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特開2024-44509放送システム及びそのオンエア確認方法
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  • 特開-放送システム及びそのオンエア確認方法 図1
  • 特開-放送システム及びそのオンエア確認方法 図2
  • 特開-放送システム及びそのオンエア確認方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044509
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】放送システム及びそのオンエア確認方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 17/00 20060101AFI20240326BHJP
   H04H 20/12 20080101ALI20240326BHJP
【FI】
H04N17/00 A
H04H20/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150070
(22)【出願日】2022-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三腰 稔洋
【テーマコード(参考)】
5C061
【Fターム(参考)】
5C061BB13
(57)【要約】
【課題】放送システムにおいて、オンエア素材のオンエアを人手によらず確実に確認可能とする。
【解決手段】実施形態によれば、コンテンツのオンエア前に当該コンテンツから映像特徴量を抽出し、オンエア後のコンテンツから映像特徴量を抽出し、オンエア前後に抽出された映像特徴量を比較して両者の同一性を判断し、コンテンツのオンエア前に当該コンテンツから音声を抽出して音声字幕テキストを作成し、オンエア後のコンテンツから音声を抽出して音声字幕テキストを作成し、オンエア前後に作成された音声字幕テキストを比較して両者の同一性を判断し、オンエア前後の映像特徴量の同一性判断結果と音声字幕テキストの同一性判断結果とを合わせて上位装置に通知する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬入されたコンテンツをオンエアスケジュールに従ってオンエアする放送システムにおいて、
前記コンテンツのオンエアを確認し上位装置に通知するオンエア管理装置を備え、
前記オンエア管理装置は、
前記コンテンツのオンエア前に当該コンテンツから映像特徴量を抽出し、前記オンエア後のコンテンツから映像特徴量を抽出し、前記オンエア前に抽出された映像特徴量と前記オンエア後に抽出された映像特徴量とを比較して両者の同一性を判断する映像比較手段と、
前記コンテンツのオンエア前に当該コンテンツから音声を抽出して音声字幕テキストを作成し、前記オンエア後のコンテンツから音声を抽出して音声字幕テキストを作成し、前記オンエア前に作成された音声字幕テキストと前記オンエア後に作成された音声字幕テキストとを比較して両者の同一性を判断する音声比較手段と、
前記映像比較手段の判断結果と前記音声比較手段の判断結果とを合わせて前記上位装置に通知する通知手段と
を具備する放送システム。
【請求項2】
前記映像比較手段は、前記コンテンツのプレビュー時に前記オンエア前の映像特徴量を抽出し、
前記音声比較手段は、前記コンテンツのプレビュー時に前記オンエア前の音声字幕テキストを作成する請求項1記載の放送システム。
【請求項3】
前記音声比較手段は、前記オンエア後に作成された音声字幕テキストを放送禁止用語を含む辞書と比較して、オンエア時に前記放送禁止用語が使用されたか否かを判断する請求項1記載の放送システム。
【請求項4】
前記音声比較手段は、前記コンテンツがライブ放送の場合に、オンエア後の前記ライブ放送のコンテンツを収録し、収録されたコンテンツの音声字幕テキストを作成し、その音声字幕テキストを前記放送禁止用語を含む辞書と比較して、オンエア時に前記放送禁止用語が使用されたか否かを判断する請求項3記載の放送システム。
【請求項5】
搬入されたコンテンツをオンエアスケジュールに従ってオンエアする放送システムに用いられ、
前記コンテンツのオンエア前に当該コンテンツから映像特徴量を抽出し、前記オンエア後のコンテンツから映像特徴量を抽出し、前記オンエア前に抽出された映像特徴量と前記オンエア後に抽出された映像特徴量とを比較して両者の同一性を判断し、
前記コンテンツのオンエア前に当該コンテンツから音声を抽出して音声字幕テキストを作成し、前記オンエア後のコンテンツから音声を抽出して音声字幕テキストを作成し、前記オンエア前に作成された音声字幕テキストと前記オンエア後に作成された音声字幕テキストとを比較して両者の同一性を判断し、
前記映像特徴量の同一性判断結果と前記音声字幕テキストの同一性判断結果とを合わせて上位装置に通知する
放送システムのオンエア確認方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、放送システム及びそのオンエア確認方法に関する。
【背景技術】
【0002】
放送局において、主調整室における業務の一つとしてオンエア(OA)監視がある。これは、CM(Commercial Message:商業的表示(広告))素材(コンテンツ)が予定された通りに送出されているか、オンエアしている素材(コンテンツ)が放送事故基準に該当するような不体裁がないかなどを目視による監視を行っている。
【0003】
しかしながら、従来の放送システムにおけるオンエア確認方法では、確認者の目視による映像認識力に頼っているのが実情である。このため、放送システムでは、人手を要しない効率化が要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-326952号公報
【特許文献2】特開2002-058049号公報
【特許文献3】特開2004-343557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上述べたように、従来の放送システムでは、オンエア素材のオンエア確認を確認者の目視による映像認識力に頼っているのが実情である。
【0006】
本実施形態は上記課題に鑑みなされたもので、オンエア素材のオンエアを人手によらず確実に確認することのできる放送システムとそのオンエア確認方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本実施形態によれば、搬入されたコンテンツをオンエアスケジュールに従ってオンエアする放送システムにおいて、前記コンテンツのオンエアを確認し上位装置に通知するオンエア管理装置を備える。
【0008】
前記オンエア管理装置は、前記コンテンツのオンエア前に当該コンテンツから映像特徴量を抽出し、前記オンエア後のコンテンツから映像特徴量を抽出し、前記オンエア前に抽出された映像特徴量と前記オンエア後に抽出された映像特徴量とを比較して両者の同一性を判断する。
【0009】
さらに、前記オンエア管理装置は、前記コンテンツのオンエア前に当該コンテンツから音声を抽出して字幕テキストを作成し、前記オンエア後のコンテンツから音声を抽出して字幕テキストを作成し、前記オンエア前に作成された字幕テキストと前記オンエア後に作成された字幕テキストとを比較して両者の同一性を判断し、その判断結果を前記映像特徴量の同一性判断結果と合わせて上位装置に通知する。
【0010】
また、前記オンエア管理装置は、オンエア字幕テキストと予め少なくとも禁止用語を収録した辞書と比較し、辞書に該当する用語の検出結果を上位装置に通知する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態に係る放送システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、図1に示す放送システムのオンエア確認方法を示すフローチャートである。
図3図3は、図1に示す放送システムの放送禁止用語に関するオンエア確認方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、実施形態に係る放送システムの構成を示すブロック図である。図1において、11はビデオサーバ、12はマスターシステム、13はオンエア管理装置である。
【0014】
ビデオサーバ11は、搬入されたコンテンツファイルを番組コンテンツとCMコンテンツに振り分け、それぞれのプレイアウトサーバ111、112に格納し、OAスケジュールに従ってサーバから読み出し、デコーダ113でOA用のフォーマットに変換してマスターシステム12に送る。
【0015】
マスターシステム12は、ビデオサーバ11からのコンテンツを映音選択・映音加工部121に入力し、オンエア条件に合わせた映像、音声に加工した上で、符号化・多重化処理部122に入力し、映像・音声・テキスト等を含むオンエア用放送信号に変換して送出装置(図示せず)に送信する。
【0016】
オンエア管理装置13は、映像認識エンジン131と、音声字幕処理部132と、収録部133とを備える。
【0017】
上記映像認識エンジン131は、オンエア確認の指示を受け、ビデオサーバ11で事前にコンテンツをプレビューする際に、そのコンテンツから映像の特徴量Aを抽出し、マスターシステム12でオンエアした際に、そのコンテンツから映像の特徴量A’を抽出し、プレビュー時の映像特徴量Aとオンエア時の映像特徴量A’とを比較して、両者の同一性判断から映像素材自体でオンエアを確認し、上位装置(例えば営業放送システム)に比較結果を通知する。
【0018】
また、上記音声字幕処理部132は、オンエア確認の指示を受け、ビデオサーバ11で事前にコンテンツをプレビューする際に、そのコンテンツから音声を抽出して字幕テキストBを作成し、マスターシステム12でオンエアした際に、そのコンテンツから音声を抽出して字幕テキストB’を作成し、プレビュー時の音声字幕テキストBとオンエア時の音声字幕テキストB’とを比較して、両者の同一性判断から音声素材自体でオンエアを確認し、上位装置(例えば営業放送システム)に比較結果を通知する。
【0019】
また、上記音声字幕処理部132は、例えば放送後のBPO(Broadcasting Ethics & Program Improvement Organization:放送倫理・番組向上機構)のチェックでNG(No Good)とされる用語等の放送禁止用語を収録した放送禁止用語辞書を備え、オンエア時の音声字幕テキストB’を放送禁止用語辞書と比較することで、放送禁止用語のオンエアを確認し、その結果を正常またはアラームで通知する。
【0020】
また、上記収録部133は、スタジオ等からのライブコンテンツがマスターシステム12に入力され、オンエアされた場合に、そのオンエアされたライブコンテンツを収録するもので、その収録されたライブコンテンツは、上記音声字幕処理部132に送られ、放送禁止用語のオンエア確認が実行される。
【0021】
図2は、図1に示すCMオンエア管理装置14のオンエア確認方法を示すフローチャートである。図2において、上位装置からオンエア確認指示を受けると(ステップS11)、ビデオサーバ11でのプレビューコンテンツから映像特徴量Aを抽出して保存すると共に、音声を抽出して字幕テキストBを作成して保存し(ステップS12)、オンエアを待機する(ステップS13)。そのコンテンツがオンエアされた場合には、オンエアコンテンツから映像特徴量A’を抽出すると共に、音声を抽出して字幕テキストB’を作成し(ステップS14)、映像認識エンジン131及び音声字幕処理部132によってプレビューの映像特徴量A及び音声字幕テキストBとオンエアの映像特徴量A’及び音声字幕テキストB’とをそれぞれ比較して(ステップS15)、両者の映像特徴量A、A’、音声字幕テキストB、B’が共に一致するか判断する(ステップS16)。一致した場合には、オンエアが正常であったことを上位装置に通知し(ステップS17)、不一致の場合には、アラームを出力して上位装置にその旨を通知する(ステップS18)。
【0022】
すなわち、本実施形態では、オンエア素材の前後でコンテンツの映像特徴量を抽出すると共に、音声字幕テキストを作成し、それぞれを比較して、映像と音声で同一性を判断する。このため、オンエアを人手によらず確実に確認することができる。
【0023】
図3は、図1に示す放送システムの放送禁止用語に関するオンエア確認方法を示すフローチャートである。図3において、上位装置から放送禁止用語の確認指示を受けると(ステップS21)、オンエアを待機する(ステップS22)。コンテンツがオンエアされた場合には、オンエアコンテンツから音声を抽出して字幕テキストを作成し(ステップS23)、音声字幕処理部132によってオンエアコンテンツの音声字幕テキストを放送禁止用語辞書と比較して(ステップS24)、音声字幕テキストから放送禁止用語が未検出か否かを判断する(ステップS25)。未検出の場合には、オンエアが正常(放送禁止用語が使用されていない)であったことを上位装置に通知し(ステップS26)、検出された場合には、アラームを出力して上位装置に放送禁止用語が使用された旨を通知する(ステップS27)。
【0024】
すなわち、本実施形態では、オンエア素材のコンテンツの音声字幕テキストを作成し、禁止用語を収録した辞書とテキスト比較するようにしているので、放送禁止用語のオンエアを人手によらず、容易に判断することができる。
【0025】
上記実施形態では、ビデオサーバ11に搬入されたコンテンツファイルについてBPO確認する場合について説明したが、スタジオ等のライブ放送の場合はビデオサーバ11を介さず、直接マスターシステム12に入力される。そこで、スタジオ等からのライブコンテンツがマスターシステム12を通じてオンエア管理装置13に入力されると、収録部133により、オンエアされたライブコンテンツを収録し、上記音声字幕処理部132に送って、放送禁止用語のオンエア確認が実行される。
【0026】
このように、OAの素材自体で確認することで、オンエア及び放送禁止用語の使用を人手によらず確実に確認することができる。
【0027】
なお、本発明は上記実施形態をそのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0028】
11…ビデオサーバ、111、112…プレイアウトサーバ、113…デコーダ、12…マスターシステム、121…映音選択・映音加工部、122…符号化・多重化処理部、13…オンエア管理装置、131…映像認識エンジン、132…音声字幕処理部、133…収録部。
図1
図2
図3