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特開2024-4460積層造形アセンブリの操作方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004460
(43)【公開日】2024-01-16
(54)【発明の名称】積層造形アセンブリの操作方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/379 20170101AFI20240109BHJP
   B29C 64/153 20170101ALI20240109BHJP
   B29C 64/25 20170101ALI20240109BHJP
   B29C 64/245 20170101ALI20240109BHJP
   B29C 64/241 20170101ALI20240109BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20240109BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20240109BHJP
   B33Y 40/20 20200101ALI20240109BHJP
   B29C 64/35 20170101ALI20240109BHJP
   B22F 12/88 20210101ALI20240109BHJP
   B22F 10/28 20210101ALN20240109BHJP
   B22F 10/14 20210101ALN20240109BHJP
   B22F 10/25 20210101ALN20240109BHJP
【FI】
B29C64/379
B29C64/153
B29C64/25
B29C64/245
B29C64/241
B33Y10/00
B33Y30/00
B33Y40/20
B29C64/35
B22F12/88
B22F10/28
B22F10/14
B22F10/25
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023085986
(22)【出願日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】17/851,379
(32)【優先日】2022-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(72)【発明者】
【氏名】ランバート、エリック オレン
(72)【発明者】
【氏名】スワンナー、ジュニア.アーチ― エル.
(72)【発明者】
【氏名】マレー、ジェイムズ ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ミラー、マックスウェル イー.
【テーマコード(参考)】
4F213
4K018
【Fターム(参考)】
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL03
4F213WL55
4F213WL56
4F213WL72
4F213WL87
4F213WW02
4F213WW21
4K018DA35
(57)【要約】
【課題】積層造形された部品の小さな空洞から材料を除去するための費用効果の高い方法を提供する。
【解決手段】積層造形システム(10)は、粉末材料(108)を造形方向に沿って造形アセンブリ(130)へと積層加工するためのハウジング(105)を含む積層造形ユニット(103)と、前記ハウジング(105)内で造形アセンブリ(130)を回転させるための回転アセンブリ(136)とを備える。前記回転アセンブリ(136)は、第1のフレームアーム(172)及び第2のフレームアーム(174)を含むフレーム(140)と、第1のフレームアーム(172)及び第2のフレームアーム(174)に回転自在に結合した運搬台(150)であって、運搬台(150)を造形アセンブリ(130)に取外し自在に結合するための1以上のカップリング機構(158,192)を含む運搬台(150)と、造形方向に対して略垂直な回転軸の周りで運搬台(150)を選択的に回転させるために運搬台(150)に結合した駆動アセンブリ(142)とを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層造形システム(10)であって、当該積層造形システム(10)が、
粉末材料(108)を造形方向に沿って造形アセンブリ(130)へと積層加工するためのハウジング(105)を備える積層造形ユニット(103)と、
前記ハウジング(105)内で造形アセンブリ(130)を回転させるための回転アセンブリ(136)と
を備えており、前記回転アセンブリ(136)が、
第1のフレームアーム(172)及び第2のフレームアーム(174)を含むフレーム(140)と、
第1のフレームアーム(172)及び第2のフレームアーム(174)に回転自在に結合した運搬台(150)であって、運搬台(150)を造形アセンブリ(130)に取外し自在に結合するための1以上のカップリング機構(158,192)を備える運搬台(150)と、
運搬台(150)を回転軸の周りで選択的に回転させるため運搬台(150)に結合した駆動アセンブリ(142)であって、回転軸が造形方向に対して略垂直である、駆動アセンブリ(142)と
を備える、積層造形システム(10)。
【請求項2】
前記回転軸が第1のフレームアーム(172)及び第2のフレームアーム(174)を貫通する、請求項1に記載の積層造形システム(10)。
【請求項3】
前記運搬台(150)が、第1のフレームアーム(172)に回転自在に結合したシャフト(144)を備えており、前記シャフト(144)が、第1のフレームアーム(172)を通って駆動アセンブリ(142)のスプロケット(154)まで延在する、請求項1に記載の積層造形システム(10)。
【請求項4】
前記回転アセンブリ(136)に結合したリフトアセンブリ(134)をさらに備えており、前記リフトアセンブリ(134)が、前記ハウジング(105)内で回転アセンブリ(136)を造形方向に略平行な方向に移動させるように動作可能である、請求項1に記載の積層造形システム(10)。
【請求項5】
前記リフトアセンブリ(134)が、フォーク(162)を備えており、第1のフレームアーム(172)及び第2のフレームアーム(174)の少なくとも一方が、前記フォーク(162)を受け入れる寸法のチャネル(179)を内部に画成している、請求項4に記載の積層造形システム(10)。
【請求項6】
前記リフトアセンブリ(134)が、前記ハウジング(105)内で運搬台(150)及び造形アセンブリ(130)をビルドプラットフォーム(116)から上昇位置まで上昇させるように動作可能であり、前記回転アセンブリ(136)が、造形アセンブリ(130)内に画成される1以上の空洞(138)から粉末材料(108)を放出させるために、前記ハウジング(105)内で上昇位置にある運搬台(150)及び造形アセンブリ(130)を回転軸の周りで回転させるように動作可能である、請求項4に記載の積層造形システム(10)。
【請求項7】
前記回転アセンブリ(136)が、造形アセンブリ(130)及び運搬台(150)が上昇位置にあるときに、運搬台(150)及び造形アセンブリ(130)を回転軸の周りで約360度回転させるように動作可能である、請求項6に記載の積層造形システム(10)。
【請求項8】
前記造形アセンブリ(130)が、ビルドプレート(106)と該ビルドプレート(106)上で積層造形された部品(104)とを含んでおり、ビルドプレート(106)が、後続の造形サイクルで再利用されるように構成される、請求項1に記載の積層造形システム(10)。
【請求項9】
前記運搬台(150)がビルドプレート(106)に取外し自在に結合可能である、請求項8に記載の積層造形システム(10)であって、。
【請求項10】
前記駆動アセンブリ(142)が、モータ(146)と、モータ(146)に動作可能に結合した第1のスプロケット(148)と、運搬台(150)に結合した第2のスプロケット(154)と、第1のスプロケット(148)及び第2のスプロケット(154)の周囲に延在するベルト(152)とを備える、請求項1に記載の積層造形システム(10)。
【請求項11】
積層造形ユニット(103)内で造形アセンブリ(130)を回転させるための回転アセンブリ(136)であって、造形アセンブリ(130)が、粉末材料(108)を造形方向に沿って加工することによって少なくとも部分的に積層造形され、当該回転アセンブリ(136)が、
第1のフレームアーム(172)と第2のフレームアーム(174)とを含むフレーム(140)と、
第1のフレームアーム(172)及び第2のフレームアーム(174)に回転自在に結合した運搬台(150)であって、運搬台(150)を造形アセンブリ(130)に結合するための1以上のカップリング機構を含む運搬台(150)と、
運搬台(150)を回転軸の周りで回転させるために運搬台(150)に動作可能に結合した駆動アセンブリ(142)であって、回転軸が造形方向に対して略垂直である、駆動アセンブリ(142)と
を備える、回転アセンブリ(136)。
【請求項12】
前記回転軸が、第1のフレームアーム(172)及び第2のフレームアーム(174)を貫通する、請求項11に記載の回転アセンブリ(136)。
【請求項13】
前記運搬台(150)が、第1のフレームアーム(172)に回転自在に結合したシャフト(144)を備えており、前記シャフト(144)が、第1のフレームアーム(172)を通って駆動アセンブリ(142)のスプロケット(154)まで延在する、請求項11に記載の回転アセンブリ(136)。
【請求項14】
前記回転アセンブリ(136)に結合したリフトアセンブリ(134)をさらに備えており、前記リフトアセンブリ(134)が、前記ユニット(103)内で回転アセンブリ(136)を造形方向に略平行な方向に移動させるように動作可能である、請求項11に記載の回転アセンブリ(136)。
【請求項15】
積層造形ユニット(103)のハウジング(105)内で造形アセンブリ(130)を回転させる方法であって、積層造形ユニット(103)は、粉末材料(108)を造形方向に沿って加工することによって造形アセンブリ(130)を積層形成するように構成され、方法は、
運搬台(150)を回転アセンブリ(136)のフレーム(140)に回転自在に結合し、フレーム(140)は、第1のフレームアーム(172)及び第2のフレームアーム(174)を含む、
運搬台(150)を造形アセンブリ(130)に結合する工程と、
回転する、運搬台(150)に動作可能に結合した駆動アセンブリ(142)によって、運搬台(150)及び造形アセンブリ(130)は回転軸の周りで回転し、回転軸は一般に造形方向に対して垂直である。

積層造形ユニット(103)のハウジング(105)内で造形アセンブリ(130)を回転させる方法であって、積層造形ユニット(103)が、粉末材料(108)を造形方向に沿って加工することによって造形アセンブリ(130)を積層形成するように構成されており、当該方法が、
回転アセンブリ(136)のフレーム(140)に運搬台(150)を回転自在に結合する工程であって、前記フレーム(140)が第1のフレームアーム(172)及び第2のフレームアーム(174)を含む、工程と、
運搬台(150)を造形アセンブリ(130)に結合する工程と、
運搬台(150)に動作可能に結合した駆動アセンブリ(142)によって、運搬台(150)及び造形アセンブリ(130)を回転軸の周りで回転させる工程であって、回転軸が造形方向に対して略垂直である、工程と
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に積層造形システムに関し、特に積層造形アセンブリを操作するためのマニピュレータアセンブリを含む積層造形システムに関する。
【背景技術】
【0002】
積層造形システムは、多くの最新特殊部品の製造に不可欠である。かかるシステムは、造形プレート上に造形部品の層を逐次造形するため、金属粉末のような造形材料を組み込む。部品は連続層として積層形成されるため、造形部品において部品設計の一部である特定の空洞又は開口が形成されることがある。造形サイクル後に、空洞の位置及びサイズに応じて、粉末材料の少なくとも一部が空洞内に閉じ込められてしまうおそれがあり、取り除くのが難しい。そこで、少なくとも幾つかの公知の製造システムでは、部品の複数の部分から材料を除去すべく空気圧を陽圧又は陰圧いずれかにするためそれらの部分を通して管を挿入している。しかし、翼形部内に画成される小さな或いは微視的に小さな空洞内に閉じ込められた材料は、管でのアクセスが難しく、取り除くのが難しいことがある。その結果、少なくとも幾つかの公知の製造システムでは、かかる小さな空洞から材料を除去するための補助的付属品が必要とされることが多々ある。しかし、そうしたプロセスは費用がかかり、そのような装置では過剰な材料を捕捉できないこともあり、そのため追加の廃棄物及び製造コストを招きかねない。そのため、小さな空洞から材料を除去するための費用効果の高い方法を見出すことができれば望ましいであろう。
【発明の概要】
【0003】
一態様では、積層造形システムを提供する。本積層造形システムは、粉末材料を造形方向に沿って造形アセンブリへと積層加工するためのハウジングを含む積層造形ユニットを含む。本積層造形システムは、ハウジング内で造形アセンブリを回転させるための回転アセンブリをさらに含む。回転アセンブリは、第1のフレームアーム及び第2のフレームアームを含むフレームと、第1のフレームアーム及び第2のフレームアームに回転自在に結合した運搬台とを含む。運搬台は、運搬台を造形アセンブリに取外し自在に結合するための1以上のカップリング機構を含む。回転アセンブリは、造形方向に略垂直な回転軸の周りで運搬台を選択的に回転させるために運搬台に結合した駆動アセンブリをさらに含む。
【0004】
別の態様では、積層造形ユニット内で造形アセンブリを回転させるための回転センブリを提供する。造形アセンブリは、粉末材料を造形方向に沿って加工することによって少なくとも部分的に積層造形されている。回転アセンブリは、第1のフレームアーム及び第2のフレームアームを有するフレームと、第1のフレームアーム及び第2のフレームアームに回転自在に結合した運搬台とを含む。運搬台は、運搬台を造形アセンブリに結合するための1以上のカップリング機構を含む。回転アセンブリは、造形方向に略垂直な回転軸の周りで運搬台を回転させるために運搬台に動作可能に結合した駆動アセンブリをさらに含む。
【0005】
さらに別の態様では、積層造形ユニットのハウジング内で造形アセンブリを回転させる方法を提供する。積層造形ユニットは、粉末材料を造形方向に沿って加工することによって、造形アセンブリを積層形成するように構成される。本方法は、回転アセンブリのフレームに運搬台を回転自在に結合することを含んでおり、フレームは第1のフレームアーム及び第2のフレームアームを含む。本方法は、運搬台を造形アセンブリに結合すること、並びに運搬台に動作可能に結合した駆動アセンブリによって、運搬台及び造形アセンブリを造形方向に略垂直な回転軸の周りで回転させることをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本願で開示する技術の上記その他の特徴、態様及び利点については、添付図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによって理解を深めることができよう。図面を通して、同様の部材には同様の符号を付した。
図1】例示的な積層造形ユニットの概略図である。
図2図1に示す積層造形ユニットを動作させるために使用し得る例示的なコントローラのブロック図である。
図3図1に示す積層造形ユニット及び部品マニピュレータアセンブリを含む例示的な積層造形システムの概略図である。
図4図3に示す積層造形システムの別の概略図であり、積層造形ユニットによって形成された造形アセンブリを操作するプロセスにおける第1の工程を示す。
図5図3に示す積層造形システムの別の概略図であり、例示的な製造プロセスにおける第2の工程を示す。
図6図3に示す積層造形システムの別の概略図であり、例示的なプロセスにおける第3の工程を示す。
図7図3に示す積層造形システムの別の概略図であり、例示的なプロセスにおける第4の工程を示す。
図8図3に示す積層造形システムの別の概略図であり、例示的なプロセスにおける第4の工程を示す。
図9図3に示す部品マニピュレータアセンブリで使用するための例示的な回転アセンブリの概略斜視図であり、回転アセンブリの例示的な運搬台を第1の配向で示す。
図10図9に示す回転アセンブリの概略斜視図であり、第2の配向の運搬台を示す。
図11図9に示す回転アセンブリの概略平面図である。
図12図9に示す運搬台の概略斜視図である。
図13】積層造形ユニットのハウジング内で造形アセンブリを回転させる例示的な方法の流れ図である。
【0007】
別途記載されていない限り、本願に添付した図面は、本開示の実施形態の特徴を例示するためのものである。これらの特徴は、本開示の1以上の実施形態を包含する多種多様なシステムに適用できる。そこで、図面は、本願で開示する実施形態の実施に必要とされる特徴であって当業者に従前公知のあらゆる特徴を含んでいるものではない。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の明細書及び特許請求の範囲では、多くの用語に言及するが、それらは以下の意味をもつと定義される。
【0009】
単数形で記載したものであっても、前後関係から明らかでない限り、複数の場合も含めて意味する。
【0010】
「任意に」又は「適宜」という用語は、その用語に続いて記載された事象又は状況が起きても起きなくてもよいことを意味しており、かかる記載はその事象が起こる場合と起こらない場合とを包含する。
【0011】
本明細書及び特許請求の範囲で用いる近似表現は、数量を表す際の修飾語であって、その数量が関係する基本機能に変化をもたらさない許容範囲内で変動し得る数量を表すために適用される。したがって、「約」、「実質的に」及び「略」のような用語で修飾された値はその厳密な数値に限定されない。場合によっては、近似表現は、その値を測定する機器の精度に対応する。本明細書及び特許請求の範囲において、数値限定の範囲は互いに結合及び/又は交換可能であり、かかる範囲は、前後関係から又は文言上別途明らかでない限り、その範囲に含まれるあらゆる部分範囲を特定しかつ包含する。
【0012】
本明細書で用いる「プロセッサ」及び「コンピュータ」という用語並びに例えば「処理デバイス」、「計算装置」及び「コントローラ」などの関連用語は、当技術分野でコンピュータと呼ばれる集積回路に限定されるものではなく、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)及び特定用途向け集積回路その他のプログラマブル回路を広義にいい、本明細書ではこれらの用語は互換的に用いられる。本明細書に記載される実施形態では、メモリとして、限定されるものではないが、ランダムアクセスメモリ(RAM)のようなコンピュータ可読媒体、フラッシュメモリのようなコンピュータ可読不揮発性媒体が挙げられる。或いは、フロッピーディスク、コンパクトディスク-読取専用メモリ(CD-ROM)、光磁気ディスク(MOD)及び/又はデジタル多用途ディスク(DVD)も使用できる。また、本明細書に記載される実施形態では、追加の入力チャネルは、限定されるものではないが、マウス及びキーボードのようなオペレータインターフェースに関連するコンピュータ周辺機器であってもよい。或いは、例えば、限定されるものではないが、スキャナを始めとする他のコンピュータ周辺機器も使用し得る。さらに、例示的な実施形態では、追加の出力チャネルは、限定されるものではないが、オペレータインターフェースモニタを含むことができる。
【0013】
さらに、本明細書で用いる「ソフトウェア」及び「ファームウェア」という用語は互換的であり、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、クライアント及びサーバで実行するためメモリに記憶されたコンピュータプログラムを含む。
【0014】
本明細書で用いる「非一時的コンピュータ可読媒体」という用語は、任意のデバイスにおけるコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール及びサブモジュールその他のデータのような、情報の短期及び長期保存のための方法又は技術で具体化される有形コンピュータ装置を表すものである。したがって、本明細書に記載の方法は、限定されるものではないが、記憶デバイス及び/又はメモリ装置を始めとする、有形の非一時的コンピュータ可読媒体に具体化された実行可能命令としてエンコードし得る。かかる命令は、プロセッサによって実行されると、本明細書に記載の方法の少なくとも一部をプロセッサに実行させる。さらに、本明細書で用いる「非一時的コンピュータ可読媒体」という用語は、あらゆる有形コンピュータ可読媒体を包含し、限定されるものではないが、揮発性及び不揮発性媒体を始めとする非一時的コンピュータ記憶装置、並びにファームウェア、物理及び仮想記憶装置、CD-ROM、DVDのようなリムーバブル及び非リムーバブル媒体、並びにネットワーク又はインターネットのような他のデジタルソース、さらには未だ開発されていないデジタル手段などが挙げられ、唯一の例外は一時的な伝搬信号である。
【0015】
本明細書で用いる「造形サイクル」という用語は、粉末床に粉末を堆積させることから始まり、完成部品を粉末床から取り外すことで終わる積層造形プロセスの1サイクルをいう。
【0016】
本明細書で用いる「粉末」という用語は、完成部品が形成される積層造形システムにおいて基礎材料を構成することができる材料をいう。この材料としては、限定されるものではないが、ポリマー、プラスチック、金属、セラミック、砂、ガラス、ワックス、繊維、生体関連物質、複合材料及びこれらの材料のハイブリッドが挙げられる。さらに、「粉末」という用語の使用は、その材料を圧密装置によって圧密することができ、構造と部品の間の体積を実質的に充填することができることをいう以上に、材料の稠度(コンシステンシー)を限定するものと解すべきではない。
【0017】
本明細書に記載されるシステム及び方法は、積層造形ユニット内で造形アセンブリを操作又は回転させるためのシステム及び方法を包含する。積層造形ユニットは、粉末材料を造形方向に沿って造形アセンブリへと積層加工するためのハウジングを含む。本システムは、回転アセンブリも含んでおり、回転アセンブリは第1のフレームアーム及び第2のフレームアームを含むフレームを含む。回転アセンブリは、フレームアームに回転自在に結合した運搬台をさらに含んでおり、運搬台は運搬台を造形アセンブリに結合するための1以上のカップリング機構を含む。運搬台は、造形方向に平行な回転軸の周りで運搬台を回転させるために運搬台に動作可能に結合した駆動アセンブリをさらに含む。
【0018】
積層造形プロセス及びシステムとしては、例えば、限定されるものではないが、液槽光重合、粉末床融合、バインダ噴射、材料噴射、シート積層、材料押出、指向性エネルギー堆積及びハイブリッドシステムが挙げられる。これらのプロセス及びシステムとしては、例えばSLA(Stereolithography Apparatus)、DLP(Digital Light Processing)、3SP(Scan, Spin, and Selectively Photocure)、CLIP(Continuous Liquid Interface Production)、DMLM(Direct Metal Laser Melting)、SLS(Selective Laser Sintering)、DMLS(Direct Metal Laser Sintering)、SLM(Selective Laser Melting)、EBM(Electron Beam Melting)、SHS(Selective Heat Sintering)、MJF(Multi-Jet Fusion)、3Dプリンティング、ボクセルジェット、ポリジェット、SCP(Smooth Curvatures Printing)、MJM(Multi-Jet Modeling Projet)、LOM(Laminated Object Manufacture)、SDL(Selective Deposition Lamination)、UAM(Ultrasonic Additive Manufacturing)、FFF(Fused Filament Fabrication)、FDM(Fused Deposition Modeling)、LMD(Laser Metal Deposition)、LENS(Laser Engineered Net Shaping)、DMD(Direct Metal Deposition)、ハイブリッドシステム、及びこれらのプロセスとシステムの組合せが挙げられる。これらのプロセス及びシステムでは、例えば、限定されるものではないが、あらゆる形態の電磁放射、加熱、焼結、溶融、硬化、結合、圧密、プレス、埋め込み及びこれらの組合せを用いることができる。
【0019】
積層造形プロセス及びシステムでは、例えば、限定されるものではないが、ポリマー、プラスチック、金属、セラミック、砂、ガラス、ワックス、繊維、生体関連物質、複合材料及びこれらの材料のハイブリッドを始めとする材料を用いる。これらの材料は、これらのプロセス及びシステムで、所与の材料及びプロセス又はシステムに適した様々な形態で使用することができ、例えば液体、固体、粉末、シート、ホイル、テープ、フィラメント、ペレット、液体、スラリー、ワイヤ、噴霧、ペースト及びこれらの形態の組合せが挙げられる。
【0020】
図1は例示的な積層造形システム100の概略図である。座標系12は、X軸、Y軸及びZ軸を含む。積層造形システム100は積層造形ユニット103を含んでおり、積層造形ユニット103は、粉末材料108から積層造形プロセスを用いてビルドプレート106上の部品104(本願ではまとめて「造形アセンブリ」130という)を作成するための積層造形ハウジング及び該ハウジング105内の圧密装置102を含んでいる。例示的な実施形態では、圧密装置102は、レーザ装置、走査モータ、走査ミラー及び走査レンズ(いずれも図示せず)を含む。或いは、圧密装置102は、本明細書に記載のプロセス及びシステムを用いた材料の圧密を促進する他の装置を含んでいてもよい。例示的な実施形態では、積層造形システム100は、直接金属レーザ溶融(DMLM)用に構成されるが、他の実施形態では、積層造形システム100は、例えば上記に列挙した積層造形プロセスのような他の積層造形プロセス用に構成してもよい。
【0021】
圧密装置102は、エネルギービーム110を用いて粉末材料108に溶融プールを生成するように構成された高強度熱源を提供する。積層造形システム100は、コンピュータ制御システム又はコントローラ112も含む。圧密装置102は、積層造形システム100内での部品104の層の作成を促進するためにX-Y平面内で圧密装置102を移動させるアクチュエータ(図示せず)によって選択的に移動される。或いは、圧密装置102及びエネルギービーム110は、積層造形システム100を本明細書に記載の通り機能させることのできる任意の方向及び様式で移動させることができる。
【0022】
例示的な実施形態では、積層造形ユニット103は、アクチュエータ114によって移動されるビルドプラットフォーム116を含む。アクチュエータ114は、コントローラ112と通信し、コントローラ112によって移動される。アクチュエータ114は、ビルドプラットフォーム116をZ方向(本明細書では「造形方向」(すなわち、ビルドプラットフォーム116の上面に垂直)ともいう。)に移動させる。例示的な実施形態では、アクチュエータ114は、例えば、限定されるものではないが、リニアモータ、油圧及び/又は空気圧ピストン、スクリュー駆動機構及び/又はコンベアシステムを含む。
【0023】
例示的な実施形態では、積層造形ユニット103は、作成完了後に、積層造形ハウジング105内(例えば例示的な実施形態ではビルドプラットフォーム116上)に画成されるビルド領域120から粉末材料108を除去するための粉末排出口118を含む。粉末排出口118は、図1に示すように作成中に閉鎖され、作成後に(例えば図5に示すように)ビルド領域120からの粉末材料108の除去を促進するため選択的に開放し得る弁122を含む。管124は、粉末材料108を貯蔵タンク126に貯蔵及び/又は貯蔵タンク126から供給できるようにする。貯蔵タンク126は、粉末排出口118から回収された未使用粉末材料108を、後続の造形サイクルで再利用するために保持する。真空発生器(図示せず)が管124と流体結合され、ビルド領域120内に陰圧を生じさせて、粉末材料108を粉末排出口118及び貯蔵タンク126に吸引できるようにする。図に示す例では、粉末排出口118は、ビルドプラットフォーム116に画成される。他の実施形態では、粉末排出口118は、ビルド領域120内の他の適切な位置に設けてもよい。例えば、限定されるものではないが、幾つかの実施形態では、粉末排出口118は、積層造形ハウジング105の側壁128に画成される。さらに他の実施形態では、積層造形ユニット103は、複数の粉末排出口118を含む。
【0024】
例示的な実施形態では、積層造形ユニット103は、粉末材料108をZ方向すなわち「造形方向」に沿って造形アセンブリ130へと積層加工することによって、造形プレート106上に部品104を作成する。ビルドプレート106は、作成開始前にビルドプラットフォーム116上の積層造形ハウジング105内に配置される。作成中、部品104はビルドプレート106上で作成され、ビルドプレート106と融合する。しっかりと一つに結合されると、ビルドプレート106及び部品104は、本明細書ではまとめて造形アセンブリ130と呼ばれる。部品104の作成後に、例示的な実施形態では、部品104は、ビルドプレート106から部品104を切断することによってビルドプレート106から分離される。ビルドプレート106は次いで平滑化され、その後の造形サイクルに再利用し得る。部品104は、単一の一体部品又は作成後に分離される複数の個別の部品を含んでいてもよい。例示的な実施形態では、部品104は、ガス動力タービン用めの複数の翼形部を含む。他の実施形態では、部品104は、任意の他の適切な積層造形部品104を含んでいてもよい。
【0025】
例示的な例では、積層造形システム100は、部品104の3Dジオメトリのコンピュータモデル表現から部品104を作成する。コンピュータモデル表現は、コンピュータ支援設計(CAD)又は同様のファイルで生成できる。部品104のCADファイルは、例えば部品104のビルド層を含む各層を規定する複数のビルドパラメータを含む層毎のフォーマットに変換される。例示的な実施形態では、部品104は、積層造形システム100で用いられる座標系の原点に対して所望の配向にモデリングされる。部品104のジオメトリは、各層のジオメトリが特定の相対層位置での部品104の断面プロファイルの輪郭線を表すように、各々所望の厚さを有する層のスタックにスライスされる。スキャン経路は、それぞれの層のジオメトリ全体で生成される。ビルドパラメータは、粉末材料108から部品104のその層を作成するため、スキャン経路に沿って適用される。この手順は、部品104ジオメトリのそれぞれの層毎に繰り返される。プロセスが完了すると、生成される複数の層の全てを含む1以上の電子コンピュータビルドファイル又はスキャン経路データセットが生成される。ビルドファイル又はスキャン経路データセットは、積層造形システム100のコントローラ112にプログラミングされ、各層の作成中にシステムを制御できるようにする。
【0026】
ビルドファイル又はスキャン経路データセットがコントローラ112に格納された後、積層造形システム100は、選択的レーザ溶融法のような層毎の造形プロセスを実施することによって部品104を生成させることができる。例えば層毎の積層造形プロセスは、既存の物品を最終部品の前駆体として使用せずに、部品104は、粉末材料108のような構造化できる形態の原材料から製造される。例えば、限定されるものではないが、鋼製部品は、鋼粉末を用いて積層造形することができる。積層造形システム100は、広範な材料(例えば、限定されるものではないが、金属、セラミック、ガラス及びポリマー)を用いて、部品104のような複数の異なる部品を製造することができる。
【0027】
図2は、積層造形システム100(図1に示す)を動作させるために使用し得る例示的なコントローラ112のブロック図である。例示的な実施形態では、コントローラ112は、積層造形システム100の動作を制御するために積層造形システム100の製造業者から通例提供される任意のタイプのコントローラである。各実施形態では、コントローラ112は、オペレータからの指示に少なくとも部分的に基づいて積層造形システム100の動作を制御する動作を実行する。代替的な実施形態では、コントローラ112は、積層造形システム100の動作を制御する動作を自動的に実行する。コントローラ112は、例えば積層造形システム100によって製造される部品104の3Dモデルを含む。コントローラ112によって実行される動作としては、限定されるものではないが、圧密装置102(図1に示す)の電力出力の制御、及びエネルギービーム110の走査速度の制御が挙げられる。代替的な実施形態では、コントローラ112は、積層造形システム100を本明細書に記載の通り機能させることのできる他の動作を実行し得る。
【0028】
例示的な実施形態では、コントローラ112は、メモリ装置46と、メモリ装置46に結合したプロセッサ48とを含む。プロセッサ48は、限定されるものではないが、マルチコア構成のような1以上の処理ユニットを含んでいてもよい。プロセッサ48は、コントローラ112を本明細書に記載の通り動作させることのできる任意のタイプのプロセッサである。幾つかの実施形態では、実行可能な命令がメモリ装置46に格納される。コントローラ112は、プログラミングプロセッサ48によって本明細書に記載の1以上の動作を実行するように構成できる。例えば、プロセッサ48は、動作を1以上の実行可能命令としてエンドードし、実行可能命令をメモリ装置46に送ることによってプログラムし得る。例示的な実施形態では、メモリ装置46は、実行可能命令その他のデータのような情報を記憶及び検索することができる1以上のデバイスである。メモリ装置46は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックRAM、スタティックRAM、ソリッドステートディスク、ハードディスク、読取専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラマブルROM、電気的に消去可能なプログラマブルROM、又は不揮発性RAMメモリのような1以上のコンピュータ可読媒体を含んでいてもよい。上述のメモリタイプは例示にすぎず、コンピュータプログラムの記憶に利用できるメモリのタイプについて限定するものではないが。
【0029】
メモリ装置46は、限定されるものではないが、部品104に関連するビルドパラメータを始めとするあらゆるタイプのデータを記憶するように構成できる。幾つかの実施形態では、プロセッサ48は、データの経過時間に基づいてメモリ装置46からデータを削除又は「パージ」する。例えば、プロセッサ48は、後の時間又は事象に関連して以前記録及び記憶されたデータを上書きしてもよい。加えて又は代わりに、プロセッサ48は、所定の時間間隔を超えるデータを除去してもよい。加えて、メモリ装置46は、限定されるものではないが、積層造形システム10で製造すべき部品104のビルドパラメータ及びジオメトリ条件のモニタリングを図るための十分なデータ、アルゴリズム及びコマンドを含む。
【0030】
幾つかの実施形態では、コントローラ112は、プロセッサ48に結合したプレゼンテーションインターフェース50を含む。プレゼンテーションインターフェース50は、積層造形システム10の動作条件のような情報をユーザ52に提示する。一実施形態では、プレゼンテーションインターフェース50は、ブラウン管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、有機LED(OLED)ディスプレイ又は「電子インク」ディスプレイのようなディスプレイデバイス(図示せず)に結合したディスプレイアダプタ(図示せず)を含む。幾つかの実施形態では、プレゼンテーションインターフェース50は、1以上のディスプレイデバイスを含む。加えて又は代わりに、プレゼンテーションインターフェース50は、オーディオ出力デバイス(図示せず)、例えば、限定されるものではないが、オーディオアダプタ又はスピーカ(図示せず)などを含む。
【0031】
幾つかの実施形態では、コントローラ112は、ユーザ入力インターフェース54を含む。例示的な実施形態では、ユーザ入力インターフェース54はプロセッサ48に結合され、ユーザ52からの入力を受信する。ユーザ入力インターフェース54は、例えば、限定されるものではないが、キーボード、ポインティングデバイス、マウス、スタイラス、タッチセンシティブパネル(例えば、限定されるものではないが、タッチパッド又はタッチスクリーン)及び/又はオーディオ入力インターフェース(例えば、限定されるものではないが、マイクロフォン)を含んでいてもよい。タッチスクリーンのような単一の部品は、プレゼンテーションインターフェース50及びユーザ入力インターフェース54の両方の表示デバイスとして機能し得る。
【0032】
例示的な実施形態では、通信インターフェース56は、プロセッサ48に結合され、レーザ装置16のような1以上の他の装置と通信可能に結合されて、入力チャネルとして機能しつつ、それらの装置に対して入出力動作を実行するように構成される。例えば、通信インターフェース56は、限定されるものではないが、有線ネットワークアダプタ、無線ネットワークアダプタ、モバイル通信アダプタ、シリアル通信アダプタ又はパラレル通信アダプタを含んでいてもよい。通信インターフェース56は、1以上のリモートデバイスとデータ信号を送受信し得る。例えば、幾つかの実施形態では、コントローラ112の通信インターフェース56は、アクチュエータシステム36との間でデータ信号を送受信し得る。
【0033】
プレゼンテーションインターフェース50及び通信インターフェース56は、いずれも、ユーザ52又はプロセッサ48への情報の提供など、本明細書に記載の方法で使用するのに適した情報を提供することができる。したがって、プレゼンテーションインターフェース50及び通信インターフェース56は、出力デバイスと呼ぶことができる。同様に、ユーザ入力インターフェース54及び通信インターフェース56は、本明細書に記載の方法で使用するのに適した情報を受信することができ、入力デバイスと呼ぶことができる。
【0034】
図3は、図1に示す積層造形ユニット103及び例示的な部品マニピュレータアセンブリ132を含む例示的な積層造形システム100の概略図である。例示的な実施形態では、部品マニピュレータアセンブリ132は、リフトアセンブリ134及びリフトアセンブリ134に結合した回転アセンブリ136を含む。部品マニピュレータアセンブリ132は、積層造形ハウジング105内の部品104と係合して回転させて、積層造形ハウジング105の部品の空洞138にトラップされた粉末材料108を空にする。図に示す例では、空洞138は、説明の便宜上、相対的に拡大した状態で図示されているが、空洞138は図に示す相対的寸法よりも格段に小さい。
【0035】
例示的な実施形態では、回転アセンブリ136は、フレーム140、駆動アセンブリ142、回転可能なシャフト144及び運搬台150を含む。駆動アセンブリ142はフレーム140に結合されており、駆動スプロケット148(駆動「プーリー」とも呼ばれる)に結合したモータ及びギアボックスアセンブリ146を含む。ベルト152が、駆動アセンブリ142の駆動スプロケット148及び従動スプロケット154の周囲に延在している。駆動スプロケット148及び従動スプロケット154は、それぞれ、フレーム140に対して回転できるように、フレーム140に回転自在に結合されている。シャフト144は従動スプロケット154に動作可能に結合され、回転軸R1を中心に従動スプロケット154と共に回転する。回転軸R1は図3に示す頁を貫通する。運搬台150は、運搬台を貫通する複数の開口部156を画成する。開口部156は、運搬台150をビルドプレート106に結合するための締結具158(図7に示す)を受け入れる寸法とされる。運搬台150は、フレーム140内でシャフト144に結合され、以下でさらに詳しく説明する通り、回転軸R1を中心にシャフト144と共に回転する。
【0036】
例示的な実施形態では、リフトアセンブリ134は、回転アセンブリ136を積層造形ハウジング105に対して移動させる。さらに具体的には、例示的な実施形態では、リフトアセンブリ134は、マスト160、フォーク162及び車輪164を含むフォークリフトである。フォーク162は、回転アセンブリ136のフレーム140に係合し、その上で回転アセンブリ136を支持する。フォーク162は、マスト160に沿って垂直に(つまりZ方向に)移動可能であり、積層造形ハウジング105に対して回転アセンブリ136を昇降させる。リフトアセンブリ134は、以下でさらに詳しく説明する通り、運搬台150をビルドプレート106と連結させるため、回転アセンブリ136をハウジング105内に選択的に移動させるように1人以上のオペレータによって制御できる。リフトアセンブリ134は、マスト160上に複数の位置インジケータ166を含み、動作中にフォーク162の移動の案内を容易にする。本明細書ではフォークリフトとして示しかつ説明するが、他の実施形態では、リフトアセンブリ134は、本明細書に記載の通り部品104を係合及び操作するのに適した任意の他のリフト機構を含んでいてもよい。例えば、限定されるものではないが、代替的な実施形態では、リフトアセンブリ134は、積層造形ハウジング105に結合し及び/又は積層造形ハウジング105内に設けられるリフトであってもよい。
【0037】
回転アセンブリ136は、例示的な実施形態では、バッテリ駆動であり、リフトアセンブリ134の電子制御に統合される制御を含む。そこで、運転中、リフトアセンブリ134のオペレータは、リフトアセンブリ134のオペレータステーションからリフトアセンブリ134及び回転アセンブリ136の両方の動作を制御し得る。他の実施形態では、回転アセンブリ136、特にモータ146は、リフトアセンブリ134のバッテリ源(図示せず)などの外部電源によって給電される。
【0038】
図4図9は、部品104内の空洞138から粉末材料108を空にするための、積層造形ハウジング105内で造形アセンブリ130を操作するプロセスの例示的な一連の工程を示す。具体的には、図4は、部品104が作成され、積層造形ハウジング105が粉末材料108で満たされているプロセスの最初の工程を示す。図5を参照すると、作成完了後に、弁122を開いて粉末材料108を粉末排出口118から貯蔵タンク126(図1に示す)へと排出することによって、粉末材料108はビルド領域120から実質的に排出される。
【0039】
図5に示すように、ビルド領域120から粉末材料108を実質的に排出した後で、若干の粉末材料108が部品104の空洞138内に取り残されるおそれがある。ビルドプレート106のねじ付開口部168内の粉末材料108のような残留粉末材料108の一部は、真空吸引ホース(図示せず)その他同様の装置を用いて除去し得る。しかし、若干の粉末材料108は、真空ホースでのアクセスが実施できない及び/又は不可能な小さな空洞138など、部品104の部分に取り残されるおそれがある。そこで、かかる空洞138から粉末材料108を空にするため、本開示は、積層造形ハウジング105内、特に造形領域120内で造形アセンブリ130を回転させる方法及び装置を提供し、こうした取り残された粉末材料108を、ビルドプラットフォーム116からビルドプラットフォーム116上に落下させて(すなわち重力供給して)、後続の造形サイクルでの再利用のため粉末材料108を排出及び回収できるようにする。
【0040】
図5を参照すると、本プロセスの例示的な第2の工程は、粉末材料108をビルド領域120から排出した後、かつ積層造形ハウジング105のビルド領域120に回転アセンブリ136が入れるようにアクセスドア119(図4に示す)を開いた後で、積層造形ハウジング105内のビルドプラットフォーム116を下降させることである。他の実施形態では、回転アセンブリを積層造形ハウジング105内に移動させる前にビルドプラットフォーム116を下降させなくてもよい。
【0041】
図6を参照すると、本プロセスの例示的な第3の工程で、リフトアセンブリ134は、回転アセンブリ136を積層造形ハウジング105のビルド領域に移動させ、運搬台150の開口部156がビルドプレート106内の対応ねじ付開口部168と整列するように回転アセンブリ136を配置する。運搬台の開口部156がビルドプレート106のねじ付開口部168と整列する正確な水平位置へリフトアセンブリ134を移動させるオペレータを案内するため、床に1以上のフロアガイド(図示せず)を取り付けてもよい。図6図8において、フォーク162は、専ら説明の便宜上、図3図5よりも伸びたものとして示してあるが、回転アセンブリ136を積層造形ハウジング105に移動させるために伸長していない。他の実施形態では、リフトアセンブリ134は、選択的に伸長可能なフォークを含んでいてもよい。
【0042】
図7に示すように、リフトアセンブリ134は、次いで、回転アセンブリ136をビルド領域120内で下降させるため、(例えばマスト160上の位置インジケータ166をガイドとして用いて)マスト160上のフォーク162を下降させる。具体的には、運搬台150がビルドプレート106上に配置されかつ接触するように、回転アセンブリ136をビルド領域120内で下降させる。次いで、オペレータは、運搬台150の開口部156(図6に示す)を通して、かつビルドプレート106のねじ付開口部168(図6に示す)に締結具158を取り付けることによって、運搬台150をビルドプレート106に連結する。他の実施形態では、他の適切なカップリングエレメントを用いて、運搬台150をビルドプレート106に連結してもよい。例えば、限定されるものではないが、幾つかの代替的な実施形態では、ビルドプレート106を運搬台150に連結するのにクランプ(図示せず)が用いられる。
【0043】
図8を参照すると、本プロセスの第4の工程で、リフトアセンブリ134は、積層造形ハウジング105内で回転アセンブリ136及び造形アセンブリ130を上昇させ、回転アセンブリ136は、回転軸R1の周りで造形アセンブリ130を回転させて、空洞138から粉末材料108を空にする。例示的な実施形態では、回転アセンブリ136は、造形アセンブリ130を回転軸R1の周りで完全な円(すなわち360度)で回転させるように動作し得る。図8に示すように、ビルド領域120内で造形アセンブリ130を上昇させた後、造形アセンブリ130を回転軸R1の周りで約180度回転させて、ビルド領域120内で造形アセンブリ130を反転させる。
【0044】
例示的な実施形態では、回転軸R1は、造形方向つまり図1に示す座標系12のZ方向に略垂直である。したがって、回転アセンブリ136が造形アセンブリ130及び運搬台150を回転させると、造形アセンブリ130及び運搬台150はそれぞれ裏返又は「反転」される。造形アセンブリ130を反転させた状態で、粉末材料108を、部品104の空洞138からビルドプラットフォーム116上に落下させて、粉末排出口118から回収する。さらに、空洞138内に取り残された粉末材料108をほぐすため、回転アセンブリ136の駆動アセンブリ142は、時計回りと反時計回りの方向の間で素早く振動させることなどによって、造形アセンブリ130を振動させるように選択的に制御してもよい。加えて又は代わりに、リフトアセンブリ134は、空洞138内の粉末材料108をほぐすために、造形アセンブリ130をX方向又はZ方向に振動させてもよい。他の実施形態では、回転アセンブリ136は、空洞138内の粉末材料108をほぐすために回転アセンブリ136上で造形アセンブリ130を迅速に振動させるように動作可能な往復装置(図示せず)をさらに含む。例えば、幾つかの実施形態では、運搬台150及び造形アセンブリ130を水平方向に(つまり図8の頁平面内で)往復運動させるため、リニアアクチュエータ(図示せず)をシャフト144に動作可能に結合してもよい。
【0045】
粉末材料108を造形アセンブリ130から落下せしめた後、回転アセンブリ136で、適宜、造形アセンブリ130をその初期配向(例えば図1図7に示す)に回転させ、リフトアセンブリ134で積層造形ハウジング105から造形アセンブリ130を搬出する。次いで、部品104は、その後の造形サイクルでのビルドプレート106の再利用のために(例えばレーザ切断その他の適切な技術を用いて)ビルドプレート106から分離し得る。
【0046】
図9は、図3に示す回転アセンブリ136の斜視図であり、第1の配向に回転したビルドプレート106を含む。図10は、図9に示す回転アセンブリ136及びビルドプレート106の斜視図であり、第2の配向に回転したビルドプレート106を示す。図11は、図9に示す回転アセンブリ136の平面図である。図9図11には、ギアボックス及びモータアセンブリ146がモータなしで示してある。
【0047】
図9を参照すると、例示的な実施形態では、回転アセンブリ136は、フレーム140と、フレーム140に結合した駆動アセンブリ142とを含む。フレーム140は、連結アーム170と、連結アーム170に結合した第1及び第2のフレームアーム172,174であって、各々、連結アーム170から互いに略平行にかつ連結アーム170に対して側方向に延在する第1及び第2のフレームアーム172,174とを含む。第1及び第2のフレームアーム172,174は、各々、運搬台150に面する内面176及び反対側の外面178を含む。第1及び第2のフレームアーム172,174はさらに、各々少なくとも部分的に中空であって、各々、リフトアセンブリ134のフォーク162(図3に示す)を受け入れるためのチャネル179をその内部に画成している。複数の締結具183がチャネル179に延在しており、フォーク162をフレームアーム172,174内の所定の位置に固定するためフォーク162と係合させることができる。フレームアーム172,174は各々、連結アーム170から十分な長さで延在しており、動作中、フレーム140又は回転アセンブリ136の他の部品が運搬台150の回転を妨げることなく、運搬台150を完全に360度回転させることができる。
【0048】
駆動アセンブリ142は、モータ及びギアボックス146(図9図11にはギアボックスのみを示す)、駆動スプロケット148、従動スプロケット154を含む。一対の軸受180,182(いずれも図11に示す)が、それぞれ第1及び第2のアーム172,174の内面178に(例えば例示的な実施形態では締結具を介して)結合される。軸受180,182は、運搬台150をフレームアーム172,174上に回転可能に支持する。駆動アセンブリ142は、運搬台150の第1のシャフト144を同心に受け入れるカップリングスリーブ184をさらに含む。スリーブ184も駆動スプロケット148内に受け取られ、駆動スプロケット148と係合する。他の実施形態では、駆動アセンブリ142は、スリーブ184を含んでおらず、第1のシャフト144は従動スプロケット154に直接結合される。
【0049】
例示的な実施形態では、駆動スプロケット148及び従動スプロケット154は、各々、スプロケット148,154の周方向外面を画成する歯186を含んでいて、ベルト152(図3に示す)を受ける。動作中、モータ及びギアボックス146は、駆動スプロケット148の回転を駆動するように選択的に制御してもよく、駆動スプロケット148は従動スプロケット154及び第1のシャフト144の回転を駆動して、運搬台150をフレーム140に対して回転させる。
【0050】
図10を参照すると、運搬台150及びビルドプレート106は、各々、上昇又は「第1」の配向(すなわち、図7に示す配向)から投棄又は「第2の」配向(すなわち、図8に示す配向)に約180度回転した状態で示してある。第2の配向では、ビルドプレート106は、ビルドプレート106の下方に位置する運搬台150の台座188と共に下向きに配向しており、粉末108を部品104(図8に示す)から落下させることができる。
【0051】
図11を参照すると、例示的な実施形態では、第1の軸受180は第1のフレームアーム172の内面176に結合され、第2の軸受182は第2のフレームアーム174の内面176に結合される。運搬台150は、フレームアーム172,174の間に延在しており、内部に中央開口部190を画成する台座188を含む。運搬台150は、台座188の内側で中央開口部190に延在する複数の締結リング192をさらに含む。締結リング192は各々、運搬台150をビルドプレート106に連結するため、締結具158を受け入れるための開口195を画成する(例えば図7に示す)。締結リング192及び/又は締結具158は、本明細書ではカップリング機構及び/又はカップリング機構ともいい、造形アセンブリ130と運搬台150との結合を容易にする。
【0052】
図12を参照すると、運搬台150は、各々略三角形の形状を有し、かつ台座188から外側に(すなわち、運搬台150が図7に示す第1の配向にあるときに上向きに)延在する第1の側壁194及び第2の側壁196をさらに含む。第1のシャフト144は第1の側壁194から外側に延在し、第2のシャフト198は第2の側壁196から外側に延在している。他の実施形態では、運搬台150は、運搬台150を本明細書に記載の通り機能させることができる任意の数のシャフトを含む。例えば、幾つかの実施形態では、運搬台150は、第1及び第2の側壁194,196を貫通しかつ第1及び第2の軸受180,182(図11に示す)に延在する単一のシャフト(図示せず)を含む。他の実施形態では、シャフト144,198は、第1の側壁194から外側に延在する第1のセクション、第2の側壁196から外側に延在する第2のセクション及び第1の側壁196と第2の側壁196との間に延在する第3のセクションのように、複数のセクション(図示せず)に設けてもよい。例示的な実施形態では、図11に示すように、回転軸R1は、第1及び第2のシャフト144,198に沿って、かつ第1及び第2のフレームアーム172,174を通って延在している。
【0053】
図12を参照すると、例示的な実施形態では、第1のシャフト144は、第1のシャフト144をスリーブ184(図9に示す)に結合するための連結キー(図示せず)を受け入れるノッチ200を画成する。例えば、スリーブ184は、対応ノッチ(図示せず)を含んでおり、第1のシャフト144内のノッチ200と整列させたときに、連結キーを受け入れる寸法及び形状の開口部を画成する。他の実施形態では、第1のシャフト144は、運搬台150を本明細書に記載の通り機能させることができる任意の様式でスリーブ184及び/又は従動スプロケット154に結合される。例示的な実施形態では、第1のシャフト144は第1の側壁194から第1の長さL1で延在するが、第1の長さL1は、第2の側壁196から延在する第2のシャフト198の第2の長さL2よりも大きい。他の実施形態では、第1及び第2のシャフト144,198は、任意の適切な長さを有し得る。
【0054】
図13は、積層造形ユニットのハウジング内で造形アセンブリを回転させる例示的な方法1300の流れ図を示しており、積層造形ユニットは、粉末材料を造形方向に沿って加工することによって造形アセンブリを積層形成するように構成される。方法1300は、第1の工程で、回転アセンブリのフレームに運搬台を回転自在に結合すること1302を含んでおり、フレームは第1のフレームアーム及び第2のフレームアームを含む。方法1300は、第2の工程で、運搬台を造形アセンブリに結合すること1304を含む。方法1300は、第3の工程で、運搬台に動作可能に結合した駆動アセンブリによって、運搬台及び造形アセンブリを回転軸の周りで回転させること1306をさらに含んでおり、回転軸は造形方向に略垂直である。
【0055】
上述の実施形態は、積層造形ユニット及び回転アセンブリを含む積層造形システムに関する。積層造形ユニットは、粉末材料を造形方向に沿って造形アセンブリへと積層加工するためのハウジングを含む。回転アセンブリは、第1のフレームアーム及び第2のフレームアームを含むフレームを含む。回転アセンブリは、フレームアームに回転自在に結合した運搬台をさらに含んでおり、運搬台を造形アセンブリに結合するための1以上のカップリング機構を含む。運搬台は、造形方向に平行な回転軸の周りで運搬台を回転させるために運搬台に動作可能に結合した駆動アセンブリをさらに含む。
【0056】
例示的な実施形態では、回転アセンブリを使用して、積層造形ユニット内で造形アセンブリを回転又は反転させて、さもなければビルド部品に取り残されてしまう粉末材料を放出させることができる。回転アセンブリは、例示的な実施形態で説明したリフトアセンブリなどによって、造形アセンブリに選択的に導入し、結合させることができる。回転アセンブリは、反転中にユニットから放出された粉末がユニット内に回収され、後続の造形サイクルに再利用できるように、積層造形ユニットの排出口の上で造形アセンブリを反転させることができる。
【0057】
さらに、本明細書で説明したシステム及び方法の技術的効果の幾つかの例として、以下の(a)~(d)の1以上が挙げられる。(a)複雑な空洞構造を有する部品を製造するための積層造形システムの機能性の改善。(b)粉末材料を回収することによって、造形時の粉末材料の廃棄物の削減。(c)他の方法ではアクセスが困難な空洞内に取り残された粉末を除去することによる造形部品の品質の向上。(d)造形部品内の粉末を除去するための高価な補助粉末除去装置の必要性の低減。
【0058】
本発明のその他の態様を、以下の実施態様に示す。
[実施態様1]
粉末材料を造形方向に沿って造形アセンブリへと積層加工するためのハウジングを備える積層造形ユニットと、造形アセンブリをハウジング内で回転させるための回転アセンブリとを備える積層造形システムであって、回転アセンブリが、第1のフレームアームと第2のフレームアームとを含むフレームと、第1のフレームアーム及び第2のフレームアームに回転自在に結合した運搬台であって、運搬台を造形アセンブリに取外し自在に結合するための1以上のカップリング機構を備える運搬台と、運搬台を回転軸の周りで選択的に回転させるために運搬台に結合した駆動アセンブリとを備えており、回転軸が造形方向に対して略垂直である、積層造形システム。
[実施態様2]
回転軸が第1のフレームアーム及び第2のフレームアームを貫通する、実施態様1に記載の積層造形システム。
[実施態様3]
運搬台が、第1のフレームアームに回転自在に結合したシャフトを備えており、シャフトが、第1のフレームアームを通って駆動アセンブリのスプロケットまで延在する、実施態様1又は実施態様2のいずれか1項に記載の積層造形システム。
[実施態様4]
回転アセンブリに結合したリフトアセンブリをさらに備えており、リフトアセンブリが、ハウジング内で回転アセンブリを造形方向に略平行な方向に移動させるように動作可能である、実施態様1乃至実施態様3のいずれか1項に記載の積層造形システム。
[実施態様5]
リフトアセンブリがフォークを含んでおり、第1のフレームアーム及び第2のフレームアームの少なくとも一方が、フォークを受け入れる寸法のチャネルを内部に画成している、実施態様1乃至実施態様4のいずれか1項に記載の積層造形システム。
[実施態様6]
リフトアセンブリが、ハウジング内で運搬台及び造形アセンブリをビルドプラットフォームから上昇位置まで上昇させるように動作可能であり、回転アセンブリが、造形アセンブリ内に画成される1以上の空洞から粉末材料を放出させるために、ハウジング内で上昇位置にある運搬台及び造形アセンブリを回転軸の周りで回転させるように動作可能である、実施態様1乃至実施態様5のいずれか1項に記載の積層造形システム。
[実施態様7]
回転アセンブリが、造形アセンブリ及び運搬台が上昇位置にあるときに、運搬台及び造形アセンブリを回転軸の周りで約360度回転させるように動作可能である、実施態様1乃至実施態様6のいずれか1項に記載の積層造形システム。
[実施態様8]
造形アセンブリが、ビルドプレートと、部品上に積層造形された部品とを含んでおり、ビルドプレートが、後続の造形サイクルで再利用されるように構成される、実施態様1乃至実施態様7のいずれか1項に記載の積層造形システム。
[実施態様9]
運搬台が、ビルドプレートに取外し自在に結合可能である、実施態様1乃至実施態様8のいずれか1項に記載の積層造形システム。
[実施態様10]
駆動アセンブリが、モータと、モータに動作可能に結合した第1のスプロケットと、運搬台に結合した第2のスプロケットと、第1のスプロケット及び第2のスプロケットの周囲に延在するベルトとを備える、実施態様1乃至実施態様9のいずれか1項に記載の積層造形システム。
[実施態様11]
積層造形ユニット内で造形アセンブリを回転させるための回転アセンブリであって、造形アセンブリが、粉末材料を造形方向に沿って加工することによって少なくとも部分的に積層造形され、回転アセンブリが、第1のフレームアーム及び第2のフレームアームを含むフレームと、第1のフレームアーム及び第2のフレームアームに回転自在に結合した運搬台であって、運搬台を造形アセンブリに結合するための1以上のカップリング機構を含む運搬台と、運搬台を回転軸の周りで回転させるために運搬台に動作可能に結合した駆動アセンブリであって、回転軸が造形方向に対して略垂直である、駆動アセンブリとを備えている、回転アセンブリ。
[実施態様12]
回転軸が第1のフレームアーム及び第2のフレームアームを貫通する、実施態様11に記載の回転アセンブリ。
[実施態様13]
運搬台が、第1のフレームアームに回転自在に結合したシャフトを備えており、シャフトが、第1のフレームアームを通って駆動アセンブリのスプロケットまで延在する、実施態様11又は実施態様12に記載の回転アセンブリ。
[実施態様14]
回転アセンブリに結合したリフトアセンブリをさらに備えており、リフトアセンブリが、ユニット内で回転アセンブリを造形方向に略平行な方向に移動させるように動作可能である、実施態様11乃至実施態様13のいずれか1項に記載の回転アセンブリ。
[実施態様15]
リフトアセンブリが、積層造形ユニット内で運搬台及び造形アセンブリをビルドプラットフォームから上昇位置まで上昇させるように動作可能であり、回転アセンブリが、造形アセンブリ内に画成される1以上の空洞から粉末材料を放出させるために、ユニット内で上昇位置にある運搬台及び造形アセンブリを回転軸の周りで360度回転させるように動作可能である、実施態様11乃至実施態様14のいずれか1項に記載の回転アセンブリ。
[実施態様16]
積層造形ユニットのハウジング内で造形アセンブリを回転させる方法であって、積層造形ユニットが、粉末材料を造形方向に沿って加工することによって造形アセンブリを積層形成するように構成されており、当該方法が、回転アセンブリのフレームに運搬台を回転自在に結合する工程であって、フレームが第1のフレームアーム及び第2のフレームアームを含む、工程と、運搬台を造形アセンブリに結合する工程と、運搬台に動作可能に結合した駆動アセンブリによって、運搬台及び造形アセンブリを回転軸の周りで回転させる工程であって、回転軸が造形方向に対して略垂直である、工程とを含む、方法。
[実施態様17]
回転軸が第1のフレームアーム及び第2のフレームアームを貫通する、実施態様16に記載の方法。
[実施態様18]
リフトアセンブリを回転アセンブリに結合する工程と、回転前に、リフトアセンブリによって、運搬台及び造形アセンブリを積層造形ユニットのビルドプラットフォームから上昇させる工程とをさらに含む、実施態様16又は実施態様17に記載の方法。
[実施態様19]
回転させる工程が、運搬台及び造形アセンブリを回転軸の周りで360度回転させることを含む、実施態様16乃至実施態様18のいずれか1項に記載の方法。
[実施態様20]
回転後に、リフトアセンブリによって、造形アセンブリを積層造形ユニットのハウジングの外に移動させる工程と、回転中に造形アセンブリからハウジング内に放出された粉末を回収する工程とをさらに含む、実施態様16乃至実施態様19のいずれか1項に記載の方法。
【0059】
本開示の様々な実施形態の特定の特徴がある図面に記載され、他の図面には記載されていないことがあるが、これは便宜的なものにすぎない。開示の原則に従って、図面に記載された特徴は、他の図面の特徴と組合せて参照することができ及び/又は特許請求の範囲に記載することができる。
【0060】
本明細書では、本発明を最良の形態を含めて開示するとともに、装置又はシステムの製造・使用及び方法の実施を始め、当業者が本発明を実施できるようにするため、例を用いて説明してきた。本発明の特許性を有する範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者に自明な他の例も包含する。かかる他の例は、特許請求の範囲と文言上の差のない部品を有しているか、或いは特許請求の範囲の文言と実質的な差のない均等な部品を有していれば、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0061】
100 積層造形システム
102 圧密装置
103 積層造形ユニット
104 部品
105 積層造形ハウジング
106 ビルドプレート
108 粉末材料
112 コントローラ
114 アクチュエータ
116 ビルドプラットフォーム
118 粉末排出口
120 ビルド領域
122 弁
124 管
126 貯蔵タンク
130 造形アセンブリ
132 部品マニピュレータアセンブリ
134 リフトアセンブリ
136 回転アセンブリ
138 空洞
140 フレーム
142 駆動アセンブリ
144 第1のシャフト
146 ギアボックス
146 モータアセンブリ
148 駆動スプロケット
150 運搬台
152 ベルト
154 従動スプロケット
156 開口部
158 締結具
160 マスト
170 連結アーム
172 第1のフレームアーム
174 第2のフレームアーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【外国語明細書】