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特開2024-44653警備受発注システム、警備受発注方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044653
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】警備受発注システム、警備受発注方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240326BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150314
(22)【出願日】2022-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】522237162
【氏名又は名称】株式会社IN-KARDIA
(74)【代理人】
【識別番号】100194467
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 健文
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 真臣
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】受注者である警備会社における事前書類及び事後書類の作成の手間を削減する警備受発注システム、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】警備受発注システム3は、受付部31と、仮発注部35と、事前書面作成・送信部36と、発注部37と、事後書面作成・送信部38と、を備える。受付部31は、事前書面の記載事項が含まれる事前情報を依頼端末1から受け付ける。仮発注部35は、警備端末2に対して、受注可能かどうかを問い合わせる。事前書面作成・送信部36は、事前情報に基づいて事前書面を作成し、仮発注に応答する警備端末2からの指示により、事前書面を依頼端末1に送信する。発注部37は、依頼端末1からの指示により、事前書面を送信した警備端末2に対して発注を行う。事後書面作成・送信部38は、警備端末2からの指示により、事後書面を作成すると共に正式な発注に対する承諾の旨を、依頼端末1に送信する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
警備員を依頼する依頼者が使用する依頼端末と、前記依頼を受注する警備会社が使用する警備端末とを用いて契約を締結するための警備受発注システムであって、
事前書面の記載事項が含まれる事前情報を前記依頼端末から受け付ける受付部と、
前記受付部が前記事前情報を受け付けた後、前記警備端末に対して、受注可能かどうかを問い合わせる仮発注を行う仮発注部と、
前記受付部で受け付けた前記事前情報に基づいて前記事前書面を作成し、前記仮発注に応答する前記警備端末からの指示により、前記事前書面を前記依頼端末に送信する事前書面作成・送信部と、
前記依頼端末からの指示により、前記事前書面を送信した前記警備端末に対して、正式な発注を行う発注部と、
前記警備端末からの指示により、前記事後書面を作成すると共に前記正式な発注に対する承諾の旨を、前記依頼端末に送信する事後書面作成・送信部と、
を備える、警備受発注システム。
【請求項2】
前記事後書面作成・送信部は、前記事前書面に対して、前記正式な発注に対する承諾をする日の日付を記入して、前記事後書面を作成する、
請求項1に記載の警備受発注システム。
【請求項3】
前記仮発注の際に、前記事前情報に基づいて事前書面案を前記仮発注と併せて提示する事前書面案作成部を更に備える、
請求項1に記載の警備受発注システム。
【請求項4】
前記警備端末を第1警備端末とし、
前記警備会社とは別の警備会社が使用する端末を第2警備端末とし、
前記依頼者が依頼する警備員の人数を前記事前情報から取得すると共に契約が成立した警備員の人数を取得し、前記依頼者が依頼する警備員の人数から前記契約が成立した警備員の人数を差し引いて得た人数を、前記事前情報において更新する更新部を更に備え、
前記仮発注部は、前記更新部によって更新した事前情報を用いて、第2警備端末に対して、新たに仮発注を行う、
請求項1に記載の警備受発注システム。
【請求項5】
警備員を依頼する依頼者が使用する依頼端末と、前記依頼を受注する警備会社が使用する警備端末とを用いて契約を締結するための警備受発注方法であって、
事前書面の記載事項である事前情報を前記依頼端末から受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップで前記事前情報を受け付けた後、前記警備端末に対して、受注可能かどうかを問い合わせる仮発注を行う仮発注ステップと、
前記受付ステップで受け付けた前記事前情報に基づいて前記事前書面を作成し、前記仮発注に応答する前記警備端末からの指示により、前記事前書面を前記依頼端末に送信する事前書面作成・送信ステップと、
前記依頼端末からの指示により、前記事前書面を送信した前記警備端末に対して、正式な発注を行う発注ステップと、
前記警備端末からの指示により、前記事後書面を作成すると共に前記正式な発注に対する承諾の旨を、前記依頼端末に送信する事後書面作成・送信ステップと、
を備える、警備受発注方法。
【請求項6】
請求項5に記載の警備受発注方法の各ステップを、プロセッサに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、警備受発注システム、警備受発注方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従前より、警備依頼者からの警備員の依頼を、インターネットを利用して行うシステムが存在する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
警備員の受発注は、依頼者と、警備を請け負う警備会社との間で行われる。依頼者は、警備会社に対して警備の依頼を行う場合、警備会社は、依頼者から依頼内容をヒアリングしたうえで、警備業法第19条で規定された前後書面(事前書面及び事後書面)を依頼者に提示する必要がある。そして、依頼者は、その前後書面の内容を確認し、契約を行うことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-175365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の警備員の依頼を行うシステムでは、依頼者が求める条件を受け付けて条件に合う警備会社を絞り込むことができるものの、警備会社は依頼者に対して、前後書面を作成するために、依頼内容を詳細に聞き取る必要がある。しかも、従来のシステムでは、前後書面をシステム上やり取りすることができない。
【0006】
本発明の目的は、受注者である警備会社における事前書類及び事後書類の作成の手間を削減できるうえに、事前書類及び事後書類の提示、確認がスムーズにできる警備受発注システム、警備受発注方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る一態様の警備受発注システムは、警備受発注システムは、警備員を依頼する依頼者が使用する依頼端末と、依頼を受注する警備会社が使用する警備端末とを用いて契約を締結するための警備受発注システムである。警備受発注システムは、受付部と、仮発注部と、事前書面作成・送信部と、発注部と、事後書面作成・送信部と、を備える。受付部は、事前書面の記載事項が含まれる事前情報を依頼端末から受け付ける。仮発注部は、受付部が事前情報を受け付けた後、警備端末に対して、受注可能かどうかを問い合わせる仮発注を行う。事前書面作成・送信部は、受付部で受け付けた事前情報に基づいて事前書面を作成し、仮発注に応答する警備端末からの指示により、事前書面を依頼端末に送信する。発注部は、依頼端末からの指示により、事前書面を送信した警備端末に対して、正式な発注を行う。事後書面作成・送信部は、警備端末からの指示により、事後書面を作成すると共に正式な発注に対する承諾の旨を、依頼端末に送信する。
【0008】
本発明に係る一態様の警備受発注方法は、警備受発注方法は、受付ステップと、仮発注ステップと、事前書面作成・送信ステップと、発注ステップと、事後書面作成・送信ステップと、を含む。受付ステップは、事前書面の記載事項である事前情報を依頼端末から受け付ける。仮発注ステップは、受付ステップで事前情報を受け付けた後、警備端末に対して、受注可能かどうかを問い合わせる仮発注を行う。事前書面作成・送信ステップは、受付ステップで受け付けた事前情報に基づいて事前書面を作成し、仮発注に応答する警備端末からの指示により、事前書面を依頼端末に送信する。発注ステップは、依頼端末からの指示により、事前書面を送信した警備端末に対して、正式な発注を行う。事後書面作成・送信ステップは、警備端末からの指示により、事後書面を作成すると共に正式な発注に対する承諾の旨を、依頼端末に送信する。
本発明に係る一態様のプログラムは、コンピュータシステムに、上記警備受発注方法を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る上記態様の警備受発注システム、警備受発注方法及びプログラムは、事前書類及び事後書類の作成の手間を削減できるうえに、事前書類及び事後書類の提示、確認がスムーズにできる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る警備受発注システムを含むシステムの構成図である。
図2】実施形態に係る警備受発注システムを含むシステムのブロック図である。
図3】実施形態に係る警備受発注システムの動作を示すフローチャートである。
図4】実施形態に係る依頼端末の表示画面に一例を示す画像図である。
図5】実施形態に係る依頼端末の表示画面に一例を示す画像図である。
図6】実施形態に係る警備端末の表示画面に一例を示す画像図である。
図7】実施形態に係る依頼端末の表示画面に一例を示す画像図である。
図8】実施形態に係る警備端末の表示画面に一例を示す画像図である。
図9】実施形態に係る依頼端末の表示画面に一例を示す画像図である。
図10】実施形態に係る依頼端末の表示画面に一例を示す画像図である。
図11】実施形態に係る警備端末の表示画面に一例を示す画像図である。
図12】実施形態に係る依頼端末の表示画面に一例を示す画像図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態>
以下、本実施形態に係る警備受発注システム3について、添付図面に基づいて詳細に説明する。
(システム構成)
【0012】
本実施形態に係る警備受発注システム3は、警備が必要なユーザから依頼を受けた1次警備会社が、2次警備会社に対して、警備員の提供又は補充を依頼する際に使用されるシステムである。本実施形態では、1次警備会社を「依頼者」とし、2次警備会社を、単に「警備会社」とする。
【0013】
警備受発注システム3を含むシステムは、図1に示すように、警備受発注システム3と、依頼者が使用する端末(以下、「依頼端末1」という)と、警備会社が使用する端末(以下、「警備端末2」という)とが、ネットワークを介して相互にデータ通信が可能に接続されている。本実施形態に係る警備受発注システム3には、複数の警備会社が登録されており、複数の警備会社の各々が警備端末2を有している。警備端末2として、他の警備端末2と区別する必要がある場合、「第1警備端末21」「第2警備端末22」などとして区別する。
【0014】
ネットワークとしては、特に制限はなく、例えば、インターネット、専用通信回線(例えば、CATV(Community Antenna Television)回線)、移動体通信網(基地局等を含む)、ゲートウェイ等、又はこれらの組み合わせが挙げられる。また、ネットワークと端末装置との接続は、有線通信又は無線通信のいずれであってもよい。
(依頼端末1)
【0015】
依頼端末1は、警備員を依頼する依頼者が使用する端末である。依頼端末1は、例えば、依頼者の会社の備品又は依頼者の私物である。依頼端末1としては、例えば、スマートフォン、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話機、ノート型PC(Personal Computer)、ディスクトップ型PC、スマートウォッチ、スマートグラス等のウェアラブル端末等が挙げられる。依頼端末1は、1以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、依頼端末1の少なくとも一部の機能が実現される。プログラムは、メモリに記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0016】
依頼端末1には、プログラムが、例えば、警備受発注システム3を利用するためのアプリケーションとして提供される。アプリケーションを起動することで、依頼端末1の少なくとも一部の機能が実現される。
(警備端末2)
【0017】
警備端末2は、依頼を受注する警備会社が使用する端末である。警備端末2は、例えば、警備会社の備品、警備会社の事業主の私物、又は警備会社の連絡担当者の私物等である。警備端末2としては、依頼端末1と同様、例えば、スマートフォン、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話機、ノート型PC(Personal Computer)、ディスクトップ型PC、スマートウォッチ、スマートグラス等のウェアラブル端末等が挙げられる。依頼端末1は、1以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、警備端末2の少なくとも一部の機能が実現される。プログラムは、メモリに記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0018】
警備端末2には、プログラムが、例えば、警備受発注システム3を利用するためのアプリケーションとして提供される。アプリケーションを起動することで、警備端末2の少なくとも一部の機能が実現される。
(警備受発注システム3)
【0019】
警備受発注システム3は、例えば、パーソナルコンピュータ又はサーバコンピュータを含んでいる。すなわち、警備受発注システム3は、1以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、警備受発注システム3の少なくとも一部の機能が実現される。プログラムは、メモリに記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0020】
警備受発注システム3は、例えば、PC/AT互換機やMAC規格機等のPC(Personal Computer)、専用機、ブレードサーバ等を用いた、いわゆるクラウドコンピューティング用のサーバであることが好ましい。
【0021】
警備受発注システム3は、図2に示すように、受付部31と、処理部33と、記憶部32と、を備える。受付部31、処理部33及び記憶部32は、警備受発注システム3によって実現される機能を示しているに過ぎず、必ずしも実体のある構成を示しているわけではない。
【0022】
受付部31は、依頼端末1から送信された情報を受け付ける。依頼者は、警備受発注システム3を利用して依頼を行う際、依頼端末1を操作し、事前書面の記載事項に含まれる事前情報を入力する。例えば、図4には、依頼端末1の表示画面を示す。依頼者は、依頼端末1を操作し、警備員の人数等の条件、警備業務を行う事とする場所等の条件を入力する。事前情報は、依頼端末1から送信され、受付部31が受け付ける。
【0023】
ここにおいて、本明細書でいう「事前書面」とは、警備業法第19条、警備業法施行規則33条、及び同施行規則34条に規定された「契約の概要について記載した書面」のことであり、契約前に、受注者が依頼者に提示する書面を意味する。事前書面には、同施行規則33条及び34条に規定された記載事項を記載する必要がある。なお、同施行規則33条1号、2号、3号及び4号の業務内容に応じて記載事項が異なるが、本明細書では説明の便宜上、区別することなく説明する。
【0024】
また、本明細書でいう「事後書面」とは、警備業法第19条、警備業法施行規則33条、及び同施行規則34条に規定された「契約の概要について記載した書面」のことであり、契約の際に、受注者が依頼者に提示する書面を意味する。事後書面の内容は、事前書面の内容とほぼ同じとなるが、事前書面に対して契約の締結日が追記された書面となる。
受付部31が受け付けた事前書面の記載事項に含まれる事前情報は、記憶部32に登録される。
【0025】
記憶部32は、警備受発注システム3で取り扱う情報を記憶する。記憶部32は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等により実現される。
【0026】
処理部33は、警備受発注システム3の全体的な処理を実行する。処理部33は、事前書面案作成部34と、仮発注部35と、事前書面作成・送信部36と、発注部37と、事後書面作成・送信部38と、更新部39と、を備える。処理部33は、ストレージに記憶されるプログラムに従って、各種処理を実行するプロセッサにより実現される。プロセッサとしては、例えば、CPU(Central Processing Unit;中央処理装置)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ(microprocessor)等が挙げられる。
(事前書面案作成部34)
【0027】
事前書面案作成部34は、事前情報に基づいて、事前書面案を作成する。事前書面案作成部34は、記憶部32に登録された事前情報を参照し、例えば、「契約の概要について記載した書面(案)」と題し、「警備業務を行う期間」「警備業務を行う日及び時間帯」「警備業務対象施設の名称及び所在地」「警備の人数及び担当業務」「警備員が有する知識及び技能」等の必要な項目及び項目に対応する内容を記載した書面を作成する。
【0028】
事前書面案作成部34は、受付部31が受け付けた事前情報に基づいて、警備業法施行規則33条1号に係る業務、同条2号に係る業務及び同条4号に係る業務のいずれの業務に当たるかを判断し、該当する業務に対応する事前書面案を作成することが好ましい。
【0029】
事前書面は、上述したように、一般的には、受注者(警備会社)から発注者(依頼者)に提示義務があるが、本実施形態では、事前書面案を、依頼端末1から警備端末2に送信することで、発注の条件書としての機能を果たす上に、警備会社の手間を削減することができる。
(仮発注部35)
【0030】
仮発注部35は、警備端末2に対して、受注可能かどうかを問い合わせる仮発注を行う。仮発注部35は、依頼者が発注を行う際に入力された事前情報から、例えば、警備員の人数及び警備業務対象施設の名称及び所在地を抽出し、図5に示すようなメッセージを、登録されている複数の警備会社に一斉に送信する。
【0031】
仮発注部35は、複数の警備会社に対して、メッセージを送信する際に併せて、事前書面案も送信する。これにより、複数の警備会社は、依頼の条件や詳細な内容を把握したうえで、受注するかどうかの判断をすることができる。
(事前書面作成・送信部36)
【0032】
事前書面作成・送信部36は、仮発注に応答する警備端末2からの指示により、事前書面を作成し、依頼端末1に送信する。事前書面作成・送信部36は、事前情報に基づいて、事前書面を作成する。ここでいう、「事前情報に基づいて、事前書面を作成する」とは、事前情報に基づいて直接的に事前書面を作成することのほか、事前情報に基づいて間接的に事前書面を作成することも含む。すなわち、本実施形態では、事前書面作成・送信部36は、依頼者から送信された事前書面案の内容を確認し、必要に応じて編集した上で、警備会社からの指示によって、事前書面の内容を確定する。上述したように、事前書面案は、事前情報に基づいて作成されているため、事前書面案を元に作成した事前書面も事前情報に基づいて作成された書面である。
【0033】
事前書面作成・送信部36は、仮発注部35から仮発注を行い、最初に応答のあった警備会社の警備端末2にのみ、図8に示すような事前書面の編集ボタン51、事前書面送付前の事前書面の確認ボタン50が表示された画面が表示される。
(発注部37)
【0034】
発注部37は、事前書面を受け取った依頼者が依頼端末1を操作することによって、事前書面を送信した警備端末2に対して、正式な発注を行う。発注部37は、例えば、図9に示すように、画面に表示された「発注する」と表記された発注ボタン53を押すことをもって、発注を行うことができる。
【0035】
発注部37による正式な発注は、メッセージ画面でのメッセージのみで行ってもよいし、発注書を自動又は手動で作成して、発注書を警備端末2に送信してもよい。本実施形態では、図10に示すように、依頼端末1から警備端末2に対して、「事前書面を確認しました。事前書面の通り発注をお願いします」というメッセージを送信する。
(事後書面作成・送信部38)
【0036】
事後書面作成・送信部38は、警備端末2からの指示により、事後書面を作成すると共に正式な発注に対する承諾の旨を、依頼端末1に送信する。事後書面の作成は、事前書面に対して正式な発注に対する承諾をする日(すなわち、契約締結日)の日付を記入することで行う。すなわち、事前書面と事後書面との主な違いは、契約締結日の記載があるかどうかの違いである。
【0037】
正式な発注に対する承諾の意思表示は、事後書面を依頼端末1に送付することをもって、行ってもよいし、「受注する」等の受注ボタンを警備端末2に表示し、警備会社が受注ボタンを押すことで承諾の意思表示をさせてもよい。本実施形態では、事後書面作成・送信部38は、図11に示すように、発注部37による発注のメッセージとともに、警備端末2に「受注する」という受注ボタン55を表示させる。警備会社は、受注ボタン55を押すことで契約が締結される。警備会社が警備端末2を操作し、受注ボタン55を押すと、図12に示すように、「受注する」という表示が「成約確定」という表示56に変わり、契約が締結されたことが依頼者及び警備会社にわかる。なお、図12では、契約の成立後に、警備端末2において、事後書面が発行され、警備会社が事後書面の確認を行った後、事後書面を依頼者に送信するが、例えば、契約の成立直前に事後書面を送付してもよいし、受注ボタン55を押すと同時に事後書面を送付してもよい。また、事後書面の送付をもって、正式な発注に対する承諾の意思表示としてもよい。
(更新部39)
【0038】
更新部39は、依頼者の依頼の内容を更新する。警備会社は、依頼者から依頼された警備員の人数以下の警備員を提供するのであれば、依頼を受けることができる。警備会社が提供する警備員の数が依頼された警備員の人数よりも少ない場合、依頼者が必要とする警備員の人数は不足するため、条件を変更した上で、改めて仮発注を出すことができる。更新部39は、その際に、警備員の人数を自動で更新することができる。
【0039】
更新部39は、依頼者が依頼する警備員の人数を事前情報から取得すると共に、契約が成立した警備員の人数を取得する。そして、更新部39は、依頼者が依頼する警備員の人数から、契約が成立した警備員の人数を差し引いて得た人数を、事前情報において更新する。
【0040】
例えば、依頼者が100人の警備員を依頼し、第1警備端末21から、80人の警備員の承諾があった場合、更新部39は、更新すべき人数(100人-80人=20人)を算出し、事前情報の警備員の人数を20人に更新する。この後、事前書面案作成部34が、改めて事前書面案を作成し、仮発注部35が第2の警備端末2に対して新たに仮発注を行う。これによって、最終的に、依頼者は、所望の数の警備員が確保できる。
(フローチャート)
次に、図3のフローチャートを用いて、本実施形態に係る警備受発注システム3の動作の一例を説明する。
【0041】
警備が必要なユーザから依頼を受注した依頼者(1次警備会社)は、依頼端末1を操作し、依頼の条件を具体的に示した事前情報を入力する(ST1,2)。ここで、図4には、依頼端末1の表示画面の一例を示す。依頼端末1を用いてアプリを起動し、「警備を行う期間」「警備業務を行う日及び時間帯」「警備員の人数」「警備業務を行う事とする場所」等の事前情報の入力を行う。
【0042】
事前情報の入力が完了すると、事前書面案作成部34は、事前書面案を作成する(ST3)。依頼者は、図4に示すように、事前情報の入力が完了した後、画面下方の事前書面ボタン42を押す(「タップ」を含む。以下「タップする」という)ことで、事前書面案のプレビュー画面が表示されるので、事前書面案を送信前に確認することができる。
【0043】
依頼者は、事前書面案を確認した後、仮発注を行う(ST4)。仮発注は、図4に示すように、画面下方の「つぶやく」と表示された仮発注ボタン43をタップする。仮発注ボタン43をタップすると、図5に示すように、メッセージ領域44に依頼概要のメッセージが表示されるので、このメッセージを送信する場合、「つぶやいてよろしいですか?」という表記の下方の「はい」をタップし、仮発注を実行する。メッセージを修正したい場合、下方のメッセージ欄を用いて修正を行う。なお、前の画面に戻る場合には、「いいえ」をタップする。
【0044】
図6には、警備端末2の画面の一例を示す。仮発注が行われると、メッセージ領域45において、仮発注の概要のメッセージが表示されると共に事前書面案が表示される。警備会社は、事前書面案を表示させたい場合、「詳細内容表示(事前書面案)」と記載されたテキストをタップすると、事前書面案を表示させることができる。
【0045】
警備会社は、依頼者からの依頼を受注可能と判断した場合、その旨のメッセージを送信して受諾する(ST5)。メッセージを入力し、受注可能である旨のメッセージを送信すると、図7に示すように、依頼端末1に表示される。依頼端末1及び警備端末2のメッセージの領域に、依頼者の会社名と警備会社の会社名の両方が表示されると(ここでは、メッセージ領域46,47で表示)、処理部33は、会社名を認識し、領域48に「会社名、住所が表示されました」と表示する。
【0046】
依頼者及び警備会社の会社名が認識されると、事前書面の作成が実行される(ST6)。事前書面の作成が行われると、図8に示すように、警備端末2の領域49に「事前書面が発行されました」と表示され、事前書面を確認できる事前書面確認ボタン50が表示される。事前書面確認ボタン50をタップすると、事前書面がプレビュー表示される。事前書面確認ボタン50をタップしてプレビューされる内容は、事前書面案の内容と同じだが、受注可能な条件(例えば、警備員の人数)を修正する必要がある場合には、編集ボタン51をタップして編集を行い、事前書面を確定して事前書面を依頼者に発行する(ST7)。
【0047】
事前書面を受信した依頼者は、図9に示すように、依頼端末1の「事前書面を確認する」と表示された事前書面表示ボタン52をタップし、事前書面を表示させ、内容を確認する。そして、内容に問題ないことを確認した後、画面上方の発注ボタン53をタップし、警備会社に対して、正式な発注を行う(ST9)。発注ボタン53をタップすると、図10に示すように、依頼端末1から、警備端末2に対して発注する旨のメッセージがメッセージ領域54に表示され、ステータス領域に「成約確認中」と表記される。このとき、警備端末2には、図11に示すように、「成約確認中」の表記に代えて「受注する」と表示された受注ボタン55が表示される。警備会社は、受注ボタン55をタップすることで、正式な依頼に対する受注が確定される(ST10)。受注ボタン55がタップされて依頼の受注が確定されると、図12に示すように、ステータス領域56に「成約確定」と表記される。
【0048】
この後、警備会社は、警備端末2を操作し、事後書面を作成して事後書面を発行する(ST11,12)。事後書面を受信した依頼端末1は、図12に示すように、事後書面確認ボタン57が表示される。依頼者は、事後書面確認ボタン57をタップすることで、事後書面を表示させることができる。依頼者は、事後書面を確認することで、警備会社との契約が成立する(ST13,14)。契約の成立は、事後書面を確認した後、事後書面を了承する旨のボタンを押すことで完了してもよいし、事後書面を確認したことをもって契約成立としてもよい。
(変形例)
【0049】
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
上記実施形態では、発注の際、メッセージによって発注と受注とを行ったが、例えば、発注書を作成し、発注書をメッセージに添付して送信してもよい。
【0050】
上記実施形態では、更新部39によって自動で、警備員の人数を算出して事前情報を更新したが、依頼者が、必要な警備員の人数と、契約が成立した警備員の人数とから再依頼を行う人数を入力し、入力された数値に基づき、更新部39が事前情報を更新してもよい。
【0051】
また、更新部39は、警備員の人数を更新する場合に限らず、警備を依頼する日にちを更新するものであってよい。例えば、依頼者が、2日以上の期間(例えば1週間。以下、発注期間)で警備員を仮発注し、警備会社が発注期間よりも短い期間(例えば、5日)だけ受注した場合、更新部39は、受注が確定した期間の次の日以降の期間(例えば、残りの2日)で「警備業務を行う日」及び「警備業務を行う期間」を自動で更新することが好ましい。そして、改めて、事前書面案の作成、仮発注、事前書面の作成・送信、発注及び事後書面の作成・送信を行えばよい。
【0052】
メッセージでは、簡略化したやりとりの一例を示したが、依頼者と警備会社とは、仮受注の際の事前書面案と事前書面を見て、減額交渉等をメッセージでやりとりしてもよい。その際、事前書面作成・送信部36は、メッセージの内容から最終的に決まった費用を抽出し、事前書面に反映してもよい。
【0053】
事後書面作成・送信部38は、事後書面を作成する際、事前書面に契約の締結日を記入したが、警備端末2からの操作によって日付を入力してもよいし、日付の電子スタンプを自動で捺印してもよい。
【0054】
警備受発注システム3、依頼端末1及び警備端末2と同様の機能は、警備受発注方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
【0055】
変形例に係る警備受発注方法は、受付ステップと、仮発注ステップと、事前書面作成・送信ステップと、発注ステップと、事後書面作成・送信ステップと、を含む。受付ステップは、事前書面の記載事項である事前情報を依頼端末1から受け付ける。仮発注ステップは、受付ステップで事前情報を受け付けた後、警備端末2に対して、受注可能かどうかを問い合わせる仮発注を行う。事前書面作成・送信ステップは、受付ステップで受け付けた事前情報に基づいて事前書面を作成し、仮発注に応答する警備端末2からの指示により、事前書面を依頼端末1に送信する。発注ステップは、依頼端末1からの指示により、事前書面を送信した警備端末2に対して、正式な発注を行う。事後書面作成・送信ステップは、警備端末2からの指示により、事後書面を作成すると共に正式な発注に対する承諾の旨を、依頼端末1に送信する。警備受発注方法は、仮発注の際に、事前情報に基づいて事前書面案を仮発注と併せて提示する事前書面作成ステップを更に備えてもよい。また、警備受発注方法は、更新ステップを更に備えてもよい。更新ステップは、依頼者が依頼する警備員の人数を事前情報から取得すると共に契約が成立した警備員の人数を取得し、依頼者が依頼する警備員の人数から契約が成立した警備員の人数を差し引いて得た人数を、事前情報において更新する。
【0056】
一態様に係るプログラムは、コンピュータシステムに、上記警備受発注方法を実行させるためのプログラムである。本明細書における警備受発注システム3、依頼端末1及び警備端末2は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、警備受発注システム3、依頼端末1及び警備端末2としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0057】
また、警備受発注システム3、依頼端末1及び警備端末2の各々における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは警備受発注システム3、依頼端末1及び警備端末2に必須の構成ではなく、警備受発注システム3、依頼端末1及び警備端末2の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、警備受発注システム3、依頼端末1及び警備端末2の各々の少なくとも一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0058】
一方、実施形態において、複数の装置に分散されている警備受発注システム3、依頼端末1及び警備端末2の少なくとも一部の機能(例えば、処理部33)が、1つの筐体内に集約されていてもよい。
(まとめ)
【0059】
以上説明したように、第1の態様に係る警備受発注システム3は、警備員を依頼する依頼者が使用する依頼端末1と、依頼を受注する警備会社が使用する警備端末2とを用いて契約を締結するための警備受発注システム3である。警備受発注システム3は、受付部31と、仮発注部35と、事前書面作成・送信部36と、発注部37と、事後書面作成・送信部38と、を備える。受付部31は、事前書面の記載事項が含まれる事前情報を依頼端末1から受け付ける。仮発注部35は、受付部31が事前情報を受け付けた後、警備端末2に対して、受注可能かどうかを問い合わせる仮発注を行う。事前書面作成・送信部36は、受付部31で受け付けた事前情報に基づいて事前書面を作成し、仮発注に応答する警備端末2からの指示により、事前書面を依頼端末1に送信する。発注部37は、依頼端末1からの指示により、事前書面を送信した警備端末2に対して、正式な発注を行う。事後書面作成・送信部38は、警備端末2からの指示により、事後書面を作成すると共に正式な発注に対する承諾の旨を、依頼端末1に送信する。
【0060】
この態様によれば、事前書面の作成に必要な情報を依頼者が入力したうえで、警備の発注を行うため、警備会社は事前書面及び事後書面の作成の手間が削減することができるし、間違いを抑制できる。しかも、事前書面及び事後書面の送受信をシステムを介して行うことができるため、事前書類及び事後書類の提示、確認がスムーズにできる。
【0061】
第2の態様に係る警備受発注システム3では、第1の態様において、事後書面作成・送信部38は、事前書面に対して、正式な発注に対する承諾をする日の日付を記入して、事後書面を作成する。この態様によれば、事後書面の作成を容易に行うことができる。
【0062】
第3の態様に係る警備受発注システム3では、第1又は第2の態様において、仮発注の際に、事前情報に基づいて事前書面案を仮発注と併せて提示する事前書面案作成部34を更に備える。
【0063】
この態様によれば、依頼者による依頼の条件を、警備会社に簡潔かつ明瞭に伝えることができ、事前書面及び事後書面のやり取りをよりスムーズに行うことができる。
【0064】
第4の態様に係る警備受発注システム3では、第1~3のいずれか1つの態様において、警備端末2を第1警備端末21とし、警備会社とは別の警備会社が使用する端末を第2警備端末22とする。警備受発注システム3は、更新部39を更に備える。更新部39は、依頼者が依頼する警備員の人数を事前情報から取得すると共に契約が成立した警備員の人数を取得し、依頼者が依頼する警備員の人数から契約が成立した警備員の人数を差し引いて得た人数を、事前情報において更新する。仮発注部35は、更新部39によって更新した事前情報を用いて、第2警備端末22に対して、新たに仮発注を行う。
【0065】
この態様によれば、事前書面の作成に必要な情報を依頼者が入力したうえで、警備の発注を行うため、警備会社は事前書面及び事後書面の作成の手間が削減することができるし、間違いを抑制できる。しかも、事前書面及び事後書面の送受信をシステムを介して行うことができるため、事前書類及び事後書類の提示、確認がスムーズにできる。
【符号の説明】
【0066】
1 依頼端末
2 警備端末
21 第1警備端末
22 第2警備端末
3 警備受発注システム
31 受付部
34 事前書面案作成部
35 仮発注部
36 事前書面案作成・送信部
37 発注部
38 事後書面作成・送信部
39 更新部
図1
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図12