(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044610
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】車両安全支援システム
(51)【国際特許分類】
B61L 23/00 20060101AFI20240326BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20240326BHJP
B61D 37/00 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
B61L23/00 Z
G08G1/16 C
B61D37/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150238
(22)【出願日】2022-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】000004651
【氏名又は名称】日本信号株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100181146
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 啓
(74)【代理人】
【識別番号】100109221
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 充広
(72)【発明者】
【氏名】須藤 紗葵
【テーマコード(参考)】
5H161
5H181
【Fターム(参考)】
5H161AA01
5H161MM01
5H161MM15
5H161NN10
5H181AA16
5H181AA24
5H181CC04
5H181LL04
5H181LL08
(57)【要約】
【課題】設備の簡易化や、迅速な安全性の判定が可能な車両安全支援システムを提供すること。
【解決手段】車両安全支援システム100は、車両CRの側面に設置されて画像を撮像する撮像部10と、画像から車両CRの移動の有無を検知する移動検知部21と、画像から車両CRの扉DRの開閉を検知する扉開閉検知部22と、移動検知部21による車両CRの移動の有無検知と、扉開閉検知部22による扉DRの開閉検知とに基づいて定まる車両CRの状況に応じて、画像から安全性について判定する判定部40とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の側面に設置されて画像を撮像する撮像部と、
前記画像から前記車両の移動の有無を検知する移動検知部と、
前記画像から前記車両の扉の開閉を検知する扉開閉検知部と、
前記移動検知部による前記車両の移動の有無検知と、前記扉開閉検知部による前記扉の開閉検知とに基づいて定まる前記車両の状況に応じて、前記画像から安全性について判定する判定部と
を備える車両安全支援システム。
【請求項2】
前記撮像部は、前記画像としての動画を撮像し、
前記移動検知部は、前記動画におけるフレーム前後での背景画像の差分から、前記車両が停止しているか否かについて検知する移動停止検知部である、請求項1に記載の車両安全支援システム。
【請求項3】
前記撮像部は、前記車両の側面に設けられた車両側表示灯を撮像範囲に含み、
前記扉開閉検知部は、前記画像中の前記車両側表示灯の点灯状態から、前記扉が開の状態であるか閉の状態であるかについて検知する、請求項1及び2のいずれか一項に記載の車両安全支援システム。
【請求項4】
前記判定部は、前記移動検知部において前記車両の停止が検知されており、かつ、前記扉開閉検知部において前記扉が閉の状態であることが検知されている場合に、前記画像において前記車両から所定距離内に接近している物体が検知されると、危険有りと判定する、請求項1に記載の車両安全支援システム。
【請求項5】
前記撮像部、前記移動検知部、前記扉開閉検知部及び前記判定部は、ユニット化された撮像装置として一の筐体内に収納され、
前記撮像装置は、前記判定部における判定結果を外部に出力する、請求項1に記載の車両安全支援システム。
【請求項6】
前記撮像装置は、前記車両の側面の位置に応じて複数設置され、設置位置ごとに撮像、検知及び判定を行う、請求項5に記載の車両安全支援システム。
【請求項7】
前記判定部は、前記移動検知部において前記車両の停止が検知されており、かつ、前記扉開閉検知部において前記扉が開の状態であることが検知されている場合であっても、前記画像において前記車両から所定距離内に接近している物体が一定時間以上留まっていることが検知されると、異常有りと判定する、請求項1に記載の車両安全支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道等の運転において、車両の運行における安全を保つべく支援を行う車両安全支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、駅ホームの監視システムにおいて、車両側面に設置されたカメラを用いることで、運行の安全のための支援等を行うものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、上記特許文献1では、例えば、危険度を推測するに際しては、車両側面に設置されたカメラだけではなく、各種情報を収集している車両情報管理装置から走行速度や進行方向などを取得することが前提となっており、システムの構成が、複雑化し、また、処理に時間を要する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【0005】
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、設備の簡易化や、迅速な安全性の判定が可能な車両安全支援システムを提供することを目的とする。
【0006】
上記目的を達成するための車両安全支援システムは、車両の側面に設置されて画像を撮像する撮像部と、画像から車両の移動の有無を検知する移動検知部と、画像から車両の扉の開閉を検知する扉開閉検知部と、移動検知部による車両の移動の有無検知と、扉開閉検知部による扉の開閉検知とに基づいて定まる車両の状況に応じて、画像から安全性について判定する判定部とを備える。
【0007】
上記車両安全支援システムでは、車両の側面に設置された撮像部により撮像された画像から車両の移動及び車両の扉の開閉を検知し、これに基づいて定まる車両の状況に応じて、画像から安全性について判定する態様となっていることで、画像から安全性について判定をするに際して、例えば車両を構成する車両情報管理装置等の各部から車両の状況を示す運転情報を取得することを要しないものにできる。これにより、システムを構成する設備の簡易化や、迅速な安全性の判定が可能になる。
【0008】
本発明の具体的な側面では、撮像部は、画像としての動画を撮像し、移動検知部は、動画におけるフレーム前後での背景画像の差分から、車両が停止しているか否かについて検知する移動停止検知部である。この場合、撮像部で撮像した画像から車両の停止を判定できる。
【0009】
本発明の別の側面では、撮像部は、車両の側面に設けられた車両側表示灯を撮像範囲に含み、扉開閉検知部は、画像中の車両側表示灯の点灯状態から、扉が開の状態であるか閉の状態であるかについて検知する。この場合、撮像部で撮像した画像から車両の扉の開閉状況について判定できる。
【0010】
本発明のさらに別の側面では、判定部は、移動検知部において車両の停止が検知されており、かつ、扉開閉検知部において扉が閉の状態であることが検知されている場合に、画像において車両から所定距離内に接近している物体が検知されると、危険有りと判定する。この場合、危険有りと判定すべき典型的な一態様を、迅速かつ的確に捉えることができる。
【0011】
本発明のさらに別の側面では、撮像部、移動検知部、扉開閉検知部及び判定部は、ユニット化された撮像装置として一の筐体内に収納され、撮像装置は、判定部における判定結果を外部に出力する。この場合、撮像装置は、一の筐体内に収納されているため、簡易な取付けが可能となり、かつ、判定部における判定結果について当該撮像装置からの迅速な取出しが可能となる。
【0012】
本発明のさらに別の側面では、撮像装置は、車両の側面の位置に応じて複数設置され、設置位置ごとに撮像、検知及び判定を行う。この場合、必要な範囲を的確に検知し、かつ、検知範囲ごとに判定を個別に行うことで、並行した処理が可能となり、判定の迅速化が図れる。
【0013】
本発明のさらに別の側面では、判定部は、移動検知部において車両の停止が検知されており、かつ、扉開閉検知部において扉が開の状態であることが検知されている場合であっても、画像において車両から所定距離内に接近している物体が一定時間以上留まっていることが検知されると、異常有りと判定する。この場合、乗り降りに際しての乗客のトラブルを検知できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】一実施形態の車両安全支援システムについて概要を示す概念図である。
【
図2】(A)及び(B)は、撮像部により撮像される画像について示す概念的な画像図である。
【
図3】列車の停車から出発までの間における状態遷移について示すブロック図である。
【
図4】危険な状態が生じている場合の一例を示す概念的な画像図である。
【
図5】(A)及び(B)は、危険な状態が生じている場合の他の一例を示す概念的な画像図である。
【
図6】車両安全支援システムにおける安全確認(異常判定)についての一連の動作について一例を示すフローチャートである。
【
図7】(A)及び(B)は、一変形例の車両安全支援システムについて説明するためのブロック図である。
【
図8】(A)及び(B)は、車両安全支援システムの組み込みについて一例を説明するためのブロック図である。
【
図9】車両安全支援システムの機能について概要をまとめたブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、
図1等を参照して、一実施形態の車両安全支援システムについて、一例を説明する。
図1は、本実施形態の車両安全支援システム100の一構成例について説明するための概念的な図であり、
図2(A)及び
図2(B)は、車両安全支援システム100において撮像した画像について一例を示す概念的な画像図、あるいは、画像図に対する処理を施す様子について説明するための図である。
【0016】
図1に示す一例では、車両安全支援システム100が、列車TRに取り付けられて、列車TRを編成する車両CRごとに安全支援を行う場合を例示している。なお、図示において、列車TRは、矢印DD1の方向に進行しているものとする。
【0017】
車両安全支援システム100は、複数の撮像装置50を車両CRの側面に設置して構成しており、各撮像装置50(50A,50B,…)において、車両CRの一側面とその周辺について撮像し(例えば
図2等に示す画像図を参照)、撮像した画像に関する種々の解析を行うことで、安全確認のための情報を収集し、判断を行っている。図示の一例では、1つの車両の側面のうち、前後の両端上方側に一対構成となるように撮像装置50(撮像装置50Aと撮像装置50B)を設け、矢印DD1の方向に関して前方側に位置する撮像装置50Aでは後方側に向けて撮像し、後方側に位置する撮像装置50Bでは前方側に向けて撮像することで、車両CRの一側面及びその周辺について隈なく監視ができるようにしている。なお、図示や説明を省略するが、1つの車両CRにおいて反対側の一側面においても、同様に、一対構成の撮像装置50が設けられている。
【0018】
撮像装置50での撮像により取得した画像データやこれを解析した情報に基づく判定結果は、運転士TDが視認可能な位置に設置された表示部70に向けて出力される。すなわち、運転士TDは、各撮像装置50A,50B,…において撮像された結果としての画像そのものだけでなく、画像を解析した結果に基づく安全に関する判定結果について、例えばモニターやランプ等で構成される表示部70により確認することで、知ることができる。また、この場合、例えば車両内に設けた車両情報管理装置において管理されている車速等の各種情報の取得といったことを必ずしも要しない構成とすることが可能であり、車両情報管理装置による場合と比べて、判定の迅速化を図ることができる。
【0019】
以上のように、本実施形態では、車両安全支援システム100は、取得した画像から列車TR(車両CR)の運行における安全を保つべく情報を迅速に提供することで、支援をするものとなっている。特に、ここでは、車両安全支援システム100は、矢印DD1の方向に進行している列車TRが、駅が近づくにつれて徐々に減速して最終的に駅のホームPF(
図2等参照)に停止し、再度出発するまでの間において、ホームPFにおける安全のための各種点検(判断)を行っている。
【0020】
上記のような態様とすべく、各撮像装置50は、
図1中にブロック図で例示するように、撮像部10と、運転情報取得部20と、物体検知部30と、判定部40と、出力部60とを備える。運転情報取得部20は、移動検知部21と、扉開閉検知部22とを備える。
【0021】
撮像部10は、車両CRの側面のうち所定箇所に固定的に設置された状態で画像を撮像するカメラであり、ここでは連続撮像を行えるものとする。つまり、撮像部10は、画像として、動画を撮像することが可能であるものとする。なお、撮像部10において、画像を取得するとともに、例えば運転情報取得部20や物体検知部30における解析に必要な画処理を撮像により取得した画像データに対して、併せて行うものとしてもよい。
【0022】
運転情報取得部20は、回路素子等で構成され、列車TRの運転状況に関する情報を収集する。ここでの一例では、運転情報取得部20は、移動検知部21と、扉開閉検知部22とを有し、これらにより、列車TR自体に関する各種情報の収集がなされる。
【0023】
まず、移動検知部21は、撮像部10において取得した画像から、車両CRの移動の有無を検知する、すなわち、列車TRの速度に関する情報を画像解析により取得する。特にここでは、列車TRが停止したか否かを確認すべく、移動検知部21は、移動停止検知部21sを有する、あるいは移動停止検知部21sとして機能する。移動検知部21(移動停止検知部21s)は、撮像部10により撮像された画像としての動画におけるフレーム前後での背景画像の差分から、車両CRが停止しているか否かについて検知する。
【0024】
一方、扉開閉検知部22は、撮像部10において取得した画像から、車両CRの扉DRの開閉を検知する。特にここでは、撮像部10において、車両CRの側面に設けられた車両側表示灯LPが撮像範囲に含まれるようになっており、扉開閉検知部22は、画像中の車両側表示灯LPの点灯状態から、扉DRが開の状態であるか閉の状態であるかについて検知する。なお、車両側表示灯LPは、扉DRに対応して設けられており、扉DRが開の状態である場合に点灯し、閉の状態である場合に消灯する。
【0025】
また、物体検知部30は、回路素子等で構成され、撮像部10において取得した画像から、駅のホームPF(
図2参照)に存在する物体OBを検知する。すなわち、物体検知部30は、車両CR以外の物体OBについての検知を行う。ここでは、物体検知部30は、主に、列車TRの乗降客等の人HUを検知対象としている。
【0026】
判定部40は、回路素子等で構成され、撮像部10において取得した画像から安全性について判定する。具体的には、移動検知部21による車両CRの移動の有無検知と、扉開閉検知部22による扉DRの開閉検知とに基づいて定まる車両CRの状況のほか、物体検知部30による車両CR以外の物体OB(人HU)に関する検知結果に応じて、判定を行っている。
【0027】
出力部60は、上記のようにして撮像装置50において得られた各種情報を、外部に対して出力する。ここでは、既述のように、表示部70に対して出力をすることで、運転士TDによる視認を可能にしている。言い換えると、撮像装置50は、出力部60を介して、判定部40における判定結果を外部に出力している。
【0028】
また、以上の場合、撮像部10、移動検知部21、扉開閉検知部22、物体検知部30、判定部40及び出力部60は、ユニット化された撮像装置50として、一の筐体SC内に収納されている構成とすることができる。また、上記態様の場合、各撮像装置50は、車両CRの側面の位置に応じて複数(一側面に付き2つ、計4つ)設置され、設置位置ごとに撮像、検知及び判定を行うものとなっている。
【0029】
以下、
図2(A)及び
図2(B)を参照して、上記各部における画像解析の内容に関して、より具体的に一例を説明する。
図2(A)は、撮像部10により撮像される画像について一例を示す概念的な画像図であり、撮像した画像全体について、画像GGとしている。また、
図2(B)は、
図2(A)として示す画像GGについて、例えば運転情報取得部20の移動検知部21等により解析処理した様子を示している。なお、以下では、実物と、その実物に対応する画像中の部分画像とについて、同じ符号を付す。例えば実物としての車両CRと同様に画像GG中の一部を占める部分画像としての車両についても、車両CRとする。
【0030】
図2(A)において、画像GGには、駅のホーム(プラットフォーム)PFに入線して停止する直前あるいは停止直後の列車TR(車両CR)の様子が示されている。より具体的に説明すると、図示の例では、駅のホームPF上に乗客と考えられる人HUが、物体検知部30における検知対象としての物体OBとして存在している。また、駅のホームPFの内線路側との境界となる縁部EG等が撮像されている。一方、撮像部10自体が取り付けられている列車TRを編成する車両CR側についても撮像範囲含まれており、例えば車両CRの扉DRや車両側表示灯LP、あるいは側線端部RD等が撮像されている。この場合、例えば縁部EGと側線端部RDとの間を、隙間GAとして捉えることができる。また、撮像部10は、列車TR(車両CR)に固定的に取り付けられており、画像GGにおいて列車TR(車両CR)が占める範囲は、
図2(B)においてハッチングで示すようなものとなり、これは、常にほぼ固定的な範囲となる。
【0031】
上記のような種々の画像解析について、本実施形態では、運転情報取得部20や物体検知部30が、その役割に応じた内容の処理をし、検知を行っている。
【0032】
まず、例えば、運転情報取得部20の移動検知部21は、背景画像の差分から、車両が停止しているか否かについて検知すべく、
図2(B)に示すように、例えば駅のホームPF上に設置されている柱状部分(電柱や架線柱等)BIを、動画(連続画像)から抽出し、これについての前後での動きの有無すなわち画像GG中における位置変化の有無から、列車TR(車両CR)が停止しているか否かを判定する。つまり、柱状部分BIについて動画(連続画像)の前後で位置変化が無くなった場合、移動検知部21は、列車TR(車両CR)が停止したと判定する。なお、移動検知部21によるこのような判定は、列車TR(車両CR)の停止前後や出発前後に限らず、常時行っているものとしてもよい。また、背景画像の差分を見るために対象とするものについても、柱状部分BIに限らず、種々のものとすることが可能である。
【0033】
次に、運転情報取得部20の扉開閉検知部22は、車両CRの扉DRの開閉を検知すべく、ここでの一例では、画像GG中の車両側表示灯LPが点灯しているか否かを判定する。つまり、図中において破線で示す枠FR1の位置に存在する車両側表示灯LPが点灯していることが確認されれば、扉開閉検知部22は、扉DRが開の状態であると判定し、車両側表示灯LPが消灯していることが確認されれば、扉開閉検知部22は、扉DRが閉の状態であると判定する。上記態様の場合、車両側表示灯LPと撮像部10とは、ともに車両CRの同一の一側面において固定的に設置されているため、その位置関係は、列車TRの移動の有無に関係なく一定である。従って、画像GG中における車両側表示灯LPは、撮像範囲内のうち、いつも一定の固定的な範囲内に存在する。言い換えると、枠FR1の位置は、画像中において予め定めた範囲とすることができる。したがって、車両側表示灯LPが点灯しているか否かについては、迅速な処理が可能となる。
【0034】
なお、扉開閉検知部22において、画像GGを利用した扉DRの開閉検知については、上記以外にも種々の態様が想定され、例えば画像GG中の扉DR自体について、その位置や位置変化を的確に捉えられれば、扉DRの部分画像自体からその開閉状態を判定するものとしてもよい。あるいは、
図2(B)等の場合と異なり、ホームにホームドアが設置されているような場合であって当該ホームドアが撮像範囲内にある場合には、ホームドアの開閉をもってこれに連動している扉DRの開閉状態を判定するものとしてもよい。
【0035】
以上のようにして、運転情報取得部20による列車TR自体の状況に関して、各種情報が収集される。
【0036】
一方、物体検知部30は、種々のものについての検知を行うことで、駅側(ホームPF側)の状況や、ホームPFと列車TRとの関係等、種々の情報を収集する。例えば、
図2(B)に例示した場合では、物体検知部30は、画像GGから抽出した物体OBを、破線で示すような枠FR2で囲って、その位置や大きさ、形状等から、物体OBが人HUであるか否かといったことを判定する。また、物体検知部30は、ホームPF自体の形状、あるいは、点字ブロックBBや縁部EGの位置等を、画像から抽出する。一方、列車TRについて、側線端部RDのほか、列車TRの全体位置(画像GG中に占める範囲)等についても、画像から抽出する。さらに、これらの情報から、例えば隙間GAの範囲を画定する。
【0037】
上記のほか、物体検知部30は、例えば点字ブロックBBの位置や縁部EGの位置、側線端部RDの位置等に基づいて、列車TRとの近さに応じた危険な範囲を例えば段階的に設定できる。図示の例では、点字ブロックBBより列車TR側(ホームPFの縁部EG側)に近づく範囲について、所定の接近範囲と定め、特に、図中においてハッチングで示す縁部EGを含むこれにかなり近い所定の範囲を、隙間GAへの落下や触車等の可能性が極めて高い危険ゾーンDZとする。
【0038】
判定部40は、物体検知部30における上記のような画像解析処理(情報処理)により、これらの情報を収集しつつ、これらのうち、物体OB(人HU)のように、時系列で位置変化するものについて監視等を行う。
【0039】
以下、
図3として示すブロック図を参照して、列車TRの停車から出発までの間における状態遷移について説明する。
【0040】
まず、列車移動の状態すなわち列車TRが駅間を走行している状態が考えられ、これを状態αとする。一方、列車TRが駅に到着した時点では、列車TRが停止しているがまだ扉DRが開いていない、という状態が考えられ、これを状態β1とする。なお、図にも示すように、ここでの扉DRが閉の状態β1を、1回目の扉閉とする。
【0041】
ここで、状態αから状態β1への遷移の間においては、移動検知部21における背景差分による移動判定がなされる。すなわち、移動検知部21での検知に基づく判定部40の判定において、列車TRが停止したと判定されたときが、状態αから状態β1へ遷移したとき、ということになる。
【0042】
状態β1となった後、列車TRの停止が継続されたまま扉DRが開いた状態を、状態γとする。状態β1から状態γへの遷移の間においては、扉開閉検知部22における車両側表示灯LPの点灯判定がなされる。すなわち、扉開閉検知部22での検知に基づく判定部40の判定において、車両側表示灯LPが点灯したと判定されたときが、状態β1から状態γへ遷移したとき、ということになる。状態γへ遷移すると、人HUの列車TRへの乗り降りが開始されることになる。なお、状態γにある場合には、扉DR付近において、人HUが移動することは当然であり、これについては、危険な状況(異常が発生した状況)として取り扱うべきではないため、判定部40では、これに応じた判定がなされるようになっている。
【0043】
次に、状態γが一定時間継続された後、再び扉DRが閉の状態となり、これを状態β2とする。図にも示すように、ここでの扉DRが閉の状態β2を、2回目の扉閉とする。
【0044】
ここで、状態γから状態β2への遷移の間においては、扉開閉検知部22における車両側表示灯LPの消灯判定がなされる。すなわち、扉開閉検知部22での検知に基づく判定部40の判定において、車両側表示灯LPが消灯したと判定されたときが、状態γから状態β2へ遷移したとき、ということになる。ここでの遷移が、最も危険な状況(異常が発生した状況)が発生しやすいと考えられる。例えば、触車や扉DRでの挟込み等の発生が想定されるタイミングだからである。
【0045】
この際、判定部40では、物体検知部30により検知された種々の情報に基づいて、各種安全確認を行い、異常が発生した場合には、その場所や内容についての情報が、出力部60を介して、表示部70に向けて出力される。
【0046】
最後に、状態β2へ遷移した後(安全に扉DRが閉の状態となった後)、再び列車TRが走り出すことで、状態αに戻る。なお、状態β2から状態αへの遷移の間においては、例えば移動検知部21における背景差分による移動判定がなされるものとしてもよい。
【0047】
以上のような各遷移のうち、最も危険な状況(異常が発生した状況)が発生しやすい状態γから状態β2への遷移すなわち2回目の扉閉となる出発直前に際しては、例えば
図4に例示するような危険ゾーンDZを超えるような接近があると、触車や隙間GAの落ち込みが発生する危険が高くなる。また、
図5(A)に示すように、人HU自体は危険ゾーンDZまで入ってはいないものの、人HUが持っている白杖CA等の物体OBが、隙間GAに挟まった(落ち込んだ)状態になっていたり、
図5(B)に示すように、扉DRに白杖CA等が挟まれてしまったりする、といった事態が生じる可能性もある。このような場合、出発をさせないように異常発生の報知を直ちに運転士TDに対して行う必要がある。なお、以上は、一例であり、これら以外にも例えばベビーカー(バギー)の先端部分が挟まったり、車いす等において困難が発生する、子供が挟まったりする等、種々の態様が生じ得る。なお、例えば必要に応じてこれらの事態を識別できるようにするための画像に関する深層学習等を、運転情報取得部20や物体検知部30さらに判定部40を構成するために行っておくことで、これらの事態の発生について、迅速で的確な判定が可能としてもよい。
【0048】
また、上記した各遷移のうち、状態γが続く間、すなわち乗客の乗り降りがある間においても、異常が発生する可能性がある。例えば、駅のホームPFに存在する車いすの人や子供が、乗り降り困難となっているような場合には、乗車せず、扉DRの前にずっと存在する状態となっている可能性がある。
【0049】
特に、ワンマン運転においては、運転士TDが、上記のような状況の確認を全て行うものとなっている。また、無人駅の場合、駅側からの運行支援は限られたものとなると考えられる。一方、例えば編成する車両の数が多くなるすなわち列車の編成が長くなると、ワンマン運転や無人駅における種々の安全確認が十分にできない可能性もある。これに対して、本実施形態では、迅速で的確な列車運行に際して、車両安全支援システム100による支援すなわち各種点検(判断)を行えるようにしている。
【0050】
以下、
図6として示すフローチャートを参照して、車両安全支援システム100における上記のような各種安全確認(異常判定)を行う場合について、一連の動作の一例を説明する。
【0051】
まず、車両安全支援システム100を起動すると、運転情報取得部20の移動検知部21による列車TR(車両CR)の移動についての検知動作が開始され(ステップS101)、車両CRが停止しているか否かについての検知が継続的に行われる(ステップS102)。
【0052】
ステップS102において、車両CRの停止が検知されると(ステップS102:Yes)、運転情報取得部20の扉開閉検知部22による扉DRの開閉検知の動作すなわち車両側表示灯LPの点灯判定の動作が開始され(ステップS103)、車両側表示灯LPが点灯したか否か(扉DRが開の状態になったか否か)についての検知が継続的に行われる(ステップS104)。
【0053】
ステップS104において、車両側表示灯LPの点灯(扉DRが開の状態であること)が検知されると(ステップS104:Yes)、物体検知部30による物体検知の動作が開始される(ステップS105)。すなわち、駅のホームPFに存在する物体OB(主に人HU)の動きについて、検知される。
【0054】
次に、車両安全支援システム100は、運転情報取得部20の扉開閉検知部22による扉DRの開閉検知の動作として、車両側表示灯LPの消灯検知(扉DRが閉の状態になったか)の動作を行い(ステップS106)、消灯が検知されない、すなわち扉DRが開の状態で、乗客の乗り降りが続いている場合(ステップS106:No)、この間において、駅のホームPF上で異常が発生していないかを確認する。具体的には、車いすの人等が乗車せず、扉DRの前にずっと存在する状態となっていないかを確認すべく、所定範囲内(例えば点字ブロックBBから縁部EGまでの間)において、一定時間以上留まっている人HUが検知されているか否かを確認し(ステップS107)、確認されれば(ステップS107:Yes)、判定部40は、異常発生として(ステップS108)、報知を行う(ステップS109)。つまり、出力部60を介して、その旨を、すなわち乗降困難者が存在することを、表示部70に表示させ、一連の処理を終える、あるいは、ステップS101からの動作に戻る。
【0055】
一方、ステップS107において、該当する人HUが検知されなければ(ステップS107:No)、ステップS106の動作に戻る。
【0056】
ステップS106において、車両側表示灯LPの消灯が検知されるすなわち扉DRが閉となり出発直前の状態になったと判定されると(ステップS106:Yes)、例えば危険ゾーンDZとして例示したような駅のホームPFのうち危険な範囲内について、人HUの存在が検知されたか否かを確認し(ステップS110)、確認されれば(ステップS110:Yes)、判定部40は、異常発生として(ステップS111)、報知を行う(ステップS112)。つまり、出力部60を介して、その旨を、すなわち触車等の可能性があることを、表示部70に表示させ、一連の処理を終える、あるいは、ステップS101からの動作に戻る。
【0057】
一方、ステップS110において、該当する人HUが検知されなければ(ステップS110:No)、さらに、扉DRや隙間GAにおいて挟込みあるいは落ち込み等が生じていないかを確認する(ステップS113,S114)。
【0058】
ステップS114において、挟込み等が確認されれば(ステップS114:Yes)、判定部40は、異常発生として(ステップS115)、報知を行う(ステップS116)とともに、一旦、扉DRを開の状態とする処理を行う。つまり、出力部60を介して、その旨を、すなわち挟込み等の発生があったことと、これに基づき扉DRを開放したこととを、表示部70に表示させ、一連の処理を終える、あるいは、ステップS101からの動作に戻る。
【0059】
一方、ステップS114において、挟込み等が確認されなければ(ステップS114:No)、特段の異常は発生していないものとして、列車TRの出発許可とし(ステップS117)、一連の処理を終える。なお、この場合、特段、表示部70への表示は行わないものとしてもよく、出発許可の旨を通知するものとしてもよい。
【0060】
なお、以上の態様では、判定部40は、例えば、移動検知部21において車両CRの停止が検知されており(ステップS104:Yes)、かつ、扉開閉検知部22において扉DRが閉の状態であることが検知されている場合に(ステップS106:Yes)、画像GGにおいて車両CRから所定距離内に接近している物体OB(HU)が検知されると(ステップS110:Yes)、危険有りと判定する(ステップS111)ものとなっている。
【0061】
また、判定部40は、例えば、移動検知部21において前記車両の停止が検知されており(ステップS104:Yes)、かつ、扉開閉検知部22において扉DRが開の状態であることが検知されている場合であっても(ステップS106:No)、画像GGにおいて車両CRから所定距離内に接近している物体OB(人HU)が一定時間以上留まっていることが検知されると(ステップS107:Yes)、異常有り(ステップS108)と判定するものとなっている。
【0062】
以下、
図7等を参照して、一変形例の車両安全支援システム100について説明する。
図7(A)は、一変形例の車両安全支援システム100を示すブロック図であり、
図7(B)は、別の一変形例の車両安全支援システム100を示すブロック図である。
図1等に示す一例では、個々の撮像装置50において、撮像部10、移動検知部21、扉開閉検知部22、物体検知部30、判定部40及び出力部60一の筐体SC内に収納されてユニット化された構成となっていた。これ以外の構成として、例えば
図7(A)に示す一例のように、1つの車両CRの一側面に設けられる一対構成のカメラである撮像部10A,10Bを準備し、これらと接続する1つの画像処理判定回路PJを設け、画像処理判定回路PJに移動検知部21等の機能をもたせることで、車両安全支援システム100を構成してもよい。具体的には、
図7(A)に示す車両安全支援システム100は、撮像部10に相当する撮像部10A,10Bと、物体検知部30に相当する物体検知部30A,30Bと、画像処理判定回路PJとを有し、画像処理判定回路PJは、運転情報取得部20と、判定部40に相当する危険事象判定部40Aと、出力部60とで構成されている。また、運転情報取得部20は、移動検知部21に相当する列車速度検知部21Aと、扉開閉検知部22に相当する列車扉開閉検知部22Aとで構成されている。なお、画像処理判定回路PJについては、例えば上記各機能を有する回路基板等で構成することが考えられる。
【0063】
撮像部10Aは、
図1等の撮像部10に相当し、撮像により動画を取得し、必要に応じて各種画像処理をする。撮像部10Aは、物体検知部30Aと画像処理判定回路PJの運転情報取得部20とに対して、画像に関する各種情報を出力する。すなわち、撮像部10Aは、情報を分岐して、物体検知部30Aと運転情報取得部20とにそれぞれ送信する。
【0064】
一方、撮像部10Bは、撮像部10Aと同様、
図1等の撮像部10に相当するものであるが、物体検知部30Bに対して、画像に関する各種情報を出力し、画像処理判定回路PJの運転情報取得部20に対しては、出力していない。
【0065】
運転情報取得部20は、撮像部10Aからの情報に基づき、列車速度検知部21Aと列車扉開閉検知部22Aとにより、車両CRにより編成される列車TR自体に関する各種情報の収集を行う。
【0066】
物体検知部30Aは、
図1等に示す物体検知部30に相当するものとして、撮像部10Aにより撮像された範囲について物体検知を行い、物体検知部30Bも、同様に、撮像部10Bにより撮像された範囲について物体検知を行う。物体検知の結果は、ともに、危険事象判定部40Aに対して出力される。
【0067】
危険事象判定部40Aは、
図1等に示す判定部40に相当するものとして、運転情報取得部20、物体検知部30A及び物体検知部30Bからの情報に基づき、各種判定を行う。なお、判定の結果や画像等の各種情報は、出力部60を介して、表示部70に出力される。
【0068】
以上の場合、運転情報取得部20における列車TR自体に関する各種情報すなわち列車TRの停止や列車TRの扉DRの開閉に関する情報収集については、もっぱら撮像部10Aからの画像情報に基づくものとなる一方、物体検知については、撮像部10Aと撮像部10Bとの双方からの画像情報に基づくものとなることで、装置を簡易化しつつ、駅のホームPF全体における監視を維持できるものとなっている。
【0069】
なお、
図7(B)に一例を示すように、撮像部10Bについても、情報を分岐し、物体検知部30Bのみならず、運転情報取得部20に対しても出力を行う構成とすることも考えられる。
【0070】
上記のような構成、例えば
図7(A)に示した構成については、例えば
図8(A)にあるような従来のものに、
図8(B)に示すように画像処理判定回路PJを付加して、車両安全支援システム100として機能させることも考えられる。具体的には、例えば
図8(A)に示すように、車両CRの側面において、ホームPF側を監視するために、撮像部10A,10Bや物体検知部30A,30Bを設けている従来型の態様において、
図8(B)に示すように、画像処理判定回路PJを、撮像部10Aや物体検知部30A,30Bからの情報を受け取れるようにしつつ取り付けることで、
図7(A)に例示した車両安全支援システム100を構築できる。
【0071】
以下、
図9として示すブロック図を参照して、本実施形態の車両安全支援システム100における各種処理について概要をまとめる。図示のように、また、既述のように、本実施形態の車両安全支援システム100は、撮像部10と、移動検知部21及び扉開閉検知部22を有する運転情報取得部20と、判定部40とを備える。撮像部10は、車両CRの側面に設置されて画像GGを撮像する。移動検知部21は、画像GGから車両CRの移動の有無を検知する一方、扉開閉検知部22は、画像GGから車両側表示灯LPを抽出し、車両側表示灯LPの点灯状況から車両CRの扉DRの開閉を検知する。判定部40は、移動検知部21による車両CRの移動の有無を検知した結果と、扉開閉検知部22による扉DRの開閉に関する検知とに基づいて、車両CRの状況を勘案し、勘案した結果に応じて、画像GGから安全性について判定する。この場合、少なくとも、車両CR(列車TR)が移動しているか否か(止まっているか否か)と、車両CRの扉DRが閉まっているか開いているかが、画像GGからの情報に基づき判定できる。すなわち、車両側において測定される測定結果を取得するといった手間をかけずに画像から上記のような判定ができる。これにより、装置を簡易なものとしつつ、迅速な判定処理を行うことが可能となる。
【0072】
以上のように、本実施形態の車両安全支援システム100は、車両CRの側面に設置されて画像GGを撮像する撮像部10と、画像GGから車両CRの移動の有無を検知する移動検知部21と、画像GGから車両CRの扉DRの開閉を検知する扉開閉検知部22と、移動検知部21による車両CRの移動の有無検知と、扉開閉検知部22による扉DRの開閉検知とに基づいて定まる車両CRの状況に応じて、画像GGから安全性について判定する判定部40とを備える。上記車両安全支援システム100では、車両CRの側面に設置された撮像部10により撮像された画像から車両CRの移動及び車両CRの扉DRの開閉を検知し、これに基づいて定まる車両CRの状況に応じて、画像GGから安全性について判定する態様となっている。これにより、画像GGから安全性について判定をするに際して、例えば車両CRを構成する車両情報管理装置等の各部から車両CRの状況を示す運転情報を取得することを要しないものにできる。また、この場合、システムを構成する設備の簡易化や、迅速な安全性の判定が可能になる。
【0073】
〔その他〕
この発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
【0074】
まず、上記では、1つの車両CRの一側面につき2つの撮像装置あるいは撮像部(カメラ)を準備するものとしているが、これに限らず、例えば1つの車両CRの一側面においてより多くのカメラを設置するものとしてもよい。
【0075】
また、上記では、
図1において、複数の撮像装置50と表示部70とを有線で接続している例を示しているが、無線通信により、情報送信を行う態様とすることも可能である。
【0076】
また、必要となる画像処理については、上述したもの以外の種々の態様で行うことが可能であり、画像処理においては、既述のように、深層学習等を適用し、各種プログラムやデータ構造等が搭載されるものとしてもよい。また、各種データについて予め格納するデータベース等を有するものとしてもよく、例えば、画像中に含まれ得る白杖や、盲導犬、バギー(ベビーカー)等を抽出するための各種データが格納されていてもよい。また、例えば駅ごとの情報が予めインプットされていてもよく、各駅の点字ブロックBBや縁部EGの位置等を必要に応じて読み出すことができる、等としてもよい。これらの情報やその利用態様については、種々のものが想定されるが、例えば、列車TRが、当該駅において停止する際の標準的な位置を想定した場合に、画像GG中のどこの位置(画素位置)に存在すべきかの情報を予め格納しておき、点字ブロックBBや縁部EGの位置等を、画像から抽出する際に、撮影状況等によってエラーが生じた場合には、予め格納されているこれらのデータを利用する、といった態様とすることが考えられる。
【0077】
また、上記の一例では、列車TRの運行に際して、車両安全支援システム100を組み込んだ場合について説明しているが、これに限らず、例えばLRT等の路面電車等において、車両安全支援システム100を適用することもできる。
【符号の説明】
【0078】
10,10A,10B…撮像部、20…運転情報取得部、21…移動検知部、21A…列車速度検知部、21s…移動停止検知部、22…扉開閉検知部、22A…列車扉開閉検知部、30,30A,30B…物体検知部、40…判定部、40A…危険事象判定部、50,50A,50B…撮像装置、60…出力部、70…表示部、100…車両安全支援システム、BB…点字ブロック、BI…柱状部分、CA…白杖、CR…車両、DD1…矢印、DR…扉、DZ…危険ゾーン、EG…縁部、FR1,FR2…枠、GA…隙間、GG…画像、HU…人、LP…車両側表示灯、OB…物体、PF…ホーム、PJ…画像処理判定回路、RD…側線端部、SC…筐体、TD…運転士、TR…列車、α,β1,β2,γ…状態