HTR,第2搬送機構WTR,HVC姿勢変換部20,プッシャ機構22,センターロボットCR等の動作に関する制御である。
【0079】
<基板処理の流れ>
図4は、本例の基板処理の流れを説明するフローチャートである。本例の基板処理は、例えば、半導体デバイス製造過程における基板W表面のエッチングに関する各処理を行うものである。以下、当該フローチャートに沿って基板処理の流れを具体的に説明する。
【0080】
ステップS11:未処理の基板Wを収納するキャリアCが投入部11の載置台15にセットされる。その後、キャリアCは、投入部11から装置内に取り入れられて、搬送機構19によりストッカーブロック5に設けられた受け渡し用のキャリア載置棚21aに載置される(
図5参照)。
【0081】
ステップS12:移載ブロック7に設けられた第1搬送機構HTRがキャリア載置棚21aのキャリアCから複数枚の基板Wを一括に取り出す。そして、第1搬送機構HTRは、水平姿勢となっている複数枚の基板WをHVC姿勢変換部20に渡す。HVC姿勢変換部20は、複数枚の基板Wの姿勢を水平姿勢から鉛直姿勢に変換して複数枚の基板Wをプッシャ機構22に渡す。プッシャ機構22は、鉛直姿勢の基板Wを、幅方向(Y方向)に配列された状態で基板受け渡し位置Pまで搬送する(
図5参照)。
【0082】
ステップS13:バッチ式処理が実行される。具体的には基板受け渡し位置Pで待機しているロットは、第2搬送機構WTRにより一括に鉛直方向(Z方向)に持ち上げられた後、前後方向(X方向)に搬送される。鉛直姿勢の複数枚の基板Wは、幅方向(Y方向)に配列された状態で第2バッチ処理ユニットBPU2のリフタLF2または第3バッチ処理ユニットBPU3のリフタLF3に渡される。このとき、第2搬送機構WTRはX方向に後退して、水中姿勢変換部25,第2バッチ処理ユニットBPU1の上空を通過する。基板Wを受け取るリフタLF2,リフタLF3は、受け渡し位置にある。この様にして、ロットは、バッチ薬液処理槽CHB1,バッチ薬液処理槽CHB2のいずれかにおける液面上に位置される。
図5は、ロットがバッチ薬液処理槽CHB1で処理される様子を例示している。ロットを受け取ったリフタLF2は、降下してバッチ薬液処理槽CHB1にロットを浸漬させる。この様にしてロットに対する薬液処理が実行される。
【0083】
薬液処理が終了すると、リフタLF2は、バッチ薬液処理槽CHB1からロットを液面上に露出させる。ロットは、その後、第2搬送機構WTRにより一括に鉛直方向(Z方向)に持ち上げられた後、前後方向(X方向)に搬送される。鉛直姿勢の基板Wは、幅方向(Y方向)に配列された状態で第1バッチ処理ユニットBPU1のリフタLF1に渡される。この時、第2搬送機機構WTRは、X方向に前進する。つまり、本例のバッチ式処理は、第2搬送機構WTRが第2バッチ処理ユニットBPU2で折り返して往復することで実現される。また、ロットが渡されるときのリフタLF1は、受け渡し位置にある。この様にして、ロットは、バッチリンス処理槽ONBにおける液面上に位置される。ロットを受け取ったリフタLF1は、降下してバッチリンス処理槽ONBにロットを浸漬させる。この様にしてロットに対する洗浄処理が実行される(
図5参照)。
【0084】
洗浄処理が終了すると、リフタLF1は、バッチリンス処理槽ONBからロットを液面上に露出させる。ロットは、その後、第2搬送機構WTRにより一括に鉛直方向(Z方向)に持ち上げられた後、前後方向(X方向)に搬送される。鉛直姿勢となっている複数枚の基板Wは、幅方向(Y方向)に配列された状態で水中姿勢変換部25に渡される(
図5参照)。このときの水中姿勢変換部25のリフタLF4は、鉛直姿勢のロットを保持可能な姿勢で待機している。また、この時のリフタLF4は受け渡し位置にある。
【0085】
以上のように、ステップ13においては、第2搬送機構WTRは、移載ブロック7の基板受け渡し位置Pで鉛直姿勢の複数枚の基板Wを一括して受け取り、受け取った複数枚の基板Wを薬液処理に係る第2バッチ処理ユニットBPU2(または、第3バッチ処理ユニットBPU3),リンス処理に係る第1バッチ処理ユニットBPU1,水中姿勢変換部25へその順に搬送する。
【0086】
ステップS14:ここではバッチ式処理後の過程である姿勢変換が実行される。
図6は、基板処理の全過程の中の姿勢変換に関係する過程について説明している。水中姿勢変換部25は、受け渡し位置にあるリフタLF4がロットを受け取り、リフタLF4が浸漬位置まで移動される。すると、ロットは、浸漬槽43の液面下に位置する。そして、姿勢変換機構45がロットを水中で90°回転させることにより、複数枚の基板Wの姿勢を鉛直姿勢から水平姿勢に変換する。このときの回転方向としては、基板Wにおける回路パターンが形成されている面が上向きとなる方向が選ばれる。以上のように、水中姿勢変換部25は、受け取った鉛直姿勢の複数枚の基板Wを水平姿勢に姿勢変換する。
【0087】
ステップS15:姿勢変換処理後の過程である枚葉処理が実行される。
図7は、基板処理の全過程の中の枚葉処理に関係する過程について説明している。水中姿勢変換部25において待機している水平姿勢の基板Wは、センターロボットCRにより1枚ずつ鉛直方向(Z方向)に持ち上げられた後、枚葉液処理チャンバSWP1,枚葉液処理チャンバSWP2のいずれかに搬送される。
図7は、基板Wが枚葉液処理チャンバSWP1に載置される様子を例示している。枚葉液処理チャンバSWP1によって予備乾燥処理をされた基板Wは、センターロボットCRにより鉛直方向(Z方向)に持ち上げられた後、枚葉乾燥処理チャンバSWP3に搬送される。そして、基板Wは、超臨界流体チャンバ37に収納され、乾燥処理を受ける。
【0088】
ステップS16:枚葉処理後の基板Wがバッファ部31に載置される。具体的には、乾燥処理を終えた基板Wは、センターロボットCRにより超臨界流体チャンバ37から取り出されて、バッファ部31に載置される。この様な基板搬送を続けると、バッファ部31には、フルピッチで鉛直方向(Z方向)に配列した25枚の基板Wが水平姿勢で保持される。この様にして、バッファ部31は、基板処理後のロットを保持する(
図7参照)。なお、ステップS15,および本ステップで説明したように、センターロボットCRは、水中姿勢変換部25で水平姿勢に変換された基板Wを1枚ずつ枚葉液処理チャンバSWP1,枚葉乾燥処理チャンバSWP3,バッファ部31へその順に搬送する。
【0089】
ステップS17:バッファ部31に載置された複数枚の基板WがキャリアCに収納される。
図8は、基板処理の全過程の中のロット搬送に関係する過程について説明している。バッファ部31に保持されたロットは、一括に第1搬送機構HTRで把持される。そして、ロットはストッカーブロック5におけるキャリア載置棚21aに待機している空のキャリアCに戻される。本例の基板処理は、キャリアCと当該キャリアCの内部のロットが対応づけられているので、キャリアCから出庫したロットは、種々の処理をされた後、同じキャリアCに戻る。ロットを収納したキャリアCは、搬入出ブロック3の側壁に設けられている払出部13まで移動される。つまり、処理ブロック9におけるバッファ部31に複数枚の基板Wが載置されたときに、第1搬送機構HTRは、バッファ部31から複数枚の基板Wを一括して取り出し、取り出した複数枚の基板WをキャリアCへ一括して収納する。
【0090】
ステップS18:搬送機構19は、キャリアCを載置台17まで搬送し、キャリアCが載置台17から取り外される。この様にして、本例に係る基板処理装置1による基板処理は終了となる。
【0091】
以上のように、本例によれば、第1搬送機構HTRとセンターロボットCRの両方が基板Wを受け渡し可能なバッファ部31が枚葉処理領域R2に設けられている。したがって、第1搬送機構HTRは、バッファ部31を介して枚葉処理領域R2から基板Wを一括して受け取ることができる。また、センターロボットCRは、枚葉液処理チャンバSWP1,枚葉液処理チャンバSWP2,枚葉乾燥処理チャンバSWP3で処理された基板Wを1枚ずつバッファ部31へ受け渡しすることができる。この様に構成すれば、キャリアCに対する基板Wの出し入れは第1搬送機構HTRにより一括に行われる。したがって、第1搬送機構HTRの潜在力が引き出され、スループットの高い基板処理装置1が提供できる。また、本発明によれば、第1搬送機構HTRが設けられている移載ブロック7とバッチ薬液処理槽CHB1との間には、水中姿勢変換部25が位置している。この様に構成すれば、水中姿勢変換部25が設けられる分だけバッチ薬液処理槽CHB1が移載ブロック7から離れることになる。したがって、本例によれば、移載ブロック7における第1搬送機構HTRがバッチ薬液処理槽CHB1におけるリン酸によって腐食されることが極力防がれる。このように、本発明によれば、第1搬送機構HTRの故障が少なく、確実に基板を搬送することができる基板処理装置1が提供できる。
【0092】
また、本例によれば、複数枚の基板Wは、バッチ処理領域R1における移載ブロック7から離れたバッチ薬液処理槽CHB1で薬液処理される。その後、複数枚の基板Wは、バッチ処理領域R1における移載ブロック7に近いバッチリンス処理槽ONBでリンス処理される。そして、リンス処理後、複数枚の基板Wは、移載ブロック7に最も近い水中姿勢変換部25により鉛直姿勢から水平姿勢へ変換される。水平姿勢とされた複数枚の基板Wは、枚葉処理の待機状態となる。このように、実施例1の構成によれば、移載ブロック7とバッチ薬液処理槽CHB1との間にバッチリンス槽ONBが位置するので、移載ブロック7とバッチ薬液処理槽CHB1との距離は更に離れたものとなり、第1搬送機構HTRの故障が更に少なく、確実な基板Wの搬送が可能な基板処理装置が提供できる。
続いて実施例2に係る基板処理装置2について説明する。本例に係る基板処理装置2は、枚葉処理をバッチ式処理よりも先に行う点で実施例1の装置と異なる。具体的な基板処理の流れについては後述する。
バッチ乾燥チャンバDCは、鉛直姿勢の基板Wが配列してなるロットを収容する乾燥チャンバを有する。乾燥チャンバには、不活性ガスをチャンバ内に供給する不活性ガス供給ノズルと、有機溶剤の蒸気を槽内に供給する蒸気供給ノズルを有する。バッチ乾燥チャンバDCは、チャンバ内に支持されているロットに対してまず不活性ガスを供給して、チャンバ内の雰囲気を不活性ガスに置き換える。そして、チャンバ内の減圧が開始される。チャンバ内が減圧されている状態で、有機溶剤の蒸気がチャンバ内に供給される。有機溶剤は、基板Wに付着した水分を伴ってチャンバ外に排出される。この様にして、バッチ乾燥チャンバDCは、ロットの乾燥を実行する。この時の不活性ガスは、例えば窒素でよく、有機溶剤は、例えばIPAでよい。
枚葉液処理チャンバSWP1~SWP3は、レジスト除去に関する薬液処理が可能である。つまり、これら枚葉処理部が有するノズル35は、純水に酸素およびオゾンが溶け込んだ液体を供給することができる。回転処理部33により回転されている基板Wの表面に当該液体が供給されると、表面に成膜されたレジストが基板Wから除去される。レジストとしては、具体的には、ノボラック系ポジ型レジストでよい。枚葉液処理チャンバSWP1~SWP3は、純水を基板Wに供給することもできる。純水が基板Wに供給されると、基板Wに残留したレジストを基板Wから流出させることができる。なお、枚葉液処理チャンバSWP1~SWP3は、バッチ式処理の前処理を行う構成であり、具体的な処理内容については特に限定されない。
ステップS25:複数枚の基板Wのバッチ処理が行われる。具体的には、水中姿勢変換部25で待機しているロットは、第2搬送機構WTRにより一括に鉛直方向(Z方向)に持ち上げられた後、前後方向(X方向)に搬送される。鉛直姿勢の複数枚の基板Wは、幅方向(Y方向)に配列された状態で第3バッチ処理ユニットBPU3のリフタLF3に渡される。基板Wを受け取るリフタLF3は、受け渡し位置にある。この様にして、ロットは、バッチ薬液処理槽CHBにおける液面上に位置される。ロットを受け取ったリフタLF3は、降下してバッチ薬液処理槽CHBにロットを浸漬させる。この様にしてロットに対する薬液処理が実行される。
薬液処理後、リンス処理に係る第2バッチ処理ユニットBPU2のバッチリンス処理槽ONBで洗浄処理がロットに対して実行される様子は、実施例1の装置と同様である。
ステップS27:水平姿勢に変換された複数枚の基板WがキャリアCに一括して収納される。具体的には、HVC姿勢変換部20に保持された水平姿勢の基板Wが配列されてなるロットは、第1搬送機構HTRに一括に受け取られ、ストッカーブロック5におけるキャリア載置棚21aに待機している空のキャリアCに戻される。本例の基板処理は、キャリアCと当該キャリアCの内部のロットが対応づけられているので、キャリアCから出庫したロットは、種々の処理をされた後、同じキャリアCに戻る。ロットを収納したキャリアCは、搬入出ブロック3の側壁に設けられている払出部13まで移動される。
以上のように本例によれば、第1搬送機構HTRとセンターロボットCRの両方が基板Wを受け渡し可能なバッファ部31が枚葉処理領域R2に設けられている。したがって、第1搬送機構HTRは、バッファ部31を介して枚葉処理領域R2へ基板Wを一括して受け渡しすることができる。また、センターロボットCRは、バッファ部31から1枚ずつ取り出した基板Wを枚葉液処理チャンバSWP1~SWP3に対して受け渡しすることができる。この様に構成すれば、キャリアCに対する基板Wの出し入れは第1搬送機構HTRにより一括に行われる。したがって、第1搬送機構HTRの潜在力が引き出され、スループットの高い基板処理装置2が提供できる。
フェイストゥフェイス方式のロットの形成は、移載ブロック7におけるHVC姿勢変換部20およびプッシャ機構22が行う。当該ロットを形成するには、まず、水平姿勢となっている例えば25枚の第1基板W1がHVC姿勢変換部20により鉛直姿勢とされる。そして、姿勢変換された第1基板W1はプッシャ22Aにより取り上げられる。その後、第1基板W1が左右反転され、第1基板W1におけるデバイス面の反転が行われる。すると、HVC姿勢変換部20が水平姿勢となっている例えば25枚の第2基板W2を鉛直姿勢とする。最後に、プッシャ22Aが第2基板W2を取り上げてロットを完成させる。このように、第1基板W1は反転されてロットに組み込まれる一方、第2基板W2は反転されずにロットに組み込まれる。従って、第1基板W1と第2基板W2との間でデバイス面の向きが異なっている。第1基板W1と第2基板W2とは交互に配列されるから、生成されるロットは、隣り合う基板Wのデバイス面が向かい合わせとなったフェイストゥフェイス方式になる。
実施例1の場合、センターロボットCRが水中姿勢変換部25へアクセスするときには、その度に水中姿勢変換部25が基板Wを一括して180度回転させる。これにより、枚葉式処理を行うときに、いずれの基板Wについても回路パターンが形成されている面が上向きとなる。