(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044812
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】搬送装置、及び処理システム
(51)【国際特許分類】
B65H 9/00 20060101AFI20240326BHJP
B65H 5/06 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
B65H9/00 J
B65H5/06 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150569
(22)【出願日】2022-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土井 雷太
(72)【発明者】
【氏名】梁川 禎介
(72)【発明者】
【氏名】田中 勝己
(72)【発明者】
【氏名】栗田 知一
【テーマコード(参考)】
3F049
3F102
【Fターム(参考)】
3F049AA10
3F049DA12
3F049LA01
3F049LA02
3F049LA07
3F049LB01
3F102AA01
3F102AA02
3F102AA11
3F102AB01
3F102BA03
3F102BB08
3F102CA03
3F102DA09
3F102EA16
3F102EC03
(57)【要約】
【課題】搬送対象の表裏の反転を伴わずに、搬送対象の向きを変更可能な搬送装置を提供する。
【解決手段】搬送装置は、シート状の搬送対象を搬入する搬入手段と、前記搬入手段により搬入された搬送対象を、厚み方向へ向かって見て回転させる回転手段と、前記回転手段により回転した搬送対象を排出する排出手段と、を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の搬送対象を搬入する搬入手段と、
前記搬入手段により搬入された搬送対象を、厚み方向へ向かって見て回転させる回転手段と、
前記回転手段により回転した搬送対象を排出する排出手段と、
を備える搬送装置。
【請求項2】
前記回転手段は、前記厚み方向へ向かって見て、予め定められた回転軸を中心として前記搬送対象を回転させる
請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記回転手段は、前記回転軸に前記搬送対象の重心を合わせた状態で前記搬送対象を回転させる
請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記回転手段は、前記回転軸に前記搬送対象における搬入方向の中央部を合わせた状態で前記搬送対象を回転させる
請求項2に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記回転手段は、前記回転軸に前記搬送対象における幅方向の中央部を合わせた状態で前記搬送対象を回転させる
請求項2に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記回転手段は、0度を超え360度未満の範囲で前記搬送対象を回転させる
請求項1に記載の搬送装置。
【請求項7】
前記回転手段は、0度を超え180度以下の範囲で前記搬送対象を回転させる
請求項6に記載の搬送装置。
【請求項8】
前記回転手段は、前記厚み方向へ向かって見て、時計回り方向及び反時計回り方向の両方向へ前記搬送対象を回転可能である
請求項1に記載の搬送装置。
【請求項9】
前記回転手段は、
前記両方向のうち、前記搬送対象が、予め定められた方向を向くまでの回転角度が小さい方向へ前記搬送対象を回転させる
請求項8に記載の搬送装置。
【請求項10】
前記回転手段は、前記搬入手段及び前記排出手段と別体である
請求項1に記載の搬送装置。
【請求項11】
前記排出手段は、前記厚み方向へ向かって見て、前記搬入手段による搬入方向とは異なる排出方向へ排出し、
前記回転手段は、前記搬送対象における搬入方向下流側を向いた先端が、前記排出方向を向くように、前記搬送対象を回転させる
請求項1に記載の搬送装置。
【請求項12】
前記回転手段は、前記搬送対象の前記搬入手段による搬入方向への移動が停止した状態で、前記搬送対象を回転させる
請求項1に記載の搬送装置。
【請求項13】
前記搬入手段は、
前記搬送対象を前記厚み方向に挟んだ挟み状態で前記搬送対象を搬送する搬送部
を有し、
前記回転手段は、前記搬送部の挟み状態が解除された状態で、前記搬送対象を回転させる
請求項12に記載の搬送装置。
【請求項14】
前記排出手段は、前記回転手段による回転が停止した後に、前記搬送対象を排出する
請求項1に記載の搬送装置。
【請求項15】
前記回転手段は、
前記搬送対象における厚み方向の一方の面に接触可能な接触部材を有し、
前記接触部材が、前記搬送対象における厚み方向の他方側に配置された配置部材との間に前記搬送対象を挟んだ状態で前記厚み方向へ向かって見て回転することで、前記搬送対象を回転させる
請求項1に記載の搬送装置。
【請求項16】
前記回転手段は、
前記配置部材を有し、
前記接触部材及び前記配置部材が、前記搬送対象を挟んだ状態で前記厚み方向へ向かって見て回転することで、前記搬送対象を回転させる
請求項15に記載の搬送装置。
【請求項17】
前記接触部材は、前記搬送対象に対して、回転中心にて接触する
請求項15に記載の搬送装置。
【請求項18】
前記接触部材は、前記搬送対象の前記搬入手段による搬入方向への移動が停止した状態で、前記搬送対象への接触を開始する
請求項15に記載の搬送装置。
【請求項19】
搬送対象に対して前処理を実行する前処理装置と、
前記搬送対象に対して後処理を実行する後処理装置と、
前記前処理装置から搬送された搬送対象を前記後処理装置へ搬送する請求項1~18のいずれか1項に記載の搬送装置と、
を備える処理システム。
【請求項20】
前記前処理装置は、前記搬送対象としての記録媒体に画像を形成する画像形成装置を有する
請求項19に記載の処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送装置、及び処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、シ-トを搬送するためのロ-ラを備えた第一のシャフトと、シ-トを搬送するためのロ-ラを備え、第一のシャフトに対して90°の角度で配置された第二のシャフトと、を有し、第一のシャフトと第二のシャフトを選択的に回転させることでシ-トを異なる方向に搬送するシ-ト搬送装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2003/0107169号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
搬送装置としては、シート状の搬送対象を搬入する搬入手段と、前記搬入手段により搬入された搬送対象を、ロールやドラム等の回転体に巻き付けて、搬送対象の幅方向へ向かって見て回転させる回転手段と、前記回転手段により回転した搬送対象を排出する排出手段と、を備える搬送装置が考えられる。
【0005】
この搬送装置では、例えば、搬送対象における搬入方向下流側を向いた先端が、搬入方向上流側を向くように、回転手段が搬送対象を回転体に巻き付けて回転させた場合、搬送対象の表裏(厚み方向の一方側の面と他方側の面)が反転する。
【0006】
本発明は、搬送対象の表裏の反転を伴わずに、搬送対象の向きを変更可能な搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様は、シート状の搬送対象を搬入する搬入手段と、前記搬入手段により搬入された搬送対象を、厚み方向へ向かって見て回転させる回転手段と、前記回転手段により回転した搬送対象を排出する排出手段と、を備える。
【0008】
第2態様では、第1態様において、前記回転手段は、前記厚み方向へ向かって見て、予め定められた回転軸を中心として前記搬送対象を回転させる。
【0009】
第3態様では、第2態様において、前記回転手段は、前記回転軸に前記搬送対象の重心を合わせた状態で前記搬送対象を回転させる。
【0010】
第4態様では、第2態様において、前記回転手段は、前記回転軸に前記搬送対象における搬入方向の中央部を合わせた状態で前記搬送対象を回転させる。
【0011】
第5態様では、第2態様において、前記回転手段は、前記回転軸に前記搬送対象における幅方向の中央部を合わせた状態で前記搬送対象を回転させる。
【0012】
第6態様では、第1態様において、前記回転手段は、0度を超え360度未満の範囲で前記搬送対象を回転させる。
【0013】
第7態様では、第6態様において、前記回転手段は、0度を超え180度以下の範囲で前記搬送対象を回転させる。
【0014】
第8態様では、第1態様において、前記回転手段は、前記厚み方向へ向かって見て、時計回り方向及び反時計回り方向の両方向へ前記搬送対象を回転可能である。
【0015】
第9態様では、第8態様において、前記回転手段は、前記両方向のうち、前記搬送対象が、予め定められた方向を向くまでの回転角度が小さい方向へ前記搬送対象を回転させる。
【0016】
第10態様では、第1態様において、前記回転手段は、前記搬入手段及び前記排出手段と別体である。
【0017】
第11態様では、第1態様において、前記排出手段は、前記厚み方向へ向かって見て、前記搬入手段による搬入方向とは異なる排出方向へ排出し、前記回転手段は、前記搬送対象における搬入方向下流側を向いた先端が、前記排出方向を向くように、前記搬送対象を回転させる。
【0018】
第12態様では、第1態様において、前記回転手段は、前記搬送対象の前記搬入手段による搬入方向への移動が停止した状態で、前記搬送対象を回転させる。
【0019】
第13態様では、第12態様において、前記搬入手段は、前記搬送対象を前記厚み方向に挟んだ挟み状態で前記搬送対象を搬送する搬送部を有し、前記回転手段は、前記搬送部の挟み状態が解除された状態で、前記搬送対象を回転させる。
【0020】
第14態様では、第1態様において、前記排出手段は、前記回転手段による回転が停止した後に、前記搬送対象を排出する。
【0021】
第15態様では、第1態様において、前記回転手段は、前記搬送対象における厚み方向の一方の面に接触可能な接触部材を有し、前記接触部材が、前記搬送対象における厚み方向の他方側に配置された配置部材との間に前記搬送対象を挟んだ状態で前記厚み方向へ向かって見て回転することで、前記搬送対象を回転させる。
【0022】
第16態様では、第15態様において、前記回転手段は、前記配置部材を有し、前記接触部材及び前記配置部材が、前記搬送対象を挟んだ状態で前記厚み方向へ向かって見て回転することで、前記搬送対象を回転させる。
【0023】
第17態様では、第15態様において、前記接触部材は、前記搬送対象に対して、回転中心にて接触する。
【0024】
第18態様では、第15態様において、前記接触部材は、前記搬送対象の前記搬入手段による搬入方向への移動が停止した状態で、前記搬送対象への接触を開始する。
【0025】
第19態様は、搬送対象に対して前処理を実行する前処理装置と、前記搬送対象に対して後処理を実行する後処理装置と、前記前処理装置から搬送された搬送対象を前記後処理装置へ搬送する第1態様から第18態様のいずれか1つに記載の搬送装置と、を備える。
【0026】
第20態様では、第19態様において、前記前処理装置は、前記搬送対象としての記録媒体に画像を形成する画像形成装置を有する。
【発明の効果】
【0027】
第1態様の構成によれば、搬送対象の表裏の反転を伴わずに、搬送対象の向きを変更できる。
【0028】
第2態様の構成によれば、回転手段が、回転軸が定まっていない状態で搬送対象を回転させる場合に比べ、回転角度を制御しやすい。
【0029】
第3態様の構成によれば、回転手段が、搬送対象の重心から外れた位置を通る軸を回転軸として搬送対象を回転させる場合に比べ、搬送対象の回転に使用されるスペースを小さくできる。
【0030】
第4態様の構成によれば、回転手段が、搬送対象における搬入方向の端部を回転軸として搬送対象を回転させる場合に比べ、搬送対象の回転に使用されるスペースを小さくできる。
【0031】
第5態様の構成によれば、回転手段が、搬送対象における幅方向の端部を回転軸として搬送対象を回転させる場合に比べ、搬送対象の回転に使用されるスペースを小さくできる。
【0032】
第6態様の構成によれば、回転手段が、360度を超える範囲でのみ搬送対象を回転させる場合に比べ、搬送対象を予め定められた回転角度へ回転させる回転時間を短縮できる。
【0033】
第7態様の構成によれば、回転手段が、180度を超える範囲でのみ搬送対象を回転させる場合に比べ、搬送対象を予め定められた回転角度へ回転させる回転時間を短縮できる。
【0034】
第8態様の構成によれば、回転手段が、搬送対象を一方向のみへ回転可能である場合に比べ、搬送対象を予め定められた回転角度へ回転させる回転時間を短縮できる。
【0035】
第9態様の構成によれば、回転手段が、搬送対象における搬入方向下流側を向いた先端が、予め定められた方向を向くように回転させる場合において、両方向のうち、予め定められた方向を向くまでの回転角度が大きい方向へ搬送対象を回転させる場合に比べ、当該先端が、予め定められた方向を向くまでの回転時間を短縮できる。
【0036】
第10態様の構成によれば、回転手段が、搬入手段又は排出手段と一体で構成されている場合に比べ、回転手段の駆動制御が複雑化しない。
【0037】
第11態様の構成によれば、排出手段が、搬送対象における搬入方向下流側を向いた先端が、排出方向を向いた状態で、搬送対象を排出できる。
【0038】
第12態様の構成によれば、回転手段が、搬入方向へ移動している状態の搬送対象を回転させる場合に比べ、搬送対象の回転不良が抑制される。
【0039】
第13態様の構成によれば、搬送部の挟み状態が維持された状態で、回転手段が搬送対象を回転させる場合に比べ、搬送対象の回転不良が抑制される。
【0040】
第14態様の構成によれば、排出手段が、回転手段が搬送対象を回転している状態で、搬送対象を排出する場合に比べ、搬送対象の排出不良が抑制される。
【0041】
第15態様の構成によれば、接触部材が搬送対象を挟んでいない状態で厚み方向へ向かって見て回転することで、搬送対象を回転させる場合に比べ、搬送対象の回転不良が抑制される。
【0042】
第16態様の構成によれば、接触部材のみが回転する場合に比べ、搬送対象の回転不良が抑制される。
【0043】
第17態様の構成によれば、接触部材が搬送対象の回転中心の外周に接触する場合に比べ、接触部材を小型化できる。
【0044】
第18態様の構成によれば、接触部材が、搬送対象が搬入方向へ移動している状態で、搬送対象への接触を開始する場合に比べ、搬送対象の回転不良が抑制される。
【0045】
第19態様の構成によれば、前処理が実行された搬送対象の表裏の反転を伴わずに、向きを変更した搬送対象に対して、後処理を実行できる。
【0046】
第20態様の構成によれば、画像が形成された記録媒体の表裏の反転を伴わずに、向きを変更した記録媒体に対して、後処理を実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】本実施形態に係る処理システムの概略を示す側面図である。
【
図2】本実施形態に係る処理システムの概略を示す平面図である。
【
図3】本実施形態に係る前処理装置における画像形成装置の概略を示す概略図である。
【
図4】本実施形態に係る後処理装置の概略を示す概略図である。
【
図5】本実施形態に係る搬送装置の概略を示す側面図である。
【
図6】本実施形態に係る搬送装置の概略を示す平面図である。
【
図7】本実施形態に係る案内機構及び第一搬送部の概略を示す側面図である。
【
図8】
図7に示される構成において、案内部材が搬入位置に位置する状態を示す側面図である。
【
図9】本実施形態に係る第二搬送部及び移動機構の概略を示す側面図である。
【
図10】本実施形態に係る第二搬送部の概略を示す斜視図である。
【
図11】本実施形態に係る第二搬送部及び移動機構の概略を示す平断面図である。
【
図12】本実施形態に係る第三搬送部及び移動機構の概略を示す側面図である。
【
図13】本実施形態に係る第三搬送部及び移動機構の概略を示す平断面図である。
【
図14】本実施形態に係る回転機構の概略を示す側断面図である。
【
図15】本実施形態に係る回転機構において、配置部材が接触位置に位置する状態を示す側断面図である。
【
図16】本実施形態に係る回転機構において、配置部材が離間位置に位置する状態を示す側断面図である。
【
図17】本実施形態に係る回転機構の概略を示す平面図である。
【
図18】本実施形態に係る回転機構が記録媒体を回転させる様子を示す平面図である。
【
図19】本実施形態に係る搬送装置の概略を示す側面図である。
【
図20】変形例に係る搬送装置の概略を示す平面図である。
【
図21】変形例に係る搬送装置の接続について説明するための平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
【0049】
<処理システム100>
まず、本実施形態に係る処理システム100を説明する。
図1及び
図2は、本実施形態に係る処理システム100を示す概略図である。
【0050】
なお、図中に示す矢印UPは、装置の上方を示し、矢印DOは、装置の下方を示す。また、図中に示す矢印LHは、装置の左方を示し、矢印RHは、装置の右方を示す。また、図中に示す矢印FRは、装置の前方を示し、矢印RRは、装置の後方を示す。これらの方向は、説明の便宜上定めた方向であるから、装置構成がこれらの方向に限定されるものではない。なお、装置の各方向において、「装置」の語を省略して示す場合がある。すなわち、例えば、「装置の上方」を、単に「上方」と示す場合がある。
【0051】
また、下記の説明では、「上下方向」を、「上方及び下方の両方」又は「上方及び下方のいずれか一方」という意味で用いる場合がある。「左右方向」を、「右方及び左方の両方」又は「右方及び左方のいずれか一方」という意味で用いる場合がある。なお、「左右方向」は、側方、横方向、及び水平方向ともいえる。「前後方向」を、「前方及び後方の両方」又は「前方及び後方のいずれか一方」という意味で用いる場合がある。なお、「前後方向」は、側方、横方向、及び水平方向ともいえる。また、上下方向、左右方向、前後方向は、互いに交差する方向(具体的には、直交する方向)である。
【0052】
また、図中の「○」の中に「×」が記載された記号は、紙面の手前から奥へ向かう矢印を意味する。また、図中の「○」の中に「・」が記載された記号は、紙面の奥から手前へ向かう矢印を意味する。また、各図に示す各部分同士の上下方向、左右方向、前後方向の寸法比は、実際の寸法比と異なる場合がある。
【0053】
処理システム100は、予め定められた処理を実行するシステムであり、
図1に示されるように、前処理装置110と、後処理装置120と、搬送装置10と、を備えている。処理システム100は、さらに、
図2に示されるように、後処理装置140、160を備えている。
【0054】
<前処理装置110>
前処理装置110は、搬送対象に対して前処理を実行する装置である。具体的には、前処理装置110は、画像形成装置130と、搬送装置150、170と、を備えている。
【0055】
<画像形成装置130>
画像形成装置130は、前処理として、記録媒体Pに画像を形成する装置である。画像形成装置130は、
図3に示されるように、装置本体111と、媒体収容部112と、前処理部としての画像形成部114と、搬送機構116と、を備えている。なお、記録媒体Pは、搬送対象の一例である。
【0056】
<装置本体111>
図3に示される装置本体111は、前処理装置110の各構成部が設けられる部分である。この装置本体111は、前処理装置110の各構成部を収容する箱状の筐体111Aを有している。本実施形態では、
図3に示されるように、例えば、媒体収容部112、画像形成部114、及び搬送機構116が、装置本体111の内部に設けられている。
【0057】
<媒体収容部112>
媒体収容部112は、
図3に示されるように、前処理装置110において、記録媒体Pを収容する部分である。この媒体収容部112に収容された記録媒体Pが、画像形成部114へ供給される。なお、記録媒体Pとしては、例えば、用紙が用いられる。
【0058】
<画像形成部114>
図3に示される画像形成部114は、媒体収容部112から送り出された記録媒体Pに対して、前処理として、画像形成を行う構成部である。画像形成部114としては、例えば、トナーを用いて記録媒体Pに画像を形成する電子写真式の画像形成部が用いられる。
【0059】
電子写真式の画像形成部では、例えば、帯電、露光、現像、転写及び定着の各工程を行い、記録媒体Pに画像を形成する。電子写真式の画像形成部としては、帯電、露光、現像、転写の各工程を行って転写体に画像を形成し、当該画像を転写体から記録媒体Pに転写した後、当該画像を記録媒体Pに定着することで、記録媒体Pに画像を形成してもよい。
【0060】
なお、画像形成部の一例としては、前述の電子写真式の画像形成部に限られず、例えば、インクジェット式の画像形成部であってもよく、種々の画像形成部を用いることが可能である。インクジェット式の画像形成部では、例えば、吐出部から記録媒体Pにインク滴を吐出して記録媒体Pに画像を形成する。
【0061】
<搬送機構116>
図3に示される搬送機構116は、記録媒体Pを搬送する機構である。搬送機構116は、一例として、搬送ロール等の搬送部材117によって、記録媒体Pを搬送する。なお、搬送部材117としては、搬送ベルト等であってもよく、記録媒体Pに搬送力を付与して、記録媒体Pを搬送可能な部材であればよい。
【0062】
搬送機構116は、媒体収容部112から画像形成部114へ記録媒体Pを搬送する。さらに、搬送機構116は、装置本体111に設けられた排出口111Cへ記録媒体Pを搬送する。
【0063】
<搬送装置150、170>
搬送装置150、170は、前処理として、画像形成装置130にて、画像が形成された記録媒体Pを搬送する装置である。
【0064】
搬送装置150、170は、記録媒体Pを搬送する搬送機構(図示省略)を有している。当該搬送機構は、一例として、搬送ロール等の搬送部材(図示省略)によって、記録媒体Pを搬送する。なお、当該搬送部材としては、搬送ベルト等であってもよく、記録媒体Pに搬送力を付与して、記録媒体Pを搬送可能な部材であればよい。
【0065】
なお、搬送装置150、170は、記録媒体Pを搬送する機能に加えて、記録媒体Pの湾曲(所謂カール)を矯正する矯正機能、記録媒体Pを冷却する冷却機能、及び画像形成装置130から搬送された記録媒体Pを一時的に留めた後に、搬送装置10へ搬送することで、前処理と後処理との処理タイミングを調整する調整機能などを有していてもよい。
【0066】
<前処理について>
ここで、前処理とは、搬送装置10にて搬送対象が搬送される前に当該搬送対象に対して実行される処理である。前処理装置110としては、本実施形態のように、複数の装置で構成されていてもよいし、単一の装置で構成されていてもよい。したがって、前処理としては、複数の処理を実行してもよいし、単一の処理を実行してもよい。
【0067】
また、本実施形態では、前処理として、画像を形成する画像形成処理、及び搬送対象を搬送する搬送処理を実行していたが、これに限られない。前処理としては、例えば、搬送対象の画像を読み取る画像読取処理、及び搬送対象を送り出す送出処理などであってもよく、搬送装置10による搬送前に実行される処理であればよい。
【0068】
<後処理装置120>
図4は、後処理装置120を示す概略図である。この後処理装置120は、記録媒体Pに対して後処理を実行する装置である。具体的には、後処理装置120は、
図4に示されるように、装置本体121と、後処理部124と、搬送機構126と、を備えている。なお、後処理装置120は、搬送装置10における後述の排出口11Rに対して接続されている。
【0069】
<装置本体121>
図4に示される装置本体121は、後処理装置120の各構成部が設けられる部分である。この装置本体121は、後処理装置120の各構成部を収容する箱状の筐体121Aを有している。本実施形態では、
図4に示されるように、例えば、後処理部124、及び搬送機構126が、装置本体121の内部に設けられている。
【0070】
<後処理部124>
図4に示される後処理部124は、搬送装置10から搬送された記録媒体Pに対して、予め定められた後処理を実行する構成部である。具体的には、後処理部124は、後処理としては、例えば、複数の記録媒体Pを製本する製本処理を実行する。
【0071】
ここで、後処理とは、搬送装置10にて搬送対象が搬送された後に当該搬送対象に対して実行される処理である。後処理装置120では、後処理部124が、製本処理を実行していたが、これに限られない。後処理としては、例えば、複数の記録媒体Pを綴じる綴じ処理、搬送対象に折り目をつける折り処理、搬送対象を裁断する裁断処理、搬送対象に穴をあける穴あけ処理などであってもよく、搬送装置10による搬送後に実行される処理であればよい。また、前処理として、搬送対象を送り出す送出処理を実行する場合には、後処理として、画像を形成する画像形成処理を実行してもよい。
【0072】
<搬送機構126>
図4に示される搬送機構126は、記録媒体Pを搬送する機構である。搬送機構126は、一例として、搬送ロール等の搬送部材127によって、記録媒体Pを搬送する。なお、搬送部材127としては、搬送ベルト等であってもよく、記録媒体Pに搬送力を付与して、記録媒体Pを搬送可能な部材であればよい。
【0073】
搬送機構126は、装置本体121に設けられた入口121Bから後処理部124へ記録媒体Pを搬送する。さらに、搬送機構126は、後処理部124から装置本体121に設けられた排出口121Cへ記録媒体Pを搬送する。
【0074】
<後処理装置140、160>
図2に示される後処理装置140、160は、後処理を実行する装置であり、後処理部が実行する後処理が異なる点を除いて、後処理装置120と同様に構成されている。後処理装置140、160の各々では、例えば、後処理装置120とは異なる方式の製本処理を実行する。なお、後処理装置140は、搬送装置10における後述の排出口11Rに対して接続され、後処理装置160は、搬送装置10における後述の排出口11Fに対して接続されている。
【0075】
なお、後処理装置140、160で実行される後処理としては、例えば、複数の記録媒体Pを綴じる綴じ処理、搬送対象に折り目をつける折り処理、搬送対象を裁断する裁断処理、搬送対象に穴をあける穴あけ処理などであってもよく、搬送装置10による搬送後に実行される処理であればよい。さらに、後処理装置140、160で実行される後処理としては、後処理装置120で実行される後処理と同じ後処理であってもよい。
【0076】
後処理装置140、160としては、ユーザが操作等を行う装置正面が、例えば、
図2における右方側及び左方側のいずれに存在する装置であってもよい。したがって、後処理装置140としては、例えば、
図2における右方側が装置正面とされ、装置左方側から記録媒体Pが搬入される装置を用いることが可能である。また、後処理装置140としては、例えば、
図2における左方側が装置正面とされ、装置右方側から記録媒体Pが搬入される装置を用いることが可能である。
【0077】
また、後処理装置160としては、例えば、
図2における左方側が装置正面とされ、装置左方側から記録媒体Pが搬入される装置を用いることが可能である。また、後処理装置160としては、例えば、
図2における右方側が装置正面とされ、装置右方側から記録媒体Pが搬入される装置を用いることが可能である。
【0078】
<搬送装置10>
図2に示される搬送装置10は、前処理装置110から搬送された記録媒体Pを後処理装置120、140、160へ搬送する装置である。具体的には、搬送装置10は、前処理装置110から搬送された記録媒体Pを搬入口11Lから搬入し、搬入した記録媒体Pを排出口11F、11B、11Rのいずれかから排出する。すなわち、搬送装置10は、複数の後処理装置120、140、160のいずれかに選択的に搬送する機能を有している(
図2参照)。
【0079】
図5は、搬送装置10の概略を示す側面図である。
図6は、搬送装置10の概略を示す平面図である。搬送装置10は、具体的には、装置本体11と、案内部12と、搬入機構20と、回転機構50と、排出機構70と、排出機構80と、を備えている。
【0080】
以下、搬送装置10の搬送対象としての記録媒体P、及び搬送装置10の各部について説明する。
【0081】
<記録媒体P>
記録媒体Pは、具体的には用紙であり、シート状の搬送対象の一例である。ここで、シート状とは、搬送装置10における搬入方向に対して交差する厚み方向の寸法が、該搬入方向の寸法、及び、該搬入方向及び該厚み方向に対して交差する幅方向の寸法よりも小さい形状である。
【0082】
なお、搬送対象の一例としては、用紙に限られない。搬送対象の一例としては、例えば、フィルムなどあってもよく、搬送装置10で搬送可能なシート状の対象であればよい。
【0083】
<装置本体11>
図5及び
図6に示される装置本体11は、搬送装置10の各構成部が設けられる部分である。この装置本体11は、搬送装置10の各構成部を収容する箱状の筐体11Aを有している。本実施形態では、
図5及び
図6に示されるように、例えば、案内部12、搬入機構20、回転機構50、排出機構70、及び排出機構80が、装置本体11の内部に設けられている。
【0084】
装置本体11は、
図6に示されるように、装置本体11の外部から内部へ記録媒体Pが搬入される搬入口11Lと、装置本体11の内部から外部へ記録媒体Pを排出する排出口11F、11B、11Rと、を有している。
【0085】
搬入口11Lは、装置本体11の左側面に形成されている。排出口11Fは、装置本体11の前面に形成されている。排出口11Bは、装置本体11の後面に形成されている。排出口11Rは、装置本体11の右側面に形成されている。
【0086】
換言すれば、本実施形態では、装置本体11の左側面に形成された開口を、搬入口11Lとして用い、装置本体11の前面、後面、右側面の各々に形成された開口を、排出口11F、11B、11Rとして用いる。
【0087】
本実施形態では、装置本体11は、前述のように、搬入口又は排出口とされる開口が4つ形成され、平面視にて四角形状に形成されている。
【0088】
<案内部12>
図5及び
図6に示される案内部12は、搬送装置10において搬送される記録媒体Pを案内する構成部である。案内部12は、具体的には、
図5に示されるように、記録媒体Pの一方の面(具体的には上面)に対向する第一対向部材14と、記録媒体Pの他方の面(具体的には下面)に対向する第二対向部材16と、を有している。第一対向部材14及び第二対向部材16の各々は、上下方向を厚み方向とする板状に形成されたフレームで構成されている。
【0089】
第一対向部材14(具体的には下面)及び第二対向部材16(具体的には上面)の各々は、記録媒体Pに接触することで、記録媒体Pを案内する。換言すれば、第一対向部材14の下面及び第二対向部材16の上面は、記録媒体Pが搬送される搬送路面を形成している。
【0090】
<搬入機構20>
図5及び
図6に示される搬入機構20は、搬入手段の一例であり、記録媒体Pを搬入する機構である。具体的には、搬入機構20は、回転機構50(具体的には後述の接触部材52)へ記録媒体Pを搬入する。本実施形態では、搬入機構20は、
図5及び
図6に示されるように、案内機構30と、第一搬送部21と、第二搬送部22と、移動機構40(
図9参照)と、一対の第三搬送部27と、検知部19と、を有している。
【0091】
<案内機構30>
図7及び
図8は、案内機構30及び第一搬送部21の概略を示す側面図である。案内機構30は、
図7及び
図8に示されるように、搬入口11Lに設けられており、記録媒体Pを案内する機構である。案内機構30は、一対の案内部材31、32と、伝達部35と、駆動部39と、を有している。
【0092】
案内部材31は、上下方向を厚み方向とする板状に形成された本体部31Aと、本体部31Aの前端部及び後端部の各々から上方側へ立ちあがった一対の側部31Bと、を有している。
【0093】
本体部31Aは、平面視にて、前後方向に長さを有する長方形状に形成されている(
図6参照)。案内部材31は、一対の側部31Bの各々を貫通する一対の軸部33の各々により、回転可能に支持されている。具体的には、案内部材31は、排出位置(
図7に示される位置)と、搬入位置(
図8に示される位置)と、に回転可能に支持されている。
【0094】
当該排出位置(
図7に示される位置)は、装置本体11の内部から外部へ記録媒体Pを排出する場合に用いられる位置である。当該搬入位置(
図8に示される位置)は、装置本体11の外部から内部へ記録媒体Pを搬入する場合に用いられる位置である。
【0095】
案内部材31は、排出位置(
図7に示される位置)において、本体部31Aの下面が、側面視にて、案内部12の第一対向部材14の下面に沿った状態となる。具体的には、案内部材31は、排出位置(
図7に示される位置)において、本体部31Aの下面が側面視にて、水平方向に沿った状態となる。案内部材31は、搬入位置(
図8に示される位置)において、側面視にて、左斜め上方側に傾斜した状態となる。
【0096】
なお、
図7及び
図8では、一対の側部31Bのうち、本体部31Aの後方側に配置された側部31Bのみが図示され、一対の軸部33のうち、本体部31Aの後方側に配置された軸部33のみが図示されている。
【0097】
案内部材32は、上下方向を厚み方向とする板状に形成された本体部32Aと、本体部32Aの前端部及び後端部の各々から下方側へ延びる一対の側部32Bと、を有している。
【0098】
本体部32Aは、平面視にて、前後方向に長さを有する長方形状に形成されている。案内部材32は、一対の側部32Bの各々を貫通する一対の軸部34の各々により、回転可能に支持されている。具体的には、案内部材32は、排出位置(
図7に示される位置)と、搬入位置(
図8に示される位置)と、に回転可能に支持されている。
【0099】
当該排出位置(
図7に示される位置)は、装置本体11の内部から外部へ記録媒体Pを排出する場合に用いられる位置である。当該搬入位置(
図8に示される位置)は、装置本体11の外部から内部へ記録媒体Pを搬入する場合に用いられる位置である。
【0100】
案内部材32は、排出位置(
図7に示される位置)において、本体部32Aの上面が、側面視にて、案内部12の第二対向部材16の上面に沿った状態となる。具体的には、案内部材32は、排出位置(
図7に示される位置)において、本体部32Aの上面が側面視にて、水平方向に沿った状態となる。
【0101】
案内部材32は、搬入位置(
図8に示される位置)において、側面視にて、左斜め下方側に傾斜した状態となる。これにより、案内部材32と案内部材31との先端部(左端部)同士の間隔が、排出位置に位置する場合よりも、大きくなる。
【0102】
なお、
図7及び
図8では、一対の側部32Bのうち、本体部32Aの後方側に配置された側部32Bのみが図示され、一対の軸部34のうち、本体部32Aの後方側に配置された軸部34のみが図示されている。
【0103】
駆動部39は、案内部材31、32を回転させる駆動力を発生させる構成部である。具体的には、駆動部39は、可動軸39Aを軸方向へ移動させるソレノイドで構成されている。
【0104】
伝達部35は、駆動部39の駆動力を案内部材31、32に伝達して、案内部材31、32を排出位置(
図7に示される位置)と、搬入位置(
図8に示される位置)と、の間で回転させる構成部である。伝達部35は、具体的には、一対のピニオン36、一対のピニオン37と、ラック38と、を有している。
【0105】
ラック38は、長孔38Aが左右方向に沿って形成されている。一対の軸部38Bが長孔38Aに挿し込まれることで、ラック38は、左右方向に移動可能に支持されている。ラック38は、連結部39Bを介して、駆動部39の可動軸39Aに連結されている。
【0106】
一対のピニオン36の各々は、一対の軸部33の各々に取り付けられている。一対のピニオン37の各々は、一対の軸部34の各々に取り付けられていると共に、一対のピニオン36の各々と噛み合っている。さらに、一対のピニオン37のうち、一方のピニオン37が、ラック38と噛み合っている。
【0107】
案内機構30では、
図7に示されるように、駆動部39の可動軸39Aが左方側へ移動することで、ラック38が左方側に移動する。ラック38が左方側に移動すると、ラック38と噛み合うピニオン37が、
図7における反時計回り方向へ正転する。これにより、一対のピニオン37と、一対のピニオン37と噛み合う一対のピニオン36が正転し、案内部材31、32が排出位置(
図7に示される位置)に移動する。
【0108】
一方、
図8に示されるように、駆動部39の可動軸39Aが右方向へ移動することで、ラック38が右方側に移動する。ラック38が右方側に移動すると、ラック38と噛み合うピニオン37が
図8における時計回り方向へ逆転する。これにより、一対のピニオン37と、一対のピニオン37と噛み合う一対のピニオン36が逆転し、案内部材31、32が搬入位置(
図8に示される位置)に移動する。
【0109】
<第一搬送部21>
図7に示される第一搬送部21は、記録媒体Pを搬送する構成部である。第一搬送部21は、
図7に示されるように、搬送ロールで構成された搬送部材23、25を有している。本実施形態では、例えば、搬送部材23が従動ロールとされ、搬送部材25が駆動ロールとされている。
【0110】
搬送部材23、25は、具体的には、回転軸23A、25Aと、ロール部23B、25Bと、を有している。回転軸23A、25Aは、前後方向に延びる軸部である。
【0111】
ロール部23B、25Bは、2つが備えられる(
図6参照)。この2つのロール部23B、25Bは、互いが上下方向に対向するように、前後方向に間隔をあけて回転軸23A、25Aに取り付けられている。ロール部23Bとロール部25Bとは、
図7に示されるように、第一対向部材14に形成された開口14Aと、第二対向部材16に形成された開口16Aを通じて、接触している。
【0112】
第一搬送部21では、搬送部材23のロール部23Bと、搬送部材25のロール部25Bとが記録媒体Pを挟んだ状態で、搬送部材25が回転駆動することで、記録媒体Pを右方側へ搬送する。本実施形態では、搬送部材23のロール部23Bは、常時、搬送部材25のロール部25Bに接触する接触位置に位置する。
【0113】
なお、第一搬送部21では、搬送ロールを用いたが、これに限られない。搬送部の一例としては、搬送ベルト等を用いた構成であってもよく、記録媒体Pに搬送力を付与して、記録媒体Pを搬送可能な部材を有する構成とすることが可能である。
【0114】
<第二搬送部22>
図9は、第二搬送部22及び移動機構40の概略を示す側面図である。
図10は、第二搬送部22の概略を示す斜視図である。
図11は、第二搬送部22及び移動機構40の概略を示す平断面図である。
【0115】
図9~
図11に示される第二搬送部22は、搬送部の一例であり、記録媒体Pを搬送する構成部である。第二搬送部22は、
図9に示されるように、搬送ロールで構成された搬送部材24、26を有している。本実施形態では、例えば、搬送部材24が従動ロールとされ、搬送部材26が駆動ロールとされている。
【0116】
搬送部材24、26は、具体的には、回転軸24A、26Aと、ロール部24B、26Bと、を有している。回転軸24A、26Aは、前後方向に延びる軸部である。
【0117】
ロール部24B、26Bは、2つが備えられる(
図9参照)。この2つのロール部24B、26Bは、互いが上下方向に対向するように、前後方向に間隔をあけて回転軸24A、26Aに取り付けられている。ロール部24Bとロール部26Bとは、
図9に示されるように、第一対向部材14に形成された開口14Bと、第二対向部材16に形成された開口16Bを通じて、接触している。
【0118】
回転軸24Aの軸方向両端部は、
図10に示されるように、第一対向部材14に設けられた軸受13に回転可能に支持されている。軸受13は、上方側が開口しており、回転軸24Aは、ロール部24Bが、搬送部材26のロール部26Bに接触する接触位置(
図9において実線で示される位置)と、ロール部26Bから離間する離間位置(
図9において二点鎖線で示される位置)とに移動可能とされている。
【0119】
回転軸24Aの軸方向両端部は、弾性体15(具体的にはコイルバネ)に保持されており、弾性体15の弾性力によって、回転軸24Aが接触位置へ押されている。なお、
図10及び
図11では、軸受13及び弾性体15の図示を省略している。
【0120】
第二搬送部22では、接触位置に位置する搬送部材24と、搬送部材26とが記録媒体Pを厚み方向に挟んだ挟み状態で、搬送部材26が回転駆動することで、記録媒体Pを右方側へ搬送する。また、第二搬送部22では、接触位置に位置する搬送部材24が離間位置へ移動することで、第二搬送部22における挟み状態が解除される。
【0121】
<移動機構40>
図9に示される移動機構40は、搬送部材24を離間位置(
図9において二点鎖線で示される位置)に移動させる機構である。移動機構40は、具体的には、
図9に示されるように、支持体41と、駆動部42と、軸部43と、円筒体44と、連結部45と、腕部46と、を有している。
【0122】
支持体41は、
図9に示されるように、箱状に形成されている。なお、
図9では、支持体41の外形を破線で示している。この支持体41は、
図11に示されるように、少なくとも、前壁41Fと、後壁41Bと、左壁41Lと、上壁(図示省略)と、を有している。
【0123】
駆動部42は、可動軸42Aを軸方向へ移動させるソレノイドで構成されている。この駆動部42は、支持体41の左壁41L及び上壁(図示省略)に取り付けられることで、支持体41に支持されている。
【0124】
軸部43は、前後方向を軸方向とする円柱状のシャフトで構成されている。軸部43は、円筒体44の中空部分に通された状態で、軸方向一端部が前壁41Fに取り付けられ、軸方向他端部が後壁41Bに取り付けられている。これにより、円筒体44は、前壁41Fと後壁41Bとの間で、軸部43周りに回転可能に支持されている。
【0125】
連結部45は、一端部(具体的には下端部)が円筒体44に固定され、円筒体44から上方側へ延び出ている。連結部45の他端部(具体的には上端部)は、可動軸42Aの先端に対して、前後方向に沿った軸周りに回転可能に連結されている。
【0126】
腕部46は、
図11に示されるように、2つが備えられている。この2つの腕部46の各々は、
図9に示されるように、搬送部材24の回転軸24Aの下方側に潜り込むように、円筒体44から回転軸24A側(具体的には右方側)に突出している。
【0127】
移動機構40では、駆動部42の可動軸42Aが左方側へ移動すると、連結部45、円筒体44及び腕部46が、軸部43周りに
図9における反時計回り方向へ正転し、腕部46が搬送部材24の回転軸24Aを、弾性体15の弾性力に対抗して持ち上げる。これにより、搬送部材24が離間位置(
図9において二点鎖線で示される位置)へ移動する。
【0128】
一方、駆動部42の可動軸42Aが右方側へ移動すると、連結部45、円筒体44及び腕部46が、軸部43周りに
図9における時計回り方向へ逆転し、腕部46の先端が下方側へ移動し、搬送部材24が弾性体15の弾性力によって降下する。これにより、搬送部材24が接触位置へ移動する。
【0129】
<一対の第三搬送部27>
図12は、一対の第三搬送部27及び移動機構40の概略を示す側面図である。
図13は、一対の第三搬送部27及び移動機構40の概略を示す平断面図である。
【0130】
図12及び
図13に示される一対の第三搬送部27は、搬送部の一例であり、記録媒体Pを搬送する構成部である。この一対の第三搬送部27は、回転機構50の後述の接触部材52を間において、前後方向に離れて配置されている。
【0131】
一対の第三搬送部27の各々は、
図12に示されるように、搬送ロールで構成された搬送部材28、29を有している。本実施形態では、例えば、搬送部材28が従動ロールとされ、搬送部材29が駆動ロールとされている。なお、一対の第三搬送部27は、同様に構成されている。
【0132】
搬送部材28、29は、具体的には、
図12に示されるように、回転軸28A、29Aと、ロール部28B、29Bと、を有している。回転軸28A、29Aは、前後方向に延びる軸部である。なお、一対の第三搬送部27では、搬送部材28同士と、搬送部材29同士の各々は、同軸上に配置されている。
【0133】
ロール部28B、29Bは、1つが備えられる(
図13参照)。この1つのロール部28B、29Bは、互いが上下方向に対向するように、回転軸28A、29Aの軸方向の中央部に取り付けられている。ロール部28Bとロール部29Bとは、
図12に示されるように、第一対向部材14に形成された開口14Cと、第二対向部材16に形成された開口16Cを通じて、接触している。
【0134】
回転軸28Aの軸方向両端部は、搬送部材24の場合と同様に、上方側が開口した軸受(図示省略)に回転可能に支持されている(
図10参照)。回転軸28Aは、ロール部28Bが、搬送部材29のロール部29Bに接触する接触位置(
図12において実線で示される位置)と、ロール部29Bから離間する離間位置(
図12において二点鎖線で示される位置)とに移動可能とされている。
【0135】
回転軸28Aの軸方向両端部は、搬送部材24の場合と同様に、弾性体(図示省略)の弾性力によって、回転軸28Aが接触位置へ押されている。
【0136】
一対の第三搬送部27では、接触位置に位置する搬送部材28と、搬送部材29とが記録媒体Pを厚み方向に挟んだ挟み状態で、搬送部材29が回転駆動することで、記録媒体Pを右方側へ搬送する。また、一対の第三搬送部27では、接触位置に位置する搬送部材28が離間位置へ移動することで、一対の第三搬送部27における挟み状態が解除される。
【0137】
図12及び
図13に示されるように、一対の第三搬送部27に対しても、搬送部材28を離間位置(
図12において二点鎖線で示される位置)に移動させる移動機構40が設けられている。
【0138】
この移動機構40では、駆動部42の可動軸42Aが左方側へ移動すると、連結部45、円筒体44及び腕部46が、軸部43周りに
図12における反時計回り方向へ正転し、腕部46が搬送部材28の回転軸28Aを、弾性体15の弾性力に対抗して持ち上げる。これにより、搬送部材28が離間位置(
図12において二点鎖線で示される位置)へ移動する。
【0139】
一方、駆動部42の可動軸42Aが右方側へ移動すると、連結部45、円筒体44及び腕部46が、軸部43周りに
図12における時計回り方向へ逆転し、腕部46の先端が下方側へ移動し、搬送部材28が弾性体15の弾性力によって降下する。これにより、搬送部材28が接触位置へ移動する。
【0140】
<検知部19>
検知部19は、第一搬送部21によって搬送される記録媒体Pを検知する構成部である。具体的には、検知部19は、第一搬送部21によって搬送される記録媒体Pの先端部を検知する。
【0141】
検知部19は、第一搬送部21と第二搬送部22との間において、第一搬送部21に対して接近した位置に配置されている。
【0142】
検知部19は、一例として、透過型又は反射型の光センサなどの非接触型のセンサなどで構成されている。なお、検出部の一例としては、例えば、記録媒体Pに接触することで記録媒体Pを検知する接触型のセンサなどであってもよく、種々の検出部を用いることが可能である。
【0143】
第一搬送部21、第二搬送部22及び一対の第三搬送部27は、検知部19が記録媒体Pを検知した検知結果(具体的には検知タイミング)に基づき、予め定められた搬送条件(例えば搬送時間及び搬送速度)にて、記録媒体Pを搬送することで、記録媒体Pを予め定められた搬入位置まで搬入する。
【0144】
具体的には、第一搬送部21、第二搬送部22、及び一対の第三搬送部27は、記録媒体Pを挟んだ挟み状態で、予め定められた搬入位置まで搬送し、搬送を停止する。
【0145】
搬入位置は、記録媒体Pにおける搬入方向(具体的には左右方向)の中央部が、接触部材52の回転軸と合う位置であり、記録媒体Pにおける幅方向(具体的には前後方向)の中央部が、接触部材52の回転軸と合う位置である。さらに言えば、搬入位置は、記録媒体Pの重心が、接触部材52の回転軸と合う位置である。なお、記録媒体Pの重心は、記録媒体Pの対角線の交点である。
【0146】
<回転機構50>
図14~
図18は、回転機構50の概略を示す図である。
図14~
図18に示される回転機構50は、回転手段の一例であり、搬入機構20により搬入された記録媒体Pを厚み方向へ向かって見て回転させる機構である。回転機構50は、
図14に示されるように、接触部材52と、配置部材56と、を備えている。
【0147】
接触部材52は、記録媒体Pにおける厚み方向の一方の面(具体的には下面PD)に接触可能な部材である。配置部材56は、記録媒体Pにおける厚み方向の他方側(具体的には上方側)に配置された部材である。換言すれば、配置部材56は、記録媒体Pにおける厚み方向の他方の面(具体的には上面PU)に対向する。
【0148】
具体的には、回転機構50は、記録媒体Pの厚み方向へ向かって見て、予め定められた回転軸(具体的には、接触部材52の回転軸)を中心として記録媒体Pを回転させる。なお、回転機構50において、記録媒体Pを回転させる際の回転軸は、仮想的に定められる回転軸であってもよい。
【0149】
回転機構50は、記録媒体Pの厚み方向へ向かって見て、時計回り方向及び反時計回り方向の両方向へ記録媒体Pを回転可能とされている。本実施形態では、回転機構50は、0度を超え360度未満の範囲で記録媒体Pを回転させる。具体的には、回転機構50は、0度を超え180度以下の範囲で記録媒体Pを回転させる。さらに具体的には、回転機構50は、平面視における時計回り方向及び反時計回り方向の各々において、記録媒体Pを90度回転させる。
【0150】
回転機構50は、搬入機構20、及び排出機構70と別体とされている。すなわち、本実施形態では、記録媒体Pを搬入する搬入機能と、記録媒体Pを回転させる回転機能と、記録媒体Pを排出する排出機能とが、機能分離されており、回転機構50は、記録媒体Pを搬入方向(具体的には左右方向)及び排出方向(具体的には前後方向)へ記録媒体Pを搬送する機能を有していない。
【0151】
回転機構50は、具体的には、
図14に示されるように、接触部材52及び配置部材56に加えて、駆動機構53と、移動機構60と、を備えている。
【0152】
<接触部材52>
接触部材52は、接触部52Aと、軸部52Bと、を有している。接触部52Aは、記録媒体Pの下面PDに対して接触する部分であり、円盤状に形成されている。接触部52Aは、例えば、配置部材56の接触部56Aよりも摩擦係数が大きい材料(例えば、ゴム材料)で形成されている。接触部52Aの直径は、例えば、10mm以上100mm以下の範囲で設定される。
【0153】
軸部52Bは、接触部52Aから下方側に延びており、上下方向を軸方向とするシャフトで構成されている。この軸部52Bは、接触部52Aに固定されており、接触部52Aと一体に回転する。
【0154】
接触部材52は、接触部52Aの上面は、円形状に形成されており、接触部材52の回転軸(回転中心)において、記録媒体Pに接触する。換言すれば、接触部材52によって回転される記録媒体Pに対して、回転中心にて、接触部材52が接触する。
【0155】
<駆動機構53>
駆動機構53は、接触部材52を回転駆動する機構である。具体的には、駆動機構53は、支持部54と、駆動部58と、伝達部55と、を備えている。
【0156】
支持部54は、接触部材52を回転可能に支持する構造部である。支持部54は、例えば、接触部52Aを収容する収容空間54Aを有する支持体54Bと、軸部52Bを収容する収容空間54Cと有する支持体54Dと、一対の軸受54Eと、を有している。
【0157】
支持体54Bは、例えば、収容空間54Aが形成されるように折り曲げられ、案内部12の第二対向部材16の下面に固定されたフレームで構成されている。支持体54Bは、上方側が開口しており、接触部52Aの上面を露出させる。
【0158】
支持体54Dは、例えば、収容空間54Cが形成されるように折り曲げられ、支持体54Bの下面に固定されたフレームで構成されている。
【0159】
一対の軸受54Eは、一方が支持体54Bの下壁に取り付けられ、他方が支持体54Dの下壁に取り付けられている。この一対の軸受54Eは、接触部材52の軸部52Bにおける軸方向の一端部及び他端部の各々を回転可能に支持している。
【0160】
駆動部58は、接触部材52を回転させる駆動力を発生させる構成部である。具体的には、駆動部58は、駆動軸58Aと本体部58Bとを有する駆動モータで構成されている。本実施形態では、駆動部58は、一例として、ステッピングモータで構成されている。
【0161】
駆動部58の本体部58Bは、フレーム等で構成された固定部(図示省略)に固定されている。駆動軸58Aは、上下方向を軸方向とする軸であり、本体部58Bから収容部59の収容空間59Aへ向けて上方側へ延び出ている。この収容部59は、例えば、収容空間59Aが形成されるように折り曲げられ、案内部12の第二対向部材16の下面に固定されたフレームで構成されている。
【0162】
伝達部55は、駆動部58の駆動力を接触部材52へ伝達する構成部である。伝達部55は、具体的には、滑車55A、55Bと、タイミングベルト55Cと、を有している。
【0163】
滑車55Aは、具体的にはタイミングプーリであり、駆動部58の駆動軸58Aに固定されている。したがって、滑車55Aは、駆動部58の駆動軸58Aと一体に回転する。
【0164】
滑車55Bは、具体的にはタイミングプーリであり、接触部材52の軸部52Bにおける一対の軸受54Eの間に固定されている。したがって、滑車55Bは、接触部材52の軸部52Bと一体に回転する。
【0165】
タイミングベルト55Cは、滑車55Aと滑車55Bとに巻き掛けられている。これにより、伝達部55では、駆動部58の駆動軸58Aの回転力が、滑車55A、タイミングベルト55C及び滑車55Bを介して、接触部材52の軸部52Bへ伝達される。
【0166】
<配置部材56>
配置部材56は、接触部56Aと、軸部56Bと、を有している。接触部56Aは、記録媒体Pの上面に接触する構成部であり、円盤状に形成されている。この接触部56Aは、接触部材52の接触部52Aと同軸上に配置されている。
【0167】
接触部56Aは、例えば、接触部材52の接触部52Aよりも摩擦係数が小さい材料(例えば、樹脂材料)で形成されている。なお、接触部56Aの摩擦係数は、接触部材52の接触部52Aと同じであってもよい。また、接触部56Aの材料としては、ゴム材料などであってもよく、種々の材料を用いることが可能である。
【0168】
接触部56Aは、接触部材52の接触部52Aよりも小径とされている。具体的には、接触部56Aの直径は、例えば、10mm以上100mm以下の範囲で設定される。なお、接触部56Aの直径は、接触部材52の接触部52Aと同じ直径であってもよい。
【0169】
軸部56Bは、接触部56Aから上方側に延びており、上下方向を軸方向とするシャフトで構成されている。この軸部56Bは、接触部56Aに固定されており、接触部56Aと一体に回転する。
【0170】
<移動機構60>
図14~
図17に示される移動機構60は、配置部材56を移動させる機構である。移動機構60は、具体的には、
図14~
図17に示されるように、移動体63と、制限部64と、弾性体としての圧縮バネ65と、支持部67と、駆動部68と、伝達部69と、を有している。
【0171】
移動体63は、配置部材56における軸部56Bの軸方向(具体的には上下方向)に沿って支持部67に移動可能に支持された構造体である(
図15及び
図16参照)。移動体63は、配置部材56を、当該配置部材56の軸部56Bの軸方向(具体的には上下方向)に沿って移動可能、且つ、当該軸部56Bの軸周りに回転可能に支持する支持体として機能する。
【0172】
移動体63は、側面視にて、前後方向の中央部分で下方側に突出する突出部63Aを有する略T字状に形成されている。そして、移動体63は、配置部材56の軸部56Bが移動体63の前後方向の中央部分を上下方向に貫通することで、配置部材56を上下方向に沿って移動可能に支持する。
【0173】
なお、移動体63は、
図14及び
図17に示されるように、後述のラック69Bが形成される形成部63Bを有している。形成部63Bは、移動体63の後方側部分63Rから右方側に突出するように形成されている。
【0174】
制限部64は、配置部材56の移動体63に対する上下方向の移動を制限する構成部である。この制限部64は、配置部材56の軸部56Bの上端部に設けられ、軸部56Bの径方向外側に張り出した環状の部材で構成されている。そして、制限部64は、移動体63の上面に接触して、配置部材56の移動体63に対する下方側への移動を制限する。制限部64は、配置部材56の軸部56Bが移動体63から外れるのを阻止する抜け止めともいえる。
【0175】
圧縮バネ65は、軸部56Bにおける接触部56Aと移動体63との間に設けられている。この圧縮バネ65は、弾性力によって、配置部材56を下方側へ押している。
【0176】
支持部67は、移動体63を上下方向に移動可能に支持する構成部である。なお、配置部材56を支持する移動体63を支持することで、配置部材56を支持する機能を有している。
【0177】
支持部67は、具体的には、
図15及び
図16に示されるように、配置部材56及び移動体63等を収容する収容空間67Aを有する支持体67Bと、一対の軸部67Cと、を有している。
【0178】
支持体67Bは、例えば、収容空間67Aが形成されるように折り曲げられ、案内部12の第一対向部材14の上面に固定されたフレームで構成されている。
【0179】
一対の軸部67Cは、上下方向を軸方向とするシャフトで構成されている。この一対の軸部67Cは、前後方向に間隔をあけて、支持体67Bに取り付けられている。そして、一対の軸部67Cは、移動体63の前方側部分63F及び後方側部分63Rにおいて上下方向に貫通しており、移動体63を上下方向に移動可能に支持している。具体的には、支持部67は、配置部材56が接触部材52に接触する接触位置(
図15に示される位置)と、配置部材56が接触部材52から離間する離間位置(
図16に示される位置)と、に移動可能に移動体63を支持する。換言すれば、支持部67は、移動体63を介して、接触位置(
図15に示される位置)と、離間位置(
図16に示される位置)と、配置部材56を移動可能に支持しているともいえる。
【0180】
接触位置では、配置部材56の接触部56Aと、接触部材52の接触部52Aと、が接触する。さらに言えば、接触位置では、圧縮バネ65の弾性力によって、当該接触部56Aが、接触部52Aに押し付けられる。
【0181】
離間位置では、配置部材56の接触部56Aと、接触部材52の接触部52Aと、が離間する。具体的には、離間位置では、当該接触部56Aと当該接触部52Aとの間に、記録媒体Pが通過可能な隙間が形成される。
【0182】
駆動部68は、配置部材56を移動させる駆動力を発生させる構成部である。具体的には、駆動部68は、
図14及び
図17に示されるように、駆動軸68Aと本体部68Bとを有する駆動モータで構成されている。具体的には、駆動部68は、一例として、ステッピングモータで構成されている。
【0183】
駆動部68の本体部68Bは、支持体67Bの右壁67Rの外面(具体的には右面)に固定されている。駆動軸68Aは、左右方向を軸方向とする軸であり、本体部68Bから支持体67Bの収容空間67Aへ向けて左方側へ延び出ている。
【0184】
伝達部69は、駆動部68の駆動力を移動体63へ伝達する構成部である。換言すれば、伝達部69は、駆動部68の駆動力を、移動体63を介して配置部材56へ伝達するともいえる。伝達部69は、具体的には、ピニオン69Aと、ラック69Bと、を有している。
【0185】
ピニオン69Aは、駆動部68の駆動軸68Aに固定され、当該駆動軸68Aと一体に回転する。
【0186】
ラック69Bは、移動体63の形成部63Bにおける前面に上下方向に沿って設けられている。ラック69Bと、ピニオン69Aとが噛み合っており、ピニオン69Aが正転及び逆転することで、移動体63が上下方向へ移動する。
【0187】
回転機構50では、駆動部68の駆動軸68Aが正転すると、ピニオン69Aが正転して、ラック61を介して、移動体63が下方へ移動する。移動体63が下方へ移動することで、配置部材56が、接触部材52と接触する接触位置に移動する(
図15参照)。
【0188】
また、回転機構50では、駆動部68の駆動軸68Aが逆転すると、ピニオン69Aが逆転して、ラック61を介して、移動体63が上方へ移動する。移動体63が上方へ移動することで、配置部材56が、接触部材52から離間する離間位置に移動する(
図16参照)。
【0189】
<排出機構70>
図5及び
図6に示される排出機構70は、排出手段の一例であり、回転機構50により回転した記録媒体Pを排出する機構である。具体的には、排出機構70は、
図5及び
図6に示されるように、一対の第一排出部71と、第二排出部72と、第三排出部73と、第四排出部74と、第五排出部75と、案内機構76、77と、検知部78、79と、を有している。
【0190】
一対の第一排出部71は、軸方向が左右方向とされると共に、接触部材52を間において左右方向に離れて配置されており、記録媒体Pを後方側又は前方側へ搬送する。この点を除いて、一対の第一排出部71は、一対の第三搬送部27と同様に構成されている。この一対の第一排出部71に対しても、搬送部材28を離間位置に移動させる移動機構40が設けられている。
【0191】
第二排出部72は、一対の第一排出部71に対する後方側に配置されると共に、軸方向が左右方向とされ、記録媒体Pを後方側へ搬送する。この点を除いて、第二排出部72は、第二搬送部22と同様に構成されている。この第二排出部72に対しても、搬送部材24を離間位置に移動させる移動機構40が設けられている。
【0192】
第三排出部73は、第二排出部72に対する後方側に配置されると共に、軸方向が左右方向とされ、記録媒体Pを後方側へ搬送する。この点を除いて、第三排出部73は、第一搬送部21と同様に構成されている。
【0193】
検知部78は、第二排出部72と第三排出部73との間において、第三排出部73に対して接近した位置に配置されている。検知部78は、配置位置を除いて、検知部19と同様に構成されている。
【0194】
案内機構76は、排出口11Bに設けられると共に、案内部材31、32が排出位置に位置する。この点を除いて、案内機構76は、案内機構30と同様に構成されている。
【0195】
第四排出部74は、一対の第一排出部71に対する前方側に配置されると共に、軸方向が左右方向とされ、記録媒体Pを前方側へ搬送する。この点を除いて、第四排出部74は、第二搬送部22と同様に構成されている。この第四排出部74に対しても、搬送部材24を離間位置に移動させる移動機構40が設けられている。
【0196】
第五排出部75は、第四排出部74に対する前方側に配置されると共に、軸方向が左右方向とされ、記録媒体Pを前方側へ搬送する。この点を除いて、第五排出部75は、第一搬送部21と同様に構成されている。
【0197】
案内機構77は、排出口11Fに設けられると共に、案内部材31、32が排出位置に位置する。この点を除いて、案内機構77は、案内機構30と同様に構成されている。
【0198】
検知部79は、第四排出部74と第五排出部75との間において、第五排出部75に対して接近した位置に配置されている。検知部79は、配置位置を除いて、検知部19と同様に構成されている。
【0199】
<排出機構80>
図5及び
図6に示される排出機構80は、回転機構50(具体的には接触部材52と配置部材56との間)を通過した記録媒体Pを排出する機構である。具体的には、排出機構80は、回転機構50において、回転動作が実行されずに搬送された記録媒体Pを排出する機構である。
【0200】
具体的には、排出機構80は、
図5及び
図6に示されるように、第六排出部86と、第七排出部87と、案内機構88と、検知部89と、を有している。なお、一対の第三搬送部27は、排出機構80の一部を構成する。
【0201】
第六排出部86は、一対の第三搬送部27に対する右方側に配置されている。この第六排出部86は、配置位置を除いて、第二搬送部22と同様に構成されている。この第六排出部86に対しても、搬送部材24を離間位置に移動させる移動機構40が設けられている。
【0202】
第七排出部87は、第六排出部86に対する右方側に配置されている。この第七排出部87は、配置位置を除いて、第一搬送部21と同様に構成されている。
【0203】
案内機構88は、排出口11Rに設けられると共に、案内部材31、32が排出位置に位置する。この点を除いて、案内機構88は、案内機構30と同様に構成されている。
【0204】
検知部89は、第六排出部86と第七排出部87との間において、第七排出部87に対して接近した位置に配置されている。検知部89は、配置位置を除いて、検知部19と同様に構成されている。
【0205】
<搬送装置10における搬送動作>
記録媒体Pが搬入口11Lから搬入される際に、予め、一対の第一排出部71において、搬送部材28が離間位置に位置し、第二排出部72、第四排出部74及び第六排出部86において、搬送部材24が離間位置に位置する。さらに、回転機構50において、配置部材56が、予め、離間位置に位置する。
【0206】
一方、第一搬送部21では、搬送部材23が接触位置に位置し、第二搬送部22では、搬送部材24が接触位置に位置し、一対の第三搬送部27では、搬送部材28が接触位置に位置する。
【0207】
搬入口11Lから搬入された記録媒体Pは、案内機構30における一対の案内部材31、32の間を通過した後、搬入機構20における第一搬送部21、第二搬送部22、及び一対の第三搬送部27において、記録媒体Pを挟んだ挟み状態で、予め定められた搬入位置(すなわち、停止位置)まで搬送し、搬送を停止する。
【0208】
具体的には、第一搬送部21、第二搬送部22及び一対の第三搬送部27は、検知部19が記録媒体Pを検知した検知結果(具体的には検知タイミング)に基づき、予め定められた搬送条件(例えば搬送時間及び搬送速度)にて、記録媒体Pを搬送することで、記録媒体Pを予め定められた搬入位置まで搬入する。
【0209】
搬入位置は、前述のように、記録媒体Pにおける搬入方向(具体的には左右方向)の中央部が、接触部材52の回転軸と合う位置であり、記録媒体Pにおける幅方向(具体的には前後方向)の中央部が、接触部材52の回転軸と合う位置である。さらに言えば、搬入位置は、前述のように、記録媒体Pの重心が、接触部材52の回転軸と合う位置である。
【0210】
次に、回転機構50において、配置部材56が、接触位置へ移動する。本実施形態では、接触部材52は、記録媒体Pの搬入方向への移動が停止した状態で、記録媒体Pへの接触を開始する。
【0211】
そして、配置部材56が、接触位置へ移動することで、接触部材52と配置部材56(
図14における二点鎖線参照)との間に記録媒体Pを厚み方向に挟んだ挟み状態となる。
【0212】
次に、第二搬送部22において、搬送部材24を離間位置へ移動させ、一対の第三搬送部27において、搬送部材28を離間位置へ移動させて、記録媒体Pに対する挟み状態を解除する。
【0213】
次に、接触部材52と配置部材56との間に記録媒体Pを厚み方向に挟んだ状態で、接触部材52を記録媒体Pの厚み方向へ向かって見て回転させることで、記録媒体Pを回転させる。このように、本実施形態では、回転機構50は、記録媒体Pの搬入方向(具体的には左右方向)への移動が停止した状態で、記録媒体Pを回転させる。
【0214】
また、本実施形態では、回転機構50は、接触部材52の回転軸に、記録媒体Pにおける搬入方向の中央部を合わせた状態で記録媒体Pを回転させる。また、回転機構50は、接触部材52の回転軸に、記録媒体Pにおける幅方向(具体的には前後方向)の中央部を合わせた状態で記録媒体Pを回転させる。さらに、回転機構50は、接触部材52の回転軸に、記録媒体Pの重心を合わせた状態で記録媒体Pを回転させる。
【0215】
記録媒体Pを排出口11Bから排出する場合には、回転機構50は、記録媒体Pにおける搬入方向下流側を向いた先端が、排出方向(具体的には後方)を向くように、記録媒体Pを回転させる。
【0216】
具体的には、回転機構50は、平面視における時計回り方向及び反時計回り方向の両方向のうち、記録媒体Pが排出口11B側(すなわち、後方側)を向くまでの回転角度が小さい方向(具体的には平面視における反時計回り方向)へ記録媒体Pを90度回転させる。なお、後方は、予め定められた方向の一例である。
【0217】
次に、一対の第一排出部71において、搬送部材28を接触位置へ移動させ、第二排出部72において、搬送部材24を接触位置へ移動させて、記録媒体Pを挟む。
【0218】
次に、回転機構50において、配置部材56が、離間位置へ移動し、記録媒体Pの挟み状態を解除する。
【0219】
次に、排出機構70における一対の第一排出部71、第二排出部72、及び第三排出部73が、記録媒体Pを挟んだ挟み状態で後方側へ搬送し、記録媒体Pを排出口11Bから排出する。
【0220】
すなわち、排出機構70は、記録媒体Pの厚み方向へ向かって見て搬入方向とは異なる排出方向(具体的には後方)へ排出する。また、本実施形態では、排出機構70は、回転機構50による回転が停止した後に、記録媒体Pを排出する。そして、後処理装置140にて、記録媒体Pに対して後処理が実行される。
【0221】
一方、記録媒体Pを排出口11Fから排出する場合には、回転機構50は、記録媒体Pにおける搬入方向下流側を向いた先端が、排出方向(具体的には前方)を向くように、記録媒体Pを回転させる。
【0222】
具体的には、回転機構50は、平面視における時計回り方向及び反時計回り方向の両方向のうち、記録媒体Pが排出口11F側(すなわち、前方側)を向くまでの回転角度が小さい方向(具体的には平面視における時計回り方向)へ記録媒体Pを90度回転させる。なお、前方は、予め定められた方向の一例である。
【0223】
次に、一対の第一排出部71において、搬送部材28を接触位置へ移動させ、第四排出部74において、搬送部材24を接触位置へ移動させて、記録媒体Pを挟む。
【0224】
次に、回転機構50において、配置部材56が、離間位置へ移動し、記録媒体Pの挟み状態を解除する。
【0225】
次に、排出機構70における一対の第一排出部71、第四排出部74、及び第五排出部75が、記録媒体Pを挟んだ挟み状態で前方側へ搬送し、記録媒体Pを排出口11Fから排出する。そして、後処理装置160にて、記録媒体Pに対して後処理が実行される。
【0226】
なお、記録媒体Pを排出口11Rから排出する場合には、回転機構50において、回転動作が実行されずに、排出機構80における一対の第三搬送部27、第六排出部86、及び第七排出部87が、記録媒体Pを挟んだ挟み状態で右方側へ搬送し、記録媒体Pを排出口11Rから排出する。そして、後処理装置120にて、記録媒体Pに対して後処理が実行される。
【0227】
<搬送装置10の補足>
搬送装置10は、
図19に示されるように、装置本体11の高さを調整可能に支持する支持部17を備えている。支持部17は、具体的には、装置本体11の下部を支持するキャスタ付きの脚部で構成されている。支持部17では、装置本体11が支持部17に対して上下方向に移動して、装置本体11の高さが調整される。これにより、前処理装置110の高さ(例えば記録媒体Pが排出される排出口の高さ)、及び後処理装置120の高さ(例えば記録媒体Pが搬入される搬入口の高さ)などに応じて、装置本体11の高さを調整可能となる。なお、
図19では、装置本体11の高さを相対的に高く調整した場合の搬送装置10が符号10Aで示され、装置本体11の高さを相対的に低く調整した場合の搬送装置10が符号10Bで示されている。
【0228】
搬送装置10は、
図19に示されるように、装置本体11の下方側の部分に、複数の記録媒体Pを収容する収容部202を備えている。収容部202は、具体的には、回転機構50(具体的には接触部材52)に対する下方側に配置されている。この収容部202は、例えば、100枚以上好ましくは、1000枚以上(例えば5000枚程度)の記録媒体Pを収容可能とされている。
【0229】
搬送装置10は、さらに、
図5に示されるように、記録媒体Pの搬送経路を切り替える切替部204と、記録媒体Pを収容部202へ搬送する搬送部206と、を備えている。切替部204は、搬入口11Lと回転機構50(具体的には接触部材52)との間に配置されている。切替部204は、搬入口11Lから回転機構50への搬送経路を形成する位置と、搬入口11Lから収容部202への搬送経路を形成する位置と、に移動可能な移動部材(具体的には爪部)で構成されている。
【0230】
搬送部206は、切替部204によって、収容部202へ導かれた記録媒体Pを収容部202へ搬送する。搬送部206は、搬送ロール等の搬送部材208を有し、搬送部材208によって記録媒体Pを搬送する。なお、搬送部材208としては、搬送ベルト等であってもよく、記録媒体Pに搬送力を付与して、記録媒体Pを搬送可能な部材であればよい。
【0231】
<本実施形態の作用>
本実施形態では、回転機構50が、搬入機構20により搬入された記録媒体Pを厚み方向へ向かって見て回転させる。
【0232】
ここで、搬入機構20により搬入された記録媒体Pを、ロールやドラム等の回転体に巻き付けて、記録媒体Pの幅方向へ向かって見て回転させる場合(以下、形態Aという)では、例えば、記録媒体Pにおける搬入方向下流側を向いた先端が、搬入方向上流側を向くように、記録媒体Pを回転体に巻き付けて回転させた場合、記録媒体Pの表裏が反転する。
【0233】
これに対して、回転機構50が、記録媒体Pを厚み方向へ向かって見て回転させるので、記録媒体Pの表裏の反転を伴わずに、記録媒体Pの向きが変更される。
【0234】
この結果、前処理装置110で前処理が実行された記録媒体Pの表裏の反転を伴わずに、向きを変更した搬送対象に対して、後処理が実行可能となる。具体的には、前処理装置110における画像形成装置130で画像が形成された記録媒体の表裏の反転を伴わずに、向きを変更した記録媒体に対して、後処理が実行可能となる。
【0235】
また、本実施形態では、回転機構50は、記録媒体Pの厚み方向へ向かって見て、予め定められた回転軸(具体的には、接触部材52の回転軸)を中心として記録媒体Pを回転させる。
【0236】
このため、回転機構50が、回転軸が定まっていない状態で記録媒体Pを回転させる場合に比べ、回転角度を制御しやすい。
【0237】
また、本実施形態では、回転機構50は、接触部材52の回転軸に、記録媒体Pにおける搬入方向(具体的には左右方向)の中央部を合わせた状態で記録媒体Pを回転させる。
【0238】
このため、回転機構50が、記録媒体Pにおける搬入方向の端部を回転軸として記録媒体Pを回転させる場合に比べ、記録媒体Pの回転に使用されるスペースが小さくなる。
【0239】
また、本実施形態では、接触部材52の回転軸に、記録媒体Pにおける幅方向(具体的には前後方向)の中央部を合わせた状態で記録媒体Pを回転させる。
【0240】
このため、回転機構50が、記録媒体Pにおける幅方向の端部を回転軸として記録媒体Pを回転させる場合に比べ、記録媒体Pの回転に使用されるスペースが小さくなる。
【0241】
具体的には、本実施形態では、回転機構50は、接触部材52の回転軸に、記録媒体Pの重心を合わせた状態で記録媒体Pを回転させる。
【0242】
このため、回転機構50が、記録媒体Pの重心から外れた位置を通る軸を回転軸として回転機構50を回転させる場合に比べ、記録媒体Pの回転に使用されるスペースが小さくなる。
【0243】
また、本実施形態では、回転機構50は、0度を超え360度未満の範囲で記録媒体Pを回転させる。このため、回転機構50が、360度を超える範囲でのみ記録媒体Pを回転させる場合に比べ、記録媒体Pを予め定められた回転角度へ回転させる回転時間が短縮される。
【0244】
具体的には、本実施形態では、回転機構50は、0度を超え180度以下の範囲で記録媒体Pを回転させる。このため、回転機構50が、180度を超える範囲でのみ記録媒体Pを回転させる場合に比べ、記録媒体Pを予め定められた回転角度へ回転させる回転時間が短縮される。
【0245】
また、本実施形態では、回転機構50は、記録媒体Pの厚み方向へ向かって見て、時計回り方向及び反時計回り方向の両方向へ記録媒体Pを回転可能とされている。
【0246】
このため、回転機構50が、記録媒体Pを一方向のみへ回転可能である場合に比べ、記録媒体Pを予め定められた回転角度へ回転させる回転時間が短縮される。
【0247】
また、本実施形態では、回転機構50は、平面視における時計回り方向及び反時計回り方向の両方向のうち、記録媒体Pが排出口11B側(すなわち、後方側)を向くまでの回転角度が小さい方向(具体的には平面視における反時計回り方向)へ記録媒体Pを回転させる。
【0248】
このため、回転機構50が、記録媒体Pにおける搬入方向下流側を向いた先端が、予め定められた方向を向くように回転させる場合において、平面視における時計回り方向及び反時計回り方向の両方向のうち、記録媒体Pが排出口11B側を向くまでの回転角度が大きい方向(具体的には平面視における時計回り方向)へ記録媒体Pを回転させる場合に比べ、当該先端が、排出口11B側を向くまでの回転時間が短縮される。
【0249】
また、本実施形態では、回転機構50は、搬入機構20、及び排出機構70と別体とされている。
【0250】
このため、回転機構50が、搬入機構20、及び排出機構70と一体で構成されている場合に比べ、回転機構50の駆動制御が複雑化しない。
【0251】
本実施形態では、回転機構50は、記録媒体Pにおける搬入方向下流側を向いた先端が、排出方向(具体的には後方)を向くように、記録媒体Pを回転させる。
【0252】
このため、排出機構70が、記録媒体Pにおける搬入方向下流側を向いた先端が、排出方向を向いた状態で、記録媒体Pを排出可能となる。
【0253】
また、本実施形態では、回転機構50は、記録媒体Pの搬入方向(具体的には左右方向)への移動が停止した状態で、記録媒体Pを回転させる。
【0254】
このため、回転機構50が、搬入方向へ移動している状態の記録媒体Pを回転させる場合に比べ、記録媒体Pの回転不良が抑制される。
【0255】
本実施形態では、回転機構50は、第二搬送部22及び一対の第三搬送部27における挟み状態が解除された状態で、記録媒体Pを回転させる。
【0256】
このため、第二搬送部22及び一対の第三搬送部27における挟み状態が維持された状態で、回転機構50が記録媒体Pを回転させる場合に比べ、記録媒体Pの回転不良が抑制される。
【0257】
また、本実施形態では、排出機構70は、回転機構50による回転が停止した後に、記録媒体Pを排出する。
【0258】
このため、排出機構70が、回転機構50が記録媒体Pを回転している状態で、記録媒体Pを排出する場合に比べ、記録媒体Pの排出不良が抑制される。
【0259】
本実施形態では、回転機構50は、接触部材52が、配置部材56(
図14における二点鎖線参照)との間に記録媒体Pを厚み方向に挟んだ状態で、接触部材52が、記録媒体Pの厚み方向へ向かって見て回転することで、記録媒体Pを回転させる。
【0260】
このため、接触部材52が記録媒体Pを挟んでいない状態で厚み方向へ向かって見て回転することで、記録媒体Pを回転させる場合に比べ、記録媒体Pの回転不良が抑制される。
【0261】
具体的には、本実施形態では、接触部材52及び配置部材56の両方が、記録媒体Pの厚み方向へ向かって見て回転することで、記録媒体Pを回転させる。
【0262】
このため、接触部材52のみが回転する場合に比べ、記録媒体Pの回転不良が抑制される。
【0263】
本実施形態では、接触部材52は、記録媒体Pに対して、回転中心にて接触する。このため、接触部材52が記録媒体Pの回転中心の外周に接触する場合に比べ、接触部材52が小型化になる。
【0264】
また、本実施形態では、接触部材52は、記録媒体Pの搬入方向への移動が停止した状態で、記録媒体Pへの接触を開始する。
【0265】
このため、接触部材52が、記録媒体Pが搬入方向へ移動している状態で、記録媒体Pへの接触を開始する場合に比べ、記録媒体Pの回転不良が抑制される。
【0266】
<搬入口11L、及び排出口11F、11B、11Rの変形例>
本実施形態では、装置本体11の左側面に形成された開口を、搬入口11Lとして用い、装置本体11の前面、後面、右左側面の各々に形成された開口を、排出口11F、11B、11Rとして用いたが、これに限られない。本実施形態では、装置本体11の左側面、前面、後面、右左側面の各々に形成された開口のうち、いずれか1~3つの開口を、搬入口として用い、残りの1~3つの開口を、排出口として用いることが可能である。
【0267】
この場合では、搬入口として用いられる開口に配置された案内機構30、76、77、88において、案内部材31、32が搬入位置(
図8に示される位置)に位置させる。また、排出口として用いられる開口に配置された案内機構30、76、77、88において、案内部材31、32が排出位置(
図7に示される位置)に位置させる。
【0268】
また、装置本体11の後面に形成された開口(すなわち排出口11B)を、搬入口として用いる場合には、第三排出部73、第二排出部72及び一対の第一排出部71を、回転機構50(具体的には接触部材52)へ記録媒体Pを搬入する搬入機構20として用いることが可能である。さらに、第三排出部73、第二排出部72及び一対の第一排出部71は、検知部78が記録媒体Pを検知した検知結果(具体的には検知タイミング)に基づき、予め定められた搬送条件(例えば搬送時間及び搬送速度)にて、記録媒体Pを搬送することで、記録媒体Pを予め定められた搬入位置まで搬入し、当該搬入(すなわち搬送)を停止する構成とすることが可能である。
【0269】
また、装置本体11の前面に形成された開口(すなわち排出口11F)を、搬入口として用いる場合には、第五排出部75、第四排出部74及び一対の第一排出部71を、回転機構50(具体的には接触部材52)へ記録媒体Pを搬入する搬入機構20として用いることが可能である。さらに、第五排出部75、第四排出部74及び一対の第一排出部71は、検知部79が記録媒体Pを検知した検知結果(具体的には検知タイミング)に基づき、予め定められた搬送条件(例えば搬送時間及び搬送速度)にて、記録媒体Pを搬送することで、記録媒体Pを予め定められた搬入位置まで搬入し、当該搬入(すなわち搬送)を停止する構成とすることが可能である。
【0270】
また、装置本体11の右側面に形成された開口(すなわち排出口11R)を、搬入口として用いる場合には、第七排出部87、第六排出部86及び一対の第三搬送部27を、回転機構50(具体的には接触部材52)へ記録媒体Pを搬入する搬入機構20として用いることが可能である。さらに、第七排出部87、第六排出部86及び一対の第三搬送部27は、検知部89が記録媒体Pを検知した検知結果(具体的には検知タイミング)に基づき、予め定められた搬送条件(例えば搬送時間及び搬送速度)にて、記録媒体Pを搬送することで、記録媒体Pを予め定められた搬入位置まで搬入し、当該搬入(すなわち搬送)を停止する構成とすることが可能である。
【0271】
また、装置本体11の左側面に形成された開口(すなわち搬入口11L)を、排出口として用いる場合には、一対の第三搬送部27、第二搬送部22及び第一搬送部21を、回転機構50により回転した記録媒体Pを排出する排出機構70として用いることが可能である。
【0272】
なお、装置本体11に形成された複数の開口が搬入口とされ、複数の前処理装置110が接続される場合には、前処理装置110としては、搬送対象を送り出す送出装置(例えば用紙を供給する給紙装置)を用いることが可能である。この場合は、後処理装置120として、画像を形成する画像形成装置を用いることが可能である。
【0273】
<装置本体11における開口の数の変形例>
本実施形態では、装置本体11は、前述のように、搬入口又は排出口とされる開口が4つ形成され、平面視にて四角形状に形成されていたが、これに限られない。例えば、装置本体11は、開口を2つ又は3つ有する構成であってもよい。また、装置本体11は、5つ以上の開口を有する構成であってもよく、少なくとも、搬入口及び排出口の各々を1つ以上有する構成であればよい。
【0274】
さらに、
図20に示されるように、装置本体11は、搬入口又は排出口とされる開口90が6つ形成され、平面視にて六角形状に形成されていてもよい。
図20に示される構成においても、平面視にて四角形状に形成された構成と同様に構成される。
【0275】
したがって、
図20に示される構成では、6つの開口のうち、いずれか1~5つの開口を、搬入口として用い、残りの1~5つの開口を、排出口として用いることが可能である。また、
図20に示される構成では、案内機構30と同様に構成された案内機構(図示省略)が、開口90の各々に対して設置されている。当該案内機構は、設置対象となった開口90が、搬入口として用いられる場合には、案内部材を搬入位置に位置させた状態で用いられ、設置対象となった開口90が、排出口として用いられる場合には、案内部材を排出位置に位置させた状態で用いられる。
【0276】
また、
図20に示される構成では、第一搬送部21と同様に構成された18個の搬送部91と、第二搬送部22と同様に構成された6個の搬送部92と、一対の第三搬送部27と同様に構成された一対の第三搬送部93と、接触部材52を含む回転機構50と、が設けられている。
図20に示される構成においても、搬入口とされた開口90から搬入された記録媒体Pを回転機構50へ搬入し、回転機構50にて、記録媒体Pを厚み方向へ向かって見て回転させた後、排出口とされた開口90から排出する。
【0277】
さらに、
図20に示される構成では、
図21に示されるように、搬送装置10を連続して接続してもよい。また、搬送装置10の下流側に配置された後処理装置120の下流側に搬送装置10を接続してもよい。なお、平面視にて四角形状に形成された構成においても、搬送装置10を連続して接続する構成、搬送装置10の下流側に配置された後処理装置120の下流側に搬送装置10を接続する構成は適用可能である。
【0278】
<変形例>
本実施形態では、回転機構50において、接触部材52及び配置部材56によって、記録媒体Pを回転させていたが、これに限られない。例えば、一対の第三搬送部27、一対の第一排出部71、及びこれらを支持する支持部分が、回転することで、記録媒体Pを回転させる構成であってもよい。この場合では、接触部材52及び配置部材56は、不要であり、一対の第三搬送部27、及び一対の第一排出部71は、それぞれ、一体の搬送ロールとして構成することが可能である。
【0279】
また、本実施形態では、接触部材52が記録媒体Pの下面に接触し、配置部材56が記録媒体Pの上方側に配置されていたが、これに限られない。例えば、接触部材52が記録媒体Pの上面に接触し、配置部材56が記録媒体Pの下方側に配置される構成であってもよい。
【0280】
また、本実施形態では、接触部材52及び配置部材56の両方が回転していたが、これに限られない。例えば、配置部材56は、非回転とされていてもよい。この場合では、接触部材52が回転することで、記録媒体Pは、配置部材56に対して滑りながら回転する。
【0281】
また、本実施形態では、圧縮バネ65によって、配置部材56が、接触部材52へ押し付けられていたが、これに限られない。例えば、接触部材52に設けられた圧縮バネ65によって、接触部材52が配置部材56へ押し付けられる構成であってもよい。
【0282】
また、本実施形態では、搬送装置10は、配置部材56を有していたが、これに限られない。例えば、搬送装置10が配置部材56を有せず、接触部材52が、案内部12の第一対向部材14との間に記録媒体Pを厚み方向に挟んだ状態で、記録媒体Pの厚み方向へ向かって見て回転することで、記録媒体Pを回転させる構成であってもよい。また、接触部材52が、上方側に配置され、案内部12の第二対向部材16との間に記録媒体Pを厚み方向に挟んだ状態で、記録媒体Pの厚み方向へ向かって見て回転することで、記録媒体Pを回転させる構成であってもよい。
【0283】
また、本実施形態では、回転機構50は、記録媒体Pの厚み方向へ向かって見て、予め定められた回転軸(具体的には、接触部材52の回転軸)を中心として記録媒体Pを回転させていたが、これに限られない。例えば、回転機構50が、回転軸が定まっていない状態で(例えば、回転軸の位置が変化しながら)記録媒体Pを回転させる構成であってもよく、回転機構50は、記録媒体Pを、厚み方向へ向かって見て回転させる構成であればよい。
【0284】
また、本実施形態では、回転機構50は、接触部材52の回転軸に、記録媒体Pにおける搬入方向(具体的には左右方向)の中央部を合わせた状態で記録媒体Pを回転させていたが、これに限られない。例えば、回転機構50が、記録媒体Pにおける搬入方向の端部を回転軸として記録媒体Pを回転させる構成であってもよい。
【0285】
また、本実施形態では、接触部材52の回転軸に、記録媒体Pにおける幅方向(具体的には前後方向)の中央部を合わせた状態で記録媒体Pを回転させていたが、これに限られない。例えば、回転機構50が、記録媒体Pにおける幅方向の端部を回転軸として記録媒体Pを回転させる構成であってもよい。
【0286】
また、本実施形態では、回転機構50は、接触部材52の回転軸に、記録媒体Pの重心を合わせた状態で記録媒体Pを回転させていたが、これに限られない。例えば、回転機構50が、記録媒体Pの重心から外れた位置を通る軸を回転軸として回転機構50を回転させる構成であってもよい。
【0287】
また、本実施形態では、回転機構50は、0度を超え180度以下の範囲で記録媒体Pを回転させていたが、これに限られない。例えば、回転機構50が、180度を超える範囲でのみ記録媒体Pを回転させる構成であってもよい。さらに言えば、回転機構50が、360度を超える範囲でのみ記録媒体Pを回転させる構成であってもよい。
【0288】
また、本実施形態では、回転機構50は、記録媒体Pの厚み方向へ向かって見て、時計回り方向及び反時計回り方向の両方向へ記録媒体Pを回転可能とされていたが、これに限られない。例えば、回転機構50が、記録媒体Pを一方向のみへ回転可能である構成であってもよい。
【0289】
また、本実施形態では、回転機構50は、平面視における時計回り方向及び反時計回り方向の両方向のうち、記録媒体Pが排出口11B側(すなわち、後方側)を向くまでの回転角度が小さい方向(具体的には平面視における反時計回り方向)へ記録媒体Pを回転させていたが、これに限られない。例えば、回転機構50が、平面視における時計回り方向及び反時計回り方向の両方向のうち、記録媒体Pが排出口11B側を向くまでの回転角度が大きい方向(具体的には平面視における時計回り方向)へ記録媒体Pを回転させる構成であってもよい。
【0290】
また、本実施形態では、記録媒体Pを排出口11Bから排出する場合に、回転機構50は、記録媒体Pにおける搬入方向下流側を向いた先端が、排出方向(具体的には後方)を向くように、記録媒体Pを回転させていたが、これに限られない。例えば、当該先端以外の部分(例えば、搬入方向上流端)が、排出方向(具体的には後方)を向くように、記録媒体Pを回転させてもよい。
【0291】
また、本実施形態では、記録媒体Pを排出口11Fから排出する場合に、回転機構50は、記録媒体Pにおける搬入方向下流側を向いた先端が、排出方向(具体的には前方)を向くように、記録媒体Pを回転させていたが、これに限られない。例えば、当該先端以外の部分(例えば、搬入方向上流端)が、排出方向(具体的には前方)を向くように、記録媒体Pを回転させてもよい。
【0292】
また、本実施形態では、記録媒体Pを排出口11Rから排出する場合に、回転機構50において、回転動作が実行されずに、記録媒体Pにおける搬入方向下流側を向いた先端が、排出方向(具体的には右方)を向いた状態のまま排出されたが、これに限られない。例えば、当該先端以外の部分(例えば、搬入方向上流端)が、排出方向(具体的には右方)を向くように、記録媒体Pを回転させた後に、排出口11Rから排出してもよい。
【0293】
また、本実施形態では、回転機構50は、搬入機構20、及び排出機構70と別体とされていたが、これに限られない。例えば、回転機構50が、搬入機構20、及び排出機構70と一体で構成されていてもよい。
【0294】
また、本実施形態では、回転機構50は、記録媒体Pの搬入方向(具体的には左右方向)への移動が停止した状態で、記録媒体Pを回転させていたが、これに限られない。例えば、回転機構50が、搬入方向へ移動している状態の記録媒体Pを回転させる構成であってもよい。
【0295】
また、本実施形態では、回転機構50は、第二搬送部22及び一対の第三搬送部27における挟み状態が解除された状態で、記録媒体Pを回転させていたが、これに限られない。例えば、第二搬送部22及び一対の第三搬送部27における挟み状態が維持された状態で、回転機構50が記録媒体Pを回転させる構成であってもよい。
【0296】
また、本実施形態では、排出機構70は、回転機構50による回転が停止した後に、記録媒体Pを排出していたが、これに限られない。例えば、排出機構70が、回転機構50が記録媒体Pを回転している状態で、記録媒体Pを排出する構成であってもよい。
【0297】
本実施形態では、回転機構50は、接触部材52が、配置部材56(
図14における二点鎖線参照)との間に記録媒体Pを厚み方向に挟んだ状態で、接触部材52が、記録媒体Pの厚み方向へ向かって見て回転することで、記録媒体Pを回転させていたが、これに限られない。例えば、接触部材52が記録媒体Pを挟んでいない状態で厚み方向へ向かって見て回転することで、記録媒体Pを回転させる構成であってもよい。
【0298】
また、本実施形態では、接触部材52及び配置部材56の両方が、記録媒体Pの厚み方向へ向かって見て回転することで、記録媒体Pを回転させていたが、これに限られない。例えば、接触部材52のみが回転する構成であってもよい。
【0299】
また、本実施形態では、接触部材52は、記録媒体Pに対して回転中心にて接触していたが、これに限られない。例えば、接触部材52が記録媒体Pの回転中心の外周に接触する構成(例えば、環状に形成された構成)であってもよい。
【0300】
また、本実施形態では、接触部材52は、記録媒体Pの搬入方向への移動が停止した状態で、記録媒体Pへの接触を開始していたが、これに限られない。例えば、接触部材52が、記録媒体Pが搬入方向へ移動している状態で、記録媒体Pへの接触を開始する構成であってもよい。
【0301】
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成してもよい。
【0302】
<付記>
(((1)))
シート状の搬送対象を搬入する搬入手段と、
前記搬入手段により搬入された搬送対象を、厚み方向へ向かって見て回転させる回転手段と、
前記回転手段により回転した搬送対象を排出する排出手段と、
を備える搬送装置。
【0303】
(((2)))
前記回転手段は、前記厚み方向へ向かって見て、予め定められた回転軸を中心として前記搬送対象を回転させる
(((1)))に記載の搬送装置。
【0304】
(((3)))
前記回転手段は、前記回転軸に前記搬送対象の重心を合わせた状態で前記搬送対象を回転させる
(((2)))に記載の搬送装置。
【0305】
(((4)))
前記回転手段は、前記回転軸に前記搬送対象における搬入方向の中央部を合わせた状態で前記搬送対象を回転させる
(((2)))に記載の搬送装置。
【0306】
(((5)))
前記回転手段は、前記回転軸に前記搬送対象における幅方向の中央部を合わせた状態で前記搬送対象を回転させる
(((2)))に記載の搬送装置。
【0307】
(((6)))
前記回転手段は、0度を超え360度未満の範囲で前記搬送対象を回転させる
(((1)))~(((5)))のいずれか1つに記載の搬送装置。
【0308】
(((7)))
前記回転手段は、0度を超え180度以下の範囲で前記搬送対象を回転させる
(((6)))に記載の搬送装置。
【0309】
(((8)))
前記回転手段は、前記厚み方向へ向かって見て、時計回り方向及び反時計回り方向の両方向へ前記搬送対象を回転可能である
(((1)))~(((7)))のいずれか1つに記載の搬送装置。
【0310】
(((9)))
前記回転手段は、
前記両方向のうち、前記搬送対象が、予め定められた方向を向くまでの回転角度が小さい方向へ前記搬送対象を回転させる
(((8)))に記載の搬送装置。
【0311】
(((10)))
前記回転手段は、前記搬入手段及び前記排出手段と別体である
(((1)))~(((9)))のいずれか1つに記載の搬送装置。
【0312】
(((11)))
前記排出手段は、前記厚み方向へ向かって見て、前記搬入手段による搬入方向とは異なる排出方向へ排出し、
前記回転手段は、前記搬送対象における搬入方向下流側を向いた先端が、前記排出方向を向くように、前記搬送対象を回転させる
(((1)))~(((10)))のいずれか1つに記載の搬送装置。
【0313】
(((12)))
前記回転手段は、前記搬送対象の前記搬入手段による搬入方向への移動が停止した状態で、前記搬送対象を回転させる
(((1)))~(((11)))のいずれか1つに記載の搬送装置。
【0314】
(((13)))
前記搬入手段は、
前記搬送対象を前記厚み方向に挟んだ挟み状態で前記搬送対象を搬送する搬送部
を有し、
前記回転手段は、前記搬送部の挟み状態が解除された状態で、前記搬送対象を回転させる
(((12)))に記載の搬送装置。
【0315】
(((14)))
前記排出手段は、前記回転手段による回転が停止した後に、前記搬送対象を排出する
(((1)))~(((13)))のいずれか1つに記載の搬送装置。
【0316】
(((15)))
前記回転手段は、
前記搬送対象における厚み方向の一方の面に接触可能な接触部材を有し、
前記接触部材が、前記搬送対象における厚み方向の他方側に配置された配置部材との間に前記搬送対象を挟んだ状態で前記厚み方向へ向かって見て回転することで、前記搬送対象を回転させる
(((1)))~(((14)))のいずれか1つに記載の搬送装置。
【0317】
(((16)))
前記回転手段は、
前記配置部材を有し、
前記接触部材及び前記配置部材が、前記搬送対象を挟んだ状態で前記厚み方向へ向かって見て回転することで、前記搬送対象を回転させる
(((15)))に記載の搬送装置。
【0318】
(((17)))
前記接触部材は、前記搬送対象に対して、回転中心にて接触する
(((15)))に記載の搬送装置。
【0319】
(((18)))
前記接触部材は、前記搬送対象の前記搬入手段による搬入方向への移動が停止した状態で、前記搬送対象への接触を開始する
(((15)))に記載の搬送装置。
【0320】
(((19)))
搬送対象に対して前処理を実行する前処理装置と、
前記搬送対象に対して後処理を実行する後処理装置と、
前記前処理装置から搬送された搬送対象を前記後処理装置へ搬送する(((1)))~(((18)))のいずれか1つに記載の搬送装置と、
を備える処理システム。
【0321】
(((20)))
前記前処理装置は、前記搬送対象としての記録媒体に画像を形成する画像形成装置を有する
(((19)))に記載の処理システム。
【0322】
(((1)))の構成によれば、搬送対象の表裏の反転を伴わずに、搬送対象の向きを変更できる。
【0323】
(((2)))の構成によれば、回転手段が、回転軸が定まっていない状態で搬送対象を回転させる場合に比べ、回転角度を制御しやすい。
【0324】
(((3)))の構成によれば、回転手段が、搬送対象の重心から外れた位置を通る軸を回転軸として搬送対象を回転させる場合に比べ、搬送対象の回転に使用されるスペースを小さくできる。
【0325】
(((4)))の構成によれば、回転手段が、搬送対象における搬入方向の端部を回転軸として搬送対象を回転させる場合に比べ、搬送対象の回転に使用されるスペースを小さくできる。
【0326】
(((5)))の構成によれば、回転手段が、搬送対象における幅方向の端部を回転軸として搬送対象を回転させる場合に比べ、搬送対象の回転に使用されるスペースを小さくできる。
【0327】
(((6)))の構成によれば、回転手段が、360度を超える範囲でのみ搬送対象を回転させる場合に比べ、搬送対象を予め定められた回転角度へ回転させる回転時間を短縮できる。
【0328】
(((7)))の構成によれば、回転手段が、180度を超える範囲でのみ搬送対象を回転させる場合に比べ、搬送対象を予め定められた回転角度へ回転させる回転時間を短縮できる。
【0329】
(((8)))の構成によれば、回転手段が、搬送対象を一方向のみへ回転可能である場合に比べ、搬送対象を予め定められた回転角度へ回転させる回転時間を短縮できる。
【0330】
(((9)))の構成によれば、回転手段が、搬送対象における搬入方向下流側を向いた先端が、予め定められた方向を向くように回転させる場合において、両方向のうち、予め定められた方向を向くまでの回転角度が大きい方向へ搬送対象を回転させる場合に比べ、当該先端が、予め定められた方向を向くまでの回転時間を短縮できる。
【0331】
(((10)))の構成によれば、回転手段が、搬入手段又は排出手段と一体で構成されている場合に比べ、回転手段の駆動制御が複雑化しない。
【0332】
(((11)))の構成によれば、排出手段が、搬送対象における搬入方向下流側を向いた先端が、排出方向を向いた状態で、搬送対象を排出できる。
【0333】
(((12)))の構成によれば、回転手段が、搬入方向へ移動している状態の搬送対象を回転させる場合に比べ、搬送対象の回転不良が抑制される。
【0334】
(((13)))の構成によれば、搬送部の挟み状態が維持された状態で、回転手段が搬送対象を回転させる場合に比べ、搬送対象の回転不良が抑制される。
【0335】
(((14)))の構成によれば、排出手段が、回転手段が搬送対象を回転している状態で、搬送対象を排出する場合に比べ、搬送対象の排出不良が抑制される。
【0336】
(((15)))の構成によれば、接触部材が搬送対象を挟んでいない状態で厚み方向へ向かって見て回転することで、搬送対象を回転させる場合に比べ、搬送対象の回転不良が抑制される。
【0337】
(((16)))の構成によれば、接触部材のみが回転する場合に比べ、搬送対象の回転不良が抑制される。
【0338】
(((17)))の構成によれば、接触部材が搬送対象の回転中心の外周に接触する場合に比べ、接触部材を小型化できる。
【0339】
(((18)))の構成によれば、接触部材が、搬送対象が搬入方向へ移動している状態で、搬送対象への接触を開始する場合に比べ、搬送対象の回転不良が抑制される。
【0340】
(((19)))の構成によれば、前処理が実行された搬送対象の表裏の反転を伴わずに、向きを変更した搬送対象に対して、後処理を実行できる。
【0341】
(((20)))の構成によれば、画像が形成された記録媒体の表裏の反転を伴わずに、向きを変更した記録媒体に対して、後処理を実行できる。
【符号の説明】
【0342】
10、10A、10B 搬送装置
11 装置本体
11A 筐体
11B 排出口
11F 排出口
11L 搬入口
11R 排出口
12 案内部
13 軸受
14 第一対向部材
14A 開口
14B 開口
14C 開口
15 弾性体
16 第二対向部材
16A 開口
16B 開口
16C 開口
17 支持部
19 検知部
20 搬入機構(搬入手段の一例)
21 第一搬送部
22 第二搬送部(搬送部の一例)
23 搬送部材
23A 回転軸
23B ロール部
24 搬送部材
24A 回転軸
24B ロール部
25 搬送部材
25B ロール部
26 搬送部材
26A 回転軸
26B ロール部
27 第三搬送部(搬送部の一例)
28 搬送部材
28A 回転軸
28B ロール部
29 搬送部材
29B ロール部
30 案内機構
31 案内部材
31A 本体部
31B 側部
32 案内部材
32A 本体部
32B 側部
33 軸部
34 軸部
35 伝達部
36 ピニオン
37 ピニオン
38 ラック
38A 長孔
38B 軸部
39 駆動部
39A 可動軸
39B 連結部
40 移動機構
41 支持体
41B 後壁
41F 前壁
41L 左壁
42 駆動部
42A 可動軸
43 軸部
44 円筒体
45 連結部
46 腕部
50 回転機構(回転手段の一例)
52 接触部材
52A 接触部
52B 軸部
53 駆動機構
54 支持部
54A 収容空間
54B 支持体
54C 収容空間
54D 支持体
54E 軸受
55 伝達部
55A 滑車
55B 滑車
55C タイミングベルト
56 配置部材
56A 接触部
56B 軸部
58 駆動部
58A 駆動軸
58B 本体部
59 収容部
59A 収容空間
60 移動機構
61 ラック
63 移動体
63A 突出部
63B 形成部
63F 前方側部分
63R 後方側部分
64 制限部
65 圧縮バネ
67 支持部
67A 収容空間
67B 支持体
67C 軸部
67R 右壁
68 駆動部
68A 駆動軸
68B 本体部
69 伝達部
69A ピニオン
69B ラック
70 排出機構(排出手段の一例)
71 第一排出部
72 第二排出部
73 第三排出部
74 第四排出部
75 第五排出部
76 案内機構
77 案内機構
78 検知部
79 検知部
80 排出機構
86 第六排出部
87 第七排出部
88 案内機構
89 検知部
100 処理システム
110 前処理装置
111 装置本体
111A 筐体
111C 排出口
112 媒体収容部
114 画像形成部
116 搬送機構
117 搬送部材
120 後処理装置
121 装置本体
121A 筐体
121B 入口
121C 排出口
124 後処理部
126 搬送機構
127 搬送部材
130 画像形成装置
140 後処理装置
150 搬送装置
160 後処理装置
170 搬送装置
202 収容部
204 切替部
206 搬送部
208 搬送部材
P 記録媒体
PD 下面
PU 上面