IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 澁谷工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-キャッピング装置 図1
  • 特開-キャッピング装置 図2
  • 特開-キャッピング装置 図3
  • 特開-キャッピング装置 図4
  • 特開-キャッピング装置 図5
  • 特開-キャッピング装置 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044645
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】キャッピング装置
(51)【国際特許分類】
   B67B 3/20 20060101AFI20240326BHJP
【FI】
B67B3/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150301
(22)【出願日】2022-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】000253019
【氏名又は名称】澁谷工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】青塚 久和
【テーマコード(参考)】
3E080
【Fターム(参考)】
3E080AA07
3E080CD01
3E080EE02
3E080FF01
(57)【要約】
【課題】簡略な構成でキャッピングヘッドを自動交換可能なキャッピング装置を提供する。
【解決手段】キャッピングヘッドは、軸部34周りに回転規制されるとともに軸方向に摺動自在に嵌装され、外側に突出するロック爪24Aが設けられたカラー24を備える。マルチキャッパの連結部50はロック爪24Aと係合するバヨネット式の連結部であり、内周面に沿ってロック爪24Aを周方向に沿って案内する周方向ガイド溝60Bと、内周面の軸方向に沿ってロック爪24Aを案内して、ロック爪24Aを周方向ガイド溝60Bの一端へと案内する軸方向ガイド溝60Aと、周方向ガイド溝60Bの他端に設けられ、ロック爪24Aの周方向の移動を規制可能な係止部60Cとを備える。制御装置は、連結部50を用いたキャッピングヘッドの着脱において、連結部50をカラー24に対してサーボモータにより回転させ、サーボモータの出力トルクに基づき回転を停止する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーボモータによって回転される駆動軸と、前記駆動軸の下端に設けられるバヨネット式の連結部内に着脱自在に連結される従動軸を有するキャッピングヘッドと、前記サーボモータの出力を制御する制御装置とを備えたキャッピング装置であって、
前記キャッピングヘッドは、
前記従動軸周りに回転規制されるとともに軸方向に摺動自在に嵌装され、外周面から外側に突出する複数のロック爪が設けられたカラーを備え、
前記連結部は、
前記連結部の内周面に沿って設けられ、前記ロック爪を周方向に沿って案内する周方向ガイド溝と、
前記連結部の内周面に軸方向に沿って設けられ、前記カラーが前記連結部内へと挿入されるとき前記ロック爪を前記周方向ガイド溝の一端に案内する軸方向ガイド溝と、
前記周方向ガイド溝の他端に設けられ、前記ロック爪の周方向の移動を規制可能な係止部とを備え、
前記制御装置は、
前記連結部を用いたキャッピングヘッドの着脱において、前記連結部を前記カラーに対して前記サーボモータにより回転させ、前記サーボモータの出力トルクに基づいて前記回転を停止する
ことを特徴とするキャッピング装置。
【請求項2】
前記カラーを保持して前記キャッピングヘッドを昇降するヘッド保持手段を備え、
前記キャッピングヘッドは、前記カラーを前記従動軸の先端とは反対側に付勢する付勢部材を備え、
前記ヘッド保持手段は、前記連結部内に挿入した前記従動軸の先端を前記連結部に押し当て、前記付勢部材の付勢力に抗して前記ロック爪が前記周方向ガイド溝内に達するまで前記カラーを前記従動軸に対して押し上げ可能であり、
前記モータによる前記連結部の回転により、前記ロック爪は前記周方向ガイド溝内を移動可能であり、
前記係止部において前記付勢部材により前記カラーが前記従動軸の先端とは反対側に押し下げられるとき、前記ロック爪が前記周方向ガイド溝の下側に設けられる前記係止部を構成する凹部に係合し、前記連結部に対する前記カラーの周方向の移動が規制されることを特徴とする請求項1に記載のキャッピング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャッピングヘッドが着脱自在なキャッピング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の種類のキャップに対してキャッピングを行うマルチキャッパでは、スピンドルに装着されるキャッピングヘッドを交換可能とし、取り扱われるキャップに適合したキャッピングヘッドをスピンドルに装着することで、異なるキャップのキャッピングに対応している(特許文献1)。特許文献1のキャッピングヘッド交換装置では、スピンドルとキャッピングヘッドの間に介装される連結プレートにキャッピングヘッドのフランジ部に立設される連結ピンを挿通するための幅広部と連結ピンのヘッド部よりも狭い円弧状の小狭部を有する連結孔を設け、連結ピンが連結孔に挿入されると連結プレートを回転させ、キャッピングヘッドのフランジ部に設けられ、ばねで付勢されるロックピンを連結プレートのロック孔に係合させることでキャッピングヘッドをスピンドルに取り付けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3431183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の構成では、キャッピングヘッドを保持し、スピンドルとの間で受け渡しを行う受渡し機構に連結プレートを回転させるための動力機構を設ける必要や、ロックピンを解除するための動力機構、また、連結プレートの回転量を規定するための機構が必要となる。
【0005】
本発明は、簡略な構成でキャッピングヘッドを自動交換可能なキャッピング装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の発明であるキャッピング装置は、サーボモータによって回転される駆動軸と、前記駆動軸の下端に設けられるバヨネット式の連結部内に着脱自在に連結される従動軸を有するキャッピングヘッドと、前記サーボモータの出力を制御する制御装置とを備えたキャッピング装置であって、前記キャッピングヘッドは、前記従動軸周りに回転規制されるとともに軸方向に摺動自在に嵌装され、外周面から外側に突出する複数のロック爪が設けられたカラーを備え、前記連結部は、前記連結部の内周面に沿って設けられ、前記ロック爪を周方向に沿って案内する周方向ガイド溝と、前記連結部の内周面に軸方向に沿って設けられ、前記カラーが前記連結部内へと挿入されるとき前記ロック爪を前記周方向ガイド溝の一端に案内する軸方向ガイド溝と、前記周方向ガイド溝の他端に設けられ、前記ロック爪の周方向の移動を規制可能な係止部とを備え、前記制御装置は、前記連結部を用いたキャッピングヘッドの着脱において、前記連結部を前記カラーに対して前記サーボモータにより回転させ、前記サーボモータの出力トルクに基づいて前記回転を停止することを特徴としている。
【0007】
本発明の第2の発明であるキャッピング装置は、第1の発明において、前記カラーを保持して前記キャッピングヘッドを昇降するヘッド保持手段を備え、前記キャッピングヘッドは、前記カラーを前記従動軸の先端とは反対側に付勢する付勢部材を備え、前記ヘッド保持手段は、前記連結部内に挿入した前記従動軸の先端を前記連結部に押し当て、前記付勢部材の付勢力に抗して前記ロック爪が前記周方向ガイド溝内に達するまで前記カラーを前記従動軸に対して押し上げ可能であり、前記モータによる前記連結部の回転により、前記ロック爪は前記周方向ガイド溝内を移動可能であり、前記係止部において前記付勢部材により前記カラーが前記従動軸の先端とは反対側に押し下げられるとき、前記ロック爪が前記周方向ガイド溝の下側に設けられる前記係止部を構成する凹部に係合し、前記連結部に対する前記カラーの周方向の移動が規制されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡略な構成でキャッピングヘッドを自動交換可能なキャッピング装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態であるキャッピング装置を容器搬送方向から見た縦断面図である。
図2】本実施形態のクランプの平面図である。
図3】キャッピングヘッドのマルチキャッパへの取り付け作業を時系列に示す側面図である。
図4】キャッピングヘッドのマルチキャッパからの取り外し作業を時系列に示す側面図である。
図5】変形例のクランプの平面図である。
図6】別の変形例のクランプの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態であるキャッピング装置を容器搬送方向から見た縦断面図である。なお、本実施形態では容器搬送方向をX軸方向、鉛直方向をZ軸方向、XY軸に直交する方向をY軸方向としている。
【0011】
キャッピング装置10はライン式のキャッパであり、複数のマルチキャッパ(スピンドル)12が容器搬送方向(図1紙面垂直方向、X軸方向)に沿って所定の間隔で配置される。マルチキャッパ12の上端部は基部14に取り付けられ、基部14は図1に示されるように、スライダ16を介してY軸方向に延在するY軸レール18から垂下される。すなわち、マルチキャッパ12は、キャッピング位置とヘッド交換位置との間でY軸方向に移動可能である。
【0012】
キャッピング位置は、マルチキャッパ12の各々が容器Vを一列に搬送する容器搬送コンベヤ20の真上に配置される位置であり、キャッピング装置10は同位置において容器Vへのキャッピングを行う。一方、ヘッド交換位置は、キャッピング位置からY軸方向にずれた位置にあり、各マルチキャッパ12のキャッピングヘッドの交換作業が行われる。マルチキャッパ12には、異なるキャップに対応した異なる種類のチャックを備えるキャッピングヘッドが着脱可能であり、交換されるキャッピングヘッド22は、ヘッド交換位置で容器搬送コンベヤ20に平行に配置される。なお、図1ではキャッピング位置にあるマルチキャッパ12が破線で描かれる。
【0013】
ヘッド交換位置で待機するキャッピングヘッド22は、ヘッドスタンド26によって保持される。ヘッドスタンド26は、待機位置P1と第1受渡位置P2との間で昇降可能である。図1には、待機位置P1に保持されるキャッピングヘッド22が、ヘッド交換位置のマルチキャッパ12に取り付けられるまで(あるいはマルチキャッパ12に取り付けられたキャッピングヘッド22が取り外されて待機位置P1に移動されるまで)の各工程における様子が示される。
【0014】
図1を参照して、待機位置P1に待機するキャッピングヘッド22をマルチキャッパ12の連結部50に装着するまでの工程について説明する。待機位置P1にあるヘッドスタンド26が第1受渡位置P2にまで上昇されると、側方からY軸方向に沿ってヘッド保持部32が移動してきて、第1受渡位置P2にあるキャッピングヘッド22の軸部(従動軸)34を保持する。ヘッド保持部32は、軸部34を両側から把持するグリッパを備える。ヘッド保持部32の基端部にはグリッパを開閉するためのグリッパ開閉シリンダ32Aが設けられ、スライダ36を介してY軸方向に延在するY軸レール38に摺動自在に保持される。ヘッド保持部32は受取位置1においてキャッピングヘッド22を把持すると、Y軸レール38に沿ってマルチキャッパ12の真下に位置する第2受渡位置P3へとキャッピングヘッド22を移動する。なお、スライダ36はアクチュエータ38AによりY軸レール38に沿って往復動される。
【0015】
マルチキャッパ12が取り付けられた基部14には、第2受渡位置P3においてヘッド保持部32からキャッピングヘッド22を受け取り、着脱位置P4までキャッピングヘッド22を上昇させてマルチキャッパ12に装着するクランプ40を昇降させるクランプ昇降装置42が設けられる。図2の平面図に示されるように、クランプ40はU字形の平面形状を有し、後述するように、軸部34に周囲に嵌装されるカラー24の外周に設けられた上フランジ24Bの下面に係合する。
【0016】
クランプ昇降装置42には、X軸方向に進退されるエアシリンダ48が取り付けられた保持プレート46が取り付けられ、クランプ40は、エアシリンダ48の先端からY軸方向に延出する支持板54の先端にU字開放部をX軸方向に向けて取り付けられる。すなわち、クランプ40は、クランプ昇降装置42により第2受渡位置P3と着脱位置P4の間でZ軸方向に昇降可能とされるとともに、エアシリンダ48により、キャッピングヘッド22のカラー24から離れた待機位置と、カラー24の上フランジ24Bに係合してキャッピングヘッド22を支持する係合位置との間でX軸方向に進退可能とされる。
【0017】
クランプ昇降装置42によりクランプ40が第2受渡位置P3まで下降されるとき、クランプ40は図2において右寄りに退避されており(退避位置)、第2受渡位置P3に達するとエアシリンダ48によりX軸方向に沿って左側の係合位置まで移動される。これによりクランプ40は、第2受渡位置P3に保持されるキャッピングヘッド22のカラー24の上フランジ24B下に係合しこれを支持する。
【0018】
クランプ40がカラー24の上フランジ24Bと係合してキャッピングヘッド22が支持されると、ヘッド保持部32のグリッパが開放され、クランプ40およびこれに支持されるキャッピングヘッド22は、クランプ昇降装置42によりマルチキャッパ12に向けて上昇される。キャッピングヘッド22とマルチキャッパ12の連結には、後述するバヨネット方式が用いられ、キャッピングヘッド22の軸部34上端およびカラー24は、着脱位置P4においてマルチキャッパ12の連結部50に挿入され、後述する連結部50の回転およびカラー24の下降をともなう連結操作により、カラー24は軸方向および回転方向に規制された状態で連結部50に連結される。カラー24が連結部50に連結されると、エアシリンダ48はクランプ40をX軸方向に沿って退避位置にまで移動させ、クランプ40はカラー24から離脱する。
【0019】
なお、連結部50は、マルチキャッパ(スピンドル)12の駆動軸58の下端に取り付けられ、駆動軸58の上端は基部14内に搭載されたサーボモータ30に取り付けられる。サーボモータ30にはトルク検出用のエンコーダが搭載されており、サーボモータ30の回転は制御装置28により制御されるとともに、そのトルクが制御装置28において検出される。
【0020】
一方、連結部50に取り付けられているキャッピングヘッド22を取り外す場合には上記工程を逆に行う。すなわち、クランプ40をクランプ昇降装置42により着脱位置P4へと移動するとともに、エアシリンダ48によりクランプ40を待機位置から係合位置へと移動してカラー24の上フランジ24Bに係合させ、連結操作の逆操作を行うことで連結部50との連結を解除する。その後クランプ昇降装置42を駆動して解除位置の鉛直直下にある受渡位置P3へとキャッピングヘッド22を移動し、ヘッド保持部32によりカラー24下の軸部34を保持するとともにクランプ40を待機位置へと移動し、Y軸レール38に沿ってキャッピングヘッド22を受渡位置P2へ移動する。そして、ヘッドスタンド26により待機位置P1へと移動する。
【0021】
図3(a)~図3(e)は、キャッピングヘッド22のマルチキャッパ12への取り付け作業を時系列に示す側面図であり、連結部50、軸部34、カラー24の周辺の構成が拡大して示される。図3を参照してキャッピングヘッド22のマルチキャッパ12への連結操作について説明する。
【0022】
キャッピングヘッド22の軸部34の外周周りにはカラー24が例えばスプライン構造を通して嵌装され、回転規制されながらも所定範囲で軸部34に沿って摺動可能とされる。カラー24は軸部34の先端側から嵌装され、その下端部は軸部34において外側に張り出す係止ブロック34Aに係止される。係止ブロック34Aの中央部は、周方向沿って凹み部として構成され、ヘッド保持部32のグリッパはこの凹み部を把持する。
【0023】
軸部34の先端部34Bはテーパ形状を呈し、先端部34Bの基端部にはフランジ34Cが取り付けられる。フランジ34Cとカラー24の間の軸部34の周囲には、付勢部材としてコイルスプリング52が配置され、コイルスプリング52はフランジ34Cとカラー24の間に介装される。
【0024】
カラー24の上端部近傍の外周面には外側に突出する複数のロック爪24Aが回転対称に設けられる。本実施形態では2つのロック爪24Aが周方向に180度隔てて配置される。カラー24においてロック爪24Aの下方には、外周に沿って上フランジ24Bが設けられ、その更に下方には下フランジ24Cが設けられる。クランプ40は、上フランジ24B下のカラー24に係合され、上フランジ24Bの下面に係合してキャッピングヘッド22を支持する。
【0025】
一方、連結部50には、下側から軸部34およびカラー24が挿入される円筒状の凹部56が設けられる。凹部56の頂面中央には軸部34の先端部34Bが嵌め込まれる先端収容部56Aが設けられ、凹部56の下端外周部には、カラー24の各ロック爪24Aと協働してバヨネット式の連結機構を構成する周方向に沿ったバヨネット溝構造60が設けられる。
【0026】
先端収容部56Aの中央には駆動軸58の中心に形成された負圧供給通路58Aが連通され、先端部34Bが装着されると、軸部34の軸心に沿って形成される負圧供給通路35が負圧供給通路58Aに接続される。負圧供給通路58A、35を通した負圧は、キャッピングヘッド22下端に設けられるチャックの開閉に用いられる。
【0027】
バヨネット溝構造60は、連結部50の内周面に軸方向に沿って設けられ、凹部56に挿入されるカラー24のロック爪24Aを軸方向に沿って案内する軸方向ガイド溝60Aと、一端が軸方向ガイド溝60Aの上端に連通され、連結部50の内周面に沿ってロック爪24Aを周方向に沿って案内する周方向ガイド溝60Bと、周方向ガイド溝の他端に連通され、ロック爪24Aの周方向の移動を規制可能な係止部60Cとを備える。
【0028】
本実施形態において係止部60Cは、周方向ガイド溝60Bから軸方向下向きに形成された凹部であり、係止部60Cの底面は凹部56の下端外周に沿って嵌め込まれる円環状の蓋部材60Dによって構成される。なお、図3(a)、(c)、(e)には、蓋部材60Dを下側からみた平面図と、各工程におけるロック爪24Aの位置が示される。
【0029】
図3(a)には、キャッピングヘッド22の先端部34Bが、マルチキャッパ12の連結部50の真下に配置された状態が示される。このとき、連結部50は、軸方向ガイド溝60Aがロック爪24Aの真上に来るように配置され、カラー24はクランプ40によって支持されている。
【0030】
クランプ昇降装置42により、キャッピングヘッド22の上端が連結部50に向けて上昇されると、軸部34の先端部34B、フランジ34C、コイルスプリング52が凹部56に順次挿入される。図3(b)に示されるように、先端部34Bが先端収容部56Aに嵌合され、フランジ34Cが凹部56の頂面に当接すると、カラー24の上端は凹部56に挿入されロック爪24Aが軸方向ガイド溝60Aの入口に係合される。
【0031】
クランプ昇降装置42によりクランプ40が更に上昇されると、軸部34は、先端部34Bとフランジ34Cの連結部50との係合により上昇できないので、カラー24のみがコイルスプリング52を圧縮しながら上昇される。これによりロック爪24Aは軸方向ガイド溝60Aに沿って上昇され、図3(c)に示されるように、周方向ガイド溝60Bの一端に達するとクランプ40の上昇は停止される。
【0032】
図3(c)の状態において、サーボモータ30が上から見て反時計周りに回転され、駆動軸58を介して連結部50が反時計周りに回転される。これによりロック爪24Aは周方向ガイド溝60Bの他端に向けて連結部50内を相対的に移動される。制御装置28はサーボモータのトルクの値に基づき、ロック爪24Aが図3(d)に示されるように、周方向ガイド溝60Bの他端、すなわち係止部60Cに達したことを検知し、サーボモータ30の回転を停止する。
【0033】
その後、クランプ昇降装置42によりクランプ40が下降されると、カラー24はクランプ40とともに下降されるが、先端部34Bはコイルスプリング52の付勢力により先端収容部56A内に押し当てられた状態に維持され、負圧供給通路58A、35もその連結を保った状態とされる。カラー24の下降に伴いロック爪24Aは、係止部60C内を蓋部材60Dに向けて下降され、図3(e)に示されるように係止部60C内に係止される。なお、実際には連結部50が略90度回転されるが、図3(d)、(e)では、便宜的に連結部50の位置を固定して、キャッピングヘッド22を相対的に90度回転して描かれている。
【0034】
以上のように、図3(e)の状態では、ロック爪24Aが連結部50に設けられた係止部60Cの凹部に係合され、連結部50に対する軸部34の下向きの移動と周方向の回転移動が規制される。これにより駆動軸58の回転は、連結部50を通して軸部34に伝達され、軸部34はチャックで保持するキャップを回転して、容器Vの口部に螺着する。
【0035】
図4(a)~図4(e)は、キャッピングヘッド22のマルチキャッパ12からの取り外し作業を時系列に示す側面図であり、連結部50、軸部34、カラー24の周辺の構成が拡大して示される。なお、取り外し作業は、図3(a)~図3(e)を参照して説明した取り付け作業を逆に行うことに対応する。
【0036】
図4(a)には、図3(e)と同様に、ロック爪24Aが連結部50の係止部60Cに係合された状態が示される。なお、図4では連結部50に対して図3とは90度ずれた方向から描かれている。図4(a)の状態において、クランプ40がカラー24の上フランジ24B下に係合され、キャッピングヘッド22がクランプ40により保持される。
【0037】
クランプ昇降装置42によりクランプ40が上昇されると、コイルスプリング52が圧縮されながらロック爪24Aが係止部60C内を上昇される。ロック爪24Aが図4(b)に示されるように、周方向ガイド溝60B内へと達するとクランプ40の上昇が停止される。図4(b)の状態において、サーボモータ30が上から見て時計周りに回転され、駆動軸58を介して連結部50が時計周りに回転される。これによりロック爪24Aは周方向ガイド溝60Bに沿って連結部50内を相対的に移動される。制御装置28はサーボモータのトルクの値に基づき、ロック爪24Aが図4(c)に示されるように軸方向ガイド溝60A(周方向ガイド溝60Bの他端)に達したことを検知し、サーボモータ30の回転を停止する。
【0038】
クランプ昇降装置42によりクランプ40が下降されると、ロック爪24Aが軸方向ガイド溝60Aから離脱され、図4(d)に示されるように、カラー24の下端も係止ブロック34Aに当接するまで軸部34に対して下降される。クランプ40は、図4(e)に示されるように、先端部34Bが連結部50の外に出るまで下降され、その後更に第2受渡位置P3まで下降され、ヘッド保持部32へと受け渡される。
【0039】
以上のように、本実施形態のキャッピング装置によれば、特許文献1のように、動力機構を設ける必要や、ロックピンを解除するための動力機構、連結プレートの回転量を規定するための機構を設ける必要がなく、簡略な構成でキャッピングヘッドを自動で交換することができる。すなわち、本実施形態では、元々キャッピングのための動力機構として搭載されているサーボモータのエンコーダを利用して、周方向ガイド溝60Bに沿ったロック爪24Aの移動におけるロック爪24Aと軸方向ガイド溝60Aあるいは係止部60Cの係合を検出できる。これにより、バヨネット式連結機構の回転に動力機構を用いながらもロック爪24Aを適正な位置まで移動して停止することができるので、より確実かつ安全にキャッピングヘッドの自動交換を行うことが可能となる。特に、取り付けにおいてロック爪24Aが係止部60Cと係合していない、という危険な状態になることが防止できる。
【0040】
なお、本実施形態では、クランプ40は刺又状の部材として構成され、クランプ40に対するカラー24の回転は、キャッピングヘッド22の自重とコイルスプリング52の付勢力とにより上フランジ24Bとの間に生じる摩擦力に規制されているが、クランプ40の変形例として図5図6のようなクランプを用いてもよい。
【0041】
図5に示されるクランプ62は、U字に延出する両フォーク部62Aの基端部側をベース部62Bに各々揺動軸62Cにより軸支し、両フォーク部62Aを閉じる方向に付勢部材62Dにより付勢する。図5の例では、揺動軸62Cに対してフォーク部62Aの先端側とは反対側に延出するフォーク部62Aの基端部の間に圧縮スプリングが配置されている。また、図5の例ではフォーク部62Aが開き過ぎないように、基端部の付勢部材62Dとは反対側にストッパ62Eが設けられる。これにより、カラー24は、クランプ62のフォーク部62Aにより両側から挟まれ、回転抵抗が増大する。
【0042】
図6に示されるクランプ64は、図5と同様に両フォーク部64Aの基端部側をベース部64Bに軸支し、両フォーク部64Aをアクチュエータ64Cにより開閉可能とする。同構成においてもカラー24は、クランプ64のフォーク部64Aにより両側から挟まれ、回転抵抗が増大する。
【符号の説明】
【0043】
10 キャッピング装置
22 キャッピングヘッド
24 カラー
24A ロック爪
28 制御装置
30 サーボモータ
34 軸部(従動軸)
40、62、64 クランプ
50 連結部
52 コイルスプリング(付勢部材)
58 駆動軸
60 バヨネット溝構造
図1
図2
図3
図4
図5
図6