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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044718
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】燃料電池システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20160101AFI20240326BHJP
   H01M 8/2475 20160101ALI20240326BHJP
   H01M 8/10 20160101ALN20240326BHJP
【FI】
H01M8/04 J
H01M8/2475
H01M8/10 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150432
(22)【出願日】2022-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】明本 斉
(72)【発明者】
【氏名】垣見 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】富本 尚也
(72)【発明者】
【氏名】立川 克之
(72)【発明者】
【氏名】中村 健
【テーマコード(参考)】
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5H126BB06
5H126FF10
5H127AA06
5H127AC02
5H127BA02
5H127BA22
5H127BA28
5H127BA33
5H127BA39
5H127BA57
5H127BA58
5H127BA59
5H127BB02
5H127BB12
5H127BB35
5H127BB37
5H127BB39
5H127BB40
5H127CC07
5H127EE02
5H127EE03
5H127EE29
(57)【要約】
【課題】供給流路への排ガスの流入を抑制する。
【解決手段】燃料電池システム10は、燃料電池スタック21と、酸素ガスを含む気体を燃料電池スタック21に供給する供給流路34と、燃料電池スタック21から排ガスが排出される排出流路37と、を有する燃料電池ユニット11を備える。燃料電池システム10は、密閉されていない第1収容空間S1が内部に形成され、第1収容空間S1に燃料電池ユニット11を収容する第1筐体12と、密閉されていない第2収容空間S2が内部に形成され、第2収容空間S2に第1筐体12を収容する第2筐体50と、を備える。供給流路34には、気体を供給流路34に流入させる流入口31が形成されている。排出流路37には、排ガスを排出流路37から流出させる流出口39が形成されている。流入口31及び流出口39のうち、一方は第1筐体12の内部に開口し、他方は第2筐体50の外部の大気中に開口する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸素ガスと燃料ガスとの反応によって発電を行う燃料電池スタックと、前記酸素ガスを含む気体を前記燃料電池スタックに供給する供給流路と、前記燃料電池スタックから排ガスが排出される排出流路と、を有する燃料電池ユニットを備える燃料電池システムであって、
密閉されていない第1収容空間が内部に形成され、前記第1収容空間に前記燃料電池ユニットを収容する第1筐体と、
密閉されていない第2収容空間が内部に形成され、前記第2収容空間に前記第1筐体を収容する第2筐体と、を備え、
前記供給流路には、前記気体を前記供給流路に流入させる流入口が形成され、
前記排出流路には、前記排ガスを前記排出流路から流出させる流出口が形成され、
前記流入口及び前記流出口のうち、一方は前記第1筐体の内部に開口し、他方は前記第2筐体の外部の大気中に開口することを特徴とする燃料電池システム。
【請求項2】
前記排出流路には、前記燃料電池スタックの内部に開口し、前記燃料電池スタックの内部から前記排出流路に前記排ガスを排出させる排出口が形成され、
前記排出口と前記流出口との間の前記排出流路は、重力方向における前記流出口以上の位置にある請求項1に記載の燃料電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の燃料電池システムは、燃料電池スタックと、供給流路と、排出流路と、を有する燃料電池ユニットを備える。燃料電池スタックは、酸素ガスと燃料ガスとの反応によって発電を行う。供給流路は、酸素ガスを含む気体を燃料電池スタックに供給する。排出流路には、燃料電池スタックから排ガスが排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-73309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
供給流路から燃料電池スタックに供給された気体から酸素ガスが燃料電池スタックにて消費される。そのため、酸素ガスが燃料電池スタックにて消費された分だけ、排出流路から流出する排ガスの酸素濃度は低くなる。こうした排ガスが供給流路に流入すると、燃料電池スタックに供給される気体の酸素濃度が低下することにより燃料電池スタックの性能低下が生じるおそれがある。そのため、供給流路への排ガスの流入を抑制することが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する燃料電池システムは、酸素ガスと燃料ガスとの反応によって発電を行う燃料電池スタックと、前記酸素ガスを含む気体を前記燃料電池スタックに供給する供給流路と、前記燃料電池スタックから排ガスが排出される排出流路と、を有する燃料電池ユニットを備える燃料電池システムであって、密閉されていない第1収容空間が内部に形成され、前記第1収容空間に前記燃料電池ユニットを収容する第1筐体と、密閉されていない第2収容空間が内部に形成され、前記第2収容空間に前記第1筐体を収容する第2筐体と、を備え、前記供給流路には、前記気体を前記供給流路に流入させる流入口が形成され、前記排出流路には、前記排ガスを前記排出流路から流出させる流出口が形成され、前記流入口及び前記流出口のうち、一方は前記第1筐体の内部に開口し、他方は前記第2筐体の外部の大気中に開口することを特徴とする。
【0006】
上記構成によれば、流出口から流出する排ガスは、第2収容空間を経由する分だけ、流入口に至るまでにより希釈される。したがって、供給流路への排ガスの流入を抑制できる。
【0007】
燃料電池システムにおいて、前記排出流路には、前記燃料電池スタックの内部に開口し、前記燃料電池スタックの内部から前記排出流路に前記排ガスを排出させる排出口が形成され、前記排出口と前記流出口との間の前記排出流路は、重力方向における前記流出口以上の位置にあってもよい。
【0008】
上記構成によれば、燃料電池スタックでの発電によって生成される水が排ガスには含まれるが、この水が排出口から流出口に向かって排出流路を流れやすい。そのため、排出流路が水によって閉塞されにくくなるため、排出流路を閉塞する水によって排出流路を介した排ガスの流れが停滞することを抑制できる。したがって、流出口を介して排出流路から排ガスを好適に流出できる。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、供給流路への排ガスの流入を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】燃料電池システムを示す斜視図である。
図2】燃料電池システムを示す概略図である。
図3】第1実施形態の燃料電池システムを示す断面図である。
図4】第2実施形態の燃料電池システムを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1実施形態]
以下、燃料電池システムを具体化した第1実施形態を図面にしたがって説明する。
<燃料電池システム>
図1に示すように、燃料電池システム10は、燃料電池ユニット11と、第1筐体12と、第2筐体50と、を備えている。燃料電池システム10は、非常電源等に用いられる定置式である。本実施形態の燃料電池システム10は、屋外又は密閉されていない屋内に設置されている。燃料電池システム10の外壁は、第2筐体50によって構成されている。そのため、第2筐体50の外部は大気で満たされている。
【0012】
なお、図面では、燃料電池システム10が水平面上に置かれているものとして重力方向をZ軸で示し、水平面に沿う方向をX軸とY軸で示す。X軸、Y軸、及びZ軸は、互いに直交する。重力方向を以下では重力方向Zともいう。X軸の延びる方向を第1方向Xともいい、Y軸の延びる方向を第2方向Yともいう。
【0013】
図2に示すように、燃料電池システム10は、電力変換部92及び負荷91を有する。燃料電池ユニット11から電力変換部92に電力が入力される。電力変換部92は、燃料電池ユニット11から電力変換部92に入力された電力を変換して出力する。電力変換部92は、DC/DCコンバータ、及びインバータを含む。電力変換部92から出力された電力は負荷91に供給される。負荷91は、電力によって駆動する装置である。負荷91は、例えば、電力によって駆動する電動機である。電力変換部92から出力された電力が負荷91に供給されることにより、負荷91は駆動する。
【0014】
<第1筐体>
図1に示すように、第1筐体12は、第1上壁12bと、第1下壁12aと、第1側壁12cと、を備えている。第1側壁12cは、第1上壁12bと第1下壁12aとを繋ぐ筒状である。第1筐体12は、第1収容空間S1が内部に形成されている。第1収容空間S1は、第1上壁12b、第1下壁12a、及び第1側壁12cによって区画形成されている。第1筐体12は、第1収容空間S1に燃料電池ユニット11を収容する。
【0015】
第1下壁12aは、第1上壁12bよりも重力方向Zの下方に位置する。第1下壁12aと第1上壁12bとは重力方向Zにおいて対向する。第1側壁12cは、第1方向Xにおいて互いに対向する第1側壁部12d及び第2側壁部12eを備えている。
【0016】
第1側壁部12dには、第1通気口12fが形成されている。第1側壁部12dに形成される第1通気口12fの数は、1つであってもよいし、複数であってもよい。本実施形態の第1通気口12fは、第1側壁部12dに複数形成されている。第1通気口12fは、第1側壁部12dを貫通する貫通孔である。第1通気口12fを介して、第1筐体12の内外は連通されている。これにより、第1収容空間S1は密閉されていないものである。第1収容空間S1は、いわゆる半密閉空間である。第1上壁12bには、第1貫通孔12hが形成されている。
【0017】
<第2筐体>
第2筐体50は、第2上壁50bと、第2下壁50aと、第2側壁50cと、を備えている。第2側壁50cは、第2上壁50bと第2下壁50aとを繋ぐ筒状である。第2筐体50は、第2収容空間S2が内部に形成されている。第2収容空間S2は、第2上壁50b、第2下壁50a、及び第2側壁50cによって区画形成されている。第2筐体50は、第2収容空間S2に第1筐体12を収容する。
【0018】
第2下壁50aは、第2上壁50bよりも重力方向Zの下方に位置する。第2下壁50aと第2上壁50bとは重力方向Zにおいて対向する。第2下壁50aは、第1筐体12の第1下壁12aと対向している。第2上壁50bは、第1筐体12の第1上壁12bと対向している。第2側壁50cは、第1筐体12の第1側壁12cと対向している。
【0019】
図3に示すように、第2側壁50cには、第2通気口50fが形成されている。第2側壁50cに形成される第2通気口50fの数は1つであってもよいし、複数であってもよい。本実施形態の第2通気口50fは、第2側壁50cに1つ形成されている。第2通気口50fの少なくとも一部は、第1方向Xにおいて第1筐体12の第1通気口12fと対向している。第2通気口50fは、第2側壁50cを貫通する貫通孔である。第2通気口50fを介して、第2筐体50の内外は連通されている。これにより、第2収容空間S2は密閉されていないものである。第2収容空間S2は、いわゆる半密閉空間である。第2上壁50bには、第2貫通孔50hが形成されている。第2貫通孔50hは、重力方向Zにおいて第1筐体12の第1貫通孔12hと対向している。
【0020】
<燃料電池ユニット>
図2に示すように、燃料電池ユニット11は、カソード系30と、アノード系60と、冷却系70と、希釈器69と、制御部80と、を有する。燃料電池ユニット11は、燃料電池スタック21を有する。燃料電池スタック21は、例えば、固体高分子形燃料電池である。燃料電池スタック21は、複数の燃料電池セル22を備える。燃料電池セル22は、アノードガスが供給されるアノード極と、カソードガスが供給されるカソード極と、アノード極とカソード極との間に配置されている電解質膜と、を備える。燃料電池セル22は、セパレータによって挟まれている。
【0021】
カソード系30は、カソードガスが流れるカソード流路23を備える。カソード流路23は、例えば、燃料電池スタック21におけるカソード極に向かい合うセパレータに設けられている。
【0022】
アノード系60は、アノードガスが流れるアノード流路26を備える。アノード流路26は、例えば、燃料電池スタック21におけるアノード極に向かい合うセパレータに設けられている。アノード流路26は、アノード導入口27と、アノード排出口28と、を備える。アノードガスは、アノード導入口27からアノード流路26に流入し、アノード排出口28からアノード流路26外に流出する。
【0023】
アノード流路26を流れるアノードガスと、カソード流路23を流れるカソードガスと、が反応することにより、燃料電池スタック21は発電を行う。カソードガスは、酸素ガスである。アノードガスは、燃料ガスである。したがって、燃料電池スタック21は、酸素ガスと燃料ガスとの反応によって発電を行う。燃料ガスとしては、例えば、水素ガスを挙げることができる。
【0024】
アノード系60は、タンク61と、アノードガス供給部62と、供給路63と、循環路64と、気液分離器65と、循環ポンプ66と、排気排水弁67と、を備える。
タンク61は、アノードガスを貯留している。アノードガス供給部62には、タンク61からアノードガスが供給される。アノードガス供給部62は、燃料電池スタック21に供給されるアノードガスの量を調整するための部材である。燃料電池スタック21に供給されるアノードガスの量は、アノードガス供給部62を制御することで調整可能である。アノードガス供給部62としては、例えば、インジェクタなどの電磁弁を用いることができる。
【0025】
供給路63は、アノードガス供給部62とアノード導入口27とを接続している。アノードガス供給部62から噴射されたアノードガスは、供給路63を通じて燃料電池スタック21に供給される。
【0026】
循環路64は、アノード排出口28と供給路63とを接続している。循環路64には、アノード排ガスが流れる。アノード排ガスは、未反応のアノードガスと、生成水と、を含む。生成水とは、燃料電池スタック21での発電によって生成される水である。循環路64は、アノード排ガスに含まれる未反応のアノードガスを供給路63に戻すための通路である。
【0027】
気液分離器65は、循環路64に設けられている。気液分離器65は、アノード排ガスをアノードガスと生成水とに分離する。アノード排ガスから分離された生成水は、気液分離器65に貯留される。
【0028】
循環ポンプ66は、循環路64に設けられている。循環ポンプ66は、気液分離器65によってアノード排ガスから分離されたアノードガスを供給路63に供給する。これにより、アノードガスが循環する。
【0029】
排気排水弁67は、気液分離器65に接続されている。排気排水弁67は、開状態と閉状態に切り替えられる。排気排水弁67が開状態になると、気液分離器65から生成水が排出される。排気排水弁67は、気液分離器65に貯留される生成水の量が閾値を上回った場合に閉状態から開状態に切り替えられてもよい。排気排水弁67は、所定の時間間隔毎に閉状態から開状態に切り替えられてもよい。
【0030】
気液分離器65は、希釈器69に接続されている。排気排水弁67が開状態になると、気液分離器65に貯留された生成水及びアノード排ガスが希釈器69に供給される。
カソード系30は、供給流路34、及び排出流路37を備える。言い換えると、燃料電池ユニット11は、供給流路34、及び排出流路37を有する。カソード系30は、電動圧縮機32と、インタークーラ33と、封止弁40と、調圧弁41と、を備える。
【0031】
供給流路34には流入口31が形成されている。流入口31は、例えば供給流路34の上流端に位置する。流入口31は、酸素ガスを含む気体G1を供給流路34に流入させるものである。なお、気体G1は例えば空気である。流入口31にはエアクリーナ31aが設けられている。エアクリーナ31aは、流入口31から供給流路34に流入する気体G1から異物を除去可能である。
【0032】
電動圧縮機32は、電動モータによって駆動する。電動圧縮機32は、燃料電池スタック21に気体G1を供給する。詳細には、電動圧縮機32は、流入口31から供給流路34に流入された気体G1を圧縮して燃料電池スタック21に供給する。これにより、供給流路34は、酸素ガスを含む気体G1を燃料電池スタック21に供給する。電動圧縮機32から燃料電池スタック21に供給された気体G1は、カソード流路23を流れる。
【0033】
インタークーラ33には、電動圧縮機32から吐出された気体G1が供給される。インタークーラ33は、電動圧縮機32から供給された気体G1を冷却する。インタークーラ33によって冷却された後の気体G1が燃料電池スタック21に供給される。
【0034】
供給流路34には、カソード導入口24が形成されている。カソード導入口24は、例えば、供給流路34の下流端に位置する。カソード導入口24は、燃料電池スタック21の内部に開口する。カソード導入口24を介して、供給流路34とカソード流路23とが接続されている。カソード導入口24を介して、供給流路34からカソード流路23に気体G1が流出する。
【0035】
供給流路34は、第1供給流路35と、第2供給流路36と、を含む。第1供給流路35は、流入口31、電動圧縮機32、及びインタークーラ33を接続している。第2供給流路36は、インタークーラ33とカソード流路23とを接続している。
【0036】
排出流路37には、排出口としてのカソード排出口25が形成されている。カソード排出口25は、例えば、排出流路37の上流端に位置する。カソード排出口25は、燃料電池スタック21の内部に開口する。カソード排出口25を介して、排出流路37とカソード流路23とが接続されている。カソード排出口25を介して、カソード流路23から排出流路37に排ガスG2が流入する。すなわち、カソード排出口25は、燃料電池スタック21の内部から排出流路37に排ガスG2を排出させるものである。排出流路37には、燃料電池スタック21から排ガスG2が排出される。排出流路37は、排ガスG2が流れる通路である。
【0037】
排ガスG2は、燃料電池スタック21から排出されるカソードガスであって、生成水を含んだカソードガスである。供給流路34から燃料電池スタック21に供給された気体G1に含まれる酸素ガスの一部が燃料電池スタック21の発電に消費される。これにより、燃料電池スタック21から排出流路37に排出される排ガスG2の酸素濃度は、気体G1の酸素濃度よりも低い。
【0038】
希釈器69は、排出流路37に設けられる。これにより、排出流路37は、カソード流路23と希釈器69とを接続している。排ガスG2は、排出流路37から希釈器69に排出される。希釈器69は、気液分離器65から供給されたアノード排ガスを排ガスG2によって希釈して排出する。
【0039】
排出流路37には流出口39が形成されている。流出口39は、排出流路37のうち、希釈器69よりも下流側に位置する。流出口39は、例えば排出流路37の下流端に位置する。流出口39は、排ガスG2を排出流路37から流出させるものである。流出口39からは、希釈器69にて排ガスG2によって希釈されたアノード排ガスも排出される。
【0040】
封止弁40は、供給流路34に設けられている。本実施形態の封止弁40は、第2供給流路36に設けられている。封止弁40は、第1供給流路35に設けられていてもよい。封止弁40は、例えば供給流路34を封止するバタフライ弁である。封止弁40は、開状態と閉状態とに切り替えられる。封止弁40が開状態になると、供給流路34を介してカソード流路23に気体G1が供給される。
【0041】
調圧弁41は、排出流路37に設けられている。調圧弁41は、例えばバタフライ弁である。調圧弁41の開度が調整されることにより、燃料電池スタック21の内圧が調整される。調圧弁41の開度が小さいほど、燃料電池スタック21の内圧が高まる。封止弁40及び調圧弁41が全閉にされると、カソード流路23が封止される。
【0042】
冷却系70は、冷媒循環路71と、熱交換器72と、ファン73と、冷媒ポンプ74と、を備える。冷媒循環路71は、燃料電池スタック21と熱交換器72とを接続している。冷媒ポンプ74は、冷媒循環路71に冷媒を循環させる。冷媒としては、例えば、水、不凍液、又は空気が用いられる。冷媒ポンプ74は、電動モータによって駆動する。
【0043】
熱交換器72は、例えば、ラジエータである。熱交換器72は、外気と冷媒との間で熱交換を行ってもよい。ファン73は、電動モータによって回転する。ファン73は、熱交換器72に隣接するとともに、熱交換器72に向けて送風を行う。ファン73からの送風によって、熱交換器72の内部の冷媒の冷却効率が高められる。熱交換器72で冷却された冷媒が冷媒循環路71によって燃料電池スタック21に供給されることで、燃料電池スタック21は冷却される。
【0044】
図3に示すように、熱交換器72は、第1筐体12の第2側壁部12eに配置されている。ファン73は第1筐体12の内部に配置されている。熱交換器72は、燃料電池スタック21の側方に配置されている。
【0045】
図2に示すように、制御部80は、プロセッサ81と、記憶部82と、を備える。記憶部82は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を含む。記憶部82は、処理をプロセッサ81に実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。記憶部82、即ち、コンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。制御部80は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェア回路によって構成されていてもよい。処理回路である制御部80は、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、ASICやFPGA等の1つ以上のハードウェア回路、或いは、それらの組み合わせを含み得る。
【0046】
制御部80は、燃料電池システム10の制御を行う。例えば、制御部80は、燃料電池スタック21の出力電力[kW]を制御する。燃料電池スタック21の出力電力は、燃料電池スタック21に供給されるカソードガスの量と、燃料電池スタック21に供給されるアノードガスの量と、によって変化する。燃料電池スタック21の出力電力は、燃料電池スタック21の発電電力である。制御部80は、アノードガス供給部62を制御することで、燃料電池スタック21へのアノードガスの供給量を制御する。制御部80は、電動圧縮機32を制御することで、燃料電池スタック21へのカソードガスの供給量を制御する。
【0047】
制御部80は、例えば、封止弁40及び調圧弁41の開度を制御するとともに、ファン73の回転を制御する。制御部80は、アノードガスの供給、及びカソードガスの供給を停止することによって燃料電池スタック21の発電を停止する。制御部80は、アノード流路26を封止することによって、アノードガスの供給を停止する。アノード流路26の封止は、排気排水弁67を閉状態に維持することで行われる。制御部80は、カソード流路23を封止することによって、カソードガスの供給を停止する。カソード流路23の封止は、封止弁40及び調圧弁41を閉状態に維持することで行われる。
【0048】
制御部80は、アノードガスの供給、及びカソードガスの供給を行うことによって燃料電池スタック21の発電を行う。カソードガスの供給が行われる際、制御部80は、封止弁40を開状態に維持するとともに、調圧弁41の開度を調整する。
【0049】
<供給流路及び排出流路の配置>
図3に示すように、流入口31及び流出口39のうち、一方は第1筐体12の内部に開口し、他方は第2筐体50の外部の大気中に開口する。本実施形態では、流出口39が第1筐体12の内部に開口し、流入口31が第2筐体50の外部の大気中に開口している。
【0050】
供給流路34のうち、電動圧縮機32とカソード導入口24との間の部分は、第1筐体12の内部に位置する。供給流路34のうち、流入口31と電動圧縮機32との間の部分は、例えば、第1筐体12の内部から第2筐体50の外部に向けて重力方向Zに延びている。供給流路34のうち、流入口31と電動圧縮機32との間の部分は、第1筐体12の第1貫通孔12h及び第2筐体50の第2貫通孔50hに挿通されている。供給流路34のうち、流入口31を含む一部は、第2筐体50の第2貫通孔50hから第2筐体50の外部に露出している。第2筐体50の外部は大気で満たされているため、流入口31が第2筐体50の外部に位置することで流入口31は大気中に開口している。
【0051】
排出流路37の全体が第1筐体12の内部に位置する。排出流路37のうち、カソード排出口25と調圧弁41との間の部分は、例えば、カソード排出口25から調圧弁41に向けて重力方向Zの下方に延びている。排出流路37のうち、調圧弁41と流出口39との間の部分は、調圧弁41から流出口39に向けて第1方向Xに延びている。したがって、カソード排出口25と流出口39との間の排出流路37は、重力方向Zにおける流出口39以上の位置にある。詳細には、カソード排出口25と調圧弁41との間の部分は、重力方向Zにおける流出口39以上の位置にある。排出流路37のうち、調圧弁41と流出口39との間の部分は、重力方向Zにおける流出口39と同位置にある。流出口39は、第1筐体12の第2側壁部12eに向けて開口している。
【0052】
<気体と排ガスの流れ>
ファン73が回転することにより、第1筐体12の外部から第1通気口12fを介して第1筐体12の内部に酸素ガスを含む気体G1が吸入される。ファン73の回転に伴って第1筐体12の内部に吸入される気体G1は、第2筐体50の内部にあって、かつ第1筐体12の外部にあるものである。第1筐体12の内部には、第1通気口12fからファン73に向かう気体G1の流れWが発生する。本実施形態の流れWは、第1筐体12の内部で第1方向Xに向かうものである。
【0053】
ファン73の回転に伴って、第2筐体50の外部から第2通気口50fを介して第2筐体50の内部に気体G1が吸入される。この気体G1が第1通気口12fを介して第1筐体12の内部に吸入される。したがって、ファン73の回転に伴って、第2筐体50の外部から第2筐体50の内部に気体G1が流れるとともに、第2筐体50の内部から第1筐体12の内部に気体G1が流れる。
【0054】
なお、熱交換器72は第1筐体12の第2側壁部12eに配置されているとともに、ファン73は第1筐体12の内部において熱交換器72に隣接して位置する。流出口39は、第1筐体12の第2側壁部12eに向けて開口している。そのため、流出口39から流出する排ガスG2は、ファン73の回転に伴って第1筐体12の内部に生じる気体G1の流れWによって、第1筐体12の内部で攪拌されやすい。排ガスG2は、第1筐体12の第1収容空間S1にて気体G1と混合されることによって希釈される。こうして希釈された排ガスG2は、ファン73の回転に伴って、第1通気口12fを介して第1筐体12の内部から第2筐体50の内部に排出される。排ガスG2は、第2筐体50の第2収容空間S2にて気体G1と混合されることによってさらに希釈される。こうして希釈された排ガスG2は、ファン73の回転に伴って、第2通気口50fを介して第2筐体50の内部から第2筐体50の外部に排出される。したがって、ファン73の回転に伴って、第1筐体12の内部にて希釈された排ガスG2が第2筐体50の内部に流れるとともに、第2筐体50の内部にて希釈された排ガスG2が第2筐体50の外部に流れる。
【0055】
[第1実施形態の作用]
次に、第1実施形態での作用について説明する。
供給流路34から燃料電池スタック21に供給された気体G1から酸素ガスが燃料電池スタック21にて消費される。そのため、流出口39を介して排出流路37から流出する排ガスG2の酸素濃度は、流入口31から流入する気体G1の酸素濃度よりも低くなる。
【0056】
流入口31及び流出口39のうち、一方は第1筐体12の内部に開口し、他方は第2筐体50の外部の大気中に開口している。そのため、流出口39及び流入口31が開口する第1収容空間S1と第2筐体50の外部との間に、第2収容空間S2が位置する。流出口39から流出する排ガスG2は、流入口31に至るまでに、第1収容空間S1及び第2筐体50の外部に加えて、第2収容空間S2を経由する。そのため、第2収容空間S2を経由する分だけ、排ガスG2は流入口31に至るまでにより希釈される。したがって、排ガスG2が流入口31から供給流路34に流入しにくい。
【0057】
[第1実施形態の効果]
第1実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)流入口31及び流出口39のうち、一方は第1筐体12の内部に開口し、他方は第2筐体50の外部の大気中に開口する。そのため、流出口39から流出する排ガスG2は、第2収容空間S2を経由する分だけ、流入口31に至るまでにより希釈される。したがって、供給流路34への排ガスG2の流入を抑制できる。
【0058】
(2)排出流路37には、燃料電池スタック21の内部に開口し、燃料電池スタック21の内部から排出流路37に排ガスG2を排出させるカソード排出口25が形成されている。カソード排出口25と流出口39との間の排出流路37は、重力方向Zにおける流出口39以上の位置にある。燃料電池スタック21での発電によって生成される水が排ガスG2には含まれるが、この水がカソード排出口25から流出口39に向かって排出流路37を流れやすい。そのため、排出流路37が水によって閉塞されにくくなるため、排出流路37を閉塞する水によって排出流路37を介した排ガスG2の流れが停滞することを抑制できる。したがって、流出口39を介して排出流路37から排ガスG2を好適に流出できる。
【0059】
[第2実施形態]
以下、燃料電池システムを具体化した第2実施形態を図面にしたがって説明する。本実施形態では、供給流路34及び排出流路37の配置が第1実施形態とは異なっている。こうした第1実施形態との相違点を中心に以下では説明する。第1実施形態と同じ構成については説明を適宜省略する。
【0060】
図4に示すように、本実施形態の第1貫通孔12hは、第1筐体12の第2側壁部12eに形成されている。本実施形態の第2貫通孔50hは、第2側壁50cのうち、第1方向Xにおいて第1筐体12の第1貫通孔12hと対向する位置に形成されている。第1実施形態と同様に、流入口31及び流出口39のうち、一方は第1筐体12の内部に開口し、他方は第2筐体50の外部の大気中に開口する。本実施形態では、流入口31が第1筐体12の内部に開口し、流出口39が第2筐体50の外部の大気中に開口している。
【0061】
供給流路34の全体が第1筐体12の内部に位置する。流入口31は、重力方向Zにおいて第1下壁12aよりも第1上壁12bに近い位置にある。流入口31は、第1側壁部12dに向かって開口している。第1筐体12の第1通気口12fと流入口31とは、第1方向Xにおいて互いに対向していない。第1側壁部12dへの第1通気口12fの形成位置と、流入口31の位置とは、重力方向Zに互いにずれている。
【0062】
排出流路37のうち、カソード排出口25と調圧弁41との間の部分は、例えば、カソード排出口25から調圧弁41に向けて重力方向Zの下方に延びている。排出流路37のうち、調圧弁41と流出口39との間の部分は、調圧弁41から流出口39に向けて第1方向Xに延びている。したがって、本実施形態においても、カソード排出口25と流出口39との間の排出流路37は、重力方向Zにおける流出口39以上の位置にある。
【0063】
カソード排出口25と希釈器69との間の部分は、第1筐体12の内部に位置する。排出流路37のうち、希釈器69と流出口39との間の部分は、例えば、第1筐体12の内部から第2筐体50の外部に向けて第1方向Xに延びている。排出流路37のうち、希釈器69と流出口39との間の部分は、第1筐体12の第1貫通孔12h及び第2筐体50の第2貫通孔50hに挿通されている。排出流路37のうち、流出口39を含む一部は、第2筐体50の第2貫通孔50hから第2筐体50の外部に露出している。第2筐体50の外部は大気で満たされているため、流出口39が第2筐体50の外部に位置することで流出口39は大気中に開口している。
【0064】
ファン73の回転に伴って、第2筐体50の外部から第2筐体50の内部に気体G1が流れるとともに、第2筐体50の内部から第1筐体12の内部に気体G1が流れる。第1筐体12の内部の気体G1が、流入口31から供給流路34に流入する。
【0065】
排ガスG2は、排出流路37から流出口39を介して第2筐体50の外部に流出する。これにより、排ガスG2は、大気中に排出される。
第2実施形態によれば第1実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0066】
[変更例]
実施形態は、以下のように変更して実施することができる。実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0067】
○ 第2実施形態において、第1上壁12bの少なくとも一部を第1筐体12から取り外し可能とするとともに、第2上壁50bの少なくとも一部を第2筐体50から取り外し可能としてもよい。この場合、第1筐体12及び第2筐体50の上方に開口部を設けることができるため、この開口部を介して作業者がエアクリーナ31aのメンテナンスを行うことができる。なお、流入口31は、重力方向Zにおいて第1下壁12aよりも第1上壁12bに近い位置にある。そのため、上記の開口部を介してエアクリーナ31aのメンテナンスを行う際に、第1筐体12及び第2筐体50の内部を立ったまま無理のない姿勢で上方から覗き込むことができ、作業者が作業を行える。また、仮に、流入口31が重力方向Zにおいて第1上壁12bよりも第1下壁12aに近い位置にある場合には、例えば第1側壁12c及び第2側壁50cに設けたメンテナンス用の開口を介してエアクリーナ31aのメンテナンスを行うことが考えられる。こうした場合と比較して、上記の開口部を介してエアクリーナ31aのメンテナンスを行う場合では、作業者がかがんだ無理な姿勢で作業しなくて済む。したがって、エアクリーナ31aのメンテナンスにおける作業効率を向上させることができる。
【0068】
○ 第2実施形態において、流入口31は、重力方向Zにおいて第1上壁12bよりも第1下壁12aに近い位置にあってもよい。
○ エアクリーナ31aは、流入口31以外の供給流路34の部分に設けられてもよい。供給流路34からエアクリーナ31aを省略してもよい。
【0069】
○ 第1実施形態において、流出口39は、第2側壁部12e以外の第1筐体12の部分に向けて開口してもよい。流出口39はファン73に向けて開口してもよい。
○ 第1実施形態において、第1貫通孔12hは、第1上壁12b以外の第1筐体12の部分に形成してもよい。第2貫通孔50hは、第2上壁50b以外の第2筐体50の部分に形成してもよい。この場合、第2貫通孔50hの形成位置に応じて、第2筐体50から露出する流入口31の位置を変更できる。
【0070】
○ 第2実施形態において、流入口31は、第1側壁部12d以外の第1筐体12の部分に向けて開口してもよい。流入口31はファン73に向けて開口してもよい。
○ 第2実施形態において、第1貫通孔12hは、第2側壁部12e以外の第1筐体12の部分に形成してもよい。第2貫通孔50hは、第2側壁50c以外の第2筐体50の部分に形成してもよい。この場合、第2貫通孔50hの形成位置に応じて、第2筐体50から露出する流出口39の位置を変更できる。
【0071】
○ 第1実施形態において、排出流路37の一部が第1筐体12の内部に配置され、その他の排出流路37の部分が第1筐体12の外部に配置されてもよい。この場合も、流出口39は、第1筐体12の内部に開口する。
【0072】
○ 第2実施形態において、供給流路34の一部が第1筐体12の内部に配置され、その他の供給流路34の部分が第1筐体12の外部に配置されてもよい。この場合も、流入口31は、第1筐体12の内部に開口する。
【0073】
○ カソード排出口25と流出口39との間の排出流路37の全体が、重力方向Zにおいて流出口39と同じ高さに位置してもよい。要するに、カソード排出口25と流出口39との間の排出流路37は、重力方向Zにおける流出口39以上の位置にあればよい。
【0074】
○ カソード排出口25と流出口39との間の排出流路37のうち、少なくとも一部は、重力方向Zにおける流出口39より下方に位置してもよい。
○ ファン73が第1筐体12の内部に発生させる気体G1の流れWは、第1方向Xとは反対方向に流れるものであってもよいし、第1方向Xと第1方向Xとは反対方向との両方向とも異なる方向に流れるものであってもよい。この場合、ファン73と第1通気口12fとの位置関係を調整することにより、第1筐体12の内部に発生する気体G1の流れWの方向を調整してもよい。
【0075】
○ 燃料電池システム10での熱交換器72の設置位置は、第1筐体12の第2側壁部12eに限らない。例えば、熱交換器72は、第1筐体12の第2側壁部12e以外の部分に設置されてもよいし、第2筐体50に設置されてもよい。これらの場合、熱交換器72の設置位置に応じて、ファン73の設置位置を変更してもよい。
【0076】
○ 燃料電池システム10からファン73を省略してもよい。
○ 第2筐体50は、第2上壁50bと、第2下壁50aと、第2側壁50cと、を備える形状に限らない。要するに、第2収容空間S2が第2筐体50の内部に形成され、かつ第2収容空間S2に第1筐体12を収容可能な形状であれば、第2筐体50の形状を変更可能である。
【0077】
○ 第2通気口50fは、第2側壁50c以外の第2筐体50の部分に形成されてもよい。
○ 第2通気口50fを第2筐体50から省略してもよい。この場合、第2上壁50bと、第2下壁50aと、第2側壁50cと、のうちの一部の壁部同士の間に隙間を設けるなど、第2通気口50fにかわって第2収容空間S2の内外を連通させる構造を第2筐体50に設けてもよい。これによって、第2収容空間S2は密閉されていないものとなる。
【0078】
○ 第1筐体12は、第1上壁12bと、第1下壁12aと、第1側壁12cと、を備える形状に限らない。要するに、第1収容空間S1が第1筐体12の内部に形成され、かつ第1収容空間S1に燃料電池ユニット11を収容可能な形状であれば、第1筐体12の形状を変更可能である。
【0079】
○ 第1通気口12fを第1筐体12から省略してもよい。この場合、第1上壁12bと、第1下壁12aと、第1側壁12cと、のうちの一部の壁部同士の間に隙間を設けるなど、第1通気口12fにかわって第1収容空間S1の内外を連通させる構造を第1筐体12に設けてもよい。これによって、第1収容空間S1は密閉されていないものとなる。
【0080】
○ 燃料電池システム10は、密閉された屋内に配置されてもよい。この場合、流入口31及び流出口39のうち、一方は第1筐体12の内部に開口し、他方は屋外にて開口することによって第2筐体50の外部の大気中に開口する。
【0081】
○ 燃料電池システム10は、フォークリフトに搭載されていてもよい。燃料電池システム10は、フォークリフト以外の産業車両に適用してもよい。さらに、燃料電池システム10は、産業車両以外の車両、例えば乗用車、バス、トラック等に適用してもよい。なお、これらに第2実施形態における燃料電池システム10を採用する場合、流出口39から流出する水を貯留する貯留タンクを燃料電池システム10に搭載し、貯留タンクに貯留された水を作業者が定期的に除去する作業を行うことが好ましい。これによれば、流出口39から流出した水が、燃料電池システム10が搭載されたフォークリフト、産業車両、及び車両から走行路に滴ることが抑制できる。
【符号の説明】
【0082】
G1…気体、G2…排ガス、S1…第1収容空間、S2…第2収容空間、Z…重力方向、10…燃料電池システム、11…燃料電池ユニット、12…第1筐体、21…燃料電池スタック、25…(排出口としての)カソード排出口、31…流入口、34…供給流路、37…排出流路、39…流出口、50…第2筐体。
図1
図2
図3
図4