(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044566
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】エトフェンプロックスを含有する洗浄用組成物
(51)【国際特許分類】
A01K 13/00 20060101AFI20240326BHJP
A01N 31/14 20060101ALI20240326BHJP
A01P 7/02 20060101ALI20240326BHJP
A01P 7/04 20060101ALI20240326BHJP
C11D 3/48 20060101ALI20240326BHJP
C11D 3/20 20060101ALI20240326BHJP
C11D 1/74 20060101ALI20240326BHJP
C11D 1/52 20060101ALI20240326BHJP
C11D 1/94 20060101ALI20240326BHJP
C11D 17/04 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
A01K13/00 M
A01K13/00 F
A01N31/14
A01P7/02
A01P7/04
C11D3/48
C11D3/20
C11D1/74
C11D1/52
C11D1/94
C11D17/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150160
(22)【出願日】2022-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】000149181
【氏名又は名称】株式会社大阪製薬
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柴田 知佳
(72)【発明者】
【氏名】湯次 椎菜
(72)【発明者】
【氏名】坂本 綾子
【テーマコード(参考)】
4H003
4H011
【Fターム(参考)】
4H003AC12
4H003AC13
4H003BA12
4H003BA20
4H003BA21
4H003DA18
4H003EB04
4H003ED02
4H003FA18
4H003FA21
4H003FA28
4H003FA34
4H011AC01
4H011AC04
4H011BA05
4H011BB03
4H011BC03
4H011BC06
4H011DA16
(57)【要約】
【課題】 洗浄用組成物を提供する。特には、動物に直接適用し、泡状で適用し、洗い流さないで使用するのに適した、防虫又は殺虫機能を兼ね備え得る洗浄用組成物を提供する。
【解決手段】 エトフェンプロックス、低級アルコール、及びHLB7.0~14.5のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含有する洗浄用組成物を調製する。このような洗浄用組成物は、さらに追加の非イオン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤を含んでいてもよい。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エトフェンプロックス0.05w/w%以上0.6w/w%以下;
低級アルコール10w/w%以上39w/w%以下;及び
HLB7.0~14.5のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油3w/w%以上7.5w/w%以下;
を含有する洗浄用組成物であって、泡状に吐出する為の洗浄用組成物。
【請求項2】
前記低級アルコールが、エタノールである請求項1に記載の洗浄用組成物。
【請求項3】
さらに、HLB7.0~14.5のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油以外の非イオン界面活性剤を含む、請求項1に記載の洗浄用組成物。
【請求項4】
前記非イオン界面活性剤が、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドである、請求項3に記載の洗浄用組成物。
【請求項5】
さらに、両性界面活性剤を含む、請求項1に記載の洗浄用組成物。
【請求項6】
エトフェンプロックス0.05w/w%以上0.6w/w%以下;
低級アルコール10w/w%以上39w/w%以下;及び
HLB7.0~14.5のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油3w/w%以上7.5w/w%以下;
を含有する洗浄用組成物が、泡状に吐出する容器に収容されてなる、動物用洗浄製品。
【請求項7】
ドライシャンプ―である、請求項6に記載の動物用洗浄製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主にペットや家畜などの動物に使用するための洗浄用組成物に関する。より詳細には、本発明は、エトフェンプロックスを含有し、泡状で適用するのに好適な洗浄用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ペット、又は家畜等の人と関わり合いがある動物に付着する害虫は、これらの動物に重篤な症状をもたらす病気を媒介したり、人に対してアレルギーや有害な作用を及ぼしたりすることがある。これらの害虫に対しては、主にペットや家畜の体表面に、滴下、噴霧、塗布をする為の害虫防除剤が知られている。
【0003】
このような洗浄用組成物の有効成分としては、ピレスロイド系化合物やピレスロイド系化合物と他の化合物の組み合わせが広く用いられている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年ペットの高齢化が進みシニア犬・シニア猫といった高齢動物を飼育している世帯が増加している。このような動物について、体の清潔を保つことと、ノミやダニの被害から防除する必要性は大きい一方で、その方法については、飼い主や介護者は、苦慮している。元々水を嫌う犬や猫は多く、水の使用はそのような個体にとってストレスとなる。特に高齢になった犬や猫には水で洗い流す通常のシャンプーは大きな負担となる。従って、害虫を防除又は駆除しながら、水を使用しない動物用のいわゆるドライシャンプ―として使用し得る洗浄用組成物が求められている。加えて、ドライシャンプーにすることで洗い流す際の排水が出ないことから生活排水を最小限に抑え、SDGsの観点からも環境に配慮した組成物とすることができる。
【0006】
本発明は、害虫防除対象の動物に泡状で適用することができ、使用感が良く、安定性に優れた洗浄用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、本課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、エトフェンプロックス、低級アルコール、及びHLB7.0~14.5のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含有させ、それらの濃度を調整することで、適用時に良好な泡状に形成し得る洗浄用組成物を調製できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、下記に掲げる洗浄用組成物を提供する。
[1].
エトフェンプロックス0.05w/w%以上0.6w/w%以下;
低級アルコール10w/w%以上39w/w%以下;及び
HLB7.0~14.5のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油3w/w%以上7.5w/w%以下;
を含有する洗浄用組成物であって、泡状に吐出する為の洗浄用組成物。
[2]
前記低級アルコールが、エタノールである[1]に記載の洗浄用組成物。
[3]
さらに、HLB7.0~14.5のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油以外の非イオン界面活性剤を含む、[1]又は[2]に記載の洗浄用組成物。
[4]
前記非イオン界面活性剤が、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドである、[1]~[3]のいずれかに記載の洗浄用組成物。
[5]
さらに、両性界面活性剤を含む、、[1]~[4]のいずれかに記載の洗浄用組成物。
[6]
エトフェンプロックス0.05w/w%以上0.6w/w%以下;
低級アルコール10w/w%以上39w/w%以下;及び
HLB7.0~14.5のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油3w/w%以上7.5w/w%以下;
を含有する洗浄用組成物が、泡状に吐出する容器に収容されてなる、動物用洗浄製品。
[7]
ドライシャンプ―である、[6]に記載の動物用洗浄製品。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、適用時に良好な泡状に形成し得る洗浄用組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において、含有量の単位「w/w%」は、「g/100g」と同義である。
【0011】
[洗浄用組成物]
本発明の洗浄用組成物は、エトフェンプロックス、低級アルコール、及びHLB7.0~14.5のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含有する、洗浄用組成物である。
【0012】
(エトフェンプロックス)
エトフェンプロックスとは、2-(4-エトキシフェニル)-2-メチルプロピル=3-フェノキシベンジル=エーテルを意味する。
エトフェンプロックスとしては任意の活性な立体異性体または混合物であっても使用することができる。
【0013】
本発明の洗浄用組成物において、洗浄用組成物の全量に対するエトフェンプロックスの含有量は、0.05w/w%以上0.6w/w%以下であり、0.1w/w%以上0.45w/w%以下が好ましく、0.2w/w%以上0.4w/w%以下がさらに好ましい。
【0014】
(低級アルコール)
本発明の洗浄用組成物では、低級アルコールを含有させることで、洗浄効果及び速乾性を高め、かつ泡の性状を調整することができる。ここで、低級アルコールとは、炭素数1~5のアルコールを指し、例えばエタノール、イソプロパノール、又はこれらの組み合わせが好ましい。低級アルコールとしては、エタノールがより好ましい。
【0015】
本発明の洗浄用組成物において、洗浄用組成物の全量に対する低級アルコールの含有量は、洗浄用組成物中10w/w%以上39w/w%以下が好ましく、12w/w%以上35w/w%以下がより好ましく、15w/w%以上32w/w%以下がさらに好ましい。
【0016】
(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油)
本発明の洗浄用組成物には、HLB7.0~14.5のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が含まれる。このようなポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を使用することで、製剤の安定性維持及び泡の性状を調整することができる。
【0017】
本発明の洗浄用組成物において、洗浄用組成物の全量に対するHLB7.0~14.5のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の含有量は、洗浄用組成物中3w/w%以上7.5w/w%以下であり、4w/w%以上7.5w/w%以下が好ましく、5w/w%以上7w/w%以下がより好ましい。
【0018】
(非イオン界面活性剤)
本発明の洗浄用組成物には、エトフェンプロックス、低級アルコール、及びHLB7.0~14.5のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の他に、HLB7.0~14.5ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油以外の非イオン性界面活性剤を含有させることも可能である。このような非イオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、ショ糖脂肪酸エステル、高級脂肪酸アルカノール、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、脂肪酸アルカノールアミド、アミンオキシド等が挙げられる。
【0019】
これらのうち、限定はされないが、例えばヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドを使用することが好ましい。
【0020】
さらに、上記の非イオン界面活性剤は、単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0021】
本発明の洗浄用組成物において、洗浄用組成物の全量に対するHLB7.0~14.5のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油以外の非イオン界面活性剤の含有量は、洗浄用組成物中0.01w/w%以上15w/w%以下が好ましい。
【0022】
(両性界面活性剤)
本発明の洗浄用組成物には、エトフェンプロックス、低級アルコール、及びHLB7.0~14.5のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の他に、両性界面活性剤を含有させることも可能である。このような両性界面活性剤としては、限定はされないが、例えば、アミノ型又はベタイン型の両性界面活性剤、スルホン酸型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤が挙げられる。このうち、限定はされないが、脂肪酸アミノプロピルベタインが好ましく、ラウリン酸アミノプロピルベタインがより好ましい。
さらに、上記の両性界面活性剤は、単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0023】
本発明の洗浄用組成物において、洗浄用組成物の全量に対する両性界面活性剤の含有量は、洗浄用組成物中0.01w/w%以上15w/w%以下が好ましい。
【0024】
(多価アルコール)
本発明の洗浄用組成物には、エトフェンプロックス、低級アルコール、及びHLB7.0~14.5のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の他に、多価アルコールを含有させることも可能である。このような多価アルコールとしては、限定はされないが、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール又はグリセリンが挙げられる。このうち限定はされないが、1,3-ブチレングリコールが好ましい。
さらに、上記の多価アルコールは、単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0025】
(成分比)
本発明の洗浄用組成物において、エトフェンプロックスに対するHLB7.0~14.5のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の割合は、エトフェンプロックス1質量部に対して、5質量部以上150質量部以下が好ましく、8質量部以上100質量部以下がより好ましく、10質量部以上50質量部以下がさらに好ましく、12質量部以上40質量部以下がさらにより好ましい。
【0026】
(水)
本発明の洗浄用組成物は、水が配合された液体組成物であり得る。水は、イオン交換水等の精製水や、通常の水道水や工業用水等が挙げられる。
洗浄用組成物の全量に対する水の含有量は、40w/w%以上85w/w%以下が好ましく、53w/w%以上76w/w%以下がより好ましい。
【0027】
(害虫)
本明細書でいう害虫としては、限定はされないが、特には、ノミ(イヌ、ネコ等に寄生するノミ等を含む)、ダニ(マダニ、ツツガムシ、ササラダニ、ヒゼンダニ、ケモノツメダニ等を含む)、又はシラミ、蚊等の寄生又は吸血害虫が挙げられる。特に好ましい防除対象害虫は、ノミ、ダニ又は蚊である。
【0028】
(動物)
本発明の動物には、各種ペット、家畜、家禽などの各種動物が含まれる。特に、犬、猫、兎、ハムスターなどのペット、牛、馬、豚、鶏などの家畜や家禽が挙げられる。このうち、犬又は猫が好ましい。本発明の洗浄用組成物は、限定はされないが、シニア犬又はシニア猫(例えば7歳以上又は8歳以上、より一般的には9歳以上又は10歳以上の個体)、又は病気の動物などに対しても好ましく使用することができる。
【0029】
(pH)
本発明の洗浄用組成物は、成分の安定性又は安全性の観点等から、pH3~10の液性を備えていることが好ましい。より好ましくはpH4~8の洗浄用組成物である。洗浄用組成物のpHは、25℃において、市販のpHメーター(例えば株式会社堀場製作所製、F-52(登録商標)型等)を使用して測定できる。
【0030】
(粘度)
本発明の洗浄用組成物は、成分の安定性等の観点等から、25℃、SPINDLE No.M1、100rpmにおける粘度が、好ましくは0.5~1000mpa・s程度、より好ましくは3~100mpa・s程度である。洗浄用組成物の粘度は、25℃において、市販の粘度計(例えば東機産業株式会社製、TVB-10M型)を使用して測定できる。
【0031】
(その他の成分)
本発明の効果を阻害しない限り、本発明の洗浄用組成物には、任意成分が適宜配合されていても良い。一例を挙げると、任意成分は、エトフェンプロックス以外の他の害虫防除(防虫及び殺虫を含む)成分、昆虫成長抑制剤、リンス剤、保湿剤、静電気抑制剤(帯電防止剤)pH調整剤、シリコーン化合物、キレート剤、再汚染防止剤、高分子、防腐剤、抗菌剤、殺菌剤、天然物エキス、分散剤、酸化防止剤、増粘剤、減粘剤、安定化剤、消臭剤、香料、色素等が挙げられる。
【0032】
pH調整剤としては、限定はされないが、クエン酸、リン酸、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、トリエタノールアミン、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等が挙げられる。
【0033】
(用途等)
本発明の洗浄用組成物は、泡状で適用される為の液体組成物である。本発明の洗浄用組成物は、限定はされないが、好ましくは、ペットなどの動物の体表面に適用でき、特に、全体の毛の表面から毛根にかけて広く好適に用いられる。さらに肉球など毛のない箇所に使用することも可能である。より詳細には、動物の前足全体、後足全体、足の先、背中、腹部、頭部、その他のいずれにも用いることができる。本発明の洗浄用組成物は、泡状で適用することで、泡特有の手触りや扱いやすさを備えることができる。その為、動物の体表面に泡を適用する際に、ヒトの手肌にも良好な使用感を得ることができる。本発明の洗浄用組成物は、特に、洗い流さないドライシャンプーとしての使用が好ましい。さらに、例えば、涙やけ、皮脂汚れ、その他の汚れの除去や肉球のケアにも使用することができる上、防虫・殺虫の機能を有し得る。
【0034】
また、本発明の洗浄用組成物の使用方法は、例えば以下の方法とできる。即ち、1日1回、3日に1回、1週間に1回、2週間に1回、1ヶ月に1回程度、泡状として適量(例えば、約1~20g)を動物の体全体又は部分的に適用すればよい。
【0035】
(容器)
本発明の洗浄用組成物は、泡吐出容器に収容されてなることが好ましい。泡吐出容器は、好ましくは、スクイーズフォーマー容器、ポンプフォーマー容器、トリガースプレーポンプ又は噴射剤を含む泡吐出用エアゾール容器であり、より好ましくは、ポンプフォーマー容器である。容器には、泡を形成するための多孔質膜が備えられ、液状の洗浄用組成物が多孔質膜を通過することで泡が形成される。
【0036】
本発明の洗浄用組成物を、噴射剤と共に容器に充填する場合、容器からの噴射後に形成する泡を動物の体に直接塗布することもできる発泡性エアゾール容器を用いることも可能である。噴射剤としては、二酸化炭素(炭酸ガス)、窒素、液化石油ガス(LPG)等を用いることもできる。
【0037】
本発明の洗浄用組成物を充填する容器の材質は特に限定されないが、ポリオレフィン樹脂、PET樹脂、アクリル酸樹脂、ポリエステル樹脂、、エアゾール缶、エアゾール樹脂容器などの容器が挙げられる。
【0038】
[製造方法]
本発明の洗浄用組成物は、公知の方法により、原料を混合して製造することができる。必要に応じて、滅菌工程やろ過工程を含めることができる。
【実施例0039】
次に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、表における各成分量の単位は、表中特に断りがない限り、w/w%である。
【0040】
表1に記載の成分を混合し、これらを常温にて攪拌調製して洗浄用組成物を得た。
【0041】
[1]性状及び安定性評価試験
組成物の性状評価は、製造直後の状態を確認して行った。目視にて、澄明(又は透明)で結晶等の不溶解物がない状態を〇、濁り又は結晶等の不溶解物が認められる状態を×とした。その結果を表1に示す。
【0042】
安定性試験は、具体的には、各組成物を調製後、ガラス製の50ml容器に移したのち、密栓して5℃の条件下にて静置して行った。24時間経過後に検体を5℃保存庫から室温へと取り出し、その時の溶液の状態を目視により観察した。目視にて、澄明(又は透明)で結晶等の不溶解物がない状態を〇、濁り又は結晶等の不溶解物が認められる状態を×とした。この結果についても、併せて表1に示す。
【0043】
[2]泡立ち評価試験
泡吐出用容器(100ml容量)に各組成物を100ml充填した。なお、泡吐出用容器は吉野工業所製ポンプフォーマーポンプ及び容器を用いた。
室温、成り行き湿度において、手の上に、各組成物を0.9gずつ吐出塗布した。生じた泡について、泡立ちが確認され、手から少なくとも5秒間はこぼれ落ちない程度に泡が維持されたものを〇、泡立ちが不十分だったものや泡が5秒間維持されなかったものを×とした。この結果についても併せて表1に示す。
【0044】
[3]使用感評価試験
上記[2]と同様にして容器に充填した各組成物について、試験用の毛皮に塗布して使用後の毛の状態を確認した。
具体的には、室温、成り行き湿度において、試験用毛皮(リアルフォックスファー)上に、各組成物を約3gずつ吐出し、手で全体に塗布した。使用後にぱさつきやごわつきがなく、毛の状態が良好だったものを〇、毛がパサついたりごわつきが見られたり、毛の状態が悪くなったものを×とした。この結果を表1に示す。
【0045】
【0046】
試験の結果、実施例の組成物では、比較例の組成物と比較して、調製直後及び5℃保存後のいずれの場合にも、澄明な外観と顕著な安定性が示された。
【0047】
さらには、実施例の組成物では、比較例の組成物と比較して、泡立ちが良いことが判明した。
【0048】
試験用毛皮を使用した試験は、実施例の組成物が使用感に優れていることが示された。なお、比較例の組成物では、泡状態が不良であったり、安定性が不良であった為、毛皮での使用感確認は実施できなかった。