(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044827
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】切削装置
(51)【国際特許分類】
E01C 23/09 20060101AFI20240326BHJP
【FI】
E01C23/09 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150592
(22)【出願日】2022-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】000005924
【氏名又は名称】株式会社三井三池製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100092864
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 京子
(74)【代理人】
【氏名又は名称】橋本 克彦
(74)【代理人】
【識別番号】100226713
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 大輔
(72)【発明者】
【氏名】長野 祐磨
【テーマコード(参考)】
2D053
【Fターム(参考)】
2D053AA22
2D053AB02
2D053AC02
2D053DA03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】一対の切削ドラムを備えた平面切削用の切削装置において、複雑な機構を用いることなく切削残の発生を回避し、エネルギーの無駄にもならない効率のよい切削装置を提供する。
【解決手段】出力軸51を有する単一のモータ50と、前記出力軸51の軸直方向に配置されて前記出力軸51にギア部材61を介して連結された駆動軸60と、前記駆動軸60の両端においてそれぞれジョイント部材71を介して連結された2つの回転軸70と、前記回転軸70にそれぞれ固定された円錐台形の一対の切削ドラム80と、を備えた切削装置1であって、前記一対の切削ドラム80の切削面83が水平となるように、各前記回転軸70は、前記駆動軸60に対して所定の角度θを付けて連結されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力軸を有する単一のモータと、
前記出力軸の軸直方向に配置されて前記出力軸にギア部材を介して連結された駆動軸と、
前記駆動軸の両端においてそれぞれジョイント部材を介して連結された2つの回転軸と、
前記回転軸にそれぞれ固定された円錐台形の一対の切削ドラムと、を備えた掘削装置であって、
前記一対の切削ドラムの切削面が水平となるように、各前記回転軸は、前記駆動軸に対して所定の角度を付けて連結されていることを特徴とする切削装置。
【請求項2】
前記ジョイント部材が、等速ジョイントであることを特徴とする請求項1記載の切削装置。
【請求項3】
前記切削ドラムの外周面に備えられた切削爪が50個以上であることを特徴とする請求項1記載の切削装置。
【請求項4】
前記駆動軸と前記回転軸の間に遊星歯車減速機を備えたことを特徴とする請求項1記載の切削装置。
【請求項5】
前記モータ,前記駆動軸,前記回転軸を格納する中空のケーシングをさらに備え、
前記ケーシングは、
前記モータおよび前記出力軸を格納するとともに前記出力軸を支える軸受を有する第1ケース体と、
前記第1ケース体に対して軸線が直交する方向に連結され、前記駆動軸を格納するとともに前記駆動軸を支える軸受を有する第2ケース体と、
前記第2ケース体に対して軸線が交差する方向に連結され、前記回転軸を格納するとともに前記回転軸を支える軸受を有する第3ケース体と、からなる、ことを特徴とする請求項1記載の切削装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対の切削ドラムを備えた、平面切削用の切削装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一対の切削ドラムによって壁面や路面の切削を行う切削装置、いわゆるツインヘッダは広く知られており、走行部およびアーム部を有する作業車両に備え付けて、道路工事やトンネル工事など各種工事において活用されているところ、一対の切削ドラムが所定の間隔を有して並設されている構造である通常のツインヘッダにおいては、切削ドラム間が切削できない隙間となってしまうため、例えばアスファルト舗装の剥離などのために路面を平面切削したい場合には、一度切削を行った後に、隙間の切削残を改めて切削する二度手間が生じていた。
【0003】
図6は従来の切削装置1aを用いて路面を平面切削する工程を示す説明図であり、1回目の切削サイクル、2回目の切削サイクル、3回目の切削サイクルを時系列順に並べたものであって、被切削面である路面を平面視して、斜線アミカケ部が切削箇所、交差線アミカケ部が切削済箇所である。
【0004】
図6(a)に示すように、切削箇所を切削した際、切削ドラム間の隙間の切削残が生じるため、
図6(b)に示すように、2回目の切削サイクルにおいては切削残を切削しつつ次の切削箇所を切削して、この流れを繰り返して所望の範囲の切削工事を行うものである。
【0005】
これに対し、例えば特開2006-028904号公報(特許文献1)に記載された、一対の切削ドラム間にチェーン駆動式の切削カッターを備えたツインヘッダの発明が知られており、このツインヘッダによれば、切削不能部分を切削カッターが作業するので、切削ドラムの外端間にわたる長さの切削が一回の作業工程で行えるようになり、従来は切削残の処理に要していた後工程が不要となるので、作業工期を大幅に短縮できて経済性の向上を図ることができるものとされている。
【0006】
しかしながら、チェーン駆動式の切削カッターを備えた従来のツインヘッダは、切削屑がチェーンに噛みこむことによるスタックを生じる可能性があった。
【0007】
また、例えば特開2004-250931号公報(特許文献2)に記載された、両回転ドラムを縦方向に所定角度で開閉操作可能としたツインヘッダの発明が知られており、このツインヘッダによれば、両回転ドラムの回転軸を先端方向に傾斜させて互いに対向するケーシング先端側の回転ドラムの両周面基端部を近接させて、切削残を最小限とすることができるものとされている。
【0008】
しかしながら、回転ドラムを縦方向に所定角度で開閉操作可能とした従来のツインヘッダは、開閉機構を設けたことによる複雑化や耐久力の低下を生じる可能性があるほか、各回転ドラムの油圧モータが独立していることから、被切削面の凹凸や硬度に偏りがある場合など、片方の回転ドラムにのみ負荷が集中すると、片方の油圧モータのみが仕事したり、逆に仕事しなかったりする事態が生じ、油圧モータ2基合計の出力が100%であるとすると最大でも50%の出力しか使用できないため、エネルギーの不足や余剰が生じる可能性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006-028904号公報
【特許文献2】特開2004-250931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、一対の切削ドラムを備えた平面切削用の切削装置において、複雑な機構を用いることなく切削残の発生を回避し、エネルギーの無駄にもならない効率のよい切削装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するためになされた本発明は、出力軸を有する単一のモータと、前記出力軸の軸直方向に配置されて前記出力軸にギア部材を介して連結された駆動軸と、前記駆動軸の両端においてそれぞれジョイント部材を介して連結された2つの回転軸と、前記回転軸にそれぞれ固定された円錐台形の一対の切削ドラムと、を備えた切削装置であって、前記一対の切削ドラムの切削面が水平となるように、各前記回転軸は、前記駆動軸に対して所定の角度を付けて連結されていることを特徴とする。
【0012】
このように、回転軸を駆動軸に対して所定の角度を付けて連結したことによって、一対の切削ドラムの切削面である底面が水平となるとともに、一対の切削ドラムを互いに近接させることで切削ドラム間の隙間を減少させることが可能となり、切削残の発生を最小限にすることが可能となる。
【0013】
本発明において、前記ジョイント部材が、等速ジョイントであることを特徴とする場合、駆動側である駆動軸の動力を従動側である回転軸へと軸線の角度を変えつつ回転力を伝達する際に無駄なく等しい速度で回転し、スムーズに伝達することができる。
【0014】
本発明において、前記切削ドラムの外周面に備えられた切削爪が50個以上である場合、切削爪間の距離が従来の切削装置よりも短くなることで、切削屑の大きさを小さくするとともに切削後の被切削面の平滑度を向上させることができる。
【0015】
本発明において、前記駆動軸と前記回転軸の間に遊星歯車減速機を備えた場合、省スペースで大きな減速比を得つつ、駆動軸から伝達されるトルクを増幅して回転軸へと伝達することができる。
【0016】
前記モータ,前記駆動軸,前記回転軸を格納する中空のケーシングをさらに備え、前記ケーシングは、前記モータおよび前記出力軸を格納するとともに前記出力軸を支える軸受を有する第1ケース体と、前記第1ケース体に対して軸線が直交する方向に連結され、前記駆動軸を格納するとともに前記駆動軸を支える軸受を有する第2ケース体と、前記第2ケース体に対して軸線が交差する方向に連結され、前記回転軸を格納するとともに前記回転軸を支える軸受を有する第3ケース体と、からなる場合、内部機構を保護し、切削屑その他の異物による不具合の発生を回避することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、単一のモータを動力源として、一対の切削ドラムに動力を伝達する簡易な構成で、切削残を発生させることなく効率のよい平面切削を可能とした切削装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明である切削装置の好ましい実施の形態を示す正面図。
【
図4】
図1に示した実施の形態により路面を平面切削する工程を示す説明図。
【
図5】
図1に示した実施の形態の切削装置を装着した路面切削車両を示す図。
【
図6】従来の切削装置を用いて路面を平面切削する工程を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0020】
図1乃至
図3は本発明である切削装置1の好ましい実施の形態を示すものであり、
図1は切削装置1の正面図、
図2は切削装置1の側面図、
図3は切削装置1の断面図である。これら図に示すように、切削装置1は、ケーシング10と、出力軸51を有する単一のモータ50と、出力軸51にギア部材61を介して連結された駆動軸60と、駆動軸60の両端においてそれぞれジョイント部材71を介して連結された2つの回転軸70と、回転軸70にそれぞれ固定された円錐台形の一対の切削ドラム80と、を備えた切削装置であって、一対の切削ドラム80の切削面83である底面が水平となるように、各回転軸70は、駆動軸60に対して所定の角度θを付けて連結されている。
【0021】
ケーシング10は、モータ50,駆動軸60,回転軸70を格納する中空のケーシングであって、第1ケース体20と、第2ケース体30と、第3ケース体40とからなる。ケーシングを備えたことによって、内部機構を保護し、切削屑その他の異物の噛み込みによる不具合の発生を回避することができる。
【0022】
第1ケース体20は、モータ50および出力軸51を格納するものであり、出力軸51を支えるスラスト軸受である軸受21と、モータ50を固定するブラケット22とを有する。
【0023】
第2ケース体30は、駆動軸60を格納するものであり、第1ケース体20に対して軸線が直交する方向に連結されており、駆動軸60を支えるラジアル軸受である軸受31,32を有する。
【0024】
第3ケース体40は、回転軸70を格納するものであり、第2ケース体30に対して軸線が交差する方向に連結されており、回転軸70を支えるスラスト軸受である軸受41を有する。第2ケース体30に対する連結箇所は、屈曲部42を形成することによって取り付け角度を設けている。
【0025】
モータ50は、本実施の形態においては油圧モータを用いており、切削ドラム80を正転させるための正転用油圧管52、切削ドラム80を逆転させるための逆転用油圧管53、戻し配管54が接続されている。そして、図示しない油圧ポンプから作動油が正転用油圧管52または逆転用油圧管53から供給されることによって駆動して出力軸51を正転方向または逆転方向に回転させるものであり、使用後の作動油は戻し配管54を経由して図示しない作動油タンクへと戻される。
【0026】
なお、モータの種類は油圧モータに限られるものではなく、例えば電動モータなど従来周知のモータに変更してもよい。
【0027】
モータ50は出力軸51を軸受21により回転自在とした状態で、第1ケース体20の内部に格納されるとともにブラケット22により固定されている。
【0028】
駆動軸60は、出力軸51と直交方向に配置されており、ギア部材61によって出力軸51と連結されている。
【0029】
ギア部材61は、出力軸51の先端に取り付けられた小径ベベルギア62と、駆動軸60の中間位置に取り付けられた大径ベベルギア63とからなり、互いに歯を噛合させて回転力を伝達可能となっている。
【0030】
このように、径の異なるベベルギアの組み合わせで構成された減速機を介することによって、出力軸51から伝達されるトルクを増幅して駆動軸60へと伝達することができる。
【0031】
回転軸70は、駆動軸60と交差方向に配置されており、ジョイント部材71によって駆動軸60と連結されている。回転軸70の軸線と駆動軸60の軸線の傾き角度θは、切削ドラム80のテーパー角度と等しい角度であり、本実施の形態においては約15°となっている。
【0032】
ジョイント部材71は、本実施の形態においてはNTN株式会社製の等速ジョイントを用いている。この等速ジョイントは、駆動軸60の両端にそれぞれ取り付けられた内側継手部材72と、各回転軸70に取り付けられた外側継手部材73と、内側継手部材72と外側継手部材73の間に介在されるトルク伝達部材(図示せず)とからなり、駆動側である駆動軸60の動力を従動側である回転軸70へと軸線の角度を変えつつ回転力を伝達するための継手である。このとき、外側継手部材73の軸線と内側継手部材72の軸線の傾き角度は、回転軸70の軸線と駆動軸60の軸線の傾き角度θおよび切削ドラムのテーパー角度と等しい角度である。
【0033】
また、回転軸70とジョイント部材71の間には、太陽ギア75と、遊星ギア76と、内歯車77と、遊星キャリア78とからなり、内歯車77が固定されているプラネタリ方式の遊星歯車減速機74が備えられている。
【0034】
この遊星歯車減速機74は太陽ギア75を入力側、遊星キャリア78を出力側としており、ジョイント部材71の外側継手部材73に固定された太陽ギア75から入力される回転力は、遊星歯車機構の変速比の式に基づき減速された状態で遊星キャリア78に固定された回転軸70へと伝達される。
【0035】
このように、遊星歯車減速機74を介することによって、省スペースで大きな減速比を得つつ、駆動軸60から伝達されるトルクを増幅して回転軸70へと伝達することができる。
【0036】
切削ドラム80は、円錐台形を呈する中空のボディ81と、ボディ81の外周面に取り付けられた切削爪82とからなり、ボディ81に軸線を一致させて回転不能に取り付けられた回転軸70を回転させることでボディ81を回転させ、外周面の切削爪82によって切削対象を切削するものである。切削爪82は、切削ドラム80の正転方向(
図2に示した白矢印方向)に向けられた硬質のチップを先端に装着したものであって、コンクリートやアスファルト、または岩盤など切削対象に合わせて適宜変更するものとしてもよい。
【0037】
回転軸70が駆動軸60に対して切削ドラムのテーパー角度と等しい傾き角度θを付けて取り付けられていることによって、一対の切削ドラム80の切削面83である底面が水平となるとともに、円錐台形である一対の切削ドラム80を互いに近接させることで切削ドラム80間の隙間を減少させることが可能となり、図示する左側の切削ドラム80の切削爪82と図示する右側の切削ドラム80の切削爪82との隙間はごくわずかとなり、切削残の発生を最小限にすることが可能となる(
図3参照)。
【0038】
加えて、本実施の形態においては、切削爪82の個数を従来の切削装置よりも大幅に増加させており、各切削ドラム80につき50個以上、正確には51個の切削爪82を備えたものとしている。なお、
図1乃至
図3においては切削爪82の描写を一部省略しており、各切削爪82の先端(チップ)の位置を二点鎖線で示している。
【0039】
このように、切削爪82の個数を増加させたほか、切削爪82の配置についても単一の螺旋状ではなく、二重の螺旋状に配置しており、各切削爪82間の距離が従来の切削装置よりも短くなることで、あたかも目の細かいヤスリのように、切削屑の大きさを小さくすることが可能となるため、特に左右の切削ドラム80間に切削屑が噛み込んでしまうようなスタックの発生を回避するとともに、切削後の被切削面の平滑度を向上させたものである。
【0040】
なお、切削ドラム80のボディ81と回転軸70の固定は、ボディ81先端部の貫通孔84に挿入された回転軸70を固定具85によって回転不能かつ着脱自在に固定したものであって、切削ドラム80のボディ81は、作業目的に応じて異なるサイズに換装することも可能である。
【0041】
一対の切削ドラム80はモータ50から出力軸51および駆動軸60を介して伝達される回転力によって両方が同期して回転するため、例えば被切削面の凹凸や硬度に偏りがある場合など、片方の回転ドラム80にのみ負荷が集中したとしても、当該回転ドラム80においてモータ50の出力を100%使用できるため、エネルギーの不足や余剰が生じず、無駄のない効率のよい平面切削を可能としたものである。
【0042】
図4は切削装置1を用いて路面を平面切削する工程を示す説明図であり、1回目の切削サイクル、2回目の切削サイクル、3回目の切削サイクルを時系列順に並べたものであって、被切削面である路面を平面視して、斜線アミカケ部が当該切削サイクルにおける切削箇所、交差線アミカケ部が切削済箇所である。
【0043】
本発明においては、
図4(a)に示すように、切削箇所を切削した際、従来の切削装置1aのような切削ドラム間の隙間の切削残が生じないため、
図4(b)に示すように、2回目の切削サイクルにおいては切削残の処理を行うことなしに、切削済箇所に隣接する次の切削箇所を切削することが可能であり、この流れを繰り返して所望の範囲の切削工事を行うものである。
【0044】
図6に示した従来の切削装置1aの工程と
図4に示した本発明の切削装置1の工程を比較すると、3回目の切削サイクルを完了した時点において、従来の切削装置1aは所望の範囲の切削工事を2/3しか完了させることができないが(
図6(c)参照)、本発明の切削装置1は所望の範囲の切削工事を完了できる(
図4(c)参照)。
【0045】
このように、本発明の切削装置1は道路などの路面の切削工事において特に適する、作業効率のよい平面切削を可能としたものである。
【0046】
図5は本発明の切削装置1を搭載した路面切削車両100の好ましい実施の形態を示す図である。路面切削車両100は、走行部2によって走行可能であるとともにアーム部3に切削装置1を搭載したものであって、有人での直接操作または無人での遠隔操作によって操作されて切削工事を行うものである。
【0047】
切削装置1は、アーム部3の先端に装着されており、本実施の形態では、油圧系統をモータに接続して駆動可能に構成されているとともに、走行部2の前後左右への操作およびアーム部3の上下左右への操作によって所望の箇所の切削を行う。
【0048】
このとき、一対の切削ドラム80の切削面83である底面が水平であるため、その状態のまま例えば路面などの被切削面に対して一対の切削ドラムを押し当てつつ回転させることによって切削作業ができ、そのまま走行部を前進させることで進行方向に連続的に平面切削を行うことが可能である。
【0049】
以上のように、本発明の切削装置によれば、単一のモータを動力源として、一対の切削ドラムに動力を伝達する簡易な構成で、切削残を発生させることなく効率のよい平面切削が可能となる。
【符号の説明】
【0050】
1 切削装置、2 走行部、3 アーム部、10 ケーシング、20 第1ケース体、21 軸受、22 ブラケット、30 第2ケース体、31,32 軸受、40 第3ケース体、41 軸受、42 屈曲部、50 モータ、51 出力軸、52 正転用油圧管、53 逆転用油圧管、54 戻し配管、60 駆動軸、61 ギア部材、62 小径ベベルギア、63 大径ベベルギア、70 回転軸、71 ジョイント部材、72 内側継手部材、73 外側継手部材、74 遊星歯車減速機、75 太陽ギア、76 遊星ギア、77 内歯車、78 遊星キャリア、80 切削ドラム、81 ボディ、82 切削爪、83 切削面、84 貫通孔、85 固定具、100 路面切削車両