(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044849
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】服薬支援システム、服薬支援方法、および服薬支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 20/10 20180101AFI20240326BHJP
【FI】
G16H20/10
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150624
(22)【出願日】2022-09-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】395011562
【氏名又は名称】三菱電機ITソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】弁理士法人クロスボーダー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青木 三重子
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA25
(57)【要約】
【課題】初期導入が容易で、かつ、目視に頼ることなく確実に服用者を認証することができるシステムを提供することを目的とする。
【解決手段】撮影部220が、薬包の画像を撮影するとともに服用予定者の顔画像を撮影する。文字抽出部110が、薬包の画像から薬包に印字されている文字を抽出する。対応氏名取得部230が、顔情報データベース31を用いて、服用予定者の顔画像を表す顔データに対応する氏名を画像対応氏名として取得する。認証部240は、薬包に印字されている氏名を印字氏名として取得し、印字氏名と画像対応氏名とが同一であると認証できるか否かを判定する。表示部210は、印字氏名と画像対応氏名とが同一であると認証できた場合、認証成功表示を表示する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
服薬介助を支援する服薬支援システムにおいて、
人物の顔画像を表す顔データと前記人物の氏名とが設定されている顔情報データベースを用いて、薬包に入っている薬剤を服用させる予定の服用予定者の顔画像を表す顔データに対応する氏名を画像対応氏名として取得する対応氏名取得部と、
前記薬包を撮影した画像から前記薬包に印字されている文字のうち、氏名を印字氏名として取得し、前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できるか否かを判定する認証部と、
前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できた場合、前記服用予定者が正しい服用者であることを示す認証成功表示を表示する表示部と
を備える服薬支援システム。
【請求項2】
前記顔情報データベースには、前記顔データとして前記顔画像を数値化したデータが設定されており、
前記対応氏名取得部は、
前記服用予定者の顔画像を数値化し、前記服用予定者の顔画像を数値化した顔データに対応する氏名を前記顔情報データベースから前記画像対応氏名として取得する請求項1に記載の服薬支援システム。
【請求項3】
前記表示部は、
前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できなかった場合、前記印字氏名と前記画像対応氏名との認証が失敗したことを示す認証失敗表示を表示する請求項1または請求項2に記載の服薬支援システム。
【請求項4】
前記表示部は、
前記画像対応氏名が取得できなかったことにより、前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できなかった場合、前記画像対応氏名が取得できなかったことを示す顔認証失敗メッセージと、服薬介助者が前記薬剤を服用する服用者を強制登録するための登録ボタンと、前記服薬介助者が前記服用予定者の顔画像を撮り直すための撮り直しボタンとを備える前記認証失敗表示を表示する請求項3に記載の服薬支援システム。
【請求項5】
前記表示部は、
前記印字氏名と前記画像対応氏名とを比較した結果、前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できなかった場合、前記印字氏名と前記画像対応氏名との不一致を示す不一致メッセージと、服薬介助者が前記薬剤を服用する服用者を強制登録するための登録ボタンと、前記服薬介助者が前記服用予定者の顔画像を撮り直すための撮り直しボタンとを備える前記認証失敗表示を表示する請求項3に記載の服薬支援システム。
【請求項6】
前記認証部は、
前記薬包において氏名が印字されている位置を氏名位置として取得し、前記薬包に印字されている文字のうち前記氏名位置に印字されている文字を前記印字氏名として取得する請求項1または請求項2に記載の服薬支援システム。
【請求項7】
服薬介助を支援する服薬支援システムに用いられる服薬支援方法において、
コンピュータが、人物の顔画像を表す顔データと前記人物の氏名とが設定されている顔情報データベースを用いて、薬包に入っている薬剤を服用させる予定の服用予定者の顔画像を表す顔データに対応する氏名を画像対応氏名として取得し、
コンピュータが、前記薬包を撮影した画像から前記薬包に印字されている文字のうち、氏名を印字氏名として取得し、前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できるか否かを判定し、
コンピュータが、前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できた場合、前記服用予定者が正しい服用者であることを示す認証成功表示を表示する服薬支援方法。
【請求項8】
服薬介助を支援する服薬支援システムに用いられる服薬支援プログラムにおいて、
人物の顔画像を表す顔データと前記人物の氏名とが設定されている顔情報データベースを用いて、薬包に入っている薬剤を服用させる予定の服用予定者の顔画像を表す顔データに対応する氏名を画像対応氏名として取得する対応氏名取得処理と、
前記薬包を撮影した画像から前記薬包に印字されている文字のうち、氏名を印字氏名として取得し、前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できるか否かを判定する認証処理と、
前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できた場合、前記服用予定者が正しい服用者であることを示す認証成功表示を表示する表示処理と
をコンピュータに実行させる服薬支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、服薬支援システム、服薬支援方法、および服薬支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療機関あるいは介護施設といった施設では、看護師あるいは介護士といった服薬介助者により、利用者に正しく薬を服薬させるための服薬介助が行われる。服薬介助では、誤薬といった間違いを防止するために服薬介助者を支援する仕組みが導入されている。
例えば、一包化された薬包に印刷されたQRコード(登録商標)を読み取ることで誰の薬であるかを確認し、利用者の名札などに印刷されたQRコード(登録商標)を読み取ることで誰にその薬を渡すかを確認できる仕組みがある。QRは、Quick Responseの略語である。
【0003】
また、特許文献1では、施設の入居者への配薬支援として、薬包から服薬する入居者を特定し、特定した入居者の氏名と顔画像とを携帯端末に表示させる技術が開示されている。特許文献1では、配薬担当者は、携帯端末に表示された顔画像を確認することにより服用者を認識する点を特徴点としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の技術では、薬包内の薬の服用者を特定するために、QRコード(登録商標)といった2次元コードを利用している。しかし、薬包へのQRコード(登録商標)の印字の可否は、調剤薬局が導入している分包機に依存し、必ずしもQRコード(登録商標)を印字できるわけではない。また、薬包へ印字するQRコード(登録商標)の出力フォーマットは決まっておらず、QRコード(登録商標)を使用するシステムにより異なる。よって、システムごとの出力フォーマットに対応できない分包機もあり、QRコード(登録商標)の導入までに時間とコストがかかるという課題がある。
【0006】
また、特許文献1では、誰に渡すかのチェックのために、携帯端末に表示された顔画像を確認することが開示されているが、最終的には顔画像と入居者の本人確認は服薬介助者の目視による。よって、髪形などの変化により同一人物を違う人物と判断する、あるいは、似ている別の人に渡してしまうといった誤りを防ぐとこはできないという課題がある。
【0007】
本開示では、初期導入が容易で、かつ、目視に頼ることなく確実に服用者を認証することができるシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る服薬支援システムは、服薬介助を支援する服薬支援システムにおいて、
人物の顔画像を表す顔データと前記人物の氏名とが設定されている顔情報データベースを用いて、薬包に入っている薬剤を服用させる予定の服用予定者の顔画像を表す顔データに対応する氏名を画像対応氏名として取得する対応氏名取得部と、
前記薬包を撮影した画像から前記薬包に印字されている文字のうち、前記薬包に印字されている氏名を印字氏名として取得し、前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できるか否かを判定する認証部と、
前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できた場合、前記服用予定者が正しいの服用者であることを示す認証成功表示を表示する表示部とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る服薬支援システムでは、薬包の画像から薬包に印字されている文字を抽出して印字氏名を取得するので、2次元コードなどを用いる必要が無い。また、本開示に係る服薬支援システムでは、顔情報データベースを用いて服用予定者の顔画像に対応する画像対応氏名を取得し、印字氏名と画像対応氏名とが同一であると認証できるか否かを判定する。よって、本開示に係る服薬支援システムによれば、初期導入が容易で、かつ、目視に頼ることなく服用者を認証することができるシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1に係る服薬支援システムの全体構成例を示す図。
【
図2】実施の形態1に係る服薬支援装置の構成例を示す図。
【
図3】実施の形態1に係る携帯端末の構成例を示す図。
【
図4】実施の形態1に係る服薬支援システムの動作を示すフロー図。
【
図5】実施の形態1に係る服薬支援装置の記憶部に記憶される利用者データベースとスタッフデータベースの構成例を示す図。
【
図6】実施の形態1に係る携帯端末の記憶部に記憶される顔情報データベースとスタッフ情報データベースの構成例を示す図。
【
図7】実施の形態1に係るステップS130の詳細フロー図。
【
図8】実施の形態1に係る薬包の撮影の様子を示す図。
【
図9】実施の形態1に係る携帯端末の記憶部に記憶される文字情報と認証情報の構成例を示す図。
【
図10】実施の形態1に係るステップS140およびステップS150の詳細フロー図。
【
図11】実施の形態1に係る服用予定者の顔の撮影の様子を示す図。
【
図12】実施の形態1に係るステップS160の詳細フロー図。
【
図13】実施の形態1に係る認証成功表示と認証失敗表示の例を示す図。
【
図14】実施の形態1に係る認証処理における認証結果の種別の例を示す図。
【
図15】実施の形態1に係る認証が失敗した場合における認証情報のバリエーションを示す図。
【
図16】実施の形態1に係る服薬実績データベースの構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本実施の形態について、図を用いて説明する。各図中、同一または相当する部分には、同一符号を付している。実施の形態の説明において、同一または相当する部分については、説明を適宜省略または簡略化する。図中の矢印はデータの流れまたは処理の流れを主に示している。また、以下の図では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、実施の形態の説明において、上、下、左、右、前、後、表、裏といった向きあるいは位置が示されている場合がある。これらの表記は、説明の便宜上の記載であり、装置、器具、あるいは部品などの配置、方向および向きを限定するものではない。
【0012】
実施の形態1.
***構成の説明***
図1は、本実施の形態に係る服薬支援システム500の全体構成例を示す図である。
服薬支援システム500は、医療機関あるいは介護施設といった施設において、服薬介助者(看護師あるいは介護士)による服薬介助を支援するためのシステムである。服薬介助者は、施設の利用者に正しく薬を服薬させるための服薬介助を行う。
服薬支援システム500は、服薬支援装置100と複数の携帯端末200とを備える。服薬支援装置100と携帯端末200とは、ネットワーク300を介して通信する。携帯端末200は、服薬介助者により携帯される端末である。携帯端末200は、例えば、スマートフォン、タブレット、携帯型コンピュータ、あるいはパーソナルコンピュータといった撮影機能を有するコンピュータである。
携帯端末200は、同一施設に複数台あってもよい。また、複数の携帯端末200が、複数の異なる施設にあってもよい。
【0013】
図2は、本実施の形態に係る服薬支援装置100の構成例を示す図である。
図3は、本実施の形態に係る携帯端末200の構成例を示す図である。
【0014】
服薬支援装置100は、コンピュータである。
服薬支援装置100は、プロセッサ910を備えるとともに、メモリ921、補助記憶装置922、入力インタフェース930、出力インタフェース940、および通信装置950といった他のハードウェアを備える。プロセッサ910は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
服薬支援装置100は、機能要素として、文字抽出部110と情報構成部120の各部を備える。記憶部150には、利用者データベース11とスタッフデータベース12と服薬実績データベース13が記憶される。
【0015】
携帯端末200は、コンピュータである。
携帯端末200は、プロセッサ910を備えるとともに、メモリ921、補助記憶装置922、入力インタフェース930、出力インタフェース940、通信装置950、および撮影装置960といった他のハードウェアを備える。プロセッサ910は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。撮影装置960は、カメラである。
携帯端末200は、機能要素として、表示部210と撮影部220と対応氏名取得部230と認証部240の各部を備える。記憶部260には、顔情報データベース31とスタッフ情報データベース32と文字情報33と認証情報34と氏名特定結果35が記憶される。
【0016】
なお、プロセッサ910、メモリ921、補助記憶装置922、入力インタフェース930、出力インタフェース940、表示機器941、および通信装置950の各ハードウェアについては、服薬支援装置100と携帯端末200の両方で同じ符号を用いて説明している。これは、説明を簡単にするために同じ符号を用いているだけであり、服薬支援装置100と携帯端末200との各装置に個別にハードウェアを備えていることは明らかである。
【0017】
服薬支援装置100における各部の機能は、ソフトウェアにより実現される。携帯端末200における各部の機能は、ソフトウェアにより実現される。記憶部150,260の各々は、メモリ921に備えられる。なお、記憶部150,260の各々は、補助記憶装置922に備えられていてもよいし、メモリ921と補助記憶装置922に分散して備えられていてもよい。
【0018】
プロセッサ910は、服薬支援プログラムを実行する装置である。服薬支援プログラムは、服薬支援装置100と携帯端末200の各装置の各部の機能を実現するプログラムである。
プロセッサ910は、演算処理を行うICである。プロセッサ910の具体例は、CPU、DSP、GPUである。ICは、Integrated Circuitの略語である。CPUは、Central Processing Unitの略語である。DSPは、Digital Signal Processorの略語である。GPUは、Graphics Processing Unitの略語である。
【0019】
メモリ921は、データを一時的に記憶する記憶装置である。メモリ921の具体例は、SRAM、あるいはDRAMである。SRAMは、Static Random Access Memoryの略語である。DRAMは、Dynamic Random Access Memoryの略語である。
補助記憶装置922は、データを保管する記憶装置である。補助記憶装置922の具体例は、HDDである。また、補助記憶装置922は、SD(登録商標)メモリカード、CF、NANDフラッシュ、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVDといった可搬の記憶媒体であってもよい。なお、HDDは、Hard Disk Driveの略語である。SD(登録商標)は、Secure Digitalの略語である。CFは、CompactFlash(登録商標)の略語である。DVDは、Digital Versatile Diskの略語である。
【0020】
入力インタフェース930は、マウス、キーボード、あるいはタッチパネルといった入力装置と接続されるポートである。入力インタフェース930は、具体的には、USB端子である。なお、入力インタフェース930は、LANと接続されるポートであってもよい。USBは、Universal Serial Busの略語である。LANは、Local Area Networkの略語である。
【0021】
出力インタフェース940は、ディスプレイといった表示機器941が接続される。出力インタフェース940は、具体的には、USB端子またはHDMI(登録商標)端子である。ディスプレイは、具体的には、LCDである。HDMI(登録商標)は、High Definition Multimedia Interfaceの略語である。LCDは、Liquid Crystal Displayの略語である。
【0022】
通信装置950は、LAN、Wi-Fi(登録商標)、インターネット、あるいは電話回線といった通信網に接続している。
【0023】
服薬支援プログラムは、服薬支援装置100と携帯端末200の各装置において実行される。服薬支援プログラムは、プロセッサ910に読み込まれ、プロセッサ910によって実行される。メモリ921には、服薬支援プログラムだけでなく、OSも記憶されている。OSは、Operating Systemの略語である。プロセッサ910は、OSを実行しながら、服薬支援プログラムを実行する。服薬支援プログラムおよびOSは、補助記憶装置922に記憶されていてもよい。補助記憶装置922に記憶されている服薬支援プログラムおよびOSは、メモリ921にロードされ、プロセッサ910によって実行される。なお、服薬支援プログラムの一部または全部がOSに組み込まれていてもよい。
【0024】
服薬支援装置100と携帯端末200の各装置の各部の「部」を「回路」、「工程」、「手順」、「処理」、あるいは「サーキットリー」に読み替えてもよい。服薬支援プログラムは、服薬支援装置100と携帯端末200との各装置の各部を読み替えた処理を、コンピュータに実行させる。服薬支援装置100と携帯端末200との各装置の各部を読み替えた処理の「処理」を「プログラム」、「プログラムプロダクト」、または「プログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体」に読み替えてもよい。服薬支援プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に格納されて提供されてもよい。また、服薬支援プログラムは、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0025】
***動作の説明***
次に、本実施の形態に係る服薬支援システム500の動作について説明する。服薬支援システム500の動作手順は、服薬支援方法に相当する。また、服薬支援システム500の動作を実現するプログラムは、服薬支援プログラムに相当する。
【0026】
図4は、本実施の形態に係る服薬支援システム500の動作を示すフロー図である。
【0027】
<初期処理:ステップS110>
服薬支援処理が起動されると、ステップS110において、携帯端末200の表示部210は、初期画面を表示機器941に表示する。また、携帯端末200の認証部240は、通信装置950を介して、服薬支援装置100から顔情報データベース31およびスタッフ情報データベース32に設定する情報を取得する。
具体的には、認証部240は、服薬介助者が所属する施設における利用者の顔情報とスタッフのスタッフ情報とを服薬支援装置100から取得し、顔情報データベース31およびスタッフ情報データベース32として記憶部260に記憶する。
【0028】
ステップS110の処理は、例えば、携帯端末200の電源がオンになったときに開始される。毎朝決まった時刻に携帯端末200の電源がオンになる運用であれば、顔情報データベース31およびスタッフ情報データベース32は、毎朝リセットされる。
【0029】
図5は、本実施の形態に係る服薬支援装置100の記憶部150に記憶される利用者データベース11とスタッフデータベース12の構成例を示す図である。
【0030】
利用者データベース11には、服薬支援システム500を利用する全施設における全利用者の情報が設定されている。
利用者データベース11には、施設ID111、利用者ID112、利用者名113、フリガナ114、顔データ115といった情報が設定される。また、生年月日、性別、特記事項、および識別子といった利用者に関する情報が設定されていてもよい。識別子は、例えば同名の利用者が存在する場合に個人を特定するための情報である。
顔データ115は、利用者である人物の顔画像に基づき予め生成されたデータである。顔データ115は、人物の顔画像を表すデータである。具体的には、顔データ115は人物の顔画像を数値化したデータである。
【0031】
スタッフデータベース12には、服薬支援システム500を利用する全施設の全スタッフの情報が設定されている。
スタッフデータベース12には、施設ID121、スタッフID122、および名前123といった情報が設定されている。
【0032】
図6は、本実施の形態に係る携帯端末200の記憶部260に記憶される顔情報データベース31とスタッフ情報データベース32の構成例を示す図である。
顔情報データベース31には、利用者名311と顔データ312が設定される。顔情報データベース31に設定される利用者は、携帯端末200を所持する服薬介助者が所属する施設の利用者である。
スタッフ情報データベース32には、スタッフID321と名前322が設定される。スタッフ情報データベース32に設定されるスタッフは、携帯端末200を所持する服薬介助者が所属する施設のスタッフである。
【0033】
例えば、認証部240は、顔情報およびスタッフ情報の情報送信要求であって、携帯端末200を所持する服薬介助者が所属する施設の施設IDを含む情報送信要求を服薬支援装置100に送信する。服薬支援装置100は、情報送信要求を受信すると、情報送信要求に含まれる施設IDを用いて、利用者データベース11およびスタッフデータベース12を検索し、当該施設IDに含まれる利用者およびスタッフの情報を携帯端末200に送信する。
【0034】
すなわち、顔情報データベース31は、服薬支援装置100の利用者データベース11から、当該施設IDに対応する利用者名と顔データを抜き出したものとなる。また、スタッフ情報データベース32は、服薬支援装置100のスタッフデータベース12から、当該施設IDに対応するスタッフIDとスタッフの名前を抜き出したものとなる。
【0035】
<スタッフの認証処理:ステップS120>
ステップS120において、認証部240は、服薬介助者といったスタッフの認証を行う。スタッフ認証の手法は問わない。例えば、認証部240は、表示部210を用いてスタッフ情報データベース32に基づくスタッフIDまたは氏名、あるいは両方を表示し、スタッフ自身からの選択を受け付けることにより、スタッフ認証を行う。あるいは、スタッフ情報データベース32にスタッフの顔画像を表す顔データを予め設定しておき、認証部240は、撮影装置960を用いてスタッフ自ら撮影した顔画像を用いて顔認証を行うことによりスタッフ認証を行ってもよい。
【0036】
<薬包画像撮影処理および文字抽出処理:ステップS130>
ステップS130において、携帯端末200の撮影部220は、撮影装置960により、薬包を撮影する薬包画像撮影処理を実施する。そして、撮影部220は、撮影により得られた薬包の画像を服薬支援装置100に送信する。服薬支援装置100の文字抽出部110は、携帯端末200から薬包の画像を受信し、薬包に印字されている文字を抽出する。服薬支援装置100の文字抽出部110は、抽出した文字を文字情報として携帯端末200の撮影部220に送信する。
【0037】
図7は、本実施の形態に係るステップS130の詳細フロー図である。
図8は、本実施の形態に係る薬包51の撮影の様子を示す図である。
ステップS131において、携帯端末200の表示部210は、薬包51を撮影するための薬包撮影開始画面61を表示する。
【0038】
ステップS132において、携帯端末200の撮影部220は、撮影装置960により、薬包51の画像を撮影する。具体的には、薬包撮影開始画面61は表示されると、服薬介助者は服用予定者に服用させる予定の薬包51を、薬包撮影開始画面61を介して撮影する。そして、撮影部220は、通信装置950を介して、薬包51の画像を服薬支援装置100に送信する。
【0039】
薬包撮影開始画面61には薬包51をセットする位置がガイドとして表示され、服薬介助者はガイドにしたがって薬包51をセットして撮影する。
薬包51は、1回に服薬する薬を組み合わせて1包化したものである。薬包51は、薬局において1包化され、服用者の名前、服用する日付、および服用タイミング(「朝食前」、「朝食後」等)といった情報が印字される。
【0040】
ステップS133において、服薬支援装置100では、携帯端末200から薬包51の画像を受信する。服薬支援装置100の文字抽出部110は、受信した薬包51の画像から、薬包51に印字されている文字を抽出する。
図8の例では、「〇川 たろう 様 2022年7月22日(金) 朝食後」といった文字が抽出される。
文字抽出部110は、抽出した文字を文字情報として携帯端末200に送信する。なお、ここでは、文字の意味については判定しない。文字抽出部110は、既存の文字認識技術を用いて、文字の区切りを認識し、画像の左上から認識した文字列を順番に携帯端末200に送信する。また認識した文字列の認識箇所をピクセル情報として合わせて送信する。このピクセル情報は、矩形で文字列の領域を特定するため、認識した文字列の左上と、右下であることが望ましい。しかし左上の1か所のみでもよく、あるいは左上、右上、右下、左下の4か所のピクセル情報を含んでもよい。
【0041】
ステップS134において、携帯端末200の撮影部220は、服薬支援装置100から文字情報を受信すると、その文字情報を文字情報33として記憶部260に記憶する。
【0042】
図9は、本実施の形態に係る携帯端末200の記憶部260に記憶される文字情報33と認証情報34と氏名特定結果35の構成例を示す図である。
図9における文字情報33は、
図8の薬包51の画像例から抽出された文字情報を示している。服薬支援装置100から送信された文字情報は、「日付」、「名前」、「服用タイミング」に対応する内容であるが、上述したように項目や文字の意味は取得されない。よって、文字情報33には、服薬支援装置100において分離して読み取られた文字列ごとに格納されるのみである。
図9における項目1、項目2、項目3は便宜上記載しているだけで意味はないものとする。また
図9には図示していないが、それぞれの文字列と文字列が取得された位置情報(ピクセル情報)が合わせて記録されているものとする。
なお、認証情報34および氏名特定結果35については後述する。
【0043】
【0044】
<顔画像撮影処理:ステップS140>
ステップS140において、携帯端末200の撮影部220は、撮影装置960により、薬包51に入っている薬剤を服用させる予定の服用予定者52の顔画像を撮影する。
服用予定者52は、服薬介助者が薬包51の服薬介助を実施する対象の人物である。
【0045】
<対応氏名取得処理:ステップS150>
携帯端末200の対応氏名取得部230は、顔情報データベース31から、服用予定者52の顔画像を表す顔データに対応する氏名を画像対応氏名125として取得する。
【0046】
図10は、本実施の形態に係るステップS140およびステップS150の詳細フロー図である。
図10を用いて、ステップS140における服用予定者52の顔を撮影する顔画像撮影処理と、ステップS150における対応氏名取得処理について説明する。
【0047】
ステップS141において、携帯端末200の表示部210は、服用予定者52の顔を撮影するための予定者撮影開始画面62を表示する。このとき、薬包51に印字されている文字である文字情報33が記憶されていれば、文字情報33の内容も表示してもよい。
ステップS142において、携帯端末200の撮影部220は、撮影装置960により、服用予定者52の顔を撮影する。具体的には、予定者撮影開始画面62が表示されると、服薬介助者は、予定者撮影開始画面62において示される円等の領域内に服用予定者52の顔が入るように、服用予定者52の顔を撮影する。
【0048】
図11は、本実施の形態に係る服用予定者52の顔の撮影の様子を示す図である。
図11の左図では、表示部210が予定者撮影開始画面62を表示する。このとき、薬包51に印字されている文字である文字情報33が記憶部260に記憶されていれば、文字情報33の内容も表示してもよい。
予定者撮影開始画面62には服用予定者52の顔の位置がガイドとして表示される。そして、右図に示すように、服薬介助者はガイドにしたがって服用予定者52の顔を撮影する。
【0049】
ステップS143において、対応氏名取得部230は、撮影により得られた服用予定者52の顔画像を数値化する。顔画像を数値化する手法はどのような手法を採用してもよい。
【0050】
対応氏名取得部230は、数値化された顔データに対応する氏名を顔情報データベース31から画像対応氏名53として取得する。
具体的には、以下の通りである。
【0051】
ステップS144において、対応氏名取得部230は、数値化された服用予定者52の顔データを用いて、顔情報データベース31を検索し、同一と判定できる顔データ312が存在するか否かを判定する。ステップS144での判定は全く同じ数値であるかどうかの判定ではなく、一定の揺らぎを許容するような判定でもよい。揺らぎの範囲、揺らぎを含む同じか否かの判定には、どのような技術を採用してもよい。
【0052】
同一と判定できる顔データ312が存在する場合、ステップS145に進む。
同一と判定できる顔データ312が存在しない場合、ステップS146に進む。
【0053】
ステップS145において、対応氏名取得部230は、顔情報データベース31から、服用予定者52の顔データと同一と判定できる顔データ312に対応する氏名を画像対応氏名53として取得する。対応氏名取得部230は、取得した画像対応氏名53を記憶部260の氏名特定結果35に一時的に記憶する。
【0054】
ステップS146では、服用予定者52の顔データと同一と判定できる顔データ312が、顔情報データベース31に存在しない。そのため、対応氏名取得部230は、記憶部260の氏名特定結果35をnullとする。
氏名特定結果35は、服用予定者52の顔データにより、顔情報データベース31から氏名を特定することができたか否かの結果を一時的に設定する情報である。服用予定者52の顔データから画像対応氏名53が特定できれば、氏名特定結果35には特定した画像対応氏名53が設定される。一方、服用予定者52の顔データから画像対応氏名53が特定できなければ、氏名特定結果35はnullとなる。画像対応氏名53が特定できないことがわかれば、null以外のデータでもよい。
【0055】
なお、薬包51の撮影処理と服用予定者52の顔画像撮影処理の順序については逆でもよい。ステップS130からステップS150で説明した機能を実現することができれば、ステップS130からステップS150に含まれる処理の順序は問わない。
また、ステップS144において、同一と判定できる顔データ312が存在しない場合、対応氏名取得部230は、予定者撮影開始画面62において服用予定者52の顔画像の再撮影を促してもよい。
【0056】
【0057】
<認証処理:ステップS160>
携帯端末200の認証部240は、薬包51に印字されている文字である文字情報33から、薬包51に印字されている氏名を印字氏名54として取得する。そして、認証部240は、印字氏名54と画像対応氏名53とが同一であると認証できるか否かを判定する。
具体的には、以下の通りである。
【0058】
図12は、本実施の形態に係るステップS160の詳細フロー図である。
ステップS161において、認証部240は、文字情報33から、薬包51に印字されている氏名を印字氏名54として取得する。
上述したように、文字情報33には、薬包51に印字されているすべての文字列が設定されている。よって、認証部240は、そこから氏名を抽出する必要がある。文字情報33から氏名を印字氏名54として取得する手法は、例えば、以下の通りである。
【0059】
認証部240は、薬包の画像において氏名が印字されている位置を氏名位置として取得する。氏名位置は、予め記憶部260に記憶されている。認証部240は、薬包51に印字されている文字のうち氏名位置に印字されている文字を印字氏名54として取得する。
図8の薬包51の例では、氏名位置として、薬包の画像における左上を起点としたピクセル情報が氏名を印字する位置であると予め携帯端末200に記憶されているものとする。認証部240は、文字情報33と氏名位置として記憶されたピクセル情報との比較により、印字氏名54の特定を行う。文字情報33の位置情報とピクセル情報とは薬包51の撮影時の手振れなどにより一致しない可能性もあるが、一定の許容範囲により印字氏名54を特定するように構成してもよい。
【0060】
また、認証部240は、「様」や「殿」の文字を特定し、その前の文字列を印字氏名54として取得してもよい。
また、文字情報33の日付とタイミング情報は比較対象にならないように、数字の入った日付、「朝食後」あるいは「食前」といった単語を排除する処理を行って、残りの文字列を印字氏名54として取得してもよい。
この特定方法によると、携帯端末200に氏名位置情報を記憶しておく必要はない。
【0061】
ステップS162において、認証部240は、印字氏名54と画像対応氏名53とが同一であると認証できるか否かを判定する。
まず、認証部240は、記憶部260の氏名特定結果35を参照する。
氏名特定結果35がnullの場合、画像対応氏名53が取得できなかったことを示している。よって、印字氏名54と画像対応氏名53とを比較できず、同一であるかどうかを認証できない。このため、氏名特定結果35がnullの場合はステップS164に進む。
【0062】
氏名特定結果35に画像対応氏名53が設定されていれば、認証部240は、印字氏名54と画像対応氏名53とを比較する。
印字氏名54と画像対応氏名53とが同一であると認証できた場合、ステップS163に進む。
印字氏名54と画像対応氏名53とが同一であると認証できない場合、ステップS164に進む。
印字氏名54と画像対応氏名53とが同一であると認証できるか否かは、完全一致を条件としてもよいし、同一であるための条件を予め設定しておいてもよい。例えば、「大」と「太」のように類似する文字のみの一文字違いの場合は同一であると認証する、といった条件を予め設定しておいてもよい。
本実施の形態では、印字氏名54と画像対応氏名53との文字列の完全一致で同一であると認証できるものとする。
【0063】
図13は、本実施の形態に係る認証成功表示21と認証失敗表示22の例である。
ステップS163において、表示部210は、服用予定者52が正しい服用者であることを示す認証成功表示21を表示する。
図13の(a)に示す認証成功表示21では、認証成功を表す認証成功メッセージ211と、認証成功を表す丸の中に正しい服用者である服用予定者52の氏名、日付、および服用タイミングが表示されている。
【0064】
ステップS164では、表示部210は、印字氏名54と画像対応氏名53との認証が失敗したことを示す認証失敗表示22を表示する。認証失敗には、顔認証に関連して画像対応氏名53が取得できないことに起因する失敗(ステップS140~ステップS150、
図13の(b))と、薬包51の撮影に関連して印字氏名54の誤認識に起因する失敗(ステップS130、
図13の(c))とが考えられる。
【0065】
図13の(b)は、氏名特定結果35がnullの場合、すなわち画像対応氏名53が取得できないことにより、印字氏名54と画像対応氏名53とが同一であると認証できなかった場合の認証失敗表示22である。例えば、服用予定者52の顔がマスクで隠れていた、撮影時の顔の角度が適切でない、あるいは照度不足といった要因により顔認証自体が失敗して、画像対応氏名53が取得できなかった場合である。または服用予定者52の顔データが、利用者データベース11に登録されていない、登録漏れの可能性もある。
この場合は、表示部210は、顔認証失敗メッセージ221と、薬包の画像から文字認識した情報である文字情報33と、薬包の画像222と、登録ボタン223と、撮り直しボタン224とを備える認証失敗表示22を表示する。
顔認証失敗メッセージ221は、画像対応氏名53が取得できなかったことを示すメッセージである。登録ボタン223は、服薬介助者が薬剤を服用する服用者を強制登録するためのボタンである。ここでは、服用予定者52の氏名の候補の一覧を表示して、服薬介助者により強制登録する服用予定者52の氏名を選択可能としている。登録ボタン223は、選択式ではなく、強制登録する服用予定者52の氏名を入力する方式でもよい。撮り直しボタン224は、服薬介助者が服用予定者52の顔画像を撮り直すためのボタンである。
表示部210は、服用予定者52の氏名の候補として、例えば、印字氏名54を先頭に表示し、さらに同施設内の利用者の氏名のうち、印字氏名54と類似する氏名が抽出されれば表示する。印字氏名54と1文字違い、2文字違いといった氏名、あるいは、同施設内の利用者の氏名すべてを表示してもよい。
【0066】
図13の(c)は、印字氏名54と画像対応氏名53とを比較した結果、印字氏名54と画像対応氏名53とが不一致であり、印字氏名54と画像対応氏名53とが同一であると認証できなかった場合の認証失敗表示22である。
この場合は、表示部210は、不一致メッセージ231と、印字氏名54及び画像対応氏名53及びそれぞれだと判別できる説明文と、薬包の画像232と、登録ボタン233と、撮り直しボタン234とを備える認証失敗表示22を表示する。
不一致メッセージ231は、印字氏名54と画像対応氏名53との不一致を示すメッセージである。登録ボタン233は、服薬介助者が薬剤を服用する服用者を強制登録するためのボタンである。
図13の(c)では、登録ボタン233が選択されると画像対応氏名53を登録する。あるいは、強制登録する服用予定者52の氏名を入力する方式であってもよい。ここで登録ボタン233が選択されると画像対応氏名53を登録するのは、認証失敗が印字氏名54の誤認識に起因すると想定した動作によるためである。
図13の(c)の認証失敗表示22では、顔認証はOK(登録済みの顔)であったが、印字氏名54と画像対応氏名53が一致しない場合が想定される。よって、認証失敗表示22において、印字氏名54を取得した際の読み取り間違いの示唆を行ってもよい。例えば、1文字違いではないか、類似文字の認識間違いではないか、あるいは、文字が欠落してしまったのではないかといった間違いの示唆を認証失敗表示22に表示してもよい。
一方、
図13の(c)の状態は薬包51の撮影時の印字氏名54の誤認識に起因する失敗によらず、服用予定者52以外の顔画像撮影に起因する場合も想定される。撮り直しボタン234は、服薬介助者がそれに気づいたときに服用予定者52の顔画像を取り直しためのボタンである。
【0067】
次にステップS165において、認証部240は、認証結果に基づいて認証情報34を生成する。そして、認証部240は、生成した認証情報34を服薬支援装置100に送信する。
図9に示す認証情報34には、施設ID341、顔認証日時342、認証結果343、画像対応氏名344、印字氏名345、スタッフID346、薬包読み取り文字347、および服薬介助メモ348が設定される。服薬介助メモ348は、服薬介助者が任意に入力するメモである。その他、ハイリスク薬といった薬の情報を入力できるように構成してもよい。
図9に示す認証情報34は、認証結果がOK、すなわち認証が成功した場合の設定例である。
【0068】
図14は、本実施の形態に係る認証処理における認証結果の種別の例である。
図14に示すように、認証情報34における認証結果に設定する種別には、例えばOK、NG1、NG2がある。
種別「OK」は、ステップS144における顔認証が成功し、ステップS162における印字氏名54と画像対応氏名53の比較結果も一致した場合である。このとき、最終結果が認証成功となる。
図13(a)に示すような認証成功表示21が表示される。
種別「NG1」は、ステップS144における顔認証が成功したが、ステップS162における印字氏名54と画像対応氏名53の比較結果が一致しない場合である。このとき、最終結果は認証失敗となる。
図13(c)に示すような認証失敗表示22が表示される。服薬介助者は、服用予定者52への直接聞き取り、あるいは目視といった確認方法で正しい服用者を確認し、服用者を強制登録する場合がある。
種別「NG2」は、ステップS144における顔認証が失敗したため、ステップS162における印字氏名54と画像対応氏名53の比較ができなかった場合である。このとき、最終結果は認証失敗となる。
図13(b)に示すような認証失敗表示22が表示される。この場合も、服薬介助者は、服用予定者52への直接聞き取り、あるいは目視といった確認方法で正しい服用者を確認し、服用者を強制登録する場合がある。なお、種別「NG2」は、顔認証が失敗した時点で再撮影を促すことにより、発生頻度を少なくすることができる。
【0069】
上述したように、服薬介助者が、服用予定者52への直接聞き取り、あるいは目視といった確認方法で正しい服用者を確認し、服用者を強制登録する場合の認証結果の種別は「強制OK」となる。
【0070】
図15は、本実施の形態に係る認証が失敗した場合における認証情報34のバリエーションを示す図である。なお、
図15では、薬包読み取り文字の記載を省略している。
【0071】
<バリエーション1>
図15(a)では、印字氏名54と画像対応氏名53とは取得できたが、印字氏名54と画像対応氏名53とが一致せず「NG1」となったケースの認証情報34を示している。例えば、印字氏名54の取得時に、ごみなどにより「大△花子」を「太△花子」と読み取ってしまった場合である。服薬介助者は、
図13の(c)の認証失敗表示22を確認後、服用予定者52が「大△花子」さんであることを確認し、登録ボタン233により「大△花子」さんで認証結果「強制OK」として登録する。
【0072】
<バリエーション2>
図15(b)では、顔認証に失敗し、画像対応氏名53が取得できず「NG2」となったケースの認証情報34を示している。例えば、顔画像の取得時に何度も横を向いてしまったなどにより、顔認証ができなかった場合である。服薬介助者は、
図13の(b)の認証失敗表示22を確認後、服用予定者52が「大△花子」さんであることを確認し、登録ボタン223により「大△花子」さんで認証結果「強制OK」として登録する。
【0073】
<バリエーション3>
図15(c)では、印字氏名54と画像対応氏名53とは取得できたが、印字氏名54と画像対応氏名53とが一致せず「NG1」となったケースの認証情報34を示している。ここでは、服薬介助者が誤って、服用予定者52と似ている別の高齢者の顔画像を撮影してしまった場合などである。服薬介助者は、
図13の(c)の認証失敗表示22を確認後、撮り直しボタン234により服用予定者52を撮り直し、認証が成功して認証結果「OK」の認証情報34を生成した例となる。
【0074】
ステップS166において、服薬支援装置100の情報構成部120は、携帯端末200から認証情報34を受信し、服薬実績データベース13に蓄積する。
ステップS167において、認証部240は、文字情報33、認証情報34,および氏名特定結果35といった情報を初期化する。
【0075】
図16は、本実施の形態に係る服薬実績データベース13の構成例を示す図である。なお、
図16では、薬包読み取り文字の記載を省略している。
服薬実績データベース13には、服薬支援システム500を利用する全ての施設における認証情報34が蓄積される。服薬実績データベース13の項目は、認証情報34の項目と同様である。
【0076】
***他の構成***
本実施の形態では、服薬支援システム500の各装置の各部の機能がソフトウェアで実現される。変形例として、服薬支援システム500の各装置の各部の機能がハードウェアで実現されてもよい。
具体的には、服薬支援装置100と携帯端末200は、プロセッサ910に替えて電子回路を備えてもよい。
【0077】
電子回路は、服薬支援システム500の各装置の各部の機能を実現する専用の電子回路である。電子回路は、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA、ASIC、または、FPGAである。GAは、Gate Arrayの略語である。ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略語である。FPGAは、Field-Programmable Gate Arrayの略語である。
【0078】
別の変形例として、服薬支援システム500の各装置の各部の一部の機能が電子回路で実現され、残りの機能がソフトウェアで実現されてもよい。また、服薬支援システム500の各装置の各部の一部またはすべての機能がファームウェアで実現されてもよい。
【0079】
プロセッサと電子回路の各々は、プロセッシングサーキットリとも呼ばれる。つまり、服薬支援システム500の各装置の各部の機能は、プロセッシングサーキットリにより実現される。
【0080】
***本実施の形態の効果の説明***
以上のように、本実施の形態に係る服薬支援システム500では、薬包を撮影した画像から薬包に印字されている文字のうち、氏名を印字氏名として取得する。そして、取得された印字氏名と、服用予定者の顔画像を表す顔データに対応する氏名である画像対応氏名とが同一であると認証できるか否かを判定する。このように、本実施の形態に係る服薬支援システム500では、服薬の対象となる薬の薬包に印字された文字から本人情報を識別し、顔認証で取得した氏名と薬包に印字された氏名とを比較して服用者の認証を行う。このため、服薬介助者は目視で本人を認証する必要がない。よって、本実施の形態に係る服薬支援システム500によれば、確実性が高い認証を実施することができる。
【0081】
また、本実施の形態に係る服薬支援システム500では、カメラ付の携帯端末で構築できるシステムのため、施設において新たな設備投資は不要である。さらに、薬包には服薬者氏名が印字されていればよく、QRコード(登録商標)といった2次元コードなどの付加情報の印字は不要である。そのため、本実施の形態に係る服薬支援システム500では、薬局あるいは分包機メーカーなどとの調整が不要となり、初期導入が簡単となる。
【0082】
また、本実施の形態に係る服薬支援システム500では、服用予定者の顔画像を数値化し、数値化した顔データに対応する氏名を顔情報データベースから画像対応氏名として取得する。このように、本実施の形態に係る服薬支援システム500によれば、数値化したデータで顔画像の比較をすることができ、処理負荷を低減させることができる。
【0083】
また、本実施の形態に係る服薬支援システム500では、最終的な服用者に認証は印字氏名と画像対応氏名の比較といった文字列比較で行われる。よって、本実施の形態に係る服薬支援システム500によれば、処理負荷の少ない文字列比較により、目視に頼ることのない正確な認証を行うことができる。
【0084】
また、本実施の形態に係る服薬支援システム500では、画像対応氏名が取得できなかった場合の認証失敗表示と、印字氏名と画像対応氏名が不一致の場合の認証失敗表示とで、異なる表示とすることができる。よって、本実施の形態に係る服薬支援システム500によれば、施設で起こり得る様々なケースに対応した適切な服薬介助支援を実現することができる。
【0085】
以上の実施の形態1では、服薬支援システム500の各装置の各部を独立した機能ブロックとして説明した。しかし、服薬支援システム500の各装置の構成は、上述した実施の形態のような構成でなくてもよい。例えば、服薬支援装置100で実施する文字抽出処理を携帯端末200で実施してもよい。服薬支援システム500の各装置の機能ブロックは、上述した実施の形態で説明した機能を実現することができれば、どのような構成でもよい。
また、実施の形態1のうち、複数の部分を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、この実施の形態のうち、1つの部分を実施しても構わない。その他、この実施の形態を、全体としてあるいは部分的に、どのように組み合わせて実施しても構わない。
すなわち、実施の形態1では、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【0086】
なお、上述した実施の形態は、本質的に好ましい例示であって、本開示の範囲、本開示の適用物の範囲、および本開示の用途の範囲を制限することを意図するものではない。上述した実施の形態は、必要に応じて種々の変更が可能である。例えば、フロー図あるいはシーケンス図を用いて説明した手順は、適宜に変更してもよい。
【0087】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0088】
(付記1)
服薬介助を支援する服薬支援システムにおいて、
人物の顔画像を表す顔データと前記人物の氏名とが設定されている顔情報データベースを用いて、薬包に入っている薬剤を服用させる予定の服用予定者の顔画像を表す顔データに対応する氏名を画像対応氏名として取得する対応氏名取得部と、
前記薬包を撮影した画像から前記薬包に印字されている文字のうち、前記薬包に印字されている氏名を印字氏名として取得し、前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できるか否かを判定する認証部と、
前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できた場合、前記服用予定者が正しい服用者であることを示す認証成功表示を表示する表示部と
を備える服薬支援システム。
(付記2)
前記顔情報データベースには、前記顔データとして前記顔画像を数値化したデータが設定されており、
前記対応氏名取得部は、
前記服用予定者の顔画像を数値化し、前記服用予定者の顔画像を数値化した顔データに対応する氏名を前記顔情報データベースから前記画像対応氏名として取得する付記1に記載の服薬支援システム。
(付記3)
前記表示部は、
前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できなかった場合、前記印字氏名と前記画像対応氏名との認証が失敗したことを示す認証失敗表示を表示する付記1または付記2に記載の服薬支援システム。
(付記4)
前記表示部は、
前記画像対応氏名が取得できなかったことにより、前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できなかった場合、前記画像対応氏名が取得できなかったことを示す顔認証失敗メッセージと、服薬介助者が前記薬剤を服用する服用者を強制登録するための登録ボタンと、前記服薬介助者が前記服用予定者の顔画像を撮り直すための撮り直しボタンとを備える前記認証失敗表示を表示する付記3に記載の服薬支援システム。
(付記5)
前記表示部は、
前記印字氏名と前記画像対応氏名とを比較した結果、前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できなかった場合、前記印字氏名と前記画像対応氏名との不一致を示す不一致メッセージと、服薬介助者が前記薬剤を服用する服用者を強制登録するための登録ボタンと、前記服薬介助者が前記服用予定者の顔画像を撮り直すための撮り直しボタンとを備える前記認証失敗表示を表示する付記3に記載の服薬支援システム。
(付記6)
前記認証部は、
前記薬包において氏名が印字されている位置を氏名位置として取得し、前記薬包に印字されている文字のうち前記氏名位置に印字されている文字を前記印字氏名として取得する付記1から付記5のいずれか1項に記載の服薬支援システム。
(付記7)
服薬介助を支援する服薬支援システムに用いられる服薬支援方法において、
コンピュータが、人物の顔画像を表す顔データと前記人物の氏名とが設定されている顔情報データベースを用いて、薬包に入っている薬剤を服用させる予定の服用予定者の顔画像を表す顔データに対応する氏名を画像対応氏名として取得し、
コンピュータが、前記薬包を撮影した画像から前記薬包に印字されている文字のうち、前記薬包に印字されている氏名を印字氏名として取得し、前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できるか否かを判定し、
コンピュータが、前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できた場合、前記服用予定者が正しい服用者であることを示す認証成功表示を表示する服薬支援方法。(付記8)
服薬介助を支援する服薬支援システムに用いられる服薬支援プログラムにおいて、
人物の顔画像を表す顔データと前記人物の氏名とが設定されている顔情報データベースを用いて、薬包に入っている薬剤を服用させる予定の服用予定者の顔画像を表す顔データに対応する氏名を画像対応氏名として取得する対応氏名取得処理と、
前記薬包を撮影した画像から前記薬包に印字されている文字のうち、前記薬包に印字されている氏名を印字氏名として取得し、前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できるか否かを判定する認証処理と、
前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できた場合、前記服用予定者が正しい服用者であることを示す認証成功表示を表示する表示処理と
をコンピュータに実行させる服薬支援プログラム。
【符号の説明】
【0089】
11 利用者データベース、111,121,341 施設ID、112 利用者ID、113,311 利用者名、114 フリガナ、115,312 顔データ、12 スタッフデータベース、122,321,346 スタッフID、123,322 名前、13 服薬実績データベース、31 顔情報データベース、32 スタッフ情報データベース、33 文字情報、34 認証情報、342 顔認証日時、343 認証結果、344 画像対応氏名、345 印字氏名、347 薬包読み取り文字、348 服薬介助メモ、35 氏名特定結果、51 薬包、52 服用予定者、53 画像対応氏名、54 印字氏名、61 薬包撮影開始画面、62 予定者撮影開始画面、100 服薬支援装置、110 文字抽出部、120 情報構成部、150,260 記憶部、21 認証成功表示、211 認証成功メッセージ、22 認証失敗表示、221 顔認証失敗メッセージ、222、232 薬包の画像、223,233 登録ボタン、224,234 撮り直しボタン、231 不一致メッセージ、200 携帯端末、210 表示部、220 撮影部、230 対応氏名取得部、240 認証部、300 ネットワーク、500 服薬支援システム、910 プロセッサ、921 メモリ、922 補助記憶装置、930 入力インタフェース、940 出力インタフェース、941 表示機器、950 通信装置、960 撮影装置。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
服薬介助を支援する服薬支援システムにおいて、
人物の顔画像を表す顔データと前記人物の氏名とが設定されている顔情報データベースを用いて、薬包に入っている薬剤を服用させる予定の服用予定者の顔画像を表す顔データに対応する氏名を画像対応氏名として取得する対応氏名取得部と、
前記薬包を撮影した画像から前記薬包に印字されている文字のうち、氏名を印字氏名として取得し、前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できるか否かを判定する認証部と、
前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できた場合、前記服用予定者が正しい服用者であることを示す認証成功表示を表示する表示部と
を備え、
前記表示部は、
前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できなかった場合、前記印字氏名と前記画像対応氏名との認証が失敗したことを示す認証失敗表示を表示し、
前記表示部は、
前記画像対応氏名が取得できなかったことにより、前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できなかった場合、前記画像対応氏名が取得できなかったことを示す顔認証失敗メッセージと、前記服薬介助者が前記服用予定者の顔画像を撮り直すための撮り直しボタンとを備える前記認証失敗表示を表示する服薬支援システム。
【請求項2】
服薬介助を支援する服薬支援システムにおいて、
人物の顔画像を表す顔データと前記人物の氏名とが設定されている顔情報データベースを用いて、薬包に入っている薬剤を服用させる予定の服用予定者の顔画像を表す顔データに対応する氏名を画像対応氏名として取得する対応氏名取得部と、
前記薬包を撮影した画像から前記薬包に印字されている文字のうち、氏名を印字氏名として取得し、前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できるか否かを判定する認証部と、
前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できた場合、前記服用予定者が正しい服用者であることを示す認証成功表示を表示する表示部と
を備え、
前記表示部は、
前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できなかった場合、前記印字氏名と前記画像対応氏名との認証が失敗したことを示す認証失敗表示を表示し、
前記表示部は、
前記印字氏名と前記画像対応氏名とを比較した結果、前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できなかった場合、前記印字氏名と前記画像対応氏名との不一致を示す不一致メッセージと、前記服薬介助者が前記服用予定者の顔画像を撮り直すための撮り直しボタンとを備える前記認証失敗表示を表示する服薬支援システム。
【請求項3】
前記表示部は、
前記認証失敗表示として服薬介助者が前記薬剤を服用する服用者を強制登録するための登録ボタンを表示する請求項1または請求項2に記載の服薬支援システム。
【請求項4】
前記顔情報データベースには、前記顔データとして前記顔画像を数値化したデータが設定されており、
前記対応氏名取得部は、
前記服用予定者の顔画像を数値化し、前記服用予定者の顔画像を数値化した顔データに対応する氏名を前記顔情報データベースから前記画像対応氏名として取得する請求項1または請求項2に記載の服薬支援システム。
【請求項5】
前記認証部は、
前記薬包において氏名が印字されている位置を氏名位置として取得し、前記薬包に印字されている文字のうち前記氏名位置に印字されている文字を前記印字氏名として取得する請求項1または請求項2に記載の服薬支援システム。
【請求項6】
服薬介助を支援する服薬支援システムに用いられる服薬支援方法において、
コンピュータが、人物の顔画像を表す顔データと前記人物の氏名とが設定されている顔情報データベースを用いて、薬包に入っている薬剤を服用させる予定の服用予定者の顔画像を表す顔データに対応する氏名を画像対応氏名として取得し、
コンピュータが、前記薬包を撮影した画像から前記薬包に印字されている文字のうち、氏名を印字氏名として取得し、前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できるか否かを判定し、
コンピュータが、前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できた場合、前記服用予定者が正しい服用者であることを示す認証成功表示を表示し、
コンピュータが、前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できなかった場合、前記印字氏名と前記画像対応氏名との認証が失敗したことを示す認証失敗表示を表示し、
コンピュータが、前記画像対応氏名が取得できなかったことにより、前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できなかった場合、前記画像対応氏名が取得できなかったことを示す顔認証失敗メッセージと、前記服薬介助者が前記服用予定者の顔画像を撮り直すための撮り直しボタンとを備える前記認証失敗表示を表示する服薬支援方法。
【請求項7】
服薬介助を支援する服薬支援システムに用いられる服薬支援プログラムにおいて、
人物の顔画像を表す顔データと前記人物の氏名とが設定されている顔情報データベースを用いて、薬包に入っている薬剤を服用させる予定の服用予定者の顔画像を表す顔データに対応する氏名を画像対応氏名として取得する対応氏名取得処理と、
前記薬包を撮影した画像から前記薬包に印字されている文字のうち、氏名を印字氏名として取得し、前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できるか否かを判定する認証処理と、
前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できた場合、前記服用予定者が正しい服用者であることを示す認証成功表示を表示する表示処理と
をコンピュータに実行させる服薬支援プログラムであって、
前記表示処理では、
前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できなかった場合、前記印字氏名と前記画像対応氏名との認証が失敗したことを示す認証失敗表示を表示し、
前記画像対応氏名が取得できなかったことにより、前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できなかった場合、前記画像対応氏名が取得できなかったことを示す顔認証失敗メッセージと、前記服薬介助者が前記服用予定者の顔画像を撮り直すための撮り直しボタンとを備える前記認証失敗表示を表示する処理
をコンピュータに実行させる服薬支援プログラム。
【請求項8】
服薬介助を支援する服薬支援システムに用いられる服薬支援方法において、
コンピュータが、人物の顔画像を表す顔データと前記人物の氏名とが設定されている顔情報データベースを用いて、薬包に入っている薬剤を服用させる予定の服用予定者の顔画像を表す顔データに対応する氏名を画像対応氏名として取得し、
コンピュータが、前記薬包を撮影した画像から前記薬包に印字されている文字のうち、氏名を印字氏名として取得し、前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できるか否かを判定し、
コンピュータが、前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できた場合、前記服用予定者が正しい服用者であることを示す認証成功表示を表示し、
コンピュータが、前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できなかった場合、前記印字氏名と前記画像対応氏名との認証が失敗したことを示す認証失敗表示を表示し、
コンピュータが、前記印字氏名と前記画像対応氏名とを比較した結果、前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できなかった場合、前記印字氏名と前記画像対応氏名との不一致を示す不一致メッセージと、前記服薬介助者が前記服用予定者の顔画像を撮り直すための撮り直しボタンとを備える前記認証失敗表示を表示する服薬支援方法。
【請求項9】
服薬介助を支援する服薬支援システムに用いられる服薬支援プログラムにおいて、
人物の顔画像を表す顔データと前記人物の氏名とが設定されている顔情報データベースを用いて、薬包に入っている薬剤を服用させる予定の服用予定者の顔画像を表す顔データに対応する氏名を画像対応氏名として取得する対応氏名取得処理と、
前記薬包を撮影した画像から前記薬包に印字されている文字のうち、氏名を印字氏名として取得し、前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できるか否かを判定する認証処理と、
前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できた場合、前記服用予定者が正しい服用者であることを示す認証成功表示を表示する表示処理と
をコンピュータに実行させる服薬支援プログラムであって、
前記表示処理では、
前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できなかった場合、前記印字氏名と前記画像対応氏名との認証が失敗したことを示す認証失敗表示を表示し、
前記印字氏名と前記画像対応氏名とを比較した結果、前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できなかった場合、前記印字氏名と前記画像対応氏名との不一致を示す不一致メッセージと、前記服薬介助者が前記服用予定者の顔画像を撮り直すための撮り直しボタンとを備える前記認証失敗表示を表示する処理
をコンピュータに実行させる服薬支援プログラム。
【請求項10】
コンピュータが、前記画像対応氏名が取得できなかったことにより、前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できなかった場合、
前記認証失敗表示として服薬介助者が前記薬剤を服用する服用者を強制登録するための登録ボタンを表示する請求項6または請求項8に記載の服薬支援方法。
【請求項11】
前記表示処理では、
前記画像対応氏名が取得できなかったことにより、前記印字氏名と前記画像対応氏名とが同一であると認証できなかった場合、前記認証失敗表示として服薬介助者が前記薬剤を服用する服用者を強制登録するための登録ボタンを表示する処理をコンピュータに実行させる請求項7または請求項9に記載の服薬支援プログラム。