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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044884
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】整形具
(51)【国際特許分類】
   E04F 21/165 20060101AFI20240326BHJP
【FI】
E04F21/165 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150678
(22)【出願日】2022-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】瀬川 沙弥加
(72)【発明者】
【氏名】中山 学
(72)【発明者】
【氏名】浜田 強志
(57)【要約】
【課題】合わせ部からはみ出すシーラの幅を容易に調整することができる。
【解決手段】ヘラ2は、シーラ20を保持するカバー部3と、カバー部3の周縁に設けられ合わせ板部材11,12に接地する接地部4と、を有している。接地部4は、合わせ部10に配置される押圧部5を有している。カバー部3は、合わせ板部材11,12側の内側壁3aが凹状に形成され、内側壁3aのうち押圧部5に連続する部位は、合わせ部10の延在方向Lの断面視で、合わせ板部材11,12に向かって凸となる湾曲面6を形成している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の合わせ板部材間に延在する合わせ部にシーラを充填するヘラを備える整形具であって、
前記ヘラは、前記シーラを保持するカバー部と、前記カバー部の周縁に設けられ前記合わせ板部材に接地する接地部と、を有し、
前記接地部は、前記合わせ部に配置される押圧部を有し、
前記カバー部は、前記合わせ板部材側の内側壁が凹状に形成され、
前記内側壁のうち前記押圧部に連続する部位は、前記合わせ部の延在方向の断面視で、前記合わせ板部材に向かって凸となる湾曲面を形成していること、を特徴とする整形具。
【請求項2】
前記接地部は、前記押圧部の両端に連続し、前記合わせ板部材に接触する漏出抑制部を有し、
前記カバー部は、前記合わせ板部材と反対側の外側壁において、前記押圧部と前記漏出抑制部との境界から前記合わせ部の延在方向に延びる稜線を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の整形具。
【請求項3】
前記押圧部が前記合わせ板部材に接地する幅寸法は、前記漏出抑制部が前記合わせ板部材に接地する幅寸法よりも大きい、ことを特徴とする請求項2に記載の整形具。
【請求項4】
前記押圧部には、前記合わせ板部材から離間する方向へ凹む切欠部が形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の整形具。
【請求項5】
前記漏出抑制部は、前記押圧部の左,右に一対設けられており、
左右の前記漏出抑制部の間隔は、前記押圧部に近接するにしたがって狭くなる、ことを特徴とする、請求項1に記載の整形具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整形具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シーラを隙間に充填する整形具としては、長手方向の一部に把持部を有する柄部材と、柄部の先端に装着される整形具本体と、を有するものが知られている。このような整形具では、整形具本体の作業側が凹、非作業側が凸となる略円弧状の横断面形状となるように湾曲部が形成されている(例えば特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許6975494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の整形具は、一対の合わせ板部材間に延在する合わせ部にシーラを充填する際、作業者の力加減により合わせ部からはみ出すシーラの幅を調整して一定に保つことが困難である。このため、仕上げ後の外観品質を向上させるためには、更なる改良の余地があった。
この発明は、合わせ部からはみ出すシーラの幅を容易に調整できる整形具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、本発明の整形具は、一対の合わせ板部材間に延在する合わせ部にシーラを充填するヘラを備えている。ヘラは、シーラを保持するカバー部と、カバー部の周縁に設けられ合わせ板部材に接地する接地部と、を有している。接地部は、合わせ部に配置される押圧部を有している。カバー部は、合わせ板部材側の内側壁が凹状に形成され、内側壁のうち押圧部に連続する部位は、合わせ部の延在方向の断面視で、合わせ板部材に向かって凸となる湾曲面を形成している、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、合わせ部からはみ出すシーラの幅を容易に調整することができる整形具が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態の整形具で、全体の構成を説明する斜視図である。
図2】整形具を用いて一対の合わせ板部材間に延在する合わせ部にシーラを充填する様子を説明する図1中II-II線に沿う位置での断面図である。
図3】ヘラの内側壁側の構成を説明する斜視図である。
図4】ヘラの内側壁側の構成を説明する平面図である。
図5】ヘラの接地部の形状を説明する図1中V矢視方向の正面図である。
図6】押圧部と連続する湾曲面を説明し、図1中VI-VI線に沿う断面図である。
図7】漏出抑制部の形状を説明し、図1中VII-VII線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。基本的に整形具1で方向を説明する場合は、基本的に柄部材1aの長手方向を前後方向として先端に装着されたヘラ2に向かう方向を前方として、前後,左右あるいは上下に基づいて説明する。また、「上下方向」は、実際の車両で合わせ板部材11,12の取り付けられている角度に拘わらず「面外方向」と同義である。
【0009】
図1は、本発明が適用される実施形態の整形具1を示している。整形具1は、長尺棒状で長手方向の一部に把持部を有する柄部材1aと、柄部材1aの先端に装着されるゴム製のヘラ2と、を有している。
整形具1の柄部材1aの先端下面側には、左,右方向へ長手方向を沿わせて略直方体形状の係合突起1bが突設されている。また、ヘラ2の上面側には、係合突起1bを挿入して係合させる長孔状の係合凹部2bが凹設されている。そして、係合突起1bを上下方向で係合凹部2bに係合させて柄部材1aの先端にヘラ2が装着される。
【0010】
このような整形具1は、車両のパネル間などに形成された被充填部に流動性を有するシーラ20を塗り付けて充填する際に用いられる。
実施形態では、図2に示すように被充填部として一対の合わせ板部材11,12間に合わせ部10が形成されている。合わせ部10は、溶接等により接合された合わせ板部材11,12間に延在して長手方向にほぼ一定の深さで凹設されている。
そして、シーラ20は、合わせ部10内に充填されると共に、合わせ部10の両側の合わせ板部材11,12の対向縁上面にも薄膜状に塗布されて合わせ部10を一定の幅でシールする。
【0011】
このため、実施形態のヘラ2は、シーラ20を内側に保持するカバー部3と、カバー部3の周縁に設けられて合わせ板部材11,12に接地する接地部4とを、有している。
図3に示すように、カバー部3には、合わせ板部材11,12側を凹状とする内側壁3aが形成されている。そして、内側壁3aと合わせ板部材11,12との間に合わせ部10内へ充填されるシーラ20を保持する空間が形成される。
【0012】
さらに、図4に示すように、内側壁3aのうち後記する押圧部5に対して連続する部位には、湾曲面6が形成されている。湾曲面6は、図6に示すように合わせ部10の延在方向Lの断面視で下方の合わせ板部材11,12に向かって所定の曲率半径R1にて凸状となるように膨出形成されている。
湾曲面6が膨出形成されている部分の壁厚寸法は、他の壁部の壁厚寸法よりも大きく設定されていて、押圧部5が合わせ板部材11,12に押し付けられた際の反力を増大させている。
また、押圧部5が合わせ板部材11,12に対向している下端面の幅寸法W1(図6参照)は、湾曲面6の接地寸法により延長される。
【0013】
図5に示すようにヘラ2の接地部4は、合わせ部10に対応して配置される押圧部5と、押圧部5の両端5a,5aに連続し、合わせ板部材11,12に接触する漏出抑制部7と、を有している。図4に示すように、接地部4は、平面視略六角形のカバー部3の外周縁に位置する各辺に設けられている。
【0014】
このうち、押圧部5は、合わせ部10の延在方向Lと直交する方向へ設けられた前壁部5cを有している。なお、図6に示すように実施形態の前壁部5cの底面は、合わせ板部11,12と平行である。前壁部5cの下端面は、合わせ板部材11,12に対向して配置した上で、その一部を合わせ板部材11,12に接地させるように構成されている。押圧部5は、合わせ部10の延在方向Lと直交する方向へ設けられた前壁部5cを有している。
【0015】
押圧部5には、充填部である合わせ部10に対応する位置に切欠部5bが湾曲形成されている。切欠部5bは、図5に示すように、合わせ板部材11,12から離間する方向へ前壁下端を凹ませて弓型の内周面を湾曲形成している。
そして、切欠部5bは、内周面の最頂部をヘラ2の左右幅方向中間部に配置して、内周面の左,右の各端部をそれぞれ押圧部5の端5a,5aに配置している。さらに、切欠部5bは、図6に示すようにヘラ2の外部から内側壁3aの内側の空間に向けて前後方向へ湾曲形状を一定に維持したまま貫通形成されている。切欠部5bの形成により、前壁部5cの下端面は、一部を合わせ板部材11,12の上面に接地させている。
【0016】
また、漏出抑制部7は、押圧部5の左,右に一対設けられている。漏出抑制部7は、押圧部5の両端5a,5aに連続して斜めに接続される左,右一対の斜行ガイド部7a,7aと、それぞれの斜行ガイド部7aからさらに後方へ平行または後方に向かうにつれて間隔が徐々に狭くなるように各々延設される左,右一対の平行ガイド部7b,7bと、を有している。
左右の漏出抑制部7,7のうち、斜行ガイド部7a,7aの間隔は、押圧部5の設けられている前方に向けて近接するにしたがって狭くなるように構成されている。
【0017】
さらに、実施形態では、図4に示すように斜行ガイド部7aおよび平行ガイド部7bのそれぞれの下端面が所定の幅寸法W2,W3で合わせ板部材11,12に接地するように形成されている。また、幅寸法W2,W3は、押圧部5の前壁部5cの幅寸法W1よりもそれぞれ小さく(W1>W2,W1>W3)なるように設定されている。
【0018】
また、ヘラ2の接地部4は、カバー部3の周縁に連続して合わせ板部材11,12の上面に対向するように形成されている。このうち漏出抑制部7は、シーラ20が押圧部5により合わせ部10内へ充填される際、合わせ板部材11,12の上面に接地してヘラ2の内部のシーラ20が左,右幅方向へ漏出しないようにせき止める。
なお、カバー部3の後壁部7cの下端には、漏出抑制部7に相当するガイド部がなく、合わせ板部材11,12から離間する方向へ当接しないように凹ませてもよい。
【0019】
さらに、図5に示すように、合わせ板部材11,12とは反対側の外側壁3bは、カバー部3の上面側に位置して、合わせ板部材11,12から離間する上方向へ向けて凸状となるように形成されている。
外側壁3bは、左,右一対の稜線8,8を有している。稜線8,8は、押圧部5の両端5a,5aと、漏出抑制部7のそれぞれの斜行ガイド部7a,7aとの境界から合わせ部10の延在方向Lに沿って前後方向に延びている(図1参照)。
図7に示すように、左,右それぞれの稜線8は、ヘラ2の左右幅方向に隣接する押圧部5および漏出抑制部7を所定の鈍角αで接続している。これにより、接地部4の上方への曲げ剛性が向上して押圧部5が押し付けられた際の反力を増大させることができる。
【0020】
上述してきたように、本実施形態の整形具1は、図1に示す一対の合わせ板部材11,12間に延在する合わせ部10にシーラ20を充填するヘラ2を備えている。ヘラ2は、シーラ20を保持するカバー部3と、カバー部3の周縁に設けられ合わせ板部材11,12に接地する接地部4と、を有している。接地部4は、合わせ部10に配置される押圧部5を有している。カバー部3は、合わせ板部材11,12側の内側壁3a(図3参照)が凹状に形成され、内側壁3aのうち押圧部5に連続する部位には、合わせ部10の延在方向Lの断面視で合わせ板部材11,12に向かって凸となる湾曲面6が形成されている。
【0021】
このため、本実施形態の整形具1は、合わせ部10からはみ出すシーラ20の幅を容易に調整することができる。
詳しくは、作業者は、整形具1の柄部材1aに設けられている把持部を把持して、図1に示すようにヘラ2を予め塗布されたシーラ20の上から被せて、または必要な分量のシーラ20をカバー部3の内側の空間内に保持する。
そして、一対の合わせ板部材11,12の上面に向けてヘラ2を押さえ付けながら押圧部5を合わせ部10の延在方向に沿って移動させてシーラ20を合わせ部10内に充填する。
【0022】
この際、切欠部5bを通過したシーラ20は、切欠部5bの弓型の内周面形状によって所望の形状に整形される。
図6に示すように、押圧部5に対して連続する部位に湾曲面6が形成されている。このため、押圧部5は、内側壁3aの厚さ寸法が湾曲面6により増大して、押圧力の変動を吸収する十分な先端剛性を得られる。したがって、ヘラ2の動きは安定して合わせ部10内に必要なシーラ20を充填する際、所望の形状、たとえば、一定の幅寸法となるように容易に整形できる。
そして、実施形態の整形具1は、湾曲面6が所定の曲率半径R1にて凸状となるように膨出形成されている。このため、平坦な部分が緩やかな円弧形状で後方に向けて増大して、充填されるシーラ20の上面が平坦状となるように容易に整形できる。
【0023】
たとえば、図2に示すようにシーラ20を凹状の合わせ部10内に充填する際、剛性を向上させた押圧部5を用いて充分な分量のシーラ20を均等に行き渡らせることができる。同時に合わせ部10両側の合わせ板部材11,12には、一定の幅の薄膜状のシーラ20が対向縁部の上面へ塗布される。
この際、ヘラ2を安定した状態とすることが出来るため、シーラ20の幅寸法および厚さ方向寸法を容易に調整して、所望の外観品質を得られる。
【0024】
また、先端剛性を向上させた押圧部5は一定の力で合わせ板部材11,12上面に押し付けることができる。このため、不安定に摺接された際の振動に起因してシーラ20の表面が凹凸となることを抑制できる。
さらに余計なシーラ20は、ヘラ2により描き出されてカバー部3の内側に再び保持されて再利用できる。このため、シーラ20の使用量を効率的に減少させて製造コストを低減することができる。
【0025】
このように、合わせ部10に充填されたシーラ20は、均質に硬化して合わせ板部材11,12間からダストや水等が入り込まないように延在方向の全長で良好なシール性を得られる。
そして、シーラ20を合わせ部10の延在方向で全長にわたり均一の幅寸法とすることができる。このため、ヘラ2を用いて容易にシーラ20を充填および整形可能であり作業者の技量に拘わらず被充填部の外観品質を向上させることができる。
【0026】
さらに、接地部4は、押圧部5の両端5a,5aに連続し、合わせ板部材11,12に接触する漏出抑制部7を有している。カバー部3は、合わせ板部材11,12と反対側の外側壁3bにおいて、押圧部5と漏出抑制部7との境界から合わせ部10の延在方向Lに延びる稜線8を有している。
漏出抑制部7は、斜行ガイド部7aおよび平行ガイド部7bを合わせ板部材11,12の上面に当接させることにより、カバー部3の内側に保持されたシーラ20が溢れないようにせき止めることができる。このため、シーラ20は、ヘラ2の左,右側辺からの溢れが抑制されて、左,右の漏出抑制部7間の間隔により充填されるシーラ20の幅方向寸法を規定することができる。
したがって、容易に一定の幅でシーラ20を充填および塗布することが出来、シーラ20の塗幅が安定して外観品質を向上させることができる。また、漏れが抑制されるのでシーラ20の無駄が減少して製造コストの削減を図れる。
【0027】
また、押圧部5の両端に漏出抑制部7,7を設けたので、カバー部3からシーラ20が漏出するのを抑制してシーラ20の塗幅を安定させることができる。
また、外側壁3bに合わせ部10と平行な稜線8,8を形成することでカバー部3の剛性が向上する。このため、合わせ板部材11,12の上面に押し付けられた際の押圧部5の変位が減少してさらに安定させてシーラ20を合わせ部10に充填することができる。
【0028】
また、押圧部5が合わせ板部材11,12に接地する幅寸法W1は、漏出抑制部7が合わせ板部材11,12に接地する幅寸法W2よりも大きい。
このため、押圧部5が押し付けられた際の反力を漏出抑制部7よりも増大させて、さらに安定させてシーラ20を合わせ部10に充填することができる。
【0029】
さらに、押圧部5には、合わせ板部材11,12から離間する方向へ凹む切欠部5bが形成されている。
このため、押圧部5に形成された切欠部5bの形状でシーラ20の幅方向の寸法を一定となるように安定させて形成することができる。たとえば、図2に示すように合わせ部10に充填されたシーラ20の上面を、両側の対向縁部の上面に一定の幅で塗布された薄膜状のシーラ20の上面と、円滑に連続させることができる。これにより、合わせ板部材11,12の上面より上方へ突出する部分が無くなりさらに外観品質を向上させることができる。
【0030】
そして、漏出抑制部7は、押圧部5の左,右に一対設けられており、左右の漏出抑制部7の間隔は、押圧部5に近接するにしたがって狭くなる。
このため、カバー部3の内側に保持されているシーラ20は、ヘラ2が合わせ部10に沿って移動すると、押圧部5に近接するにしたがってヘラ2の左右幅方向で中間部に左,右からシーラ20が寄せ集められて充分な充填量を確保することができる。
【0031】
また、合わせ板部材11,12に塗り付けられるシーラ20の幅方向寸法を狭く設定することが出来、さらに外観品質を向上させることができる。
そして、シーラ20の幅方向寸法を狭く設定しても、押圧部5と離間する位置の漏出抑制部7,7の左,右の間隔を広く設定して、カバー部3の内側に保持されるシーラ20を必要な量とすることができる。
【0032】
このように、実施形態の整形具1は、ヘラ2を用いることにより細部の作業性を向上させることが可能となる。例えばシーラ20の漏出量が減少するため、リカバリーについても容易に行うことができる、といった実用上有益な作用効果を発揮する。
【0033】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。上述した実施形態は本発明を理解しやすく説明するために例示したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について削除し、若しくは他の構成の追加・置換をすることが可能である。上記実施形態に対して可能な変形は、たとえば、以下のようなものである。
【0034】
実施形態では、図4に示すようにヘラ2の接地部4は、平面視略六角形のカバー部3の外周縁に位置する各辺に設けられている。しかしながら特にこれに限らない。たとえば、カバー部3の形状が平面視で、円形、楕円形、三角形以上の多角形もしくは、これらの組み合わせの形状等であってもよい。すなわち、カバー部3は、合わせ板部材11,12側の内側壁が凹状に形成されていれば、平面視形状はどのようなものであってもよく、平面視の形状、構成部材の数量および材質が特に限定されるものではない。
【0035】
また、実施形態では、ヘラ2の左右の漏出抑制部7は、斜行ガイド部7aおよび平行ガイド部7bを合わせ板部材11,12の上面に当接させてカバー部3の内側に保持されたシーラ20が溢れないようにせき止めている。しかしながら、特にこれに限らない。例えば、左,右それぞれのガイド部が直線状または曲線状、さらにこれらの組み合わせにより接地部分の形状とするものなど、押圧部5の両端5a,5aに連続し、合わせ板部材11,12に接触する漏出抑制部7を形成するものであればよい。すなわち、漏出抑制部7の形状、数量および材質が実施形態の漏出抑制部7の構成に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0036】
1 整形具
2 ヘラ
3 カバー部
3a 内側壁
4 接地部
5 押圧部
6 湾曲面
10 合わせ部
11 合わせ板部材
20 シーラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7