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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004476
(43)【公開日】2024-01-16
(54)【発明の名称】カップ付き衣類
(51)【国際特許分類】
   A41C 3/08 20060101AFI20240109BHJP
【FI】
A41C3/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023101555
(22)【出願日】2023-06-21
(31)【優先権主張番号】P 2022103724
(32)【優先日】2022-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】304062638
【氏名又は名称】株式会社マッシュスタイルラボ
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(74)【代理人】
【識別番号】100212510
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 翔
(72)【発明者】
【氏名】仲谷 陽子
(72)【発明者】
【氏名】細淵 和気
【テーマコード(参考)】
3B131
【Fターム(参考)】
3B131AA12
3B131BA33
3B131BB01
3B131CA02
(57)【要約】
【課題】布地で全体的な統一感を持たせて外観をより良く見せることが可能なカップ付き衣類を提供すること。
【解決手段】カップ付き衣類1は、第1端部8と第2端部9を有するよう1枚の布地7から形成され、且つ、装着者の胸部周囲に装着される胸部周囲装着体2と、胸部周囲装着体2の第1端部8と第2端部9を係止する装着体係止部3と、装着者のバストを覆うように胸部周囲装着体2に設けられるカップ部4と、胸部周囲装着体2に設けられてカップ部4の側部と第2端部9の間で長手方向に伸縮性を付与する伸縮性付与部5と、前述の他方の側部と第2端部9の間に設けられる複数のボーン6と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端部と第2端部を有するよう1枚の布地から形成され、且つ、装着者の胸部周囲に装着される胸部周囲装着体と、
前記第1端部と前記第2端部を係止する装着体係止部と、
前記装着者のバストを覆うカップ部であって、一方の側部と前記第1端部の間の長さよりも、他方の側部と前記第2端部の間の長さが長くなるように、前記胸部周囲装着体に配置されるカップ部と、
前記胸部周囲装着体に設けられて前記他方の側部と前記第2端部の間で長手方向に伸縮性を付与する伸縮性付与部と、
前記他方の側部と前記第2端部の間に設けられる複数のボーンと、
を備えるカップ付き衣類。
【請求項2】
前記胸部周囲装着体は、ストラップの着脱が可能な複数のストラップ着脱部を有する、
請求項1に記載のカップ付き衣類。
【請求項3】
前記胸部周囲装着体は、前記1枚の布地としてリブ編みで編まれた布地が用いられる、
請求項1又は2に記載のカップ付き衣類。
【請求項4】
前記カップ部の前記他方の側部と前記第2端部の間の短手方向の幅は、前記他方の側部における幅と前記第2端部における幅が最も広くなる、
請求項1に記載のカップ付き衣類。
【請求項5】
前記複数のボーンとして、前記他方の側部と前記第2端部に夫々隣接する長いボーンと、これら当該長いボーン間に配置される一又は複数の短いボーンとを有する、
請求項4に記載のカップ付き衣類。
【請求項6】
前記長いボーンは、前記短いボーンよりも硬く形成される、
請求項5に記載のカップ付き衣類。
【請求項7】
前記胸部周囲装着体には、前記胸部周囲装着体に対し別体の別体品が前記ストラップの着脱位置と異なる位置で着脱自在となる、別体品着脱部が設けられる、
請求項2に記載のカップ付き衣類。
【請求項8】
前記別体品着脱部は、一対のカップ部がある前身の下部に設けられる、
請求項7に記載のカップ付き衣類。
【請求項9】
前記別体品には、フリル又はレースの装飾部が設けられる、
請求項7又は8に記載のカップ付き衣類。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カップ付き衣類に関する。
【背景技術】
【0002】
カップ付き衣類として、例えば、下記特許文献1のブラジャーは、左右のカップ部と、このカップ部の下縁側を支持する土台部と、土台部の両脇から夫々伸びるバック部とを備えて構成される。カップ部は、所定のカップ部用布で形成される。また、土台部も所定の土台部用布で形成され、更にはバック部も所定のバック部用布で形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3876406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のブラジャーにあっては、このブラジャーを構成する各部分が異なる種類の布地を用いて形成されることから、布地で全体的な統一感を持たせて外観をより良く見せようとする点は考慮されていなかった。
【0005】
本発明は、布地で全体的な統一感を持たせて外観をより良く見せることが可能なカップ付き衣類を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の目的を達成するため、本発明の一態様のカップ付き衣類は、
第1端部と第2端部を有するよう1枚の布地から形成され、且つ、装着者の胸部周囲に装着される胸部周囲装着体と、
前記第1端部と前記第2端部を係止する装着体係止部と、
前記装着者のバストを覆うカップ部であって、一方の側部と前記第1端部の間の長さよりも、他方の側部と前記第2端部の間の長さが長くなるように、前記胸部周囲装着体に配置されるカップ部と、
前記胸部周囲装着体に設けられて前記他方の側部と前記第2端部の間で長手方向に伸縮性を付与する伸縮性付与部と、
前記他方の側部と前記第2端部の間に設けられる複数のボーンと、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、布地で全体的な統一感を持たせてカップ付き衣類の外観をより良く見せることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明のカップ付き衣類の一実施形態を示す正面図である。
図2図1のカップ付き衣類の背面図である。
図3図2の矢印Aで示す部分の拡大図である。
図4図1のカップ付き衣類を装着した時の図(装着体係止部が見える側の図)である。
図5図1のカップ付き衣類を装着した時の図である。
図6】ストラップ有りの変形例を示す図であり、(a)はカップ付き衣類の正面図、(b)はカップ付き衣類の背面図である。
図7】本発明の他の実施形態に係る図であり、(a)は別体品を取り付けた状態のカップ付き衣類の一例を示す正面図、(b)はカップ付き衣類の一例を示す正面図である。
図8】(a)は別体品を取り付けた状態のカップ付き衣類の装着状態を示す側面図、(b)は他の実施形態に係るカップ付き衣類の、ストラップ有りの変形例を示す背面図である。
図9】別体品着脱部の配置等の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<カップ付き衣類の構成について>
図1は、本発明のカップ付き衣類の一実施形態を示す正面図である。
先ず、カップ付き衣類の構成について説明する。
なお、図1の紙面垂直方向において、図1に示す状態で見える側をカップ付き衣類の「表」又は「表面」と呼ぶことにする。詳細には、後述する装着者が正規に装着した時に肌に触れない側をカップ付き衣類の「表」又は「表面」と呼ぶことにする。また、図1で見えない側(後述する図2で見える側)をカップ付き衣類の「裏」又は「裏面」と呼ぶことにする。詳細には、装着者が正規に装着した時に肌に触れる側をカップ付き衣類の「裏」又は「裏面」と呼ぶことにする。
【0010】
カップ付き衣類1としては、例えば、ブラジャーが挙げられる。ブラジャーは、図1の例の場合、ストラップレスのものである。なお、特にストラップレスに限定するものではないものとする。ストラップ有りの場合については、図6を参照しながら後述する。ブラジャーは、下着として衣服の内側で機能するものの他、ファッションとして使える「見せてもOKなブラジャー」も含まれる。
このようなカップ付き衣類1は、胸部周囲装着体2と、装着体係止部3と、カップ部4と、伸縮性付与部5と、複数のボーン6とを備えて構成される。
カップ付き衣類1は、以下の説明で分かるようになるが、布地7で全体的な統一感を持たせて外観をより良く見せることができるものとなる。
【0011】
次に、図1に加えて図2も参照しながら、カップ付き衣類1における前述の各構成の詳細について説明する。
図2は、図1のカップ付き衣類1の背面図(裏面が見える図)である。
【0012】
<胸部周囲装着体2について>
カップ付き衣類1を構成する胸部周囲装着体2は、1枚の布地7から所定形状に形成される。1枚の布地7としては、本一実施形態において、リブ編み7aで編まれた布地(生地)が挙げられる。リブ編み7aで編まれた布地7は、外観に優れるのは勿論のこと、伸縮性があって良好なフィット感が得られるという利点を有する。また、本一実施形態においては、縦に(上下に)リブが伸びるように用いることから、装着者U(図4参照)をスリムに見せる視覚効果が得られるという利点も有する。
なお、布地7はリブ編み7aに限定されないものとする。少なくともカップ付き衣類1の外観をより良く見せることができれば、他の布地(生地)であってもよいものとする。例えば、ベア天やパワーネット、2WAYトリコット、サテンネット、マイクロテンセル、ヘム等の「伸縮性のある生地」が挙げられるものとする。
【0013】
前述の所定形状とは、図1及び図2に示すような、装着者U(図4参照)の胸部周囲に装着可能となる形状である。詳細には、装着者Uの正面側に配置される前身2aと、この前身2aに連続して装着者Uの一方の脇、背中、及び他方の脇の位置に合わせて配置される後ろ身2bとを有する形状である。所定形状とは、胸部周囲装着体2自体が装着者Uの胸部を取り囲むような形状である。
前身2aは、装着者Uのバストに合わせた立体的な凸となる形状に形成される。前身2aの裏面側で上縁には、ストラップ着脱部2cが2つ設けられる。このストラップ着脱部2cは、ストラップの着脱を可能にする部分(ストラップタブ)であって、例えば、Zカンをひっかけることができる形状に形成される。
後ろ身2bは、装着者Uの一方の脇、背中、及び他方の脇にフィットする形状に形成される。後ろ身2bは、帯状に形成される(幅が異なる点については図3を参照しながら後述する)。後ろ身2bの裏面側で上縁には、前身2aと同様にストラップ着脱部2cが2つ設けられる。
胸部周囲装着体2は、前身2aと後ろ身2bとが図1及び図2に示すように途中で曲がった状態で連続する形状に形成される。胸部周囲装着体2は、前述の途中で曲がったり、装着者Uのバストに合わせた立体的な凸となったりする形状を含んで、前身2aと後ろ身2bの少なくとも表面が1枚の布地7(例えば、リブ編み7a)から形成される。
【0014】
胸部周囲装着体2は、この一端として第1端部8を有する。また、胸部周囲装着体2は、他端として第2端部9を有する。第1端部8と第2端部9は、装着者U(図4参照)の胸部周囲に装着される前の状態(図1及び図2に示す状態)において、胸部周囲装着体2の端として存在する部分になる。また、第1端部8と第2端部9は、装着者Uが胸部周囲に装着された後に、後述する装着体係止部3によって係止されると、連続する部分として存在する。
第1端部8は、前身2aに形成される。第1端部8は、カップ部4の後述する一方の側部4dの近くに配置される。一方、第2端部9は、後ろ身2bに形成される。第2端部9は、図1及び図2に示すように第1端部8から最も離れた位置に配置される。
【0015】
<装着体係止部3について>
図1及び図2において、装着体係止部3は、前身2aの裏面側で第1端部8に設けられる第1係止部3aと、後ろ身2bの表面側で第2端部9に設けられる第2係止部3bとを備えて構成される。装着体係止部3は、第1端部8と第2端部9を係止するために設けられる。
装着体係止部3は所謂ホックであって、例えば、第1係止部3aには所定間隔で4つの雄型ホックが設けられる。第2係止部3bには、例えば、4つの雄型ホックに対応するように4段3列の雌型ホックが設けられる。
なお、ここでは4段3列を01サイズと呼ぶものとする。サイズは、例えば、01サイズ、02サイズ、03サイズ、04サイズがあり、01サイズでは前述の通り4段3列、02サイズでは5段3列、03サイズでは同じく5段3列、04サイズでは6段3列となるように雌型ホックが設けられる(一例であり、ここではサイズ別で段が違っているものとする。段に応じて第1係止部3aの雄型ホックの数が変化するのは勿論である)。
装着体係止部3は、図1及び図2から分かるように、所謂サイドホックと呼ばれる位置に配置される(装着者U(図4参照)の脇に合わせて配置される)。
【0016】
<カップ部4について>
図2において、カップ部4は、装着者U(図4参照)のバストを覆う部分であって、2つのカップ4a、4aを有する。カップ部4は、装着体係止部3における前身2aの裏面に縫い付けられて一体化するように設けられる。
カップ部4の上縁4bは、装着者Uのバストの上部に沿うように、上向きに凸となる緩やかな湾曲形状に形成される。カップ部4の下縁4cは、装着者Uのバストの所謂バストフレームに沿うように、下向きに凸となる緩やかな湾曲形状に形成される。
カップ部4の一方の側部4dは、装着体係止部3の第1端部8の側に配置される。一方の側部4dには、下縁4cに向けて湾曲した形状のワイヤ部材4eが設けられる。なお、ワイヤ部材4eは、金属製に限らず樹脂製であってもよいものとする。
前身2aの裏面において、一方の側部4dと、第1端部8と、上縁4bと、下縁4cとで囲まれる範囲は、伸縮性を規制する布地10が縫い付けられる。この範囲は、リブ編み7aで編まれた布地7の伸縮性が後ろ身2bと比べて規制される。なお、カップ部4が縫い付けられた範囲も布地7の伸縮性が後ろ身2bと比べて規制される。
カップ部4の他方の側部4fは、装着体係止部3の第2端部9の側に配置される。別な言い方をすれば、他方の側部4fは、後ろ身2bの側に配置される。他方の側部4fには、下縁4cに向けて湾曲した形状のワイヤ部材4eが設けられる。前身2aの裏面において、他方の側部4fと、後述する長いボーン6aと、上縁4bと、下縁4cとで囲まれる範囲は、伸縮性を規制する布地10が縫い付けられる。
カップ部4は、一方の側部4dと前記第1端部8との間の長さよりも、他方の側部4fと第2端部9との間の長さが長くなるように、胸部周囲装着体2に配置される。
【0017】
<伸縮性付与部5について>
図2及び図3を参照しながら伸縮性付与部5について説明する。
図3は、図2の矢印Aで示す部分の拡大図である。即ち、胸部周囲装着体2における後ろ身2bの裏面側の拡大図である。
【0018】
伸縮性付与部5は、カップ部4の他方の側部4fと、装着体係止部3の第2端部9との間の胸部周囲装着体2における後ろ身2bに対し、長手方向D1に伸縮性を付与するために設けられる。伸縮性付与部5は、後ろ身2bを装着者U(図4参照)の一方の脇、背中、及び他方の脇にフィットさせるために設けられる。
伸縮性付与部5は、例えば、テープ状のゴムであって、後ろ身2bの裏面側において、この上縁及び下縁に夫々縫い付けられる。なお、後ろ身2bの下縁に設けられる伸縮性付与部5は、本一実施形態において、前身2aの下縁から第1端部8まで延長するように縫い付けられる(但し、前身2aの下縁から第1端部8まで延長した部分の伸縮性は規制されているものとする)。
【0019】
<後ろ身2bの幅について>
図3において、後ろ身2bの幅(短手方向D2に沿った幅)は、カップ部4の他方の側部4fに対し近傍となる部分の幅W1と、胸部周囲装着体2の第2端部9に対し近傍となる部分の幅W2と、中間部分の幅W3とで比較をすると、幅W3よりも幅W1や幅W2の方が広くなるように設定される。即ち、後ろ身2bは、この両端で幅が広く、中間では少し幅が狭くなるように形成される。
後ろ身2bは、一定の幅で形成されてもよいが、本一実施形態のように中間で少し幅が狭くなるように形成した方がデザイン性の面で優れる場合もあるので、幅は適宜設定することができるものとする。
後ろ身2bは、伸縮性付与部5により伸縮性を付与された状態で、装着者U(図4参照)のバストを理想の位置に安定させるように機能する。
【0020】
<複数のボーン6について>
図3において、後ろ身2bの裏面側には、ボーン6が複数設けられる。本一実施形態では、4つ設けられる。4つのボーン6のうち、2つは長いボーン6a、6aであり、残り2つは短いボーン6b、6bである(短いボーン6bは、長いボーン6aよりも若干短く形成される)。4つのボーン6は、後ろ身2bの形状を安定させるために(例えば、装着時におけるしわの発生を防止すために)設けられる。
長いボーン6a、6aと、短いボーン6b、6bは、夫々、棒状に形成される。長いボーン6a、6aは、短いボーン6b、6bよりも硬く形成される。なお、硬さに関しては、長いボーン6aと短いボーン6bとの双方で材質を変えたり、太さや幅を変えたりすることで対応可能である。硬さを変えることで、後ろ身2bの形状を安定させつつ、フィット感を高めることができる。
長いボーン6a、6aを硬くすることで、装着体係止部3による第1端部8と第2端部9との係止状態を安定させることができる。また、長いボーン6a、6aを硬くすることで、バストの脇流れをせき止めるという機能を持たせることができる。
長いボーン6a、6aは、後ろ身2bにおいて、カップ部4の他方の側部4fと、第2端部9とに夫々隣接するように設けられる。短いボーン6b、6bは、長いボーン6a、6aの間に配置される。具体的には、短いボーン6b、6bはストラップ着脱部2c、2cの位置に合わせて配置される。長いボーン6a、6aと、短いボーン6b、6bは、夫々、短手方向D2に沿って伸びるように設けられる。
本一実施形態において、他方の側部4fに隣接する長いボーン6aと、これに近い短いボーン6bとの間隔は、第2端部9に隣接する長いボーン6aと、これに近い短いボーン6bとの間隔よりも短くなるように設定される。言い換えれば、後ろ身2bの形状安定性を考慮して長いボーン6a、6aと、短いボーン6b、6bが配置される。
【0021】
<カップ付き衣類1を装着することによる効果について>
図4及び図5は、図1のカップ付き衣類1を装着した時の図である。
具体的には、図4は装着体係止部3の側から見た図であり、図5図4の反対側から見た図である。
【0022】
カップ付き衣類1は、胸部周囲装着体2が装着者Uの胸部周囲に装着されることから、1枚の布地7で全体的な統一感を持たせて外観をより良く見せることができる。また、カップ付き衣類1は、所謂サイドホックとなる位置に係止構造(装着体係止部3)を有することから、この係止構造を装着者Uの一方の脇の位置において腕で隠すことができる。即ち、背中をすっきりと見せることができる(外観をより良く見せることができる)。また、カップ付き衣類1は、前述の係止構造が装着者Uの一方の脇に位置することから、背中での係止に比べ係止し易くすることができる。即ち、良好な装着性を提供することができる。また、カップ付き衣類1は、後ろ身2bの裏面側に伸縮性付与部5が設けられて伸縮性が付与されることから、後ろ身2bを装着者Uの両脇から背中にかけてフィットさせることができる。また、伸縮性付与部5により伸縮性が付与されることから、前身2aが引き寄せられて装着者Uのバストにカップ部4をフィットさせることができる。即ち、伸縮性付与部5により、フィット感を持たせることができる。また、カップ付き衣類1は、4つのボーン6を有することから、後ろ身2bの形状安定性を確保することができる。即ち、外観をより良く見せることができる。また、4つのボーン6により、後ろ身2bの形状安定性を確保することで、後ろ身2bを装着者Uの両脇から背中にかけてフィットさせることができる。
【0023】
<変形例について>
図6は、ストラップ有りの変形例を示す図であり、(a)はカップ付き衣類1の正面図、(b)はカップ付き衣類1の背面図である。
【0024】
カップ付き衣類1は、ストラップレスで装着することに限らず、ストラップ11が有る状態で装着することも可能である。
ストラップ11の両端には、特に符号を付さないが、ストラップ着脱部2cに引っかかるZカンが設けられる。
【0025】
<他の実施形態について>
図7は、本発明の他の実施形態に係る図であり、(a)は別体品を取り付けた状態のカップ付き衣類の一例を示す正面図、(b)はカップ付き衣類の一例を示す正面図である。
【0026】
別体品着脱式カップ付き衣類は、カップ付き衣類と、着脱式の別体品とを備えて構成される。本実施形態では、着脱式の別体品をカップ付き衣類に対し取り付けたものが別体品着脱式カップ付き衣類となる。
別体品着脱式カップ付き衣類、及びカップ付き衣類としては、例えば、ブラジャーが挙げられる(他の例については後述する)。ブラジャーは、図1に示す例の場合、ストラップレスのものになる(特に限定されないものとする。なお、ストラップ有りの場合については、図8を参照しながら後述する)。
ブラジャーは、下着として衣服の内側で機能するものの他、ファッションとして使える「見せてもOKなブラジャー」も含まれる。
本実施形態では、前述の「別体品」を「フリルストラップ103」と呼ぶことにする。また、前述の「別体品着脱式カップ付き衣類」を「フリルストラップブラジャー101」と呼ぶことにする。また、前述の「カップ付き衣類」を「ブラジャー102」と呼ぶことにする。
従って、フリルストラップブラジャー101(別体品着脱式カップ付き衣類)は、ブラジャー102(カップ付き衣類)と、フリルストラップ103(別体品)とを備えて構成される。
なお、以下の説明においては、フリルストラップブラジャー101、及び、ブラジャー102を、前述の「見せてもOKなブラジャー」として説明する。
【0027】
図7の紙面垂直方向において、この図1に示す状態で見える側をフリルストラップブラジャー101(及びブラジャー102)の「表」又は「表面」と呼ぶことにする。
また、図7で見えない側(後述する図8(b)で見える側)をフリルストラップブラジャー101の「裏」又は「裏面」と呼ぶことにする。
【0028】
<フリルストラップ103(別体品)について>
図7(a)を参照しながら、フリルストラップブラジャー101を構成するフリルストラップ103について説明する。
フリルストラップ103は、ストラップ部104と、一対の被着脱部105と、装飾部106とを備えて構成される。なお、フリルストラップ103は、図7において2つ(2本)示されるが、この数に限定されないものとする。
【0029】
[ストラップ部104及び被着脱部105について]
ストラップ部104は、例えば、伸縮性を有する平紐状のものが採用される。このようなストラップ部104の両端には、被着脱部105が夫々設けられる。
被着脱部105は、本実施形態において、所謂Zカンが採用される。被着脱部105は、後述する別体品着脱部の形態に応じて、例えば、ホックやボタン等が採用されてもよい。
【0030】
[装飾部106について]
装飾部106は、フリルストラップ103において装飾性等を高めること等を目的に設けられる。装飾部106は、本実施形態において、例えば、図示のような比較的大きなひだを寄ったフリルが採用される(一例であるものとする)。装飾部106は、例えば、柔らかい生地や肌に優しい生地を用いて形成される。装飾部106は、ストラップ部104の伸縮性に追従するように形成される。このような装飾部106は、ストラップ部104の一端から他端にかけて一体化するように設けられる。
【0031】
[フリルストラップ103の効果について]
フリルストラップ103は、図7に示すように、この一部がブラジャー102の表面に配置される。そのためフリルストラップ103の一部を、ブラジャー102の表面を飾る部分として機能させることができる。これはフリルストラップ103の着脱位置に特徴があるためである。即ち、ブラジャー102の下部所定位置(後述する)等に着脱部分があるために、フリルストラップ103を着けることで、その一部がブラジャー102の表面に配置され、結果、装飾部106がブラジャー102の表面を飾ることができる。
【0032】
フリルストラップ103は、例えば、左右のカップ部の近傍を装飾部106の一部(フリルの一部)で飾ることができる。言い換えれば、一般的なストラップ(後述する図8(b)のストラップ)で実現することができないような部分を飾ることができる。
例えば、本実施形態のように表面がシンプルなブラジャー102であれば、フリルストラップ103を着けることにより、装飾部106の一部(フリルの一部)で飾ることができる。また、デザイン性のあるブラジャー(図示省略)の場合は、装飾部106の一部で更に飾ることができる。
フリルに限るものでないが、装飾部106によって華やかさ等を付加することができる。また、装飾部106によって、様々な見せ方をすることができる。
【0033】
なお、何らかの要因で装飾部106を傷めてしまった場合には、フリルストラップ103だけを交換すればよい。これにより、全体の廃棄や不使用に繋がってしまうことを避け、少なくともブラジャー102を長く使用し続けるようにすることができる。
【0034】
フリルストラップ103は、図示のものに限らず、例えば、様々な装飾のものを揃えてもよい。この場合、フリルストラップ103の着せ替えができるようになるのは勿論である。
【0035】
<ブラジャー102(カップ付き衣類)について>
図7及び図8を参照しながらブラジャー102について説明する。
図7は、前述した通りであり、図8(a)は別体品を取り付けた状態のカップ付き衣類の装着状態を示す側面図、図8(b)は他の実施形態に係るカップ付き衣類の、ストラップ有りの変形例を示す背面図(裏面が見える図)である。
【0036】
ブラジャー102は、ブラジャー本体107と、着脱式のストラップ108とを備えて構成される。
なお、ブラジャー102は、ブラジャー本体107のみで構成されてもよい。本実施形態では、ブラジャー本体107に対してストラップ108や、このストラップ108と機能が異なるフリルストラップ103を取り付けることができる点を説明する。
【0037】
<ブラジャー本体107について>
ブラジャー本体107は、胸部周囲装着体109と、装着体係止部110と、複数のボーン111とを備えて構成される。
【0038】
[胸部周囲装着体109について]
胸部周囲装着体109は、1枚の布地112から所定形状に形成される。胸部周囲装着体109は、本実施形態において、布地112で全体的な統一感を持たせ、これにより外観をより良く見せるように形成される。なお、布地112は、胸部周囲装着体109の外観をより良く見せることができればよく、例えば、リブ編み、ベア天、パワーネット、2WAYトリコット、サテンネット、マイクロテンセル、ヘム等が挙げられるものとする。
【0039】
胸部周囲装着体109は、装着者Uの胸部周囲に装着可能となる形状に形成される。具体的には、装着者Uの正面側に配置される前身113と、この前身113に連続して装着者Uの一方の脇、背中、及び他方の脇の位置に合わせて配置される後ろ身114とを有する図示形状に形成される。胸部周囲装着体109は、これ自体が装着者Uの胸部を取り囲むように形成される。
【0040】
[前身113について]
前身113は、装着者Uのバストに合わせた立体的な凸を有する形状に形成される。前身113の裏面側で上縁には、ストラップ着脱部115が2つ設けられる。このストラップ着脱部115は、ストラップ108の着脱を可能にする部分(ストラップタブ)であって、例えば、Zカンをひっかけることができる形状に形成される。
なお、前述の上縁でストラップ着脱部115が設けられる部分は、胸部周囲装着体109における上部所定位置に相当する。
【0041】
[別体品着脱部116について]
前身113には、ストラップ着脱部115とは別に別体品着脱部116が2つ設けられる(数は一例である)。別体品着脱部116は、例えば、前身113の表面側で下縁に設けられる。別体品着脱部116自体、及びこの配置は、本実施形態の特徴のうちの1つである。
別体品着脱部116は、例えば、前述の立体的な凸を有する形状を形成するための、縫い合わせ117の下部近傍に配置される(一例であり、他の例としての配置は図9を参照しながら後述する)。
なお、前述の下縁で別体品着脱部116が設けられる部分(縫い合わせ117の下部近傍)は、胸部周囲装着体109における下部所定位置に相当する。
別体品着脱部116は、フリルストラップ103の着脱を可能にする部分(ストラップタブ)であって、例えば、Zカンをひっかけることができる形状に形成される(一例であり、ホックやボタン等を採用してもよい)。
【0042】
[後ろ身114について]
後ろ身114は、従来技術のバック部に相当する部分であって、帯状に形成される。このような後ろ身114は、装着者Uの一方の脇、背中、及び他方の脇にフィットするように形成される。後ろ身114の裏面側で上縁には、前身113と同様にストラップ着脱部115が2つ設けられる。また、後ろ身114の表面側で下縁にも、前身113と同様に別体品着脱部116が2つ設けられる(この数は一例である)。後ろ身114の別体品着脱部116自体、及びこの配置は、本実施形態の特徴のうちの1つである。
【0043】
[第1端部118及び第2端部119について]
胸部周囲装着体109は、前身113と後ろ身114とが図7及び図8に示すように途中で曲がった状態で連続するように形成される。
胸部周囲装着体109は、装着者Uの胸部周囲の方向の一端に第1端部118を有する。また、胸部周囲装着体109は、他端として第2端部119を有する。第1端部118と第2端部119は、装着者Uが胸部周囲に胸部周囲装着体109を装着した後に、装着体係止部110によって係止される。
本実施形態において、第1端部118は、前身113に配置される。第1端部118は、後述するカップ部の一方の側部近傍に配置される。これに対し第2端部119は、後ろ身114に形成される。第2端部119は、図7及び図8に示すように第1端部118から最も離れた位置に配置される。
【0044】
[一対のカップ部120について]
図8(b)において、一対のカップ部120は、装着者Uのバストを覆う部分であって、前身113の裏面で左右に2つ並ぶように配置される。また、カップ部120は、前身113の裏面に縫い付けられて一体化するように設けられる。
カップ部120の上縁は、装着者Uのバストの上部に沿うように、上向きに凸となる湾曲形状に形成される。また、カップ部120の下縁は、装着者Uのバストの所謂バストフレームに沿うように、下向きに凸となる湾曲形状に形成される。
一方のカップ部120における一側部には、カップ部120の下縁に向けて湾曲した形状のワイヤ部材121が設けられる。また、他方のカップ部120における一側部にも、カップ部120の下縁に向けて湾曲した形状のワイヤ部材121が設けられる。なお、ワイヤ部材121は、金属製に限らず樹脂製であってもよいものとする。
【0045】
[伸縮性付与部122について]
図8(b)において、後ろ身114には、伸縮性付与部122が設けられる。この伸縮性付与部122は、長手方向D1(図3参照)に伸縮性を付与するために設けられる。伸縮性付与部122は、後ろ身114を装着者Uの一方の脇、背中、及び他方の脇にフィットさせるために設けられる。
伸縮性付与部122は、例えば、テープ状のゴムであって、後ろ身114の裏面側において、この上縁及び下縁に夫々縫い付けられる。なお、後ろ身114の下縁に設けられる伸縮性付与部122は、本実施形態において、前身113の第1端部18まで延長するように縫い付けられる(但し、第1端部118まで延長した部分の伸縮性は規制されているものとする)。
後ろ身114は、伸縮性付与部122により伸縮性が付与されることで、装着者Uのバストを理想の位置に安定させるような機能を有する。
【0046】
[後ろ身114の幅について]
図8(b)において、後ろ身114の幅(短手方向D2(図3参照)に沿った幅)は、後ろ身114の長手方向D1の両端で広く、中間では少し幅が狭くなるように設定される。本実施形態では、中間で少し幅が狭くなるようにして、デザイン性の面での優位性を確保するようにしている(一例であり、一定の幅であってもよい)。
【0047】
[装着体係止部110について]
図7及び図8において、装着体係止部110は、前身113の裏面側で第1端部118に設けられる第1係止部123と、後ろ身114の表面側で第2端部119に設けられる第2係止部124とを備えて構成される。装着体係止部110は、第1端部118と第2端部119を係止するために設けられる。
装着体係止部110は所謂ホックであって、例えば、第1係止部123には所定間隔で5つの雄型ホックが設けられる。第2係止部124には、例えば、前述の5つの雄型ホックに対応するように5段3列の雌型ホックが設けられる。
装着体係止部110は、図7及び図8から分かるように、所謂サイドホックと呼ばれる位置に配置される(装着者Uの一方の脇の位置に合わせて配置される)。
なお、横開きのサイドホックに限定するものではなく、前開きや後ろ開きであってもよい。後述するが、装着体係止部110がないものでもよい。
【0048】
[複数のボーン111について]
図7において、後ろ身114の裏面側には、ボーン111が複数設けられる。本実施形態では、4つ設けられる。4つのボーン111のうち、2つは長いボーン111であり、残り2つは短いボーン111である。4つのボーン111は、後ろ身114の形状を安定させるために設けられる。具体的には、例えば、装着時におけるしわの発生を防止すために設けられる。
長いボーン111と、短いボーン111は、夫々、真っ直ぐな棒状に形成される。本実施形態において、長いボーン111は、短いボーン111よりも硬く形成される。
硬さに関しては、長いボーン111と短いボーン111との双方で材質を変えたり、太さや幅を変えたりすることが考えられる。硬さを変えることで、後ろ身114の形状を安定させつつ、フィット感を高めることができる。
長いボーン111を硬くすることで、装着体係止部110による第1端部118と第2端部119との係止状態を安定させることができる。また、長いボーン111を硬くすることで、バストの脇流れをせき止めるという機能を持たせることもできる。
【0049】
<フリルストラップブラジャー101の装着状態、及びブラジャー102の装着状態について>
図8(a)を参照しながら、先ずフリルストラップブラジャー101を装着者Uの胸部周囲に装着した状態について説明する。
フリルストラップブラジャー101は、2つのフリルストラップ103の各一方の被着脱部105を、前身113の2つの別体品着脱部116に各々ひっかけてなるものである。また、2つのフリルストラップ103の各他方の被着脱部105を、後ろ身114の2つの別体品着脱部116に各々ひっかけてなるものでもある。
本実施形態において、フリルストラップ103は、装飾部106の一部がブラジャー102の前身113の表面に配置されると共に、後ろ身114の表面にも配置されることから、ブラジャー102の前身113及び後ろ身114の各表面を装飾部106で飾ることができる。また、フリルストラップ103は、この中間部分が図示のように装着者Uの肩に掛かるように使用されることから、装着者Uの肩を含んで肌が露出している箇所も装飾部106で飾ることができる。
なお、ここではフリルストラップ103が2つあるが、この限りでないものとする。例えば、フリルストラップ103を1つにした場合は、両端の被着脱部105を前身113の2つの別体品着脱部116に各々ひっかけると共に、フリルストラップ103の中間部分を装着者Uの首に掛けるように使用することで、ブラジャー102の表面及び装着者Uの首回りの肌が露出している箇所を飾ることができる。
ブラジャー102の表面を装飾部106で飾ることができるのは、フリルストラップ103の着脱位置に特徴があるためである。即ち、ブラジャー102の下部所定位置(胸部周囲装着体109における下部所定位置)に別体品着脱部116があるために、フリルストラップ103を着けると、その一部がブラジャー102の表面に配置されて、結果、装飾部106でブラジャー102の表面を飾ることができる。
【0050】
フリルストラップ103は、例えば、左右のカップ部120の近傍を装飾部106の一部(フリルの一部)で飾ることができる。言い換えれば、一般的なストラップ(後述するストラップ108)で実現することができないような部分を飾ることができる。フリルストラップ103は、一般的なストラップ108に無い機能を有し、このようなフリルストラップ103を、本実施形態の別体品着脱部116が有るブラジャー本体107は取り付けすることができる。
【0051】
次に、ブラジャー102の装着状態について説明する。
ブラジャー102は、図8(a)に示すように、胸部周囲装着体109を装着者Uの胸部周囲に装着することができる。また、ブラジャー102は、布地112で全体的な統一感を持たせて外観をより良く見せることができる。また、ブラジャー102は、所謂サイドホックとなる位置に装着体係止部110を有することで、この装着体係止部110を装着者Uの一方の脇の位置において、腕で隠すことができる。即ち、装着者Uの背中をすっきりと見せることができる(外観をより良く見せることができる)。
【0052】
また、ブラジャー102は、装着者Uの一方の脇に装着体係止部110を配置することから、背中での係止に比べ係止し易くすることができる。即ち、良好な装着性を提供することができる。また、ブラジャー102は、後ろ身114の裏面側に伸縮性付与部122を設けることで伸縮性を付与し、後ろ身14を装着者Uの両脇から背中にかけてフィットさせることができる。また、伸縮性付与部122により前身113が引き寄せられて、装着者Uのバストにカップ部120をフィットさせることができる。
【0053】
また、ブラジャー102は、4つのボーン111を有することから、後ろ身114の形状安定性を確保することができる。即ち、外観をより良く見せることができる。また、後ろ身114の形状安定性を確保することで、後ろ身114を装着者Uの両脇から背中にかけてフィットさせることができる。
【0054】
<1つ目の変形例について>
フリルストラップブラジャー101を構成するブラジャー102は、ストラップレスで装着することに限らず、ストラップ108が有る状態で使用することも可能である。ストラップ108は、所謂肩紐であって、この両端には、ストラップ着脱部115に引っかかる被着脱部125(Zカン)が夫々設けられる。本実施形態では、フリルストラップ103を着けることで、これがストラップ108を隠し、恰もストラップレスに見せることができる。
【0055】
<2つ目の変形例について>
図9は、別体品着脱部の配置等の変形例を示す図である。
ブラジャー本体107における前身113の表面には、別体品着脱部201が例えば一対で設けられる。別体品着脱部201は、上述の別体品着脱部116と同じ機能を有し、一対のカップ部120の両側に夫々設けられる。具体的に、一対の別体品着脱部201は、カップ部120に一番近い長いボーン111の近傍と、第1係止部123の近傍とに夫々設けられる。また、一対の別体品着脱部201は、胸部周囲装着体109の上縁の近傍に夫々設けられる。なお、胸部周囲装着体109の上縁と下縁との間となる中間位置に別体品着脱部201が配置されてもよい。
【0056】
一対の別体品着脱部201の夫々は、別体品着脱部116と同様にフリルストラップ103等の別体品に対する着脱部分であって、例えばストラップタブのようにZカンをひっかけることができる形状に形成される(一例であり、ホックやボタン等を採用してもよい)。図9の別体品着脱部201は、Zカンをひっかける方向が別体品着脱部116と異なるように設けられる。即ち、別体品着脱部116が図の左右方向(横方向)に対し、別体品着脱部201は、図の上下方向(縦方向)にZカンをひっかけることができるように設けられる(一例であるものとする)。このような一対の別体品着脱部201であれば、特に図示しないが、例えば長さの短いフリルストラップ103を、胸部周囲装着体109の上縁側で、図の左右方向にのばすように取り付けることができる。これは、装飾の仕方を上述とは異なるようにすることができる。言い換えれば、装飾のバリエーションを増やすことができる。
【0057】
<3つ目の変形例について>
図9において、ブラジャー本体107における前身113の表面には、別体品着脱部202が更に一対で設けられる。別体品着脱部202は、上述の別体品着脱部116、201と同じ機能を有し、一対のカップ部120の中央で図の上下方向に夫々設けられる。具体的に、一対の別体品着脱部202は、胸部周囲装着体109の下縁と上縁とに夫々設けられる。このような一対の別体品着脱部202であれば、特に図示しないが、例えば長さの短いフリルストラップ103を、一対のカップ部120の中央に取り付けることができる。これにより、装飾のバリエーションを増やすことができる。
なお、図9では、別体品着脱部201及び別体品着脱部202の両方が存在するものとして示しているが、いずれか一方であってもよい。
【0058】
<まとめ>
以上、図1乃至図9を参照しながら本発明の一実施形態のカップ付き衣類1について説明したが、本発明は前述した本一実施形態に限定されないものとする。また、本一実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果の列挙に過ぎず、本発明による効果は、本一実施形態に記載されたものに限定されないものとする。
本一実施形態では、カップ付き衣類1がブラジャーであると説明したが、例えば、水着であってもよいものとする。また、本一実施形態では、短いボーン6bを2つ設けると説明したが、これに限らず1つや3つ等であってもよいものとする。また、本一実施形態では、後ろ身2bに伸縮性付与部5やボーン6を設けると説明したが、この他、後ろ身2bの裏面に、例えば、パワーネット等を設けてもよいものとする。また、本一実施形態では、1枚の布地7としてリブ編み7aを挙げて説明したが、前述の通り、外観をより良く見せることができれば他の布地(生地)を用いてもよいものとする。
【0059】
本発明が適用されるカップ付き衣類は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用されるカップ付き衣類(例えば、図1のカップ付き衣類1)は、
第1端部(例えば、図1の第1端部8)と第2端部(例えば、図1の第2端部9)を有するよう1枚の布地(例えば、図1の1枚の布地7)から形成され、且つ、装着者(例えば、図4の装着者U)の胸部周囲に装着される胸部周囲装着体(例えば、図1の胸部周囲装着体2)と、
前記第1端部と前記第2端部を係止する装着体係止部(例えば、図1の装着体係止部3)と、
前記装着者のバストを覆うカップ部であって、一方の側部(例えば、図2の一方の側部4d)と前記第1端部の間の長さよりも、他方の側部(例えば、図4の他方の側部4f)と前記第2端部の間の長さが長くなるように、前記胸部周囲装着体に配置されるカップ部(例えば、図2のカップ部4)と、
前記胸部周囲装着体に設けられて前記他方の側部と前記第2端部の間で長手方向(例えば、図2の長手方向D1)に伸縮性を付与する伸縮性付与部(例えば、図2の伸縮性付与部5)と、
前記他方の側部と前記第2端部の間に設けられる複数のボーン(例えば、図2のボーン6)と、
を備える。
【0060】
本発明によれば、布地で全体的な統一感を持たせてカップ付き衣類の外観をより良く見せることができる。
具体的には、胸部周囲装着体が装着者の胸部周囲に装着されることから、1枚の布地で全体的な統一感を持たせて外観をより良く見せることができる。
また、所謂サイドホックとなる位置に装着体係止部を有することから、この装着体係止部がある部分を装着者の一方の脇に隠すことができる。即ち、背中をすっきりと見せることができる(外観をより良く見せることができる)。
また、伸縮性付与部により伸縮性が付与されることから、胸部周囲装着体をフィットさせることができる。即ち、外観をより良く見せることができる。
また、複数のボーンを有することから、胸部周囲装着体の形状安定性を確保することができる。即ち、外観をより良く見せることができる。
【0061】
また、本発明が適用されるカップ付き衣類は、
前記胸部周囲装着体は、ストラップ(例えば、図6のストラップ11)の着脱が可能な複数のストラップ着脱部(例えば、図2のストラップ着脱部2c)を有する。
【0062】
本発明によれば、ストラップ着脱部を有することから、ストラップレスとストラップ有りの双方に対応することができる。本発明は、ストラップ有りでも全体的な統一感を持たせることができる。
【0063】
また、本発明が適用されるカップ付き衣類は、
前記胸部周囲装着体は、前記1枚の布地としてリブ編み(例えば、図1のリブ編み7a)で編まれた布地が用いられる。
【0064】
本発明によれば、1枚の布地としてリブ編みを採用することから、リブ編みの利点を生かしながら全体的な統一感を持たせることができる。
【0065】
また、本発明が適用されるカップ付き衣類は、
前記カップ部の前記他方の側部と前記第2端部の間の短手方向(例えば、図2の短手方向D2)の幅(例えば、図3の幅W1乃至W3)は、前記他方の側部における幅(例えば、図3の幅W1)と前記第2端部における幅(例えば、図3の幅W2)が最も広くなる。
【0066】
本発明によれば、中間で少し幅が狭くなることから、例えば、デザイン性を重視して背中をすっきりと見せるようにすることができる。即ち、外観をより良く見せることができる。
【0067】
また、本発明が適用されるカップ付き衣類は、
前記複数のボーンとして、前記他方の側部と前記第2端部に夫々隣接する長いボーン(例えば、図3の長いボーン6a)と、これら当該長いボーン間に配置される一又は複数の短いボーン(例えば、図3の短いボーン6b)とを有する。
【0068】
本発明によれば、前述の幅に合わせてボーンを配置することができ、以て胸部周囲装着体の形状安定性を確保することができる。
【0069】
また、本発明が適用されるカップ付き衣類は、
前記長いボーンは、前記短いボーンよりも硬く形成される。
【0070】
本発明によれば、硬さを変えることで胸部周囲装着体の形状を安定させつつ、フィット感を高めることができる。また、長いボーンを短いボーンよりも硬く形成することで、装着体係止部による第1端部と第2端部との係止状態を安定させることができる。また、長いボーンを短いボーンよりも硬く形成することで、バストの脇流れをせき止めるという機能を持たせることができる。
【0071】
また、本発明が適用されるカップ付き衣類(例えば、図7のブラジャー102)は、
前記胸部周囲装着体(例えば、図7の胸部周囲装着体109)には、前記胸部周囲装着体に対し別体の別体品が前記ストラップ(例えば、図8のストラップ108)の着脱位置(例えば、図8の胸部周囲装着体109の上縁)と異なる位置で着脱自在となる、別体品着脱部(例えば、図7の別体品着脱部116)が設けられる。
【0072】
本発明によれば、胸部周囲装着体に別体品着脱部を設けることから、別体品が着脱自在となり、仮に別体品が破損したとしても本体部分は問題ないことから、結果、本体部分を長く使用することができる(例えば、デザイン性の高いレース生地の装飾部を有するブラジャーがあるとして、装飾部を何らかの要因で傷めてしまった場合、ブラジャー本体に問題が無くても装飾部が一体化しているブラジャーであれば、装飾部の損傷によって、買い替えや廃棄、不使用に繋がってしまうことがあり得る。また、傷めてしまったことで外観をより良く見せようとする機能が低下することから、それを気にするユーザもいる、という問題点の発生が考えられるが、このような問題点の解決に寄与することができる)。
【0073】
また、本発明が適用されるカップ付き衣類(例えば、図7のブラジャー102)は、
前記別体品着脱部は、一対のカップ部(例えば、図8のカップ部120)がある前身(例えば、図7の前身113)の下部に設けられる。
【0074】
本発明によれば、別体品着脱部のより良い配置として前身の下部を特定することができる。
【0075】
また、本発明が適用されるカップ付き衣類は、
前記別体品には、フリル又はレースの装飾部(例えば、図7の装飾部106)が設けられる。
【0076】
本発明によれば、フリル又はレースの装飾部により、カップ付き衣類を飾ることができる。
【符号の説明】
【0077】
1・・・カップ付き衣類
2・・・胸部周囲装着体
3・・・装着体係止部
4・・・カップ部
5・・・伸縮性付与部
6・・・ボーン
7・・・1枚の布地
8・・・第1端部
9・・・第2端部
10・・・伸縮性を規制する布地
11・・・ストラップ
101・・・フリルストラップブラジャー(別体品着脱式カップ付き衣類)
102・・・ブラジャー(カップ付き衣類)
103・・・フリルストラップ(別体品)
104・・・ストラップ部
105・・・被着脱部
106・・・装飾部
107・・・ブラジャー本体
108・・・ストラップ
109・・・胸部周囲装着体
110・・・装着体係止部
111・・・ボーン
112・・・布地
113・・・前身
114・・・後ろ身
115・・・ストラップ着脱部
116、201、202・・・別体品着脱部
U・・・装着者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9