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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044716
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】情報処理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/34 20180101AFI20240326BHJP
   G06F 3/0486 20130101ALI20240326BHJP
【FI】
G06F8/34
G06F3/0486
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150430
(22)【出願日】2022-09-21
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVASCRIPT
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】東 絢
【テーマコード(参考)】
5B376
5E555
【Fターム(参考)】
5B376BA18
5B376BC13
5B376BC14
5B376BC45
5B376BC49
5E555AA07
5E555BA02
5E555BA69
5E555BB02
5E555BC18
5E555BE09
5E555CA12
5E555CB16
5E555CB34
5E555CC05
5E555DB05
5E555DB51
5E555DC09
5E555DC13
5E555DD09
5E555EA07
5E555EA08
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ノーコード開発プラットフォームを利用するユーザが、プログラミングに関する知識が乏しい場合であっても、処理フローを完成させる前に処理結果を知得し、意図する処理結果を得られるようにする。
【解決手段】情報処理システムを構成する管理サーバ10は、制御部11を備え、制御部11では、送信制御部103が、複数種類の処理の内容が各々に表記された複数種類のブロックのデータと、その複数種類のブロックのうち1以上のブロックを組み合わせる操作を支援するための支援情報とをユーザ端末に向けて送信する制御を行い、複数種類のブロックのうち1以上のブロックを組み合わせる操作が行われると、実行制御部105が、組み合わされた1以上のブロックの各々に表記された処理の内容に基づく一連の処理を、予め定められた順番で実行する制御を行う。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数のプロセッサを備え、
前記1または複数のプロセッサは、
複数種類の処理の内容が各々に表記された複数種類のブロックと、当該複数種類のブロックのうち1以上のブロックを組み合わせる操作を支援するための支援情報とを表示部に表示する制御を行い、
前記1以上のブロックを組み合わせる操作が行われると、組み合わされた当該1以上のブロックの各々に表記された前記処理の内容に基づく一連の処理を、予め定められた順番で実行する制御を行うことを特徴とする、
情報処理システム。
【請求項2】
前記1または複数のプロセッサは、予め定義された、前記複数種類のブロックの処理の前後関係を示す情報を、データベースに記憶して管理することを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記1または複数のプロセッサは、前記支援情報として、予め定義された前記前後関係を示す情報を前記表示部に表示する制御を行うことを特徴とする、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記1または複数のプロセッサは、前記前後関係を示す情報として、ユーザが選択したブロックを組み合わせる位置として推奨する位置を示す情報を、前記表示部に表示する制御を行うことを特徴とする、
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記1または複数のプロセッサは、予め定義された、前記複数種類のブロックの処理の類似関係を示す情報を、データベースにさらに記憶して管理することを特徴とする、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記1または複数のプロセッサは、前記支援情報として、予め定義された前記類似関係を示す情報を前記表示部に表示する制御を行うことを特徴とする、
請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記1または複数のプロセッサは、前記類似関係を示す情報として、ユーザが選択したブロックとは異なるブロックであって、表記された処理の内容が類似するものへの変更を推奨するための情報を、前記表示部に表示する制御を行うことを特徴とする、
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記1または複数のプロセッサは、前記1以上のブロックの組み合わせごとに、前記一連の処理の結果のサンプルとなる情報を、データベースに記憶して管理することを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記1または複数のプロセッサは、
前記1以上のブロックが組み合わされた場合における前記一連の処理の結果のサンプルとなる情報を、前記データベースに記憶された前記サンプルとなる情報から抽出し、
抽出した情報を、前記支援情報として前記表示部に表示する制御を行うことを特徴とする、
請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記1または複数のプロセッサは、前記複数種類の処理の内容が、電子文書の処理の内容にかかるものである場合、前記一連の処理が実行された当該電子文書の出力結果のサンプルとなる情報を、前記支援情報として前記表示部に表示する制御を行うことを特徴とする、
請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
コンピュータに、
複数種類の処理の内容が各々に表記された複数種類のブロックと、当該複数種類のブロックのうち1以上のブロックを組み合わせる操作を支援するための支援情報とを表示部に表示する機能と、
前記1以上のブロックを組み合わせる操作が行われると、組み合わされた当該1以上のブロックの各々に表記された前記処理の内容に基づく一連の処理を、予め定められた順番で実行する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
GUI(Graphical User Interface)によるアプリケーションソフトウェアの構築を可能にするいわゆるノーコード開発プラットフォームに関する技術が知られている(例えば、特許文献1)。このような技術では、個々の処理を可視化したブロックをGUIに表示し、ユーザがブロックを組み合わせる操作を行うことで複数の処理のフローを作成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-123130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ノーコード開発プラットフォームを利用する多くのユーザは、プログラミングに関する知識が乏しいため、処理のフローを完成させる前に処理結果を予測し、意図する処理結果が得られるようにすることは困難である。
【0005】
本発明の目的は、ノーコード開発プラットフォームを利用するユーザが、プログラミングに関する知識が乏しい場合であっても、処理フローを完成させる前に処理結果を知得し、意図する処理結果を得られるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載された発明は、1または複数のプロセッサを備え、前記1または複数のプロセッサは、複数種類の処理の内容が各々に表記された複数種類のブロックと、当該複数種類のブロックのうち1以上のブロックを組み合わせる操作を支援するための支援情報とを表示部に表示する制御を行い、前記1以上のブロックを組み合わせる操作が行われると、組み合わされた当該1以上のブロックの各々に表記された前記処理の内容に基づく一連の処理を、予め定められた順番で実行する制御を行うことを特徴とする、情報処理システムである。
請求項2に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、予め定義された、前記複数種類のブロックの処理の前後関係を示す情報を、データベースに記憶して管理することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項3に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記支援情報として、予め定義された前記前後関係を示す情報を前記表示部に表示する制御を行うことを特徴とする、請求項2に記載の情報処理システムである。
請求項4に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記前後関係を示す情報として、ユーザが選択したブロックを組み合わせる位置として推奨する位置を示す情報を、前記表示部に表示する制御を行うことを特徴とする、請求項3に記載の情報処理システムである。
請求項5に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、予め定義された、前記複数種類のブロックの処理の類似関係を示す情報を、データベースにさらに記憶して管理することを特徴とする、請求項2に記載の情報処理システムである。
請求項6に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記支援情報として、予め定義された前記類似関係を示す情報を前記表示部に表示する制御を行うことを特徴とする、請求項5に記載の情報処理システムである。
請求項7に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記類似関係を示す情報として、ユーザが選択したブロックとは異なるブロックであって、表記された処理の内容が類似するものへの変更を推奨するための情報を、前記表示部に表示する制御を行うことを特徴とする、請求項6に記載の情報処理システムである。
請求項8に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記1以上のブロックの組み合わせごとに、前記一連の処理の結果のサンプルとなる情報を、データベースに記憶して管理することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項9に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記1以上のブロックが組み合わされた場合における前記一連の処理の結果のサンプルとなる情報を、前記データベースに記憶された前記サンプルとなる情報から抽出し、抽出した情報を、前記支援情報として前記表示部に表示する制御を行うことを特徴とする、請求項8に記載の情報処理システムである。
請求項10に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記複数種類の処理の内容が、電子文書の処理の内容にかかるものである場合、前記一連の処理が実行された当該電子文書の出力結果のサンプルとなる情報を、前記支援情報として前記表示部に表示する制御を行うことを特徴とする、請求項9に記載の情報処理システムである。
請求項11に記載された発明は、コンピュータに、複数種類の処理の内容が各々に表記された複数種類のブロックと、当該複数種類のブロックのうち1以上のブロックを組み合わせる操作を支援するための支援情報とを表示部に表示する機能と、前記1以上のブロックを組み合わせる操作が行われると、組み合わされた当該1以上のブロックの各々に表記された前記処理の内容に基づく一連の処理を、予め定められた順番で実行する機能と、を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の本発明によれば、ノーコード開発プラットフォームを利用するユーザが、プログラミングに関する知識が乏しい場合であっても、処理フローを完成させる前に処理結果を知得し、意図する処理結果を得られるように処理のフローを改善できる情報処理システムを提供できる。
請求項2の本発明によれば、複数種類のブロックの処理の前後関係が予め定義されているので、定義に基づく提案を行うことができる。
請求項3の本発明によれば、複数種類のブロックの処理の前後関係を示す情報が表示部に表示されるので、プログラミングに関する知識が乏しい場合であっても、処理フローを完成させる前に処理結果を知得し、意図する処理結果を得られるように処理のフローを改善できる。
請求項4の本発明によれば、ユーザが選択したブロックを組み合わせる位置として推奨する位置が示されるので、プログラミングに関する知識が乏しい場合であっても、処理フローを完成させる前に処理結果を知得し、意図する処理結果を得られるように処理のフローを改善できる。
請求項5の本発明によれば、複数種類のブロックの処理の類似関係が予め定義されているので、定義に基づく提案を行うことができる。
請求項6の本発明によれば、複数種類のブロックの処理の類似関係を示す情報が表示部に表示されるので、プログラミングに関する知識が乏しい場合であっても、処理フローを完成させる前に処理結果を知得し、意図する処理結果を得られるように処理のフローを改善できる。
請求項7の本発明によれば、ユーザが選択したブロックとは異なるブロックであって、表記された処理の内容が類似するものが示されるので、プログラミングに関する知識が乏しい場合であっても、処理フローを完成させる前に処理結果を知得し、意図する処理結果を得られるように処理のフローを改善できる。
請求項8の本発明によれば、複数種類のブロックの組み合わせごとに、一連の処理の結果のサンプルとなる情報が予めデータベースに記憶されているので、ユーザにより組み合わされた複数種類のブロックの一連の処理の結果のサンプルを出力できる。
請求項9の本発明によれば、1以上のブロックが組み合わされた場合における一連の処理の結果のサンプルとなる情報が表示部に表示されるので、ユーザは、1以上のブロックを組み合わせる操作の途中であっても、一連の処理の結果をイメージできる。
請求項10の本発明によれば、電子文書の処理の内容を示す複数種類のブロックを組み合わせる操作が行われると、一連の処理の結果のサンプルとなる情報が表示部に表示されるので、ユーザは、1以上のブロックを組み合わせる操作の途中であっても、電子文書にかかる一連の処理の結果をイメージできる。
請求項11の本発明によれば、ノーコード開発プラットフォームを利用するユーザが、プログラミングに関する知識が乏しい場合であっても、処理フローを完成させる前に処理結果を知得し、意図する処理結果を得られるように処理のフローを改善できるようにするプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施の形態が適用される情報処理システムの全体構成の一例を示す図である。
図2】管理サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】管理サーバの制御部の機能構成の一例を示す図である。
図4】管理者端末の制御部の機能構成の一例を示す図である。
図5】ユーザ端末の制御部の機能構成の一例を示す図である。
図6】管理サーバの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7】管理者端末の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8】ユーザ端末の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9】ユーザインターフェースに表示された複数種類のブロックの具体例を示す図である。
図10】複数種類のブロックを組み合わせる操作にミスがあった場合の具体例を示す図である。
図11】(A)および(B)は、ユーザインターフェースに表示された支援情報のうち、複数種類のブロックの処理の前後関係を示す情報の具体例を示す図である。
図12】(A)および(B)は、ユーザインターフェースに表示された支援情報のうち、表記された処理の内容が類似するブロックへの変更を推奨するための情報の具体例を示す図である。
図13】ユーザインターフェースに表示された支援情報のうち、組み合わされた1以上のブロックの各々に表記された処理の内容に基づく一連の処理の結果のサンプルとなる情報の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(情報処理システムの構成)
図1は、本実施の形態が適用される情報処理システム1の全体構成の一例を示す図である。
情報処理システム1は、管理サーバ10と、管理者端末30と、ユーザ端末50との各々とがネットワーク90を介して接続されることにより構成されている。ネットワーク90は、例えば、LAN(Local Area Network)、インターネット等である。
【0010】
管理サーバ10は、情報処理システム1の全体の管理をするサーバとしての情報処理装置である。管理サーバ10は、管理者端末30およびユーザ端末50の各々から送信されてくる各種の情報を取得し、各種の処理を行う。また、管理サーバ10は、管理者端末30およびユーザ端末50の各々に向けて各種の情報を送信する。
【0011】
例えば、管理サーバ10は、複数種類の処理の内容が各々に表記された複数種類のブロックを、ユーザ端末50のユーザインターフェースに表示する制御を行う。また、管理サーバ10は、ユーザ端末50のユーザインターフェースに表示された複数種類のブロックのうち1以上のブロックを組み合わせるための入力操作を支援するための情報(以下、「支援情報」と呼ぶ。)を、ユーザ端末50のユーザインターフェースに表示する制御を行う。支援情報には、例えば、一連の処理の精度を向上させるブロックの配置や順番などが含まれる。なお、支援情報の具体例については、図11乃至図13を参照して後述する。
【0012】
また、管理サーバ10は、ユーザ端末50のユーザインターフェースに表示された1以上のブロックを組み合わせるための入力操作が行われると、組み合わされた1以上のブロックの各々に表記された処理の内容に基づく一連の処理を、予め定められた順番で実行する制御を行う。なお、管理サーバ10によるこれらの処理の詳細については後述する。
【0013】
管理者端末30は、情報処理システム1を管理する者が操作する情報処理装置である。管理者端末30は、管理サーバ10およびユーザ端末50の各々から送信されてくる各種の情報を取得し、各種の処理を行う。また、管理者端末30は、管理サーバ10およびユーザ端末50の各々に向けて各種の情報を送信する。
【0014】
例えば、管理者端末30は、情報処理システム1を管理する者が各種の設定を行うために入力した情報(以下、「設定情報」と呼ぶ。)を取得し、管理サーバ10に向けて送信する。設定情報としては、例えば、ブロックに対し処理の内容を設定するために入力された情報、支援情報の内容を設定するために入力された情報などが挙げられる。なお、支援情報の詳細、および管理者端末30の処理の詳細については後述する。
【0015】
ユーザ端末50は、情報処理システム1を利用するユーザが操作する情報処理装置である。ユーザ端末50は、管理サーバ10および管理者端末30の各々から送信されてくる各種の情報を取得し、各種の処理を行う。また、ユーザ端末50は、管理サーバ10および管理者端末30の各々に向けて各種の情報を送信する。
【0016】
例えば、ユーザ端末50は、管理サーバ10から送信されてきた各種の情報をユーザインターフェースに表示する。管理サーバ10から送信されてくる情報としては、例えば、複数種類の処理の内容が各々に表記された複数種類のブロックのデータ、支援情報などが挙げられる。また、ユーザ端末50は、操作部を介して入力された各種の情報を取得し、入力情報として管理サーバ10に向けて送信する。管理サーバ10に向けて送信される入力情報としては、例えば、ユーザインターフェースに表示された複数種類のブロックのうち1以上のブロックを組み合わせる操作を行うために入力された情報(以下、「操作情報」と呼ぶ。)などが挙げられる。
【0017】
上述の情報処理システム1の構成は一例であり、情報処理システム1全体として上述の処理を実現させる機能を備えていればよい。このため、上述の処理を実現させる機能のうち、一部または全部を情報処理システム1内で分担してもよいし協働してもよい。すなわち、管理サーバ10の機能の一部または全部を管理者端末30やユーザ端末50の機能としてもよいし、管理者端末30の機能の一部または全部を管理サーバ10やユーザ端末50の機能としてもよい。また、ユーザ端末50の機能の一部または全部を管理サーバ10や管理者端末30の機能としてもよい。さらに、情報処理システム1を構成する管理サーバ10、管理者端末30、およびユーザ端末50の各々の機能の一部または全部を、図示せぬ他のサーバ等に移譲してもよい。これにより、情報処理システム1全体としての処理が促進され、また、処理を補完し合うことも可能となる。
【0018】
(管理サーバのハードウェア構成)
図2は、管理サーバ10のハードウェア構成の一例を示す図である。
管理サーバ10は、制御部11と、メモリ12と、記憶部13と、通信部14と、操作部15と、表示部16とを有している。これらの各部は、データバス、アドレスバス、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス等で接続されている。
【0019】
制御部11は、OS(基本ソフトウェア)やアプリケーションソフトウェア(応用ソフトウェア)等の各種ソフトウェアの実行を通じて管理サーバ10の機能の制御を行うプロセッサである。制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)で構成される。メモリ12は、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、演算に際して作業エリアとして用いられる。メモリ12は、例えばRAM(Random Access Memory)等で構成される。
【0020】
記憶部13は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。記憶部13は、例えばプログラムや各種設定データなどの記憶に用いられるHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、半導体メモリ等で構成される。記憶部13には、各種情報を記憶するデータベースとして、例えば、処理の内容とブロックの外観とを対応付けた情報(以下、「ブロック情報」と呼ぶ。)が記憶されたブロックDB131と、支援情報が記憶された支援DB132等が格納されている。
【0021】
通信部14は、ネットワーク90を介して管理者端末30、ユーザ端末50、および外部との間でデータの送受信を行う。操作部15は、例えばキーボード、マウス、機械式のボタン、スイッチで構成され、入力操作を受け付ける。操作部15には、表示部16と一体的にタッチパネルを構成するタッチセンサも含まれる。表示部16は、例えば情報の表示に用いられる液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイで構成され、画像やテキストのデータなどを表示する。
【0022】
(管理者端末およびユーザ端末のハードウェア構成)
管理者端末30およびユーザ端末50のハードウェア構成は、いずれも図2に示す管理サーバ10のハードウェア構成と同様の構成を備えている。すなわち、ユーザ端末50は、図2の制御部11、メモリ12、記憶部13、通信部14、操作部15、および表示部16の各々と同様の機能を有する、制御部、メモリ、記憶部、通信部、操作部、および表示部の各々を備えており、図示および説明を省略する。
【0023】
(管理サーバの制御部の機能構成)
図3は、管理サーバ10の制御部11の機能構成の一例を示す図である。
管理サーバ10の制御部11では、情報管理部101と、情報取得部102と、送信制御部103と、抽出部104と、実行制御部105とが機能する。
【0024】
情報管理部101は、記憶部13(図2参照)のデータベースに記憶されている情報を管理する。具体的には、情報管理部101は、ブロックDB131に記憶されているブロック情報や、支援DB132に記憶されている支援情報などを管理する。情報管理部101により管理される情報のうち、支援情報としては、例えば、複数種類のブロックの処理の前後関係を示す情報、複数種類のブロックの処理の類似関係を示す情報、組み合わされた1以上のブロックの各々に表記された処理の内容に基づく一連の処理の結果のサンプルとなる情報、ブロックごとに設定された詳細情報の推奨値などが挙げられる。
【0025】
支援情報のうち、複数種類のブロックの処理の前後関係を示す情報には、例えば、ユーザが選択したブロックを組み合わせる位置として推奨する位置を示す情報などが含まれる。また、複数種類のブロックの処理の類似関係を示す情報には、例えば、ユーザにより選択されたブロックとは異なるブロックであって、表記された処理の内容が類似するブロックへの変更を推奨する情報などが含まれる。また、情報管理部101は、取得された設定情報に基づいて、データベースに記憶されている情報を更新する。
【0026】
情報取得部102は、各種の情報を取得する。具体的には、情報取得部102は、管理者端末30、ユーザ端末50、および外部の各々から送信されてきた情報を取得する。情報取得部102により取得される情報のうち、管理者端末30から送信されてくる情報としては、例えば、設定情報などが挙げられる。また、情報取得部102により取得される情報のうち、ユーザ端末50から送信されてくる情報としては、例えば、操作情報などが挙げられる。
【0027】
送信制御部103は、各種の情報を送信する制御を行う。具体的には、送信制御部103は、管理者端末30、ユーザ端末50、および外部の各々に向けて各種の情報を送信する制御を行う。送信制御部103の制御により送信される情報のうち、管理者端末30に向けて送信される情報としては、例えば、記憶部13の支援DB132に記憶されている支援情報などが挙げられる。また、送信制御部103の制御により送信される情報のうち、ユーザ端末50に向けて送信される情報としては、例えば、複数種類の処理の内容が各々に表記された複数種類のブロックのデータや、支援情報などが挙げられる。
【0028】
抽出部104は、ユーザ端末50のユーザインターフェースに表示された複数種類のブロックのうち1以上のブロックを組み合わせるための入力操作が開始されると、その操作を支援する支援情報をデータベースから抽出する。具体的には、抽出部104は、情報取得部102により取得された操作情報に基づいて、その操作情報にかかる操作を支援する支援情報が、記憶部13の支援DB132に記憶されているかどうかを判定する。そして、対象となる支援情報が支援DB132に記憶されている場合、抽出部104は、その支援情報を抽出する。これに対して、対象となる支援情報が支援DB132に記憶されていない場合、抽出部104は、支援情報を抽出しない。
【0029】
実行制御部105は、1以上のブロックを組み合わせる操作が行われると、組み合わされた1以上のブロックの各々に表記された処理の内容に基づく一連の処理を実行する制御を行う。具体的には、実行制御部105は、情報取得部102が、ユーザ端末50から送信されてきた操作情報を取得すると、その操作情報にかかる1以上のブロックの各々に表記された処理の内容に基づく一連の処理を、予め定められた順番で実行する制御を行う。例えば、組み合わされた2つのブロックの各々に表記された処理の内容が、上から順に「PDF出力」と「定型ページの認識」とであったとする。この場合、実行制御部105は、まず「PDF出力」の処理を実行する制御を行い、次に「定型ページの認識」の処理を実行する制御を行う。
【0030】
(管理者端末の制御部の機能構成)
図4は、管理者端末30の制御部の機能構成を示す図である。
管理者端末30の制御部では、情報取得部301と、送信制御部302と、表示制御部303とが機能する。
【0031】
情報取得部301は、各種の情報を取得する。具体的には、情報取得部301は、管理サーバ10および外部から送信されてきた情報を取得する。情報取得部301により取得される情報のうち、管理サーバ10から送信されてくる情報としては、例えば、記憶部13のブロックDB131に記憶されているブロック情報や、支援DB132に記憶されている支援情報などが挙げられる。また、情報取得部301は、操作部を介して入力された情報を取得する。操作部を介して入力される情報としては、例えば、設定情報などが挙げられる。
【0032】
送信制御部302は、各種の情報を送信する制御を行う。具体的には、送信制御部302は、管理サーバ10および外部に向けて各種の情報を送信する制御を行う。送信制御部302の制御により送信される情報のうち、管理サーバ10に向けて送信される情報としては、例えば、設定情報などが挙げられる。
【0033】
表示制御部303は、各種情報をユーザインターフェースに表示する制御を行う。具体的には、表示制御部303は、管理サーバ10から送信されてきた情報をユーザインターフェースに表示する制御を行う。表示制御部303の制御によりユーザインターフェースに表示される情報としては、例えば、記憶部13のブロックDB131に記憶されているブロック情報に基づき生成された、処理の内容が表記されたブロックや、支援DB132に記憶されている支援情報などが挙げられる。
(ユーザ端末の制御部の機能構成)
図5は、ユーザ端末50の制御部の機能構成を示す図である。
ユーザ端末50の制御部では、情報取得部501と、送信制御部502と、表示制御部503とが機能する。
【0034】
情報取得部501は、各種の情報を取得する。具体的には、情報取得部501は、管理サーバ10および外部から送信されてきた情報を取得する。情報取得部501により取得される情報のうち、管理サーバ10から送信されてくる情報としては、例えば、複数種類の処理の内容が各々に表記された複数種類のブロックのデータや、支援情報などが挙げられる。また、情報取得部501は、操作部を介して入力された情報を取得する。操作部を介して入力される情報としては、例えば、ユーザインターフェースに表示された複数種類のブロックのうち1以上のブロックを組み合わせるために入力された情報などが挙げられる。
【0035】
送信制御部502は、各種の情報を送信する制御を行う。具体的には、送信制御部502は、管理サーバ10および外部に向けて各種の情報を送信する制御を行う。送信制御部502の制御により送信される情報のうち、管理サーバ10に向けて送信される情報としては、例えば、操作情報などが挙げられる。
【0036】
表示制御部503は、各種情報を表示部に表示する制御を行う。具体的には、表示制御部503は、表示部にユーザインターフェースを表示する制御を行う。そして、表示制御部503は、管理サーバ10から送信されてきた、複数種類の処理の内容が各々に表記された複数種類のブロックのデータや、支援情報などをユーザインターフェースに表示する制御を行う。なお、ユーザ端末50の表示部に表示されるユーザインターフェースの具体例についは、図9以降の図面を参照して後述する。
【0037】
(管理サーバの処理の流れ)
図6は、管理サーバ10の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
管理サーバ10は、記憶部13(図2参照)のデータベースに記憶されている各種の情報を管理する(ステップ601)。例えば、管理サーバ10は、ブロックDB131に記憶されているブロック情報や、支援DB132に記憶されている支援情報を管理する。管理サーバ10は、管理者端末30から設定情報が送信されてくると(ステップ602でYES)、その設定情報を取得し(ステップ603)、データベースに記憶されている情報を更新する(ステップ604)。具体的には、例えば、管理サーバ10は、記憶部13のブロックDB131および支援DB132の各々に記憶されている情報を更新する。これに対して、管理者端末30から設定情報が送信されてきていない場合(ステップ602でNO)、管理サーバ10の処理は、ステップ605に進む。
【0038】
管理サーバ10は、ユーザ端末50から操作情報が送信されてくると(ステップ605でYES)、送信されてきた操作情報を取得する(ステップ606)。これに対して、操作情報が送信されてきていない場合(ステップ605でNO)、管理サーバ10は、操作情報が送信されてくるまでステップ605を繰り返す。そして、管理サーバ10は、ステップ606で取得した操作情報にかかる操作を支援する支援情報がデータベースに記憶されている場合には(ステップ607でYES)、その支援情報をデータベースから抽出する(ステップ608)。
【0039】
そして、管理サーバ10は、ステップ608で抽出した支援情報をユーザ端末50に向けて送信し(ステップ609)、ステップ605に戻る。これに対して、操作情報にかかる操作を支援する支援情報がデータベースに記憶されていない場合(ステップ607でNO)、管理サーバ10は、ステップ606で取得した操作情報にかかる1以上のブロックの各々に表記された処理の内容に基づく一連の処理を実行する制御を行う(ステップ610)。
【0040】
(管理者端末の処理の流れ)
図7は、管理者端末30の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
管理者端末30は、管理サーバ10のデータベースに記憶されて管理されている情報を参照するための入力操作が行われると(ステップ701でYES)、その入力情報を取得し(ステップ702)、取得した入力情報を管理サーバ10に向けて送信する(ステップ703)。管理サーバ10のデータベースに記憶されて管理されている情報としては、例えば、記憶部13のブロックDB131に記憶されているブロック情報や、支援DB132に記憶されている支援情報などが挙げられる。これに対して、管理サーバ10のデータベースに記憶されて管理されている情報を参照するための入力操作が行われない場合(ステップ701でNO)、管理者端末30は、管理サーバ10のデータベースに記憶されて管理されている情報を参照するための入力操作が行われるまでステップ701を繰り返す。
【0041】
管理者端末30は、管理サーバ10からデータベースに記憶された情報が送信されてくると(ステップ704でYES)、送信されてきた情報を取得し(ステップ705)、取得した情報を表示部に表示する(ステップ706)。これに対して、データベースに記憶された情報が送信されてきていない場合(ステップ704でNO)、管理者端末30は、データベースに記憶された情報が送信されてくるまでステップ704を繰り返す。
【0042】
管理者端末30は、操作部を介して設定情報が入力されると(ステップ707でYES)、その設定情報を取得し(ステップ708)、管理サーバ10に向けて設定情報を送信する(ステップ709)。これに対して、設定情報が入力されない場合(ステップ707でNO)、管理者端末30は、設定情報が入力されるまでステップ707を繰り返す。
【0043】
(ユーザ端末の処理の流れ)
図8は、ユーザ端末50の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
ユーザ端末50は、管理サーバ10から、複数種類の処理の内容が各々に表記された複数種類のブロックのデータが送信されてくると(ステップ801でYES)、その複数種類のブロックのデータを取得する(ステップ802)。これに対して、複数種類の処理の内容が各々に表記された複数種類のブロックのデータが送信されてきていない場合(ステップ801でNO)、ユーザ端末50は、複数種類の処理の内容が各々に表記された複数種類のブロックのデータが送信されてくるまでステップ801を繰り返す。
【0044】
ユーザ端末50は、ユーザインターフェースを表示させるための入力操作が行われると(ステップ803でYES)、表示部にユーザインターフェースを表示させる(ステップ804)。そして、ユーザ端末50は、ユーザインターフェースに複数種類のブロックを表示させる(ステップ805)。これに対して、ユーザインターフェースを表示させるための入力操作が行われていない場合(ステップ803でNO)、ユーザ端末50は、ユーザインターフェースを表示させるための入力操作が行われるまでステップ803を繰り返す。
【0045】
ユーザ端末50は、ユーザインターフェースに表示された複数種類のブロックのうち1以上のブロックを組み合わせるための入力操作が行われると(ステップ806でYES)、その入力操作にかかる操作情報を取得し(ステップ807)、管理サーバ10に向けて操作情報を送信する(ステップ808)。これに対して、1以上のブロックを組み合わせるための入力操作が行われない場合(ステップ806でNO)、ユーザ端末50は、1以上のブロックを組み合わせるための入力操作が行われるまでステップ806を繰り返す。
【0046】
ユーザ端末50は、管理サーバ10から支援情報が送信されてくると(ステップ809でYES)、その支援情報を取得し(ステップ810)、取得した支援情報をユーザインターフェースに表示する(ステップ811)。そして、ユーザ端末50の処理はステップ806に戻る。これに対して、支援情報が送信されてきていない場合(ステップ809でNO)、ユーザ端末50の処理は終了する(END)。
【0047】
(具体例)
図9は、ユーザインターフェースに表示された複数種類のブロックの具体例を示す図である。
【0048】
図9に示すように、ユーザ端末50の表示部に表示されるユーザインターフェースは、表示領域F1と表示領域F2とを含むように構成されている。表示領域F1には、組み合わせの候補となるブロックB1乃至B10が並んで表示されている。表示領域F2には、ブロックB1乃至B10のうち1以上のブロックを組み合わせることで形成されたブロックの集合体が表示されている。
【0049】
ユーザは、表示領域F1に並んで表示されているブロックB1乃至B10の中から1つのブロックを指定する操作と、指定した1つのブロックを表示領域F2に移動させてブロック同士を組み合わせる操作とを連続的に行う。これにより、1以上のブロックの組み合わせからなるブロックの集合体が形成される。この操作は、例えば、ブロックをドラッグ&ドロップの操作により行われる。
【0050】
図9のブロックB1には、処理の内容を示す「ページ定型分類 定型文書名:稟議書 定型以外の文書名:議事録」という表記がある。これは、ブロックB1が、処理の対象となる文書の分類を指示するためのブロックであることを示している。なお、図9の例では、処理の対象となる文書が、予め定義されたフォーマットの文書である「定型文書」である場合には、その文書は「稟議書」に分類され、それ以外の文書は「議事録」に分類される。なお、図9に示す「稟議書」および「議事録」は例示に過ぎない。
【0051】
また、ブロックB2には、処理の内容を示す「OCRの実行」という表記がある。これは、ブロックB2が、OCR(Optical Character Reader)処理の実行を指示するためのブロックであることを示している。また、ブロックB3には、処理の内容を示す「文書分割の制約の検証」という表記がある。これは、ブロックB3が、文書を分割する際の制約について検証する処理の実行を指示するためのブロックであることを示している。また、ブロックB4には、処理の内容を示す「定型ページの認識」という表記がある。これは、ブロックB4が、定型ページを認識する処理の実行を指示するためのブロックであることを示している。
【0052】
また、ブロックB5には、処理の内容を示す「PDF出力」という表記がある。これは、ブロックB5が、PDF(Portable Document Format)形式のファイルを出力する処理の実行を指示するためのブロックであることを示している。また、ブロックB6には、処理の内容を示す「JSON出力」という表記がある。これは、ブロックB6が、JSON(JavaScript Object Notation)形式のファイルを出力する処理の実行を指示するためのブロックであることを示している。
【0053】
また、ブロックB7には、処理の内容を示す「分類結果が稟議書のときの処理」という表記がある。これは、ブロックB7が、文書の分類結果に応じた処理の実行を指示するためのブロックであることを示している。ブロックB7には、ドロップダウンボタンD71が設けられている。ドロップダウンボタンD71が押下されると、図示せぬドロップダウンリストが表示される。ドロップダウンボタンD71を押下することで表示されるドロップダウンリストには、文書の分類が表示される。なお、図9の表示領域F1には、ドロップダウンリストから「稟議書」が選択されたブロックB7が表示されているが、ドロップダウンリストから「議事録」を選択することもできる。
【0054】
また、ブロックB8には、処理の内容を示す「歪み補正」という表記がある。これは、ブロックB8が、画像の歪みを補正する処理の実行を指示するためのブロックであることを示している。また、ブロックB9には、処理の内容を示す「二値化(誤差拡散)」という表記がある。これは、ブロックB9が、誤差拡散法により画像を白黒に変換する処理の実行を指示するためのブロックであることを示している。また、ブロックB10には、処理の内容を示す「単純二値化」という表記がある。これは、ブロックB10が、予め定められた閾値に基づき画像を白と黒の2色に変換する処理の実行を指示するためのブロックであることを示している。
【0055】
表示領域F2には、表示領域F1に表示されたブロックB1乃至B10のうち、ユーザのドラッグ&ドロップの操作により組み合わせられた1以上のブロックの組み合わせからなるブロックの集合体が形成されている。具体的には、処理の対象となる文書の分類を指示するためのブロックB1と、分類結果が稟議書のときの処理の実行を指示するためのブロックB7と、分類結果が議事録のときの処理の実行を指示するためのブロックB7とがその順で上から下に向けて組み合わされたブロックの集合体が表示領域F2に形成されている。
【0056】
さらに、分類結果が稟議書のときの処理の実行を指示するためのブロックB7の内側には、OCR処理の実行を指示するためのブロックB2と、定型ページを認識する処理の実行を指示するためのブロックB4と、JSON形式のファイルを出力する処理の実行を指示するためのブロックB6とがその順で上から下に向けて組み合わされている。また、分類結果が議事録のときの処理の実行を指示するためのブロックB7の内側には、PDF形式のファイルを出力する処理の実行を指示するためのブロックB5が組み合わされている。
【0057】
図10は、複数種類のブロックを組み合わせる操作にミスがあった場合の具体例を示す図である。
図10には、複数種類のブロックを組み合わせることで表示領域F2に形成されたブロックの集合体が示されている。具体的には、上述の図9の例と同様に、処理の対象となる文書の分類を指示するためのブロックB1と、分類結果が稟議書のときの処理の実行を指示するためのブロックB7と、分類結果が議事録のときの処理の実行を指示するためのブロックB7とがその順で上から下に向けて組み合わされたブロックの集合体が表示領域F2に形成されている。
【0058】
ただし、上述の図9の例では、分類結果が稟議書のときの処理の実行を指示するためのブロックB7の内側に、ブロックB2と、ブロックB4と、ブロックB6とがその順で上から下に向けて組み合わされている。これに対して、図10の例では、分類結果が稟議書のときの処理の実行を指示するためのブロックB7の内側には、ブロックB4と、ブロックB2と、ブロックB6とがその順で上から下に向けて組み合わされている。つまり、図10の破線で囲まれた2つのブロックの順番が、図9図10とで逆になっている。
【0059】
すなわち、上述の図9の例では、文書の分類結果が稟議書のときの処理として、OCR処理(ブロックB2)が実行された後に、定型ページを認識する処理(ブロックB4)が実行される。これに対して、図10の例では、定型ページを認識する処理(ブロックB4)が実行された後にOCR処理(ブロックB2)が実行されるという矛盾が生じている。このため、このまま一連の処理を実行すると稟議書の出力が空になってしまう。これは、ブロックを組み合わせる操作にミスがあったことを示している。
【0060】
図11乃至図13には、ユーザインターフェースに表示された支援情報の具体例が示されている。
図11(A)および(B)は、ユーザインターフェースに表示された支援情報のうち、複数種類のブロックの処理の前後関係を示す情報の具体例を示す図である。
本実施の形態では、上述の図10に示すような操作上のミスを含むブロックの集合体が形成されることを抑制するために、複数種類のブロックを組み合わせる操作を支援する支援情報がユーザに提供される。
【0061】
例えば、図11(A)に示すように、間違った操作として、「OCRの実行」と表記されたブロックB2のすぐ上に、「定型ページの認識」と表記されたブロックB4をドロップする操作を行おうとしたとする。この場合、図11(B)に示すように、「OCRの実行」と表記されたブロックB2のすぐ下に、本来ドロップすべき位置であることを示すガイドとなる破線の枠W1が表示される。
【0062】
なお、図11(B)の例では、支援情報としての枠W1が表示されることが図示されているが、ユーザの操作を支援するメッセージが枠W1とともに表示されてもよい。例えば、図示はしないが、「「定型ページの認識」のブロックは、「OCRの実行」のブロックの下にドロップすることをおすすめします」といったメッセージが表示されてもよい。
【0063】
図12(A)および(B)は、ユーザインターフェースに表示された支援情報のうち、表記された処理の内容が類似するブロックへの変更を推奨するための情報の具体例を示す図である。
図12(A)には、複数種類のブロックを組み合わせることで表示領域F2に形成されたブロックの集合体が示されている。具体的には、画像の歪みを補正する処理の実行を指示するためのブロックB8と、誤差拡散法により画像を白黒に変換する処理の実行を指示するためのブロックB9と、OCR処理の実行を指示するためのブロックB2とがその順で上から下に向けて組み合わされたブロックの集合体が表示領域F2に形成されている。
【0064】
すなわち、図12(A)の例では、歪み補正(ブロックB8)が実行された後に、誤差拡散法により画像を白黒に変換する処理(ブロックB9)と、OCR処理(ブロックB2)とがその順番で実行される。ここで、例えば、画像を白黒に変換する処理は、「誤差拡散」の手法を用いるよりも、予め定められた閾値に基づき画像を白と黒の2色に変換する単純二値化の手法を用いた方がおすすめであるという支援情報がデータベースに記憶されていたとする。この場合、例えば、図12(B)に示すように、「二値化(誤差拡散)」と表記されたブロックB9から、「単純二値化」と表記されたブロックB10に変更することをおすすめすることを示す表示として、破線の枠W2で囲まれたブロックB10がユーザインターフェースに表示されるようにしてもよい。
【0065】
また、図示はしないが、支援情報として、ブロックに設定された詳細情報が、ユーザの操作で変更できる態様でユーザインターフェースに表示されるようにしてもよい。例えば、「単純二値化」と表記されたブロックの詳細情報として、二値化の閾値が設定されている場合には、この設定値をユーザの操作で変更できるようにしてもよい。さらに、1以上のブロックの組み合わせの配置に対応する閾値の推奨値が表示されるようにしてもよい。具体的には、例えば、「単純二値化」と表記されたブロックの下に、「OCRの実行」と表記されたブロックが配置されている場合には、二値化の閾値の推奨値として「100」が表示され、それ以外の場合は、二値化の閾値の推奨値として「80」が表示されるようにしてもよい。
【0066】
図13は、ユーザインターフェースに表示された支援情報のうち、組み合わされた1以上のブロックの各々に表記された処理の内容に基づく一連の処理の結果のサンプルとなる情報の具体例を示す図である。
上述の図11(B)や図12(B)に示すように、ユーザインターフェースには、支援情報として、複数種類のブロックの処理の前後関係を示す情報や、表記された処理の内容が類似するブロックへの変更を推奨するための情報が表示される。本実施の形態では、これらの支援情報に従ってブロックを組み合わせる操作を行った場合における一連の処理の結果のサンプルとなる情報がユーザインターフェースにさらに表示される。例えば、図13に示すような文書のサンプルがユーザインターフェースに表示される。
【0067】
(他の実施の形態)
以上、本実施の形態について説明したが、本発明は上述した本実施の形態に限るものではない。また、本発明による効果も、上述した本実施の形態に記載されたものに限定されない。例えば、図1に示す情報処理システム1の構成、および図2に示す管理サーバ10のハードウェア構成は、いずれも本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。また、図3に示す管理サーバ10の機能構成、図4に示す管理者端末30の機能構成、および図5に示すユーザ端末50の機能構成も例示に過ぎず、特に限定されない。上述した処理を全体として実行できる機能が図1の情報処理システム1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能構成を用いるかは図3乃至図5の例に限定されない。
【0068】
また、図6に示す管理サーバ10の処理のステップ、図7に示す管理者端末30の処理のステップ、図8に示すユーザ端末50の処理のステップの各々の順序も例示に過ぎず、特に限定されない。図示されたステップの順序に沿って時系列的に行われる処理だけではなく、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別的に行われてもよい。また、図9乃至図13に示す具体例も一例に過ぎず、特に限定されない。
【0069】
例えば、図9に示す複数種類のブロックの具体例では、10種類のブロックが選択できる態様でユーザインターフェースに表示されているが、これに限定されない。10種類に満たない数、または10種類を超える種類のブロックが選択できる態様でユーザインターフェースに表示されていてもよい。
【0070】
また、上述の実施の形態では、複数種類の処理の内容が各々に表記された複数種類のブロックを組み合わせる操作が行われるが、これに限定されない。1以上のブロックの各々に表記された処理の内容に基づく一連の処理が順番に実行されることがイメージできればよいので、例えば、複数種類のブロックを矢印等で繋ぐフローチャートを組み合わせる操作が行われてもよい。
【0071】
(付記)
(((1)))
1または複数のプロセッサを備え、
前記1または複数のプロセッサは、
複数種類の処理の内容が各々に表記された複数種類のブロックと、当該複数種類のブロックのうち1以上のブロックを組み合わせる操作を支援するための支援情報とを表示部に表示する制御を行い、
前記1以上のブロックを組み合わせる操作が行われると、組み合わされた当該1以上のブロックの各々に表記された前記処理の内容に基づく一連の処理を、予め定められた順番で実行する制御を行うことを特徴とする、
情報処理システム。
(((2)))
前記1または複数のプロセッサは、予め定義された、前記複数種類のブロックの処理の前後関係を示す情報を、データベースに記憶して管理することを特徴とする、
(((1)))に記載の情報処理システム。
(((3)))
前記1または複数のプロセッサは、前記支援情報として、予め定義された前記前後関係を示す情報を前記表示部に表示する制御を行うことを特徴とする、
(((2)))に記載の情報処理システム。
(((4)))
前記1または複数のプロセッサは、前記前後関係を示す情報として、ユーザが選択したブロックを組み合わせる位置として推奨する位置を示す情報を、前記表示部に表示する制御を行うことを特徴とする、
(((2)))または(((3)))に記載の情報処理システム。
(((5)))
前記1または複数のプロセッサは、予め定義された、前記複数種類のブロックの処理の類似関係を示す情報を、データベースにさらに記憶して管理することを特徴とする、
(((2)))乃至(((4)))のいずれかに記載の情報処理システム。
(((6)))
前記1または複数のプロセッサは、前記支援情報として、予め定義された前記類似関係を示す情報を前記表示部に表示する制御を行うことを特徴とする、
(((5)))に記載の情報処理システム。
(((7)))
前記1または複数のプロセッサは、前記類似関係を示す情報として、ユーザが選択したブロックとは異なるブロックであって、表記された処理の内容が類似するものへの変更を推奨するための情報を、前記表示部に表示する制御を行うことを特徴とする、
(((5)))および(((6)))に記載の情報処理システム。
(((8)))
前記1または複数のプロセッサは、前記1以上のブロックの組み合わせごとに、前記一連の処理の結果のサンプルとなる情報を、データベースに記憶して管理することを特徴とする、
(((1)))乃至(((7)))のいずれかに記載の情報処理システム。
(((9)))
前記1または複数のプロセッサは、
前記1以上のブロックが組み合わされた場合における前記一連の処理の結果のサンプルとなる情報を、前記データベースに記憶された前記サンプルとなる情報から抽出し、
抽出した情報を、前記支援情報として前記表示部に表示する制御を行うことを特徴とする、
(((8)))に記載の情報処理システム。
(((10)))
前記1または複数のプロセッサは、前記複数種類の処理の内容が、電子文書の処理の内容にかかるものである場合、前記一連の処理が実行された当該電子文書の出力結果のサンプルとなる情報を、前記支援情報として前記表示部に表示する制御を行うことを特徴とする、
(((8)))または(((9)))に記載の情報処理システム。
(((11)))
コンピュータに、
複数種類の処理の内容が各々に表記された複数種類のブロックと、当該複数種類のブロックのうち1以上のブロックを組み合わせる操作を支援するための支援情報とを表示部に表示する機能と、
前記1以上のブロックを組み合わせる操作が行われると、組み合わされた当該1以上のブロックの各々に表記された前記処理の内容に基づく一連の処理を、予め定められた順番で実行する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【0072】
(((1)))の本発明によれば、ノーコード開発プラットフォームを利用するユーザが、プログラミングに関する知識が乏しい場合であっても、処理フローを完成させる前に処理結果を知得し、意図する処理結果を得られるように処理のフローを改善できる情報処理システムを提供できる。
(((2)))の本発明によれば、複数種類のブロックの処理の前後関係が予め定義されているので、定義に基づく提案を行うことができる。
(((3)))の本発明によれば、複数種類のブロックの処理の前後関係を示す情報が表示部に表示されるので、プログラミングに関する知識が乏しい場合であっても、処理フローを完成させる前に処理結果を知得し、意図する処理結果を得られるように処理のフローを改善できる。
(((4)))の本発明によれば、ユーザが選択したブロックを組み合わせる位置として推奨する位置が示されるので、プログラミングに関する知識が乏しい場合であっても、処理フローを完成させる前に処理結果を知得し、意図する処理結果を得られるように処理のフローを改善できる。
(((5)))の本発明によれば、複数種類のブロックの処理の類似関係が予め定義されているので、定義に基づく提案を行うことができる。
(((6)))の本発明によれば、複数種類のブロックの処理の類似関係を示す情報が表示部に表示されるので、プログラミングに関する知識が乏しい場合であっても、処理フローを完成させる前に処理結果を知得し、意図する処理結果を得られるように処理のフローを改善できる。
(((7)))の本発明によれば、ユーザが選択したブロックとは異なるブロックであって、表記された処理の内容が類似するものが示されるので、プログラミングに関する知識が乏しい場合であっても、処理フローを完成させる前に処理結果を知得し、意図する処理結果を得られるように処理のフローを改善できる。
(((8)))の本発明によれば、1以上のブロックの組み合わせごとに、一連の処理の結果のサンプルとなる情報が予めデータベースに記憶されているので、ユーザにより組み合わされた1以上のブロックの一連の処理の結果のサンプルを出力できる。
(((9)))の本発明によれば、1以上のブロックが組み合わされた場合における一連の処理の結果のサンプルとなる情報が表示部に表示されるので、ユーザは、1以上のブロックを組み合わせる操作の途中であっても、一連の処理の結果をイメージできる。
(((10)))の本発明によれば、電子文書の処理の内容を示す1以上のブロックを組み合わせる操作が行われると、一連の処理の結果のサンプルとなる情報が表示部に表示されるので、ユーザは、1以上のブロックを組み合わせる操作の途中であっても、電子文書にかかる一連の処理の結果をイメージできる。
(((11)))の本発明によれば、ノーコード開発プラットフォームを利用するユーザが、プログラミングに関する知識が乏しい場合であっても、処理フローを完成させる前に処理結果を知得し、意図する処理結果を得られるように処理のフローを改善できるようにするプログラムを提供できる。
【符号の説明】
【0073】
1…情報処理システム、10…管理サーバ、11…制御部、30…管理者端末、50…ユーザ端末、90…ネットワーク、101…情報管理部、102…情報取得部、103…送信制御部、104…抽出部、105…実行制御部、301…情報取得部、302…送信制御部、303…表示制御部、501…情報取得部、502…送信制御部、503…表示制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13