(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044886
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】薬剤情報処理装置、薬剤情報表示方法及びプログラム、携帯端末装置
(51)【国際特許分類】
G16H 20/10 20180101AFI20240326BHJP
【FI】
G16H20/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150683
(22)【出願日】2022-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】000149837
【氏名又は名称】富士フイルム富山化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(74)【代理人】
【識別番号】100170069
【弁理士】
【氏名又は名称】大原 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128635
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100140992
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲政
(72)【発明者】
【氏名】黒田 菫
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA25
(57)【要約】
【課題】、薬剤の用法を入力する作業効率を向上させる薬剤情報処理装置、薬剤情報表示方法及びプログラム、携帯端末装置を提供する。
【解決手段】少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサに実行させるための命令を記憶する少なくとも1つのメモリと、を備え、少なくとも1つのプロセッサは、薬剤の服用タイミングを受け付ける薬剤服用タイミング入力用画面をディスプレイに表示し、服用タイミングで服用される薬剤の確定を受け付ける薬剤確定用画面をディスプレイに表示し、確定されたすべての薬剤に対して服用タイミングを適用し、適用させた旨をディスプレイに表示する。
【選択図】
図18
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに実行させるための命令を記憶する少なくとも1つのメモリと、
を備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
薬剤の服用タイミングを受け付ける薬剤服用タイミング入力用画面をディスプレイに表示し、
前記服用タイミングで服用される薬剤の確定を受け付ける薬剤確定用画面を前記ディスプレイに表示し、
前記確定されたすべての薬剤に対して前記服用タイミングを適用し、前記適用させた旨を前記ディスプレイに表示する、
薬剤情報処理装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記薬剤確定用画面を表示する前に前記薬剤服用タイミング入力用画面を表示する、
請求項1に記載の薬剤情報処理装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記薬剤服用タイミング入力用画面において、予め設定されたタイミングの中から前記服用タイミングを選択可能に表示する、
請求項1に記載の薬剤情報処理装置。
【請求項4】
前記薬剤確定用画面は、撮影された薬剤画像を表示する薬剤表示画面と、前記薬剤画像から薬剤の指定を受け付ける指定画面と、前記指定された薬剤の薬剤名又は薬剤識別コードの入力を受け付けるテキスト入力画面と、の少なくとも1つを含む、
請求項1に記載の薬剤情報処理装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記確定された薬剤のリストを表示し、
前記服用タイミングを適用させた旨を前記リストの中に表示する、
請求項1に記載の薬剤情報処理装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記服用タイミングが適用された薬剤の名称、個数、及び用法のうちの少なくとも1つの項目について修正可能な修正画面を表示する、
請求項1に記載の薬剤情報処理装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
所定期間内の複数回の服用タイミングを受け付けた場合、前記確定された薬剤毎に前記所定期間内に服用される量の総和を表示する、
請求項1に記載の薬剤情報処理装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
所定期間内の複数回の服用タイミングを受け付けた場合、前記確定された薬剤毎に前記所定期間内に服用されるタイミングをすべて表示する、
請求項1に記載の薬剤情報処理装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
所定期間内の複数回の服用タイミングを受け付けた場合、前記所定期間内における最後の入力である旨を受け付ける、
請求項1に記載の薬剤情報処理装置。
【請求項10】
前記所定期間は1日である、
請求項7から9のいずれか1項に記載の薬剤情報処理装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
第1の服用タイミングを受け付け、
1度に服用される第1の複数の薬剤が撮影された第1の撮影画像を取得し、
前記第1の撮影画像に基づく画像を前記薬剤確定用画面に表示し、
前記第1の複数の薬剤の確定を受け付け、
前記第1の複数の薬剤に対して前記第1の服用タイミングを適用し、
前記第1の複数の薬剤に対して前記第1の服用タイミングを適用させた旨を前記ディスプレイに表示し、
前記第1の服用タイミングとは異なる第2の服用タイミングを受け付け、
1度に服用される第2の複数の薬剤が撮影された第2の撮影画像を取得し、
前記第2の撮影画像に基づく画像を前記薬剤確定用画面に表示し、
前記第2の複数の薬剤の確定を受け付け、
前記第2の複数の薬剤に対して前記第2の服用タイミングを適用し、
前記第2の複数の薬剤に対して前記第1の服用タイミング及び前記第2の服用タイミングを合算して適用させた旨を前記ディスプレイに表示する、
請求項1に記載の薬剤情報処理装置。
【請求項12】
前記第1の複数の薬剤に対して前記第1の服用タイミング及び前記第2の服用タイミングを合算して適用させた旨を前記ディスプレイに表示する、
請求項11に記載の薬剤情報処理装置。
【請求項13】
前記第1の撮影画像は、前記第1の複数の薬剤を収納した第1の分包袋が撮影された画像であり、
前記第2の撮影画像は、前記第1の分包袋とは異なる第2の分包袋であって、前記第2の複数の薬剤を収納した前記第2の分包袋が撮影された画像である、
請求項11又は12に記載の薬剤情報処理装置。
【請求項14】
入力装置と、
ディスプレイと、
請求項1に記載の薬剤情報処理装置と、
を備える携帯端末装置。
【請求項15】
薬剤の服用タイミングを受け付ける薬剤服用タイミング入力用画面をディスプレイに表示することと、
前記服用タイミングで服用される薬剤の確定を受け付ける薬剤確定用画面を前記ディスプレイに表示することと、
前記確定されたすべての薬剤に対して前記服用タイミングを適用し、前記適用させた旨を前記ディスプレイに表示することと、
を含む薬剤情報表示方法。
【請求項16】
請求項15に記載の薬剤情報表示方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、薬剤情報処理装置、薬剤情報表示方法及びプログラム、携帯端末装置に係り、特に、識別した薬剤に服用タイミングを適用させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが撮影装置によって患者の持参薬剤を撮影し、コンピュータが薬剤の鑑別を行い、ユーザが持参薬剤の鑑別結果として正しいと考えられる候補薬剤を持参薬剤として選択し、更にユーザが持参薬剤の用法、用量、及び服用開始日等の情報を手入力するGUI(Graphical User Interface)が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたGUIは、薬剤毎に用法を手入力する必要があり、作業が煩雑であるという問題点があった。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、薬剤の用法を入力する作業効率を向上させる薬剤情報処理装置、薬剤情報表示方法及びプログラム、携帯端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示の第1態様に係る薬剤情報処理装置は、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサに実行させるための命令を記憶する少なくとも1つのメモリと、を備え、少なくとも1つのプロセッサは、薬剤の服用タイミングを受け付ける薬剤服用タイミング入力用画面をディスプレイに表示し、服用タイミングで服用される薬剤の確定を受け付ける薬剤確定用画面をディスプレイに表示し、確定されたすべての薬剤に対して服用タイミングを適用し、適用させた旨をディスプレイに表示する、薬剤情報処理装置である。本態様によれば、確定した薬剤に受け付けた服用タイミングを適用するようにしたので、薬剤の用法を入力する作業効率を向上させることができる。
【0007】
本開示の第2態様に係る薬剤情報処理装置は、第1態様に係る薬剤情報処理装置において、少なくとも1つのプロセッサは、薬剤確定用画面を表示する前に薬剤服用タイミング入力用画面を表示することが好ましい。
【0008】
本開示の第3態様に係る薬剤情報処理装置は、第1態様又は第2態様に係る薬剤情報処理装置において、少なくとも1つのプロセッサは、薬剤服用タイミング入力用画面において、予め設定されたタイミングの中から服用タイミングを選択可能に表示することが好ましい。
【0009】
本開示の第4態様に係る薬剤情報処理装置は、第1態様から第3態様のいずれかに係る薬剤情報処理装置において、薬剤確定用画面は、撮影された薬剤画像を表示する薬剤表示画面と、薬剤画像から薬剤の指定を受け付ける指定画面と、指定された薬剤の薬剤名又は薬剤識別コードの入力を受け付けるテキスト入力画面と、の少なくとも1つを含むことが好ましい。
【0010】
本開示の第5態様に係る薬剤情報処理装置は、第1態様から第4態様のいずれかに係る薬剤情報処理装置において、少なくとも1つのプロセッサは、確定された薬剤のリストを表示し、服用タイミングを適用させた旨をリストの中に表示することが好ましい。
【0011】
本開示の第6態様に係る薬剤情報処理装置は、第1態様から第5態様のいずれかに係る薬剤情報処理装置において、少なくとも1つのプロセッサは、服用タイミングが適用された薬剤の名称、個数、及び用法のうちの少なくとも1つの項目について修正可能な修正画面を表示することが好ましい。
【0012】
本開示の第7態様に係る薬剤情報処理装置は、第1態様から第6態様のいずれかに係る薬剤情報処理装置において、少なくとも1つのプロセッサは、所定期間内の複数回の服用タイミングを受け付けた場合、確定された薬剤毎に所定期間内に服用される量の総和を表示することが好ましい。
【0013】
本開示の第8態様に係る薬剤情報処理装置は、第1態様から第7態様のいずれかに係る薬剤情報処理装置において、少なくとも1つのプロセッサは、所定期間内の複数回の服用タイミングを受け付けた場合、確定された薬剤毎に所定期間内に服用されるタイミングをすべて表示することが好ましい。
【0014】
本開示の第9態様に係る薬剤情報処理装置は、第1態様から第8態様のいずれかに係る薬剤情報処理装置において、少なくとも1つのプロセッサは、所定期間内の複数回の服用タイミングを受け付けた場合、所定期間内における最後の入力である旨を受け付ける、
本開示の第10態様に係る薬剤情報処理装置は、第7態様から第9態様のいずれかに係る薬剤情報処理装置において、所定期間は1日であることが好ましい。
【0015】
本開示の第11態様に係る薬剤情報処理装置は、第1態様から第10態様のいずれかに係る薬剤情報処理装置において、少なくとも1つのプロセッサは、第1の服用タイミングを受け付け、1度に服用される第1の複数の薬剤が撮影された第1の撮影画像を取得し、第1の撮影画像に基づく画像を薬剤確定用画面に表示し、第1の複数の薬剤の確定を受け付け、第1の複数の薬剤に対して第1の服用タイミングを適用し、第1の複数の薬剤に対して第1の服用タイミングを適用させた旨をディスプレイに表示し、第1の服用タイミングとは異なる第2の服用タイミングを受け付け、1度に服用される第2の複数の薬剤が撮影された第2の撮影画像を取得し、第2の撮影画像に基づく画像を薬剤確定用画面に表示し、第2の複数の薬剤の確定を受け付け、第2の複数の薬剤に対して第2の服用タイミングを適用し、第2の複数の薬剤に対して第1の服用タイミング及び第2の服用タイミングを合算して適用させた旨をディスプレイに表示することが好ましい。
【0016】
本開示の第12態様に係る薬剤情報処理装置は、第11態様に係る薬剤情報処理装置において、第1の複数の薬剤に対して第1の服用タイミング及び第2の服用タイミングを合算して適用させた旨をディスプレイに表示することが好ましい。
【0017】
本開示の第13態様に係る薬剤情報処理装置は、第11態様又は第12態様に係る薬剤情報処理装置において、第1の撮影画像は、第1の複数の薬剤を収納した第1の分包袋が撮影された画像であり、第2の撮影画像は、第1の分包袋とは異なる第2の分包袋であって、第2の複数の薬剤を収納した第2の分包袋が撮影された画像であることが好ましい。
【0018】
本開示の第14態様に係る携帯端末装置は、入力装置と、ディスプレイと、第1態様に係る薬剤情報処理装置と、を備える携帯端末装置である。
【0019】
上記目的を達成するために、本開示の第15態様に係る薬剤情報表示方法は、薬剤の服用タイミングを受け付ける薬剤服用タイミング入力用画面をディスプレイに表示することと、服用タイミングで服用される薬剤の確定を受け付ける薬剤確定用画面をディスプレイに表示することと、確定されたすべての薬剤に対して服用タイミングを適用し、適用させた旨をディスプレイに表示することと、を含む薬剤情報表示方法である。本態様によれば、確定した薬剤に受け付けた服用タイミングを適用するようにしたので、薬剤の用法を入力する作業効率を向上させることができる。
【0020】
上記目的を達成するために、本開示の第16態様に係るプログラムは、第15態様の薬剤情報表示方法をコンピュータに実行させるプログラムである。本態様によれば、薬剤の用法を入力する作業効率を向上させることができる。
【0021】
第16態様に係るプログラムを記憶したCD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory)等の非一時的かつコンピュータ読取可能な記録媒体も本開示に含まれる。
【発明の効果】
【0022】
本開示によれば、薬剤の服用タイミングを一括して入力することができるので、入力ミス及び入力の手間を削減し、薬剤の用法を入力する作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、薬剤識別装置として機能するスマートフォンの正面斜視図である。
【
図2】
図2は、スマートフォンの背面斜視図である。
【
図3】
図3は、スマートフォンの電気的構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、スマートフォンによって実現される薬剤識別装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、薬剤識別方法の工程を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、タッチパネルディスプレイの表示の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、タッチパネルディスプレイの表示の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、タッチパネルディスプレイの表示の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、タッチパネルディスプレイの表示の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、タッチパネルディスプレイの表示の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、タッチパネルディスプレイの表示の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、タッチパネルディスプレイの表示の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、タッチパネルディスプレイの表示の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、タッチパネルディスプレイの表示の一例を示す図である。
【
図15】
図15は、タッチパネルディスプレイの表示の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、タッチパネルディスプレイの表示の一例を示す図である。
【
図17】
図17は、タッチパネルディスプレイの表示の一例を示す図である。
【
図18】
図18は、タッチパネルディスプレイの表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施形態について説明する。
【0025】
<携帯端末装置>
本開示の携帯端末装置は、薬剤情報処理装置として機能する。携帯端末装置は、携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯型ゲーム機、電子ブックリーダー、電子辞書、スマートウォッチ、及び小型タブレット型コンピュータ端末、のうちの少なくとも1つを含む。薬剤情報処理装置は、パーソナルコンピュータであってもよいし、サーバであってもよい。
【0026】
〔スマートフォンの外観〕
図1は、薬剤識別装置として機能するスマートフォン10の正面斜視図である。
図1に示すように、スマートフォン10は、平板状の筐体12を有する。スマートフォン10は、筐体12の正面にタッチパネルディスプレイ14、スピーカ16、マイクロフォン18、及びインカメラ20を備えている。
【0027】
タッチパネルディスプレイ14は、画像等を表示するディスプレイ部、及びディスプレイ部の前面に配置され、タッチ入力を受け付けるタッチパネル部(「入力装置」の一例)を備える。ディスプレイ部は、例えばカラーLCD(Liquid Crystal Display)パネルである。
【0028】
タッチパネル部は、例えば光透過性を有する基板本体の上に面状に設けられ、光透過性を有する位置検出用電極、及び位置検出用電極上に設けられた絶縁層を有する静電容量式タッチパネルである。タッチパネル部は、ユーザのタッチ操作に対応した2次元の位置座標情報を生成して出力する。タッチ操作は、タップ操作、ダブルタップ操作、フリック操作、スワイプ操作、ドラッグ操作、ピンチイン操作、及びピンチアウト操作を含む。
【0029】
スピーカ16は、通話時及び動画再生時に音声を出力する音声出力部である。マイクロフォン18は、通話時及び動画撮影時に音声が入力される音声入力部である。インカメラ20は、動画及び静止画を撮影する撮像装置である。
【0030】
図2は、スマートフォン10の背面斜視図である。
図2に示すように、スマートフォン10は、筐体12の背面にアウトカメラ22、及びライト24を備えている。アウトカメラ22は、動画及び静止画を撮影する撮像装置である。ライト24は、アウトカメラ22で撮影を行う際に照明光を照射する光源であり、例えばLED(Light Emitting Diode)により構成される。
【0031】
さらに、
図1及び
図2に示すように、スマートフォン10は、筐体12の正面及び側面に、それぞれスイッチ26を備えている。スイッチ26は、ユーザからの指示を受け付ける入力部材である。スイッチ26は、指等で押下されるとオンとなり、指を離すとバネ等の復元力によってオフ状態となる押しボタン式のスイッチである。
【0032】
なお、筐体12の構成はこれに限定されず、折り畳み構造又はスライド機構を有する構成を採用してもよい。
【0033】
〔スマートフォンの電気的構成〕
図3は、スマートフォン10の電気的構成を示すブロック図である。
図3に示すように、スマートフォン10は、前述のタッチパネルディスプレイ14、スピーカ16、マイクロフォン18、インカメラ20、アウトカメラ22、ライト24、及びスイッチ26の他、CPU(Central Processing Unit)28、無線通信部30、通話部32、メモリ34、外部入出力部40、GPS受信部42、及び電源部44を有する。
【0034】
CPU28は、メモリ34に記憶された命令を実行するプロセッサの一例である。CPU28は、メモリ34が記憶する制御プログラム及び制御データに従って動作し、スマートフォン10の各部を統括して制御する。CPU28は、無線通信部30を通じて音声通信及びデータ通信を行うために、通信系の各部を制御する移動通信制御機能と、アプリケーション処理機能を備える。
【0035】
また、CPU28は、動画、静止画、及び文字等をタッチパネルディスプレイ14に表示する画像処理機能を備える。この画像処理機能により、静止画、動画、及び文字等の情報が視覚的にユーザに伝達される。また、CPU28は、タッチパネルディスプレイ14のタッチパネル部からユーザのタッチ操作に対応した2次元の位置座標情報を取得する。さらに、CPU28は、スイッチ26からの入力信号を取得する。
【0036】
CPU28のハードウェア的な構造は、次に示すような各種のプロセッサ(processor)である。各種のプロセッサには、ソフトウェア(プログラム)を実行して各種の機能部として作用する汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、画像処理に特化したプロセッサであるGPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるPLD(Programmable Logic Device)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0037】
1つの処理部は、これら各種のプロセッサのうちの1つで構成されていてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサ(例えば、複数のFPGA、又はCPUとFPGAの組み合わせ、あるいはCPUとGPUの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の機能部を1つのプロセッサで構成してもよい。複数の機能部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント又はサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組合せで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の機能部として作用させる形態がある。第2に、SoC(System On Chip)等に代表されるように、複数の機能部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の機能部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサを1つ以上用いて構成される。
【0038】
さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)である。
【0039】
薬剤情報処理装置は、最小構成単位としてCPU28及びメモリ34を備えていればよい。
【0040】
インカメラ20及びアウトカメラ22は、それぞれ不図示の撮影レンズ、絞り、撮像素子、AFE(Analog Front End)、A/D(Analog to Digital)変換器、及びレンズ駆動部等を有する。インカメラ20及びアウトカメラ22は、CPU28の指示に従って、動画及び静止画を撮影する。
【0041】
CPU28は、インカメラ20及びアウトカメラ22が撮影した動画及び静止画を、MPEG(Moving Picture Experts Group)及びJPEG(Joint Photographic Experts Group)等の圧縮した画像データに変換してもよい。
【0042】
CPU28は、インカメラ20及びアウトカメラ22が撮影した動画及び静止画をメモリ34に記憶させる。また、CPU28は、インカメラ20及びアウトカメラ22が撮影した動画及び静止画を無線通信部30又は外部入出力部40を通じてスマートフォン10の外部に出力してもよい。
【0043】
さらに、CPU28は、インカメラ20及びアウトカメラ22が撮影した動画及び静止画をタッチパネルディスプレイ14に表示する。CPU28は、インカメラ20及びアウトカメラ22が撮影した動画及び静止画をアプリケーションソフトウェア内で利用してもよい。
【0044】
なお、CPU28は、アウトカメラ22による撮影の際に、ライト24を点灯させることで被写体に撮影補助光を照射してもよい。ライト24は、ユーザによるタッチパネルディスプレイ14のタッチ操作、又はスイッチ26の操作によって点灯及び消灯が制御されてもよい。
【0045】
無線通信部30は、CPU28の指示に従って、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)等の規格の移動通信網に対応した基地局装置に対し無線通信を行う。スマートフォン10は、この無線通信を使用して、音声データ及び画像データ等の各種ファイルデータ、電子メールデータ等の送受信、Web(World Wide Webの略称)データ及びストリーミングデータ等の受信を行う。
【0046】
通話部32は、スピーカ16及びマイクロフォン18が接続される。通話部32は、無線通信部30により受信された音声データを復号してスピーカ16から出力する。通話部32は、マイクロフォン18を通じて入力されたユーザの音声をCPU28が処理可能な音声データに変換してCPU28に出力する。
【0047】
メモリ34は、CPU28に実行させるための命令を記憶する。メモリ34は、スマートフォン10に内蔵される内部記憶部36、及びスマートフォン10に着脱自在な外部記憶部38により構成される。内部記憶部36及び外部記憶部38は、公知の格納媒体を用いて実現される。
【0048】
メモリ34は、CPU28の制御プログラム、制御データ、アプリケーションソフトウェア、通信相手の名称及び電話番号等が対応付けられたアドレスデータ、送受信した電子メールのデータ、WebブラウジングによりダウンロードしたWebデータ、及びダウンロードしたコンテンツデータ等を記憶する。また、メモリ34は、ストリーミングデータ等を一時的に記憶してもよい。
【0049】
外部入出力部40は、スマートフォン10に連結される外部機器とのインターフェースの役割を果たす。スマートフォン10は、外部入出力部40を介して通信等により直接的又は間接的に他の外部機器に接続される。外部入出力部40は、外部機器から受信したデータをスマートフォン10の内部の各構成要素に伝達し、かつスマートフォン10の内部のデータを外部機器に送信する。
【0050】
通信等の手段は、例えばユニバーサルシリアルバス(USB:Universal Serial Bus)、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394、インターネット、無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、RFID(Radio Frequency Identification)、及び赤外線通信である。また、外部機器は、例えばヘッドセット、外部充電器、データポート、オーディオ機器、ビデオ機器、スマートフォン、PDA、パーソナルコンピュータ、及びイヤホンである。
【0051】
GPS受信部42は、GPS衛星ST1,ST2,…,STnからの測位情報に基づいて、スマートフォン10の位置を検出する。
【0052】
電源部44は、不図示の電源回路を介してスマートフォン10の各部に電力を供給する電力供給源である。電源部44は、リチウムイオン二次電池を含む。電源部44は、外部のAC電源からDC電圧を生成するA/D変換部を含んでもよい。
【0053】
このように構成されたスマートフォン10は、タッチパネルディスプレイ14等を用いたユーザからの指示入力により撮影モードに設定され、インカメラ20及びアウトカメラ22によって動画及び静止画を撮影することができる。
【0054】
スマートフォン10が撮影モードに設定されると、撮影スタンバイ状態となり、インカメラ20又はアウトカメラ22によって動画が撮影され、撮影された動画がライブビュー画像としてタッチパネルディスプレイ14に表示される。
【0055】
ユーザは、タッチパネルディスプレイ14に表示されるライブビュー画像を視認して、構図を決定したり、撮影したい被写体を確認したり、撮影条件を設定したりすることができる。
【0056】
スマートフォン10は、撮影スタンバイ状態においてタッチパネルディスプレイ14等を用いたユーザからの指示入力により撮影が指示されると、AF(Autofocus)及びAE(Auto Exposure)制御を行い、動画及び静止画の撮影及び記憶を行う。
【0057】
〔薬剤識別装置としての機能構成〕
図4は、スマートフォン10によって実現される薬剤識別装置100の機能構成を示すブロック図である。薬剤識別装置100の各機能は、CPU28がメモリ34に記憶されたプログラムを実行することで具現化される。
図4に示すように、薬剤識別装置100は、服用タイミング入力用画面表示部102、服用タイミング取得部104、画像取得部106、薬剤推論部108、薬剤確定用画面表示部110、確定処理部112、服用タイミング適用部114、及び適用表示部116を備える。
【0058】
服用タイミング入力用画面表示部102は、薬剤服用タイミング入力用画面をタッチパネルディスプレイ14に表示する。薬剤服用タイミング入力用画面は、識別対象薬剤の服用タイミングのユーザ入力を受け付けるための画面である。服用タイミングとは、患者が薬剤を服用する時期であり、例えば、起床時、朝食前、朝食後、昼食前、昼食後、夕食前、夕食後、食間、就寝前等が挙げられる。服用タイミング入力用画面表示部102は、予め設定されたタイミングの中からユーザが所望の服用タイミングを選択可能に表示してもよい。
【0059】
服用タイミング取得部104は、薬剤服用タイミング入力用画面において受け付けた服用タイミングを取得する。服用タイミング取得部104は、ユーザのタッチパネルディスプレイ14のタッチ操作による入力を受け付ける。ユーザは、選択可能に表示されたタイミングのうちの所望のタイミングをタップ操作することで服用タイミングを入力してもよい。
【0060】
服用タイミング取得部104は、識別対象薬剤を収納した白い薬袋、又は分包袋が撮影された画像から袋に印字されている文字を読み取ることで、服用タイミングを取得してもよい。服用タイミング取得部104は、袋の文字の読取結果と薬剤服用タイミング入力用画面におけるユーザ入力とを組み合わせて服用タイミングを取得してもよい。例えば、画像から「食前」、「食後」、「食後」+「30分以内」等の文字を読み取り、ユーザが入力した「朝」と組み合わせて、「朝食前」、「朝食後」、「朝食後30分以内」等の服用タイミングを取得してもよい。
【0061】
画像取得部106は、識別対象薬剤が撮影された静止画である撮影画像を取得する。撮影画像は、例えばインカメラ20又はアウトカメラ22によって撮影された画像である。撮影画像は、無線通信部30、外部記憶部38、又は外部入出力部40を介して他の装置から取得した画像であってもよい。
【0062】
撮影画像は、複数の識別対象薬剤が含まれていてもよい。複数の識別対象薬剤は、同じ種類の識別対象薬剤に限定されず、それぞれ異なる種類の識別対象薬剤であってもよい。
【0063】
撮影画像は、複数の識別対象薬剤を収納した分包袋が撮影された画像であってもよい。分包袋は、全部又は一部が透明又は半透明であればよい。
【0064】
薬剤推論部108は、撮影画像から識別対象薬剤の正解薬剤を推論し、正解薬剤の複数の候補薬剤を取得する。薬剤推論部108は、不図示の学習済みモデルを用いて識別対象薬剤の正解薬剤を推論してもよい。学習済みモデルは、撮影画像の識別対象薬剤が写った領域が入力されると、識別対象薬剤の正解薬剤の候補薬剤を出力するモデルであってもよい。学習済みモデルは、畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolution Neural Network)であってもよい。
【0065】
薬剤確定用画面表示部110は、薬剤確定用画面をタッチパネルディスプレイ14に表示する。薬剤確定用画面は、服用タイミング取得部104が取得した服用タイミングで服用される識別対象薬剤の確定の入力を受け付ける画面である。薬剤確定用画面は、撮影された薬剤画像を表示する薬剤表示画面と、薬剤画像から薬剤の指定を受け付ける指定画面と、指定された薬剤の薬剤名又は薬剤識別コードの入力を受け付けるテキスト入力画面と、の少なくとも1つを含んでもよい。薬剤表示画面、指定画面、及びテキスト入力画面は、1画面に含まれてもよい。薬剤表示画面、指定画面、及びテキスト入力画面は、予め複数の画面が表示されることが予定されていてもよい。薬剤表示画面、指定画面、及びテキスト入力画面は、いずれかの画面を表示した状態で、ユーザの指示により他の画面の表示に移行できるようにしてもよい。
【0066】
確定処理部112は、薬剤確定用画面において受け付けた確定操作に応じて識別対象薬剤を確定する。確定処理部112は、ユーザのタッチパネルディスプレイ14のタッチ操作による確定操作を受け付ける。
【0067】
薬剤確定用画面表示部110は、薬剤確定用画面において識別対象薬剤の正解薬剤の複数の候補薬剤を選択可能に表示してもよい。確定処理部112は、表示された複数の候補薬剤の中から正解薬剤の選択操作を受け付け、選択された候補薬剤を識別対象薬剤の正解薬剤として確定してもよい。
【0068】
服用タイミング適用部114は、確定処理部112で確定したすべての識別対象薬剤に対して、服用タイミング取得部104で取得した服用タイミングを適用させる。服用タイミングを適用させるとは、例えば識別対象薬剤ごとに服用タイミングを関連付けることをいう。
【0069】
適用表示部116は、確定処理部112で確定されたすべての識別対象薬剤に対して服用タイミングを適用させた旨を、タッチパネルディスプレイ14に表示する。適用表示部116は、確定された識別対象薬剤のリストを表示し、服用タイミングを適用させた旨を識別対象薬剤のリストの中に表示してもよい。リストの中に表示することで、ユーザは修正の要否を簡単に判断することができる。
【0070】
服用タイミング取得部104が所定期間内の複数回の服用タイミングの入力を受け付けた場合、服用タイミング適用部114は、確定された薬剤毎に所定期間内に服用される量の総和を算出し、適用表示部116は、算出した総和を表示してもよい。例えば、所定期間が1日であり、1日3回かつ1回2錠の薬剤であれば、1日の総和を6錠として表示する。
【0071】
服用タイミング取得部104が所定期間内の複数回の服用タイミングの入力を受け付けた場合、服用タイミング適用部114は、確定された薬剤毎に所定期間内に服用されるタイミングをすべて表示してもよい。
【0072】
服用タイミング取得部104が所定期間内の複数回の服用タイミングの入力を受け付けた場合、服用タイミング適用部114は、所定期間内における最後の入力である旨の入力を受け付けてもよい。
【0073】
服用タイミング適用部114が所定期間内における最後の入力である旨の入力を受け付けた場合、適用表示部116は、確定された薬剤の名称、個数、及び用法のうちの少なくとも1つの項目について修正可能な修正画面を表示してもよい。薬剤の用法とは、服用タイミングを含む。
【0074】
所定期間は、例えば1日であってもよいし、1週間であってもよいし、薬剤の服用期間であってもよい。
【0075】
<薬剤識別方法>
スマートフォン10を用いた薬剤識別方法について説明する。ここでは、患者が持参した一包化薬を薬剤師等の鑑別者であるユーザがスマートフォン10を用いて鑑別する場合のスマートフォン10の薬剤情報表示方法を主に説明する。一包化薬とは、分包袋に収納された状態の薬剤である。分包袋には、通常、1度に服用すべき1つ又は複数の薬剤が収納される。
【0076】
図5は、薬剤識別方法の工程を示すフローチャートである。薬剤識別方法は、CPU28がメモリ34から薬剤識別プログラムを読み出して実行することにより実現される。薬剤識別プログラムは、無線通信部30、又は外部入出力部40を介して提供されてもよい。また、
図6~
図18は、薬剤識別方法の各工程におけるタッチパネルディスプレイ14のGUIの遷移を示す図である。
図6~
図18では、縦方向のサイズが異なる場合があるが、これは表示させる情報量が異なるためであり、タッチパネルディスプレイ14の画面に収まらない場合は、適宜スクロール可能に表示させればよい。
【0077】
薬剤識別プログラムが実行されると、
図6に示すように、タッチパネルディスプレイ14には「鑑別」画面が表示される。「鑑別」画面は、「鑑別を新規に始める」と表示された選択肢CH11、及び過去の鑑別結果を表示するための選択肢CH12、CH13、及びCH14を含む。ユーザは、選択肢CH11~CH14のいずれかの領域をタップ操作することで、所望の処理を選択することができる。ここでは、鑑別を新規に開始する例を説明する。
【0078】
「鑑別」画面において、選択肢CH11が選択されると、
図7に示すように、タッチパネルディスプレイ14には、患者の持参薬剤の入力方法を選択するための入力方法選択画面が表示される。入力方法選択画面は、「一包化薬を撮影」と表示された選択肢CH21、「GS1を読み取り」と表示された選択肢CH22、及び「薬剤名/識別コードを検索」と表示された選択肢CH23を含む。ユーザは、選択肢CH21~CH23のいずれかの領域をタップ操作することで、所望の入力方法を選択することができる。ここでは、一包化薬を撮影する例を説明する。
【0079】
入力方法選択画面において、選択肢CH21が選択されると、服用タイミング入力用画面表示部102は、「一包化薬の情報入力」画面(「薬剤服用タイミング入力用画面」の一例)をタッチパネルディスプレイ14に表示する(ステップS1)。
図8は、「一包化薬の情報入力」画面の一例である。「一包化薬の情報入力」画面は、患者の持参薬剤のうち、ステップS1において撮影する一包化薬の服用時点を入力するための画面である。服用時点は、服用タイミングと同義である。服用タイミング入力用画面表示部102は、薬剤服用タイミング入力用画面である「一包化薬の情報入力」画面を、薬剤確定用画面である「候補から薬剤を選択」画面よりも先に表示させる。
【0080】
服用タイミング入力用画面表示部102は、「一包化薬の情報入力」画面において、予め設定された複数のタイミングの中からユーザが服用タイミングを選択可能に表示する。
図8では、予め設定されたタイミングの選択肢として、「後で入力する」と表示された選択肢CH31、「起床時」と表示された選択肢CH32、「朝食後」と表示された選択肢CH33、「昼食後」と表示された選択肢CH34、「夕食後」と表示された選択肢CH35、「就寝前」と表示された選択肢CH36、及びテキストボックスTBに「手動で入力」と表示された選択肢CH37を含む。ユーザは、選択肢CH31~CH37のいずれかのラジオボタンをタップ操作することで、所望の服用タイミングを選択することができる。ユーザは、選択肢CH37を選択した場合は、さらにテキストボックスTBに服用タイミングを入力する。
【0081】
選択肢CH31~CH37のいずれのラジオボタンが選択状態になると、「一包化薬を撮影する」と表示された撮影開始ボタンBPが操作可能となる。ユーザは、撮影開始ボタンBPをタップ操作することで、服用タイミングを確定し、薬剤の撮影に移行することができる。
【0082】
撮影開始ボタンBPが操作されると、服用タイミング取得部104は、ラジオボタンが選択状態の選択肢の服用タイミングを、選択された服用タイミングとして取得する(ステップS2)。ここでは、選択肢CH33の「朝食後」が選択されたものとする。服用タイミング取得部104は、「朝食後」の服用タイミング(「第1の服用タイミング」の一例)を取得する。
【0083】
また、撮影開始ボタンBPがタップ操作されると、画像取得部106は、アウトカメラ22によって撮影された動画をライブビュー画像としてタッチパネルディスプレイ14にリアルタイムに表示する。また、画像取得部106は、静止画を撮影するための撮影ボタンをライブビュー画像とともにタッチパネルディスプレイ14に表示する。
【0084】
図9は、タッチパネルディスプレイ14に表示されたライブビュー画像IV及び撮影ボタンBSの一例である。この例では、ライブビュー画像IVは、4つのマーカM1、M2、M3、及びM4に囲まれた領域に配置された分包袋P1(「第1の分包袋」の一例)がアウトカメラ22によって撮影された動画像である。分包袋P1には、4つの識別対象薬剤である錠剤T1、T2、T3、及びT4(「1度に服用される第1の複数の薬剤」の一例)が収納されている。分包袋P1は透明であり、ライブビュー画像IVには、錠剤T1、T2、T3、及びT4が写っている。
【0085】
なお、錠剤とは、圧縮成形により一定の形に成型された固形の薬剤である。錠剤T1、T2、T3、及びT4は、それぞれ刻印及び/又は印字により識別情報が付加されている。
【0086】
刻印により識別情報が付加されたとは、薬剤の表面に陥没領域である溝を形成することによって識別情報が形成されたことをいう。溝は、表面を掘って形成されたものに限定されず、表面を押圧することで形成されたものであってもよい。また、刻印は、割線等の識別機能を伴わないものも含んでもよい。
【0087】
また、印字により識別情報が付加されたとは、薬剤の表面に接触又は非接触で可食性インク等を付与することによって識別情報が形成されたことをいう。ここでは、印字によって付されたとは、印刷によって付されたと同義である。
【0088】
ここでは、識別対象薬剤が錠剤である例を示しているが、識別対象薬剤はカプセル剤であってもよい。カプセル剤とは、粉末又は顆粒がカプセル基剤に充填された薬剤である。カプセル基剤には、刻印及び/又は印字により識別情報が付加されていてもよい。
【0089】
ライブビュー画像IVの撮影中にユーザが撮影ボタンBSをタップ操作すると、アウトカメラ22により静止画が撮影される。撮影された静止画は、識別対象薬剤が撮影された撮影画像として内部記憶部36に記憶される。画像取得部106は、内部記憶部36から撮影画像(「第1の撮影画像」の一例)を取得する(ステップS3)。
【0090】
薬剤確定用画面表示部110は、ステップS3で取得した撮影画像に基づく薬剤画像をタッチパネルディスプレイ14に表示する。ここでは、薬剤確定用画面表示部110は、画像に写った識別対象薬剤を選択可能にタッチパネルディスプレイ14に表示する。
図10は、薬剤画像IS1が表示された「薬剤を選択」画面の一例である。薬剤画像IS1(「第1の撮影画像に基づく画像」の一例)は、撮影された状態から90度左回りに回転されて表示される。「薬剤を選択」画面は、撮影された薬剤画像を表示する薬剤表示画面の一例である。
【0091】
薬剤画像IS1は、撮影画像に対して錠剤T1、T2、T3、及びT4に付された識別情報が強調表示される。ユーザは、「薬剤を選択」画面において、薬剤画像IS1の所望の識別対象薬剤の領域をタップ操作することで、所望の識別対象薬剤を選択することができる。「薬剤を選択」画面は、薬剤画像から薬剤の指定を受け付ける指定画面の一例である。
【0092】
「薬剤を選択」画面において、ユーザにより識別対象薬剤が選択されると(ステップS4)、薬剤推論部108は、選択された識別対象薬剤の正解薬剤を推論し、複数の候補薬剤を取得する(ステップS5)。また、薬剤確定用画面表示部110は、選択された識別対象薬剤の正解薬剤を確定するための薬剤確定用画面をタッチパネルディスプレイ14に表示する(ステップS6)。ここでは、ステップS4において錠剤T1が選択されたものとする。
【0093】
図11は、薬剤確定用画面である「候補から薬剤を選択」画面の一例である。「候補から薬剤を選択」画面は、複数の候補薬剤の中からステップS4で選択された錠剤T1の正解薬剤をユーザが確定するための画面である。「候補から薬剤を選択」画面は、錠剤T1の拡大画像IEを含む。拡大画像IEは、薬剤画像IS1のうち錠剤T1を含む領域が拡大された画像である。拡大画像IEは、錠剤T1に付された識別情報が強調表示され、錠剤T1の領域が破線の矩形で囲まれている。薬剤確定用画面表示部110は、錠剤T1の識別情報の向きを正立させて拡大画像IEを表示させてもよい。
【0094】
「候補から薬剤を選択」画面は、ステップS5で取得された複数の候補薬剤が表示される。ここでは、錠剤T1の正解薬剤である可能性の高い候補薬剤CA1、CA2、CA3、CA4、及びCA5が可能性の高い順に上から表示されている。候補薬剤CA1、CA2、CA3、CA4、及びCA5は、それぞれ表側及び裏側の参考画像、名称、分量、製造販売元名を含む。
【0095】
ユーザは、「候補から薬剤を選択」画面において、複数の候補薬剤のうち識別対象薬剤と同じ種類の候補薬剤をタップ操作することで、その候補薬剤を識別対象薬剤の正解薬剤として選択することができる。確定処理部112は、選択された候補薬剤を識別対象薬剤の正解薬剤として確定する。また、服用タイミング適用部114は、正解薬剤が確定された識別対象薬剤の服用タイミングを適用させる(ステップS7)。例えば、錠剤T1に適用された服用タイミングは「朝食後」であり、錠剤T1に適用された服用回数は「1日1回」であり、錠剤T1に適用された服用個数は「1回1錠」である。
【0096】
「候補から薬剤を選択」画面は、「手動で入力」と表示された手動入力ボタンBHを含む。ユーザにより手動入力ボタンBHがタップ操作されると、タッチパネルディスプレイ14の表示は、指定された薬剤の薬剤名又は薬剤識別コードの入力を受け付ける不図示のテキスト入力画面に移行する。
図11に示す例では、手動入力ボタンBHがタップ操作されると、薬剤確定用画面表示部110は、錠剤T1の薬剤名又は薬剤識別コードの入力を受け付けるテキスト入力画面をタッチパネルディスプレイ14に表示する。テキスト入力画面は、ユーザがテキストを入力するためのソフトキーボードを含んでもよい。
【0097】
テキスト入力画面において、ユーザは、指定された薬剤の薬剤名又は薬剤識別コードの入力を入力することができる。
【0098】
テキスト入力画面においてユーザが薬剤名又は薬剤識別コードを入力すると、確定処理部112は、この入力を受け付け、受け付けた薬剤名又は薬剤識別コードの薬剤を不図示のデータベースにおいて検索する。そして、確定処理部112は、受け付けた薬剤名又は薬剤識別コードと合致した薬剤を識別対象薬剤の正解薬剤として確定する。
【0099】
薬剤確定用画面表示部110は、ステップS4で選択された識別対象薬剤の正解薬剤が確定されると、再び「薬剤を選択」画面をタッチパネルディスプレイ14に表示する。「薬剤を選択」画面において、適用表示部116は、正解薬剤が確定された識別対象薬剤に対して、服用タイミングを適用させた旨を表示する(ステップS8)。
【0100】
図12は、
図11の「候補から薬剤を選択」画面において候補薬剤CA1が正解薬剤として選択された場合に移行した「薬剤を選択」画面の一例である。「薬剤を選択」画面は、薬剤画像IS2を含む。薬剤画像IS2は、薬剤画像IS1に対して、確定処理部112において確定された識別対象薬剤である錠剤T1が直線の矩形で囲まれた画像である。
【0101】
また、「薬剤を選択」画面は、ユーザに選択された候補薬剤CA1が錠剤T1の確定した正解薬剤D1として表示される。正解薬剤D1は、表側及び裏側の参考画像、名称、分量、製造販売元名を含む。さらに、正解薬剤D1は、服用タイミングを適用させた旨を示す適用表示EA1を含む。
図12に示す例では、適用表示EA1は「1回1錠・1日1回・朝食後」である。
【0102】
なお、「薬剤を選択」画面において、確定した正解薬剤をユーザが選択することで、タッチパネルディスプレイ14に正解薬剤の薬剤詳細画面を表示させることができる。
図13は、正解薬剤D1の領域がタップ操作された場合の薬剤詳細画面の一例である。薬剤詳細画面は、正解薬剤D1の表側及び裏側の参考画像、名称、分量、製造販売元、薬効分類、識別コード、用法用量を含む。薬剤詳細画面では、ユーザによる正解薬剤D1の用法用量の手動編集が可能である。薬剤詳細画面は、「戻る」と表示された戻るボタンBRを含む。ユーザは、戻るボタンBRをタップ操作することで、タッチパネルディスプレイ14に再び「薬剤を選択」画面を表示させることができる。
【0103】
次に、ユーザは、撮影画像に写ったすべての識別対象薬剤を確定したか否かを判定する(ステップS9)。確定していない識別対象薬剤がある場合は、ステップS4へ移行し、同様の処理をおこなって識別対象薬剤を確定させる。この例では、錠剤T2、T3、及びT4について同様の処理を行って正解薬剤を確定させる。すべての識別対象薬剤を確定した場合は、ユーザは、「薬剤を選択」画面の「入力完了」と表示された入力完了ボタンBEをタップ操作する。入力完了ボタンBEがタップ操作されると、ステップS10へ移行する。
【0104】
ステップS10では、適用表示部116は、識別対象薬剤の正解薬剤のリスト表示画面をタッチパネルディスプレイ14に表示する。
図14は、リスト表示画面の一例である。この例では、リスト表示画面に、錠剤T1、T2、T3、及びT4のそれぞれの正解薬剤D1、D2、D3、及びD4がリスト表示されている。正解薬剤D1、D2、D3、及びD4は、それぞれ表側及び裏側の参考画像、名称、分量、製造販売元名を含む。
【0105】
また、リスト表示画面は、正解薬剤D1、D2、D3、及びD4のそれぞれについて服用タイミングを適用させた旨の表示である適用表示EA1、EA2、EA3、及びEA4(「第1の服用タイミングを適用させた旨」の一例)を含む。
図14に示す例では、適用表示EA1~EA4は、それぞれ「1回1錠・1日1回・朝食後」である。リスト表示画面は、「追加」と表示された追加ボタンBCを含む。
【0106】
スマートフォン10は、服用タイミングが適用された薬剤の名称、個数、及び用法のうちの少なくとも1つの項目について修正可能な修正画面を表示してもよい。例えば、1種類の識別対象薬剤を1度の服用タイミングにおいて2つ服用する場合に、リスト表示画面において異なる2種類の識別対象薬剤が1つずつとして表示される場合がある。このような場合に、修正画面において、ユーザは1種類の識別対象薬剤を2つとして修正することができる。この識別対象薬剤の修正後の適用表示は、「1回2錠」となる。
【0107】
ユーザは、所定期間内に服用するすべての薬剤の撮影が終了したか否かを判定する(ステップS11)。例えば、1日に服用するすべての薬剤の撮影が終了したか否かを判定する。所定期間内に服用するすべての薬剤の撮影が終了した場合は、本フローチャートの処理を終了する。
【0108】
所定期間内に服用するすべての薬剤の撮影が終了していない場合は、ユーザは、所定期間内のその他の服用タイミングの識別対象薬剤の撮影鑑別を行うために、追加ボタンBCをタップ操作する。追加ボタンBCがタップ操作されると、再びステップS1へ移行する。ここでは、追加ボタンBCがタップ操作された例を説明する。
【0109】
追加ボタンBCが操作されると、服用タイミング入力用画面表示部102は、「一包化薬の情報入力」画面をタッチパネルディスプレイ14に表示する(ステップS1)。
図15は、「一包化薬の情報入力」画面の一例であり、
図8と同様の画面である。ここでは、ユーザが選択肢CH34の「昼食後」を選択し、撮影開始ボタンBPをタップ操作したものとする。
【0110】
撮影開始ボタンBPが操作されると、服用タイミング取得部104は、ラジオボタンが選択状態の選択肢の服用タイミングを、選択された服用タイミングとして取得する(ステップS2)。また、画像取得部106は、撮影画像を取得する(ステップS3)。
【0111】
ここでは、服用タイミング取得部104は、「昼食後」の服用タイミング(「第2の服用タイミング」の一例)を取得する。また、画像取得部106は、4つの識別対象薬剤である錠剤T1、T2、T3、及びT4(「1度に服用される第2の複数の薬剤」の一例)が収納された不図示の分包袋(「第2の分包袋」の一例)が撮影された撮影画像(「第2の撮影画像」の一例)を取得するものとする。薬剤確定用画面表示部110は、ステップS3で取得した撮影画像に基づく薬剤画像(「第2の撮影画像に基づく画像」の一例)をタッチパネルディスプレイ14に表示する。
【0112】
さらに、スマートフォン10は、ユーザの入力に従ってステップS4~S9の処理を同様に行う。すなわち、服用タイミング適用部114は、正解薬剤が確定された識別対象薬剤の服用タイミングを適用させる(「第2の複数の薬剤に対して第2の服用タイミングを適用」の一例)。
【0113】
続いて、ステップS10では、適用表示部116は、薬剤のリスト表示画面をタッチパネルディスプレイ14に表示する。
図16は、昼食後に服用する薬剤がすべて確定された場合のリスト表示画面の一例である。この例では、リスト表示画面に、昼食後に服用する薬剤のそれぞれの正解薬剤D1、D2、D3、及びD4がリスト表示されている。正解薬剤D1、D2、D3、及びD4は、それぞれ表側及び裏側の参考画像、名称、分量、製造販売元名を含む。
【0114】
また、リスト表示画面は、正解薬剤D1、D2、D3、及びD4のそれぞれについて服用タイミングを適用させた旨の表示であって、朝食後の服用タイミングと昼食後の服用タイミングとを合算して適用させた旨の適用表示EA11、EA12、EA13、及びEA14(「第1の服用タイミング及び第2の服用タイミングを合算して適用させた旨」の一例)を含む。
図16に示す例では、服用タイミングが「朝食後」の識別対象薬剤と服用タイミングが「昼食後」の識別対象薬剤とがそれぞれ同じ正解薬剤D1、D2、D3、及びD4である。このため、正解薬剤D1、D2、D3、及びD4の「朝食後」と「昼食後」の服用タイミングの服用回数、及び服用個数が合算される。したがって、適用表示EA11~EA14は、それぞれ「1回1錠・1日2回・朝/昼食後」である。
【0115】
なお、昼食後に服用する薬剤がすべて確定された状態において、ユーザによる不図示のボタンのタップ操作に応じて、適用表示部116は、朝食後に服用する薬剤のリスト表示画面をタッチパネルディスプレイ14に表示してもよい。この場合のリスト表示画面は、正解薬剤D1、D2、D3、及びD4のそれぞれについて服用タイミングを適用させた旨の表示であって、朝食後の服用タイミングと昼食後の服用タイミングとを合算して適用させた旨の適用表示EA11、EA12、EA13、及びEA14(「第1の服用タイミング及び第2の服用タイミングを合算して適用させた旨」の一例)を含む。
【0116】
ユーザは、所定期間内に服用するすべての薬剤の撮影が終了したか否かを判定する(ステップS11)。ここでは、再び追加ボタンBCがタップ操作された例を説明する。
【0117】
追加ボタンBCが操作されると、服用タイミング入力用画面表示部102は、「一包化薬の情報入力」画面をタッチパネルディスプレイ14に表示する(ステップS1)。
図17は、「一包化薬の情報入力」画面の一例であり、
図8と同様の画面である。ここでは、ユーザが選択肢CH35の「夕食後」を選択し、撮影開始ボタンBPをタップ操作したものとする。
【0118】
撮影開始ボタンBPが操作されると、服用タイミング取得部104は、ラジオボタンが選択状態の選択肢の服用タイミングを、選択された服用タイミングとして取得する(ステップS2)。ここでは、服用タイミング取得部104は、「夕食後」の服用タイミングを取得する。
【0119】
さらに、スマートフォン10は、ユーザの入力に従ってステップS3~S9の処理を同様に行う。
【0120】
続いて、ステップS10では、適用表示部116は、薬剤のリスト表示画面をタッチパネルディスプレイ14に表示する。
図18は、夕食後に服用する薬剤がすべて確定された場合のリスト表示画面の一例である。この例では、リスト表示画面に、夕食後に服用する薬剤のそれぞれの正解薬剤D1、D2、D3、及びD4がリスト表示されている。正解薬剤D1、D2、D3、及びD4は、それぞれ表側及び裏側の参考画像、名称、分量、製造販売元名を含む。
【0121】
また、リスト表示画面は、正解薬剤D1、D2、D3、及びD4のそれぞれについて服用タイミングを適用させた旨の表示であって、朝食後の服用タイミングと昼食後の服用タイミングと夕食後の服用タイミングとを合算して適用させた旨の表示である適用表示EA21、EA22、EA23、及びEA24を含む。
図18に示す例では、服用タイミングが「朝食後」、及び「昼食後」の識別対象薬剤と服用タイミングが「夕食後」の識別対象薬剤とがそれぞれ同じ正解薬剤D1、D2、D3、及びD4である。このため、正解薬剤D1、D2、D3、及びD4の「朝食後」、「昼食後」、及び「夕食後」の服用タイミングの服用回数、及び服用個数がすべて合算される。したがって、適用表示EA21~EA24は、それぞれ「1回1錠・1日3回・毎食後」である。
【0122】
なお、夕食後に服用する薬剤がすべて確定された状態において、ユーザによる不図示のボタンのタップ操作に応じて、適用表示部116は、朝食後に服用する薬剤のリスト表示画面をタッチパネルディスプレイ14に表示してもよいし、昼食後に服用する薬剤のリスト表示画面をタッチパネルディスプレイ14に表示してもよい。この場合のリスト表示画面は、正解薬剤D1、D2、D3、及びD4のそれぞれについて服用タイミングを適用させた旨の表示であって、朝食後の服用タイミングと昼食後の服用タイミングと夕食後の服用タイミングを合算して適用させた旨の適用表示EA21、EA22、EA23、及びEA24を含む。
【0123】
ユーザは、所定期間内に服用するすべての薬剤の撮影が終了したか否かを判定する(ステップS11)。ここでは、ユーザはすべての薬剤の撮影が終了したと判断し、本フローチャートの処理を終了する。
【0124】
ステップS2において所定期間内の複数回の服用タイミングの入力を受け付けた場合、スマートフォン10は、所定期間内における最後の入力である旨のユーザ入力を受け付けてもよい。最後の入力である旨のユーザ入力は、例えばリスト表示画面の「QRコード発行」と表示された発行ボタンBQのユーザによるタップ入力であってもよい。QRコード(登録商標)は二次元コードの一例である。
【0125】
スマートフォン10は、所定期間内における最後の入力である旨の入力を受け付けた場合、確定された薬剤の名称、個数、及び用法のうちの少なくとも1つの項目について修正可能な修正画面を表示してもよい。
【0126】
以上のように、スマートフォン10を用いた薬剤識別方法によれば、ステップS2で取得した服用タイミングをステップS3で取得した撮影画像に含まれる識別対象薬剤に一括して適用し、適用させた旨を表示することができるので、薬剤の用法を入力する作業効率を向上させることができる。
【0127】
例えば、「朝食後」の服用タイミングの分包袋の薬剤画像から確定された錠剤T1と、「昼食後」の服用タイミングの分包袋の薬剤画像から確定された錠剤T1とは、それぞれ異なる薬剤画像から確定されたにもかかわらず、同じ薬剤として服用タイミングを合算(すなわち適用)して、適用させた旨を表示することができる。
【0128】
このように、第1の服用タイミングで服用される1つ又は複数の薬剤が撮影された第1の薬剤画像を取得し、第1の撮影画像に写った薬剤を確定し、確定された薬剤に対して第1の服用タイミングを一括して適用する。また、第2の服用タイミングで服用される1つ又は複数の薬剤が撮影された第2の薬剤画像を取得し、第2の撮影画像に写った薬剤を確定し、確定された薬剤に対して第1の服用タイミング及び第2の服用タイミングを一括して合算して適用する。この場合、第1の撮影画像に写って確定された薬剤についても、第1の服用タイミング及び第2の服用タイミングを合算して適用させる。
【0129】
さらに、第3の服用タイミングで服用される1つ又は複数の薬剤が撮影された第3の薬剤画像を取得し、第3の撮影画像に写った薬剤を確定し、確定された薬剤に対して第1の服用タイミング、第2の服用タイミング、及び第3の服用タイミングを一括して合算して適用してもよい。この場合、第1の撮影画像に写って確定された薬剤、及び第2の撮影画像に写って確定された薬剤についても、第1の服用タイミング、第2の服用タイミング、及び第3の服用タイミングを合算して適用させる。
【0130】
これにより、服用タイミングごとの薬剤画像を薬剤ごとの服用タイミングの情報に再編成することができる。したがって、薬剤ごとに服用タイミングを表示することができる。また、薬剤ごとの所定期間内の服用タイミングの情報とすることで、服用タイミングとともに、その薬剤を所定期間内に服用する回数、及び服用する個数を表示することもできる。
【0131】
薬剤が服用タイミングごとに分包袋に収納されている場合であれば、複数の異なる服用タイミングの分包袋をそれぞれ撮影することで、薬剤ごとに適用された服用タイミングの情報を生成することができる。
【0132】
<その他>
ここでは、スマートフォン10は、ステップS1において薬剤服用タイミング入力用画面である「一包化薬の情報入力」画面を表示させ、その後のステップS6において薬剤確定用画面である「候補から薬剤を選択」画面を表示させた。両画面をこの順に表示させることで、ユーザは薬剤の特定前に薬剤の用法に意識が行くため、ユーザの記憶に残りやすく、用法の入力漏れを防止することができる。なお、スマートフォン10は、薬剤確定用画面である「候補から薬剤を選択」画面を表示させ、その後に薬剤服用タイミング入力用画面である「一包化薬の情報入力」画面を表示させてもよい。
【0133】
また、スマートフォン10は、ステップS3において、分包袋に収納された識別対象薬剤の撮影画像を取得しているが、識別対象薬剤は分包袋に収納されていなくてもよく、1度に服用すべき識別対象薬剤が含まれた撮影画像を取得できればよい。1度に服用すべき識別対象薬剤が含まれた撮影画像を取得することで、薬剤の服用タイミングを一括して入力することができる。
【0134】
図7に示した入力方法選択画面において、「GS1を読み取り」と表示された選択肢CH22が選択された場合、スマートフォン10は、撮影画像からGS1コードを識別し、識別結果から薬剤を特定する。GS1コードとは、医療用医薬品に設定される標準のバーコードであり、PTP(Press Through Package)シート等に付与される。
【0135】
また、入力方法選択画面において、「薬剤名/識別コードを検索」と表示された選択肢CH23が選択された場合、スマートフォン10は、識別対象薬剤の薬剤名又は薬剤識別コードの入力を受け付けるテキスト入力画面を表示し、入力された薬剤名又は薬剤識別コードから薬剤を特定する。
【0136】
本開示は上述した実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0137】
10 スマートフォン
12 筐体
14 タッチパネルディスプレイ
16 スピーカ
18 マイクロフォン
20 インカメラ
22 アウトカメラ
24 ライト
26 スイッチ
30 無線通信部
32 通話部
34 メモリ
36 内部記憶部
38 外部記憶部
40 外部入出力部
42 GPS受信部
44 電源部
100 薬剤識別装置
102 服用タイミング入力用画面表示部
104 服用タイミング取得部
106 画像取得部
108 薬剤推論部
110 薬剤確定用画面表示部
112 確定処理部
114 服用タイミング適用部
116 適用表示部
BC 追加ボタン
BE 入力完了ボタン
BP 撮影開始ボタン
BQ 発行ボタン
BR 戻るボタン
BS 撮影ボタン
CA1 候補薬剤
CA2 候補薬剤
CA3 候補薬剤
CA4 候補薬剤
CH11 選択肢
CH12 選択肢
CH13 選択肢
CH14 選択肢
CH21 選択肢
CH22 選択肢
CH23 選択肢
CH31 選択肢
CH32 選択肢
CH33 選択肢
CH34 選択肢
CH35 選択肢
CH36 選択肢
CH37 選択肢
D1 正解薬剤
D2 正解薬剤
D3 正解薬剤
D4 正解薬剤
EA1 適用表示
EA2 適用表示
EA3 適用表示
EA4 適用表示
EA11 適用表示
EA12 適用表示
EA13 適用表示
EA14 適用表示
EA21 適用表示
EA22 適用表示
EA23 適用表示
EA24 適用表示
IE 拡大画像
IS1 薬剤画像
IS2 薬剤画像
IV ライブビュー画像
M1 マーカ
M2 マーカ
M3 マーカ
M4 マーカ
P1 分包袋
S1~S11 薬剤識別方法の工程
ST1 GPS衛星
ST2 GPS衛星
STn GPS衛星
T1 錠剤
T2 錠剤
T3 錠剤
TB テキストボックス