(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044648
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】電子級ガスの精製方法
(51)【国際特許分類】
B01D 53/04 20060101AFI20240326BHJP
【FI】
B01D53/04 230
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150306
(22)【出願日】2022-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】522374021
【氏名又は名称】芯動能設備股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】黄柏▲イ▼
【テーマコード(参考)】
4D012
【Fターム(参考)】
4D012CA20
4D012CB16
4D012CD01
4D012CE03
4D012CF10
4D012CJ07
(57)【要約】
【課題】精製装置により電子級ガスに対して精製処理を行うとともに、精製装置に対して再生処理を行う電子級ガスの精製方法及びその精製装置を提供する。
【解決手段】未だ精製されていない電子級ガスを前記精製装置に入力して気体を精製して不純物を除去するとともに、精製された電子級ガスを前記精製装置により外部に排出するステップ201と、排出の精製された電子級ガスを調圧弁に分流し、前記調圧弁により降圧し、降圧した気体を加熱処理してから、気体精製が未稼働の前記精製装置内に入力するステップ202と、降圧及び加熱処理した後の精製された電子級ガスを、気体精製が未稼働の前記精製装置内部から排出し、複数の前記中空繊維管体が吸着した不純物を導き出して再生処理するステップ203と、再生処理した後、降圧及び加熱処理が未だ行われていない精製された電子級ガスを気体精製が未稼働の前記精製装置内に入力するステップ204とを含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子級ガスの精製方法であって、
少なくとも2つの精製装置は、気体入力ユニットにそれぞれ接続され、前記精製装置の内部には、複数の中空繊維管体が設けられ、前記気体入力ユニットは、未だ精製されていない電子級ガスを前記精製装置に入力して気体を精製して不純物を除去するとともに、精製された電子級ガスを前記精製装置により外部に排出するステップと、
排出の精製された電子級ガスを調圧弁に分流し、前記調圧弁により降圧し、降圧した気体を加熱処理してから、気体精製が未稼働の前記精製装置内に入力するステップと、
降圧及び加熱処理した後の精製された電子級ガスを、気体精製が未稼働の前記精製装置内部から排出し、複数の前記中空繊維管体が吸着した不純物を導き出して再生処理するステップと、
再生処理した後、降圧及び加熱処理が未だ行われていない精製された電子級ガスを気体精製が未稼働の前記精製装置内に入力し、前記精製装置内部の圧力を補填して圧力を戻すステップと、を含むことを特徴とする、電子級ガスの精製方法。
【請求項2】
前記精製装置は、複数の前記中空繊維管体により不純物を除去し、
前記不純物とは、水(H2O)、空気(Air)、酸素(O2)、窒素(N2)、水素(H2)、メタン(CH4)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)、非メタン炭化水素(NMHC)、アルゴン(Ar)、窒素酸化物(NOX)、全有機炭素(TOC)、酸(Acid)、アルカリ(Bases)、耐火化合物(Refactory Compound)、プロピレングリコールメチルエーテル(Propylene Glycol Methyl Ether:PGME)、モノエタノールアミン(Monoethanolamine:MEA)、又はこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の電子級ガスの精製方法。
【請求項3】
前記精製装置が除去する不純物に酸素(O2)が含まれている場合、再生処理を行い、気体精製が未稼働の前記精製装置内に水素(H2)を注入し、複数の前記中空繊維管体内に残留した酸素(O2)の不純物を除去することを特徴とする請求項1に記載の電子級ガスの精製方法。
【請求項4】
未だ精製されていない電子級ガス又は除去する不純物が水素(H2)である場合、水素が漏れ出たときに、気体精製が未稼働の前記精製装置内にアルゴン(Ar)を注入し、複数の前記中空繊維管体の内部に残存する水素(H2)を掃気することを特徴とする請求項1に記載の電子級ガスの精製方法。
【請求項5】
前記精製装置、前記気体入力ユニット、前記調圧弁及びフィルタは、異なる管路を介して連通し、
前記精製装置が行う気体精製に連通した管路管径は、前記精製装置が行う再生処理に連通した管路管径より大きく、
再生処理を行う気体流量は、気体を精製するのに使用する気体流量の1~5%であることを特徴とする請求項1に記載の電子級ガスの精製方法。
【請求項6】
ガスボンベ、精製アセンブリ、前端蓋体及び後端蓋体を備えた、精製装置であって、
前記ガスボンベは、前端開口及び後端開口を有し、
前記精製アセンブリは、前記ガスボンベ内部に配設されるとともに、精製材料本体を含み、前記精製材料本体は、束状の複数の中空繊維管体を含み、
前記前端蓋体は、前記ガスボンベの前記前端開口上に蓋設され、前記前端蓋体の表面には、前端気体接続端が設けられ、前記前端蓋体の内側には、前端金属焼結フィルタが設けられ、前記前端金属焼結フィルタ上には、複数の前端気流貫通孔が形成され、前記前端気体接続端は、前記前端金属焼結フィルタとの間に前端気体流動空間が形成され、前記前端金属焼結フィルタと前記精製材料本体の一端との間に前端間隔空間が形成され、
前記後端蓋体は、前記ガスボンベの前記後端開口上に蓋設され、前記後端蓋体の表面には、後端気体接続端が設けられ、前記後端蓋体の内側には、後端金属焼結フィルタが設けられ、前記後端金属焼結フィルタ上には、複数の後端気流貫通孔が形成され、
前記後端気体接続端は、前記後端金属焼結フィルタとの間に後端気体流動空間が形成され、前記後端金属焼結フィルタは、前記精製材料本体の他端との間に後端間隔空間が形成され、前記後端気流貫通孔の孔径が前記前端気流貫通孔の孔径より小さいことを特徴とする、精製装置。
【請求項7】
前記前端気流貫通孔の孔径は100~200mmであり、
前記後端気流貫通孔の孔径は20~100mmであることを特徴とする請求項6に記載の精製装置。
【請求項8】
前記精製アセンブリは、前端金属スリーブリング、後端金属スリーブリング及び少なくとも1つの金属クランプを含み、
前記精製材料本体は、一端に前記前端金属スリーブリングが嵌設され、他端に前記後端金属スリーブリングが嵌設されるとともに、
前記前端金属スリーブリング及び前記後端金属スリーブリングは、溶接方式により前記ガスボンベの内壁に溶接固定されることを特徴とする請求項6に記載の精製装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子級ガスの精製方法及びその精製装置に関し、特に、精製装置により電子級ガスに対して精製処理を行うとともに、精製装置に対して再生処理を行う電子級ガスの精製方法及びその精製装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子級ガス(electronic gases)は、超大規模集積回路、平面表示裝置、化合物半導体デバイス、ソーラバッテリー、光ファイバなどの電子工業製品の生産にとって必要不可欠な原料であり、それらは薄膜、エッチング、ドーピング、気相成長、拡散などの工業技術に広く応用される。例えば、従来の工業技術では、先進的な超大規模集積回路工場のウエハ製造工程の工程は全部で450ステップ以上あり、約50種類の電子級ガスを使用していた。
【0003】
電子級ガスの純度は、往々にしてチップ製造の収率及び信頼性に直接影響を与えるため、電子級ガスの精製は非常に重要であり、電子級ガスの精製には、例えば以下(1)~(4)の方式があった。
(1)アルゴン/ヘリウムの精製方式:
図1Aに示すように、一般に単管精製ボトルを介して精製処理し、精製ボトル1B中にはゲッター(Getter)があり、アルゴン/ヘリウムの精製に使用する単管精製ボトル1A内のゲッターは再生して繰り返し使用することができないため、消耗材に属し、大部分が単管を使用し、多管を切換えて使用することができなかった。
(2)水素の精製方式:
図1Bに示すように、精製ボトル1B中が吸着材(Adsorber)を有するが、吸着材がH
2O、O
2、CO、CO
2のみを吸着するが、CH
4及びN
2を吸着することができないため、精製ボトル1C中のゲッター(Getter)によりキャプチャするが、精製ボトル1B中の吸着材を再生して繰り返し使用することができたが、精製ボトル1C中のゲッターが再生して繰り返し使用することができない消耗材に属するため、繰り返して使用することはできなかった。
(3)窒素の精製方式:
図1Cに示すように、触媒(Catalyst)を有する精製ボトル1Dと、吸着材(Adsorber)を有する精製ボトル1Eとを介して精製する。吸着材(Adsorber)がCH
4及びN
2を吸着することができないため、触媒を250℃まで加熱させるとともに、微量の酸素を別途注入し、窒素中のCH
4及びO
2を反応させてCO
2及びH
2Oを生成した後に、精製ボトル1Eによりその他不純物を吸着・精製するが、触媒の使用を増やすことは極めて面倒であるため、改善が求められていた。
(4)酸素の精製方式:
図1Cと類似しているが、酸素を精製するため、微量の酸素を別途注入しなくてもよく、同様に触媒を250℃まで加熱するとともに、微量の酸素を別途注入し、窒素中のCH
4及びO
2を反応させてCO
2及びH
2Oを生成した後に、精製ボトル1Eによりその他不純物を吸着・精製するが、触媒の使用を増やすことが極めて面倒であるため、改善が求められていた。吸着材(Adsorber)によりN
2を吸着することができないため、N
2を除去する場合、別の装置を別途増設しなければならず、必然的にコストが増えた。
【0004】
そのため、本発明では中空繊維管体に電子級ガス精製方式を組み合わせることにより、異なる気体不純物を吸着させ、中空繊維管体の内部に、異なる気体不純物を除去する材料を添加し、異なる気体不純物を精製するのに用いるため、異なる装置を別途増設して異なる不純物を除去する必要がない。また、本発明の電子級ガス精製方法に再生処理のステップを組み合わせることにより、精製した後の電子級ガスを精製後に再生処理するため、繰り返して使用することができる。そのため、本発明は、前述した従来技術の消耗材と比べ、消耗材の交換に必要なコストを減らすことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、精製装置により電子級ガスに対して精製処理を行うとともに、精製装置に対して再生処理を行う電子級ガスの精製方法及びその精製装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によれば、電子級ガスの精製方法であって、少なくとも2つの精製装置は、気体入力ユニットにそれぞれ接続され、前記精製装置の内部には、複数の中空繊維管体が設けられ、前記気体入力ユニットは、未だ精製されていない電子級ガスを前記精製装置に入力して気体を精製して不純物を除去するとともに、精製された電子級ガスを前記精製装置により外部に排出するステップと、排出の精製された電子級ガスを調圧弁に分流し、前記調圧弁により降圧し、降圧した気体を加熱処理してから、気体精製が未稼働の前記精製装置内に入力するステップと、降圧及び加熱処理した後の精製された電子級ガスを、気体精製が未稼働の前記精製装置内部から排出し、複数の前記中空繊維管体が吸着した不純物を導き出して再生処理するステップと、再生処理した後、降圧及び加熱処理が未だ行われていない精製された電子級ガスを気体精製が未稼働の前記精製装置内に入力し、前記精製装置内部の圧力を補填して圧力を戻すステップと、を含むことを特徴とする、電子級ガスの精製方法が提供される。
【0007】
前記精製装置は、複数の前記中空繊維管体により不純物を除去し、前記不純物とは、水(H2O)、空気(Air)、酸素(O2)、窒素(N2)、水素(H2)、メタン(CH4)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)、非メタン炭化水素(NMHC)、アルゴン(Ar)、窒素酸化物(NOX)、全有機炭素(TOC)、酸(Acid)、アルカリ(Bases)、耐火化合物(Refactory Compound)、プロピレングリコールメチルエーテル(Propylene Glycol Methyl Ether:PGME)、モノエタノールアミン(Monoethanolamine:MEA)、又はこれらの組み合わせからなる群から選択されることが好ましい。
【0008】
前記精製装置が除去する不純物に酸素(O2)が含まれている場合、再生処理を行い、気体精製が未稼働の前記精製装置内に水素(H2)を注入し、複数の前記中空繊維管体内に残留した酸素(O2)の不純物を除去することが好ましい。
【0009】
未だ精製されていない電子級ガス又は除去する不純物が水素(H2)である場合、水素が漏れ出たときに、気体精製が未稼働の前記精製装置内にアルゴン(Ar)を注入し、複数の前記中空繊維管体の内部に残存する水素(H2)を掃気することが好ましい。
【0010】
前記精製装置、前記気体入力ユニット、前記調圧弁及びフィルタは、異なる管路を介して連通し、前記精製装置が行う気体精製に連通した管路管径は、前記精製装置が行う再生処理に連通した管路管径より大きく、再生処理を行う気体流量は、気体を精製するのに使用する気体流量の1~5%であることが好ましい。
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の第2の形態によれば、ガスボンベ、精製アセンブリ、前端蓋体及び後端蓋体を備えた、精製装置であって、前記ガスボンベは、前端開口及び後端開口を有し、前記精製アセンブリは、前記ガスボンベ内部に配設されるとともに、精製材料本体を含み、前記精製材料本体は、束状の複数の中空繊維管体を含み、前記前端蓋体は、前記ガスボンベの前記前端開口上に蓋設され、前記前端蓋体の表面には、前端気体接続端が設けられ、前記前端蓋体の内側には、前端金属焼結フィルタが設けられ、前記前端金属焼結フィルタ上には、複数の前端気流貫通孔が形成され、前記前端気体接続端は、前記前端金属焼結フィルタとの間に前端気体流動空間が形成され、前記前端金属焼結フィルタと前記精製材料本体の一端との間に前端間隔空間が形成され、前記後端蓋体は、前記ガスボンベの前記後端開口上に蓋設され、前記後端蓋体の表面には、後端気体接続端が設けられ、前記後端蓋体の内側には、後端金属焼結フィルタが設けられ、前記後端金属焼結フィルタ上には、複数の後端気流貫通孔が形成され、前記後端気体接続端は、前記後端金属焼結フィルタとの間に後端気体流動空間が形成され、前記後端金属焼結フィルタは、前記精製材料本体の他端との間に後端間隔空間が形成され、前記後端気流貫通孔の孔径が前記前端気流貫通孔の孔径より小さいことを特徴とする、精製装置が提供される。
【0012】
前記前端気流貫通孔の孔径は100~200mmであり、前記後端気流貫通孔の孔径は20~100mmであることが好ましい。
【0013】
前記精製アセンブリは、前端金属スリーブリング、後端金属スリーブリング及び少なくとも1つの金属クランプを含み、前記精製材料本体は、一端に前記前端金属スリーブリングが嵌設され、他端に前記後端金属スリーブリングが嵌設されるとともに、前記前端金属スリーブリング及び前記後端金属スリーブリングは、溶接方式により前記ガスボンベの内壁に溶接固定されることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の電子級ガスの精製方法及びその精製装置は、精製装置により電子級ガスに対して精製処理を行うとともに、精製装置に対して再生処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1A】従来のアルゴン/ヘリウム精製を示す模式図である。
【
図1C】従来の窒素/酸素精製を示す模式図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る電子級ガスの精製方法を示す流れ図である。
【
図3A】本発明の一実施形態に係る電子級ガスの精製方法及びその精製装置の精製アセンブリ構造を示す斜視図である。
【
図3B】本発明の一実施形態に係る電子級ガスの精製装置を示す断面図である。
【
図3C】本発明の一実施形態に係る電子級ガスの精製方法及びその精製装置の気体流動浄化を示す断面図である。
【
図4A-1】本発明の一実施形態に係る電子級ガスの精製方法及びその精製装置を示す模式図である。
【
図4A-2】本発明の一実施形態に係る電子級ガスの精製方法及びその精製装置を示す模式図である。
【
図4A-3】本発明の一実施形態に係る電子級ガスの精製方法及びその精製装置を示す模式図である。
【
図4B-1】本発明の一実施形態に係る電子級ガスの精製方法及びその精製装置を示す模式図である。
【
図4B-2】本発明の一実施形態に係る電子級ガスの精製方法及びその精製装置を示す模式図である。
【
図4B-3】本発明の一実施形態に係る電子級ガスの精製方法及びその精製装置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の他の技術内容、特徴及び効果については、以下、図面を参照しながら好適な実施形態の詳細な説明で明らかにする。
【0017】
図2を参照する。
図2は、本発明の一実施形態に係る電子級ガスの精製方法及びその精製装置の方法を示す流れ図である。
図2に示すように、本発明の一実施形態に係る電子級ガス精製方法は、以下のステップ(201)~(204)を含む。
ステップ(201):少なくとも2つの精製装置は、気体入力ユニットにそれぞれ接続される。精製装置の内部には、複数の中空繊維管体が設けられる。気体入力ユニットは、未だ精製されていない電子級ガスを精製装置に入力して気体を精製して不純物を除去するとともに、精製された電子級ガスを精製装置により外部に排出する。
ステップ(202):排出の精製された電子級ガスを調圧弁に分流し、調圧弁により降圧し、降圧した気体を加熱処理してから、気体精製が未稼働の精製装置内に入力する。
ステップ(203):降圧及び加熱処理した後の精製された電子級ガスを、気体精製が未稼働の精製装置内部から排出し、複数の中空繊維管体が吸着した不純物を導き出して再生処理する。
ステップ(204):再生処理した後、降圧及び加熱処理が未だ行われていない精製された電子級ガスを気体精製が未稼働の精製装置内に入力し、精製装置内部の圧力を補填して圧力を戻す。
【0018】
ステップ(201)において、異なる精製装置は、精製吸気管路を介してガス入力ユニと接続される。気体入力ユニットは、未精製電子級ガスを、精製吸気管路を介して精製装置に入力して気体を精製するとともに、精製された電子級ガスを、精製排気管路を介して精製装置から外部へ排出する。
【0019】
精製吸気管路には、精製吸気制御弁が直列接続される。精製吸気制御弁は、依然として非精製の電子級ガスが精製装置に進入するか否かを制御することができる。精製排気管路は、精製排気制御弁に直列接続される。精製排気制御弁は、精製された電子級ガスが精製排気管路を介して外部に排出される。
【0020】
ステップ202:精製排気管路は、分流して調圧弁に接続され、各精製装置は、再生吸気管路を介して調圧弁にそれぞれ接続される。調圧弁は、精製排気管路が外部に排出した精製された電子級ガスの供給を受けるとともに、精製された電子級ガスを降圧及び加熱処理した後、再生吸気管路を介して、降圧・加熱処理後の精製された電子級ガスを何れか1つの気体精製が未稼働の精製装置に入力する。
【0021】
調圧弁は、分流吸気管路上に直列接続され、分流吸気管路上には、吸気制御弁が直列接続される。吸気制御弁は、精製排気制御弁と調圧弁との間に位置する。吸気制御弁は、精製排気管路から外部へ排出させる精製された電子級ガスを調圧弁に向かって流すか否かを制御する。
【0022】
ステップ203:各精製装置は、再生排気管路を介して排出口にそれぞれ接続されるとともに、降圧・加熱処理後の精製された電子級ガスを、再生排気管路から排出させ、複数の中空繊維管体内部のパーティクルを排出させて再生処理する。
【0023】
再生吸気管路には、再生吸気制御弁が直列接続される。再生吸気制御弁は、降圧・加熱処理後の精製された電子級ガスを、気体精製が未稼働の精製装置に入力するか否かを制御し、再生排気管路が再生排気制御弁と直列接続され、降圧・加熱処理後の精製された電子級ガスが、再生排気管路から排出されるか否かを制御する。
【0024】
ステップ204:再生処理が完了した後、現在稼働中の気体精製の精製装置と接続されたもう一つの再生吸気管路を介し、もう一つの再生吸気管路の再生吸気制御弁を開き、精製された電子級ガス(降圧及び加熱処理がされていない)を気体精製が未稼働の精製装置内に入力し、精製装置内部の圧力を補充して気体入力ユニットが入力する気体と同じ圧力まで戻す。
【0025】
精製処理と比べ、再生処理に必要な気体流量が少ないため、精製装置が行う精製処理に連通した管路管径は、精製装置が行う再生処理に連通した管路管径より大きく、消費電力を減らすために、調圧弁により降圧した後に精製装置内に入力し、再生処理に必要な気体流量について、以下(1)~(2)で説明する。
【0026】
(1)本願の再生処理の再生気体流量は、精製処理の精製気体流量の1~5%(1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%)のみ必要であり、好適には、再生気体流量を精製気体流量の2.5%に設定する上、再生気体流量の上限を設定することができ、再生気体流量の上限を超える場合、再生気体流量の上限値を用いるが、それについては以下(a)~(c)で詳細に説明する。
(a)精製処理の精製気体流量が100Nm3/hrである場合、再生気体流量を精製気体流量の2.5%に設定するため、再生気体流量は2.5Nm3/hrである。
(b)精製処理の精製気体流量が500Nm3/hrである場合、再生気体流量を精製気体流量の2.5%に設定するため、再生気体流量は12.5Nm3/hrである。
(c)精製処理の精製気体流量が10000Nm3/hrである場合、再生気体流量を精製気体流量の2.5%に設定するため(再生気体流量の上限は125Nm3/hrである)、再生気体流量は125Nm3/hrである。
【0027】
(2)本発明の再生処理に連通した管路管径は、再生気体流量に応じて決定し、その複数の実施形態については以下(a)~(c)で詳細に説明する。
(a)再生気体流量が10Nm3/hrよりも小さいか等しい場合、0.25~0.5インチ(即ち0.635~1.27cm)の管径範囲を用いることができる。
(b)再生気体流量が25Nm3/hrよりも小さいか等しい場合、0.5~0.75インチ(即ち1.27~1.905cm)の管径範囲を用いることができる。
(c)再生気体流量が125Nm3/hrよりも小さいか等しい場合、0.75~1インチ(1.905~2.54cm)の管径範囲を用いることができる。
【0028】
図3A~
図3Cを参照する。
図3A~
図3Cに示すように、精製装置2は、ガスボンベ21、精製アセンブリ22、前端蓋体23及び後端蓋体24を含む。ガスボンベ21は、前端開口211及び後端開口212を有する。精製アセンブリ22は、ガスボンベ21内部に配設される。
【0029】
精製アセンブリ22は、前端金属スリーブリング221、後端金属スリーブリング222、少なくとも1つの金属クランプ223及び精製材料本体224を含む。精製材料本体224は、複数の中空繊維管体を含む。精製材料本体224は、一端に前端金属スリーブリング221が嵌設され、他端に後端金属スリーブリング222が嵌設されるとともに、前端金属スリーブリング221及び後端金属スリーブリング222を溶接方式によりガスボンベ21の内壁に溶接固定させる。このように溶接固定されることにより、精製アセンブリ22がガスボンベ内で揺れることを防ぐことができる。
【0030】
精製材料本体224の先端及び末端には、保護シート2241,2242がそれぞれ貼着される。
【0031】
上述した精製アセンブリ22をガスボンベ21内に固定する方式は接着方式を使用することができない。その理由としては、再生に熱気体を使用しなければならず、このような熱気体は、接着させる接着物を損壊させ、接着個所に大きな穴を開けるとともに、精製アセンブリ22が凹み、再生後の精製装置2の精製性能が大幅に低下してしまう虞がある。
【0032】
前端蓋体23は、前端開口211上に蓋設される。前端蓋体23の表面には、前端気体接続端231が設けられる。前端蓋体23の内側には、前端金属焼結フィルタ232が設けられる。前端金属焼結フィルタ232上には、複数の前端気流貫通孔2321が形成される。
【0033】
後端蓋体24は、後端開口212上に蓋設される。後端蓋体24の表面には、後端気体接続端241が設けられる。後端蓋体24の内側には、後端金属焼結フィルタ242が設けられる。後端金属焼結フィルタ242上には、複数の後端気流貫通孔2421が形成される。
【0034】
前端金属焼結フィルタ232及び後端金属焼結フィルタ242の厚さは、2.5~4.5mmであり、好ましくは3mmである。
【0035】
前端気流貫通孔2321の孔径は、100~200mm(100mm、101mm、105mm、110mm、115mm、120mm、125mm、130mm、135mm、140mm、145mm、150mm、155mm、160mm、165mm、170mm、175mm、180mm、185mm、190mm、195mm、200mm)である。前端気流貫通孔2321は、前端気体接続端231から流入する気体をゆっくりと分散させて精製アセンブリ22に流入させるため、気体が精製装置2内に留まる時間が長くなる。
【0036】
後端気流貫通孔2421の孔径は、20~100mm(20mm、25mm、30mm、35mm、40mm、45mm、50mm、55mm、60mm、65mm、70mm、75mm、80mm、85mm、90mm、95mm、99mm、100mm)である。精製アセンブリ22の気流が流出するとき、気流が先ず後端金属焼結フィルタ242に衝突し、後端気流貫通孔2421の孔径が、前端気流貫通孔2321の孔径より小さく設計されているため、後端金属焼結フィルタ242に衝突した気流が跳ね返り(背圧作用)、精製装置2内に気体が留まる時間が長くなる。
【0037】
前端気流貫通孔2321及び後端気流貫通孔2421が形成されていない場合、気流が直接流入して精製アセンブリ22を迅速に通過し、気体が精製アセンブリ22内に留まる時間が、気体精製に影響を与えるため、前端金属焼結フィルタ232及び後端金属焼結フィルタ242の設置により、背圧が増加して被精製気体の流通が速くなり過ぎることを防ぐとともに、電子級ガスの精製純度を高めることができる。
【0038】
前端気体接続端231は、前端金属焼結フィルタ232との間に前端気体流動空間233が形成されている。前端気体流動空間233は、未精製の気体を先ず拡散させて全ての前端気流貫通孔2321に接触させてから、複数の前端気流貫通孔2321に通して精製アセンブリ22に進入させる。前端気体流動空間233が小さすぎる場合、拡散が次第に流入する効果が悪くなり、気体が精製装置2内に留まる時間も短縮されるため、前端金属焼結フィルタ232が前端気流貫通孔2321に近づきすぎることを防ぐことができる。
【0039】
後端気体接続端241は、後端金属焼結フィルタ242との間に後端気体流動空間243が形成される。後端気体流動空間243は、後端金属焼結フィルタ242が後端気体接続端241上に近づきすぎることを防ぎ、精製後の気体が全ての後端気流貫通孔2421に先ず接触されてから拡散し、複数の後端気流貫通孔2421を通って後端気体接続端241に進入される。
【0040】
前端蓋体23は、前端開口211に溶接固定され、後端蓋体24は、後端開口212に溶接固定されなければならず、溶接温度が非常に高いため、前端蓋体23が前端開口211に溶接される位置と、後端蓋体24が後端開口212に溶接される位置とは、前端金属スリーブリング221、後端金属スリーブリング222の位置と一定の高低差を設けなければ(前端間隔空間213及び後端間隔空間214)、溶接の際に生じる高温により精製アセンブリ22の精製材料本体224が溶けて損壊してしまうことを防ぐことができる。
【0041】
図3Cを参照する。
図3Cに示すように、未だ精製されていない電子級ガス3が精製装置2に流入した後、精製材料本体224の中空繊維管体の内部に毛細孔が形成されているため、複数の中空繊維管体により不純物を吸着して除去することができる。ここで不純物とは、水(H
2O)、酸素(O
2)、窒素(N
2)、水素(H
2)、メタン(CH
4)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO
2)、非メタン炭化水素(NMHC)、アルゴン(Ar)、窒素酸化物(NO
X)、全有機炭素(TOC)、酸(Acid、例えばSO
2)、アルカリ(Bases:例えばNH
3)、耐火化合物(Refactory Compound:例えばHMDSO)、プロピレングリコールメチルエーテル(Propylene Glycol Methyl Ether:PGME)、モノエタノールアミン(Monoethanolamine:MEA)、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される。最終的に、不純物を含まない精製された電子級ガス6を後端気体接続端241から排出させることができる。
【0042】
窒素(N
2)、アルゴン(Ar)、空気(Air)、二酸化炭素(CO
2)などの気体から水(H
2O)、酸素(O
2)、窒素(N
2)、水素(H
2)、メタン(CH
4)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO
2)、非メタン炭化水素(NMHC)などの不純物を除去することについて、
図4A-1、
図4A-2及び
図4A-3を参照しながら、以下(1)~(3)で詳細に説明する。
【0043】
(1)精製処理(精製経路A):
(a)精製/再生ユニット5は、精製装置51,52を有する。精製装置51,52は、精製吸気管路53を介して気体入力ユニット4にそれぞれ接続される。気体入力ユニット4は、精製吸気管路53を介して未精製電子級ガス3を入力する。精製吸気制御弁53Aを開き(精製吸気制御弁53Bを閉じ)、未精製電子級ガス3を精製装置51に流入し、精製された電子級ガス6を精製・排出する。
(b)精製排気管路54は、精製排気制御弁54Aに直列接続される。精製排気制御弁54Aを用いると、精製された電子級ガス6が精製排気管路を介して気体出力ユニット7に至るように外部へ排出させるか否か制御する。
(2)再生処理(再生経路B):
(a)精製排気管路は、第1の分流管路55、第2の分流管路56及び再生吸気管路57を介して精製された電子級ガス6を分流させ、精製排気制御弁54A、分流吸気制御弁561、調圧弁562、再生吸気制御弁57Bを開く(精製排気制御弁54B、再生吸気制御弁57Aを閉じる)。
(b)調圧弁562は、精製された電子級ガス6の供給を受けるとともに、精製された電子級ガス6を調圧弁562により降圧して気体予熱器59Bにより加熱処理(精製装置51が再生処理する場合、気体予熱器59Aにより加熱処理する)した後、降圧して加熱処理した後の精製された電子級ガス6を精製装置52内に入力する。
(c)再生排気制御弁58Bを開いた(再生排気制御弁58Aを閉じた)後、降圧及び加熱処理後の精製された電子級ガスは、再生排気管路58を介して先ずフィルタ9に接触されて一部の顆粒性不純物を濾過してから、排出口10から排出させることにより、複数の中空繊維管体内部のパーティクルを排出させて再生処理を行う。
(d)再生処理が完了した後、再生吸気制御弁57Aを開く。精製された電子級ガス6は、分流させて再生吸気制御弁57A及び再生排気制御弁58Bを介して精製装置52内に進入し、精製装置52内部の圧力を補充し、精製装置52内部の圧力を、気体入力ユニット4が入力する未精製電子級ガス3と同じ圧力に戻すため、精製装置52を切換えて精製処理するときに、圧力差により瞬間的に圧力が低下したり瞬間的に圧力が戻る状況が発生したりすることを防ぐことができる。
(3)再生気体注入(再生注入経路C):
(a)除去する不純物に酸素(O2)が含まれている場合、再生処理を行い、気体精製が未稼働の精製装置内に水素(H2)を注入し、複数の中空繊維管体内に残留した酸素(O2)の不純物を除去する。
(b)そのため、再生気体注入ユニット8を調圧弁562と、再生吸気制御弁57A及び再生吸気制御弁57Bとの間に直列接続するとともに、再生気体注入ユニット8を介して再生気体11(水素(H2))を注入し、水素(H2)を酸素(O2)の不純物と合成して水を生成し、再生するときに容易に排出できるようにする。
【0044】
水素(H2)から水(H2O)、酸素(O2)、窒素(N2)、メタン(CH4)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)、非メタン炭化水素(NMHC)などの不純物を除去するのに応用する際、水素(H2)の不純物を除去するため、再生処理する際、再生気体注入ユニット8により水素(H2)を注入しなくともよく、精製処理方式は前述したのと同じであるため、繰り返して述べない。
【0045】
図4A-3を参照する。
図4A-3に示すように、再生気体に水素(H
2)を注入するか、水素(H
2)の不純物を除去した後、装置を別の場所へ移設しなければならないか、水素(H
2)が漏れ出たとき、掃気(Scavenging gas)工程を行い、再生気体注入ユニット8を介して再生気体11(アルゴン(Ar)を注入し、再生吸気制御弁57B、精製装置52、再生排気制御弁58B、フィルタ9を通してから、最終的に排出口10から水素(H
2)が排出される。そのため、この工程では、精製装置内部の管路に残留した水素(H
2)を取り除くことができる。
【0046】
図4B-1、
図4B-2及び
図4B-3を参照する。
図4B-1、
図4B-2及び
図4B-3に示すように、酸素(O
2)中から水(H
2O)、水素(H
2)、メタン(CH
4)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO
2)、非メタン炭化水素(NMHC)などの不純物を除去するが、その方式は前述したのと全く同じであり、唯一の違いは酸素(O
2)を除去する必要がないため、再生気体注入ユニット8を使用して水素(H
2)を注入しなくてもよい点である。
【0047】
図4A-1及び
図4B-1を参照する。
図4A-1及び
図4B-1に示すように、気体入力ユニット4は、部材41、部材42、部材43及び部材44を含む。部材41は制御弁(Valve)である。部材42は気体圧力トランスデューサ(Pressure Transducer)である。部材43は手動バルブ又は電動バルブである。部材44は気体流量計である。
【0048】
図4A-3及び
図4B-3を参照する。
図4A-3及び
図4B-3に示すように、気体出力ユニット7は、部材71、部材72、部材73及び部材74を含む。部材71はパーティクルフィルタ(Particle Filter)である。部材72は気体圧力トランスデューサ(Pressure Transducer)である。部材73は制御弁(Valve)である。部材74は手動バルブ又は電動バルブである。
【0049】
図4A-3を参照する。
図4A-3に示すように、再生気体注入ユニット8は、部材81、部材82、部材83、部材84及び部材85を含む。部材81は制御弁(Valve)である。部材82は調圧弁(Pressure Regulator)である。部材83は気体圧力トランスデューサ(Pressure Transducer)である。部材84は制御弁(Valve)である。部材85は逆止弁(Check Valve)である。
【0050】
本発明に係る電子級ガスの精製方法及びその精製装置は、従来技術と比べ、以下(1)~(6)の長所を有する。
(1)本発明では、中空繊維管体に電子級ガス精製方式を組み合わせることにより、異なる気体不純物を吸着し、中空繊維管体の内部に、異なる気体不純物を除去する材料を添加し、異なる気体不純物を精製するのに用いるため、異なる装置を別途増設して異なる不純物を除去する必要がない。
(2)本発明の電子級ガス精製方法に再生処理のステップを組み合わせ、精製後の電子級ガスを利用して再生処理するため、繰り返して使用することができる。
(3)本発明の電子級ガス精製方法は、一般のアルゴン/ヘリウム精製と比べ、2本以上の管を切換えて使用するとともに、再生して繰り返して使用することができるため、消耗材のコストを減らすことができる。
(4)本発明の電子級ガス精製方法は、従来の水素精製と比べ、ゲッター(Getter)を使用しなくとも、本発明の精製装置は再生して繰り返して使用することができるため、消耗材のコストを減らすことができる。
(5)本発明の電子級ガス精製方法は、従来の窒素精製と比べ、触媒を用いたり様々な吸着装置を使用したりせずに、一種類の精製装置のみを使用して同じ効果が得られる。
(6)本発明の電子級ガス精製方法は、従来の酸素精製と比べ、触媒を用いたり様々な吸着装置を使用したりせずに、一種類の精製装置のみを使用して同じ効果が得られる。
【0051】
当該分野の技術を熟知するものが理解できるように、本発明の好適な実施形態を前述の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではない。本発明の主旨と領域を逸脱しない範囲内で各種の変更や修正を加えることができる。従って、本発明の特許請求の範囲は、このような変更や修正を含めて広く解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0052】
1A 精製ボトル
1B 精製ボトル
1C 精製ボトル
1D 精製ボトル
1E 精製ボトル
2 精製装置
3 未精製電子級ガス
4 気体入力ユニット
5 精製/再生ユニット
6 精製された電子級ガス
7 気体出力ユニット
8 再生気体注入ユニット
9 フィルタ
10 排出口
11 再生気体
21 ガスボンベ
22 精製アセンブリ
23 前端蓋体
24 後端蓋体
41 部材
42 部材
43 部材
44 部材
51 精製装置
52 精製装置
53 精製吸気管路
53A 精製吸気制御弁
53B 精製吸気制御弁
54 精製排気管路
54A 精製排気制御弁
54B 精製排気制御弁
55 第1の分流管路
56 第2の分流管路
57 再生吸気管路
57A 再生吸気制御弁
57B 再生吸気制御弁
58 再生排気管路
58A 再生排気制御弁
58B 再生排気制御弁
59A 気体予熱器
59B 気体予熱器
71 部材
72 部材
73 部材
74 部材
81 部材
82 部材
83 部材
84 部材
85 部材
211 前端開口
212 後端開口
213 前端間隔空間
214 後端間隔空間
221 前端金属スリーブリング
222 後端金属スリーブリング
223 金属クランプ
224 精製材料本体
231 前端気体接続端
232 前端金属焼結フィルタ
233 前端気体流動空間
241 後端気体接続端
242 後端金属焼結フィルタ
243 後端気体流動空間
561 分流吸気制御弁
562 調圧弁
2241 保護シート
2242 保護シート
2321 前端気流貫通孔
2421 後端気流貫通孔
【手続補正書】
【提出日】2023-11-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子級ガスの精製方法であって、
ガスボンベ、精製アセンブリ、前端蓋体及び後端蓋体を備えた、精製装置を用い、
前記ガスボンベは、前端開口及び後端開口を有し、
前記精製アセンブリは、前記ガスボンベ内部に配設されるとともに、精製材料本体を含み、前記精製材料本体は、束状の複数の中空繊維管体を含み、前記中空繊維管体の内部には、不純物を吸着して除去するための毛細孔が形成され、
前記前端蓋体は、前記ガスボンベの前記前端開口上に蓋設され、前記前端蓋体の表面には、前端気体接続端が設けられ、前記前端蓋体の内側には、前端金属焼結フィルタが設けられ、前記前端金属焼結フィルタ上には、複数の前端気流貫通孔が形成され、前記前端気体接続端は、前記前端金属焼結フィルタとの間に前端気体流動空間が形成され、前記前端金属焼結フィルタと前記精製材料本体の一端との間に前端間隔空間が形成され、
前記後端蓋体は、前記ガスボンベの前記後端開口上に蓋設され、前記後端蓋体の表面には、後端気体接続端が設けられ、前記後端蓋体の内側には、後端金属焼結フィルタが設けられ、前記後端金属焼結フィルタ上には、複数の後端気流貫通孔が形成され、
前記後端気体接続端は、前記後端金属焼結フィルタとの間に後端気体流動空間が形成され、前記後端金属焼結フィルタは、前記精製材料本体の他端との間に後端間隔空間が形成され、前記後端気流貫通孔の孔径が前記前端気流貫通孔の孔径より小さく、
少なくとも2つの前記精製装置が、気体入力ユニットにそれぞれ接続され、前記気体入力ユニットは、未だ精製されていない電子級ガスを前記精製装置に入力して気体を精製して不純物を除去するとともに、精製された電子級ガスを前記精製装置により外部に排出するステップと、
排出した精製された電子級ガスを調圧弁に分流し、前記調圧弁により降圧し、降圧した気体を加熱処理してから、気体精製が未稼働の前記精製装置内に入力するステップと、
降圧及び加熱処理した後の精製された電子級ガスを、気体精製が未稼働の前記精製装置内部で顆粒性不純物を濾過してから排出し、複数の前記中空繊維管体が吸着した不純物を導き出して再生処理するステップと、
再生処理した後、降圧及び加熱処理が未だ行われていない精製された電子級ガスを気体精製が未稼働の前記精製装置内に入力し、前記精製装置内部の圧力を補填して圧力を戻すステップと、を含み、
前記電子級ガスは、窒素(N
2
)、アルゴン(Ar)、空気(Air)、二酸化炭素(CO
2
)、水素(H
2
)、又は酸素(O
2
)のいずれかであり、
前記不純物は、前記電子級ガスが水素(H
2
)である場合には、水(H
2
O)、酸素(O
2
)、窒素(N
2
)、メタン(CH
4
)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO
2
)、非メタン炭化水素(NMHC)からなる群から選択され、前記電子級ガスが酸素(O
2
)である場合には、水(H
2
O)、水素(H
2
)、メタン(CH
4
)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO
2
)、非メタン炭化水素(NMHC)からなる群から選択され、前記電子級ガスが水素(H
2
)及び酸素(O
2
)以外である場合には、水(H
2
O)、酸素(O
2
)、窒素(N
2
)、水素(H
2
)、メタン(CH
4
)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO
2
)、非メタン炭化水素(NMHC)からなる群から選択されることを特徴とする、電子級ガスの精製方法。
【請求項2】
前記精製装置が除去する不純物に酸素(O2)が含まれている場合、再生処理を行い、気体精製が未稼働の前記精製装置内に水素(H2)を注入し、複数の前記中空繊維管体内に残留した酸素(O2)の不純物を除去することを特徴とする請求項1に記載の電子級ガスの精製方法。
【請求項3】
未だ精製されていない電子級ガス又は除去する不純物が水素(H2)である場合、水素が漏れ出たときに、気体精製が未稼働の前記精製装置内にアルゴン(Ar)を注入し、複数の前記中空繊維管体の内部に残存する水素(H2)を掃気することを特徴とする請求項1に記載の電子級ガスの精製方法。
【請求項4】
前記精製装置、前記気体入力ユニット、前記調圧弁及びフィルタは、異なる管路を介して連通し、
前記精製装置が行う気体精製に連通した管路管径は、前記精製装置が行う再生処理に連通した管路管径より大きく、
再生処理を行う気体流量は、気体を精製するのに使用する気体流量の1~5%であることを特徴とする請求項1に記載の電子級ガスの精製方法。