(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044842
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】筐体、蓄電素子ユニット、建物及び蓄電素子ユニットの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/204 20210101AFI20240326BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20240326BHJP
H01M 50/251 20210101ALI20240326BHJP
H01M 50/244 20210101ALI20240326BHJP
【FI】
H01M50/204
H05K5/02 E
H01M50/251
H01M50/244 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150612
(22)【出願日】2022-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100210790
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大策
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 康宏
(72)【発明者】
【氏名】仲村 命
【テーマコード(参考)】
4E360
5H040
【Fターム(参考)】
4E360AA10
4E360AB64
4E360BA02
4E360EA05
4E360EB02
4E360ED02
4E360GA11
4E360GB95
5H040AA14
5H040AS02
5H040CC20
5H040NN01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】振動に対して耐性を有するように、蓄電素子ユニットの筐体を建物の壁に取付けることが可能な、蓄電素子ユニットの筐体を提供する。
【解決手段】筐体は、蓄電素子モジュールを収納し且つ建物の壁に取付けられる筐体11であって、前記壁に向かい合う取付壁部13aを備え、前記取付壁部は、複数の貫通孔71が設けられ且つ前記壁に接する取付面73と、前記取付面を挟む位置に設けられ且つ前記壁に接する一対の接触面74と、を有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電素子モジュールを収納し且つ建物の壁に取付けられる筐体であって、
前記壁に向かい合う取付壁部を備え、
前記取付壁部は、複数の貫通孔が設けられ且つ前記壁に接する取付面と、前記取付面を挟む位置に設けられ且つ前記壁に接する一対の接触面と、を有する、筐体。
【請求項2】
前記一対の接触面は、水平方向において前記取付面を挟んでいる、請求項1に記載の筐体。
【請求項3】
前記取付壁部は、前記壁に向かって突出し且つ水平方向に延びる線状凸部をさらに有し、
前記取付面は、前記線状凸部の面によって形成される、請求項1に記載の筐体。
【請求項4】
前記線状凸部の水平方向における寸法は、前記取付壁部の水平方向における寸法の0.5倍以上である、請求項3に記載の筐体。
【請求項5】
前記取付壁部が取付けられる取付壁部フレーム部を有するフレーム部をさらに備え、
前記取付壁部の上端及び下端は、前記筐体の内側から前記取付壁部フレーム部に重なる、請求項1に記載の筐体。
【請求項6】
前記取付壁部は、前記取付面並びに前記取付壁部の前記上端及び前記下端を形成する取付壁部本体と、前記取付壁部本体に取付けられて前記一対の接触面を形成する接触部材と、を有する、請求項5に記載の筐体。
【請求項7】
上下方向における前記取付面と前記筐体の底面との距離は、50mm以上であり、
上下方向における前記接触面と前記筐体の前記底面との距離は、50mm以上である、請求項1に記載の筐体。
【請求項8】
前記取付壁部が取付けられる取付壁部フレーム部を有するフレーム部をさらに備え、
前記取付面は、前記取付壁部フレーム部の上下方向において前記取付面より下方に位置する部分よりも10mm以上、前記取付壁部の厚み方向において前記筐体の外側に位置し、
前記接触面は、前記取付壁部フレーム部の上下方向において前記接触面より下方に位置する部分よりも10mm以上、前記取付壁部の厚み方向において前記筐体の外側に位置する、請求項1に記載の筐体。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の筐体と、
前記筐体に収納される蓄電素子モジュールと、
前記複数の貫通孔の全部又は前記複数の貫通孔から選択される一部の各々を前記筐体の内側から貫通して前記壁にねじ留めされる複数のねじと、を備える、蓄電素子ユニット。
【請求項10】
請求項9に記載の蓄電素子ユニットと、
前記壁と、を備える、建物。
【請求項11】
建物の壁に取付けられた蓄電素子ユニットの製造方法であって、
前記蓄電素子ユニットは、筐体と、前記筐体に収納される蓄電素子モジュールと、複数のねじと、を有し、
前記筐体は、前記壁に向かい合う取付壁部を有し、
前記取付壁部は、複数の貫通孔が設けられ且つ前記壁に接する取付面と、前記取付面を挟む位置に設けられ且つ前記壁に接する一対の接触面と、を有し、
前記複数のねじを前記複数の貫通孔の全部又は前記複数の貫通孔から選択される一部の各々に前記筐体の内側から貫通させて前記壁にねじ留めする、ねじ留め工程を備える、蓄電素子ユニットの製造方法。
【請求項12】
前記筐体は、前記取付壁部が取付けられる取付壁部フレーム部を有するフレーム部をさらに有し、
前記取付壁部は、前記取付面並びに前記取付壁部の上端及び下端を形成する取付壁部本体と、前記取付壁部本体に取付けられて前記一対の接触面を形成する接触部材と、をさらに有し、
前記取付壁部本体の上端及び下端が前記筐体の内側から前記取付壁部フレーム部に重なるように、前記取付壁部フレーム部に対して前記取付壁部本体を配置する本体配置工程と、
前記本体配置工程の後に、前記取付壁部本体に前記接触部材を取付ける接触部材取付工程と、をさらに備える、請求項11に記載の蓄電素子ユニットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、筐体、蓄電素子ユニット、建物及び蓄電素子ユニットの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示されているように、複数の蓄電素子モジュールを有した蓄電素子ユニットが知られている。蓄電素子ユニットは、複数の蓄電素子モジュールとともに、該蓄電素子モジュールを収納する筐体を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
他方、振動に対して耐性を有するように、蓄電素子ユニットの筐体を設置することが求められていた。特に、蓄電素子ユニットを建物の内部に配置する際に、筐体を建物の壁に取付けることが求められる場合があった。このような場合にも振動に対して耐性を有するように、蓄電素子ユニットの筐体を設置することが求められていた。
【0005】
本開示は、このような事情を考慮してなされたもので、振動に対して耐性を有するように、蓄電素子ユニットの筐体を建物の壁に取付けることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様は、蓄電素子モジュールを収納し且つ建物の壁に取付けられる筐体であって、
前記壁に向かい合う取付壁部を備え、
前記取付壁部は、複数の貫通孔が設けられ且つ前記壁に接する取付面と、前記取付面を挟む位置に設けられ且つ前記壁に接する一対の接触面と、を有する、筐体である。
【0007】
本開示の第2の態様は、上述した第1の態様による筐体において、前記一対の接触面は、水平方向において前記取付面を挟んでいてもよい。
【0008】
本開示の第3の態様は、上述した第1の態様又は上述した第2の態様による筐体において、前記取付壁部は、前記壁に向かって突出し且つ水平方向に延びる線状凸部をさらに有し、
前記取付面は、前記線状凸部の面によって形成されてもよい。
【0009】
本開示の第4の態様は、上述した第3の態様による筐体において、前記線状凸部の水平方向における寸法は、前記取付壁部の水平方向における寸法の0.5倍以上であってもよい。
【0010】
本開示の第5の態様は、上述した第1の態様から上述した第4の態様のそれぞれによる筐体において、前記取付壁部が取付けられる取付壁部フレーム部を有するフレーム部をさらに備え、
前記取付壁部の上端及び下端は、前記筐体の内側から前記取付壁部フレーム部に重なってもよい。
【0011】
本開示の第6の態様は、上述した第5の態様による筐体において、前記取付壁部は、前記取付面並びに前記取付壁部の前記上端及び前記下端を形成する取付壁部本体と、前記取付壁部本体に取付けられて前記一対の接触面を形成する接触部材と、を有してもよい。
【0012】
本開示の第7の態様は、上述した第1の態様から上述した第6の態様のそれぞれによる筐体において、上下方向における前記取付面と前記筐体の底面との距離は、50mm以上であり、
上下方向における前記接触面と前記筐体の前記底面との距離は、50mm以上であってもよい。
【0013】
本開示の第8の態様は、上述した第1の態様から上述した第7の態様のそれぞれによる筐体において、前記取付壁部が取付けられる取付壁部フレーム部を有するフレーム部をさらに備え、
前記取付面は、前記取付壁部フレーム部の上下方向において前記取付面より下方に位置する部分よりも10mm以上、前記取付壁部の厚み方向において前記筐体の外側に位置し、
前記接触面は、前記取付壁部フレーム部の上下方向において前記接触面より下方に位置する部分よりも10mm以上、前記取付壁部の厚み方向において前記筐体の外側に位置してもよい。
【0014】
本開示の第9の態様は、上述した第1の態様から上述した第8の態様のそれぞれによる筐体と、
前記筐体に収納される蓄電素子モジュールと、
前記複数の貫通孔の全部又は前記複数の貫通孔から選択される一部の各々を前記筐体の内側から貫通して前記壁にねじ留めされる複数のねじと、を備える、蓄電素子ユニットである。
【0015】
本開示の第10の態様は、上述した第9の態様による蓄電素子ユニットと、
前記壁と、を備える、建物である。
【0016】
本開示の第11の態様は、建物の壁に取付けられた蓄電素子ユニットの製造方法であって、
前記蓄電素子ユニットは、筐体と、前記筐体に収納される蓄電素子モジュールと、複数のねじと、を有し、
前記筐体は、前記壁に向かい合う取付壁部を有し、
前記取付壁部は、複数の貫通孔が設けられ且つ前記壁に接する取付面と、前記取付面を挟む位置に設けられ且つ前記壁に接する一対の接触面と、を有し、
前記複数のねじを前記複数の貫通孔の全部又は前記複数の貫通孔から選択される一部の各々に前記筐体の内側から貫通させて前記壁にねじ留めする、ねじ留め工程を備える、蓄電素子ユニットの製造方法である。
【0017】
本開示の第12の態様は、上述した第11の態様による蓄電素子ユニットの製造方法において、前記筐体は、前記取付壁部が取付けられる取付壁部フレーム部を有するフレーム部をさらに有し、
前記取付壁部は、前記取付面並びに前記取付壁部の上端及び下端を形成する取付壁部本体と、前記取付壁部本体に取付けられて前記一対の接触面を形成する接触部材と、をさらに有し、
前記取付壁部本体の上端及び下端が前記筐体の内側から前記取付壁部フレーム部に重なるように、前記取付壁部フレーム部に対して前記取付壁部本体を配置する本体配置工程と、
前記本体配置工程の後に、前記取付壁部本体に前記接触部材を取付ける接触部材取付工程と、をさらに備えてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本開示によれば、振動に対して耐性を有するように、蓄電素子ユニットの筐体を建物の壁に取付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、一実施の形態を説明するための図であって、蓄電素子ユニットを示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の蓄電素子ユニットの内部を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1の蓄電素子ユニットの筐体のフレーム部を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、
図1の蓄電素子ユニットの筐体を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、
図4のA-A線に沿った筐体の断面の一部を拡大して示す部分断面図である。
【
図6】
図6は、
図4のB-B線に沿った筐体の断面の一部を拡大して示す部分断面図である。
【
図7】
図7は、
図4のB-B線に沿った筐体の断面の一部を拡大して示す部分断面図である。
【
図9】
図9は、変形例の蓄電素子ユニットの筐体を示す斜視図である。
【
図10】
図10は、変形例の筐体の取付壁部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、
図1乃至
図8を参照し、本開示に係る筐体及び筐体を備える蓄電素子ユニットの実施形態の一例について詳細に説明する。
【0021】
以下、図面に示された具体例を参照して本開示の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
【0022】
図1乃至
図8は、本開示による一実施の形態を説明するための図である。このうち、
図1は、蓄電素子ユニット10を示す斜視図であり、
図2は、蓄電素子ユニット10の内部を示す斜視図である。なお、
図2では、後述する上壁部13b、及び側壁部13cのうち二つ(
図2において手前側に位置するもの)については図示を省略している。
【0023】
なお、図面間での方向関係を明確化するため、いくつかの図面には、第1方向DA、第2方向DB及び第3方向DCを図面間で共通する方向として矢印で示している。矢印の先端側が、各方向DA,DB,DCの一側SA1,SB1,SC1となる。また、図面の紙面に垂直な方向に沿って紙面の奥に向かう矢印を、例えば
図5に示すように、円の中にXを設けた記号により示した。
【0024】
図示された例において、第1方向DA、第2方向DB及び第3方向DCは、互いに垂直な関係にある。また、第1方向DAは上下方向(鉛直方向)と平行になっている。第1方向DAにおける一側SA1は、上下方向における下側となり、第1方向DAにおける一側とは反対側となる他側は、上下方向における上側となっている。また、上下方向に垂直な方向を、水平方向とも称する。図示された例において、水平方向は、上下方向に平行な第1方向DAに垂直な方向である。第2方向DB及び第3方向DCは、水平方向に相当する。
【0025】
蓄電素子ユニット10は、充放電が可能な二次電池ユニットとして用いられる。図示された蓄電素子ユニット10は、屋内設置用の蓄電素子ユニット10であり、建物、特に住宅に適用される。蓄電素子ユニット10は、建物の配線と電気的に接続されて建物内に設置された電気装置の電源として機能する。
【0026】
図1及び
図2に示すように、蓄電素子ユニット10は、筐体11と、筐体11に収納される蓄電素子モジュール20と、を備えている。
図2に示す例において、蓄電素子ユニット10は、筐体11に収納される複数の蓄電素子モジュール20を備えている。また、蓄電素子ユニット10は、後述するように、複数のねじ72をさらに備えている。また、蓄電素子ユニットは、制御モジュール14をさらに備えている。
【0027】
蓄電素子ユニット10の筐体11は、建物80の壁81に取付けられる。
図1に示す例において、建物80は、床82と、床82から立ち上がった壁81とを備えている。
図1に示す例において、建物80は、壁81に取付けられて壁81と床82との接続部分に沿って延びる巾木83をさらに備えている。筐体11は、床82上に配置され、且つ建物80の壁81に取付けられている。蓄電素子ユニット10は、建物80の一部とみなすことができる。この場合、建物80は、蓄電素子ユニット10と、壁81とを備えていると言える。
【0028】
まず、筐体11について説明する。筐体11は、蓄電素子モジュール20を収納し且つ建物80の壁81に取付けられる。筐体11は、壁81に向かい合う取付壁部13aを備える。
図1及び
図2に示す例において、筐体11は、複数の壁部13と、隣接する壁部13同士を接続するフレーム部12とを備えている。そして、筐体11は、複数の壁部13の1つとして、取付壁部13aを備えている。複数の壁部13とフレーム部12とによって、制御モジュール14及び蓄電素子モジュール20の配置空間が形成されている。
【0029】
図1に示す例において、筐体11は、底面11d、上面11b及び4つの側面11cを含む略直方体の形状を有している。底面11dは、第1方向DAにおける一側SA1に位置する、略長方形の面である。上面11bは、第1方向DAにおいて底面11dと対向する、略長方形の面である。底面11d及び上面11bは、それぞれ、第3方向DCに延伸する一対の長辺111と、第3方向DCに直交する第2方向DBに延伸する一対の短辺112と、を有する。側面11cは、縁部において底面11dの縁部に接続する面である。
図1に示す例においては、4つの側面11cが、それぞれ、その縁部において、底面11dの一辺に位置する縁部及び上面11bの一辺に位置する縁部と接続する、略長方形の面である。側面11cは、底面11dに垂直となっている。
図1に示す例において、4つの側面11cは、底面11d及び上面11bに垂直となっている。一例として、底面11dは、水平方向に平行な面である。
【0030】
図1に示す筐体11は、壁部13として、取付壁部13a、上壁部13b及び3つの側壁部13cを備える。
図1に示す例において、複数の壁部13は、それぞれ独立した部材である。取付壁部13aは、筐体11の側面11cの1つを形成している。
図1に示す例において、取付壁部13aは、筐体11の、第2方向DBにおける一側SB1に位置する側面11cを形成している。3つの側壁部13cは、筐体11の、取付壁部13aによって形成される側面11c以外の側面11cを形成している。上壁部13bは、筐体11の上面11bを形成している。
図1に示す例において、筐体11の底面11dは、フレーム部12によって形成されている。図示はしないが、筐体11の底面11dは、取付壁部13a、上壁部13b及び側壁部13cとは異なる壁部13によって形成されていてもよい。
【0031】
図示はしないが、側面11cを形成する取付壁部13a及び3つの側壁部13cと、底面11dを形成する部材とが、一体として形成されていてもよい。この場合、側面11cを形成する取付壁部13a及び3つの側壁部13cと底面11dを形成する部材との一体物に対して上壁部13bを着脱することによって、筐体11の開閉が可能であってもよい。
【0032】
本実施の形態においては、一例として、
図1に示すように、複数の壁部13がそれぞれ、全体として略板状の、独立した部材である場合について説明する。この場合、複数の壁部13はそれぞれ、壁部13の縁部において、直接、又はフレーム部12を介して、隣接する他の壁部13の縁部と接続される。複数の壁部13の縁部同士の接続によって、複数の蓄電素子モジュール20を収納する収納空間を有する筐体11が形成されている。
【0033】
フレーム部12は、隣接する壁部13同士を接続する部材である。
図2に示す例において、フレーム部12は、略直方体の形状を有する筐体11の辺を構成している。フレーム部12は、例えば後述する上壁部13b及び側壁部13cの金属板92の材料と同様の材料から構成される。
【0034】
本実施の形態においては、フレーム部12は、上壁部13bと取付壁部13aとを接続し、上壁部13bと3つの側壁部13cのそれぞれとを接続し、取付壁部13aと側壁部13cとを接続し、3つの側壁部13cのうち隣接するもの同士を接続する。
図3は、筐体11のフレーム部12を示す斜視図である。
図3に示す例において、フレーム部12は、上壁部13bと取付壁部13aとの間及び上壁部13bと3つの側壁部13cとの間に延びる、断面が略L字形状の、長方形の枠状の第1フレーム部12aと、3つの側壁部13cのうち隣接するもの同士の間にそれぞれ延びる、断面が略L字形状の、棒状の4つの第2フレーム部12bとを有する。第1フレーム部12aと、4つの第2フレーム部12bのそれぞれとは、上面11bの角の位置において互いに対して固定されている。
図3に示す例において、フレーム部12は、さらに筐体11の底面11dを形成する第3フレーム部12cを有する。第3フレーム部12cと、4つの第2フレーム部12bのそれぞれとは、底面11dの角の位置において互いに対して固定されている。
【0035】
本実施の形態において、第3フレーム部12cは、第1金属板12dと、第1金属板12dよりも筐体11の内側に位置する第2金属板12eとから構成される積層体から構成される。第1金属板12d及び第2金属板12eは、それぞれ略板状の形状を有する。第1金属板12dと第2金属板12eとは、互いに対して固定されている。一例として、第1金属板12dと第2金属板12eとは、第1金属板12dの貫通孔を通されたねじが第2金属板12eのねじ穴にねじ留めされることによって、互いに対して固定される。
【0036】
第3フレーム部12cの第1金属板12dは、平板状の第1金属板本体部12fと、第1金属板本体部12fの周囲に設けられて第1金属板本体部12fに対して角度をなす第1金属板辺縁部12gと、を有する。
図3に示す例において、第1金属板本体部12fと第1金属板辺縁部12gとは、直交している。
図3に示す例において、第1金属板本体部12f及び第1金属板辺縁部12gは、一体として形成されている。より具体的には、一枚の平板状の金属材料が折られて、第1金属板本体部12f及び第1金属板辺縁部12gを有する第1金属板12dが形成されている。
【0037】
第3フレーム部12cの第2金属板12eは、平板状の第2金属板本体部12hと、第2金属板本体部12hの周囲に設けられて第2金属板本体部12hに対して角度をなす第2金属板辺縁部12iと、を有する。
図3に示す例において、第2金属板本体部12hと第2金属板辺縁部12iとは、直交している。
図3に示す例において、第2金属板辺縁部12iの一部は、第1金属板辺縁部12gに、筐体11の内側から重なっている。
図3に示す例において、第2金属板本体部12h及び第2金属板辺縁部12iは、一体として形成されている。より具体的には、一枚の平板状の金属材料が折られて、第2金属板本体部12h及び第2金属板辺縁部12iを有する第2金属板12eが形成されている。第1金属板辺縁部12gと第2金属板辺縁部12iとを合わせて、第3フレーム部12cの辺縁部12jと称する。
図3に示す例において、辺縁部12jは、筐体11の底面11dに直交する板状の部分である。
【0038】
上壁部13bは、断面が略L字形状の第1フレーム部12aの、上壁部13bに向かい合う部分に取付けられる。特に、上壁部13bは、断面が略L字形状の第1フレーム部12aの、筐体11の上面11bに平行な面を有する部分に取付けられる。3つの側壁部13cのそれぞれは、断面が略L字形状の第1フレーム部12a、断面が略L字形状の第2フレーム部12b及び第3フレーム部12cの辺縁部12jの、各側壁部13cと向かい合う部分に取付けられる。特に、3つの側壁部13cのそれぞれは、断面が略L字形状の第1フレーム部12a、断面が略L字形状の第2フレーム部12b及び第3フレーム部12cの辺縁部12jの、各側壁部13cによって形成される側面11cに平行な面を有する部分に取付けられる。取付壁部13aは、断面が略L字形状の第1フレーム部12a、断面が略L字形状の第2フレーム部12b及び第3フレーム部12cの辺縁部12jの、取付壁部13aと向かい合う部分に取付けられる。特に、取付壁部13aは、断面が略L字形状の第2フレーム部12b及び第3フレーム部12cの辺縁部12jの、取付壁部13aによって形成される側面11cに平行な面を有する部分に取付けられる。
【0039】
フレーム部12の取付壁部13aが取付けられる部分を、取付壁部フレーム部12kと称する。
図3に示すフレーム部12は、取付壁部13aが取付けられる取付壁部フレーム部12kを有していると言える。
図3に示す例において、取付壁部フレーム部12kは、第1フレーム部12aの、第2方向DBにおける一側SB1とは反対側に位置し且つ第2方向DBに垂直な面を有する部分と、第2方向DBにおける一側SB1とは反対側に位置する2つの第2フレーム部12bの、第2方向DBに垂直な面を有する部分と、第3フレーム部12cの辺縁部12jの、第2方向DBにおける一側SB1とは反対側に位置し且つ第2方向DBに垂直な面を有する部分と、から形成される長方形の枠状の部分である。
【0040】
次に、取付壁部13aについて、より詳細に説明する。
図4は、
図1に示す蓄電素子ユニット10の筐体11を、建物80の壁81に向かい合う側(第2方向DBにおける一側SB1)から見た様子を示す斜視図である。
図4では、上壁部13b及び後述する化粧パネル19については図示を省略している。取付壁部13aは、複数の貫通孔71が設けられ且つ壁81に接する取付面73と、取付面73を挟む位置に設けられ且つ壁81に接する一対の接触面74と、を有する。本実施の形態の筐体11は、取付面73に設けられた貫通孔71を通されたねじ72が壁81にねじ留めされることによって、壁81に取付けられる。
【0041】
図4に示す例において、取付面73及び一対の接触面74は、いずれも第1方向DA及び第3方向DCに平行な、平坦な面である。また、取付面73及び一対の接触面74は、同一平面上に位置する。これによって、取付面73及び一対の接触面74は、第1方向DA及び第3方向DCに平行であり且つ平坦な壁81に、同時に接することができる。
【0042】
図4に示す例において、取付壁部13aは、取付壁部本体75と、取付壁部本体75に取付けられた接触部材76と、を有している。
図4に示す例において、取付壁部本体75が取付面73を形成しており、接触部材76が一対の接触面74を形成している。
図4に示す例において、接触部材76は、第1接触部材761と第2接触部材762とを有している。第1接触部材761及び第2接触部材762の各々は、取付壁部本体75に取付けられている。一対の接触面74の一方は第1接触部材761によって形成され、一対の接触面74の他方は第2接触部材762によって形成されている。
【0043】
図5は、
図4のA-A線に沿った筐体11の断面の、第2方向DBにおける一側SB1且つ第3方向DCにおける一側SC1とは反対側に位置する第2フレーム部12bの付近を拡大して示す部分断面図である。
図5には、筐体11が取付けられる壁81を有する建物80の断面を併せて示している。また、
図5では、側壁部13cについては図示を省略している。
図5に示す例において、取付壁部本体75、第2フレーム部12b及び接触部材76が、筐体11の内側からこの順に重ねられている。そして、取付壁部本体75、第2フレーム部12b及び接触部材76を貫通する第1ねじ121、並びに取付壁部本体75及び接触部材76を貫通する第2ねじ122によって、互いに対して固定されている。
図5に示す例において、取付壁部本体75と接触部材76とは、枠状の取付壁部フレーム部12kの間を通る第2ねじ122によって、取付壁部フレーム部12kの間を介して固定されている。
【0044】
取付面73の形態は、壁81に接することができる限り、特に限られない。取付面73は、取付壁部13aの壁81に接しない部分によって、複数の部分に分割されていてもよい。
図4に示す例において、取付壁部13aは、壁81に向かって突出し且つ水平方向に延びる線状凸部77をさらに有している。取付壁部13aは、複数の線状凸部77を有している。
図4に示す例において、取付壁部13aは、4つの線状凸部77を有している。また、
図4に示す例においては、取付壁部13aの取付壁部本体75が、線状凸部77を有している。そして、取付面73は、線状凸部77の面によって形成されている。特に、取付面73は、複数の線状凸部77の面によって形成されている。
図4に示す例において、複数の線状凸部77の各々は、第1方向DA及び第3方向DCに平行な平坦面を有している。複数の線状凸部77の各々の当該平坦面が、取付面73を形成している。
図4に示す例においては、取付面73が複数の線状凸部77の各々の面によって形成されているために、取付面73は、取付壁部13aの壁81に接しない部分によって、複数の部分に分割されている。
【0045】
線状凸部77の水平方向における寸法w1は、取付壁部13aの水平方向における寸法w2の0.5倍以上である。
図4に示す例において、寸法w1は、線状凸部77の、水平方向に平行且つ取付面73に平行な方向における寸法である。また、寸法w2は、取付壁部13aの、水平方向に平行且つ取付面73に平行な方向における寸法である。そして、線状凸部77の、水平方向に平行且つ取付面73に平行な方向における寸法w1は、取付壁部13aの、水平方向に平行且つ取付面73に平行な方向(第3方向DC)における寸法w2の、0.5倍以上である。
【0046】
図4に示す例において、貫通孔71は、複数の線状凸部77の取付面73を形成する面の各々に設けられている。
図4に示す例において、複数の線状凸部77の取付面73を形成する面の各々に、第3方向D3に一列に並ぶように、複数の貫通孔71が設けられている。取付面73に設けられる貫通孔71の数は、筐体11を建物80の壁81に取付ける際に使用することが想定されるねじ72の本数に応じて適宜選択される。
図4に示す例において、取付壁部13aは、4つの貫通孔71が設けられた線状凸部77を、4つ有している。このため、取付壁部13aの取付面73には、合計で16個の貫通孔71が設けられている。
【0047】
図6は、
図4のB-B線に沿った断面の、第1フレーム部12aの取付壁部フレーム部12kを形成する部分の付近を拡大して示す部分断面図である。
図7は、
図4のB-B線に沿った断面の、第3フレーム部12cの取付壁部フレーム部12kを形成する部分の付近を拡大して示す部分断面図である。
図6及び
図7には、筐体11が取付けられる壁81を有する建物80の断面を併せて示している。また、
図6及び
図7では、上壁部13b、側壁部13c及び後述する化粧パネル19については図示を省略している。
図6及び
図7に示す例において、取付壁部13aの上端13d及び下端13eは、筐体11の内側から取付壁部フレーム部12kに重なっている。特に、
図6及び
図7に示す例において、取付壁部13aの上端13d及び下端13eは、筐体11の内側から取付壁部フレーム部12kに接している。
図6に示す例において、取付壁部13aの上端13dは、筐体11の内側から、第1フレーム部12aの取付壁部フレーム部12kを形成する部分に重なっている。
図7に示す例において、取付壁部13aの下端13eは、筐体11の内側から、第3フレーム部12cの取付壁部フレーム部12kを形成する部分に重なっている。
図6及び
図7に示す例において、取付壁部13aの上端13d及び下端13eは、取付壁部本体75によって形成されている。すなわち、取付壁部本体75の上端及び下端が、筐体11の内側から取付壁部フレーム部12kに重なっている。なお、
図5に示すように、取付壁部本体75の側縁、すなわち取付壁部本体75の水平方向における縁部も、筐体11の内側から取付壁部フレーム部12kに重なっていてもよい。
図5に示す例において、取付壁部本体75の側縁は、筐体11の内側から、第2フレーム部12bの取付壁部フレーム部12kを形成する部分に重なっている。
【0048】
図4に示す例において、一対の接触面74は、水平方向において取付面73を挟んでいる。特に、一対の接触面74は、第3方向DCにおいて取付面73を挟んでいる。
図4に示す例において、第1接触部材761と第2接触部材762とは、一対の接触面74が第3方向DCにおいて取付面73を挟むように、第3方向DCに並べられている。図示はしないが、一対の接触面74は、上下方向において取付面73を挟んでいてもよい。また、取付壁部13aは、水平方向において取付面73を挟んでいる一対の接触面74と、上下方向において取付面73を挟んでいる一対の接触面74と、の両方を有してもよい。
【0049】
図5に示す例において、一対の接触面74は、取付面73に垂直な方向(第2方向DB)において、少なくとも部分的に取付壁部フレーム部12kに重なっている。
図5に示す例では、一対の接触面74の各々が、取付面73に垂直な方向(第2方向DB)において、少なくとも部分的に取付壁部フレーム部12kに重なっている。
図5に示す例において、接触部材76は、取付面73に垂直な方向(第2方向DB)において、少なくとも部分的に取付壁部フレーム部12kに重なっている。
図5に示す例において、一対の接触面74は、第2フレーム部12bの取付壁部フレーム部12kを形成する部分に重なっている。特に、一対の接触面74は、水平方向に平行且つ取付面73に平行な方向(第3方向DC)において、第2フレーム部12bの端部12mの位置まで広がっている。
【0050】
図8は、取付壁部13aを筐体11の内側から(第2方向DBにおける一側SB1とは反対側から)見た様子を示す斜視図である。なお、
図8には、取付壁部13aとともに、取付面73に設けられた複数の貫通孔71を筐体11の内側から貫通する複数のねじ72を図示している。
図8に示す例において、取付壁部13aは、位置決め部13nを有している。
図8に示す例において、位置決め部13nは、筐体11の内側に向かって突出し且つ上下方向(第1方向DA)に延びる、一対の線状の凸部である。位置決め部13nは、蓄電素子ユニット10において筐体11に収納される、制御モジュール14や蓄電素子モジュール20などの部品の位置を定める。すなわち、位置決め部13nは、制御モジュール14や蓄電素子モジュール20などの部品に接触して、当該部品が筐体11の内部を移動することを抑制する。
図8に示す例において、位置決め部13nは、取付壁部本体75と一体として形成されている。
【0051】
図1及び
図7に示す例において、壁81には、壁81と床82との接続部分に沿って延びる巾木83が取付けられている。この場合、筐体11は、取付面73及び一対の接触面74が、巾木83によって妨げられることなく壁81に接することができるように、設計される。
【0052】
一例として、上下方向(第1方向DA)における取付面73と筐体11の底面11dとの距離w3は、50mm以上である。また、上下方向(第1方向DA)における接触面74と筐体11の底面11dとの距離w4は、50mm以上である。巾木83の高さ(第1方向DAにおける寸法)は、一般的には50mmより小さいため、距離w3及び距離w4を50mm以上とすることによって、取付面73又は接触面74が巾木83に接することを抑制できる。これにより、取付面73又は接触面74が巾木83に接することで取付面73又は接触面74の壁81への接触が妨げられることを抑制できる。
【0053】
また、取付面73は、取付壁部フレーム部12kの上下方向(第1方向DA)において取付面73より下方に位置する部分よりも10mm以上、取付壁部13aの厚み方向(第2方向DB)において筐体11の外側に位置する。すなわち、
図7に示す距離w5は、10mm以上である。特に、
図7に示す例において、取付面73は、筐体11の上下方向(第1方向DA)において取付面73より下方に位置する部分よりも10mm以上、取付壁部13aの厚み方向(第2方向DB)において筐体11の外側に位置する。すなわち、
図7に示す距離w6は、10mm以上である。また、接触面74は、取付壁部フレーム部12kの上下方向(第1方向DA)において接触面74より下方に位置する部分よりも10mm以上、取付壁部13aの厚み方向(第2方向DB)において筐体11の外側に位置する。すなわち、
図7に示す距離w7は、10mm以上である。特に、
図7に示す例において、接触面74は、筐体11の上下方向(第1方向DA)において接触面74より下方に位置する部分よりも10mm以上、取付壁部13aの厚み方向(第2方向DB)において筐体11の外側に位置する。すなわち、
図7に示す距離w8は、10mm以上である。これによって、筐体11の取付面73及び接触面74より下方に位置する部分、特に取付壁部フレーム部12kの取付面73及び接触面74より下方に位置する部分が巾木83に接することを抑制できる。これにより、筐体11の取付面73及び接触面74より下方に位置する部分が巾木83に接することで取付面73又は接触面74の壁81への接触が妨げられることを抑制できる。
【0054】
取付壁部13aの材料は、例えば金属である。取付壁部13aは、例えば後述する上壁部13b及び側壁部13cの金属板92の材料と同様の材料から構成される。本実施の形態において、取付壁部13aは、取付壁部本体75と、接触部材76と、を有する。この場合、取付壁部本体75及び接触部材76の材料が、金属、特に金属板92の材料と同様の金属から構成されてもよい。
【0055】
次に、取付壁部13a以外の壁部13について、より詳細に説明する。本実施の形態の筐体11は、取付壁部13a以外の壁部13として、上壁部13bと3つの側壁部13cとを備えている。本実施の形態において、取付壁部13a以外の壁部13の各々は、
図1及び
図4に示す側壁部13cのように、樹脂板91と、樹脂板91よりも筐体11の内側に位置する金属板92とから構成される積層体から構成される。樹脂板91及び金属板92は、それぞれ略板状の形状を有する。
【0056】
図1に示す例において、筐体11は、1つの側壁部13cを覆う化粧パネル19をさらに有する。化粧パネル19は、当該1つの側壁部13c及び当該1つの側壁部13c上に設けられた構成要素を保護する部材である。
図1に示す例において、化粧パネル19は、略板状の形状を有する。化粧パネル19は、例えば樹脂板91の材料と同様の樹脂材料から構成することができる。
【0057】
次に、筐体11を備える蓄電素子ユニット10について説明する。上述したように、本実施の形態の蓄電素子ユニット10は、筐体11と、筐体11に収納される蓄電素子モジュール20と、筐体11に収納される制御モジュール14と、複数のねじ72と、を備える。
【0058】
制御モジュール14について説明する。
図2に示す例において、制御モジュール14は、筐体11の内部に収容されている。制御モジュール14は、上下方向(第1方向DA)において蓄電素子モジュール20に重ねられている。制御モジュール14は、筐体11の内部に収容された蓄電素子モジュール20と電気的に接続される。図示はしないが、制御モジュール14は、複数のモジュール配線を介して、複数の蓄電素子モジュール20の各々と電気的に接続されていてもよい。
【0059】
制御モジュール14は、例えば、複数の蓄電素子モジュール20の充電及び放電を制御する機能、蓄電素子モジュール20の充電状態(例えば充電量)を監視する機能、蓄電素子モジュール20の異常の有無を監視する機能の一以上を有する。また、制御モジュール14は、蓄電素子ユニット10の外部に設置された制御装置に、蓄電素子モジュール20の充電状態や異常の有無の監視結果などの情報を、送信するようにしてもよい。また、制御モジュール14は、蓄電素子ユニット10の外部の配線(例えば、建物の配線)と、蓄電素子モジュール20と、の間の電気的接続及び遮断を切り替える開閉器を有するようにしてもよい。
【0060】
次に、蓄電素子モジュール20について説明する。
図2に示す例において、筐体11の内部に収容された蓄電素子モジュール20が観察される。筐体11の内部には、複数の蓄電素子モジュール20が収容されてもよい。図示された例において、蓄電素子モジュール20は、筐体11の内部において、上下方向(第1方向DA)に重ねられている。上下方向に重ねられた複数の蓄電素子モジュール20のうち、上下方向における最も下側(一側SA1)に位置する蓄電素子モジュール20は、第3フレーム部12cの第2金属板本体部12hに接触している。すなわち、複数の蓄電素子モジュール20は、第3フレーム部12cによって上下方向における下側から支持されている。
【0061】
蓄電素子モジュール20には、図示しない複数のセルを収容する機能を有する。セルは、蓄電素子として取り扱われる最小単位である。セルは、種々の形式を採用できる。セルは、例えばリチウムイオン二次電池でもよい。
【0062】
図示はしないが、蓄電素子モジュール20は、モジュール配線を含んでもよい。この場合、モジュール配線は、筐体の内部に収容される。また、蓄電素子モジュール20のモジュール配線は、制御モジュール14に接続される。モジュール配線は、制御モジュール14を介して、蓄電素子モジュール20が電気を供給する対象に、電気的に接続される。
【0063】
次に、複数のねじ72について説明する。複数のねじ72は、複数の貫通孔71の全部又は複数の貫通孔71から選択される一部の各々を筐体11の内側から貫通して壁81にねじ留めされる。
図8に示す例において、複数のねじ72の数は、取付面73に設けられた複数の貫通孔71の数と等しい。この場合、複数のねじ72は、複数の貫通孔71の全部の各々を筐体11の内側から貫通して壁81にねじ留めされる。
図8に示す例において、複数のねじ72の数と、複数の貫通孔71の数とは、ともに16個である。
【0064】
一例として、ねじ72は木ねじである。ねじ72の種類は、筐体11が取付けられる壁81の材料などに応じて、適宜選択できる。特に、壁81の材料が木材である場合には、ねじ72として木ねじを用いることができる。「木ねじ」とは、ねじ留めしようとする木材などの部材に雌ねじが設けられていなくても、当該部材に先端を接触させて回転させることなどにより、当該部材に入り込んでねじ留めされるねじを指す。壁81の材料がコンクリートである場合には、ねじ72は、コンクリートビスであってもよい。
【0065】
一例として、ねじ72は、
図8に示されている頭部72aと、頭部72aから延び出す図示しない軸部とを有する。図示はしないが、軸部の少なくとも一部には、らせん状のねじ山が設けられている。ねじ72の軸部の太さ(軸部の延伸する方向に垂直な方向における軸部の幅)は、ねじ72が貫通する貫通孔71の幅以下となっている。また、ねじ72の頭部72aの太さ(軸部の延伸する方向に垂直な方向における頭部72aの幅)は、貫通孔71の幅よりも大きい。これにより、ねじ72の軸部を貫通孔71に貫通させて壁81にねじ留めし、ねじ72の頭部72aと壁81との間で取付壁部13aを挟むことによって、筐体11を壁81に取付けることができる。
【0066】
次に、上述した、建物80の壁81に取付けられた蓄電素子ユニット10の製造方法について説明する。蓄電素子ユニット10の製造方法は、蓄電素子ユニット10を建物80の壁81に取付ける取付方法に相当する。また、蓄電素子ユニット10の製造方法は、壁81に取付けられた蓄電素子ユニット10と、壁81と、を備える建物80の製造方法にも相当する。
【0067】
本実施の形態の蓄電素子ユニット10の製造方法は、複数のねじ72を複数の貫通孔71の全部又は複数の貫通孔71から選択される一部の各々に筐体11の内側から貫通させて壁81にねじ留めする、ねじ留め工程を備える。また、本実施の形態の蓄電素子ユニット10の製造方法は、取付壁部フレーム部12kに対して取付壁部本体75を配置する本体配置工程と、本体配置工程の後に、取付壁部本体75に接触部材76を取付ける接触部材取付工程と、をさらに備える。
【0068】
本実施の形態の蓄電素子ユニット10の製造方法においては、まず、
図3に示すフレーム部12の取付壁部フレーム部12kに、取付壁部13aを取付ける。取付壁部フレーム部12kへの取付壁部13aの取付けは、本体配置工程と接触部材取付工程とを行うことによって行うことができる。
【0069】
本体配置工程においては、取付壁部本体75の上端13d及び下端13eが筐体11の内側から取付壁部フレーム部12kに重なるように、取付壁部フレーム部12kに対して取付壁部本体75を配置する。特に、取付壁部13aの上端13dが、筐体11の内側から、第1フレーム部12aの取付壁部フレーム部12kを形成する部分に重なるように、取付壁部フレーム部12kに対して取付壁部本体75を配置する。また、取付壁部13aの下端13eが、筐体11の内側から、第3フレーム部12cの取付壁部フレーム部12kを形成する部分に重なるように、取付壁部フレーム部12kに対して取付壁部本体75を配置する。
【0070】
本体配置工程の後に、取付壁部本体75に接触部材76を取付ける接触部材取付工程を行う。接触部材取付工程においては、まず、接触部材76を、取付壁部本体75に対して取付可能な位置に配置する。本実施の形態においては、上端13d及び下端13eが筐体11の内側から取付壁部フレーム部12kに重なるように配置された取付壁部本体75に対して、筐体11の外側から重なるように、接触部材76を配置する。本実施の形態においては、接触部材76を、筐体11の外側から取付壁部フレーム部12kに重なるように配置する。これによって、一対の接触面74を、取付面73に垂直な方向(第2方向DB)において取付壁部フレーム部12kに重なるように配置できる。取付壁部本体75に対して接触部材76を配置した後に、取付壁部本体75に接触部材76を取付ける。
【0071】
また、接触部材取付工程の前後に、又は接触部材取付工程と並行して、取付壁部フレーム部12kに取付壁部本体75及び接触部材76を取付ける。以上によって、取付壁部フレーム部12kに取付壁部13aを取付けることができる。
【0072】
本実施の形態において、取付壁部本体75への接触部材76の取付け、並びに取付壁部フレーム部12kへの取付壁部本体75及び接触部材76の取付けは、ねじ留めによって行われる。この場合、まず、上述したように取付壁部フレーム部12kに対して取付壁部本体75を配置し、且つ取付壁部本体75に対して接触部材76を配置する。そして、
図5に示すように第1ねじ121及び第2ねじ122をねじ留めする。これによって、取付壁部本体75に接触部材76を取付け、且つ取付壁部フレーム部12kに取付壁部本体75及び接触部材76を取付けることができる。
【0073】
また、フレーム部12に、3つの側壁部13cを取付ける。フレーム部12への3つの側壁部13cの取付けは、例えばねじ留めによって行われる。以上によって、上壁部13bのみ取り外され、上側に開口が形成されている状態の筐体11が形成される。
【0074】
次に、上壁部13bのみ取り外され、上側に開口が形成されている状態の筐体11を、建物80の筐体11を取付ける位置に配置する。すなわち、筐体11を、建物80の壁81に取付面73及び接触面74が接するように、建物80の床82上に筐体11を配置する。
【0075】
次に、複数のねじ72を複数の貫通孔71の全部又は複数の貫通孔71から選択される一部の各々に筐体11の内側から貫通させて壁81にねじ留めする、ねじ留め工程を行う。本実施の形態においては、複数のねじ72を複数の貫通孔71の全部の各々に筐体11の内側から貫通させて壁81にねじ留めする。ねじ留めの作業は、筐体11の上側に形成された開口を介して行うことができる。例えばねじ72として木ねじを用いる場合には、貫通孔71にねじ72を挿入した上で、電動ドライバーなどを用いてねじ72を回転させることによって、ねじ72を壁81にねじ留めすることができる。
【0076】
次に、複数の蓄電素子モジュール20及び制御モジュール14を、筐体11の上側に形成された開口を介して、筐体11に収納する。そして、上壁部13bを取り付けて当該開口を閉じる。これによって、建物80の壁81に取付けられた蓄電素子ユニット10を製造することができる。
【0077】
以上の本実施の形態によれば、蓄電素子モジュール20を収納し且つ建物80の壁81に取付けられる筐体11において、壁81に向かい合う取付壁部13aが、複数の貫通孔71が設けられ且つ壁81に接する取付面73を有する。これにより、ねじ72を貫通孔71に通して壁81にねじ留めすることによって、筐体11及び筐体11に蓄電素子モジュール20を収納してなる蓄電素子ユニット10を、壁81に取付けることができる。
【0078】
また、筐体11は、取付面73とともに、取付面73を挟む位置に設けられ且つ壁81に接する一対の接触面74と、を有する。これによって、筐体11を、より広範囲において壁81に接触させて、地震が発生した場合などに、筐体11の壁81に対する振動を、効果的に抑制できる。これによって、振動に対して耐性を有するように、蓄電素子ユニット10の筐体11を建物80の壁81に取付けることができる。
【0079】
ここで、振動に対して「耐性を有する」とは、例えば、蓄電素子ユニット10の設置された建物80が振動した場合であっても、蓄電素子ユニット10が転倒しないことを意味する。また、「耐性を有する」とは、建物80が振動した場合であっても、蓄電素子ユニット10が転倒せず、且つ蓄電素子ユニット10として通常の動作が可能であることを意味してもよい。また、「耐性を有する」とは、建物80が振動した場合であっても、蓄電素子ユニット10が転倒せず、蓄電素子ユニット10として通常の動作が可能であり、且つ蓄電素子ユニット10の外観が損なわれることもないことを意味してもよい。また、「耐性を有する」とは、建物80が振動した場合に、蓄電素子ユニット10の内部部品の破壊も生じないことを意味してもよい。
【0080】
特に、筐体11の設計の都合により、取付面73を取付壁部13aの縁部付近に形成できない場合がある。本実施の形態において、取付面73は、略板状の取付壁部本体75によって形成されている。そして、取付壁部本体75の縁部(上述した上縁、下縁及び側縁)は、筐体11の内側から取付壁部フレーム部12kに重ねられて、取付壁部フレーム部12kに接している。この場合、取付壁部本体75の一部を筐体11の外側からも取付壁部フレーム部12kに重ねることは困難となる。このため、取付面73を、取付壁部13aの縁部付近の位置であって、特に取付壁部フレーム部12kに重なる位置に形成することは困難となる。このような場合においても、本実施の形態によれば、一対の接触面74を、取付壁部13aの縁部付近の位置、特に取付面73に垂直な方向において取付壁部フレーム部12kに重なる位置に形成できる。これによって、筐体11を、取付面73に垂直な方向において取付壁部フレーム部12kに重なる位置においても壁81に接触させて、筐体11の壁81に対する振動を効果的に抑制できる。このように、筐体11の設計の都合により取付面73を形成できる位置が制限される場合においても、一対の接触面74を形成することによって、筐体11を広範囲において壁81に接触させて、筐体11の壁81に対する振動を効果的に抑制できる。
【0081】
また、本実施の形態によれば、取付壁部13aは、取付面73並びに取付壁部13aの上端13d及び下端13eを形成する取付壁部本体75と、取付壁部本体75に取付けられて一対の接触面74を形成する接触部材76と、を有する。これにより、取付壁部本体75の上端及び下端を筐体11の内側から取付壁部フレーム部12kに重ねることによって、取付壁部13aの上端13d及び下端13eを筐体11の内側から取付壁部フレーム部12kに重ねることができる。また、取付壁部本体75とは別部材の接触部材76によって一対の接触面74を形成することによって、取付壁部本体75によって取付面73を形成しにくい位置に、一対の接触面74を形成できる。例えば接触部材76によって、取付面73に垂直な方向において取付壁部フレーム部12kに重なる位置に、一対の接触面74を形成できる。以上により、取付壁部13aの上端13d及び下端13eを筐体11の内側から取付壁部フレーム部12kに重ねつつ、取付壁部本体75によって取付面73を形成しにくい位置に一対の接触面74を形成して、筐体11の壁81に対する振動を効果的に抑制できる。
【0082】
また、本実施の形態によれば、取付壁部13aの上端13d及び下端13eは、筐体11の内側から取付壁部フレーム部12kに重なる。これによって、地震が発生して筐体11が振動する場合などに、取付壁部13aの上端13d及び下端13eを取付壁部フレーム部12kによって支持できる。このため、取付壁部13aの上端13d及び下端13eの変形を、取付壁部フレーム部12kによって抑制できる。特に、本実施の形態によれば、取付壁部本体75の上端及び下端が、筐体11の内側から取付壁部フレーム部12kに重なる。これによって、地震が発生して筐体11が振動する場合などに、取付壁部本体75の上端及び下端を取付壁部フレーム部12kによって支持できる。
【0083】
なお、本実施の形態によれば、取付壁部本体75の側縁も、筐体11の内側から取付壁部フレーム部12kに重なっている。これによって、地震が発生して筐体11が振動する場合などに、取付壁部本体75の側縁を取付壁部フレーム部12kによって支持できる。このため、取付壁部本体75の側縁の変形を、取付壁部フレーム部12kによって抑制できる。
【0084】
また、本実施の形態によれば、一対の接触面74は、水平方向において取付面73を挟んでいる。この効果について説明する。本件の発明者らは、壁81に取付けられた蓄電素子ユニット10用の筐体11について鋭意研究を重ねた結果、壁81に取付けられた筐体11は、上下方向よりも水平方向に振動しやすいことがわかった。特に、壁81に取付けられた筐体11は、床82上を滑るように、水平方向に振動しやすいことがわかった。ここで、一対の接触面74が水平方向において取付面73を挟んでいることによって、筐体11を、水平方向の広範囲において壁81に接触させることができる。これによって、筐体11の水平方向における振動を、より効果的に抑制できる。
【0085】
また、本実施の形態によれば、取付壁部13aは、壁81に向かって突出し且つ水平方向に延びる線状凸部77をさらに有する。そして、取付面73は、線状凸部77の面によって形成される。取付壁部13aが水平方向に延びる線状凸部77を有することによって、取付壁部13aに、上下方向に延びる軸を中心として折れるような変形が生じにくくなる。これによって、取付壁部13aが、筐体11の水平方向における振動によって変形しにくくなる。特に、取付面73を線状凸部77の面によって形成することによって、複数の貫通孔71が設けられ且つ壁81に接触する取付面73の、筐体11の水平方向における振動による変形を、効果的に抑制できる。
【0086】
特に、線状凸部77の水平方向における寸法w1が、取付壁部13aの水平方向における寸法w2の0.5倍以上であることによって、取付壁部13aの水平方向の広範囲にわたって線状凸部77が形成される。これによって、線状凸部77の作用により、水平方向の広範囲における取付壁部13aの変形を、効果的に抑制できる。
【0087】
また、本実施の形態によれば、上下方向における取付面73と筐体11の底面11dとの距離w3は、50mm以上である。また、上下方向における接触面74と筐体11の底面11dとの距離w4は、50mm以上である。これにより、取付面73又は接触面74が一般的な大きさの巾木83に接することを抑制できる。このため、取付面73又は接触面74が巾木83に接することで取付面73又は接触面74の壁81への接触が妨げられることを抑制できる。
【0088】
また、本実施の形態によれば、取付面73は、取付壁部フレーム部12kの上下方向において取付面73より下方に位置する部分よりも10mm以上、取付壁部13aの厚み方向において筐体11の外側に位置する。また、接触面74は、取付壁部フレーム部12kの上下方向において接触面74より下方に位置する部分よりも10mm以上、取付壁部13aの厚み方向において筐体11の外側に位置する。これにより、取付壁部フレーム部12kの取付面73及び接触面74より下方に位置する部分が巾木83に接することを抑制できる。このため、取付壁部フレーム部12kの取付面73及び接触面74より下方に位置する部分が巾木83に接することで取付面73又は接触面74の壁81への接触が妨げられることを抑制できる。
【0089】
また、以上の本実施の形態の蓄電素子ユニット10の製造方法は、複数のねじ72を複数の貫通孔71の全部又は複数の貫通孔71から選択される一部の各々に筐体11の内側から貫通させて壁81にねじ留めする、ねじ留め工程を備える。これによって、建物80の壁81に取付けられた蓄電素子ユニット10を製造できる。
【0090】
また、本実施の形態の蓄電素子ユニット10の製造方法は、取付壁部本体75の上端及び下端が筐体11の内側から取付壁部フレーム部12kに重なるように、取付壁部フレーム部12kに対して取付壁部本体75を配置する本体配置工程と、本体配置工程の後に、取付壁部本体75に接触部材76を取付ける接触部材取付工程と、をさらに備える。これによって、上端13d及び下端13eにおいて筐体11の内側から取付壁部フレーム部12kに重なり、且つ上述した一対の接触面74を有する取付壁部13aを、容易に形成できる。特に、上端13d及び下端13eにおいて筐体11の内側から取付壁部フレーム部12kに重なり、且つ取付面73に垂直な方向において、少なくとも部分的に取付壁部フレーム部12kに重なる一対の接触面74を有する取付壁部13aを、容易に形成できる。
【0091】
また、本実施の形態の蓄電素子ユニット10の製造方法は、以下の方法によって、建物80の壁81に取付けられた蓄電素子ユニット10を製造できる。まず、上述した本体配置工程及び接触部材取付工程を含めた複数の工程を行って、上壁部13bのみ取り外され、上側に開口が形成されている状態の筐体11を製造する。次に、筐体11を、建物80の壁81に取付面73及び接触面74が接するように、建物80の床82上に筐体11を配置する。次に、筐体11の上側に形成された開口を介して、上述したねじ留め工程を行う。次に、複数の蓄電素子モジュール20及び制御モジュール14を、筐体11の上側に形成された開口を介して、筐体11に収納する。そして、上壁部13bを取り付けて当該開口を閉じる。この方法によれば、上側に開口が形成されている状態の筐体11の製造までの作業を建物80の外部で行っておいて、建物80の床82上に筐体11を配置する以降の作業を、上側に開口が形成されている状態の筐体11を建物80内に持ち込んで行うことができる。これにより、上側に開口が形成されている状態の筐体11の製造までの作業を予め行っておくことができるので、現地、すなわち建物80内での作業を容易にすることができる。また、現地での作業時間を短縮できる。
【0092】
以上の通り、具体例を参照しながら一実施の形態を説明してきたが、上述した具体例が一実施の形態を限定することを意図していない。上述した一実施の形態は、その他の様々な具体例で実施されることが可能であり、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。以下、本実施の形態の変形例について説明する。
【0093】
(変形例)
上述の実施の形態においては、位置決め部13nが、取付壁部本体75と一体として形成されている例について説明した。しかしながら、位置決め部13nの態様は、これに限られない。
図9は、本変形例における筐体11を、建物80の壁81に向かい合う側(第2方向DBにおける一側SB1)から見た様子を示す斜視図である。
図9では、上壁部13b及び後述する化粧パネル19については図示を省略している。
図10は、本変形例における筐体11の取付壁部13aを筐体11の内側から(第2方向DBにおける一側SB1とは反対側から)見た様子を示す斜視図である。
【0094】
本変形例における筐体11では、
図10に示すように、位置決め部13nが、取付壁部本体75と一体ではない一対の位置決め部材13mによって形成されている。本変形例においても、位置決め部13nは、筐体11の内側に向かって突出し且つ上下方向(第1方向DA)に延びる、一対の線状の凸部である。当該一対の線状の凸部の各々は、一対の位置決め部材13mの各々によって形成されている。本変形例においても、位置決め部13nは、蓄電素子ユニット10において筐体11に収納される、制御モジュール14や蓄電素子モジュール20などの部品の位置を定める。
【0095】
図10に示す例において、一対の位置決め部材13mの各々は、平板状の金属材料が折られて形成されている。
図10に示す例において、一対の位置決め部材13mの各々は、取付壁部本体75に取付けられる取付部13oと、線状の凸部を形成する凸部形成部13pとを有する。取付部13oと凸部形成部13pとの境界、及び凸部形成部13pの形状は、平板状の金属材料が折られて形成されている。
【0096】
取付部13oの取付壁部本体75への取付けは、例えばねじ留めによって行われる。この場合、取付部13oは、取付壁部本体75の取付面73を形成していない部分にねじ留めされる。特に、取付部13oは、取付壁部本体75の線状凸部77を形成していない部分にねじ留めされる。
【0097】
本変形例において、位置決め部13nは、取付面73に垂直な方向(第2方向DB)において、少なくとも部分的に取付面73に重なってもよい。特に、取付壁部13aが線状凸部77を有する場合には、位置決め部13nは、取付面73に垂直な方向において、少なくとも部分的に線状凸部77に重なってもよい。
図10に示す例においては、一対の位置決め部材13mの各々の凸部形成部13pが、取付面73に垂直な方向において、部分的に取付面73及び線状凸部77に重なっている。
【0098】
本変形例においては、位置決め部13nを、取付面73を形成し且つ線状凸部77を有する取付壁部本体75と一体ではない、一対の位置決め部材13mによって形成する。このため、位置決め部13nを、取付面73に垂直な方向において、少なくとも部分的に取付面73及び線状凸部77に重なる位置に配置できる。これによって、位置決め部13nを形成することによって制限されずに、取付面73及び線状凸部77の寸法を決定できる。例えば、
図9に示すような、線状凸部77の、水平方向に平行且つ取付面73に平行な方向における寸法w1を、特に大きくできる。一例として、本変形例においても、線状凸部77の寸法w1は、取付壁部13aの、水平方向に平行且つ取付面73に平行な方向(第3方向DC)における寸法w2の、0.5倍以上である。寸法w1は、寸法w2の、0.6倍以上であってもよく、0.7倍以上であってもよく、0.8倍以上であってもよく、0.9倍以上であってもよい。寸法w1を特に大きくすることによって、線状凸部77の作用により、水平方向の広範囲における取付壁部13aの変形を、より効果的に抑制できる。
【0099】
本発明の態様は、上述した実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0100】
10 蓄電素子ユニット
11 筐体
12 フレーム部
12k 取付壁部フレーム部
13 壁部
13a 取付壁部
13b 上壁部
13c 側壁部
13d 上端
13e 下端
14 制御モジュール
20 蓄電素子モジュール
71 貫通孔
72 ねじ
73 取付面
74 接触面
75 取付壁部本体
76 接触部材
77 線状凸部
80 建物
81 壁
82 床
83 巾木