(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044858
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】ピーラー
(51)【国際特許分類】
A47J 17/02 20060101AFI20240326BHJP
【FI】
A47J17/02
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150645
(22)【出願日】2022-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】521496397
【氏名又は名称】平岡 晴彦
(74)【代理人】
【識別番号】100182349
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 誠治
(72)【発明者】
【氏名】平岡 晴彦
(57)【要約】
【課題】強い力で引くことができるとともに操作性を向上させることの可能なピーラーを提供する。
【解決手段】ピーラー100は、食材の皮を剥くための長尺状の刃部を備えたものであって、刃部110の長手方向両端に連結されて刃部110を支持し、刃部110の長手方向両端部とその近傍をユーザが指で把持することができる連結部120と、連結部120に設けられ、連結部120を把持する指以外のユーザの指を掛けるための指掛部140と、を備えたことを特徴とする。刃部の長手方向両端部近傍を把持することができるので、ユーザの操作力が伝わりやすい。さらに指掛部に掛けた指からも刃部に力を加えることができるので、より力強くしっかりと引きたい方向に引く操作ができて食材の皮を剥くことができる。よって強い力で引くことができるとともに操作性が向上する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食材の皮を剥くための長尺状の刃部を備えたピーラーであって、
前記刃部の長手方向両端に連結されて前記刃部を支持し、前記刃部の長手方向両端部とその近傍をユーザが指で把持することができる連結部と、
前記連結部に設けられ、前記連結部を把持する指以外のユーザの指を掛けるための指掛部と、
を備えたことを特徴とする、ピーラー。
【請求項2】
前記指掛部は、前記指掛部に掛けた指を引く方向が変更可能であることを特徴とする、請求項1に記載のピーラー。
【請求項3】
前記指掛部は、指を掛ける方向が変更可能であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のピーラー。
【請求項4】
照明部を備え、
前記刃部の長手方向両端部近傍に、前記照明部のスイッチを備えたことを特徴とする、請求項1に記載のピーラー。
【請求項5】
前記刃部及び前記連結部は、弾性変形可能であることを特徴とする、請求項1に記載のピーラー。
【請求項6】
前記連結部は、前記刃部との相対的な位置を変更可能であることを特徴とする、請求項1のいずれかに記載のピーラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピーラーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、果物や野菜等の表皮を剥くことに便利な手動のピーラーとして、特許4021854号公報(特許文献1)に示されるものがある。同文献には、柄部を設けず、ピーリングブレードと、グリップ面と、横材とで構成され、横材のグリップ面の後方のくぼみ部分を把持部として操作を行う小型のピーラーが開示されている。グリップ面の後方に設けたくぼみに手を掛けることによって、掛けた指が滑ることを防止して効果的に皮を剥くことができる。
【0003】
なお、他の背景技術として、本願出願人による特願2021-186686がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1に開示されるような従来のピーラーでは、グリップ面は、ピーリングブレードの短手方向の一方にピーリングブレードから離れるように延びて構成されている。このため、ユーザは、比較的ピーリングブレードに近い位置を把持することはできるが、ユーザの操作力がピーリングブレードに伝達されにくい。このため、把持した指先のみでは引く力が弱く、さらに引きたい方向に引く操作が把持部のみでは正確に行いづらく、操作性に課題があった。
【0006】
そこで本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、強い力で引くことができるとともに操作性を向上させることの可能なピーラーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明によれば、食材の皮を剥くための長尺状の刃部を備えたピーラーであって、前記刃部の長手方向両端に連結されて前記刃部を支持し、前記刃部の長手方向両端部とその近傍をユーザが指で把持することができる連結部と、前記連結部に設けられ、前記連結部を把持する指以外のユーザの指を掛けるための指掛部と、を備えたことを特徴とする、ピーラーが提供される。
【0008】
かかる構成によれば、刃部の長手方向両端部近傍を把持することができるので、ユーザの操作力が伝わりやすい。さらに指掛部に掛けた指からも刃部に力を加えることができるので、把持部のみの指の力では皮むき器を引く力が弱い欠点が、さらに指掛部にも指を掛けて引くことによって、より力強くしっかりと引きたい方向に引く操作ができて食材の皮を剥くことができる。よって強い力で引くことができるとともに操作性が向上する。
【0009】
また、刃部の長手方向両端部とその近傍を把持することができるので、皮を剥く際の刃部からの剥き加減の力の伝達が把持した指に実感を持って伝わりやすくなり、ゆっくり引くことができて、剥いた皮の飛び散りを防止することができる。
【0010】
本発明は様々な応用が可能である。以下の応用例は、適宜組み合わせて実施できる。
例えば、前記指掛部は、前記指掛部に掛けた指を引く方向が変更可能であってもよい。かかる構成によれば、指を引く方向を変更することによって刃部を引く方向を容易に変更できるため、操作性が向上する。
【0011】
また、前記指掛部は、指を掛ける方向(指を指掛部に挿入する方向)が変更可能であってもよい。かかる構成によれば、ユーザごとに異なる持ちやすい方向に応じて指掛部の方向を変更できるため、操作性が向上する。
【0012】
また、照明部を備え、前記刃部の長手方向両端部近傍に、前記照明部のスイッチを備えてもよい。かかる構成によれば、照明部によって手元を照らして操作できる。また、ピーラーを把持するとスイッチが入るため、使用時には手元が照らされる。よって、操作性が向上する。
【0013】
また、前記刃部及び前記連結部は、弾性変形可能であってもよい。かかる構成によれば、刃部及び連結部を弾性変形させて食材の形状に対応させることができるため、きれいに効率よく皮を剥くことができる。刃部の長手方向両端部近傍を持つこととの相乗効果が得られる。
【0014】
また、前記連結部は、前記刃部との相対的な位置を変更可能であってもよい。かかる構成によれば、例えばピーラーを押して剥きたいときなど、連結部の位置を変更し、刃先の向きを変えて押して剥く操作を行うことができる。また、連結部の形状によっては、連結部の位置を変えることで、収納などの際に便利である。
【発明の効果】
【0015】
本発明のピーラーによれば、強い力で引くことができるとともに操作性を向上させることの可能なピーラーが提供される。本発明のその他の効果については、後述する発明を実施するための形態においても説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第1の実施形態のピーラー100の全体構成を示す斜視図である。
【
図2】ピーラー100の使用例を示す斜視図である。
【
図3】第2の実施形態のピーラー200の全体構成を示す斜視図である。
【
図4】第2の実施形態の変形例を示す斜視図である。
【
図5】第3の実施形態のピーラー300の全体構成を示す斜視図である。
【
図6】第4の実施形態のピーラー400の全体構成を示す斜視図である。
【
図7】第5の実施形態のピーラー500の全体構成を示す斜視図である。
【
図8】第6の実施形態のピーラー600の全体構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0018】
(第1の実施形態)
第1の実施形態のピーラー100について、
図1を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態のピーラー100の全体構成を示す斜視図である。ピーラー100は、食材の皮を剥くための長尺状の刃部110と、刃部110の長手方向両端に連結されて刃部110を支持する連結部120と、連結部120に設けられる指掛部140と、を備える。以下、ピーラー100の各部の構成について詳細に説明する。
【0019】
刃部110は、
図1に示したように、食材(果物や野菜等)の皮を剥くためのものであり、長尺状に構成される。刃部110は、例えば、剥く刃、又は切る複数の立刃等で形成されている。刃部110は、完全な平面刃でなくてもよく、鋭角な尖った刃を複数形成させた三角刃や、波刃であってもよい。また、刃部110は、例えば、ステンレス鋼や炭素鋼などの刃物鋼、セラミック素材等、利用可能な素材であればどのような材料を用いてもよい。なお、刃部110自体は一般的なものとすることができるため、これ以上の説明を割愛する。
【0020】
連結部120は、
図1に示したように、刃部110の長手方向両端に連結し、刃部110を支持する部分である。連結部120は、刃部110に比較的近い位置までしかない。指掛部140は、連結部120の刃部110とは反対側の端部に設けられている。このような構成により、ピーラー100の長さが短くなり、小型化される。よって、ピーラー100の収納や持ち運びに便利となる。また、連結部120の把持部分には、指の滑り止め手段を設けることが好ましい。
【0021】
指掛部140と連結部120との連結は、一体成型や、溶着にて固着の他、連結部120を指が掛かるように凹状に形成してもよい。連結部120と指掛部140の材質は、同素材が好ましいが、使用可能であればどのような素材としてもよい。
【0022】
指掛部140の形状は、刃部110の背面側が開放された鉤状である。よって、指掛部140の開放された部分からユーザの指を挿入することができる。なお、指掛部140の形状は、刃部110の長手方向両端部近傍の連結部120を把持した残りのいずれかの指で指掛け又は握持が可能であれば、例えば、刃部110の腹面側が開放された鉤状であっても良く、孔状や棒状等など趣旨を損なわなければ任意の形状としてもよい。指掛部を鉤状や孔状に形成した場合は、鉤状や孔状部分をキッチンの収納用フックに掛けてぶら下げて保管でき好ましい。また、例えば、指掛部の形状を平面視において左右対称に設けることによって、右利きや左利きのどちらの使用者も握持がしやすくなり好ましい。
【0023】
以上、ピーラー100の構成について説明した。以下、ピーラー100の使い方について、
図2を参照しながら説明する。
図2は、ピーラー100の使用例を示す斜視図である。ユーザは、
図2に示したように、刃部110の背面側から刃部110の長手方向両端部とその近傍の連結部120を親指と人差し指とで把持し、残りのいずれかの指を指掛部140に掛ける。よって、ユーザはピーラー100を安定して把持することができる。なお、本実施形態では、刃部110の長手方向両端部とその近傍の連結部120を親指と人差し指とで把持する例を説明したが、ユーザの使用感に応じて、人差し指以外の指と親指とで把持してもよい。
【0024】
このように、ユーザは、刃部110の長手方向両端部とその近傍の連結部120を把持する。このため、例えば、食材を箸によって間接的につまむ際の指の実感と、食材を指で直接つまむことによる指の実感とでは、直接つまむ方が指に実感があることは言うまでもないことと同様に、刃部110から食材への操作中の力加減の伝達が、把持した指に伝わりやすくなる。よって、刃先の食い込み過ぎや食い込み不足を解消させる操作を行いやすくなるとともに、指には、直接的な感覚となりやすいために食材の皮をむやみに勢いよく引き過ぎることがなくなり、剥いた皮の飛び散りを抑えやすくできる。
【0025】
また、ユーザは、食材を持つほうの指に刃部110が接触しそうなときは、例えば、刃部110が斜めになるように把持して引くことによって切れ味がよくなるためにゆっくり引くことができ、操作を途中で止めやすく怪我の防止となりやすい。
【0026】
(第1の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、刃部110の長手方向両端部近傍を把持することができるので、ユーザの操作力が伝わりやすい。よって操作性が向上する。さらに連結部120に、指を掛けるための指掛部140を設けたことにより、刃部110の長手方向両端部近傍に加えて、指掛部140からも刃部110に力を加えることができるので、強い力で引くことができるとともに操作性が向上する。
【0027】
また、連結部120に指掛部140を設けたことにより、ピーラー100の長さを短くすることができ、小型のピーラー100を提供できる。よって、収納や持ち運びに便利となる。さらに、原料費を抑え製造コストを低くできて社会に貢献できる。
【0028】
また、指掛部140を鉤状に構成したことにより、キッチンの収納用フックに掛けてぶら下げて保管できる。
【0029】
また、刃部110の長手方向両端部とその近傍を把持することができるので、皮を剥く際の刃部からの剥き加減の力の伝達が把持した指に実感を持って伝わりやすくなり、ゆっくり引くことができて、剥いた皮の飛び散りを防止することができる。
【0030】
以下では、上記第1の実施形態を応用した他の実施形態について説明する。以下では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。説明の便宜上、主要な構成要素のみ符号を付している。また、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0031】
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係るピーラー200について、
図3を参照しながら説明する。
図3は、本実施形態のピーラー200の全体構成を示す斜視図である。本実施形態は、連結部220と指掛部240の構成が上記第1の実施形態とは異なるものである。以下では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0032】
本実施形態のピーラー200は、
図3に示したように、連結部220に指掛部240を備える。そして、指掛部240は、指掛部240に掛けた指を引く方向が変更可能であることを特徴とする。連結部220は、U字状であり、刃部110との間が開口している。指掛部240は、リング状をしており、リングの中空部分に連結部220が挿通している。指掛部240は、連結部220に沿って摺動自在である。
【0033】
指掛部240を連結部220に係入する方法は、趣旨を損なわなければどのような係入方法としてもよい。例えば、指掛部240を係入後に指掛部240を溶着して固着したり、指掛部240に例えば、カラビナのような着脱可能な機能を設けたりしてもよい。また、リング状の形状も趣旨を損なわなければどのような形状としてもよい。
【0034】
ユーザは、連結部220を傾けて把持して刃部110を斜めにして引くことによって刃部110の切れ味をよくする操作を行う場合は、指掛部240が摺動して引く方向の適切な位置に移動する。よって、指掛部240として操作しやすくなる。このように、指掛部240が連結部220を自在に滑動して適切な位置で操作することができる。
【0035】
(第2の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、指を引く方向を変更することによって刃部110を引く方向を容易に変更できるため、強い力で引くことができるとともに操作性が向上する。
【0036】
(変形例)
第2の実施形態の変形例であるピーラー200’を、
図4を参照しながら説明する。
図4は、第2の実施形態の変形例を示す斜視図である。指掛部250は、連結リング252を介して連結部220に摺動可能に連結される。指掛部250は細いリング状である。指掛部250の開口は連結リング252に対して連結リング252の円周の軸心と直交する軸周りに回転可能であるとともに円周方向に移動可能である。このように、指掛部250は、連結部220に対して広い範囲で角度を変更可能であるため、指を引く方向をほぼ自在に変更できる。また、指掛部250と連結リング252の形状も趣旨を損なわなければどのような形状としてもよい。
【0037】
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係るピーラー300について、
図5を参照しながら説明する。
図5は、本実施形態のピーラー300の全体構成を示す斜視図である。本実施形態は、指掛部340の構成が上記第1の実施形態とは異なるものである。以下では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0038】
本実施形態のピーラー300は、
図5に示したように、指掛部340の形状は第1の実施形態の指掛部140と同様であるが、指掛部340は指を掛ける位置を変更可能に連結部320に回動可能に連結されている。指掛部340は、刃部110の短手方向を軸心に回転可能である。
【0039】
なお、指掛部340の回動手段を回動軸部材とした場合は、指掛部340は自在に回動軸部材の軸を起点に回動し、指を掛ける好みの位置に回動させて操作が可能となる。また、指掛部340を回動させることで、収納しやすい形態にすることもできる。なお、回動手段は、回動軸部材による他、趣旨を損なわなければどのような方法としてもよい。
【0040】
(第3の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、指掛部340は、指を掛ける方向が変更可能であるため、ユーザごとに異なる持ちやすい方向に応じて指掛部340の方向を変更できるため、強い力で引くことができるとともに操作性や安全性が向上する。
【0041】
(第4の実施形態)
第4の実施形態に係るピーラー400について、
図6を参照しながら説明する。
図6は、本実施形態のピーラー400の全体構成を示す斜視図である。本実施形態は、照明部460とスイッチ470が設けられた点が上記第1の実施形態とは異なるものである。以下では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0042】
ピーラー400は、
図6に示したように、照明部460を備え、刃部110の長手方向両端部近傍の連結部420に、照明部460のスイッチ470を備えたものである。照明部460は、指掛部440の刃部110側に、刃部110に向かって設けられている。よって、照明部460は刃部110の陰になることなく食材と刃部110の接点部分を照らすことができる。このため、調理部分が見やすくなり、薄暗い環境でも安全に操作ができる。
【0043】
また、簡易の照明器具として、食品のラベルの説明等の小さな文字が見やすくなり、床に落とした物や引き出しの中や収納庫の中のものを探しやすくなる、さらに、停電時の非常用照明としての利用が可能となる。使用する際にピーラー400が光ることによって、見た目も斬新で使用することが楽しくなりやすい便利なピーラーを提供できる。
【0044】
スイッチ470は、
図6に示したように、刃部110の長手方向両端部近傍の連結部420を把持した際に、押圧されることによりオンになり、刃部110の長手方向両端部近傍の連結部420から手を離すとオフになる。このように、把持している操作中のみスイッチ470が入り照らすことができ、指を外すと消えることで電池の消耗を減らすことができる。
【0045】
また、電池は任意の位置に設ければよく、照明部460やスイッチ470の電池部分の取り付け方法は、周知の方法によればよい。例えば、照明部460の点灯部分はLED、電池は薄型リチウムコイン電池とすることが望ましく、さらに、電池交換を必要としない充電式としてもよい。
【0046】
なお、本実施形態では、照明部460を指掛部440に設けたが、刃部110を照らすことができれば任意の位置に設けることができる。例えば、照明部460を連結部420に設けてもよい。また、スイッチ470は刃部110の長手方向両端部近傍の連結部420に設けたが、照明部460をオン、オフできれば任意の位置に設けることができる。例えば、スイッチ470を連結部420の他の位置や指掛部440に設けてもよい。また、把持している操作中のみスイッチ470が入る構成でなくてもよい。
【0047】
(第4の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、照明部460を備えたことにより、手元を照らして操作できるため、操作性が向上する。また、照明部460のスイッチ470を刃部110の長手方向両端部近傍に備えたことにより、把持するとスイッチ470が入るため、使用時には手元が照らされる。よって、操作性や安全性が向上する。
【0048】
(第5の実施形態)
第5の実施形態に係るピーラー500について、
図7を参照しながら説明する。
図7は、本実施形態のピーラー500の全体構成を示す斜視図である。本実施形態は、刃部510と連結部520の構成が上記第1の実施形態とは異なるものである。以下では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0049】
ピーラー500は、
図7に示したように、刃部510及び連結部520が弾性変形可能に構成されている。刃部510は、
図7(a)に示したように、平に構成されていてもよく、
図7(b)に示したように、予め背面方向に突出したアーチ形状に形成されていてもよい。刃部510は、厚さ0.4mm前後程度のステンレス、鉄等の薄板製で、焼入れして十分な強度を有する。
【0050】
刃部510は、背面方向に屈曲可能に形成されており、剥く刃、又は切る複数の立刃の少なくともいずれかとし、切る複数の立刃は、例えば、三角刃としてスポット溶接により形成されている。
【0051】
また、屈曲した刃部510が必要以上に食い込まないようにガイド部材を備えてもよい。ガイド部材は、刃部510と平行に備え略平面とする樹脂の薄い形状であれば刃部510と同様に曲率を変えることが可能となり、剥く皮の厚さの調整を行いやすい。
【0052】
このように、刃部510及び連結部520は、利用可能な素材で成形可能であれば趣旨を損なわない範囲で、その応用形態に応じて構成を適切に定めてもよい。
【0053】
連結部520は、略U字形のトング状に構成されており、刃部510の長手方向両端部が連結される両端部の幅が拡縮可能である。連結部520の素材は、例えば、樹脂材料や、ステンレス材料で形成されている。具体的には、ABS樹脂や、ポリプロピレン樹脂等のプラスチック樹脂等や、ステンレス材等の他、利用可能な素材であればどのような材料を用いてもよい。
【0054】
連結部520の略U字形の底部には、リング状の指掛部540が設けられている。指掛部540は、刃部510や連結部520と同様に伸縮可能であってもよく、伸縮しなくてもよい。また、指掛部540は、連結部520と一体に構成されていてもよく、別体に構成されていてもよい。また、連結部520と同じ素材で構成されていてもよく、別の素材で構成されていてもよい。またさらに、連結部520と指掛部540の形状も趣旨を損なわなければどのような形状としてもよい。
【0055】
刃部510及び連結部520は、
図7(a)に示したように、原形に復帰となる素材及び曲成した形状を有するとともに、可撓性を備えたことによって、
図7(b)に示したように、刃部510の長手方向両端部とその近傍の連結部520を把持することによって、連結部520と刃部510は曲成した形状で可撓性を有する。このため、把持する指の力加減によって刃部510の曲げ過ぎによる刃部510の破損を防ぐことができ、連結部520と刃部510は湾曲及び原形に復帰が可能となり、食材の曲面に対して接触部分が増えて効率的な操作が可能となる。
【0056】
(第5の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、刃部510及び連結部520を弾性変形させて食材の形状に対応させることができるため、きれいに効率よく皮を剥くことができる。また、刃部510を切る複数の立刃とした際は、例えば、リンゴの表皮の曲面に効率よく立刃が当たり縦横に細かい切り目を入れる事ができて細かい片にカットされたリンゴを皮ごと丸かじりできて表皮のうま味や繊維質を食することが出来て健康に貢献できる効果がある。
【0057】
(第6の実施形態)
第6の実施形態に係るピーラー600について、
図8を参照しながら説明する。
図8は、本実施形態のピーラー600の全体構成を示す斜視図である。本実施形態は、連結部620の構成が上記第1の実施形態とは異なるものである。以下では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0058】
ピーラー600は、
図8に示したように、連結部620が、刃部110との相対的な位置を変更可能であることを特徴とする。具体的には例えば、連結部620の一部620aが刃部110の長手方向両端に連結されて刃部110を支持する際に、
図8(a)に示したように、刃部110の上方を覆うコ字状の連結部の構成とすることができる。これにより、連結部620の他の部分(ユーザが把持する部分等)は、刃部110よりも上方に設けることができる。すると、連結部620は、他の構成要素との干渉が生じないため、回動軸620bによって水平方向への回動又はスライドなど、任意の構成によって、刃部110との相対的な位置を変更することができる。
【0059】
この際の連結部620の回動量やスライド量は任意でよい。例えば、
図8(b)に示したように、連結部620のユーザが把持する部分を約180度回動させて、連結部620に対する刃部110の向きが逆になることによって、ピーラー600を押して剥くことができるようになる。ピーラー600を押して剥くことができるように、連結部620の先端に、連結部620が逆になっても操作しやすいような指掛部640(例えば、リング形状)を設けることが好ましい。また、指掛部640を一部620aに対して約90度回動させることによって、ピーラー600の全体の形状を変える(例えば、略矩形状)ことにより、収納の際に好適である。
【0060】
また、連結部620の一部は620aを透明状の素材で構成することもできる。操作時に刃部110と食材が透けて見えることによって、刃部と食材の接点が把握しやすくなり、さらに、例えば、透明状の素材にレンズ機能を持たせることによって、さらに見やすくできる。このようなレンズ機能を持たせる方法は、例えば、連結部本体をレンズとして設けたり、透明状の連結部分にフィルム状レンズを貼り付けたりしてもよい。透明状の素材としては、ポリエチレン・テレフタレート(PET)の他、シリコン、アクリル、FRP、ポリウレタン、ポリカーボネート等があるが、利用可能であればどのような素材としてもよく、特に限定するものではない。他の部分も透明状素材としてもよい。
【0061】
(第6の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、連結部620と刃部110との相対的な位置を変更可能であることによって、ピーラー600を押して剥きたいときなど、連結部620の位置を変更し、刃部110の向きを変えて押して剥く操作を行うことができる。また、連結部620の形状によっては、指掛部640の位置を変えることで、収納などの際に便利である。
【0062】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0063】
上記各実施形態、応用例、変形例などは適宜組み合わせて実施可能である。
【符号の説明】
【0064】
100、200、300、400、500、600 ピーラー
110、510 刃部
120、220、320、420、520、620 連結部
140、240、250、340、440、450、540、640 指掛部
252 連結リング
460 照明部
470 スイッチ
620a 一部
620b 回動軸
【手続補正書】
【提出日】2023-05-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食材の皮を剥くための長尺状の刃部を備えたピーラーであって、
前記刃部の長手方向両端に連結されて前記刃部を支持し、前記刃部の長手方向両端部とその近傍をユーザが指で把持することができる連結部と、
前記連結部に設けられ、前記連結部を把持する指以外のユーザの指を掛けるための指掛部と、
を備え、
前記刃部の長手方向両端部とその近傍においてユーザが指で把持する部分はそれぞれ1つの面のみからなり、
前記指掛部は、前記指掛部に掛けた指を引く方向が変更可能であることを特徴とする、記載のピーラー。
【請求項2】
食材の皮を剥くための長尺状の刃部を備えたピーラーであって、
前記刃部の長手方向両端に連結されて前記刃部を支持し、前記刃部の長手方向両端部とその近傍をユーザが指で把持することができる連結部と、
前記連結部に設けられ、前記連結部を把持する指以外のユーザの指を掛けるための指掛部と、
を備え、
前記刃部の長手方向両端部とその近傍においてユーザが指で把持する部分はそれぞれ1つの面のみからなり、
前記指掛部は、指を掛ける方向が変更可能であることを特徴とする、ピーラー。
【請求項3】
食材の皮を剥くための長尺状の刃部を備えたピーラーであって、
前記刃部の長手方向両端に連結されて前記刃部を支持し、前記刃部の長手方向両端部とその近傍をユーザが指で把持することができる連結部と、
前記連結部に設けられ、前記連結部を把持する指以外のユーザの指を掛けるための指掛部と、
照明部と、
を備え、
前記刃部の長手方向両端部とその近傍においてユーザが指で把持する部分はそれぞれ1つの面のみからなり、
前記刃部の長手方向両端部近傍に、前記照明部のスイッチを備えたことを特徴とする、ピーラー。
【請求項4】
食材の皮を剥くための長尺状の刃部を備えたピーラーであって、
前記刃部の長手方向両端に連結されて前記刃部を支持し、前記刃部の長手方向両端部とその近傍をユーザが指で把持することができる連結部と、
前記連結部に設けられ、前記連結部を把持する指以外のユーザの指を掛けるための指掛部と、
を備え、
前記刃部の長手方向両端部とその近傍においてユーザが指で把持する部分はそれぞれ1つの面のみからなり、
前記指掛部は、前記刃部との相対的な位置を変更可能であることを特徴とする、ピーラー。
【請求項5】
前記刃部及び前記連結部は、弾性変形可能であることを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載のピーラー。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食材の皮を剥くための長尺状の刃部を備えたピーラーであって、
前記刃部の長手方向両端に連結されて前記刃部を支持し、前記刃部の長手方向両端部とその近傍をユーザが指で把持することができる連結部と、
前記連結部に設けられ、前記連結部を把持する指以外のユーザの指を掛けるための指掛部と、
を備え、
前記刃部の長手方向両端部とその近傍においてユーザが指で把持する部分はそれぞれ1つの面のみからなり、
前記指掛部は、前記刃部よりも上方において水平方向に回動可能であり、
前記指掛部の水平方向の回動によって、前記指掛部に対する前記刃部の向きが逆になることを特徴とする、ピーラー。