(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044656
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】ドローンポートとその制御方法
(51)【国際特許分類】
B64F 3/00 20060101AFI20240326BHJP
B64C 27/08 20230101ALI20240326BHJP
B64D 27/24 20240101ALI20240326BHJP
B64D 1/02 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
B64F3/00
B64C27/08
B64D27/24
B64D1/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150317
(22)【出願日】2022-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】000198363
【氏名又は名称】IHI運搬機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097515
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 実
(74)【代理人】
【識別番号】100136700
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 俊博
(72)【発明者】
【氏名】▲曽▼我 隆之
(72)【発明者】
【氏名】小野 右季
(72)【発明者】
【氏名】坂野 瑛彦
(57)【要約】
【課題】離着陸面に段差又は凹凸がある場合でも、ドローンを着陸台の上で引きずることなく、任意の位置まで移動することができるドローンポートとその制御方法を提供する。
【解決手段】ドローンポート100が、ドローン1が離着陸する離着陸面10を有し、任意の位置及び姿勢で離着陸面上に位置するドローンを支持して離着陸面から浮かし、そのままドローンの姿勢を修正しかつ任意の位置まで移動する。ドローン1は、全体を支持する支持アダプタ20を有する。離着陸面10は、X方向とY方向が定義されている。ドローンポート100は、さらに、1対のハンド24、1対のX方向駆動装置30、1対のY方向駆動装置40、浮遊装置39、及び制御装置50を備える。浮遊装置39は、ハンド昇降装置又は離着陸面昇降装置である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドローンが離着陸する離着陸面を有し、任意の位置及び姿勢で離着陸面上に位置する前記ドローンを支持して前記離着陸面から浮かし、そのまま前記ドローンの姿勢を修正しかつ任意の位置まで移動する、ドローンポート。
【請求項2】
前記ドローンは、全体を支持する支持アダプタを有し、
前記離着陸面は、互いに水平に直交するX方向とY方向が定義されており、
前記ドローンポートは、さらに、
前記支持アダプタの複数の支持位置を支持する1対のハンドと、
前記離着陸面の範囲内において1対の前記ハンドを前記X方向に独立して移動させる1対のX方向駆動装置と、
前記離着陸面の範囲内において1対の前記X方向駆動装置を前記Y方向に独立して移動させる1対のY方向駆動装置と、
前記ドローンを前記離着陸面から浮かす浮遊装置と、
前記X方向駆動装置、前記Y方向駆動装置及び前記浮遊装置を制御する制御装置と、を備える、請求項1に記載のドローンポート。
【請求項3】
前記支持アダプタは、平面視において前記ドローンの中心を図心とする矩形の四隅に位置する4本の鉛直把持棒と、該鉛直把持棒の上端から外方に水平に延びる外側支持面とを有し、
前記ハンドは、前記X方向に延びるフィンガー基部と、該フィンガー基部に一端が固定され前記Y方向に延びるフィンガーとを有する、請求項2に記載のドローンポート。
【請求項4】
前記フィンガーは、前記鉛直把持棒の直径より短くかつこれを前記X方向に移動可能な長さを有する短フィンガーと、
任意の向きの前記鉛直把持棒に対し、前記短フィンガーが干渉し得ない近接位置まで前記ハンドが前記Y方向に移動した際に、前記ドローンの前記中心から前記Y方向に最も離れた前記鉛直把持棒に干渉し得る長さを有する長フィンガーと、を有し、
前記短フィンガーと前記長フィンガーは、その間に1本の前記鉛直把持棒を遊動可能に把持する把持間隔を有する、請求項3に記載のドローンポート。
【請求項5】
前記支持アダプタは、鉛直な中心軸と接頭円錐形又は円筒形の内面を有し、
前記ハンドは、鉛直な中心軸を有する接頭円錐形又は円筒形の鉛直凸型部と、該鉛直凸型部の下端を支持するハンド基部とを有し、
前記鉛直凸型部は、前記支持アダプタの前記内面に嵌合する、請求項2に記載のドローンポート。
【請求項6】
前記X方向において、前記ハンドと前記支持アダプタの前記中心軸の一致を検出するX方向位置センサと、
前記Y方向において、前記ハンドと前記支持アダプタの前記中心軸の一致を検出するY方向位置センサと、を有する、請求項5に記載のドローンポート。
【請求項7】
前記X方向位置センサは、X方向水平光を前記X方向に照射する発光部と、前記X方向水平光を受光する受光部とを有し、前記X方向水平光は、前記ハンドのY方向中心の上部を通り、かつ前記支持アダプタを検出する高さに設定されており、
前記Y方向位置センサは、Y方向水平光を前記Y方向に照射し、その反射光を受光し、前記Y方向水平光は、前記ハンドのX方向中心の上部を通り、かつ前記支持アダプタを検出する高さに設定されている、請求項6に記載のドローンポート。
【請求項8】
前記浮遊装置は、前記X方向駆動装置に設けられ前記ハンドを昇降するハンド昇降装置である、請求項2に記載のドローンポート。
【請求項9】
前記浮遊装置は、前記離着陸面を昇降する離着陸面昇降装置である、請求項2に記載のドローンポート。
【請求項10】
前記ドローンのバッテリーを充電しかつ該充電を制御する充電装置を有する、請求項1に記載のドローンポート。
【請求項11】
前記充電装置は、ドローン側接点を介して前記バッテリーへ給電するポート側接点と、充電ケーブルを介して前記ポート側接点に給電しかつ前記充電を制御する電源装置とを有する、請求項10に記載のドローンポート。
【請求項12】
前記離着陸面は、前記ドローンが搬送する荷物を上下方向に通す荷物用開口を有し、前記荷物用開口を通して前記ドローンとの間で前記荷物の受け渡しを行う、請求項1に記載のドローンポート。
【請求項13】
前記離着陸面の下方に昇降フレームと昇降装置を備え、前記昇降フレームの上昇時に前記荷物用開口を通して前記ドローンと前記昇降フレームとの間で前記荷物の受け渡しを行う、請求項12に記載のドローンポート。
【請求項14】
請求項1に記載のドローンポートの制御方法であって、
前記ドローンは、全体を支持する支持アダプタを有しており、
(A)1対のハンドをそれぞれ独立して水平移動させて、前記支持アダプタの複数の支持位置を支持する第1ステップと、
(B)前記ハンドを上昇させ、或いは前記離着陸面を下降させて前記ドローンを前記離着陸面から浮かす第2ステップと、
(C)1対の前記ハンドを同期制御して前記ドローンの姿勢を修正しかつ任意の位置まで移動する第3ステップと、を有する、ドローンポートの制御方法。
【請求項15】
前記第1ステップは、1対の前記ハンドを待機位置から前記ドローンの鉛直把持棒の近傍までそれぞれ移動する近接ステップと、
1対の前記ハンドをX方向に前記ドローンの中心に向けてフィンガーが前記鉛直把持棒に接触するまで移動するX方向接触ステップと、
1対の前記ハンドをY方向に前記ドローンの中心に向けてフィンガー基部が前記鉛直把持棒に接触するまで移動するY方向接触ステップと、を有する、請求項14に記載のドローンポートの制御方法。
【請求項16】
前記第1ステップは、1対の前記ハンドをそれぞれ独立にY方向に移動し、前記ハンドと前記支持アダプタの中心軸を一致させるY方向位置決めステップと、
1対の前記ハンドをそれぞれ独立にX方向に移動し、前記ハンドと前記支持アダプタの前記中心軸を一致させるX方向位置決めステップと、を有する、請求項14に記載のドローンポートの制御方法。
【請求項17】
前記第3ステップは、複数の鉛直把持棒が目標姿勢になるように、1対の前記ハンドを同期して移動する姿勢制御ステップと、
1対の前記ハンドを同期制御して複数の前記鉛直把持棒を任意の位置まで移動する水平移動ステップと、を有する、請求項14に記載のドローンポートの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドローンが離着陸する離着陸面を有し、離着陸面上のドローンの姿勢を修正しかつ移動するドローンポートとその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
「ドローン」とは、小型の無人ヘリコプターの一種である。近年、ドローンを用いて、小型の荷物を無人で搬送したり、橋梁等の建造物を点検したり、農薬を散布したりすることが計画されている。かかるドローンを「産業用ドローン」と呼ぶ。
【0003】
産業用ドローンが普及するにつれ、建物の屋上等に設置できドローンが離着陸できる物流用ドローンポートが要望されている。かかる要望を満たすために、例えば特許文献1,2が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6937346号公報
【特許文献2】特開2021-46111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1,2は、着陸面に載るドローンを着陸面の中心まで水平移動させるセンタリング装置を開示している。ドローンは、着陸台の上面に沿って自由に移動するようになっており、センタリング装置は、着陸面に載るドローンを着陸面の中心まで水平移動させる。
【0006】
しかし、特許文献1,2の手段には、以下の問題点があった。
(1)特許文献1,2のセンタリング装置は、ドローンが着陸台の上面に沿って自由に移動するようになっており、ドローンを着陸台の上で引きずって水平移動させる。そのため、着陸面に段差や凹凸がないことが前提となる。
しかし、実際の着陸面において段差及び凹凸を完全に無くすことは困難である。そのため、ドローンの水平移動の際に、段差又は凹凸に引っかかり、スムーズに水平移動できず、或いは着陸面が傷つくことがある。
(2)着陸面に着陸したドローンの向き(姿勢)は、ランダムであり、特許文献1,2の手段ではドローンの向きの修正は困難である。
(3)特許文献1,2のセンタリング装置では、ドローンを着陸面の中心以外の場所への移動はできない。
【0007】
本発明は上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の第1の目的は、離着陸面に段差又は凹凸がある場合でも、ドローンを離着陸面上で引きずることなく、任意の位置まで移動することができるドローンポートとその制御方法を提供することにある。また、第2の目的は、着陸したドローンの位置及び向き(姿勢)がランダムでも、ドローンの姿勢を修正し任意の位置まで移動することができるドローンポートとその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、ドローンが離着陸する離着陸面を有し、任意の位置及び姿勢で離着陸面上に位置する前記ドローンを支持して前記離着陸面から浮かし、そのまま前記ドローンの姿勢を修正しかつ任意の位置まで移動する、ドローンポートが提供される。
【0009】
また、本発明によれば、上記のドローンポートの制御方法であって、
前記ドローンは、全体を支持する支持アダプタを有しており、
(A)1対のハンドをそれぞれ独立して水平移動させて、前記支持アダプタの複数の支持位置を支持する第1ステップと、
(B)前記ハンドを上昇させ、或いは前記離着陸面を下降させて前記ドローンを前記離着陸面から浮かす第2ステップと、
(C)1対の前記ハンドを同期制御して前記ドローンの姿勢を修正しかつ任意の位置まで移動する第3ステップと、を有する、ドローンポートの制御方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、任意の位置及び姿勢で離着陸面上に位置するドローンを支持して離着陸面から浮かし、そのままドローンの姿勢を修正しかつ任意の位置まで移動する。従って離着陸面に段差又は凹凸がある場合でも、ドローンを離着陸面上で引きずることなく、任意の位置まで移動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】第1実施形態の支持アダプタの説明図である。
【
図5】第1実施形態の第1ステップS1の説明図である。
【
図6】支持アダプタ及びハンドの第2実施形態図である。
【
図7】支持アダプタ及びハンドの第3実施形態図である。
【
図9】第3実施形態の第1ステップS1の説明図である。
【
図10】支持アダプタ及びハンドの別の実施形態図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0013】
図1は、本発明によるドローンポート100の模式的側面図である。
この図において、ドローンポート100は、離着陸面10と荷物用開口12とを有し、荷物用開口12を通してドローン1との間で荷物9の受け渡しを行うようになっている。
【0014】
ドローン1は、本体2、飛行用のプロペラ3、及び脚4を有する。この例で4本の脚4が、本体2の四隅から下方外方に延び、その下端に着地部4aが設けられている。
また、4本の脚4の間に荷物9を把持するキャッチャー5が取り付けられている。キャッチャー5は、荷物9の下端を把持又は開放するようになっており、把持時において荷物9の下端を支持してその落下を防止し、開放時において荷物9の下端を開放してその下方への移動(又は落下)ができるようになっている。
なお、荷物9の代わりにバッテリーを搭載してもよい。
【0015】
また、ドローンポート100からドローン1に荷物9を搬入する場合は、荷物9を把持しない空のドローン1の所定位置まで下方から荷物9を持ち上げ、キャッチャー5により荷物9の下端を支持するようになっている。
【0016】
離着陸面10には、飛行して荷物9を搬送するドローン1が離着陸する。離着陸面10は好ましくは段差及び凹凸が少ない平面であり、予め範囲が設定されている。
荷物用開口12は、離着陸面10の一部に設けられ荷物9を上下方向に通すようになっている。またこの例では、荷物用開口12の下方に開閉する開閉扉14が設けられている。
開閉扉14は、全開又は全閉可能である。開閉扉14の全開時には荷物用開口12を通してドローン1との間で荷物9の受け渡しができ、全閉時には、荷物用開口12を全閉し、開閉扉14の上面が離着陸面10の上面に一致して、離着陸面10との間の段差及び凹凸を最小にする。
【0017】
ドローンポート100は、離着陸面10の下方に昇降フレーム16と昇降装置18を備える。昇降フレーム16は、搬送コンベア17の幅方向両側に位置する1対の架台である。昇降フレーム16(1対の架台)は、平面視において荷物用開口12より小さく設定され、荷物用開口12の真下に位置する。昇降装置18は、昇降フレーム16を上下方向(図でZ方向)に昇降させる装置である。
【0018】
搬送コンベア17は、この例では紙面に直交する水平方向に延び、昇降フレーム16の位置まで荷物を水平に搬送できるようになっている。
また、昇降フレーム16(1対の架台)は、この例では、上端が1対の架台に固定されて搬送コンベア17の幅方向両側に位置し、下方に鉛直に延びる1対の鉛直支持材により支持され、昇降装置18により昇降するようになっている。
【0019】
ドローンポート100は、昇降フレーム16の上昇時に荷物用開口12を通してドローン1と昇降フレーム16との間で荷物の受け渡しを行う。
すなわち昇降フレーム16の上昇時に荷物用開口12の真上に静止するドローン1の荷物9を昇降フレーム16に載せた状態でキャッチャー5を開放することで、荷物9をドローン1から昇降フレーム16に移載することができる。
次いで、昇降フレーム16が下降することで、荷物用開口12を通してドローン1から移載した荷物9をドローンポート100の内部に受け取ることができる。
受け取った荷物9は、昇降フレーム16の下降位置でその内側に位置する搬送コンベア17に移載し、ドローンポート100の内部に保管し、或いは外部に取り出す。
【0020】
逆に、荷物9を内部又は外部から、搬送コンベア17を介して昇降フレーム16に載せ、昇降フレーム16を荷物用開口12を通して上昇させる。次いで、荷物用開口12の真上に静止するドローン1の所定位置に荷物9を入れ、キャッチャー5により荷物9の下端を支持してその落下を防止することで、ドローン1に荷物9の受け渡すことができる。
次いで、好ましくは、昇降フレーム16を下降させ、開閉扉14を全閉した後、ドローン1を離陸させる。
【0021】
図1において、ドローンポート100は、さらに、充電装置19を有する。充電装置19はこの例では、ポート側接点19a、充電ケーブル19b、及び電源装置19cを有する。
ポート側接点19aは、昇降フレーム16に設置され、昇降フレーム16の上昇時に、ドローン1に設置されたドローン側接点1bを介してドローン1のバッテリーへ給電する。ポート側接点19aからドローン側接点1bへの給電は、好ましくは非接触給電である。
充電ケーブル19bは、昇降装置18を介してポート側接点19aと電源装置19cを電気的に接続する。
電源装置19cは、充電ケーブル19bを介してポート側接点19aに給電し、ドローン1のバッテリーを充電し、かつ充電を制御する。
【0022】
なお、離着陸面10の荷物用開口12とは別の場所に充電用開口(図示せず)を設け、この開口を介して、ドローン1のバッテリーを充電するように構成してもよい。
また、充電装置19の代わりにバッテリー交換装置(図示せず)を備えて、ドローン1のバッテリーを交換するように構成してもよい。
また、昇降フレーム16の代わりに平面視において荷物用開口12より小さい昇降コンベアを設けてもよい。
【0023】
また、離着陸面10の開口は必須でなく、これを省略してもよい。またドローンは、荷物を運ぶドローンに限定されず、その他のドローン、例えば点検用、警備用、撮影用のドローンでもよい。さらに、任意の位置で充電を行うことや、ドローン自体の点検を行う際に、任意の点検可能な位置に移動可能に構成してもよい。
【0024】
(第1実施形態)
図2は、第1実施形態の支持アダプタ20の説明図であり、(A)はドローン1の側面図、(B)は(A)のB-B矢視図、(C)は4本の鉛直把持棒21の平面図である。
図2(A)において、ドローン1は、全体を支持する支持アダプタ20を有する。
支持アダプタ20は、この例では4本の脚4にそれぞれ固定されているが、本発明はこれに限定されず、脚以外に固定してもよい。
【0025】
図2(A)(B)において、支持アダプタ20は、4本の鉛直把持棒21と外側支持面22を有する。
図2(C)において、4本の鉛直把持棒21は、平面視においてドローン1の中心Oを図心とする矩形の四隅に位置する。鉛直把持棒21は、好ましくは直径dが一定の円柱である。また矩形は好ましくは正方形である。
外側支持面22は、4本の鉛直把持棒21の上端からその外方に水平に延びる。平面視において外側支持面22は、この例では変形5角形であるが、その他の形状、例えば円形や楕円形でもよい。
【0026】
図3は、
図1の上面図である。この図において、A-B-C-Dで示す矩形(この例では正方形)の内側が離着陸面10であり、その内側(この例では中央部)にa-b-c-dで示す矩形(この例では正方形)の荷物用開口12が設けられている。荷物用開口12の位置は離着陸面10の中心に限定されず、中心からずれていてもよい。
離着陸面10は、互いに水平に直交するX方向とY方向が定義されている。以下、この図において、A-B,C-Dの方向をX方向、A-D,B-Cの方向をY方向、と呼ぶ。
また、この例でa-b,c-dはX方向、a-d,b-cはY方向を向いている。従って、離着陸面10と荷物用開口12の各辺は互いに平行又は直交している。
【0027】
図3において、本発明のドローンポート100は、さらに、1対のハンド24、1対のX方向駆動装置30、及び1対のY方向駆動装置40を備える。
【0028】
1対のハンド24は、支持アダプタ20の複数の支持位置を支持するようになっている。複数の支持位置は、この例では、対角位置の2箇所である。
1対のX方向駆動装置30は、離着陸面10の範囲内において1対のハンド24をX方向に独立して移動させるようになっている。
1対のY方向駆動装置40は、離着陸面10の範囲内において1対のX方向駆動装置30をY方向に独立して移動させるようになっている。
【0029】
図3において、ドローン1の隣接する鉛直把持棒21を順に結ぶ四角形の各辺がY方向又はX方向に向いた向き(姿勢)を「目標姿勢」と呼ぶ。目標姿勢のドローン1を荷物用開口12の真上に水平移動することで、荷物用開口12を通してドローン1との間で荷物9の受け渡しを行うことができる。
以下、「姿勢」とは離着陸面10に着陸したドローン1の向きを意味する。
【0030】
図4は、第1実施形態のハンド24の説明図である。
ドローン1は、任意の位置及び姿勢で離着陸面10に着陸する。
4本の鉛直把持棒21が平面視においてドローン1の中心Oを図心とする正方形の四隅に位置し、鉛直把持棒21が直径dが一定の円柱である場合、着陸時の4本の鉛直把持棒21の向き(姿勢)はこの図の(A)(B)(C)(D)のいずれかになる。
(A)は、4本の鉛直把持棒21が目標姿勢に位置する場合、(B)は目標姿勢から時計まわりに0°<θ<45°の範囲で旋回した第1旋回位置、(C)はθ=45°の第2旋回位置、(D)は45°<θ<90°の第3旋回位置である。
さらに旋回しθ=90°、又はθ>90°の場合は、(A)(B)(C)(D)のいずれかと同じ向き(姿勢)となる。
【0031】
図4(D)において、ハンド24は、平面視でコの字型をしており、X方向に延びるフィンガー基部25と、フィンガー基部25に一端(図で外端)が固定されY方向に延びるフィンガー26とを有する。
フィンガー26は、短フィンガー26aと長フィンガー26bと、を有する。
【0032】
図4(D)に示すように、短フィンガー26aは、鉛直把持棒21の直径dより短くかつ鉛直把持棒21をX方向に移動可能な長さを有する。短フィンガー26aの長さは、例えばフィンガー基部25の内面から鉛直把持棒21の半径以上かつ直径未満である。
また、長フィンガー26bは、(A)~(D)の任意の向きの鉛直把持棒21に対し、短フィンガー26aが干渉し得ない近接位置までハンド24がY方向に移動した際に、中心OからY方向に最も離れた鉛直把持棒21のみに干渉し得る長さを有する。
さらに、短フィンガー26aと長フィンガー26bは、その間に1本の鉛直把持棒21を遊動可能に把持する把持間隔Lbを有する。
なお、長フィンガー26bは、
図4(D)において、図の上方に位置する鉛直把持棒21に干渉し得る長さを有してもよい。
【0033】
図3において、1対のX方向駆動装置30は、離着陸面10の範囲内において1対のハンド24をX方向に独立して水平移動させる。
この例で、離着陸面10のA-D,B-Cの辺の外側にY方向に延びる1対のレール31が固定されている。
【0034】
また、X方向駆動装置30はそれぞれ、水平フレーム32、直進ガイド33、移動部材34、1対のスプロケット35、チェーン36、及び駆動モータ37を有する。
【0035】
水平フレーム32は、X方向に延び両端が1対のレール31で支持されY方向に自由に移動可能な細長いフレームである。直進ガイド33はX方向に延び水平フレーム32に固定されている。移動部材34は、直進ガイド33により姿勢を保持したままX方向に移動可能に案内される。1対のスプロケット35は、水平フレーム32のX方向の両端近傍に回転可能に固定されている。チェーン36は、1対のスプロケット35の間でエンドレスに移動可能に取り付けられている。駆動モータ37は、1対のスプロケット35の一方を回転駆動する。
【0036】
また、ハンド24のフィンガー基部25(
図4参照)がX方向駆動装置30の移動部材34に固定され、移動部材34はチェーン36の一部に固定されている。
【0037】
上述したX方向駆動装置30により、ハンド24のフィンガー基部25とフィンガー26がY方向とX方向に延びる姿勢を保持したまま、離着陸面10の外側から反対側の離着陸面10の端部近傍までX方向に水平移動することができる。
この場合、水平フレーム32が、1対のレール31で両端支持されているので、ハンド24は離着陸面10の上面に沿って所定の高さで水平移動する。
【0038】
1対のY方向駆動装置40は、離着陸面10の範囲内において1対のX方向駆動装置30をY方向に独立して水平移動させる。
この例で、Y方向駆動装置40はそれぞれ、1対の移動部材42、2対のスプロケット43、2対のチェーン44、連動軸45及び駆動モータ46を有する。
【0039】
連動軸45はそれぞれ2対のスプロケット43の中心軸上に位置し、1対のスプロケット43を回転駆動し、他の1対のスプロケット43を空転可能に支持する。
また、移動部材42は水平フレーム32の両端にそれぞれ固定され、かつ1対のチェーン44の一部にそれぞれ固定されている。なお、移動部材42は別のY方向駆動装置40のチェーン44とは接触しないように形状が設定されている。
【0040】
上述したY方向駆動装置40により、X方向駆動装置30の水平フレーム32を1対のレール31で両端支持した状態で、水平フレーム32のX方向の両端を同期させてY方向に水平移動することができる。
従って、X方向駆動装置30とY方向駆動装置40によりハンド24を、離着陸面10の上面に沿って所定の高さでX方向とY方向に自由に水平移動できる。
なおハンド24、X方向駆動装置30、及びY方向駆動装置40は、それぞれ1対が設けられ、この例では、離着陸面10の中心に対し点対称に配置されている。
【0041】
なお、本発明は上述したX方向駆動装置30及びY方向駆動装置40の構成に限定されず、任意の駆動方式、例えば、ボールネジ、タイミングベルト、ラックアンドピニオン、等を用いてもよい。
また、上述したX方向駆動装置30とY方向駆動装置40を逆の構成にしてもよい。
【0042】
図3において、本発明のドローンポート100は、さらに、浮遊装置39と制御装置50を備える。
浮遊装置39は、ドローン1を離着陸面10から浮かす機能を有する。
浮遊装置39は、この例では、X方向駆動装置30の移動部材34に設けられハンド24を昇降するハンド昇降装置である。
なお浮遊装置は、この構成に限定されず、離着陸面10を昇降する離着陸面昇降装置であってもよい。
【0043】
制御装置50は、X方向駆動装置30、Y方向駆動装置40及び浮遊装置39を制御して、任意の位置及び姿勢で離着陸面10に位置するドローン1を支持して離着陸面10から浮かし、そのままドローン1の姿勢を修正しかつ任意の位置まで移動する。任意の位置は、この例では荷物用開口12の真上であるが、開口でなくてもよく、離着陸面上の充電位置でもドローンの点検位置でも良い。
また、制御装置50は、X方向駆動装置30、Y方向駆動装置40及び浮遊装置39を制御して、任意の位置(この例では荷物用開口12の真上)に停止するドローン1を支持して離着陸面10から浮かし、そのまま離着陸面10の任意の位置まで移動する。
【0044】
本発明のドローンポート100の制御方法は、上述したドローンポート100を用い、S1~S3の各ステップ(工程)を有する。
第1ステップS1では、1対のハンド24をそれぞれ独立して水平移動させて、支持アダプタ20の複数の支持位置を支持する。複数の支持位置は、好ましくは、対角位置の2箇所である。
第2ステップS2では、ハンド24を上昇させ、或いは離着陸面10を下降させてドローンを離着陸面10から浮かす。
第3ステップS3では、1対のハンド24を同期制御してドローン1の姿勢を修正しかつ荷物用開口の真上まで移動する。
【0045】
図5は、第1実施形態の第1ステップS1の説明図である。
図5(A)において、4本の鉛直把持棒21が
図4(D)の位置にある場合を示している。また、4本の鉛直把持棒21の
図4(C)の位置を参考用に示している。
【0046】
第1ステップS1は、近接ステップS11、X方向接触ステップS12、及びY方向接触ステップS13を有する。
【0047】
近接ステップS11では、
図5(A)に示すように、1対のハンド24を
図3の待機位置からドローン1の鉛直把持棒21の近傍までそれぞれ移動する。この位置は、
図4(C)の4本の鉛直把持棒21に対して、短フィンガー26aがX方向において干渉せず、かつ長フィンガー26bがY方向において干渉しない限りでドローン1の中心Oに近接する位置に設定する。
ドローン1の中心Oは、例えばドローン1のGPSで検出する。なお、ドローン1の着陸位置により、1対のハンド24の移動時間は相違する。
【0048】
X方向接触ステップS12では、
図5(B)に示すように、
図5(A)の位置から1対のハンド24をX方向にドローン1の中心Oに向けて長フィンガー26bが鉛直把持棒21に接触するまで移動する。この移動により、1対の長フィンガー26bは、ドローン1の中心OからY方向に最も離れた対称位置の1対の鉛直把持棒21のみに接触する。
【0049】
Y方向接触ステップS13では、
図5(C)に示すように、1対のハンド24をY方向にドローン1の中心Oに向けてフィンガー基部25が鉛直把持棒21に接触するまで移動する。この移動により、1対のフィンガー26の短フィンガー26aと長フィンガー26bの間の把持間隔Lbの間にそれぞれ1本の鉛直把持棒21が把持され、かつフィンガー基部25の内面に接触した状態となる。
また、
図5(C)の状態において、対角位置の2本の鉛直把持棒21の上方に位置する1対の外側支持面22(
図2参照)が、1対のハンド24の上部に位置する。
【0050】
次いで、第2ステップS2において、1対のハンド24を同期して上昇させ、或いは離着陸面10を下降させることで、1対のハンド24の上面が1対の外側支持面22を支持して、ドローン1を離着陸面10から浮かすことができる。
【0051】
第3ステップS3は、姿勢制御ステップS31と水平移動ステップS32と、を有する。
【0052】
姿勢制御ステップS31において、複数(この例で4本)の鉛直把持棒21が目標姿勢になるように、1対のハンド24を同期して移動する。これによりドローン1は中心Oのまわりに水平旋回する。この水平旋回は、時計まわりでも反時計まわりでもよい。
水平旋回を4本の鉛直把持棒21のY方向及びX方向の間隔が所定の辺長に一致したとき停止することで、ドローン1の姿勢を目標姿勢に修正することができる。
【0053】
次いで、水平移動ステップS32において、1対のハンド24を同期制御して複数の鉛直把持棒21を任意の位置(この例では荷物用開口12の真上)まで移動する。荷物用開口12の真上の検出は、例えば光電センサで検出することができる。
【0054】
図5(A)において、着陸時の4本の鉛直把持棒21の姿勢が
図4(A)(B)(C)の場合も、上述した方法により、ドローン1を支持して離着陸面10から浮かし、そのままドローン1の姿勢を修正しかつ任意の位置まで移動することができる。
また、逆の動作により、任意の位置に停止するドローン1を支持して離着陸面10から浮かし、そのまま離着陸面10の任意の位置まで移動することもできる。
【0055】
(第2実施形態)
図6は、支持アダプタ及びハンドの第2実施形態図である。
【0056】
図6(A)(B)において、第2実施形態の支持アダプタ20Aは、ドローン1の脚4に固定され平面視においてドローン1の中心Oを図心とする矩形外面21Aと、その上部に外方に延びる矩形枠型の外側支持面22Bとを有する。
また、
図6(C)において、第2実施形態のハンド24Aは、矩形外面21Aの角部に密着可能な内面を有する平面視でL字型のハンドである。
なお、その他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0057】
この構成により、ハンド24Aの先端(図のa点)が矩形外面21Aに接触した状態で、1対のハンド24Aを同期して上昇させ、或いは離着陸面10を下降させることで、ドローン1を離着陸面10から浮かすことができる。
また、この状態で、1対のハンド24AをY方向に中心Oに向けて移動することで、ドローン1を中心Oのまわりに水平旋回して、ドローン1の姿勢を目標姿勢に修正することができる。この際、X方向の移動はフリーにするのがよい。
【0058】
(第3実施形態)
図7は、支持アダプタ及びハンドの第3実施形態図である。
【0059】
図7(A)(B)において、第3実施形態の支持アダプタ20Bは、鉛直な中心軸a1と接頭円錐形の内面b1を有する。支持アダプタ20Bは、この例で外面は円筒形、内面は接頭円錐形に構成された中空円筒部材である。また、この例で1対の支持アダプタ20Bが、ドローン1の中心Oに対し点対称に固定されている。
【0060】
図7(C)(D)は、第3実施形態のハンド24Bの平面図と側面図である。
この図において、ハンド24Bは、鉛直な中心軸a2を有する接頭円錐形の鉛直凸型部27aと、鉛直凸型部27aの下端を支持するハンド基部27bとを有する。
鉛直凸型部27aは、支持アダプタ20Bの接頭円錐形の内面b1に嵌合するようになっている。ハンド基部27bは、第1実施形態のX方向駆動装置30の移動部材34の固定される。
【0061】
図8は、
図3と同様の
図1の上面図である。この図において、ハンド24BはX方向駆動装置30の移動部材34の固定されている。
また、この例で、ドローンポート100は、X方向位置センサ52と、Y方向位置センサ54を有する。
X方向位置センサ52は、X方向において、ハンド24Bと支持アダプタ20Bの中心軸a1,a2の一致を検出する。Y方向位置センサ54は、Y方向において、ハンド24Bと支持アダプタ20Bの中心軸a1,a2の一致を検出する。
【0062】
この例で、X方向位置センサ52は、水平フレーム32のX方向両端部に固定された発光部52aと受光部52bを有する。発光部52aはX方向水平光をX方向に照射し、受光部52bはX方向水平光を受光するようになっている。X方向水平光は好ましくはレーザー光である。
このX方向水平光は、ハンド24BのY方向中心の上部を通り、かつ支持アダプタ20Bを検出する高さに設定されている。
【0063】
Y方向位置センサ54は、移動部材34に固定され、Y方向水平光をY方向に照射し、その反射光を受光するようになっている。Y方向水平光は好ましくはレーザー光である。
このY方向水平光は、ハンド24BのX方向中心の上部を通り、かつ支持アダプタ20Bを検出する高さに設定されている。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0064】
図9は、第3実施形態の第1ステップS1の説明図である。
この例で、第1ステップS1は、Y方向位置決めステップS21とX方向位置決めステップS22を有する。
Y方向位置決めステップS21では、1対のハンド24Bをそれぞれ独立にY方向に移動し、ハンド24Bと支持アダプタ20Bの中心軸a1,a2を一致させる。すなわち、
図9(A)に示すように、1対の水平フレーム32をそれぞれ独立にY方向に移動し、X方向位置センサ52(発光部52aと受光部52b)により、支持アダプタ20Bをそれぞれ検出して停止する。
X方向検出ステップS22では、1対のハンド24Bをそれぞれ独立にX方向に移動し、ハンド24Bと支持アダプタ20Bの中心軸a1,a2を一致させる。すなわち、
図9(B)に示すように、1対の移動部材34をそれぞれ独立にX方向に移動し、Y方向位置センサ54)により、支持アダプタ20Bをそれぞれ検出して停止する。
この状態で、1対のハンド24Bと支持アダプタ20Bは、そてぞれの軸心a1,a2が一致しており、かつハンド24Bが支持アダプタ20Bの下方に位置する。
【0065】
次いで、第2ステップS2において、1対のハンド24Bを同期して上昇させ、或いは離着陸面10を下降させることで、1対のハンド24Bが1対の支持アダプタ20Bを支持して、ドローン1を離着陸面10から浮かすことができる。
【0066】
次いで第3ステップS3において、
図9(C)に示すように、1対のハンド24Bが目標姿勢になるように、1対のハンド24Bを同期して移動することで、ドローン1の姿勢を目標姿勢に修正することができる。さらに1対のハンド24Bを同期制御してドローン1を任意の位置(この例では荷物用開口12の真上)まで移動する。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0067】
図10は、支持アダプタ及びハンドの別の実施形態図である。
図10(A)~(D)において、支持アダプタ20Bは、鉛直な中心軸a2を有する円筒形の内面b1を有する。また、ハンド24Bは、鉛直な中心軸a2を有する円筒形の鉛直凸型部27aと、鉛直凸型部27aの下端を支持するハンド基部27bとを有する。
すなわち、支持アダプタ20Bの内面b1及びハンド基部27bの鉛直凸型部27aは、円筒形であってもよい。円筒形の場合、接頭円錐形と比較して機械加工が容易となる。
また、
図10(D)に示すように、支持アダプタ20Bの内面b1は、貫通しなくてもよい。この構成により、浮かせるストロークを短くできる。
【0068】
なお、支持アダプタの構成は、上述の例に限定されず、1対のハンドでドローン1の全体を支持して離着陸面10から浮かせればよい。
【0069】
また、ハンドの構成も上述の例に限定されず、ドローン1を支持して離着陸面10から浮かし、そのままドローン1の姿勢を修正しかつ任意の位置まで移動できる限りで、異なる形状であってもよい。
例えば、
図4の例で、短フィンガー26aを省略し、平面視でL字型のハンドであってもよい。また、フィンガー基部25とフィンガー26の向きを逆にしてもよい。
【0070】
また、
図4(E)に示すように、短フィンガー26aの先端部に開閉可能な把持装置28を設け、ドローン1を支持した際に、鉛直把持棒21が抜け落ちないように構成しても良い。このようにすることで、より確実にドローン1を支持することができる。
なお、把持装置28を設けることでドローンの落下は確実に防止することができるが、可動部の先端に電動機能を設ける場合、電線の配線などが困難になるため、把持装置28はフィンガーの先端部に設けずにドローンの姿勢を制御できることが好ましい。
【0071】
上述した本発明の実施形態によれば、任意の位置及び姿勢で離着陸面10に位置するドローン1を支持して離着陸面10から浮かし、そのままドローン1の姿勢を修正しかつ任意の位置(この例では荷物用開口12の真上)まで移動する。これにより、離着陸面10に段差又は凹凸がある場合でも、ドローン1を離着陸面10の上で引きずることなく、任意の位置まで移動することができる。
また上述した本発明の実施形態によれば、荷物用開口12が中心以外にあり、着陸したドローン1の位置及び向き(姿勢)がランダムでも、ドローン1の姿勢を修正し荷物用開口の真上まで移動することができる。
【0072】
従って、本発明は、以下の利点を有する。
(1)離着陸面10に段差及び凹凸があっても、段差又は凹凸に引っかからず、スムーズにドローン1の水平移動ができ、かつ離着陸面10が傷つくことを本質的に防止できる。
(2)離着陸面10に着陸したドローン1の向き(姿勢)がランダムであっても、ドローン1の向きを修正できる。
(3)ドローン1を離着陸面10の中心以外の場所へ移動できる。
【0073】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0074】
a1,a2 中心軸、b1 内面、1 ドローン、2 本体、3 プロペラ、
4 脚、4a 着地部、5 キャッチャー、9 荷物、10 離着陸面、
12 荷物用開口、14 開閉扉、16 昇降フレーム、17 搬送コンベア、
18 昇降装置、19 充電装置、19a ポート側接点、19b 充電ケーブル、
19c 電源装置、20,20A,20B 支持アダプタ、21 鉛直把持棒
、21A 矩形外面、22,22B 外側支持面、24,24A,24B ハンド、
25 フィンガー基部、26a 短フィンガー、26b 長フィンガー、
27a 鉛直凸型部、27b ハンド基部、28 把持装置、
30 X方向駆動装置、31 レール、32 水平フレーム、33 直進ガイド、
34 移動部材、35 スプロケット、36 チェーン、37 駆動モータ、
39 浮遊装置(ハンド昇降装置、離着陸面昇降装置)、40 Y方向駆動装置、
42 移動部材、43 スプロケット、44 チェーン、45 連動軸、
46 駆動モータ、50 制御装置、52 X方向位置センサ、52a 発光部、
52b 受光部、54 Y方向位置センサ、100 ドローンポート