(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004486
(43)【公開日】2024-01-16
(54)【発明の名称】鞄
(51)【国際特許分類】
A45C 7/00 20060101AFI20240109BHJP
【FI】
A45C7/00 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023105690
(22)【出願日】2023-06-28
(31)【優先権主張番号】P 2022103708
(32)【優先日】2022-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】511274662
【氏名又は名称】小堀 香織
(72)【発明者】
【氏名】小堀 香織
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045AA51
3B045CB03
3B045CE02
3B045DA41
3B045FA02
3B045GA01
3B045GA02
3B045GB03
3B045GC01
3B045GD02
3B045IA08
(57)【要約】
【課題】一部が破損した場合でも容易に修理することができる鞄を提供する。
【解決手段】
容器形成用パーツ10は、板状であり、中央部に開口部11が形成されるとともに、周部に他の容器形成用パーツと連結するための連結部12、13、14、15を有する。この容器形成用パーツ10を複数組み合わせることで鞄を編まずに形成することができ、補修やデザインの変更を容易にし、かつ材料の無駄を軽減する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の容器形成用パーツを繋ぎ合わせることにより形成される鞄であって、
前記複数の容器形成用パーツは、それぞれ、板状であり、中央部に開口部が形成されるとともに、周部に他の容器形成用パーツと連結するための連結部が設けられている、
鞄。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞄に関する。
【背景技術】
【0002】
革に複数のスリットを入れて形成された鞄や、革を編んで形成した鞄が提供されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【特許文献1】意匠登録第1667020号公報
【特許文献2】意匠登録第1691974号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述のスリットを入れて形成された鞄の場合、鞄の一部が破損した場合に、一部分だけを交換することができない。このため、鞄の一部が破損しただけで新品の鞄に交換する必要がある。また、編んで形成された鞄の場合修復は可能であるが、手間を要し強度も弱い。天然皮革の場合、傷やシワなど使えない部分が多く、大きな鞄を作る際には歩留まりが悪くなりがちである。また、高さや幅を変更する際は、新たに型紙を作り直す必要があり、専門の知識がないと難しい。
【0005】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、一部が破損した場合でも容易に修理することができる鞄を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る鞄は、
複数の容器形成用パーツを繋ぎ合わせることにより形成される鞄であって、
容器形成用パーツは、板状であり、中央部に開口部が形成されるとともに、周部に他の容器形成用パーツと連結するための連結部を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、一部が破損した場合に、その一部のみを簡単に交換することができる。また編まずに形成しているため、部分的に破損した場合でも全体が解けることがない。そして中央の空洞により素材を軽くする効果がある。また、
大判で裁断する必要がなく、傷やシワなどを避けて裁断することができるため、材料の無駄を軽減でき、パーツの増減によって様々なデザインのバリエーションを作り出せる。また、完成後のデザイン変更も容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】本発明の容器形成用パーツを複数繋ぎ合わせて形成した実施の形の一例である。
【
図3】本発明の容器形成用パーツを複数繋ぎ合わせて形成した実施の形の一例である。
【
図4】本発明の容器形成用パーツを複数繋ぎ合わせて形成した実施の形の一例である。
【
図5】本発明の容器形成用パーツを複数繋ぎ合わせて形成した実施の形の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施例および図面を参考しながら、本考案をさらに詳しく説明する。ただし、本 考案の実施形態は以下のものに限られない。
【0010】
図1に示すのは、本発明の容器形成用パーツ10の正面図である。この容器形成用パーツ10を連結部12、13、14、15で複数組み合わせることで、様々な形の容器を形成することができる。
図2、
図3、
図4、
図5はその一例である。
【0011】
図2の例で示す容器形成用パーツ10の連結部15と左右に隣り合う容器形成用パーツの連結部13を重ねてカシメ1で留める。これを8個順次繋ぎ合わせ、8個目の連結部15と1個目の連結部13を繋げることで輪の状態になる。この輪の状態の容器形成用パーツ10の集合体を3つ作り、それぞれの容器形成用パーツ10の連結部12と縦に隣り合う容器形成用パーツの連結部14を前述の通りカシメ1で繋ぎ合わせると鞄の胴体部分が出来上がる。このように収納したい目的物の高さに合わせた鞄を容易に形成することができる。また、楕円形底面部20にはあらかじめ等間隔に8個連結部を設けている。前述でできた胴部分の下段の容器形成用パーツ10の8個全ての連結部14と楕円形底面部20の連結部を連結することで底ができる。この本体と環状部材2を連結し、尾錠6とインナーバッグ着脱用ホック9を備えた持ち手連結用ベース3を鞄の前面、背面に2個ずつ取り付け、尾錠6により持ち手4と連結することで
図2のような手提げバッグを形成する。なお、底面は底面部20ではなく、容器形成用パーツ10を繋ぎ合わせて作ることも可能である。また、尾錠により取り付ける持ち手はユーザーが手軽にショートハンドル、ショルダーハンドル、斜めがけベルトと様々なベルトを取り付けることが可能となる。また、持ち手連結用ベース3はインナーバッグ着脱用ホック9を備えるため、収納物を取り出す際、持ち上がることを防止すると共に、着脱して着せ替えることが可能となる。
【0012】
図3の実施例も
図2と同様に容器形成用パーツ10の連結部15と左右に隣り合う容器形成用パーツの連結部13を重ねてカシメ1で留める。これを8個順次繋ぎ合わせ、8個目の連結部15と1個目の連結部13を繋げることで輪の状態になる。この輪の状態の容器形成用パーツ10の集合体を4つ作り、それぞれの容器形成用パーツ10の連結部12と縦に隣り合う容器形成用パーツの連結部14を前述の通りカシメ1で繋ぎ合わせると鞄の容器形成用パーツ10が横に8個連なった輪状のパーツが4段積み重なった胴体部分が出来上がる。このように収納したい目的物の高さに合わせた鞄を容易に形成することができる。また、円形底面部21にはあらかじめ等間隔に8個連結部を設けている。前述の要領できた胴部分の下段の容器形成用パーツ10の8個全ての連結部14と円形底面部20の連結部を連結することで底ができる。この本体と環状部材2を連結し、尾錠6とインナーバッグ着脱用ホック9を備えた持ち手連結用ベース3を鞄の前面、背面に2個ずつ取り付け、尾錠6により持ち手4と連結することで
図2のような手提げバッグを形成する。なお、底面は円形底面部21ではなく、容器形成用パーツ10を繋ぎ合わせて作ることも可能である。また、尾錠により取り付ける持ち手はユーザーが手軽にショートハンドル、ショルダーハンドル、斜めがけベルトと様々なベルトを取り付けることが可能となる。また、持ち手連結用ベース3はインナーバッグ着脱用ホック9を備えるため、収納物を取り出す際、持ち上がることを防止すると共に、着脱して着せ替えることが可能となる。
【0013】
図4に示すのはペットボトルホルダーである。
図2、
図3と同様、容器形成用パーツ10の連結部15と左右に隣り合う容器形成用パーツの連結部13を重ねカシメ1で留める。これを順次横に3個繋ぎ合わせ3個目の連結部15と1個目の連結部13を繋げることで輪の状態になる。この輪の状態の容器形成用パーツ10の集合体を3つ作り、それぞれの容器形成用パーツ10の連結部12と縦に隣り合う容器形成用パーツの連結部14を前述の通りカシメ1で繋ぎ合わせると鞄の容器形成用パーツ10が横に3個連なった輪状のパーツが3段積み重なった胴体部分が出来上がる。そして円形底面部22にはあらかじめ等間隔に3個連結部を設けている。下段の全ての容器形成用パーツ10の連結部14と円形底面部22の連結部とを連結することで底ができる。そして、C字部材34を連結し、尾錠6を備えた持ち手連結用ベース3を左右に2個取り付け、尾錠6により斜めがけ用ショルダーベルトを連結すると
図2のような円柱型のペットボトルホルダーができる。同じく尾錠により取り付ける持ち手はユーザーが手軽にショートハンドル、ショルダーハンドル、斜めがけベルトなど様々なベルトを取り付けることが可能となる。
また、繋ぎ方は先述の繋ぎ方以外にもあり、その一例が
図5である。
【0014】
図5に示すのは
図1図から4とは違う繋ぎ方で形成したポーチである。
図1の容器形成用パーツ10を90度回転して3つ並べ隣り合う容器形成用パーツ10の連結部12と14とで連結し、この3つの容器形成用パーツ10を連結部15で1つのカシメ1によって連結したパーツを作る。これを上下に反転して並べると片面が出来上がる。同じものをもうひと組作り、外表に重ね連結部13―aと13―b、13―cをカシメ1で連結する。そして連結部13―dと13―fはショルダーベルト31を連結するための金具33と共にカシメ1で固定することでベルトを備えることができる。連結部13―eと背面のそれは、連結せず其々飾りとしてカシメ1を単体で留めることで連結部13―fから連結部13―e、連結部13―dまでが開口部となり、袋状のポーチが出来上がる。スマホや薄型の収納物を収納できる薄型ポーチを形成する。ショルダーベルトの連結はこれに限定されるものではなく、様々な方法がある。
【0015】
ところで、カシメを打って留めるにはある程度技術が必要である。これに対して、本実施の形態に係る鞄によれば、カシメを仮留めするのは初心者でも簡単にできるため、ユーザーが店頭で鞄を組み立てる体験も可能である。パーツごとに色を変え、鞄の高さや幅を調整することも型紙なしに自由に行えるため、カスタムメイドの体験をユーザーに提供することも可能である。
【符号の説明】
【0016】
1 カシメ
2 環状部材
3 持ち手連結用ベース
4 持ち手
5 持ち手の長さ調整用穴
6 尾錠
7 ホック
8 中央連結用ベルト
9 インナーバッグ着脱用ホック
10 容器形成用パーツ
11 開口部
12 連結部
13 連結部
14 連結部
15 連結部
20 楕円形底面部
21 円形底面部
22 円形底面部
31 斜めがけ用ベルト
32 肩パッド
33 連結用金具
34 C字部材