(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044875
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】取り付け具
(51)【国際特許分類】
H02G 1/02 20060101AFI20240326BHJP
H02G 7/00 20060101ALI20240326BHJP
F16B 2/08 20060101ALI20240326BHJP
E04H 12/00 20060101ALI20240326BHJP
G01D 11/30 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
H02G1/02
H02G7/00
F16B2/08 Q
E04H12/00 Z
G01D11/30 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150665
(22)【出願日】2022-09-21
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】592205883
【氏名又は名称】北陸電気工事株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000139573
【氏名又は名称】株式会社愛洋産業
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】竹中 敏光
(72)【発明者】
【氏名】森下 茂和
(72)【発明者】
【氏名】土田 新平
(72)【発明者】
【氏名】岸 泰至
【テーマコード(参考)】
3J022
5G352
5G367
【Fターム(参考)】
3J022DA11
3J022EA42
3J022EB14
3J022EC12
3J022EC22
3J022FA05
3J022FB04
3J022FB07
3J022FB12
3J022FB17
3J022GA03
3J022GA16
3J022GB41
3J022GB43
3J022GB45
3J022GB56
3J022GB74
5G352AB01
5G352AC01
5G352AD04
5G352AM01
5G367AC01
5G367AD01
5G367AD02
5G367AD13
(57)【要約】
【課題】傾斜測定器を容易に柱体へ取り付け可能な取り付け具を提供する。
【解決手段】柱体に巻き付けて用いられ、傾斜測定器を柱体へ取り付け可能な取り付け具は、本体部と、設置部と、第1固定部材と、第2固定部材と、接続部材と、を備える。本体部は、互いに繋がった状態で一列に並ぶ複数の連結部材を有する。設置部は、本体部に固定され、傾斜測定器を設置するための部材である。第1固定部材は、本体部の第1端に固定され、第1端から延びる部材である。第2固定部材は、本体部の第2端に固定され、第2端から延びる部材である。接続部材は、第1固定部材と第2固定部材とを接続する部材である。複数の連結部材は、当該複数の連結部材が並ぶ並び方向に直交する方向に延びる回転軸を有する。複数の連結部材のうち、隣合う2つの連結部材は、回転軸を中心に互いに回転可能に繋がる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱体に巻き付けて用いられ、傾斜測定器を前記柱体へ取り付け可能な取り付け具であって、
互いに繋がった状態で一列に並ぶ複数の連結部材を有する本体部と、
前記本体部に固定され、前記傾斜測定器を設置するための設置部と、
前記本体部の第1端に固定され、前記第1端から延びる第1固定部材と、
前記本体部の第2端に固定され、前記第2端から延びる第2固定部材と、
前記第1固定部材と前記第2固定部材とを接続する接続部材と、
を備え、
前記複数の連結部材は、当該複数の連結部材が並ぶ並び方向に直交する方向に延びる回転軸を有し、
前記複数の連結部材のうち、隣合う2つの連結部材は、前記回転軸を中心に互いに回転可能に繋がる、取り付け具。
【請求項2】
請求項1に記載の取り付け具であって、
前記複数の連結部材は、前記柱体の外面と接し、前記回転軸に沿った軸方向に延びる板部を有する、取り付け具。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の取り付け具であって、
前記本体部は、前記設置部が固定される位置に、L字状に屈曲する設置屈曲部を有し、
前記設置屈曲部は、前記複数の連結部材のうち、隣合う2つの連結部材に、L字状の屈曲板が固定されることにより形成され、
前記屈曲板とは、板状の第1部材における直線状に延びる第1端部から板状の第2部材が延び出すように形成されるものであり、
前記第1部材は、前記隣合う2つの連結部材のうち、1つ目の連結部材における前記柱体の外面と対面する部分に固定され、
前記第2部材は、前記1つ目の連結部材に繋がる2つ目の連結部材における前記柱体の外面と対面する部分に固定され、
前記第1部材の第1端部と、当該第1端部と平行に直線状に延びる前記屈曲板における前記並び方向の両側の端部とは、前記回転軸に沿った軸方向に延び、
前記屈曲板における前記並び方向の両側の端部は、前記柱体の外面に接する、取り付け具。
【請求項4】
請求項3に記載の取り付け具であって、
前記本体部は、前記設置屈曲部とは異なる位置に、L字状に屈曲する他の屈曲部を有し、
前記他の屈曲部は、前記設置屈曲部が設けられる位置とは異なる位置の隣合う2つの連結部材に、L字状の他の屈曲板が固定されることにより形成され、
前記他の屈曲板とは、板状の第3部材における直線状に延びる第1端部から板状の第4部材が延び出すように形成されるものであり、
前記第3部材は、前記異なる位置の隣合う2つの連結部材のうち、1つ目の連結部材における前記柱体の外面と対面する部分に固定され、
前記第4部材は、前記1つ目の連結部材に繋がる2つ目の連結部材における前記柱体の外面と対面する部分に固定され、
前記第3部材の第1端部と、当該第1端部と平行に直線状延びる前記他の屈曲板における前記並び方向の両側の端部とは、前記回転軸に沿った軸方向に延び、
前記他の屈曲板における前記並び方向の両側の端部は、前記柱体の外面に接する、取り付け具。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載の取り付け具であって、
前記接続部材は、前記第1固定部材に設けられ、前記第1固定部材と前記第2固定部材とを接続するための接続機構を有し、当該接続部材の前記第2固定部材における接続位置を調整可能に構成され、
前記第1固定部材及び前記第2固定部材の少なくとも一方に設けられる調整部を更に備え、
前記調整部は、当該調整部が設けられた前記第1固定部材及び前記第2固定部材の少なくとも一方の長さを調整可能に構成される、取り付け具。
【請求項6】
請求項1又は請求項2に記載の取り付け具であって、
前記複数の連結部材は、少なくとも一部が着脱可能に構成されている、取り付け具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、傾斜測定器を柱体へ取り付け可能な取り付け具に関する。
【背景技術】
【0002】
鉛直に電柱を設置するような建柱作業中や建柱作業後に、電柱の鉛直方向に対する傾斜を測定するため、傾斜測定器等が用いられることが知られている。特許文献1には、電柱の延びる方向に沿って接する測定用の一辺を有する三角形状の傾斜測定器であって、作業者が手で支えた状態で当該測定用の一辺を電柱に押し当てて用いられる傾斜測定器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した傾斜測定器のように、常に人が支えた状態で電柱の傾斜を測定する場合、測定の際に当該傾斜測定器がズレやすい。また、傾斜測定器の測定用の一辺を正確に電柱に押し当てることが難しい。このため、正確な傾斜測定が困難であるという問題があった。
【0005】
本開示の一局面は、傾斜測定器を容易に柱体へ取り付け可能な取り付け具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、柱体に巻き付けて用いられ、傾斜測定器を柱体へ取り付け可能な取り付け具であって、本体部と、設置部と、第1固定部材と、第2固定部材と、接続部材と、を備える。本体部は、互いに繋がった状態で一列に並ぶ複数の連結部材を有する。設置部は、本体部に固定され、傾斜測定器を設置するための部材である。第1固定部材は、本体部の第1端に固定され、第1端から延びる部材である。第2固定部材は、本体部の第2端に固定され、第2端から延びる部材である。接続部材は、第1固定部材と第2固定部材とを接続する部材である。複数の連結部材は、当該複数の連結部材が並ぶ並び方向に直交する方向に延びる回転軸を有する。複数の連結部材のうち、隣合う2つの連結部材は、回転軸を中心に互いに回転可能に繋がる。
【0007】
このような構成によれば、柱体の背後に回らなくても手前で複数の連結部材が柱体の周方向に沿って並ぶように本体部を柱体の外面に沿わせることができ、第1固定部材及び第2固定部材を接続部材によって接続させることで、取り付け具を容易に柱体へ巻き付けることができる。そして、本体部に固定される設置部に傾斜測定器を設置することで、傾斜測定器を容易に柱体へ取り付けることができる。
【0008】
本開示の一態様では、複数の連結部材は、柱体の外面と接し、回転軸に沿った軸方向に延びる板部を有してもよい。このような構成では、本体部を柱体の外面に沿わせる際に、複数の連結部材における板部が、柱体の周方向において間隔を空けたそれぞれの位置において、柱体に軸方向に沿って接する。このとき、板部と柱体の外面との間には、摩擦力が生じる。これにより、周方向における複数の異なる位置において、板部と柱体の外面との間に摩擦力が生じた状態で本体部が柱体に当接するため、柱体に対する本体部の位置が定まりやすい。
【0009】
本開示の一態様では、本体部は、設置部が固定される位置に、L字状に屈曲する設置屈曲部を有してもよい。設置屈曲部は、複数の連結部材のうち、隣合う2つの連結部材に、L字状の屈曲板が固定されることにより形成されてもよい。屈曲板とは、板状の第1部材における直線状に延びる第1端部から板状の第2部材が延び出すように形成されるものであってもよい。第1部材は、隣合う2つの連結部材のうち、1つ目の連結部材における柱体の外面と対面する部分に固定されてもよい。第2部材は、1つ目の連結部材に繋がる2つ目の連結部材における柱体の外面と対面する部分に固定されてもよい。第1部材の第1端部と、当該第1端部と平行に直線状に延びる屈曲板における並び方向の両側の端部とは、回転軸に沿った軸方向に延びてもよい。屈曲板における並び方向の両側の端部は、柱体の外面に接してもよい。
【0010】
このような構成では、本体部を柱体の外面に沿わせる際に、設置屈曲部を形成する屈曲板における並び方向の両側の端部が、柱体の延びる方向と略平行な状態で当該柱体の外面と当接しやすくなる。このため、本体部の並び方向が柱体の延びる方向に対して略垂直な状態となるように、本体部を柱体の外面に沿わせやすくなる。また、屈曲板における並び方向の両側の端部と柱体の外面との間に摩擦力が生じた状態で当該両側の端部が柱体の外面に当接する。このため、設置屈曲部において柱体に対する本体部の周方向におけるズレを抑制することができる。その結果、柱体に対して本体部を安定した状態で周方向に沿って沿わせることができる。
【0011】
本開示の一態様では、本体部は、設置屈曲部とは異なる位置に、L字状に屈曲する他の屈曲部を有してもよい。他の屈曲部は、設置屈曲部が設けられる位置とは異なる位置の隣合う2つの連結部材に、L字状の他の屈曲板が固定されることにより形成されてもよい。他の屈曲板とは、板状の第3部材における直線状に延びる第1端部から板状の第4部材が延び出すように形成されるものであってもよい。第3部材は、設置屈曲部が設けられる位置とは異なる位置の隣合う2つの連結部材のうち、1つ目の連結部材における柱体の外面と対面する部分に固定されてもよい。第4部材は、1つ目の連結部材に繋がる2つ目の連結部材における柱体の外面と対面する部分に固定されてもよい。第3部材の第1端部と、当該第1端部と平行に直線状延びる他の屈曲板における並び方向の両側の端部とは、回転軸に沿った軸方向に延びてもよい。他の屈曲板における並び方向の両側の端部は、柱体の外面に接してもよい。
【0012】
このような構成では、本体部を柱体の外面に沿わせる際に、他の屈曲部を形成する他の屈曲板における並び方向の両側の端部も、柱体の延びる方向と略平行な状態で当該柱体の外面と当接しやすくなる。このため、本体部の並び方向が柱体の延びる方向に対して略垂直な状態となるように、本体部を柱体の外面により沿わせやすくなる。また、他の屈曲板における並び方向の両側の端部と柱体の外面との間に摩擦力が生じた状態で当該両側の端部が柱体の外面に当接する。このため、他の屈曲部においても柱体に対する本体部の周方向におけるズレを抑制することができる。その結果、柱体に対して本体部をより安定した状態で周方向に沿って沿わせることができる。
【0013】
本開示の一態様は、第1固定部材及び第2固定部材の少なくとも一方に設けられる調整部を更に備えてもよい。接続部材は、第1固定部材に設けられ、第1固定部材と第2固定部材とを接続するための接続機構を有し、当該接続部材の第2固定部材における接続位置を調整可能に構成されてもよい。調整部は、当該調整部が設けられた第1固定部材及び第2固定部材の少なくとも一方の長さを調整可能に構成されてもよい。このような構成によれば、接続部材によって、第1固定部材と第2固定部材とを接続することで、取り付け具の柱体に対する巻き付けを実現することができる。また、接続部材の第2固定部材における接続位置を調整することによって、取り付け具の柱体に対する巻き付け後の締め付け度合いを調整することができる。更に、調整部によって、当該調整部が設けられる第1固定部材及び第2固定部材の少なくとも一方の長さを調整することができる。
【0014】
本開示の一態様では、複数の連結部材は、少なくとも一部が着脱可能に構成されていてもよい。このような構成によれば、複数の連結部材が連結する数を着脱により変更することが可能であるため、様々な径を有する柱体に対して汎用的に、取り付け具を使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2】接続状態にある取り付け具を示す上面図である。
【
図3】接続状態にある取り付け具を接続部材側から見た側面図である。
【
図4】取り付け具が電柱に巻き付けられ、設置部に傾斜測定器が設置された状態を示す図である。
【
図5】
図5Aは、設置部を示す正面図である。
図5Bは、設置部を示す側面図である。
図5Cは、設置部を示す上面図である。
【
図6】
図6Aは、連結部材を示す正面図である。
図6Bは、連結部材を示す側面図である。
図6Cは、連結部材を示す上面図である。
【
図7】電柱に巻き付けられた状態にある取り付け具における設置屈曲部の周辺を示す図である。
【
図8】
図8Aは、第2屈曲板を示す正面図である。
図8Bは、第2屈曲板を示す上面図である。
【
図9】電柱に巻き付けられた状態にある取り付け具における他の屈曲部の周辺を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本開示の例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
[1.全体構成]
図1~
図4に示す取り付け具100は、柱体200に巻き付けて用いられ、傾斜測定器300を当該柱体200に取り付け可能な器具である。柱体200には、電柱や、電車線などを支持する柱状の部材等が含まれる。傾斜測定器300は、例えば、水平器である。
図4に示すように、取り付け具100を柱体200に巻き付けて、傾斜測定器300を柱体200に取り付けることによって、地面に立てられた柱体200の鉛直方向に対する傾きを測定可能である。
図1~
図3に示すように、取り付け具100は、本体部1と、設置部2と、第1固定部材3と、第2固定部材4と、接続部材5と、調整部6と、を備える。
【0017】
<本体部>
本体部1は、後述する複数の連結部材11が互いに繋がった状態で一列に並ぶことで構成される。本体部1は、第1端部101から第2端部102まで延びる。なお、本体部1の詳細な構成は後述する。以下の説明では、複数の連結部材11が並ぶ方向を並び方向とする。なお、並び方向は、取り付け具100が柱体200に巻き付けられた状態である取り付け具100の巻付状態においては、柱体200の周方向ともいえる。巻付状態にある取り付け具100を基準として、地面に立てられた柱体200の上下方向を、取り付け具100の上下方向とする。なお、上下方向は、並び方向に直交する方向である。なお、上下方向は、後述する連結部材11が有する回転軸113の軸方向ともいえる。
【0018】
<設置部>
設置部2は、本体部1に固定され、傾斜測定器300を設置するための部材である。設置部2は、金属製の部材である。本実施形態では、設置部2は、本体部1の第2端部102から2つ目及び3つ目に位置する2つの連結部材11に固定される。
図5A~
図5Cに示すように、設置部2は、第1屈曲板21と、受け台22と、を有する。
【0019】
第1屈曲板21は、設置部2において、本体部1の隣合う2つの連結部材11に固定される部分である。第1屈曲板21は、上下方向に沿って直線状に延びる屈曲線211で屈曲したL字状の板状の部分である。本実施形態では、第1屈曲板21は、四角形状の第1部材21a及び四角形状の第2部材21bを有し、第1部材21aにおける屈曲線211上に位置する1辺から第2部材21bが延び出すように形成される。すなわち、第1屈曲板21は、四角形状の2つの部材21a,21bがL字状に組み合わさって形成される。本実施形態では、第1部材21aと第2部材21bとのなす角度は、90°である。なお、第1部材と第2部材とのなす角度は、他の角度を有していてもよく、例えば90°よりも大きくてもよいし、90°よりも小さくてもよい。第1屈曲板21は、第1端部212と、第2端部213と、を有する。第1端部212及び第2端部213は、上下方向に沿って直線状に延び、かつ、屈曲線211に対して平行に延びる。第1端部212及び第2端部213は、第1屈曲板21における上下方向に直交する方向の両側の端部である。第1端部212と第2端部213との間には、屈曲線211が位置する。第1屈曲板21には、当該第1屈曲板21を貫通する複数の貫通孔214(一例として、4つの貫通孔214)が設けられている。
【0020】
受け台22は、設置部2において、傾斜測定器300が載せられる部分である。受け台22は、第1屈曲板21の上方端部に位置する平らな板状の部分である。受け台22は、第1屈曲板21の第1端部212及び第2端部213を結ぶ仮想線Aから屈曲線211に向かう方向に、第1屈曲板21の上方端部から、第1端部212及び第2端部213の延びる方向に対して略垂直に延び出す。
【0021】
受け台22は、少なくとも、第1辺221と、第2辺222と、第3辺223と、第4辺224と、第5辺225と、を有する。第1辺221は、上述した仮想線Aと平行に並ぶ。第2辺222及び第3辺223は、当該第1辺221の両側端部から当該第1辺221に対して略垂直に延びる。第4辺224は、第2辺222及び第1屈曲板21の第1端部212を結ぶ。第5辺225は、第3辺223及び第1屈曲板21の第2端部213を結ぶ。受け台22は、第1辺221、第2辺222及び第3辺223のそれぞれから当該受け台22に対して略垂直に上方に向かって延びる突出壁226~228を有する。
【0022】
<第1固定部材>
図1~
図3に示すように、第1固定部材3は、本体部1の第1端部101に固定され、第1端部101から延びる帯状の部材である。本実施形態では、第1固定部材3は、上下方向に所定の幅を有する第1紐31及び第2紐32を有する。第1紐31は、本体部1の第1端部101に固定され、第2紐32は、後述する調整部6を介して第1紐31に接続される。なお、第1固定部材は、1つの紐によって構成されていてもよい。
【0023】
<第2固定部材>
第2固定部材4は、本体部1の第2端部102に固定され、第2端部102から延びる帯状の部材である。本実施形態では、第2固定部材4は、上下方向に所定の幅を有する第3紐41及び樹脂製部材42を有する。第3紐41は、本体部1の第2端部102に固定され、樹脂製部材42は、当該第3紐41に接続される。樹脂製部材42には、当該樹脂製部材42が延びる長さ方向に間隔を空けて並ぶように、当該樹脂製部材42の幅方向に延びる複数の溝421が設けられている。なお、樹脂製部材は、本体部1の第2端部102に直接固定されていてもよい。
【0024】
<接続部材>
接続部材5は、第1固定部材3と第2固定部材4とを接続する部材である。本実施形態では、接続部材5は、第1固定部材3に設けられる。具体的には、接続部材5は、第1固定部材3の第2紐32の第1紐31と接続する側の端部とは反対側の端部に固定される。接続部材5は、第1固定部材3と第2固定部材4とを接続するための接続機構と、当該接続部材5の第2固定部材4における接続位置を調整可能な調整機構と、を有する。
【0025】
具体的には、接続部材5は、第1カバー部51と、第1カバー部51に対面して配置される第2カバー部52と、を有する。第1カバー部51と第2カバー部52との間には、細長い隙間が形成されており、第2固定部材4の樹脂製部材42は当該隙間を挿通可能となっている。
【0026】
第2固定部材4の樹脂製部材42は、作業者により、第1固定部材3の先端側から、第1カバー部51と第2カバー部52との間の隙間に第1方向に挿通され、第1方向にスライド可能となる。また、接続部材5は、第1方向にスライドする樹脂製部材42の各溝421と係合する爪部を有し、当該爪部と溝421とが係合することで、接続部材5と樹脂製部材42との接続位置が定められる。
【0027】
また、上述した爪部は、接続部材5内に挿通された樹脂製部材42が、第1方向の反対方向である第2方向にスライドするのを阻止する。しかし、作業者が第2カバー部52を操作すると、爪部は樹脂製部材42の各溝421と係合しなくなり、樹脂製部材42の第1方向及び第2方向へのスライドが可能となる。そして、樹脂製部材42を第2方向にスライドさせ、樹脂製部材42を接続部材5から離間させると、第1固定部材3と第2固定部材4との接続が解除される。
【0028】
つまり、接続部材5内に挿通された樹脂製部材42を、第1方向又は第2方向にスライドさせることで、接続部材5の第2固定部材4における接続位置が調整され、接続部材5の爪部と溝421とが係合することで、第1固定部材3と第2固定部材4とが接続される。
【0029】
<調整部>
調整部6は、第1固定部材3に設けられ、第1固定部材3の長さを調整可能な部材である。本実施形態では、調整部6は、第1紐31に固定される。調整部6は、第3カバー部61と、第3カバー部61に対面して配置される第4カバー部62と、を有する。第3カバー部61と第4カバー部62との間には、隙間が形成されており、第1固定部材3の第2紐32は当該隙間に挿通され、当該隙間をスライド可能となっている。これにより、調整部6に固定される第1紐31と、第3カバー部61と第4カバー部62との間の隙間に挿通される第2紐32とは、調整部6を介して接続される。
【0030】
また、第4カバー部62は、作業者の操作により、開放位置と固定位置とに変位可能となっている。第4カバー部62が開放位置にある際、第3カバー部61と第4カバー部62との間の隙間が拡大され、第4カバー部62が固定位置にある際、当該隙間が狭められる。
【0031】
そして、第4カバー部62が開放位置にある際、作業者は、第2紐32をスライドさせることで、第2紐32における調整部6内を通過する位置を調整可能となる。そして、第4カバー部62を固定位置に変位させると、第3カバー部61と第4カバー部62との間の隙間が狭められ、調整部6内で第1固定部材3が固定される。これにより、第1固定部材3の長さが調整される。
【0032】
[2.本体部の構成]
本体部1は、複数の連結部材11と、第1屈曲部12と、第2屈曲部13と、を有する。
【0033】
<連結部材>
図6A~
図6Cに示すように、連結部材11は、第1板部111と、2つの第2板部112と、2つの回転軸113と、を有する。本実施形態では、連結部材11は、アルミ製の部材である。
【0034】
第1板部111は、長方形状を有する平らな板状の部分である。第1板部111は、上下方向の長さが並び方向の長さよりも長い。すなわち、第1板部111は、後述する回転軸113に沿った軸方向に延びる。本実施形態では、第1板部111は、並び方向の長さが約30mmであり、上下方向の長さが約50mmである。第1板部111は、取り付け具100の巻付状態において、柱体200の外面と接する。第1板部111は、内面114と、当該内面114の反対側の面である外面115と、を有する。内面114は、取り付け具100の巻付状態において、柱体200の外面と対向して接する面である。
【0035】
2つの第2板部112は、並び方向に長い長円形状を有する平らな板状の部分である。2つの第2板部112は、上下方向に間隔を空けて互いに平行に並び、第1板部111の上下方向における両側端部に位置する。すなわち、第1板部111は、2つの第2板部112の間に位置し、2つの第2板部112を繋ぐ。2つの第2板部112は、第1板部111の上下方向における両側端部から、それぞれ第1板部111に対して略垂直に、第1板部111の内面114から外面115に向かう方向に沿って延び出すように設けられる。すなわち、2つの第2板部112は、第1板部111の外面側に突出するように設けられる。
【0036】
2つの第2板部112はそれぞれ、第1貫通孔116と、第2貫通孔117と、の2つの貫通孔を有する。第1貫通孔116及び第2貫通孔117は、並び方向に間隔を空けて第2板部112に設けられ、第2板部112を上下方向に貫通する。本実施形態では、第1貫通孔116及び第2貫通孔117の中心点間の距離は、約60mmである。第1貫通孔116は、並び方向における第2板部112の第1端側に位置する。第2貫通孔117は、並び方向における第2板部112の第2端側に位置する。なお、第2板部112の第1端側は、上述した本体部1の第1端部101側に位置し、第2板部112の第2端側は、本体部1の第2端部102側に位置する。第1板部111の上方端部に位置する第2板部112の第1貫通孔116と、第1板部111の下方端部に位置する第2板部112の第1貫通孔116と、は、上下方向に一直線上に並ぶように配置される。また、第1板部111の上方端部に位置する第2板部112の第2貫通孔117と、第1板部111の下方端部に位置する第2板部112の第2貫通孔117と、は、上下方向に一直線上に並ぶように配置される。
【0037】
2つの回転軸113は、上述した、2つの第2板部112におけるそれぞれの第1貫通孔116と、2つの第2板部112におけるそれぞれの第2貫通孔117と、を通り、上下方向に延びる軸である。
【0038】
隣合う2つの連結部材11は、1つ目の連結部材11の第1貫通孔116と、2つ目の連結部材11の第2貫通孔117と、が上下方向において重なるように、当該2つの連結部材11の2つの第2板部112が重ねられる。そして、2つの連結部材11が上述したように重なった状態において、重なった状態にある第1貫通孔116及び第2貫通孔117を貫通するように、
図1~
図4に示すように、ボルト14が挿入される。これにより、隣合う2つの連結部材11は、回転軸113を中心に互いに回転可能に繋がる。このように、本実施形態では、12個の連結部材11が連結されることで本体部1が構成される。複数の連結部材11の各々は、上述したボルト14の取り外しによって、着脱可能に構成されている。本体部1の並び方向の長さは、複数の連結部材11の連結される個数を調整することで、柱体200の直径の略半分程度の長さに調整されることが好ましい。
【0039】
本体部1の第1端部101に位置する連結部材11の第1貫通孔116の回転軸113上には、
図3、
図6及び
図9に示すように、第1固定部材3の第1紐31を固定するための棒状部材16が、上方の第2板部112の第1貫通孔116と、下方の第2板部112の第1貫通孔116と、を貫通するように設けられている。また、本体部1の第2端部102に位置する連結部材11の第2貫通孔117の回転軸113上には、
図3、
図6及び
図7に示すように、第2固定部材4の第3紐41を固定するための棒状部材16が、上方の第2板部112の第2貫通孔117と、下方の第2板部112の第2貫通孔117と、を貫通するように設けられている。
【0040】
本体部1において、後述する第1屈曲部12及び第2屈曲部13が設けられる位置に配置される隣合う2つの連結部材11の第1板部111には、それぞれ当該第1板部111を貫通する複数の貫通孔(一例として、2つの貫通孔)が設けられている。当該第1板部111の複数の貫通孔と、上述した第1屈曲板21の複数の貫通孔214、及び、後述する第2屈曲板15の複数の貫通孔154と、は重なり合う。
【0041】
<第1屈曲部>
第1屈曲部12は、本体部1における、上述した設置部2が固定される位置において、L字状に屈曲する部分である。第1屈曲部12は、隣合う2つの連結部材11に、設置部2の第1屈曲板21の屈曲線211、第1端部212及び第2端部213が軸方向に延びるように当該第1屈曲板21を固定させることにより形成される。具体的には、
図4及び
図7に示すように、第1部材21aが1つ目の連結部材11における柱体200の外面と対面する部分に固定され、第2部材21bが2つ目の連結部材11における柱体200の外面と対面する部分に固定される。本実施形態では、隣合う2つの連結部材11におけるそれぞれの第1板部111の内面114に、設置部2の第1屈曲板21の第1部材21a及び第2部材21bを当接させる。そして、第1屈曲板21に設けられる貫通孔214と、第1板部111に設けられる貫通孔にボルト14等を挿入させることで固定される。なお、隣合う2つの連結部材11及び設置部2は、溶接等によって固定されてもよい。
【0042】
<第2屈曲部>
第2屈曲部13は、本体部1における、第1屈曲部12とは異なる位置において、
図8に示す第2屈曲板15が固定されることでL字状に屈曲する部分である。第2屈曲板15は、上下方向に沿って直線状に延びる屈曲線151で屈曲したL字状の板状の部材である。本実施形態では、第2屈曲板15は、四角形状の第3部材15a及び四角形状の第4部材15bを有し、第3部材15aにおける屈曲線151上に位置する1辺から第4部材15bが延び出すように形成される。すなわち、第2屈曲板15は、四角形状の2つの部材15a,15bがL字状に組み合わさって形成される。本実施形態では、第3部材15aと第4部材15bとのなす角度は、90°である。なお、第3部材と第4部材とのなす角度は、他の角度を有していてもよく、例えば90°よりも大きくてもよいし、90°よりも小さくてもよい。第2屈曲板15は、アルミ製の部材である。第2屈曲板15は、第1端部152と、第2端部153と、を有する。第1端部152及び第2端部153は、上下方向に沿って直線状に延び、かつ、屈曲線151に対して平行に延びる。第1端部152及び第2端部153は、第2屈曲板15における上下方向に直交する方向の両側の端部である。第1端部152と第2端部153との間には、屈曲線151が位置する。本実施形態では、第1端部152及び第2端部153の長さは、約80mmであり、第1端部152及び第2端部153から屈曲線151までの長さは、約50mmである。第2屈曲板15には、当該第2屈曲板15を貫通する複数の貫通孔154(一例として、4つの貫通孔154)が設けられている。本実施形態では、
図1及び
図2に示すように、第2屈曲板15は、本体部1の第1端部101から2つ目及び3つ目に位置する2つの連結部材11に固定される。
【0043】
第2屈曲部13は、隣合う2つの連結部材11に、上述した第2屈曲板15の屈曲線151、第1端部152及び第2端部153が軸方向に延びるように当該第2屈曲板15を固定させることにより形成される。具体的には、
図9に示すように、第3部材15aが1つ目の連結部材11における柱体200の外面と対面する部分に固定され、第4部材15bが2つ目の連結部材11における柱体200の外面と対面する部分に固定される。本実施形態では、隣合う2つの連結部材11におけるそれぞれの第1板部111の内面114に、第2屈曲板15の第3部材15a及び第4部材15bを当接させる。そして、第2屈曲板15に設けられる貫通孔154と、第1板部111に設けられる貫通孔にボルト14等を挿入させることで固定される。なお、隣合う2つの連結部材11及び第2屈曲板15は、溶接等によって固定されてもよい。
【0044】
[3.取り付け具の柱体への取り付け方法]
図4、
図7及び
図9に示すように、第1屈曲部12、第2屈曲部13及び複数の連結部材11を柱体200の外面に当接させる。具体的には、設置部2の第1屈曲板21の第1端部212及び第2端部213と、第2屈曲板15の第1端部152及び第2端部153と、複数の連結部材11における第1板部111と、を柱体200の外面に当接させる。このようにして、複数の連結部材11が柱体200の周方向に沿って並ぶように本体部1を柱体200の外面に沿わせ、第1固定部材3及び第2固定部材4を接続部材5によって接続させることで、取り付け具100を柱体200に巻き付ける。その後、上述した接続部材5の調整機構、及び、調整部6の少なくとも一方を用いて、取り付け具100の周方向の長さや、取り付け具100の柱体200への巻き付け後の締め付け度合いを調整する。
【0045】
[4.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(4a)本実施形態では、柱体200の背後に回らなくても手前で複数の連結部材11が柱体200の周方向に沿って並ぶように本体部1を柱体200の外面に沿わせることができ、第1固定部材3及び第2固定部材4を接続部材5によって接続させることで、取り付け具100を容易に柱体200へ巻き付けることができる。そして、本体部1に固定される設置部2の受け台22に傾斜測定器300を載せることで、柱体200に対する傾斜測定器300の相対的な位置が適切な位置となるように、傾斜測定器300を容易に柱体200へ取り付けることができる。その結果、柱体200を鉛直に建てるための傾斜測定の精度を向上させることが可能である。
【0046】
傾斜測定器300の柱体200への取り付けにおいて、例えば、1本の長い紐状のバンドを用いて傾斜測定器300を柱体200に取り付けることも考えられる。しかし、そのような構成では、バンドが垂れるため、バンドの一方の端部を持った状態で、他方の端部を柱体200の背後を通して柱体200の前まで回す必要がある。このため、特に柱体200の径が太い場合には、1人では取り付けにくいという問題が起こりえる。一方、本実施形態では、上述したように、柱体200の背後に回らなくても手前で本体部1を柱体200の外面に沿わせることができ、第1固定部材3及び第2固定部材4を接続部材5によって接続させることで、取り付け具100を柱体200に巻き付けることができるため、1人でも容易に取り付けやすい。
【0047】
(4b)本実施形態では、本体部1を柱体200の外面に沿わせる際に、複数の連結部材11における第1板部111の内面114が、柱体200の周方向において間隔を空けたそれぞれの位置において、柱体200に上下方向に沿って接する。このとき、第1板部111の内面114と柱体200の外面との間には、摩擦力が生じる。これにより、周方向における複数の異なる位置において、第1板部111の内面114と柱体200の外面との間に摩擦力が生じた状態で本体部1が柱体200に当接するため、柱体200に対する本体部1の位置が定まりやすい。なお、第1板部111の上下方向の長さが長いほど、第1板部111の内面114と柱体200の外面との接地面積が増える。その結果、第1板部111の内面114と柱体200の外面との間に生じる摩擦力も向上するため、第1板部111の上下方向の長さは長い方が好ましい。
【0048】
(4c)本実施形態では、本体部1に第1屈曲部12及び第2屈曲部13が設けられる。そして、本体部1を柱体200の外面に沿わせる際に、第1屈曲部12を形成する設置部2の第1屈曲板21の第1端部212及び第2端部213と、第2屈曲部13を形成する第2屈曲板15の第1端部152及び第2端部153と、が柱体200の延びる方向と略平行な状態で当該柱体200の外面と当接しやすい。このため、本体部1の並び方向が柱体200の延びる方向に対して略垂直な状態となるように、本体部1を柱体200の外面に沿わせやすくすることができる。したがって、傾斜測定器300が載せられる設置部2の受け台22を、柱体200の延びる方向に対して略垂直に設けやすくすることができる。
【0049】
また、第1屈曲板21の第1端部212及び第2端部213、並びに、第2屈曲板15の第1端部152及び第2端部153と、柱体200の外面と、の間に摩擦力が生じた状態で各端部212,213,152,153が柱体200の外面に当接する。このため、取り付け具100の巻付状態において、第1屈曲部12及び第2屈曲部13の2カ所で柱体200に対する本体部1の周方向におけるズレを抑制することができる。その結果、柱体200に対して本体部1を安定した状態で周方向に沿って沿わせることができる。
【0050】
また、本実施形態では、第1屈曲部12が本体部1の第2端部102寄りに位置し、第2屈曲部13が本体部1の第1端部101寄りに位置する。つまり、第1屈曲部12及び第2屈曲部13は、本体部1において離れた位置に設けられる。具体的には、第1屈曲部12及び第2屈曲部13は、取り付け具100の巻付状態において、柱体200を挟んで対向するような位置に配置される。このため、第1屈曲部12及び第2屈曲部13が近い位置に設けられる場合と比較して、柱体200に対する本体部1の取り付け状態の安定性を向上させることができる。
【0051】
また、本実施形態では、第1屈曲部12及び第2屈曲部13の2つの屈曲部が本体部1に設けられる。このため、例えば、本体部に1つの屈曲部が設けられる構成と比較して、本体部の柱体200への固定がより安定しやすい。
【0052】
(4d)本実施形態では、接続部材5によって、第1固定部材3と第2固定部材4とを接続することで、取り付け具100の柱体200に対する巻き付けを実現することができる。また、接続部材5の第2固定部材4における接続位置を調整することによって、取り付け具100の柱体200に対する巻き付け後の締め付け度合いを調整することができる。更に、調整部6によって、当該調整部6が設けられる第1固定部材3の長さを調整することができる。その結果、様々な径を有する柱体200に対して汎用的に、取り付け具100を使用することが可能である。
【0053】
(4e)本実施形態では、複数の連結部材11が連結する数をボルト14の着脱により変更することが可能であるため、様々な径を有する柱体200に対して汎用的に、取り付け具100を使用することが可能である。
【0054】
(4f)本実施形態では、設置部2の受け台22には、突出壁226~228が設けられている。このため、設置部2の受け台22に傾斜測定器300を載せた状態で、受け台22から傾斜測定器300の落下を抑制することができる。
【0055】
(4g)本実施形態では、複数の連結部材11がアルミ製の部材である。このため、複数の連結部材が金属製の部材である場合と比較して、本体部1を軽量化することができる。また、本体部1における取り付け具100の巻付状態における締め付けが強く、複数の連結部材11の各々に負荷が係ったとしても、例えば連結部材が樹脂製の部材である場合と比較して壊れにくい。したがって、本体部1の軽量化を図りつつ、耐久性を向上させることができる。
【0056】
なお、本実施形態では、第1屈曲部12が設置屈曲部の一例に相当し、第2屈曲部13が他の屈曲部の一例に相当し、第1板部111が板部の一例に相当する。また、設置部2における第1屈曲板21が屈曲板の一例に相当し、第1屈曲板21の第1端部212及び第2端部213が屈曲板における並び方向の両側の端部の一例に相当する。また、第1部材21aにおける屈曲線211上に位置する1辺が、第1部材における直線状に延びる第1端部の一例に相当する。また、第2屈曲板15が他の屈曲板の一例に相当し、第2屈曲板15の第1端部152及び第2端部153が、他の屈曲板における並び方向の両側の端部の一例に相当する。また、第3部材15aにおける屈曲線151上に位置する1辺が、第3部材における直線状に延びる第1端部の一例に相当する。
【0057】
[5.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0058】
(5a)上記実施形態では、連結部材11が第1板部111及び第2板部112を有する構成を例示したが、連結部材の構成はこれに限定されるものではない。例えば、連結部材は、複数の連結部材が一列に並んで、互いに回転可能に繋がる構成であれば、第1板部及び第2板部のいずれか一方のみを有する構成であってもよいし、第1板部及び第2板部以外の他の板部を有してもよい。
【0059】
(5b)上記実施形態では、本体部1が第1屈曲部12及び第2屈曲部13を有するが、本体部の構成はこれに限定されるものではない。例えば、本体部は、第1屈曲部及び第2屈曲部のいずれか一方のみを有する構成であってもよいし、第1屈曲部及び第2屈曲部以外の他の屈曲部を有してもよい。
【0060】
(5c)上記実施形態では、取り付け具100が接続部材5及び調整部6を備えるが、取り付け具の構成はこれに限定されるものではない。例えば、取り付け具は、調整部を有しない構成であってもよい。また、上記実施形態では、調整部6は、第1固定部材3に設けられたが、調整部が設けられる場所及び数はこれに限定されるものではない。例えば、調整部は、第2固定部材4の第3紐41に設けられていてもよいし、第1固定部材3及び第2固定部材4の両方に合計2つ設けられていてもよい。
【0061】
(5d)上記実施形態では、本体部1における12個の連結部材11が全て着脱可能に構成されているが、本体部の構成はこれに限定されるものではない。例えば、連結部材は、複数の連結部材のうち、一部の連結部材のみが着脱可能であり、他の連結部材が互いに回転可能に固定されるような構成であってもよい。
【0062】
(5e)上記実施形態では、連結部材11及び第2屈曲板15がアルミ製の部材であったが、連結部材及び第2屈曲板が形成される材料はこれに限定されるものではない。例えば、連結部材及び第2屈曲板は、樹脂製の部材であってもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、設置部2が金属製の部材であったが、設置部が形成される材料はこれに限定されるものではない。例えば、設置部は、樹脂製の部材やアルミ製の部材であってもよい。
【0064】
(5f)上記実施形態では、第1固定部材3及び第2固定部材4が紐状部材及び樹脂製部材により形成されていたが、第1固定部材及び第2固定部材の構成はこれに限定されるものではない。例えば、第1固定部材及び第2固定部材の少なくとも一方が鎖状の部材によって形成されていてもよい。
【0065】
(5g)上記実施形態では、設置部2が傾斜測定器300を載せることができる受け台22を有する構成であったが、設置部の構成はこれに限定されるものではない。例えば、設置部は、傾斜測定器300を引っかけることが可能な引掛部を有する構成や、傾斜測定器300に取り付けられたマグネット等の磁石によって貼り付け可能な構成であってもよい。
【0066】
(5h)上記実施形態では、四角形状の第1部材21a及び第2部材21bがL字状に組み合わさって第1屈曲板21が形成されており、四角形状の第3部材15a及び第4部材15bがL字状に組み合わさって第2屈曲板15が形成されている。しかし、第1部材、第2部材、第3部材及び第4部材の形状はこれに限定されるものではなく、第1部材、第2部材、第3部材及び第4部材は、平行に直線状に延びる2つの辺を有する形状であれば様々な形状を取り得る。
【0067】
(5i)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。
【0068】
[本明細書が開示する技術思想]
[項目1]
柱体に巻き付けて用いられ、傾斜測定器を前記柱体へ取り付け可能な取り付け具であって、
互いに繋がった状態で一列に並ぶ複数の連結部材を有する本体部と、
前記本体部に固定され、前記傾斜測定器を設置するための設置部と、
前記本体部の第1端に固定され、前記第1端から延びる第1固定部材と、
前記本体部の第2端に固定され、前記第2端から延びる第2固定部材と、
前記第1固定部材と前記第2固定部材とを接続する接続部材と、
を備え、
前記複数の連結部材は、当該複数の連結部材が並ぶ並び方向に直交する方向に延びる回転軸を有し、
前記複数の連結部材のうち、隣合う2つの連結部材は、前記回転軸を中心に互いに回転可能に繋がる、取り付け具。
【0069】
[項目2]
項目1に記載の取り付け具であって、
前記複数の連結部材は、前記柱体の外面と接し、前記回転軸に沿った軸方向に延びる板部を有する、取り付け具。
【0070】
[項目3]
項目1又は項目2に記載の取り付け具であって、
前記本体部は、前記設置部が固定される位置に、L字状に屈曲する設置屈曲部を有し、
前記設置屈曲部は、前記複数の連結部材のうち、隣合う2つの連結部材に、L字状の屈曲板が固定されることにより形成され、
前記屈曲板とは、板状の第1部材における直線状に延びる第1端部から板状の第2部材が延び出すように形成されるものであり、
前記第1部材は、前記隣合う2つの連結部材のうち、1つ目の連結部材における前記柱体の外面と対面する部分に固定され、
前記第2部材は、前記1つ目の連結部材に繋がる2つ目の連結部材における前記柱体の外面と対面する部分に固定され、
前記第1部材の第1端部と、当該第1端部と平行に直線状に延びる前記屈曲板における前記並び方向の両側の端部とは、前記回転軸に沿った軸方向に延び、
前記屈曲板における前記並び方向の両側の端部は、前記柱体の外面に接する、取り付け具。
【0071】
[項目4]
項目3に記載の取り付け具であって、
前記本体部は、前記設置屈曲部とは異なる位置に、L字状に屈曲する他の屈曲部を有し、
前記他の屈曲部は、前記設置屈曲部が設けられる位置とは異なる位置の隣合う2つの連結部材に、L字状の他の屈曲板が固定されることにより形成され、
前記他の屈曲板とは、板状の第3部材における直線状に延びる第1端部から板状の第4部材が延び出すように形成されるものであり、
前記第3部材は、前記異なる位置の隣合う2つの連結部材のうち、1つ目の連結部材における前記柱体の外面と対面する部分に固定され、
前記第4部材は、前記1つ目の連結部材に繋がる2つ目の連結部材における前記柱体の外面と対面する部分に固定され、
前記第3部材の第1端部と、当該第1端部と平行に直線状延びる前記他の屈曲板における前記並び方向の両側の端部とは、前記回転軸に沿った軸方向に延び、
前記他の屈曲板における前記並び方向の両側の端部は、前記柱体の外面に接する、取り付け具。
【0072】
[項目5]
項目1から項目4までのいずれか1項に記載の取り付け具であって、
前記接続部材は、前記第1固定部材に設けられ、前記第1固定部材と前記第2固定部材とを接続するための接続機構を有し、当該接続部材の前記第2固定部材における接続位置を調整可能に構成され、
前記第1固定部材及び前記第2固定部材の少なくとも一方に設けられる調整部を更に備え、
前記調整部は、当該調整部が設けられた前記第1固定部材及び前記第2固定部材の少なくとも一方の長さを調整可能に構成される、取り付け具。
【0073】
[項目6]
項目1から項目5までのいずれか1項に記載の取り付け具であって、
前記複数の連結部材は、少なくとも一部が着脱可能に構成されている、取り付け具。
【符号の説明】
【0074】
1…本体部、2…設置部、3…第1固定部材、4…第2固定部材、5…接続部材、6…調整部、11…連結部材、12…第1屈曲部、13…第2屈曲部、14…ボルト、15…第2屈曲板、15a…第3部材、15b…第4部材、16…棒状部材、21…第1屈曲板、21a…第1部材、21b…第2部材、22…受け台、31…第1紐、32…第2紐、41…第3紐、42…樹脂製部材、51…第1カバー部、52…第2カバー部、61…第3カバー部、62…第4カバー部、100…取り付け具、101,152,212…第1端部、102,153,213…第2端部、111…第1板部、112…第2板部、113…回転軸、114…内面、115…外面、116…第1貫通孔、117…第2貫通孔、151,211…屈曲線、154,214…貫通孔、200…柱体、221…第1辺、222…第2辺、223…第3辺、224…第4辺、225…第5辺、226~228…突出壁、300…傾斜測定器、421…溝、A…仮想線。