(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044745
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20240326BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20240326BHJP
G06V 20/56 20220101ALI20240326BHJP
G08B 21/24 20060101ALI20240326BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20240326BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20240326BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20240326BHJP
G16Y 40/60 20200101ALI20240326BHJP
G08B 21/00 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
G08G1/16 A
G06T7/00 650B
G06V20/56
G08B21/24
G08B25/00 510M
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/60
G08B21/00 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150478
(22)【出願日】2022-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】糠野 友彦
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
5H181
5L096
【Fターム(参考)】
5C086AA22
5C086BA22
5C086CA25
5C086CA28
5C086CB36
5C086FA18
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA25
5C087BB18
5C087BB73
5C087DD14
5C087EE18
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087GG02
5C087GG08
5C087GG66
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC04
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF33
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL07
5H181LL08
5H181LL15
5H181MC19
5H181MC27
5L096AA06
5L096BA02
5L096BA04
5L096CA04
5L096DA01
5L096DA03
5L096KA04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】実環境に則した動物衝突注意の喚起を行う情報処理装置、情報処理システムおよび情報処理方法を提供する。
【解決手段】情報処理システム100において、情報処理装置1は、記憶部12と、情報処理部11と、を備える。記憶部12は、動物の出現頻度が高い注意エリアを示す動物出現マップ13を記憶する。情報処理部11は、車載カメラ102によって撮像された画像から画像認識される動物に関する動物情報と、画像が撮像された日時および場所と、を含む画像情報に基づいて、記憶部12に記憶された動物出現マップ13における注意エリアを更新する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物の出現頻度が高い注意エリアを示す動物出現マップを記憶する記憶部と、
車載カメラによって撮像された画像から画像認識される動物に関する動物情報と、前記画像が撮像された日時および場所を含む撮像情報とが対応付けられた画像情報に基づいて、前記記憶部に記憶された前記動物出現マップにおける前記注意エリアを更新する情報処理部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記情報処理部は、
前記動物出現マップにおける前記注意エリアに、前記動物情報および前記撮像情報を対応付けて前記動物出現マップを更新する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記動物出現マップに基づく通知条件が成立する場合に、前記車載カメラが搭載された車両のユーザに対して動物の出現状況を通知する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記通知条件は、
前記画像情報に基づく時期に前記注意エリアを前記車両が走行する場合に成立する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報処理部は、
前記画像情報に基づいて、前記通知条件を更新する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記情報処理部は、
更新した前記動物出現マップを車載ディスプレイに表示させる
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
車載カメラによって撮像された画像から動物を画像認識し、画像認識した動物に関する動物情報と、前記画像が撮像された日時および場所を含む画像情報とを対応付けた画像情報をセンタ装置に送信する車載機と、
動物の出現頻度が高い注意エリアを示す動物出現マップを記憶し、
前記車載機から受信する前記画像情報に基づいて、前記動物出現マップにおける前記注意エリアを更新するセンタ装置と
を含む情報処理システム。
【請求項8】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
動物の出現頻度が高い注意エリアを示す動物出現マップを記憶し、
車載カメラによって撮像された画像から画像認識される動物に関する動物情報と、前記画像が撮像された日時および場所を含む撮像情報とが対応付けられた画像情報に基づいて、前記動物出現マップにおける前記注意エリアを更新する
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
山間部や田園地帯などの道路に動物が飛び出してくる恐れがあるエリアの道路脇には、動物に対する注意を喚起するために動物警戒標識が設置される。
【0003】
また、車両カメラで撮影された動物警戒標識に描かれた動物種類から、車両のユーザに通知すべき動物の種類を絞り込むことによって動物の画像認識処理を高速化し、動物を画像認識した場合に注意喚起を行う技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、道路に動物が出現する頻度が高いエリアは、動物警戒標識が設置されて以降に、季節、降水量、および気温の変化や、農作物荒らしの対策などによって環境が変化するため、時間の経過と共に動物の出現状況が変化する。このため、動物警戒標識だけでは実環境に則した動物衝突注意の喚起を行うことができない。
【0006】
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、実環境に則した動物衝突注意の喚起を行うことができる情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の一態様に係る情報処理装置は、記憶部と、情報処理部とを備える。記憶部は、動物の出現頻度が高い注意エリアを示す動物出現マップを記憶する。情報処理部は、車載カメラによって撮像された画像から画像認識される動物に関する動物情報と、前記画像が撮像された日時および場所を含む撮像情報とが対応付けられた画像情報に基づいて、前記記憶部に記憶された前記動物出現マップにおける前記注意エリアを更新する。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様に係る情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法は、実環境に則した動物衝突注意の喚起を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態の対比例に係る動物出現マップの説明図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る動物出現マップの説明図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る情報処理方法の概要を示すタイミングチャートである。
【
図4】
図4は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る車載機の情報処理部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、実施形態に係るセンタ装置の情報処理部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施形態に係る車載機の情報処理部が実行する処理の変形例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施形態に係るセンタ装置の情報処理部が実行する処理の変形例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
[1.動物出現マップ]
まず、動物出現マップについて説明する。
図1は、実施形態の対比例に係る動物出現マップM1の説明図である。
図2は、実施形態に係る動物出現マップM2の説明図である。
【0012】
山間部や田園地帯などでは、道路に動物が飛び出してくる恐れがあり、動物と車両との衝突事故が発生することもある。
【0013】
このため、例えば、
図1に示すように、道路に動物が飛び出してくる恐れがある注意エリアE1を車両101が走行する場合に、動物警戒標識Cの設置場所と注意エリアE1とを示す動物出現マップM1を車載の表示装置に表示させる車載機がある。
【0014】
しかしながら、道路に動物が出現する頻度が高いエリアは、動物警戒標識が設置されて以降に、季節、降水量、および気温の変化や、農作物荒らしの対策などによって環境が変化する。
【0015】
このため、例えば、
図1に示すように、注意エリアE1では2012年以前に、動物の出現が3件発生していたが、2012年以降では、動物の出現が発生なしになり、注意エリアE1とは異なるエリアE2で2012年以降に動物の出現が頻発することがある。
【0016】
図1に示す例では、エリアE2において、2012年以降に、動物の出現が3件発生しており、4月~6月に動物の発生が集中している。このように、対比例に係る動物出現マップM1は、直近の動物出現状況を反映したものでないため、実環境に則した動物衝突注意の喚起を行うことができない。
【0017】
そこで、実施形態に係る情報処理装置は、例えば、対比例に係る動物出現マップM1などの動物の出現頻度が高い注意エリアを示す既存の動物出現マップを記憶させておく。さらに、実施形態に係る情報処理装置は、車両101に搭載される車載カメラによって撮像される車両周辺の画像を取得する。
【0018】
そして、実施形態に係る情報処理装置は、取得した画像から画像認識される動物に関する動物情報と、画像が撮像された日時および場所を含む撮像情報とが対応付けられた画像情報に基づいて、動物出現マップM1における注意エリアを更新する。
【0019】
つまり、実施形態に係る情報処理装置は、順次取得する画像に基づいて、例えば、最近動物の出現が確認されなくなった注意エリアE1を動物出現マップM1から削除する。そして、実施形態に係る情報処理装置は、最近頻繁に動物の出現が確認されるようになったエリアE2を動物出現マップM1に追加して更新する。
【0020】
これにより、実施形態に係る情報処理装置は、実環境に則した動物衝突注意の喚起を行うことができるようになる。
【0021】
例えば、
図2に示すように、実施形態に係る情報処理装置は、最近頻繁に動物が出現するエリアE2を車両101が走行する場合に、動物警戒標識Cと共に、動物に対する注意が必要なエリアE2を示すように更新した動物出現マップM2を表示装置に表示させる。
【0022】
このとき、実施形態に係る情報処理装置は、例えば、動物出現マップM2上のエリアE2の位置に、「近年、鹿の飛び出しが多く確認されています。運転に注意してください。」という注意喚起のテキストを表示させる。
【0023】
このとき、実施形態に係る情報処理装置は、注意喚起の音声メッセージを出力させるように構成されてもよい。これにより、実施形態に係る情報処理装置は、より詳細な動物衝突注意の喚起を行うことができる。
【0024】
[2.情報処理方法の概要]
次に、
図3を参照して、実施形態に係る情報処理方法の概要について説明する。
図3は、実施形態に係る情報処理方法の概要を示すタイミングチャートである。以下では、実施形態に係る情報処理装置が複数の車載機1と無線通信可能なセンタ装置2である場合について説明する。
【0025】
図3に示すように、実施形態に係る情報処理方法では、センタ装置2は、まず、既存の動物出現マップを記憶する(ステップS1)。その後、車載機1は、車載カメラ102から車両101の周辺が撮像された画像を取得する(ステップS2)。
【0026】
続いて、車載機1は、取得した画像から動物を画像認識する(ステップS3)。そして、車載機1は、画像認識によって動物を検知した場合に、検知した動物に関する動物情報と、画像が撮像された場所および時間を含む撮像情報とを対応付けた画像情報をセンタ装置2に送信する(ステップS4)。
【0027】
動物情報には、検知された動物の名称または動物の種類などの情報が含まれる。撮像情報には、画像が撮像された日時および場所を示す情報に加えて、画像が撮像された大まかなエリアの位置、画像が撮像された大まかな時期、例えば、朝、昼、夕方、夜、春、夏、秋、および冬などを示す情報を含む。撮像情報には、車載カメラ102から取得された画像が含まれてもよい。
【0028】
なお、車載機1は、動物を検知しない場合にも、画像情報をセンタ装置2に送信することもできる。この場合、動物情報として、動物を検知しなかったことを示す情報が含まれる。撮像情報には、画像と、画像が撮像された日時および場所を示す情報が含まれる。
【0029】
センタ装置2は、車載機1から画像情報を受信すると、動物出現マップにおける注意エリアに、動物情報および撮像情報を対応付けて動物出現マップを更新する(ステップS5)。これにより、センタ装置2は、実環境に則した動物出現マップを生成することができる。
【0030】
続いて、センタ装置2は、更新された動物出現マップに基づいて、通知条件を更新する(ステップS6)。通知条件は、動物が出現する頻度の高い注意エリアと、動物が出現する頻度が高い時期を含む。センタ装置2は、更新した動物出現マップに対応付けた撮像情報に基づいて、注意エリアおよび動物が出現する頻度の高い時期を更新する。通知条件は、画像情報に基づく時期に注意エリアを車両101が走行する場合に成立する条件である。
【0031】
センタ装置2は、更新した動物出現マップと、更新した通知条件とを含む更新情報を車載機1に送信する(ステップS7)。その後、車載機1は、受信した更新情報に含まれる通知条件が成立する場合(ステップS8)に、車両101のユーザに対して動物の出現状況を通知する(ステップS9)。
【0032】
例えば、センタ装置2は、注意エリアを車両101が走行する場合に、注意エリアで最近出没した動物の種類、動物の出現件数、および動物の出現時期などを含む動物の出現状況をユーザに通知する。
【0033】
このように、センタ装置2は、随時更新される最新の通知条件が成立した場合に、車両101のユーザに動物の出現状況を通知することによって、実環境に則した動物衝突注意の喚起を行うことができる。
【0034】
また、通知条件は、車載機1から送信される画像情報に基づく時期に、車両101が注意エリアを走行する場合に成立するので、車載機1は、現状において動物が出現する頻度が高い時期および場所で動物衝突注意の喚起を行うことができる。
【0035】
また、センタ装置2は、車載機1から随時送信される画像情報に基づいて通知条件を更新するので、画像情報を受信する度に、最新の通知条件を車載機1に提供することができる。なお、ここでは、車載機1が常時、車載カメラ102から画像を取得する場合について説明したが、車載機1は、センタ装置2から撮像指示を受信した場合に、車載カメラ102から画像を取得することもできる。かかる処理については、
図7および
図8を参照して後述する。
【0036】
[3.情報処理システムの構成]
次に、
図4を参照して、実施形態に係る情報処理システム100の構成について説明する。
図4は、実施形態に係る情報処理システム100の構成例を示すブロック図である。
【0037】
図4に示すように、情報処理システム100は、複数の車両101にそれぞれ搭載される車載機1と、センタ装置2とを含む。各車載機1とセンタ装置2とは、例えば、インターネットなどの通信ネットワークNを介して、相互に無線通信可能に接続される。
【0038】
車載機1は、車載カメラ102と、表示装置103とに接続される。車載カメラ102は、例えば、車両101の周囲を撮像するイメージセンサである。表示装置103は、社室内に設けられて、各種情報および画像を表示可能な液晶ディスプレイである。車載機1または表示装置103は、音声を出力する図示しないスピーカを備える。なお、車載機1または表示装置103は、カーナビゲーション装置であってもよい。
【0039】
車載機1は、情報処理部11と、記憶部12とを備える。記憶部12は、例えば、データフラッシュ等の情報記憶デバイスであり、前述した動物出現マップ13と、通知条件14と、画像情報15とを記憶する。
【0040】
情報処理部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。情報処理部11は、CPUがROMに記憶されたプログラムを、RAMを作業領域として使用して実行することにより車載機1の動作を制御する。
【0041】
なお、情報処理部11は、一部または全部がASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成されてもよい。
【0042】
情報処理部11は、GPS(Global Positioning System)によって車両101の位置を測位する機能を備える。情報処理部11は、表示装置103がカーナビゲーション装置である場合、表示装置103から車両101の位置を取得することもできる。
【0043】
情報処理部11は、車載カメラ102から車両101の周囲が撮像された画像を取得する。情報処理部11は、取得した画像から画像に写る動物を画像認識して検出する。情報処理部11は、例えば、パターンマッチングによって動物を画像認識する。情報処理部11は、例えば、動物を画像認識するために機械学習されたAI(Artificial Intelligence)モデルによって動物を画像認識するように構成されてもよい。
【0044】
情報処理部11は、画像認識した動物に関する動物情報と、画像が撮像された日時および場所を含む撮像情報とを対応付けて画像情報15を生成し、画像情報15を記憶部12に記憶させる。画像情報15は、車載カメラ102によって撮像された車両101の周囲の画像そのものを含んでもよい。
【0045】
そして、情報処理部11は、画像情報15をセンタ装置2に送信する。情報処理部11は、例えば、車両101のIG(イグニッションスイッチ)がオフされた場合に、画像情報15をセンタ装置2に送信する。
【0046】
情報処理部11は、センタ装置2との通信状態が良好な場合に、画像情報15をセンタ装置2に送信することもできる。情報処理部11は、車載カメラ102から画像を取得する毎に、画像情報15をセンタ装置2に送信することもできる。また、情報処理部11は、センタ装置2から撮像指示を受信した場合に、車載カメラ102から画像を取得することもできる。
【0047】
情報処理部11は、通知条件14が成立した場合に、動物の出現状況を表示装置103によって車両101のユーザに通知する。通知条件14は、例えば、車両101が動物の出現する頻度の高い注意エリアを、動物の出現頻度の高い時期に走行する場合に成立する。
【0048】
つまり、情報処理部11は、車両101が動物の出現する頻度の高い注意エリアを、動物の出現頻度の高い時期に走行する場合に、走行中の注意エリアにおける最近の動物の出現状況を画像および音声によってユーザに通知する。
【0049】
また、情報処理部11は、センタ装置2によって更新される動物出現マップ23および通知条件24を含む更新情報を受信する場合に、更新情報に基づいて、記憶部12に記憶されている動物出現マップ13および通知条件24を更新する。
【0050】
センタ装置2は、情報処理部21と、記憶部22とを備える。記憶部22は、例えば、データフラッシュ等の情報記憶デバイスであり、前述した動物出現マップ23と、通知条件24と、画像情報25とを記憶する。
【0051】
情報処理部21は、CPU、ROM、RAMなどを有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。情報処理部11は、CPUがROMに記憶されたプログラムを、RAMを作業領域として使用して実行することによりセンタ装置2の動作を制御する。
【0052】
なお、情報処理部21は、一部または全部がASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成されてもよい。
【0053】
情報処理部21は、予め既存の動物出現マップ23を記憶部22に記憶させる。情報処理部21は、車載機1から画像情報15を受信すると、画像情報15を記憶部22に記憶された画像情報25に追加して記憶させる。
【0054】
また、情報処理部21は、受信する画像情報15に含まれる動物情報および撮像情報に基づいて、動物出現マップ23および通知条件24を更新する。情報処理部21は、動物出現マップ23に動物情報と撮像情報とを対応付けることによって、動物出現マップ23を更新する。
【0055】
例えば、情報処理部21は、これまで動物の出現が発生しなかったエリアで動物の出現が頻発する場合、その時期のそのエリアを注意エリアとして動物出現マップ23に追加する。
【0056】
また、情報処理部21は、これまで動物の出現が頻発していたエリアで動物の出現が発生しなくなった場合には、その時期のそのエリアを動物出現マップ23における注意エリアから除外する。
【0057】
そして、情報処理部21は、更新した動物出現マップ23における注意エリアを車両101が動物の出現が頻発する時期に走行する場合に成立する通知条件24を更新する。そして、情報処理部21は、更新した動物出現マップ23と通知条件24とを含む更新情報を車載機1に送信する。以下、実施形態に係る車載機1およびセンタ装置2が実行する処理について具体的に説明する。
【0058】
[4.車載機およびセンタ装置が実行する処理]
図5は、実施形態に係る車載機1の情報処理部11が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図6は、実施形態に係るセンタ装置2の情報処理部21が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0059】
車載機1の情報処理部11は、車両101のIGがオンされると、
図5に示す処理を実行する。具体的には、情報処理部11は、車両101のIGがオンされると、まず、記憶部12に記憶されている動物出現マップ13を表示装置103に表示させる(ステップS101)。
【0060】
続いて、情報処理部11は、車載カメラ102から撮像された画像を取得し(ステップS102)、画像認識処理を行って画像から動物を画像認識したか否かを判定する(ステップS103)。情報処理部11は、動物を画像認識しないと判定した場合(ステップS103,No)、処理をステップS105へ移す。
【0061】
また、情報処理部11は、動物を画像認識したと判定した場合(ステップS103,Yes)、画像認識した動物の種類を示す動物情報と、画像が撮像された日時を含む撮像情報とを対応付けた画像情報15を記憶部12に記憶させる(ステップS104)。
【0062】
なお、動物情報は、動物の名称を含んでもよい。また、画像情報15は、画像が撮像された大まかな時間帯、例えば、朝、昼、夕方、または、夜や、画像が撮像された大まかな時期、例えば、春、夏、秋、または、冬などの情報を含んでもよい。
【0063】
その後、情報処理部11は、センタ装置2から更新情報を受信したか否かを判定する(ステップS105)。更新情報は、例えば、更新された動物出現マップ23および更新された通知条件24を含む。
【0064】
情報処理部11は、更新情報を受信しないと判定した場合(ステップS105,No)、処理をステップS107へ移す。また、情報処理部11は、更新情報を受信したと判定した場合(ステップS105,Yes)、更新情報に基づいて、記憶部12に記憶されている動物出現マップ13および通知条件14を更新する(ステップS106)。
【0065】
その後、情報処理部11は、通知条件14が成立したか否かを判定する(ステップS107)。情報処理部11は、通知条件14に含まれる時間帯に注意エリアを車両101が走行する場合に、通知条件14が成立したと判定する。
【0066】
情報処理部11は、通知条件14が成立していないと判定した場合(ステップS107,No)、処理をステップS109へ移す。また、情報処理部11は、通知条件14が成立したと判定した場合(ステップS107,Yes)、動物出現マップ13に対応付けられた動物の出現状況を表示装置103に表示させて、車両101のユーザに通知する(ステップS108)。情報処理部11は、表示装置103がスピーカを備える場合、音声によって動物の出現状況を通知するように構成されてもよい。
【0067】
その後、情報処理部11は、IGがオフされたか否かを判定する(ステップS109)。情報処理部11は、IGがオフされていないと判定した場合(ステップS109,No)、処理をステップS101へ移す。また、情報処理部11は、IGがオフされたと判定した場合(ステップS109,Yes)、動物情報と撮像情報とを対応付けた画像情報15を記憶部12から読み出して、センタ装置2に送信し(ステップS110)、処理を終了する。
【0068】
一方、センタ装置2の情報処理部21は、起動されると、
図6に示す処理を繰り返し実行する。具体的には、
図6に示すように、情報処理部21は、起動されると、まず、車載機1から画像情報15を受信したか否かを判定する(ステップS201)。
【0069】
情報処理部21は、画像情報15を受信しないと判定した場合(ステップS201,No)、今回の処理を終了する。情報処理部21は、画像情報15を受信したと判定した場合(ステップS201,Yes)、受信した画像情報15を記憶部22に記憶している画像情報25に追加して記憶する(ステップS202)。
【0070】
続いて、情報処理部21は、受信した画像情報15に基づいて、動物出現マップ23における注意エリアを更新し(ステップS203)、通知条件24を更新する(ステップS204)。そして、情報処理部21は、更新情報を車載機1に送信して(ステップS205)、今回の処理を終了する。
【0071】
[5.車載機およびセンタ装置が実行する処理の変形例]
次に、
図7および
図8を参照して、実施形態に係る車載機1およびセンタ装置2が実行する処理の変形例について説明する。
【0072】
図7は、実施形態に係る車載機1の情報処理部11が実行する処理の変形例を示すフローチャートである。
図8は、実施形態に係るセンタ装置2の情報処理部21が実行する処理の変形例を示すフローチャートである。
【0073】
図5および
図6に示す処理では、車載機1が車載カメラ102から常時画像を取得して動物を画像認識し、画像情報15をセンタ装置2に送信し、センタ装置2が画像情報15に基づいて、動物出現マップ23を更新したが、これは一例である。
【0074】
情報処理システム100では、車載機1がセンタ装置2から撮像指示を受信した場合に、車載カメラ102から画像を取得してセンタ装置2に送信し、センタ装置2が画像から動物を画像認識して、動物出現マップ23を更新することもできる。
【0075】
この場合、
図7に示すように、車載機1の情報処理部11は、IGがオンされると、まず、車両101が走行中の走行エリアをセンタ装置2に送信し、記憶部12に記憶されている動物出現マップ13を表示装置103に表示させる(ステップS301)。
【0076】
続いて、情報処理部11は、センタ装置2から撮像指示を受信したか否かを判定する(ステップS302)。情報処理部11は、撮像指示を受信しないと判定した場合(ステップS302,No)、処理をステップS305へ移す。
【0077】
情報処理部11は、撮像指示を受信したと判定した場合(ステップS302,Yes)、車載カメラ102から画像を取得する(ステップS303)。そして、情報処理部11は、画像と、画像が撮像された日時および場所を含む撮像情報とを対応付けた画像情報15を記憶部12に記憶させる(ステップS304)。
【0078】
続いて、情報処理部11は、センタ装置2から更新情報を受信したか否かを判定する(ステップS305)。情報処理部11は、更新情報を受信しないと判定した場合(ステップS305,No)、処理をステップS307へ移す。また、情報処理部11は、更新情報を受信したと判定した場合(ステップS305,Yes)、動物出現マップ13および通知条件14を更新する(ステップS306)。
【0079】
続いて、情報処理部11は、通知条件14が成立したか否かを判定する(ステップS307)。情報処理部11は、通知条件14が成立していないと判定した場合(ステップS307,No)、処理をステップS309へ移す。
【0080】
また、情報処理部11は、通知条件14が成立したと判定した場合(ステップS307,Yes)、動物出現マップ13に対応付けられた動物の出現状況を表示装置103に表示させて、車両101のユーザに通知する(ステップS308)。情報処理部11は、表示装置103がスピーカを備える場合、音声によって動物の出現状況を通知するように構成されてもよい。
【0081】
その後、情報処理部11は、IGがオフされたか否かを判定する(ステップS309)。情報処理部11は、IGがオフされていないと判定した場合(ステップS309,No)、処理をステップS301へ移す。
【0082】
また、情報処理部11は、IGがオフされたと判定した場合(ステップS309,Yes)、画像と撮像情報とを対応付けた画像情報15をセンタ装置2に送信して(ステップS310)、処理を終了する。
【0083】
一方、センタ装置2の情報処理部21は、起動されると、
図8に示す処理を繰り返し実行する。具体的には、
図8に示すように、情報処理部21は、起動されると、まず、車載機1から走行エリアを受信したか否かを判定する(ステップS401)。
【0084】
情報処理部21は、走行エリアを受信しないと判定した場合(ステップS401,No)、処理をステップS404へ移す。また、情報処理部21は、走行エリアを受信したと判定した場合(ステップS401,Yes)、受信した走行エリアが調査エリアか否かを判定する(ステップS402)。
【0085】
情報処理部21は、走行エリアが調査エリアでないと判定した場合(ステップS402,No)、処理をステップS404へ移す。また、情報処理部21は、走行エリアが調査エリアであると判定した場合(ステップS402,Yes)、車載機1に撮像指示を送信する(ステップS403)。
【0086】
続いて、情報処理部21は、画像情報15を受信したか否かを判定する(ステップS404)。情報処理部21は、画像情報15を受信しないと判定した場合(ステップS404,No)、今回の処理を終了する。
【0087】
また、情報処理部21は、画像情報15を受信したと判定した場合(ステップS404,Yes)、受信した画像情報15を記憶部12に記憶されている画像情報25に追加して記憶させる(ステップS405)。そして、情報処理部21は、画像から動物を画像認識したか否かを判定する(ステップS406)。
【0088】
情報処理部21は、動物を画像認識しないと判定した場合(ステップS406,No)、今回の処理を終了する。また、情報処理部21は、動物を画像認識したと判定した場合(ステップS406,Yes)、受信した画像情報15と動物の画像認識結果とに基づいて、動物出現マップ23における注意エリアを更新する(ステップS407)。
【0089】
続いて、情報処理部21は、画像情報25に基づいて、通知条件24を更新する(ステップS408)。そして、情報処理部21は、更新情報を車載機1に送信して(ステップS409)、今回の処理を終了する。
【0090】
上記した実施形態では、車載機1とセンタ装置2とが協働して、動物出現マップ13,23を更新したが、本実施形態によれば、複数の車両101に搭載される車載機1同士を連携させることによって、動物出現マップ13を更新することも可能である。
【0091】
この場合、例えば、
図5に示す車載機1の情報処理部11が実行する処理のうち、ステップS105における更新情報の送信元を他の車載機1とし、ステップS110における画像情報15の送信先を他の車載機1とすればよい。これにより、各車載機1は、他の車載機1と連携することにより、実環境に応じて動物出現マップ13を更新することができる。
【0092】
[6.付記]
付記として、本発明の特徴を以下の通り示す。
(1)
動物の出現頻度が高い注意エリアを示す動物出現マップを記憶する記憶部と、
車載カメラによって撮像された画像から画像認識される動物に関する動物情報と、前記画像が撮像された日時および場所を含む撮像情報とが対応付けられた画像情報に基づいて、前記記憶部に記憶された前記動物出現マップにおける前記注意エリアを更新する情報処理部と
を備える情報処理装置。
(2)
前記情報処理部は、
前記動物出現マップにおける前記注意エリアに、前記動物情報および前記撮像情報を対応付けて前記動物出現マップを更新する
前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記動物出現マップに基づく通知条件が成立する場合に、前記車載カメラが搭載された車両のユーザに対して動物の出現状況を通知する
前記(1)または(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記通知条件は、
前記画像情報に基づく時期に前記注意エリアを前記車両が走行する場合に成立する
前記(3)に記載の情報処理装置。
(5)
前記情報処理部は、
前記画像情報に基づいて、前記通知条件を更新する
前記(3)または(4)に記載の情報処理装置。
(6)
前記情報処理部は、
更新した前記動物出現マップを車載ディスプレイに表示させる
前記(1)~(5)のいずれか一つに記載の情報処理装置。
(7)
車載カメラによって撮像された画像から動物を画像認識し、画像認識した動物に関する動物情報と、前記画像が撮像された日時および場所を含む画像情報とを対応付けた画像情報をセンタ装置に送信する車載機と、
動物の出現頻度が高い注意エリアを示す動物出現マップを記憶し、
前記車載機から受信する前記画像情報に基づいて、前記動物出現マップにおける前記注意エリアを更新するセンタ装置と
を含む情報処理システム。
(8)
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
動物の出現頻度が高い注意エリアを示す動物出現マップを記憶し、
車載カメラによって撮像された画像から画像認識される動物に関する動物情報と、前記画像が撮像された日時および場所を含む撮像情報とが対応付けられた画像情報に基づいて、前記動物出現マップにおける前記注意エリアを更新する
情報処理方法。
【0093】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0094】
1 車載機
2 センタ装置
11 情報処理部
12 記憶部
13 動物出現マップ
14 通知条件
15 画像情報
21 情報処理部
22 記憶部
23 動物出現マップ
24 通知条件
25 画像情報
100 情報処理システム
101 車両
102 車載カメラ
103 表示装置
C 動物警戒標識
E1 注意エリア
E2 エリア
M1,M2 動物出現マップ
N 通信ネットワーク