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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044527
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】スパウト付きパウチ
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/38 20060101AFI20240326BHJP
   B65D 30/16 20060101ALI20240326BHJP
   B65D 33/08 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
B65D33/38
B65D30/16
B65D33/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150097
(22)【出願日】2022-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】313005282
【氏名又は名称】東洋製罐株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100153497
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 信男
(72)【発明者】
【氏名】田中 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】勝田 翔大郎
【テーマコード(参考)】
3E064
【Fターム(参考)】
3E064AB25
3E064BA17
3E064BA24
3E064BA36
3E064BA54
3E064BB03
3E064BC18
3E064EA09
3E064EA12
3E064FA04
3E064GA01
3E064HJ02
3E064HK01
3E064HN65
3E064HS10
(57)【要約】
【課題】スパウトを通じた内容物の注出性を向上するスパウト付きパウチを提供すること。
【解決手段】第1サイドシール22によって表側フィルム30および裏側フィルム40に熱溶着される第1マチフィルム50と、第1マチフィルム50に装着されたスパウト80とを備えたスパウト付きパウチ10であって、第1マチフィルム50は、第1非シール領域53の表裏方向表側に位置する第1表側サイド部分56と、第1非シール領域53の表裏方向裏側に位置する第1裏側サイド部分57とを有し、スパウト80は、第1非シール領域53に装着され、第1表側サイド部分56および第1裏側サイド部分57には、取手部27がそれぞれ設けられているスパウト付きパウチ10。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表側フィルムと、裏側フィルムと、第1サイドシールによって前記表側フィルムおよび前記裏側フィルムに熱溶着される第1マチフィルムと、前記第1マチフィルムに装着されたスパウトと、使用者がパウチを持つための取手部とを備えたスパウト付きパウチであって、
前記第1マチフィルムは、前記表側フィルムに熱溶着される第1表側シール領域と、前記裏側フィルムに熱溶着される第1裏側シール領域と、前記第1表側シール領域および前記第1裏側シール領域の内側の領域である第1非シール領域とを有し、
前記第1マチフィルムは、前記第1非シール領域の表裏方向表側に位置する第1表側サイド部分と、前記第1非シール領域の表裏方向裏側に位置する第1裏側サイド部分とを有し、
前記スパウトは、前記第1非シール領域に装着され、
前記第1表側サイド部分および前記第1裏側サイド部分には、前記取手部がそれぞれ設けられていることを特徴とするスパウト付きパウチ。
【請求項2】
前記第1非シール領域は、前記第1表側シール領域との境界である第1表側外縁と、前記第1裏側シール領域との境界である第1裏側外縁とを有し、
前記第1表側外縁および前記第1裏側外縁は、互いに表裏方向に離間して配置される第1ベース縁部と、前記第1ベース縁部の上端から、前記第1表側外縁および前記第1裏側外縁の上端同士を連結する第1上端連結部まで延びる第1上方側傾斜縁部と、前記第1表側外縁および前記第1裏側外縁の下端同士を連結する第1下端連結部まで延びる第1下方側傾斜縁部とをそれぞれ有し、
前記第1表側サイド部分に設けられた前記取手部は、その少なくとも一部分が、前記第1表側外縁の前記第1ベース縁部の表裏方向表側に位置する部分に形成され、
前記第1裏側サイド部分に設けられた前記取手部は、その少なくとも一部分が、前記第1裏側外縁の前記第1ベース縁部の表裏方向裏側に位置する部分に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のマチ付きパウチ。
【請求項3】
前記第1表側サイド部分および前記第1裏側サイド部分は、表裏方向の外側に突出したサイド突出部をそれぞれ有し、
前記取手部の少なくとも一部は、前記サイド突出部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスパウト付きパウチ。
【請求項4】
前記サイド突出部は、表裏方向における前記スパウトの側方位置からずれた位置に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のスパウト付きパウチ。
【請求項5】
前記第1表側サイド部分および前記第1裏側サイド部分は、表裏方向における幅寸法が、前記第1非シール領域からの前記スパウトの突出高さよりも大きく設定された部分を有することを特徴とする請求項1に記載のスパウト付きパウチ。
【請求項6】
前記取手部は、前記第1表側サイド部分および前記第1裏側サイド部分にフィルム厚み方向に貫通して形成された貫通孔として形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスパウト付きパウチ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スパウトが第1マチフィルムに装着されたスパウト付きパウチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、本出願人は、飲料水や液体洗剤等の内容物を収容する容器として、特許文献1において、スパウトが第1マチフィルムに装着されたスパウト付きパウチを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-132177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1に開示されるようなパウチでは、内容物注出時にスパウト内に入った内容物の重量等に起因して、第1マチフィルムに装着されたスパウトが不測に動いてしまうことがあり、その結果、スパウトの向きが定まりにくく、内容物の注出が難しくなる場合があるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、これらの問題点を解決するものであり、簡素な構成で、スパウトを通じた内容物の注出性を向上するスパウト付きパウチを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、表側フィルムと、裏側フィルムと、第1サイドシールによって前記表側フィルムおよび前記裏側フィルムに熱溶着される第1マチフィルムと、前記第1マチフィルムに装着されたスパウトと、使用者がパウチを持つための取手部とを備えたスパウト付きパウチであって、前記第1マチフィルムは、前記表側フィルムに熱溶着される第1表側シール領域と、前記裏側フィルムに熱溶着される第1裏側シール領域と、前記第1表側シール領域および前記第1裏側シール領域の内側の領域である第1非シール領域とを有し、前記第1マチフィルムは、前記第1非シール領域の表裏方向表側に位置する第1表側サイド部分と、前記第1非シール領域の表裏方向裏側に位置する第1裏側サイド部分とを有し、前記スパウトは、前記第1非シール領域に装着され、前記第1表側サイド部分および前記第1裏側サイド部分には、前記取手部がそれぞれ設けられていることにより、前記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0007】
本請求項1に係る発明によれば、スパウトが装着された第1マチフィルムの第1非シール領域の両サイドの第1表側サイド部分および第1裏側サイド部分に、取手部をそれぞれ設けている。これにより、両サイドの取手部を利用してパウチを持ち上げて内容物の注出を行う際に、取手部が形成された第1表側サイド部分および第1裏側サイド部分を互いに離れる方向に引っ張る等の使用者による操作によって、フィルムのハリ等の第1非シール領域の状態を制御することが可能であるため、第1非シール領域に装着されたスパウトの姿勢等を調整することができ、円滑な注出作業を行うことができる。
また、本請求項1に係る発明では、両サイドの取手部を持ってパウチを持ち上げた状態で、スパウトがパウチの上面側にくるため、スパウトの栓が開いた状態でパウチを持ち運びする場合であっても、内容物を漏出させることなくパウチを持ち運びすることができる。
【0008】
本請求項2に係る発明によれば、第1表側サイド部分および第1裏側サイド部分に設けられた取手部の少なくとも一部分が、第1ベース縁部の表裏方向の外側に位置する部分に形成されていることにより、第1表側サイド部分および第1裏側サイド部分を互いに離れる方向に引っ張る等の使用者による操作による、スパウトの姿勢等を調整する作業等を容易に行うことができる。
本請求項3に係る発明によれば、取手部の少なくとも一部をサイド突出部に設けることにより、取手部の設計自由度を向上し、取手部を利用したスパウト付きパウチの把持性を向上することができる。
本請求項4に係る発明によれば、サイド突出部が、表裏方向におけるスパウトの側方位置からずれた位置に形成されていることにより、サイド突出部によってスパウトを通じた内容物の注出性が損なわれることを回避できる。
本請求項5に係る発明によれば、第1表側サイド部分および第1裏側サイド部分が、表裏方向における幅寸法が第1非シール領域からのスパウトの突出高さよりも大きく設定された部分を有することにより、第1表側サイド部分および第1裏側サイド部分を、スパウトをガードする部位として機能させ、スパウトに対して周辺物等が当たることを抑制して、スパウトを保護することができる。
本請求項6に係る発明によれば、取手部が、第1表側サイド部分および第1裏側サイド部分にフィルム厚み方向に貫通して形成された貫通孔として形成されていることにより、取手部の構造を簡素化でき、パウチ構造が複雑になることを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係るマチ付きパウチを示す斜視図。
図2】パウチ本体を構成する各フィルムを示す説明図。
図3】第1マチフィルムを示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の一実施形態であるスパウト付きパウチ10について、図面に基づいて説明する。
【0011】
マチ付きパウチ10は、除草剤、飲料水、液体洗剤等の液体状等の各種内容物を収容するものであり、図1に示すように、可撓性を有したフィルム30、40、50、60を熱溶着して製袋用シール部を形成することで袋状に形成されたパウチ本体20と、パウチ本体20(内容物収容部21)内に配置される内側フィルム70と、パウチ本体20に装着されたスパウト80とを有している。
【0012】
パウチ本体20は、両側部にマチ部が形成された所謂横ガゼット型のパウチとして構成され、図1図2に示すように、内容物収容部21を挟んで表裏方向Xに対向して配置される表側フィルム30および裏側フィルム40と、パウチ側部の一方において表側フィルム30および裏側フィルム40の間に配置され、第1サイドシール22によって表側フィルム30および裏側フィルム40に熱溶着される第1マチフィルム50と、内容物収容部21を挟んで前後方向Zに第1マチフィルム50に対向して配置され、パウチ側部の他方において第2サイドシール23によって表側フィルム30および裏側フィルム40に熱溶着される第2マチフィルム60とを有している。
【0013】
各フィルム30、40、50、60、70は、少なくともその片面に熱溶着層を有した樹脂フィルムとして形成され、互いに熱溶着される箇所において、熱溶着層同士を対向させるように配置されている。
なお、図2等では、各フィルム30、40、50、60、70の各熱溶着領域を塗り潰しで表した。
【0014】
パウチ本体20は、図1図2に示すように、第1マチフィルム50の横方向の両側をフィルム30、40に熱溶着した第1サイドシール22と、第2マチフィルム60の横方向の両側をフィルム30、40に熱溶着した第2サイドシール23と、前後方向Zにおける第1サイドシール22および第2サイドシール23の間であって、内容物収容部21を挟んでボトムシール25に対向するパウチ本体20の頂部に対応する位置で、フィルム30、40を固着したトップシール24と、パウチ本体20のパウチ底部に対応する位置で、フィルム30、40を固着したボトムシール25と、フィルム30、40と内側フィルム70とを熱溶着した中間シール26とを有している。これらシール22~26は、製袋用シール部を構成する。
【0015】
本実施形態のように、内側フィルム70を設けている場合、トップシール24およびボトムシール25には、フィルム30、40間を直接的に熱溶着することで、フィルム30、40を固着した部分と、フィルム30、40間に内側フィルム70が介在し、フィルム30、40、70間を熱溶着することで、フィルム30、40を固着した部分とが含まれる。
仮に、内側フィルム70を設けずにスパウト付きパウチ10を形成する場合、トップシール24およびボトムシール25は、フィルム30、40間を直接的に熱溶着することでフィルム30、40を固着した部分のみから構成される。
【0016】
第1マチフィルム50は、図3に示すように、第1サイドシール22において表側フィルム30に熱溶着される第1表側シール領域51と、第1サイドシール22において裏側フィルム40に熱溶着される第1裏側シール領域52と、第1表側シール領域51および第1裏側シール領域52の内側の領域である第1非シール領域53とを有している。
【0017】
第1非シール領域53は、図3に示すように、第1表側シール領域51との境界である第1表側外縁54と、第1裏側シール領域52との境界である第1裏側外縁55とを有している。
第1マチフィルム50は、第1マチフィルム50の表裏方向Xの中央を上下方向Yに沿って延びる仮想線を基準として線対称(左右対称)に形成され、言い替えると、第1表側外縁54および第1裏側外縁55は、前記仮想線を基準として線対称(左右対称)に形成されている。
【0018】
第1表側外縁54および第1裏側外縁55は、図3に示すように、互いに表裏方向Xに離間して配置される第1ベース縁部54a、55aと、第1ベース縁部54a、55aの下端から第1表側外縁54および第1裏側外縁55の下端同士を連結する第1下端連結部53aまで延びる第1下方側傾斜縁部54b、55bと、第1ベース縁部54a、55aの上端から第1表側外縁54および第1裏側外縁55の上端同士を連結する第1上端連結部53bまで延びる第1上方側傾斜縁部54c、55cとをそれぞれ有している。
【0019】
第1ベース縁部54a、55aは、図3に示すように、上下方向Yに沿って直線状に延びるように形成されている。
第1下方側傾斜縁部54b、55bは、図3に示すように、下方に向かうに従って表裏方向Xの内側に寄るように(本実施形態では45°の傾斜角度で)上下方向Yに傾斜して直線状に延びている。
第1上方側傾斜縁部54c、55cは、図3に示すように、上方に向かうに従って表裏方向Xの内側に寄るように(本実施形態では45°の傾斜角度で)上下方向Yに傾斜して直線状に延びている。
【0020】
また、第1マチフィルム50は、図3に示すように、スパウト80のフランジが対向して配置されるフランジ対向領域58を有している。本実施形態では、フランジ対向領域58は、円形状の外周縁を有した円環状に形成されている。
また、第1マチフィルム50は、フィルム厚み方向に貫通して形成された、スパウト80の注出筒部を挿通させるための円形状のスパウト用貫通孔59を有している。
【0021】
第1マチフィルム50は、図3に示すように、第1非シール領域53の表裏方向Xの表側(第1表側外縁54よりも表裏方向Xの表側)に位置する第1表側サイド部分56と、第1非シール領域の表裏方向Xの裏側(第1裏側外縁55よりも表裏方向Xの裏側)に位置する第1裏側サイド部分57とを有している。
【0022】
本実施形態では、第1表側・裏側サイド部分56、57に、図3に示すように、フィルム30、40に熱溶着された熱溶着部分56a、57aと、フィルム30、40に熱溶着されていない未熱溶着部分56b、57bとが含まれている。
なお、本実施形態では、図3に示すように、表裏方向Xにおいて、未熱溶着部分56b、57bが、熱溶着部分56a、57aに挟まれて形成されている。
【0023】
第1表側サイド部分56(具体的には、第1表側サイド部分56と表側フィルム30とが重ねられた部分)と第1裏側サイド部分57(具体的には、第1裏側サイド部分57と裏側フィルム40とが重ねられた部分)とには、図3に示すように、後述する取手部27(第1取手部27a)がそれぞれ設けられている。
【0024】
更に具体的には、本実施形態では、第1表側・裏側サイド部分56、57は、図3に示すように、表裏方向Xの外側に突出した(出っ張った)サイド突出部56c、57cを有し、取手部27(第1取手部27a)の少なくとも一部は、サイド突出部56c、57cに設けられている。
【0025】
サイド突出部56c、57cは、図3に示すように、表裏方向Xにおけるスパウト80の側方位置から上下方向Yにずれた位置に形成され、更に具体的には、スパウト80の側方位置よりも下方側にずれた位置に形成されている。
【0026】
第1表側サイド部分56および第1裏側サイド部分57は、図3に示すように、表裏方向における幅寸法W(第1非シール領域53の第1ベース縁部54a、55aからサイド突出部56c、57cの外縁までの幅寸法W)が、(第1マチフィルム50に対して垂直な方向、前後方向Zにおける)第1非シール領域53からのスパウト80の突出高さよりも大きく設定された部分を有している。
本実施形態では、上記のスパウト80の突出高さよりも大きく設定された部分は、サイド突出部56c、57cである。
【0027】
スパウト80は、合成樹脂等から形成され、パウチ本体20の第1マチフィルム50(の第1非シール領域53)に装着されて内容物の注出口として機能するものであり、第1マチフィルム50の第1非シール領域53に対向して配置されるフランジと、円盤状のフランジに対して垂直に延び注出孔が形成された注出筒部と、注出筒部の先端に着脱可能に取り付けられるキャップとを有している。
【0028】
本実施形態では、フランジは、その中央に貫通孔が形成され円形の外周縁(フランジ外周縁)を有した円盤状(円環状)の部位として形成され、パウチ本体20の内側に配置されて第1マチフィルム50の内側面に熱溶着によってその少なくとも一部分が固着されている。
【0029】
フランジ(フランジ対向領域58)の中央を含む、フランジ(フランジ対向領域58)の少なくとも一部分(本実施形態では全部)は、図3に示すように、第1表側・裏側外縁54の第1ベース縁部54a、55a間の領域に対向して配置されている。
【0030】
内側フィルム70は、少なくともその片面に熱溶着層を有した矩形状(またはほぼ矩形状)かつ可撓性の樹脂フィルムとして形成され、2つ折りに折り曲げられた状態でパウチ本体20(内容物収容部21)内に配置され、その所定箇所がフィルム30、40に熱溶着されている。
内側フィルム70には、図2に示すように、フィルム厚み方向に貫通する孔状に形成された複数のフィルム貫通部が形成されている。
【0031】
また、マチ付きパウチ10には、図1~3に示すように、使用者がパウチを持つための複数の取手部27が設けられており、本実施形態では、複数の取手部27は、第1取手部27aと第2取手部27bとを含んでいる。
【0032】
第1取手部27aは、図3に示すように、第1マチフィルム50の第1表側サイド部分56(具体的には、第1表側サイド部分56と表側フィルム30とが重ねられた部分)と、第1マチフィルム50の第1裏側サイド部分57(具体的には、第1裏側サイド部分57と裏側フィルム40とが重ねられた部分)とにそれぞれ設けられている。
更に具体的には、第1取手部27aの少なくとも一部分(本実施形態では全部)は、図3に示すように、第1表側サイド部分56のうち第1ベース縁部54a、55aの表裏方向Xの表側または裏側に位置する部分に形成されている。
また、第1取手部27aは、図3に示すように、第1表側・裏側サイド部分56、57の熱溶着部分56a、57aおよび未熱溶着部分56b、57bに跨って形成されている。
また、表裏両側の第1取手部27aは、図3に示すように、第1マチフィルム50の表裏方向Xの中央を上下方向Yに沿って延びる仮想線を基準として線対称(左右対称)に形成されている。
【0033】
第1取手部27aは、図3に示すように、第1表側・裏側サイド部分56、57(具体的には、第1表側・裏側サイド部分56、57とフィルム30、40とが重ねられた部分)にフィルム厚み方向に貫通して形成された貫通孔として形成されている。
【0034】
第2取手部27bは、図1図2に示すように、ボトムシール25に設けられており、本実施形態では、ボトムシール25に含まれる熱溶着部分および非熱溶着部分に跨って形成されている。
【0035】
第2取手部27bは、図1図2に示すように、ボトムシール25に位置するフィルム30、40、70にフィルム厚み方向に貫通して形成された貫通孔として形成されている。
【0036】
なお、図2等においては、技術理解の便宜上、各フィルム30、40、50、70間を熱溶着していない状態で、取手部27(第1取手部27a、第2取手部27b)が形成されているものとして図示したが、本実施形態においては、各フィルム30、40、50、70間を熱溶着した後に、所定箇所に打ち抜き加工を施すことで取手部27を形成する。
【0037】
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行なうことが可能である。また、上述した実施形態や後述する変形例の各構成を、任意に組み合わせてスパウト付きパウチ10を構成しても何ら構わない。
【0038】
例えば、スパウト付きパウチ10を、その使用時や陳列時や運搬時に、外装ケース(図示しない)内に収容されて運用してもよく、また、外装ケース(図示しない)内に収容することなく、スパウト付きパウチ10そのものを使用し、又は陳列や運搬を行ってもよい。
【0039】
また、各フィルム30、40、50、60、70の具体的態様については、低密度ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系やPET(ポリエチレンテレフタレート)などのポリエステル系等の熱溶着性を有する層を少なくとも片面に有するものであれば、熱溶着層の単膜又は熱溶着層に任意の層を積層してもよい。積層を構成する素材は如何なるものでもよく、公知のPETやPBT(ポリブチレンテレフタレート)等のポリエステル、ナイロン等のポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、アルミ箔等を積層することで任意に形成すればよい。
また、上述した実施形態では、パウチ本体20が、フィルム30、40、50、60の4枚のフィルムから形成されているものとして説明したが、パウチ本体20を構成するフィルムの枚数等の、パウチ本体20の具体的態様は、上記に限定されず、例えば、パウチ底部に対応する位置に底部用のマチ用フィルムを別途設けてもよい。
また、第2マチフィルム60を設けることなく、マチ付きパウチ10を、第1マチフィルム50のみを設けたマチ付きパウチとして構成してもよい。
また、内側フィルム70については設けなくてもよい。
また、上述した実施形態では、スパウト付きパウチ10が容量2~5Lの大容量パウチとして構成され、また、スパウト80についても、フランジの外径が50~70mmの大型スパウトとして構成されているが、スパウト付きパウチ10やスパウト80の大きさは、これに限定されず、実施形態に応じて任意に設定すればよい。
【0040】
また、上述した実施形態では、第1表側外縁54および第1裏側外縁55が、第1マチフィルム50の表裏方向Xの中央を上下方向Yに沿って延びる仮想線を基準として線対称(左右対称)に形成されているものとして説明したが、第1表側外縁54および第1裏側外縁55が左右非対称に形成されてもよい。
【0041】
また、上述した実施形態では、フランジが、円形の外周縁を有した円盤状に形成されているものとして説明したが、フランジの具体的形状は、矩形状や多角形状等の円形以外の形状の外周縁(フランジ外周縁)を有するもの等、如何なるものでもよい。
また、上述した実施形態では、フランジが、第1マチフィルム50の内側面に固着されるものとして説明したが、フランジを第1マチフィルム50の外側面に固着してもよい。
また、フランジを第1マチフィルム50に固着する方法は、熱溶着以外にも接着等の如何なるものでもよい。
【0042】
なお、本明細書内では、「頂部」「底部」「側部」等の上下を示す用語を使用しているが、これら用語は、陳列時や運搬時等におけるスパウト付きパウチ10の設置の向きを限定するものではなく、例えば、陳列時や運搬時等に、スパウト付きパウチ10の側部や頂部を下にして載置面上にスパウト付きパウチ10を設置してもよい。
【0043】
また、上述した実施形態では、傾斜縁部54b、54c、55c、55b、上下方向Yに傾斜して延びる1つの直線部分から構成されているものとして説明したが、傾斜縁部54b、54c、55c、55bの具体的態様は、上記に限定されず、少なくとも1つの直線部分や少なくとも1つの曲線部分やこれらの組み合わせで構成すればよい。
【0044】
また、上述した実施形態では、第1表側・裏側サイド部分56、57が、熱溶着部分56a、57aと未熱溶着部分56b、57bとを含むものとして説明したが、第1表側・裏側サイド部分56、57に未熱溶着部分56b、57bを形成しなくてもよく、すなわち、第1表側・裏側サイド部分56、57の全域に亘ってフィルム30、40を熱溶着してもよい。
【0045】
また、上述した実施形態では、ボトムシール25が、熱溶着部分と未熱溶着部分とを含むものとして説明したが、ボトムシール25に未熱溶着部分を形成しなくてもよく、すなわち、ボトムシール25の全域に亘ってフィルム30、40、70を熱溶着してもよい。
【0046】
また、上述した実施形態では、取手部27(第1取手部27a、第2取手部27b)が、使用者が手や指を通してパウチ本体20を把持するための貫通孔状に形成されているものとして説明したが、取手部27の具体的態様は、上記に限定されず、使用者がパウチを持つのに適した態様であるものであれば、如何なるものでもよい。
例えば、第1取手部27aを、第1表側・裏側サイド部分56、57のフィルム外縁からフィルム内側に向けて切り欠いた切り欠き状に形成してもよく、また、第1表側・裏側サイド部分56、57に貫通孔や切り欠きを形成するのではなく、第1表側・裏側サイド部分56、57に別体のフィルム等を固着することで、第1取手部27aを第1表側・裏側サイド部分56、57に設けてもよく、この点について、第2取手部27bについても同様である。
【0047】
また、上述した実施形態では、図2等に示すように、取手部27が、フィルム厚み方向に貫通する孔状(または幅有りスリット状)に形成されたものであるものとして説明したが、取手部27の具体的態様は上記に限定されず、各フィルムをフィルム厚み方向に貫通する切れ込み状のスリット(材料除去を伴わない、その延在方向に対して直交する方向に幅を有さないスリット状)として、取手部27を形成してもよい。なお、取手部27を孔状(または幅有りスリット状)に形成した場合、取手部27の視認性を向上させることができ、取手部27の位置や存在を気づき易くさせることができる。
【0048】
また、取手部27(第1取手部27a)を貫通孔状に形成する場合、取手部27の少なくとも一部分を第1表側・裏側サイド部分56、57に形成すればよい。
また、上述した実施形態では、第1取手部27aが、第1表側・裏側サイド部分56、57の熱溶着部分56a、57aおよび未熱溶着部分56b、57bに跨って形成されていると説明したが、第1取手部27aの全域を、熱溶着部分56a、57aまたは未熱溶着部分56b、57bに形成してもよい。
【0049】
また、上述した実施形態では、取手部27として、第1取手部27aおよび第2取手部27bが設けられているものとして説明したが、第1取手部27aのみを設けてもよい。また、第1取手部27a以外の取手部を設ける場合、ボトムシール25以外の箇所に当該取手部を設けてもよい。
【0050】
また、上述した実施形態では、スパウト80は、そのフランジが第1表側・裏側外縁54の第1ベース縁部54a、55a間の領域に対向するように装着されるものとして説明したが、スパウト80の装着位置は、上記に限定されず、第1上方側傾斜縁部54c、55c間の領域等、第1マチフィルム50の第1非シール領域53にフランジが対向する位置であれば如何なるものでもよい。
【符号の説明】
【0051】
10 ・・・ スパウト付きパウチ
20 ・・・ パウチ本体
21 ・・・ 内容物収容部
22 ・・・ 第1サイドシール
23 ・・・ 第2サイドシール
24 ・・・ トップシール
25 ・・・ ボトムシール
25a ・・・ 熱溶着部分
25b ・・・ 非熱溶着部分
26 ・・・ 中間シール
27 ・・・ 取手部
27a ・・・ 第1取手部(取手部)
27b ・・・ 第2取手部
28 ・・・ 制御固着部
30 ・・・ 表側フィルム
40 ・・・ 裏側フィルム
50 ・・・ 第1マチフィルム
51 ・・・ 第1表側シール領域
52 ・・・ 第1裏側シール領域
53 ・・・ 第1非シール領域
53a ・・・ 第1下端連結部
53b ・・・ 第1上端連結部
54 ・・・ 第1表側外縁
54a ・・・ 第1ベース縁部
54b ・・・ 第1下方側傾斜縁部
54c ・・・ 第1上方側傾斜縁部
55 ・・・ 第1裏側外縁
55a ・・・ 第1ベース縁部
55b ・・・ 第1下方側傾斜縁部
55c ・・・ 第1上方側傾斜縁部
56 ・・・ 第1表側サイド部分
57 ・・・ 第1裏側サイド部分
58 ・・・ フランジ対向領域
59 ・・・ スパウト用貫通孔
60 ・・・ 第2マチフィルム
61 ・・・ 第2表側シール領域
62 ・・・ 第2裏側シール領域
63 ・・・ 第2非シール領域
63a ・・・ 第2下端連結部
63b ・・・ 第2上端連結部
64 ・・・ 第2表側外縁
64a ・・・ 第2ベース縁部
64b ・・・ 第2下方側傾斜縁部
64c ・・・ 第2上方側傾斜縁部
65 ・・・ 第2裏側外縁
65a ・・・ 第2ベース縁部
65b ・・・ 第2下方側傾斜縁部
65c ・・・ 第2上方側傾斜縁部
70 ・・・ 内側フィルム
80 ・・・ スパウト
X ・・・ 表裏方向
Y ・・・ 上下方向
Z ・・・ 前後方向

図1
図2
図3