(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044780
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】計算補助システム、計算補助端末、計算端末、計算補助方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 15/00 20060101AFI20240326BHJP
G06F 15/02 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
G06F15/00 410A
G06F15/02 335E
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150523
(22)【出願日】2022-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100209048
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 元嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【弁理士】
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】柳澤 正明
【テーマコード(参考)】
5B019
【Fターム(参考)】
5B019GA10
(57)【要約】
【課題】ユーザが計算端末を使用して計算を行う場合の利便性を向上させることが可能になる計算補助システムを提供する。
【解決手段】ユーザが関数電卓(計算端末)10Fをキー操作して計算式を入力し計算を行うと、入力された計算式が逐次スマートフォン(計算補助端末)20に送信される。スマートフォン20は、受信された計算式が、グラフとして表示させることが可能な各種のグラフ式(公式)と式の構成が一致するか否かによりグラフ表示可能か否かを判定し、グラフ表示可能な場合には計算式に対応するグラフg1のグラフ画面Ggを計算補助情報として表示させる。ユーザは、関数電卓10Fにより入力した計算式がグラフとして表示可能な式であるかを意識することなく、グラフ表示可能な式であった場合には、入力した計算式に対応するグラフg1をスマートフォン20に自動的に表示させて確認できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザにより操作される操作部と表示部を用いてユーザ操作に応じた計算を行う計算端末と、
前記計算端末の計算を補助する計算補助端末と、
を含む計算補助システムであって、
前記計算端末は、
前記計算補助端末との間で通信接続を確立した状態で、
前記操作部により入力された計算式の情報である計算式情報を取得するとともに、前記計算式情報に基づいて計算を行い、前記計算の結果を前記表示部に表示し、
取得される前記計算式情報を前記計算補助端末に送信し、
前記計算補助端末は、
前記計算端末から送信されてくる前記計算式情報に基づいて、前記計算端末が行っている計算を補助すべきか否かを判定し、
補助すべきと判定した場合には、前記計算端末が行っている計算の補助に係る情報である計算補助情報を出力する、
処理を実行する計算補助システム。
【請求項2】
前記計算補助端末は、
前記計算端末が行っている計算を補助すべきか否かを判定する場合に、前記計算端末から受信した前記計算式情報が示す計算式の計算または計算結果の表示に関する機能または性能が、前記計算端末より前記計算補助端末の方が優れていると判定される場合に、前記計算端末が行っている計算を補助すべきと判定する、
処理を実行する請求項1に記載の計算補助システム。
【請求項3】
前記計算補助端末は、
計算の種類が互いに異なる複数の計算式それぞれについて前記計算補助情報を記憶部に記憶し、
前記計算端末から受信した前記計算式情報が示す計算式に対応する前記計算補助情報が前記記憶部に記憶されている場合に、前記計算端末が行っている計算を補助すべきと判定する、
処理を実行する請求項1または請求項2に記載の計算補助システム。
【請求項4】
前記計算補助端末は、
前記計算端末から受信した前記計算式情報が示す計算式に対応する前記計算補助情報が前記記憶部に記憶されており、かつ、前記計算補助情報で提供される計算式の計算または計算結果の表示に関する機能または性能が、前記計算端末より前記計算補助端末の方が優れていると判定される場合に、前記計算端末が行っている計算を補助すべきと判定する、
処理を実行する請求項3に記載の計算補助システム。
【請求項5】
前記計算端末は、
前記計算補助端末との間で通信接続を確立した状態で、前記計算端末の種類を識別する識別情報を前記計算補助端末に送信し、
前記計算補助端末は、
複数の前記識別情報それぞれに対応させて、各種の計算式の計算または計算結果の表示に関する機能または性能を示す機能性能情報を記憶しており、
前記計算端末から受信した前記識別情報に対応して記憶されている前記機能性能情報に基づいて、前記計算端末から受信した前記計算式情報が示す計算式の計算または計算結果の表示に関する機能または性能が、前記計算端末より前記計算補助端末の方が優れているか否かを判定する、
処理を実行する請求項2に記載の計算補助システム。
【請求項6】
前記計算端末は、
前記操作部により入力された計算式の情報である前記計算式情報を逐次取得するとともに、取得される前記計算式情報を前記計算補助端末に逐次送信し、
前記計算補助端末は、
前記計算端末から逐次送信されてくる前記計算式情報に基づいて、前記計算端末が行っている複数の計算それぞれを補助すべきか否かを逐次判定し、
補助すべきと判定した計算に対応する前記計算補助情報を出力する、
処理を実行する請求項1または請求項2に記載の計算補助システム。
【請求項7】
前記計算端末は、
ユーザが計算の補助対象となる計算式を個別に指定する操作を行ったことを検出することなく、前記操作部を介して入力された計算式を検出したことに応じて、入力された計算式に対応する前記計算式情報を前記計算補助端末に送信する、
処理を実行する請求項1または請求項2に記載の計算補助システム。
【請求項8】
前記計算補助端末は、
前記計算式の情報に基づいて、前記計算端末が行っている計算の結果を、前記計算端末の前記表示部に表示されている計算の結果とは異なる形態で表示することで前記計算を補助すべきと判定した場合には、前記計算補助端末の表示部に異なる形態の計算結果を計算補助情報として表示させる、
処理を実行する請求項1に記載の計算補助システム。
【請求項9】
前記異なる形態の計算結果の表示は、前記計算式の情報に基づくグラフの表示である、
請求項8に記載の計算補助システム。
【請求項10】
前記異なる形態の計算結果の表示は、前記計算端末よりも情報量の多い計算結果の表示である、
請求項8に記載の計算補助システム。
【請求項11】
前記計算補助端末は、
前記計算式の情報に基づいて、前記計算式に対応する計算を行う計算フォームを表示することで前記計算を補助すべきと判定した場合には、入力欄と出力欄がレイアウトされ、前記入力欄に入力されたデータに基づいて特定の計算を行った結果を前記出力欄に出力する機能を有する計算フォームを前記計算補助端末の表示部に表示させ、
前記計算式の情報に含まれる数値データを前記入力欄に入力するとともに、前記数値データに基づいて前記特定の計算を行った結果を前記出力欄に表示させる、
処理を実行する請求項1に記載の計算補助システム。
【請求項12】
前記計算補助端末は、予めサーバから取得した複数の前記計算フォームを前記計算補助端末の記憶部に記憶し、
前記計算補助端末は、
前記計算端末から前記計算式の情報を受信したことに応じて、前記計算式の情報に対応する前記計算フォームを前記記憶部から取得するか、あるいは、前記計算式の情報に対応する前記計算フォームを前記サーバから取得し、
前記取得した計算フォームを前記表示部に表示させる、
処理を実行する請求項11に記載の計算補助システム。
【請求項13】
前記計算補助端末は、
前記計算フォームの前記出力欄に表示させた計算結果を前記計算端末に送信し、前記計算端末の表示部に表示させる、
処理を実行する請求項11または請求項12に記載の計算補助システム。
【請求項14】
前記計算補助端末は、
前記計算補助端末の記憶部に記憶されたグラフとして表示させることが可能な式であるグラフ式に基づいて前記計算式の情報に対応するグラフの表示が可能か否かを判定することで、前記計算端末が行っている計算を補助すべきか否かを判定する、
処理を実行する請求項9に記載の計算補助システム。
【請求項15】
前記計算補助端末は、
前記計算補助端末の記憶部に記憶された前記計算端末の計算精度を含む機能性能情報に基づいて前記計算端末よりも情報量の多い計算が可能か否かを判定することで、前記計算端末が行っている計算を補助すべきか否かを判定する、
処理を実行する請求項10に記載の計算補助システム。
【請求項16】
前記計算補助端末は、
前記計算式の情報に対応する前記計算フォームを、前記記憶部に記憶されている複数の計算フォームの中から前記計算式の情報が示す計算式に対応する計算式を使用して計算を行う計算フォームを検索することで取得するか、あるいは、前記サーバに記憶されている複数の計算フォームの中から前記計算式の情報が示す計算式に対応する計算式を使用して計算を行う計算フォームを前記サーバに検索させることで取得する、
処理を実行する請求項12に記載の計算補助システム。
【請求項17】
請求項1または請求項2に記載の計算補助システムにおいて利用される計算補助端末。
【請求項18】
請求項1または請求項2に記載の計算補助システムにおいて利用される計算端末。
【請求項19】
ユーザにより操作される操作部と表示部を用いてユーザ操作に応じた計算を行う計算端末と、
前記計算端末の計算を補助する計算補助端末と、
を含む計算補助システムにより行う計算補助方法であって、
前記計算端末が、前記計算補助端末との間で通信接続を確立した状態で、
前記計算端末が、前記操作部により入力された計算式の情報である計算式情報を取得するとともに、前記計算式情報に基づいて計算を行い、前記計算の結果を前記表示部に表示し、
前記計算端末が、取得される前記計算式情報を前記計算補助端末に送信し、
前記計算補助端末が、前記計算端末から逐次送信されてくる前記計算式情報に基づいて、前記計算端末が行っている計算を補助すべきか否かを判定し、
前記計算補助端末が、補助すべきと判定した場合には、前記計算端末が行っている計算の補助に係る情報である計算補助情報を出力する、
ようにした計算補助方法。
【請求項20】
ユーザにより操作される操作部と表示部を用いてユーザ操作に応じた計算を行う計算端末と、
前記計算端末の計算を補助する計算補助端末と、
を含む計算補助システムが実行するプログラムであって、
前記計算端末が、前記計算補助端末との間で通信接続を確立した状態で、
前記計算端末が、前記操作部により入力された計算式の情報である計算式情報を取得するとともに、前記計算式情報に基づいて計算を行い、前記計算の結果を前記表示部に表示し、
前記計算端末が、取得される前記計算式情報を前記計算補助端末に送信し、
前記計算補助端末が、前記計算端末から送信されてくる前記計算式情報に基づいて、前記計算端末が行っている計算を補助すべきか否かを判定し、
前記計算補助端末が、補助すべきと判定した場合には、前記計算端末が行っている計算の補助に係る情報である計算補助情報を出力する、
ように機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、計算補助システム、計算補助端末、計算端末、計算補助方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般電卓や関数電卓などの計算端末は、その使い方に慣れたユーザであれば手軽に計算を行うことができる。
【0003】
一方、PC(Personal Computer)やスマートフォンなどでは、計算用のアプリケーションプログラムを実行したり、インターネット(Web)上の計算サービスを利用したりすることで、より複雑な計算や、計算結果のグラフ表示を行うことも可能である。
【0004】
電卓の機能を補うために、インターネット(Web)へのアクセス機能を備えた端末装置を経由してサーバ装置にアクセスすることで、電卓からインターネット上のサービスを利用できるようにした技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、一般電卓や関数電卓(計算端末)の使い方に慣れたユーザは、PCやスマートフォンなどを利用した場合に、どのような計算ができるかを知らなかったり、どのような計算ができるかを知っていたとしても、それを使いこなすのは難しかったりしている。
【0007】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、ユーザが計算端末を使用して計算を行う場合の利便性を向上させることが可能になる計算補助システム、計算補助端末、計算端末、計算補助方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る計算補助システムは、
ユーザにより操作される操作部と表示部を用いてユーザ操作に応じた計算を行う計算端末と、
前記計算端末の計算を補助する計算補助端末と、
を含む計算補助システムであって、
前記計算端末は、
前記計算補助端末との間で通信接続を確立した状態で、
前記操作部により入力された計算式の情報である計算式情報を取得するとともに、前記計算式情報に基づいて計算を行い、前記計算の結果を前記表示部に表示し、
取得される前記計算式情報を前記計算補助端末に送信し、
前記計算補助端末は、
前記計算端末から送信されてくる前記計算式情報に基づいて、前記計算端末が行っている計算を補助すべきか否かを判定し、
補助すべきと判定した場合には、前記計算端末が行っている計算の補助に係る情報である計算補助情報を出力する、処理を実行するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザが計算端末を使用して計算を行う場合の利便性を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係る計算補助システム1の全体の構成を示す図。
【
図2】関数電卓(計算端末)10Fの電子回路の構成を示すブロック図。
【
図3】スマートフォン(計算補助端末)20の電子回路の構成を示すブロック図。
【
図4】計算情報サーバ(サーバ装置)30の電子回路の構成を示すブロック図。
【
図5】スマートフォン20の計算フォームデータベース23dに記憶される計算フォームの一例であって、数学公式集に分類される計算フォームのうちの「不等辺三角形」に関する計算フォーム(不等辺三角形)23d1を示す図。
【
図6】スマートフォン20の計算フォームデータベース23dに記憶される計算フォームの一例であって、計算応用集に分類される計算フォームのうちの「直線回帰」に関する計算フォーム(直線回帰)23d2を示す図。
【
図7】スマートフォン20の計算フォームデータベース23dに記憶される計算フォームの一例であって、健康の計算に分類される計算フォームのうちの「基礎代謝量」に関する計算フォーム(基礎代謝量)23d3を示す図。
【
図8】関数電卓(計算端末)10Fの電卓制御プログラム(計算補助端末連携アプリを含む)14aに従った処理(その1)を示すフローチャート。
【
図9】関数電卓(計算端末)10Fの電卓制御プログラム(計算補助端末連携アプリを含む)14aに従った処理(その2)を示すフローチャート。
【
図10】スマートフォン(計算補助端末)20の端末制御プログラム(計算端末補助アプリおよびWebブラウザを含む)23aに従った処理(その1)を示すフローチャート。
【
図11】スマートフォン(計算補助端末)20の端末制御プログラム(計算端末補助アプリおよびWebブラウザを含む)23aに従った処理(その2)を示すフローチャート。
【
図12】スマートフォン(計算補助端末)20の処理(その1)に含まれる計算フォーム検索処理(T10)を示すフローチャート。
【
図13】関数電卓10Fで入力された計算式に基づいてスマートフォン20にて計算された計算結果の高精度計算画面Gpが計算補助情報としてスマートフォン20に表示された状態を示す図。
【
図14】関数電卓10Fで入力された計算式に基づきスマートフォン20にて検索された計算フォーム(不等辺三角形)23d1が計算フォーム画面(不等辺三角形)G1として表示された状態を示す図。
【
図15】関数電卓10Fで入力された計算式に基づきスマートフォン20にて検索された計算フォーム(直線回帰)23d2が計算フォーム画面(直線回帰)G2として表示された状態を示す図。
【
図16】関数電卓10Fで入力された計算式に基づきスマートフォン20にて検索された計算フォーム(基礎代謝量)23d3が計算フォーム画面(基礎代謝量)G3として表示された状態を示す図。
【
図17】関数電卓10Fのキー操作に応じた計算式情報をスマートフォン20に送信するための計算式情報送信処理を示すフローチャート。
【
図18】スマートフォン20において関数電卓10Fのキー操作に応じた計算式情報を受信するための計算式情報受信処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
【0012】
(実施形態の構成)
図1は、本発明の実施形態に係る計算補助システム1の全体の構成を示す図である。
【0013】
計算補助システム1は、ユーザが操作して計算を行う計算端末(ここでは関数電卓)10Fと、関数電卓10Fにて行われる計算に対応して計算の補助になる情報(計算補助情報)を表示させるユーザの計算補助端末(ここではスマートフォン)20と、例えば関数電卓10Fの製造元により通信ネットワーク(ここではインターネット)N上に設けられたサーバ装置(ここでは計算情報サーバ)30と、を含んで構成される。
【0014】
図2は、関数電卓(計算端末)10Fの電子回路の構成を示すブロック図である。
【0015】
図3は、スマートフォン(計算補助端末)20の電子回路の構成を示すブロック図である。
【0016】
図4は、計算情報サーバ(サーバ装置)30の電子回路の構成を示すブロック図である。
【0017】
関数電卓(計算端末)10Fは、計算が可能な制御部(Central Processing Unit)13と、データを記憶する記憶部(Memory)14と、スマートフォン20と通信接続可能なBluetooth(登録商標)、Bluetooth Low Energy(登録商標)、NFC(Near Field Communication)などの近距離無線通信部16と、計算式を入力可能なキー入力部(Keyboard:操作部)11および表示部(Display)12と、を有する電子機器(計算端末)として構成され得る(
図2参照)。制御部13は、少なくとも一つのプロセッサを含む。
【0018】
また、スマートフォン(計算補助端末)20は、制御部(Central Processing Unit)22と、データを記憶する記憶部(Memory)23と、関数電卓10Fと通信接続可能なBluetooth(登録商標)、Bluetooth Low Energy(登録商標)、NFC(Near Field Communication)などの近距離無線通信部27と、Webサーバ(ここでは計算情報サーバ30)と通信接続可能なWi-Fi(登録商標)などの(無線)通信部28と、(タッチパネル式)表示部(Display)21と、を有するPDA(Personal Digital Assistants)、タブレット端末、ノートPC(Personal Computer)、ゲーム機などの電子機器(計算補助端末)として構成され得る(
図3参照)。制御部22は、少なくとも一つのプロセッサを含む。
【0019】
関数電卓10Fは、
図1に示すように、その携帯性の必要からユーザが片手で十分把持し片手で操作可能な小型サイズからなり、関数電卓10Fの本体正面にはキー入力部11および表示部12が設けられる。
【0020】
キー入力部11には、数値や計算式を入力したり計算の実行を指示したりするための数値・演算記号キー群111、各種の関数を入力したりメモリ機能を立ち上げたりするための関数機能キー群112、各種動作モードのメニュー画面を表示させたり動作モードの設定を指示したりするためのモード設定キー群113、表示部12に表示されたカーソルの移動操作やデータ項目の選択操作などを行うためのカーソルキー114が備えられる。
【0021】
数値・演算記号キー群111としては、[0]~[9](数値)キー、[+][-][×][÷](四則記号)キー、[Ans][=](実行)キー、[AC](クリア)キーなどが配列される。
【0022】
関数機能キー群112としては、[x-1](-1乗;逆数)キーをはじめ、[√□](ルート;平方根)キー、[□/□](分数)キー、[∫](インテグラル;積分)キー、[log](ログ;対数)キー、[sin](サイン)キー、[M+](メモリプラス)キー、[OPTN](オプション)キー、[RCL](メモリ呼び出し)キーなどが配列される。
【0023】
モード設定キー群113としては、[MODE](モード)キー、[SHIFT](シフト)キー、[ALPHA](アルファベット)キー、[ON](電源オン)キーなどが配列される。
【0024】
なお、数値・演算記号キー群111や関数機能キー群112のキーは、[SHIFT]キーが操作された後に続けて操作されることで、そのキートップに記載されたキー機能ではなく、そのキーの上方に記載されたキーとして機能できるようになっている。例えば、[SHIFT]キー操作後に[AC]キーが操作(以下、[SHIFT]+[AC]キー等と記す。)されると[OFF](電源オフ)キーとなる。[SHIFT]+[∫]キーは[d/dx](ディファレンシャル;微分)キーとなり、[SHIFT]+[tan]キーは[tan-1](アークタンジェント)キーとなる。
【0025】
キー入力部11により入力可能な計算式の一部を構成する演算記号、関数記号、定数記号などは数学記号に含まれる。
【0026】
表示部12は、ドットマトリクス型(例えば192×63ドット)の液晶表示ユニットからなり、計算式を理工学書や教科書通りに表示(数学自然表示)する。
【0027】
スマートフォン20は、
図1に示すように、関数電卓10Fと通信接続可能なBluetoothなどの近距離無線通信部(図示せず)と、通信ネットワークNを介して計算情報サーバ30と通信接続可能な通信部(図示せず)と、タッチ入力部としても機能するタッチパネル式表示部21と、音声入力部26aと、音声出力部26bを備えている。
【0028】
関数電卓10Fは、キー入力部11の操作に応じて入力された計算式に対応する計算を実行しその計算結果を表示させる計算機能(a1)を有するほか、スマートフォン(計算補助端末)20と連携して動作する計算補助端末連携アプリ(
図2の14a参照)を有し、入力されたキーのキー情報(キーデータ)または計算式の情報(計算式データ)をスマートフォン20に送信する機能(a2)を有する。
【0029】
スマートフォン20は、関数電卓10Fと連携して計算を補助する情報(計算補助情報)を表示させるための計算端末補助アプリおよびWebサーバにより提供されるWebページを表示させるWebブラウザ(
図3の23a参照)を有し、関数電卓10Fにより入力された計算式に対応したグラフを計算補助情報として表示させる機能(b1)、関数電卓10Fにより入力された計算式に対応した高精度計算を計算補助として実行する機能(b2)、関数電卓10Fにより入力された計算式に対応する計算フォーム(Webページ)を計算フォームデータベース(
図3の23dおよび
図5~
図7参照)から検索して計算補助情報として表示させる機能(b3)、表示させた計算フォームに基づく計算を関数電卓10Fと連携し計算補助として実行する機能(b4)を有する。
【0030】
計算情報サーバ30は、スマートフォン20から送信される計算式のデータを受信する機能(c1)、受信した計算式に対応する計算フォーム(Webページ)を計算フォームデータベース(
図4の32b)から検索する機能(c2)、検索した計算フォーム(計算フォームのアクセス先URL)をスマートフォン20に計算補助情報として提供(送信)し、提供した計算フォームをスマートフォン20のWebブラウザに従い動作させる機能(c3)を有する。
【0031】
図1に示す計算補助システム1では、ユーザが関数電卓10Fを使用して、例えば二次方程式の計算式を入力しつつ計算を行っているときに、入力された計算式(二次方程式)に対応するグラフg1のグラフ画面Ggが、ユーザが意識することなく計算補助情報としてスマートフォン20に表示された状態を示している。つまり、ユーザは、計算の補助対象となる計算式を個別に指定する操作を行わなくても、また、入力した計算式に対する計算補助情報が存在するか否かを知らなくても、また、入力した計算式に対してどのような種類の計算補助情報が存在するかを知らなくても、入力した計算式に対する計算補助情報が存在し、かつ、その計算補助情報が関数電卓10Fには無い機能や性能に関するものである場合は、その計算補助情報をユーザが容易に得ることができる。
【0032】
関数電卓10Fは、携帯性を確保する必要から、その筐体および表示部12の画面サイズも小型に構成されており、グラフを視認性よく表示させることができない。ユーザは、関数電卓10Fにより入力した計算式がグラフとして表示可能な式であるかを意識することなく、グラフ表示可能な式であった場合には、入力した計算式に対応するグラフg1をスマートフォン20に自動的に表示させて確認できる。
【0033】
スマートフォン20において、関数電卓10Fにて入力された計算式に対応する計算補助情報が取得されると、スマートフォン20は計算補助情報が取得された旨を関数電卓10Fに通知し、関数電卓10Fは電子音を発する報知部BZを動作させてユーザに報知する。
【0034】
なお、スマートフォン20の計算フォームデータベース(
図3の23d)および計算情報サーバ30の計算フォームデータベース(
図4の32b)が記憶する計算フォーム(Webページ)については後述する(
図5~
図7参照)。
【0035】
<関数電卓(計算端末)10Fの電子回路>
図2に示すように、関数電卓(計算端末)10Fの電子回路は、キー入力部11、表示部12および報知部BZに加えて、コンピュータである制御部(CPU)13と、記憶部14と、記録媒体読取部15と、近距離無線通信部16と、を備える。
【0036】
制御部13は、記憶部14に記憶されている電卓制御プログラム(計算補助端末連携アプリを含む)14aに従い回路各部の動作を制御し、キー入力部11からのキー入力信号および外部の通信機器(例えばスマートフォン(計算補助端末)20)から近距離無線通信部16を介して受信される受信信号に応じた各種の処理を実行する。
【0037】
電卓制御プログラム14aは、少なくとも前述の機能(a1)(a2)を含む電卓機能を実行するためのプログラムを含む。
【0038】
電卓制御プログラム14aは、記憶部14に予め記憶されていてもよいし、あるいはメモリカードなどの外部記録媒体Mから記録媒体読取部15を介して記憶部14に読み込まれて記憶されたものであってもよい。電卓制御プログラム14aは、ユーザがキー入力部11の操作によって書き換えできないようになっている。
【0039】
記憶部14には、さらに、キーデータ記憶領域14b、計算データ記憶領域14cおよび作業データ記憶領域14dなどの各種のデータ記憶領域が確保される。
【0040】
キーデータ記憶領域14bには、キー入力部11の操作に応じて入力されたキーのデータまたは入力されたキーのデータを例えば[Ans][=](実行)キーが操作される毎に解析して得られる計算式のデータが記憶される。
【0041】
計算データ記憶領域14cには、入力された計算式のデータに基づき計算された計算結果のデータなどが記憶される。
【0042】
作業データ記憶領域14dには、制御部13による各部の動作の制御に応じて生成または取得される各種のデータが必要に応じて一時的に記憶される。
【0043】
近距離無線通信部16は、Bluetooth、NFC(Near Field Communication)など、外部の通信機器(例えばスマートフォン20)と近距離で無線通信する機能を備える。
【0044】
このように構成された関数電卓(計算端末)10Fは、制御部13が電卓制御プログラム14aに記述された命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウエアとハードウエアとが協働して動作することにより、後述の動作説明で述べるような電卓機能を実現する。
【0045】
<スマートフォン(計算補助端末)20の電子回路>
図3に示すように、スマートフォン(計算補助端末)20の電子回路は、タッチパネル式表示部21、音声入力部26aおよび音声出力部26bに加えて、コンピュータである制御部(CPU)22と、記憶部23と、記録媒体読取部24と、キー入力部25と、近距離無線通信部27と、無線通信部28と、を備える。
【0046】
制御部22は、記憶部23に記憶された端末制御プログラム(計算端末補助アプリおよびWebブラウザを含む)23aに従い回路各部の動作を制御し、タッチパネル式表示部21やキー入力部25、音声入力部26aからの入力信号、近距離無線通信部27を介して受信される外部の電子機器(例えば関数電卓(計算端末)10F)からの受信信号、および無線通信部28を介して受信される通信ネットワークN上のWebサーバ(例えば計算情報サーバ(サーバ装置)30)からの受信信号に応じた各種の処理を実行する。
【0047】
スマートフォン(計算補助端末)20の制御部(CPU)22は、関数電卓(計算端末)10Fの制御部(CPU)13よりも計算に関する機能や性能に優れている部分が多く、より複雑な計算を高速、高精度に実行することが可能であり、また、スマートフォン(計算補助端末)20の表示部21は、関数電卓(計算端末)10Fの表示部12よりも表示に関する機能や性能に優れている部分が多く、高精細で且つ画面サイズが大きく、表示可能な色や表示可能桁数も格段に多いため、計算に関するより多くの情報をより見やすく表示することが可能である。スマートフォン(計算補助端末)20の計算や表示に関する機能および性能の情報である機能性能情報は予め記憶部23に記憶されているものとする。
【0048】
端末制御プログラム23aは、少なくとも前述の機能(b1)(b2)(b3)(b4)を含む計算端末補助機能を実行するためのプログラムを含む。
【0049】
端末制御プログラム23aは、記憶部23に予め記憶されていてもよいし、あるいはメモリカードなどの外部記録媒体Mから記録媒体読取部24を介して記憶部23に読み込まれて記憶されたものであってもよいし、通信ネットワークN上のWebサーバ(この場合はプログラムサーバ)から無線通信部28を介してダウンロードされ記憶部23に記憶されたものであってもよい。端末制御プログラム23aは、ユーザがタッチパネル式表示部21やキー入力部25の操作によって書き換えできないようになっている。
【0050】
記憶部23には、さらに、グラフ式データ記憶領域23b、計算端末性能データ記憶領域23c、計算フォームデータベース23d、計算式データ記憶領域23eおよび作業データ記憶領域23fなどの各種のデータ記憶領域が確保される。
【0051】
グラフ式データ記憶領域23bには、グラフとして表示させることが可能な式(例えば、方程式、不等式、対数・指数関数式など)の構成を有するグラフ式(変数が記号化された基本形式の公式)が記憶される。
【0052】
このグラフ式は、関数電卓10Fにより入力された計算式が受信された場合に、受信された1または複数の計算式と式の構成が一致(類似)するか否かを判断し、入力された計算式がグラフ表示可能か否かを判断するために用いられる。
【0053】
計算端末性能データ記憶領域23cには、複数種類の計算端末(ここでは関数電卓10F)の識別情報(ID)に対応付けられて、その関数電卓10Fの計算や表示に関する機能および性能の情報である機能性能情報が記憶される。例えば、計算可能な計算式の種類(複雑さ)や計算速度、計算可能桁数、表示可能なサイズ、色、表示可能桁数などの情報が記憶される。
【0054】
この複数種類の関数電卓10Fの機能性能情報は、関数電卓10Fにより入力された計算式が受信された場合に、スマートフォン(計算補助端末)20の機能性能情報と比較され、受信した計算式に関する計算や表示を行う際に、当該関数電卓10Fよりもスマートフォン20の方が優れた計算や表示が行われるかを判断するために用いられる。例えば、計算式が複雑であり、関数電卓10Fでは計算が不可能であったり、計算ができても時間がかかるが、スマートフォン20ならばより素早く計算できるか否かを判断する場合や、計算式の計算結果の情報量(桁数など)が多いために関数電卓10Fでは全ての計算結果の情報を表示できなかったり、表示できたとしても見やすい表示にはならないが、スマートフォン20ならば計算結果(桁数など)をより多く表示できたり、グラフ表示などで見やすく表示できるか否かを判断するために用いられる。
【0055】
計算フォームデータベース23dには、計算情報サーバ30から予めダウンロードされた各種の計算フォーム(Webページ)のデータが、例えば、数学公式集/計算応用集/健康の計算/お金の計算/繰返しの計算/…などに分類されて記憶される。
【0056】
計算フォームは、計算フォームの種類毎に異なる計算用のWebページであって、当該Webページはプログラムにより生成される。計算フォームには、入力欄と出力欄がレイアウトされて設けられ、入力欄に入力されたデータに基づいて当該計算フォームの種類に応じた特定の計算を実行し、その計算結果を出力欄に出力する機能を有する。
【0057】
図5は、スマートフォン20の計算フォームデータベース23dに記憶される計算フォームの一例であって、数学公式集に分類される計算フォームのうちの「不等辺三角形」に関する計算フォーム(不等辺三角形)23d1を示す図である。
【0058】
計算フォーム(不等辺三角形)23d1は、例えば、不等辺三角形のモデル図(不等辺三角形)Z1と、モデル
図Z1の符号により示される計算要素(辺、角、高さ、面積)の入力を選択的に指定するための入力指定欄D10と、入力指定欄D10により指定された計算要素の値を変数値として入力するための数値入力欄D11,D12,D13と、計算の実行を指示する[計算]ボタンBと、計算結果出力欄(不等辺三角形)A1と、を含む。
【0059】
そして、計算フォーム(不等辺三角形)23d1は、入力指定欄D10および数値入力欄D11,D12,D13に従い入力された数値に基づき、数値入力されていない他の計算要素の値を計算するための当該計算フォーム23d1の種類(不等辺三角形)に対応した特定の計算式である公式(不等辺三角形)Fm1を有する。
【0060】
このFm1に示される複数の計算式が、「不等辺三角形」に関する計算フォームを特定するための複数の計算式であり、後述する計算フォームの検索処理において、受信された1または複数の計算式と式の構成が一致(類似)するか否かを判断するために用いられる。
【0061】
図6は、スマートフォン20の計算フォームデータベース23dに記憶される計算フォームの一例であって、計算応用集に分類される計算フォームのうちの「直線回帰」に関する計算フォーム(直線回帰)23d2を示す図である。
【0062】
計算フォーム(直線回帰)23d2は、例えば、直線回帰(y=A+Bx)の分析対象となる計算要素の値を変数値として入力するための分布表H2と、計算の実行を指示する[計算]ボタンBと、計算結果出力欄(直線回帰)A2と、を含む。
【0063】
そして、計算フォーム(直線回帰)23d2は、分布表H2に従い入力された分析対象の数値に基づき、直線回帰の推定値を計算するための当該計算フォーム23d2の種類(直線回帰)に対応した特定の計算式である公式(直線回帰)Fm2を有する。
【0064】
このFm2に示される複数の計算式が、「直線回帰」に関する計算フォームを特定するための複数の計算式であり、後述する計算フォームの検索処理において、受信された1または複数の計算式と式の構成が一致(類似)するか否かを判断するために用いられる。
【0065】
図7は、スマートフォン20の計算フォームデータベース23dに記憶される計算フォームの一例であって、健康の計算に分類される計算フォームのうちの「基礎代謝量」に関する計算フォーム(基礎代謝量)23d3を示す図である。
【0066】
計算フォーム(基礎代謝量)23d3は、例えば、人のモデル
図Z3と、計算要素(年齢、身長、体重)の値を変数値として入力するための数値入力欄D31,D32,D33と、計算の実行を指示する[計算]ボタンBと、計算結果出力欄(基礎代謝量)A3と、を含む。
【0067】
そして、計算フォーム(基礎代謝量)23d3は、数値入力欄D31,D32,D33に従い入力された数値に基づき、基礎代謝量を計算するための当該計算フォーム23d3の種類(基礎代謝量)に対応した特定の計算式である公式(基礎代謝量)Fm3を有する。
【0068】
このFm3に示される複数の計算式が、「基礎代謝量」に関する計算フォームを特定するための複数の計算式であり、後述する計算フォームの検索処理において、受信された1または複数の計算式と式の構成が一致(類似)するか否かを判断するために用いられる。
【0069】
各種の計算要素の値を求める公式(特定の計算式)は、変数記号と数学記号(演算記号、関数記号、定数記号など)の組み合わせにより構成されるが、例えば
図7で示した公式(基礎代謝量)Fm3のように、定数が数値として直接組み合わされる公式もある。
【0070】
計算フォームデータベース23dにおいて、繰返しの計算に分類される計算フォームとしては、公式(特定の計算式)として例えば積分を含む計算式を使用した同じ関数に基づく積算に便利な計算フォーム(積分)や、公式(特定の計算式)として例えば同じ関数を繰返し使用した計算要素の表を有する計算フォーム(表計算)などを含んでよい。
【0071】
このように、計算フォームデータベース23dに記憶される各種の計算フォーム23dnは、その何れも、計算フォーム23dnの種類nに応じた計算要素の入力欄Dnと出力欄Anとを含み、また計算フォーム23dnの種類nに応じた公式(特定の計算式)Fmnを有する。
【0072】
なお、スマートフォン20の計算フォームデータベース23dに計算情報サーバ30から予めダウンロードされて記憶される計算フォーム23dnの種類nは、例えばスマートフォン20の記憶容量が計算情報サーバ30よりも少ないことから、計算情報サーバ30がその計算フォームデータベース32b(
図4参照)に記憶している計算フォーム32bmの種類mよりも、例えば各分類ともに一定程度少ない。
【0073】
計算式データ記憶領域23eには、関数電卓10Fと通信接続された状態において、当該関数電卓10Fから受信される1または複数の計算式のデータが記憶される。
【0074】
作業データ記憶領域23fには、制御部22による各部の動作の制御に応じて生成または取得される各種のデータが必要に応じて一時的に記憶される。
【0075】
近距離無線通信部27は、Bluetooth、NFC(Near Field Communication)など、外部の電子機器(例えば関数電卓10F)と近距離で無線通信する機能を備える。
【0076】
無線通信部28は、Wi-Fiなど、外部の通信ネットワークN上のサーバ装置(例えば計算情報サーバ30)と無線ルータを介して無線通信する機能を備える。
【0077】
このように構成されたスマートフォン(計算補助端末)20は、制御部22が端末制御プログラム23aに記述された命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウエアとハードウエアとが協働して動作することにより、後述の動作説明で述べるような計算端末補助機能を実現する。
【0078】
<計算情報サーバ(サーバ装置)30の電子回路>
図4に示すように、計算情報サーバ30の電子回路は、コンピュータである制御部(CPU)31と、記憶部32と、記録媒体読取部33と、通信部34と、入力部35と、表示部36と、を備える。
【0079】
制御部31は、記憶部32に記憶されているサーバ制御プログラム32aに従い、入力部35からのユーザ操作に応じた入力信号、あるいは通信ネットワークN上の通信端末(ここではスマートフォン20)からの通信部34による受信信号に応じて回路各部の動作を制御する。サーバ制御プログラム32aは、記憶部32に予め記憶されていてもよいし、あるいはCD-ROMなどの外部記録媒体Mから記録媒体読取部33を介して記憶部32に読み込まれて記憶されたものでもよいし、通信ネットワークN上の他のWebサーバ(この場合はプログラムサーバ)から通信部34を介してダウンロードされ記憶部32に記憶されたものであってもよい。
【0080】
サーバ制御プログラム32aは、少なくとも前述の機能(c1)(c2)(c3)を含む計算情報提供機能を実行するためのプログラムを含む。
【0081】
記憶部32には、さらに、計算フォームデータベース32b、計算式データ記憶領域32c、作業データ記憶領域32dが確保される。
【0082】
計算フォームデータベース32bには、各種の計算フォーム(Webページ)のデータが、例えば、数学公式集/計算応用集/健康の計算/お金の計算/繰返しの計算/…などに分類されて記憶される。この計算情報サーバ30の計算フォームデータベース32bに記憶されている各種の計算フォームのうち、例えば各分類ともに一定程度少ない種類の計算フォームが、前述のスマートフォン(計算補助端末)20の計算フォームデータベース23dに対し予めダウンロードされて記憶される。
【0083】
計算式データ記憶領域32cには、スマートフォン20から受信される1または複数の計算式のデータが記憶される。この計算式のデータは、関数電卓10Fによりユーザが行う計算の操作に応じて、スマートフォン20の計算フォームデータベース23dにてその計算式に対応する計算フォームが検索されない場合に、計算情報サーバ30の計算フォームデータベース32bから同計算式に対応する計算フォームを検索するために、スマートフォン20を介して受信される。
【0084】
作業データ記憶領域32dには、制御部31による各部の動作の制御に応じて生成または取得される各種のデータが必要に応じて一時的に記憶される。
【0085】
このように構成された計算情報サーバ30は、制御部31がサーバ制御プログラム32aに記述された命令に従い回路各部の動作を制御し、ソフトウエアとハードウエアとが協働して動作することにより、後述の動作説明で述べるような計算情報提供機能を実現する。
【0086】
(実施形態の動作)
次に、実施形態の計算補助システム1の動作について説明する。
【0087】
図8は、関数電卓(計算端末)10Fの電卓制御プログラム(計算補助端末連携アプリを含む)14aに従った処理(その1)を示すフローチャートである。
【0088】
図9は、関数電卓(計算端末)10Fの電卓制御プログラム(計算補助端末連携アプリを含む)14aに従った処理(その2)を示すフローチャートである。
【0089】
図10は、スマートフォン(計算補助端末)20の端末制御プログラム(計算端末補助アプリおよびWebブラウザを含む)23aに従った処理(その1)を示すフローチャートである。
【0090】
図11は、スマートフォン(計算補助端末)20の端末制御プログラム(計算端末補助アプリおよびWebブラウザを含む)23aに従った処理(その2)を示すフローチャートである。
【0091】
図12は、スマートフォン(計算補助端末)20の処理(その1)に含まれる計算フォーム検索処理(T10)を示すフローチャートである。
【0092】
図13は、関数電卓10Fで入力された計算式に基づいてスマートフォン20にて計算された計算結果の高精度計算画面Gpが計算補助情報としてスマートフォン20に表示された状態を示す図である。
【0093】
ここでは、関数電卓10Fを使用してユーザが所望の計算を行う場合に、ユーザ(関数電卓10F)の近く(近距離無線通信部16による通信可能範囲内)にスマートフォン20が存在すると仮定する。
【0094】
関数電卓10Fの[ON]キーを操作して電源を入れると、関数電卓10Fの近距離無線通信部16とスマートフォン20の近距離無線通信部27とを介して相互の通信接続が確立される(ステップF1/ステップT1)。その後、制御部13は、計算補助システム1に係る処理を開始することを指示する所定の操作が行われるか、計算補助システム1に係る処理を自動起動するモードが設定されている場合は、計算補助システム1において予め決められた関数電卓10Fとスマートフォン20との間の通信プロトコルに従った処理の実行を開始する。
【0095】
関数電卓10Fにおいて、ユーザが所望の計算式を入力するためのキー操作が行なわれると(ステップF2(YES))、制御部13は、入力されたキー情報を表示部12に表示させ、入力されたキー情報から計算式を解析し(ステップF3)、計算式に基づき計算した計算結果を表示部12に表示させる(ステップF4)。
【0096】
制御部13は、入力されたキー情報または解析した計算式の情報であって、ユーザが入力することで制御部13に検出された計算式を示す計算式情報を、当該ユーザが計算の補助対象となる計算式を個別に指定する操作を行ったことを検出することなく、逐次スマートフォン20に送信する(ステップF5)。ここで、計算式情報は、四則演算や関数などの演算子を示す情報と、その演算子により演算される数値などの引数(パラメータ)との関係や計算順序などがわかる情報であり、人間が理解しやすい形式で記載された計算式と同様に記号や数値が並んだ情報の他、装置のコンピュータが理解しやすい形式で記号や数値が並んだ情報であってもよい。また、計算補助システム1を構成する複数の装置間で、記号や数値の並びをどのようにして計算式として解釈するかの規則が予め決められている場合には、記号や数値を示すキー情報そのものを計算式情報として送信するようにしてもよい。
【0097】
なお、関数電卓10Fは、入力されたキー情報をその入力毎にスマートフォン20に送信してよいし、または入力されたキー情報から例えば[=](実行)キーが操作される毎に解析した計算式をスマートフォン20に送信してもよい。
【0098】
スマートフォン20において、近距離無線通信部27を介して関数電卓10Fとの通信接続が確立されると(ステップF1/ステップT1)、制御部22は、計算補助システム1に係る処理を実行するアプリケーションプログラムが起動されるか、計算補助システム1に係る処理を自動起動するモードが設定されている場合は、計算補助システム1において予め決められた関数電卓10Fとスマートフォン20との間の通信プロトコルに従った処理として、近距離無線通信部27を介して受信される関数電卓10Fからの受信信号の監視処理を開始する(ステップT2)。
【0099】
この際、制御部22は、関数電卓10Fとの通信接続に応じて受信された関数電卓10Fの識別情報(ID)に基づいて、計算端末性能データ記憶領域23cに記憶されている当該関数電卓10Fの機能性能情報を特定する。
【0100】
図8のステップF5において関数電卓10Fから送信された計算式情報であるキー情報または計算式の情報が受信されると(ステップT3(YES))、制御部22は、受信されたのがキー情報である場合は、予め決められている規則に従って、受信されたキー情報から計算式を解析し、関数電卓10Fから受信された計算式情報が示す計算式のデータを計算式データ記憶領域23eに記憶する(ステップT4)。
【0101】
制御部22は、関数電卓10Fから受信された計算式のうち変数を除いた数学記号からなる式の構成がグラフ式データ記憶領域23bに記憶されているグラフ式の構成と一致(または類似)するか否かに基づいて、受信された計算式に対応するグラフ表示が可能か否かを判定する(ステップT5)。
【0102】
この際、制御部22は、関数電卓10Fの識別情報(ID)に基づき特定した当該関数電卓10Fの機能性能情報と、スマートフォン20の記憶部23に予め記憶されている当該スマートフォン20の機能性能情報とを比較し、関数電卓10Fから受信された計算式に含まれる変数の次元(計算結果がグラフ表示に適しているか否か)なども加味し、この計算式の計算結果を表示する場合に、スマートフォン20のグラフ表示機能を用いた方が見やすい表示ができるか否かについても判定する。
【0103】
ここで、スマートフォン20のグラフ表示機能を用いた方が見やすいグラフ表示が可能であると判定されると(ステップT5(YES))、制御部22は、グラフ表示が可能な旨の通知(計算補助情報ありの通知)を関数電卓10Fに送信する(ステップT6)。
【0104】
制御部22は、例えば
図1で示したように、関数電卓10Fから受信された計算式(ここでは二次方程式)とともに、その計算式に対応するグラフg1を含むグラフ画面Ggを、計算補助情報として表示部21に表示させる(ステップT7)。
【0105】
関数電卓10Fにおいて、
図10のステップT16でスマートフォン20から送信されたグラフ表示が可能な旨の通知が受信されると(ステップF6(YES))、制御部13は、例えば
図1で示したように報知部BZを動作させ、ユーザが入力した計算式に対応するグラフg1を含むグラフ画面Ggがスマートフォン20に表示されていることを報知する(ステップF7)。
【0106】
なお、スマートフォン20によるグラフ表示が可能な旨のユーザへの通知は、スマートフォン20の音声出力部26bからの音声出力により行ってもよい。
【0107】
ユーザは、関数電卓10Fにより入力した計算式がグラフとして表示可能な式であるかを意識することなく、グラフ表示可能な式であった場合には、入力した計算式に対応する関数電卓10Fよりも見やすいグラフg1のグラフ画面Ggを計算補助情報としてスマートフォン20に自動的に表示させて確認できる。
【0108】
また、スマートフォン20の制御部22は、関数電卓10Fの識別情報(ID)に基づき特定した当該関数電卓10Fの機能性能情報と、スマートフォン20の記憶部23に予め記憶されている当該スマートフォン20の機能性能情報とを比較し、当該関数電卓10Fよりもスマートフォン20の方が高精度な計算が可能な否かを判定する(ステップT8)。
【0109】
この際、制御部22は、関数電卓10Fから受信された計算式の計算結果の情報量なども加味し、この計算式の計算結果を表示する場合に、スマートフォン20で表示した方が、計算結果の情報(桁)を情報が欠損する(桁落ちする)ことなく表示できるか否かについても判定する。
【0110】
ここで、スマートフォン20の方が関数電卓10Fよりも計算結果の情報(桁)が欠損する(桁落ちする)ことなく(情報量多く)高精度な計算が可能であると判定されると(ステップT8(YES))、制御部22は、例えば
図13に示すように、関数電卓10Fから受信された計算式(ここでは対数関数式)とともに、その計算式の計算結果を含む高精度計算画面Gpを、計算補助情報として表示部21に表示させ、高精度計算結果を表示させた旨の通知(計算補助情報ありの通知)を関数電卓10Fに送信する(ステップT9)。
【0111】
関数電卓10Fにおいて、
図10のステップT9でスマートフォン20から送信された高精度計算結果を表示させた旨の通知が受信されると(ステップF8(YES))、制御部13は、例えば
図13で示したように報知部BZを動作させ、ユーザが入力した計算式の計算結果を含む高精度計算画面Gpがスマートフォン20に表示されていることを報知する(ステップF9)。
【0112】
この場合も、スマートフォン20による高精度計算結果を表示させた旨のユーザへの通知は、スマートフォン20の音声出力部26bからの音声出力により行ってもよい。
【0113】
ユーザは、関数電卓10Fにより入力した計算式が当該関数電卓10Fの計算精度では例えば桁あふれにより精度よく計算できない場合であっても、それを意識することなく、入力した計算式に対応する桁落ちのない高精度な計算結果の高精度計算画面Gpを計算補助情報としてスマートフォン20に自動的に表示させて確認できる。
【0114】
また、スマートフォン20の制御部22は、
図8のステップF5にて関数電卓10Fから送信され、
図10のステップT3にてスマートフォン20に受信された計算式と式の構成が一致する計算式(特定の計算式)を使用している計算フォーム23dnを、計算フォームデータベース23dから検索する(ステップT10:計算フォーム検索処理)。
【0115】
関数電卓10Fから受信された計算式と式の構成が一致する計算式(特定の計算式)を使用している計算フォーム23dnが検索された(ある)場合(ステップT11(YES))、制御部22は、計算フォームがある旨の通知(計算補助情報ありの通知)を関数電卓10Fに送信する(ステップT13)。
【0116】
この際、制御部22は、関数電卓10Fの識別情報(ID)に基づき特定した当該関数電卓10Fの機能性能情報と、スマートフォン20の記憶部23に予め記憶されている当該スマートフォン20の機能性能情報とを比較し、関数電卓10Fから受信された計算式の種類や複雑さなども加味し、この計算式を計算する場合に、スマートフォン20の計算機能(ここではステップT10にて検索された計算フォーム23d)を用いた方がより高速に高精度な計算ができるか否かについても判定する。そして、スマートフォン20の計算機能を用いた方がより高速に高精度な計算ができると判定された場合に、計算フォームがある旨の通知(計算補助情報ありの通知)を関数電卓10Fに送信する(ステップT13)。
【0117】
ステップT10にて計算フォーム23dnが検索されない場合(ステップT11(NO))、制御部22は、関数電卓10Fから次の計算式情報を受信するための受信待機に戻る(ステップT3)。
【0118】
なお、スマートフォン(計算補助端末)20において、その計算フォームデータベース23dから、関数電卓10Fから受信された計算式と式の構成が一致(類似)する計算式(公式)を使用している計算フォームが検索されない場合には、計算情報サーバ30と通信接続して関数電卓10Fから受信された計算式のデータを転送し、計算情報サーバ30に、計算情報サーバ30の計算フォームデータベース32bから計算フォーム32bmを検索させるようにしてもよい。
【0119】
この場合、計算情報サーバ30での計算フォーム検索処理は、以下に説明するスマートフォン20での計算フォーム検索処理(T10)と同様に実行してよい。
【0120】
ここで、
図12を参照してスマートフォン(計算補助端末)20による計算フォーム検索処理(T10)について説明する。
【0121】
制御部22は、計算式データ記憶領域23eに記憶された計算式、すなわち関数電卓10Fから受信された計算式が複数あるか否かを判定する(ステップT101)。
【0122】
計算式が複数無い、すなわち1つの場合(ステップT101(NO))、制御部22は、計算フォームデータベース23dから、計算式データ記憶領域23eの全ての計算式(ここでは1つ)を対象に、同計算式に含まれる変数を除いた数学記号からなる式の構成が一致する計算式(特定の計算式)を使用している計算フォーム23dnを、計算式の比較により検索する(ステップT102)。
【0123】
ここで、計算式データ記憶領域23eの計算式に定数が定数記号(数学記号)ではなく数値として直接組み合わされている場合、例えば、計算フォームデータベース23dの各種の計算フォームと共に予め記憶した、当該各種の計算フォームの公式(特定の計算式)に使用している定数値のデータベース(定数値データベース)に基づいて、制御部22は、計算式データ記憶領域23eの計算式に組み合わされた定数である数値を区別し、同計算式に含まれる変数としての数値を除く。
【0124】
一方、計算式データ記憶領域23eの計算式が複数ある場合(ステップT101(YES))、制御部22は、複数の計算式が、何れも、変数を除いた数学記号からなる式の構成が同じになるか否かを判定する(ステップT103)。
【0125】
ここで、計算式データ記憶領域23eの複数の計算式が、何れも、変数を除いた数学記号からなる式の構成が同じになると判定された場合(ステップT103(YES))、制御部22は、計算フォームデータベース23dから、同複数の計算式の何れかの計算式の変数を除いた数学記号からなる式と一致する計算式(特定の計算式)を使用している繰返しの計算に分類された計算フォーム23dnを、計算式の比較により検索する(ステップT104)。
【0126】
関数電卓10Fから受信された計算式が複数ある場合(ステップT101(YES))であって、同複数の計算式それぞれの変数を除いた数学記号からなる式の構成が同じにならない場合(ステップT103(NO))、制御部22は、計算フォームデータベース23dから、繰返しの計算に分類された計算フォームの検索に絞らず、複数の計算式の全てを対象に、同計算式に含まれる変数を除いた数学記号からなる式の構成が一致する計算式(特定の計算式)を使用している計算フォーム23dnを、計算式の比較により検索する(ステップT102)。
【0127】
なお、関数電卓10Fから受信された計算式から変数を除いた数学記号からなる式の構成が、計算フォームが使用している計算式(特定の計算式)の構成と一致するかを比較して判定する処理では、お互いの式内の項は前後してよく項間の数学記号が一致すればよい。
【0128】
また、上述したステップT10の処理において、関数電卓10Fから受信された複数の計算式と、計算フォームが使用している複数の計算式とが一致しているか否かの判断は、計算フォームが使用している複数の計算式の全てが、関数電卓10Fから受信された複数の計算式に含まれる場合に一致していると判断するようにしてもよいし、計算フォームが使用している複数の計算式のうち、決められた割合の計算式が関数電卓10Fから受信された計算式に含まれる場合に一致していると判断するようにしてもよい。また、計算フォーム毎に決められた各計算式の重みを加味した類似度を算出し、所定以上の類似度を有する場合に一致していると判断するようにしてもよい。
【0129】
また、上述したステップT11の処理において、一致する計算フォームが無いと判断された場合には、複数の計算フォームのうち、類似度が最も高い計算フォームを一致するものと見做してステップT13からの処理を継続するようにしてもよい。
【0130】
関数電卓10Fから受信された計算式と式の構成が一致する計算式(特定の計算式)を使用している関数電卓10Fよりもより高速に高精度な計算ができる計算フォーム23dn(または計算情報サーバ30の計算フォーム32bm)が検索された(ある)場合(ステップT11(YES))、制御部22は、検索された計算フォーム23dnがある旨の通知(計算補助情報有りの通知)を関数電卓10Fに送信する(ステップT13)。
【0131】
制御部22は、ステップT10にて計算フォームデータベース23dから検索された計算フォーム(Webページ)23dn(または32bm)を、Webブラウザを起動して、例えば
図14に示すように、計算フォーム画面(不等辺三角形)G1(23d1)としてタッチパネル式表示部21に表示させる(ステップT14)。
【0132】
制御部22は、関数電卓10Fから受信された計算式に変数として含まれる引数を、計算フォーム(Webページ)の入力欄Dnに入力し、同計算フォーム(Webページ)の画面データをWebブラウザからの要求に従いタッチパネル式表示部21に表示させる(ステップT15)。
【0133】
関数電卓10Fにおいて、
図10のステップT13でスマートフォン20から送信された計算フォームがある旨の通知(計算補助情報ありの通知)が受信されると(ステップF10(YES))、制御部13は、報知部BZを動作させ、ユーザが入力した計算式、すなわちユーザが行なっている計算に対応する計算フォーム(Webページ)がスマートフォン20に取得されて表示されていることを報知する(ステップF12)。
【0134】
なお、スマートフォン20に計算フォームがある(表示されている)旨のユーザへの通知は、スマートフォン20の音声出力部26bからの音声出力により行ってもよい。
【0135】
ここで、関数電卓10Fのキー入力部11が操作されると(ステップF13(YES))、制御部13は、その操作の都度、入力されたキー情報をスマートフォン20に送信する(ステップF14)。
【0136】
スマートフォン20において、制御部22は、関数電卓10Fから受信されるキー情報に応じて、タッチパネル式表示部21に表示させている計算フォーム(Webページ)の操作可能な対象箇所(入力欄DnやボタンBなど)を操作する(ステップT16)。
【0137】
スマートフォン20において、計算フォームを表示させている状態では、関数電卓10Fから受信されるキー情報は、例えばカーソルキー114である場合には計算フォームの操作可能な対象箇所を選択して識別表示させる操作を果たし、例えば[0]~[9](数値)キーである場合には識別表示された対象箇所(例えば入力欄Dn)に数値を入力する操作を果たし、例えば[Ans][=](実行)キーである場合には識別表示された対象箇所(例えばボタンB)の機能を実行させる操作を果たす。
【0138】
スマートフォン20において、タッチパネル式表示部21に表示させている計算フォーム(Webページ)の操作可能な対象箇所が操作されると、制御部22は、操作に応じて計算フォームの対象箇所の内容を更新する(ステップT17)。すなわち、例えば計算フォームの入力欄Dnに数値を入力し、公式(特定の計算式)に従った計算を実行し、その計算結果を計算結果出力欄Anに出力する。
【0139】
制御部22は、ステップT16,T17で表示されている計算フォーム(Webページ)の操作に応じて更新された計算フォームを表示させる(ステップT18)。
【0140】
計算フォーム(Webページ)の計算結果出力欄Anに計算結果が出力されると(ステップT19(YES))、制御部22は、出力された計算結果のデータを関数電卓10Fに送信する(ステップT20)。
【0141】
関数電卓10Fにおいて、
図11のステップT20でスマートフォン20から送信された計算結果のデータが受信されると(ステップF15(YES))、制御部13は、受信された計算結果を表示部12に表示させる(ステップF16)。
【0142】
図14は、関数電卓10Fで入力された計算式に基づきスマートフォン20にて検索された計算フォーム(不等辺三角形)23d1が計算フォーム画面(不等辺三角形)G1として表示された状態を示す図である。
【0143】
図14に示す計算フォーム画面(不等辺三角形)G1では、数値入力欄D11,D12,D13に入力された計算要素(辺a、辺b、辺c)の変数値に基づいて、[計算]ボタンBの操作に応じて計算フォーム(不等辺三角形)23d1の公式(不等辺三角形)Fm1に従い計算された他の計算要素(高さh、角A、角B、角C、面積S)の計算結果が、計算結果出力欄(不等辺三角形)A1に表示された状態を示している。
【0144】
図15は、関数電卓10Fで入力された計算式に基づきスマートフォン20にて検索された計算フォーム(直線回帰)23d2が計算フォーム画面(直線回帰)G2として表示された状態を示す図である。
【0145】
図15に示す計算フォーム画面(直線回帰)G2では、分布表H2に入力された分析対象となる計算要素の変数値に基づいて、[計算]ボタンBの操作に応じて計算フォーム(直線回帰)23d2の公式(直線回帰)Fm2(
図6参照)に従い計算された分析結果としての計算結果が、計算結果出力欄(直線回帰)A2に表示された状態を示している。計算フォーム(直線回帰)23d2は、回帰直線のグラフg2を表示させる機能も有する。
【0146】
図16は、関数電卓10Fで入力された計算式に基づきスマートフォン20にて検索された計算フォーム(基礎代謝量)23d3が計算フォーム画面(基礎代謝量)G3として表示された状態を示す図である。
【0147】
図16に示す計算フォーム画面(基礎代謝量)G3では、数値入力欄D31,D32,D33に入力された計算要素(年齢、身長、体重)の変数値に基づいて、[計算]ボタンBの操作に応じて計算フォーム(基礎代謝量)23d3の公式(基礎代謝量)Fm3に従い計算された計算結果が、計算結果出力欄(基礎代謝量)A3に表示された状態を示している。
【0148】
このように、ユーザは、関数電卓10Fを使用して行なっている計算の種類に対応する当該関数電卓10Fよりもより高速に高精度な計算ができる計算フォームを、例えばその計算の過程においてユーザが意識することなく、スマートフォン20に計算補助情報として取得、表示させて利用することができ、さらには計算フォームでの計算結果を、手元の関数電卓10Fにも表示させて確認できる。関数電卓10Fにおける計算結果の表示は、表示部12の表示可能桁数や画面サイズなどに応じて制限されるが、複数行に渡って表示させたり、表示範囲をスクロールさせたりして表示させてよい。
【0149】
関数電卓10Fにおいて、何もキー操作が行なわれない状態(ステップF2(NO))、または
図10のステップT13でスマートフォン20から計算フォームがある旨の通知が受信されない状態(ステップF10(NO))で、例えば[AC](クリア)キーの操作により計算が終了された場合(ステップF11(YES))、あるいは
図11のステップT16~T20でスマートフォン20に表示されている計算フォーム23dnを利用している状態(ステップF13~F16)で計算が終了された場合(ステップF17(YES))、制御部13は、計算終了の旨の通知をスマートフォン20に送信し、一連の処理を終了する。
【0150】
スマートフォン20において、関数電卓10Fからのキー情報または計算式の情報が受信されない状態(ステップT3(NO))で、関数電卓10Fからの計算終了の旨の通知が受信された場合(ステップT12(YES))、あるいは計算フォーム23dnをWebブラウザに従い表示させている状態(ステップT16~T20)で関数電卓10Fからの計算終了の旨の通知が受信された場合(ステップT21(YES))、制御部22は、関数電卓10Fおよび計算情報サーバ30との通信接続を停止し、一連の処理を終了する。
【0151】
スマートフォン20において、関数電卓10Fから受信した計算式に対応する計算補情報(グラフg1/高精度計算結果/計算フォーム23dn)の何れも取得されることなく、グラフ画面Gg、高精度計算画面Gp、計算フォーム画面Gnの何れも表示されない場合、ユーザは、自身が操作中の関数電卓10Fが、スマートフォン20と連携していたことに気付くことは無い。
【0152】
<関数電卓10Fの計算式情報送信処理>
図17は、関数電卓10Fのキー操作に応じた計算式情報をスマートフォン20に送信するための計算式情報送信処理を示すフローチャートである。
【0153】
ここでは、関数電卓10Fの[MODE](モード)キーの操作に応じて表示部12に表示される動作モードの設定メニューに従い、スマートフォン20にキー情報を送信する2つのモード(「キー情報送信モード」または「計算式送信モード」)の何れかを設定可能であると仮定する。
【0154】
関数電卓10Fの制御部13は、近距離無線通信部16を介してスマートフォン20との通信接続を確立し(ステップF21)、キー入力部11によりキー操作が受付けられるのを待機する(ステップF22)。
【0155】
キー入力部11によりキー操作が受付けられると(ステップF22(YES))、制御部13は、設定された動作モードが「キー情報送信モード」または「計算式送信モード」の何れであるかを判定する(ステップF23)。
【0156】
設定された動作モードが「キー情報送信モード」である場合(ステップF23<キー情報送信モード>)、制御部13は、操作されたキーに対応するキー情報(計算式情報)をスマートフォン20に送信する(ステップF24)。
【0157】
一方、設定された動作モードが「計算式送信モード」である場合(ステップF23<計算式送信モード>)、制御部13は、操作されたキーに対応するキー情報を例えば作業データ記憶領域14dにバッファリングし(ステップF25)、バッファリングしたキー情報の並びに基づいて計算式を解析する(ステップF26)。
【0158】
制御部13は、例えば[Ans][=](実行)キーが操作される毎に、解析された計算式(計算式情報)をスマートフォン20に送信し、バッファリングしたキー情報をクリアする(ステップF27,F28)。
【0159】
「キー情報送信モード」に設定した場合、「計算式送信モード」に設定した場合に比較して制御部13への負荷が軽く電力消費を抑えることができる。
【0160】
<スマートフォン20の計算式情報受信処理>
図18は、スマートフォン20において関数電卓10Fのキー操作に応じた計算式情報を受信するための計算式情報受信処理を示すフローチャートである。
【0161】
スマートフォン20の制御部22は、近距離無線通信部27を介して関数電卓10Fとの通信接続を確立し(ステップT31)、関数電卓10Fからデータが受信されるのを待機する(ステップT32)。
【0162】
関数電卓10Fからデータが受信されると(ステップT32(YES))、制御部22は、受信されたデータの種別が計算式情報としてのキー情報または計算式情報としての計算式の何れであるかを判定し(ステップT33)、キー情報である場合(ステップT33<キー情報>)、キー情報を例えば作業データ記憶領域23fにバッファリングする(ステップT34)。
【0163】
制御部22は、バッファリングしたキー情報の並びに基づいて計算式を解析し(ステップT35)、例えば[Ans][=](実行)キーに対応するキー情報が受信される毎に、解析された計算式を計算式データ記憶領域23eに追加して記憶させる(ステップT36,T37)。
【0164】
一方、受信されたデータの種別が計算式である場合(ステップT33<計算式>)、制御部22は、受信された計算式を計算式データ記憶領域23eに追加して記憶させる(ステップT37)。
【0165】
このように、関数電卓10Fのキー操作に伴う動作モードが「キー情報送信モード」または「計算式送信モード」の何れに設定された場合でも、スマートフォン20は、関数電卓10Fのキー操作に対応した計算式を取得し、前述の
図10および
図11を参照して説明した処理を実行できる。
【0166】
(実施形態のまとめ)
実施形態の計算補助システム1によれば、ユーザが関数電卓(計算端末)10Fをキー操作して計算式を入力し計算を行うと、入力された計算式が逐次スマートフォン(計算補助端末)20に送信される。スマートフォン20は、受信された計算式が、グラフとして表示させることが可能な各種のグラフ式(公式)と式の構成が一致(類似)するか否かと、関数電卓10Fの機能性能情報とスマートフォン20の機能性能情報との比較とにより、スマートフォン20のグラフ表示機能を用いた方が見やすいグラフ表示が可能か否かを判定し、スマートフォン20の方が見やすいグラフ表示が可能な場合には計算式に対応するグラフg1のグラフ画面Ggを計算補助情報として表示させる。
【0167】
ユーザは、関数電卓10Fにより入力した計算式がグラフとして表示可能な式であるかを意識することなく、スマートフォン20の方が見やすいグラフ表示が可能な式であった場合には、入力した計算式に対応するグラフg1をスマートフォン(計算補助端末)20に自動的に表示させて確認できる。
【0168】
またスマートフォン(計算補助端末)20は、受信された計算式が、関数電卓10Fよりもその計算結果の情報(桁)が欠損する(桁落ちする)ことなく(関数電卓10Fよりも情報量が多く)高精度に計算して表示可能か否かを、関数電卓10Fの機能性能情報とスマートフォン20の機能性能情報との比較に基づき判定し、高精度に計算可能な場合には計算式の計算を実行しその計算結果の高精度計算画面Gpを計算補助情報として表示させる。
【0169】
ユーザは、関数電卓10Fにより入力した計算式が当該関数電卓10Fの計算精度では例えば桁あふれにより精度よく計算できない場合であっても、それを意識することなく、入力した計算式に対応する桁落ちのない高精度な計算結果の高精度計算画面Gpを計算補助情報としてスマートフォン(計算補助端末)20に自動的に表示させて確認できる。
【0170】
またスマートフォン(計算補助端末)20は、受信された計算式と式の構成が一致(類似)する公式を使用している計算フォームを、各種の計算フォーム(Webページ)を計算情報サーバ30から予めダウンロードして記憶している計算フォームデータベース23dに基づき検索するとともに、関数電卓10Fの機能性能情報とスマートフォン20の機能性能情報とを比較し、検索した計算フォーム23dを用いた方が関数電卓10Fより高速に高精度な計算ができるか否かを判定する。関数電卓10Fより高速に高精度な計算ができると判定した場合、検索した計算フォーム23dnの計算フォーム画面GnをWebブラウザに従い計算補助情報として表示させる。以降、関数電卓10Fからのキー情報に従って、表示中の計算フォーム23dnの数値入力欄Dnや[計算]ボタンBなどを操作して更新し、計算フォーム23dnに従い計算された計算結果を計算結果出力欄Anに表示させる。そして、計算結果出力欄Anに出力された計算結果のデータを、関数電卓10Fに送信しその表示部12に表示させる。
【0171】
ユーザは、関数電卓10Fを使用して行なっている計算の種類に対応する計算フォームを、例えばその計算の過程においてユーザが意識することなく、スマートフォン(計算補助端末)20に計算補助情報として自動的に取得、表示させて利用することができる。
【0172】
よって、ユーザが計算端末(関数電卓10F)を使用して計算を行う場合の利便性を向上させることが可能になる。
【0173】
以上の実施形態において記載した計算補助システム1による各処理の手法、すなわち、
図8、
図9のフローチャートに示す関数電卓(計算端末)10Fの処理、
図10、
図11、
図12のフローチャートに示すスマートフォン(計算補助端末)20の処理、
図17のフローチャートに示す関数電卓(計算端末)10Fの計算式情報送信処理、
図18のフローチャートに示すスマートフォン(計算補助端末)20の計算式情報受信処理などの各手法は、何れもコンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカードなど)、磁気ディスク(フロッピ(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD-ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの外部記録装置の媒体に格納して配布することができる。そして、電子機器の制御部(CPU)は、この外部記録装置の媒体に記録されたプログラムを記憶装置に読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、実施形態において説明した各種の機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0174】
また、各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態として通信ネットワーク(N)上を伝送させることができ、この通信ネットワーク(N)に接続されたコンピュータ装置(プログラムサーバ)から、前記プログラムのデータを電子機器に取り込んで記憶装置に記憶させ、前述した各種の機能を実現することもできる。
【0175】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0176】
以下に、本願出願当初の特許請求の範囲の主要な請求項について、実施形態での対応個所(符号、段落番号など)および効果について記載する。
【0177】
[1]
ユーザにより操作される操作部(11)と表示部(12)を用いてユーザ操作に応じた計算を行う計算端末(10F)と、
前記計算端末(10F)の計算を補助する計算補助端末(20)と、
を含む計算補助システム(1)であって、
前記計算端末(10F)は、
前記計算補助端末(20)との間で通信接続を確立した状態で(ステップF1/T1)、
前記操作部(11)により入力された計算式の情報である計算式情報を取得するとともに、前記計算式情報に基づいて計算を行い、前記計算の結果を前記表示部(12)に表示し(ステップF2~F4)、
取得される前記計算式情報を前記計算補助端末(20)に送信し(ステップF5)、
前記計算補助端末(20)は、
前記計算端末(10F)から送信されてくる前記計算式情報に基づいて、前記計算端末(10F)が行っている計算を補助すべきか否かを判定し(ステップT3~T5/T8/T10,T11)、
補助すべきと判定した場合には、前記計算端末(10F)が行っている計算の補助に係る情報である計算補助情報を出力する(ステップT7/T9/T14)、
処理を実行する計算補助システム。
【0178】
ユーザは、計算端末(10F)を使用して行なっている計算に対し補助となる計算補助情報(Gg/Gp/Gn)を計算補助端末(20)にて自動的に得ることができる。
【0179】
[2]
前記計算補助端末(20)は、
前記計算端末(10F)が行っている計算を補助すべきか否かを判定する場合に、前記計算端末(10F)から受信した前記計算式情報が示す計算式の計算または計算結果の表示に関する機能または性能が、前記計算端末(10F)より前記計算補助端末(20)の方が優れていると判定される場合に(段落[0102]/[0109]/[0116])、前記計算端末(10F)が行っている計算を補助すべきと判定する(ステップT5/T8/T11)、
処理を実行する[1]に記載の計算補助システム。
【0180】
ユーザは、計算端末(10F)を使用して行なっている計算に対し、計算端末(10F)より計算補助端末(20)の方が、その計算結果の表示に関する機能または性能が優れていると判定された計算補助情報(Gg/Gp/Gn)を、計算補助端末(20)にて自動的に得ることができる。
【0181】
[3]
前記計算補助端末(20)は、
計算の種類が互いに異なる複数の計算式それぞれについて前記計算補助情報を記憶部(23d)に記憶し(段落[0055-0056][0059][0063][0067])、
前記計算端末(10F)から受信した前記計算式情報が示す計算式に対応する前記計算補助情報が前記記憶部(23d)に記憶されている場合に、前記計算端末(10F)が行っている計算を補助すべきと判定する(ステップT10,T11)、
処理を実行する[1]または[2]に記載の計算補助システム。
【0182】
ユーザは、計算端末(10F)を使用して行なっている計算に対応する種類の計算フォーム(23dn)の計算フォーム画面(Gn)を、計算補助端末(20)にて自動的に得ることができる。
【0183】
[4]
前記計算補助端末(20)は、
前記計算端末(10F)から受信した前記計算式情報が示す計算式に対応する前記計算補助情報が前記記憶部(23d)に記憶されており、かつ、前記計算補助情報で提供される計算式の計算または計算結果の表示に関する機能または性能が、前記計算端末(10F)より前記計算補助端末(20)の方が優れていると判定される場合に、前記計算端末(10F)が行っている計算を補助すべきと判定する(ステップT10,T11/段落[0116])、
処理を実行する[3]に記載の計算補助システム。
【0184】
ユーザは、計算端末(10F)を使用して行なっている計算に対応する種類の計算フォーム(23dn)であって、計算端末(10F)より計算補助端末(20)の方が、その計算結果の表示に関する機能または性能が優れていると判定された計算フォーム(23dn)の計算フォーム画面(Gn)を、計算補助端末(20)にて自動的に得ることができる。
【0185】
[5]
前記計算端末(10F)は、
前記計算補助端末(20)との間で通信接続を確立した状態で(ステップF1/T1)、前記計算端末(10F)の種類を識別する識別情報を前記計算補助端末(20)に送信し(段落[0099])、
前記計算補助端末(20)は、
複数の前記識別情報それぞれに対応させて、各種の計算式の計算または計算結果の表示に関する機能または性能を示す機能性能情報を記憶しており(23c/段落[0053-0054])、
前記計算端末(10F)から受信した前記識別情報に対応して記憶されている前記機能性能情報に基づいて、前記計算端末(10F)から受信した前記計算式情報が示す計算式の計算または計算結果の表示に関する機能または性能が、前記計算端末(10F)より前記計算補助端末(20)の方が優れているか否かを判定する(ステップT5/T8/T11/段落[0102][0109][0116])、
処理を実行する[2]に記載の計算補助システム。
【0186】
ユーザは、計算端末(10F)を使用して行なっている計算に対し、計算端末(10F)より計算補助端末(20)の方が、その計算結果の表示に関する機能または性能が優れていると判定された計算補助情報(Gp)を、計算補助端末(20)にて自動的に得ることができる。
【0187】
[6]
前記計算端末(10F)は、
前記操作部(11)により入力された計算式の情報である前記計算式情報を逐次取得するとともに、取得される前記計算式情報を前記計算補助端末(20)に逐次送信し(ステップF2~F5)、
前記計算補助端末(20)は、
前記計算端末(10F)から逐次送信されてくる前記計算式情報に基づいて、前記計算端末(10F)が行っている複数の計算それぞれを補助すべきか否かを逐次判定し(ステップT3~T5/T8/T10,T11)、
補助すべきと判定した計算に対応する前記計算補助情報を出力する(ステップT7/T9/T14)、
処理を実行する[1]または[2]に記載の計算補助システム。
【0188】
ユーザは、計算端末(10F)を使用して行なっている任意の計算の計算式を入力する毎に、入力した計算式に対応して補助となる計算補助情報(Gg/Gp/Gn)を計算補助端末(20)にて自動的に得ることができる。
【0189】
[7]
前記計算端末(10F)は、
ユーザが計算の補助対象となる計算式を個別に指定する操作を行ったことを検出することなく、前記操作部(11)を介して入力された計算式を検出したことに応じて、入力された計算式に対応する前記計算式情報を前記計算補助端末(20)に送信する(ステップF2~F5/段落[0096])、
処理を実行する[1]または[2]に記載の計算補助システム。
【0190】
ユーザは、計算端末(10F)を使用して入力した計算式を補助対象の計算式として指定することなく、入力した計算式に対し補助となる計算補助情報(Gg/Gp/Gn)を、計算補助端末(20)にて自動的に得ることができる。
【0191】
[8]
前記計算補助端末(20)は、
前記計算式の情報に基づいて、前記計算端末(10F)が行っている計算の結果を、前記計算端末(10F)の前記表示部(12)に表示されている計算の結果とは異なる形態で表示することで前記計算を補助すべきと判定した場合には(ステップT5/T8/T11)、前記計算補助端末(20)の表示部(21)に異なる形態の計算結果を計算補助情報として表示させる(ステップT7/T9/T14)、
処理を実行する[1]に記載の計算補助システム。
【0192】
ユーザは、計算端末(10F)を使用して行なっている計算に対し、計算端末(10F)での計算結果とは異なる形態で補助となる計算補助情報(Gg/Gp/Gn)を、計算補助端末(20)に自動的に表示させて得ることができる。
【0193】
[9]
前記異なる形態の計算結果の表示は、前記計算式の情報に基づくグラフの表示である(ステップT7)、
[8]に記載の計算補助システム。
【0194】
[10]
前記異なる形態の計算結果の表示は、前記計算端末(10F)よりも情報量の多い計算結果の表示である(ステップT8,T9)、
[8]に記載の計算補助システム。
【0195】
[11]
前記計算補助端末(20)は、
前記計算式の情報に基づいて、前記計算式に対応する計算を行う計算フォームを表示することで前記計算を補助すべきと判定した場合には(ステップT11)、入力欄(Dn)と出力欄(An)がレイアウトされ、前記入力欄(Dn)に入力されたデータに基づいて特定の計算を行った結果を前記出力欄(An)に出力する機能を有する計算フォーム(23dn)を前記計算補助端末(20)の表示部(21)に表示させ(ステップT14)、
前記計算式の情報に含まれる数値データを前記入力欄(Dn)に入力するとともに(ステップT15)、前記数値データに基づいて前記特定の計算を行った結果を前記出力欄(An)に表示させる(ステップT16~T18)、
処理を実行する[1]に記載の計算補助システム。
【0196】
[12]
前記計算補助端末(20)は、予めサーバ(30)から取得した複数の前記計算フォーム(23dn)を前記計算補助端末(20)の記憶部(23d)に記憶し、
前記計算補助端末(20)は、
前記計算端末(10F)から前記計算式の情報を受信したことに応じて、前記計算式の情報に対応する前記計算フォーム(23dn)を前記記憶部(23d)から取得するか、あるいは、前記計算式の情報に対応する前記計算フォーム(32bm)を前記サーバ(30,32b)から取得し(ステップT10/段落[0118-0119])、
前記取得した計算フォーム(23dn/32bm)を前記表示部(21)に表示させる(ステップT14)、
処理を実行する[11]に記載の計算補助システム。
【0197】
[13]
前記計算補助端末(20)は、
前記計算フォーム(23dn)の前記出力欄(An)に表示させた計算結果を前記計算端末(10F)に送信し(ステップT19,T20)、前記計算端末(10F)の表示部(12)に表示させる(ステップF15,F16)、
処理を実行する[11]または[12]に記載の計算補助システム。
【0198】
[14]
前記計算補助端末(20)は、
前記計算補助端末(20)の記憶部(23b)に記憶されたグラフとして表示させることが可能な式であるグラフ式に基づいて前記計算式の情報に対応するグラフの表示が可能か否かを判定することで、前記計算端末が行っている計算を補助すべきか否かを判定する(ステップT5)、
処理を実行する[9]に記載の計算補助システム。
【0199】
[15]
前記計算補助端末(20)は、
前記計算補助端末(20)の記憶部(23c)に記憶された前記計算端末(10F)の計算精度を含む機能性能情報(段落[0053-0054])に基づいて前記計算端末(10F)よりも情報量の多い計算が可能か否かを判定することで、前記計算端末が行っている計算を補助すべきか否かを判定する(ステップT8)、
処理を実行する[10]に記載の計算補助システム。
【0200】
[16]
前記計算補助端末(20)は、
前記計算式の情報に対応する前記計算フォーム(23dn)を、前記記憶部(23d)に記憶されている複数の計算フォーム(23dn)の中から前記計算式の情報が示す計算式に対応する計算式を使用して計算を行う計算フォームを検索することで取得するか、あるいは、前記サーバ(30)に記憶されている複数の計算フォーム(32bm)の中から前記計算式の情報が示す計算式に対応する計算式を使用して計算を行う計算フォームを前記サーバ(30)に検索させることで取得する(ステップT10/段落[0118-0119])、
処理を実行する[12]に記載の計算補助システム。
【符号の説明】
【0201】
1 …計算補助システム
10F…関数電卓(計算端末)
20 …スマートフォン(計算補助端末)
30 …計算情報サーバ(サーバ装置)
11 …キー入力部(操作部)
12 …表示部
13、22、31…制御部(CPU)
14、23、32…記憶部
21 …タッチパネル式表示部
14a…電卓制御プログラム<計算補助端末連携アプリ含む>
23a…端末制御プログラム<計算端末補助アプリおよびWebブラウザ含む>
23b…グラフ式データ記憶領域
23c…計算端末性能データ記憶領域
23d、32b…計算フォームデータベース
23e、32c…計算式データ記憶領域
32a…サーバ制御プログラム
23d、32b…計算フォームデータベース
16、27…近距離無線通信部
28、34…通信部
N …通信ネットワーク(Web)
23d1…計算フォーム(Webページ:不等辺三角形)
23d2…計算フォーム(Webページ:直線回帰)
23d3…計算フォーム(Webページ:基礎代謝量)
Fm1…公式(特定の計算式:不等辺三角形)
Fm2…公式(特定の計算式:直線回帰)
Fm3…公式(特定の計算式:基礎代謝量)
Gg…グラフ画面
Gp…高精度計算画面
G1…計算フォーム画面(不等辺三角形)
G2…計算フォーム画面(直線回帰)
G3…計算フォーム画面(基礎代謝量)