(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004490
(43)【公開日】2024-01-16
(54)【発明の名称】埋め込み型医療機器、及びこのような機器を製造する方法
(51)【国際特許分類】
H04R 17/10 20060101AFI20240109BHJP
【FI】
H04R17/10 330Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023106268
(22)【出願日】2023-06-28
(31)【優先権主張番号】2206419
(32)【優先日】2022-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】323000860
【氏名又は名称】ヴェルモン
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】ホアン,ティエン
(72)【発明者】
【氏名】ロジンスキー,ボグダン
(72)【発明者】
【氏名】フェリクス,ニコラス
【テーマコード(参考)】
5D019
【Fターム(参考)】
5D019AA25
5D019BB28
5D019EE01
5D019FF04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】超音波無線エネルギー補充の用途のために、埋め込み型医療機器に少なくとも1つの超音波トランスデューサを有利に一体化する埋め込み型医療機器を提供する。
【解決手段】本開示は埋め込み型医療機器に関し、埋め込み型医療機器は、生体適合性材料に基づく第1の基板(101)を備えており、第1の基板(101)は、埋め込み型医療機器の筐体の一部を構成し、ユーザの生体組織と接するように構成されている外側を有している。埋め込み型医療機器は、第1の基板(101)の内側に形成されたキャビティ(103)内に少なくとも1つの超音波トランスデューサ(107)を備えており、超音波トランスデューサ(107)は、キャビティ(103)の底部で金属層(105)の上側に接合されて電気的に接続されており、超音波トランスデューサ(107)の下側を基板(101)の上側から隔てる空気、気体又は空隙の層が存在しない。
【選択図】
図1J
【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋め込み型医療機器であって、
生体適合性材料に基づく第1の基板(101; 205)を備えており、
前記第1の基板(101; 205)は、前記埋め込み型医療機器の筐体の一部を構成し、ユーザの生体組織と接するように構成されている外側を有しており、
前記埋め込み型医療機器は、前記第1の基板(101; 205)の内側に形成されたキャビティ(103; 203)内に少なくとも1つの超音波トランスデューサ(107; 207)を備えており、前記超音波トランスデューサ(107; 207)は、前記超音波トランスデューサ(107) を前記第1の基板(101; 205)から隔てる空気、気体又は空隙の層が存在しないように構成されている、埋め込み型医療機器。
【請求項2】
前記キャビティ(103) は、前記第1の基板(101) の内側における前記第1の基板(101) の非貫通キャビティである、請求項1に記載の埋め込み型医療機器。
【請求項3】
前記第1の基板(101) は、電気絶縁性材料、例えばサファイアに基づいている、請求項2に記載の埋め込み型医療機器。
【請求項4】
前記第1の基板(205) の内側で前記第1の基板(205) に接合されている第2の基板(201) を更に備えており、
前記キャビティ(203) は、前記第1の基板(205) まで前記第2の基板(201) 全体を貫くキャビティである、請求項1に記載の埋め込み型医療機器。
【請求項5】
前記第1の基板(205) は、金属、例えばチタンで形成されており、
前記第2の基板(201) は、電気絶縁性材料に基づいているか、又はプリント回路を有している、請求項4に記載の埋め込み型医療機器。
【請求項6】
前記第1の基板(101; 205)の上側に、前記超音波トランスデューサ(107; 207)の第1の電極(105; 207a) 及び第2の電極(107b; 207b)に夫々接続されている相互接続金属要素を更に備えている、請求項1~5のいずれか1つに記載の埋め込み型医療機器。
【請求項7】
前記第1の基板(101; 205)の上側に、前記相互接続金属要素を介して前記超音波トランスデューサ(107; 207)の第1の電極(105; 207a) 及び第2の電極(107b; 207b)に接続されている制御電子回路(120; 220)を更に備えている、請求項6に記載の埋め込み型医療機器。
【請求項8】
前記第1の基板の上側に、前記制御電子回路(120; 220)に接続されている電池(301) を更に備えている、請求項7に記載の埋め込み型医療機器。
【請求項9】
前記電池(301) は、前記筐体内の前記第1の基板(101; 205)の内側のキャビティ内に設けられている、請求項8に記載の埋め込み型医療機器。
【請求項10】
前記制御電子回路(120; 220)は、前記電池(301) に補充するため及び/又は前記埋め込み型医療機器の電子要素に電力を供給するために、前記超音波トランスデューサ(107; 207)からの電力を電気信号に変換するように構成されている、請求項8又は9に記載の埋め込み型医療機器。
【請求項11】
前記超音波トランスデューサ(107; 207)は、圧電材料に基づく圧電層を有しており、前記超音波トランスデューサ(107; 207)は、前記圧電層と前記第1の基板(101; 205)との間に空気、気体又は空隙の層が存在しないように構成されている、請求項1~10のいずれか1つに記載の埋め込み型医療機器。
【請求項12】
前記超音波トランスデューサ(107; 207)の圧電層は、圧電セラミック、例えばPZTに基づいている、請求項11に記載の埋め込み型医療機器。
【請求項13】
前記第1の基板(101; 205)の材料と同一の材料に基づき、前記第1の基板(101; 205)に、例えば半田付けされている上部カバーを更に備えており、前記上部カバーは、前記埋め込み型医療機器の内部要素を緊密に封止している、請求項1~12のいずれか1つに記載の埋め込み型医療機器。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1つに記載の埋め込み型医療機器を製造する方法であって、
前記キャビティ(103; 203)を製造する工程、その後の、前記キャビティ内に前記超音波トランスデューサ(107; 207)を移して固定する工程を有する、方法。
【請求項15】
前記キャビティを、レーザアブレーションによって製造する、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に、超音波トランスデューサに基づくデバイス及びシステムに関し、特に少なくとも1つの超音波トランスデューサを組み込んでいる埋め込み型医療機器、及びこのような機器を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
埋め込み型医療機器は、様々な種類の病状を監視及び/又は処置するために患者の体内に埋め込むように構成されているデバイスである。このようなデバイスは、例えば少なくとも1つの生理的パラメータを測定するための一若しくは複数のセンサ、及び/又は、例えば処置を施す若しくは器官を刺激するための一若しくは複数のアクチュエータを備え得る。
【0003】
これらの要素は一般に、生体適合性材料に基づく又は患者の体内への埋め込みのための筐体内に収容される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
埋め込み型医療機器は通常、様々な要素に電力を供給するための非充電式電池を備えている。しかしながら、このような構成には寿命及び大きさの点で制限がある。
【0005】
既知の埋め込み型医療機器のある態様を少なくとも部分的に削減することが望ましい。
【0006】
埋め込み型医療機器の大きさを減少させるため、及び/又は埋め込み型医療機器の寿命を延ばすために、無線エネルギー伝達システム、特に超音波無線エネルギー伝達システムによって電力が供給される充電式電池の使用が提案されている。
【0007】
本願は、特に超音波無線エネルギー補充の用途のために、埋め込み型医療機器に少なくとも1つの超音波トランスデューサを有利に一体化することを目的とする。
【0008】
埋め込み型医療機器の大きさを減少させるため、及び/又は埋め込み型医療機器の寿命を延ばすために、無線エネルギー伝達システム、特に超音波無線エネルギー伝達システムによって電力が供給される充電式電池の使用が実施形態に組み込まれる。
【0009】
本願は、特に超音波無線エネルギー補充の用途のために、埋め込み型医療機器に少なくとも1つの超音波トランスデューサを有利に一体化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態は、埋め込み型医療機器であって、生体適合性材料に基づく第1の基板を備えており、前記第1の基板は、前記埋め込み型医療機器の筐体の一部を構成し、ユーザの生体組織と接するように構成されている外側を有しており、前記埋め込み型医療機器は、前記第1の基板の内側に形成されたキャビティ内に少なくとも1つの超音波トランスデューサを備えており、前記超音波トランスデューサは、前記超音波トランスデューサを前記第1の基板から隔てる空気、気体又は空隙の層が存在しないように構成されている、埋め込み型医療機器を組み込んでいる。
【0011】
実施形態によれば、前記キャビティは、前記第1の基板の内側における前記第1の基板の非貫通キャビティである。
【0012】
実施形態によれば、前記第1の基板は、電気絶縁性材料、例えばサファイアに基づいている。
【0013】
実施形態によれば、前記埋め込み型医療機器は、前記第1の基板の内側で前記第1の基板に接合されている第2の基板を更に備えており、前記キャビティは、前記第1の基板まで前記第2の基板全体を貫くキャビティである。
【0014】
実施形態によれば、前記第1の基板は、金属、例えばチタンで形成されている。
【0015】
実施形態によれば、前記第2の基板は、電気絶縁性材料に基づいている。
【0016】
実施形態によれば、前記第2の基板は、プリント回路を有している。
【0017】
実施形態によれば、前記埋め込み型医療機器は、前記第1の基板の上側に、前記超音波トランスデューサの第1の電極及び第2の電極に夫々接続されている相互接続金属要素を更に備えている。
【0018】
実施形態によれば、前記埋め込み型医療機器は、前記第1の基板の上側に、前記相互接続金属要素を介して前記超音波トランスデューサの第1の電極及び第2の電極に接続されている制御電子回路を更に備えている。
【0019】
実施形態によれば、前記埋め込み型医療機器は、前記第1の基板の上側に、前記制御電子回路に接続されている電池を更に備えている。
【0020】
実施形態によれば、前記電池は、前記筐体内の前記第1の基板の内側のキャビティ内に設けられている。
【0021】
実施形態によれば、前記制御電子回路は、前記電池に補充するため及び/又は前記埋め込み型医療機器の電子要素に電力を供給するために、前記超音波トランスデューサからの電力を電気信号に変換するように構成されている。
【0022】
別の実施形態は、上述したような埋め込み型医療機器を製造する方法であって、前記キャビティを製造する工程、その後の、前記キャビティ内に前記超音波トランスデューサを移して固定する工程を有する、方法を組み込んでいる。
【0023】
実施形態によれば、前記キャビティを、レーザアブレーションによって製造する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
前述及び他の特徴及び利点は、添付図面を参照して本発明を限定するものではない例として与えられる以下の特定の実施形態に詳細に記載されている。
【0025】
【
図1A】超音波トランスデューサを備える埋め込み型医療機器を製造する方法の実施形態の連続的な工程を概略的且つ部分的に示す図である。
【
図1B】超音波トランスデューサを備える埋め込み型医療機器を製造する方法の実施形態の連続的な工程を概略的且つ部分的に示す図である。
【
図1C】超音波トランスデューサを備える埋め込み型医療機器を製造する方法の実施形態の連続的な工程を概略的且つ部分的に示す図である。
【
図1D】超音波トランスデューサを備える埋め込み型医療機器を製造する方法の実施形態の連続的な工程を概略的且つ部分的に示す図である。
【
図1E】超音波トランスデューサを備える埋め込み型医療機器を製造する方法の実施形態の連続的な工程を概略的且つ部分的に示す図である。
【
図1F】超音波トランスデューサを備える埋め込み型医療機器を製造する方法の実施形態の連続的な工程を概略的且つ部分的に示す図である。
【
図1G】超音波トランスデューサを備える埋め込み型医療機器を製造する方法の実施形態の連続的な工程を概略的且つ部分的に示す図である。
【
図1H】超音波トランスデューサを備える埋め込み型医療機器を製造する方法の実施形態の連続的な工程を概略的且つ部分的に示す図である。
【
図1I】超音波トランスデューサを備える埋め込み型医療機器を製造する方法の実施形態の連続的な工程を概略的且つ部分的に示す図である。
【
図1J】超音波トランスデューサを備える埋め込み型医療機器を製造する方法の実施形態の連続的な工程を概略的且つ部分的に示す図である。
【
図2A】超音波トランスデューサを備える埋め込み型医療機器を製造する方法の別の実施形態の例の連続的な工程を概略的且つ部分的に示す図である。
【
図2B】超音波トランスデューサを備える埋め込み型医療機器を製造する方法の別の実施形態の例の連続的な工程を概略的且つ部分的に示す図である。
【
図2C】超音波トランスデューサを備える埋め込み型医療機器を製造する方法の別の実施形態の例の連続的な工程を概略的且つ部分的に示す図である。
【
図2D】超音波トランスデューサを備える埋め込み型医療機器を製造する方法の別の実施形態の例の連続的な工程を概略的且つ部分的に示す図である。
【
図2E】超音波トランスデューサを備える埋め込み型医療機器を製造する方法の別の実施形態の例の連続的な工程を概略的且つ部分的に示す図である。
【
図2F】超音波トランスデューサを備える埋め込み型医療機器を製造する方法の別の実施形態の例の連続的な工程を概略的且つ部分的に示す図である。
【
図2G】超音波トランスデューサを備える埋め込み型医療機器を製造する方法の別の実施形態の例の連続的な工程を概略的且つ部分的に示す図である。
【
図2H】超音波トランスデューサを備える埋め込み型医療機器を製造する方法の別の実施形態の例の連続的な工程を概略的且つ部分的に示す図である。
【
図3】
図2A~2Hに係る処理の変形例を概略的且つ部分的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
同様の特徴が、様々な図で同様の参照符号によって示されている。特に、様々な実施形態に共通する構造的特徴及び/又は機能的特徴は同一の参照符号を有してもよく、同一の構造特性、寸法特性及び材料特性を有してもよい。
【0027】
明瞭化のために、本明細書に記載されている実施形態の理解に有用な動作及び要素のみが示されて詳細に記載されている。特に、埋め込み型医療機器への少なくとも1つの超音波トランスデューサの一体化のみが記載されている。記載された実施形態は、既知の超音波トランスデューサの全て又は大部分と適合するため、超音波トランスデューサの製造については記載されていない。更に、記載された実施形態は埋め込み型医療機器の他の要素(電池、センサ、アクチュエータ、制御及び/又は処理電子回路など)の通常の製造及び一体化と適合するため、又は当業者が本開示の明細書からこれらの要素を製造して一体化し得るため、これらの要素の製造及び一体化については記載されていない。
【0028】
特に示されていない場合、共に接続された2つの要素を参照するとき、これは、導体以外のいかなる中間要素も無しの直接接続を表し、共に連結された2つの要素を参照するとき、これは、これら2つの要素が接続され得るか、又は一若しくは複数の他の要素を介して連結され得ることを表す。
【0029】
以下の開示では、特に示されていない場合、「前」、「後ろ」、「最上部」、「底部」、「左」、「右」などの絶対位置、若しくは「上方」、「下方」、「高」、「低」などの相対位置を限定する文言、又は「水平」、「垂直」などの向きを限定する文言を参照するとき、この文言は図面の向きを指す。
【0030】
特に指定されていない場合、「約」、「略」、「実質的に」及び「程度」という表現は、該当する値の10%の範囲内、好ましくは5%の範囲内を表す。
【0031】
図1A~1Jは、実施形態に係る少なくとも1つの超音波トランスデューサを備える埋め込み型医療機器を製造する方法の例の連続的な工程を概略的且つ部分的に示す。超音波トランスデューサは、例えば超音波無線エネルギー伝達の用途で使用するために、例えば機器の(図面に示されていない)電池に補充するように構成されている。そのために、埋め込み型医療機器の外部にあって外部電源から電力が供給される超音波トランスデューサが、埋め込み型医療機器の超音波トランスデューサに向けて超音波を放射する。埋め込み型医療機器の超音波トランスデューサは、埋め込み型医療機器の電池に補充するために、受けた超音波を電気エネルギーに変換する。このようにして、超音波無線電気エネルギーが、外部電源から埋め込み型医療機器の電池に伝達される。変形例として又は補足的に、機器の少なくとも1つの超音波トランスデューサは、外部デバイスとの通信の用途又は検知若しくは測定の用途に使用され得る。
【0032】
図1Aは、生体適合性基板101 、例えば電気絶縁性基板の断面図である。基板101 は、例えばサファイアで形成されている。(図面に示されていない)変形例として、基板は、生体適合性でなくてもよい材料に基づき外層で被覆された支持体、又は、生体適合性材料、例えば生体適合性高分子材料、例えばパリレンに基づく被覆体を含み得る。
【0033】
基板101 は、例えば、埋め込み型医療機器の封止筐体の一部の構成要素となるように構成されている。この例では、基板101 の上側は、医療機器の内部要素、特に少なくとも1つの超音波トランスデューサを受けるように構成されている筐体の内面である。基板101 の下側は、例えば、患者の生体組織と接するように構成されている筐体の外側である。基板101 は、例えば、実質的に均一な厚さを有する、例えば矩形状のプレートの形状を有する。基板101 の厚さは、例えば500 μm~3mmの範囲内である。(筐体の横寸法と一致する)プレートの横寸法は、例えば1~10センチメートルの範囲内である。1つの埋め込み型医療機器の構成が
図1A~1Jに(部分的に)示されている。実際には、複数の機器が、より大きい横寸法を有する同一の基板101 から並行して同時的に製造されて、基板101 の切断段階で切り離されることができる。
【0034】
図1Bは、基板101 の厚さの一部に設けられるキャビティ103 を製造する段階後の構造を示す断面図である。キャビティ103 は、基板101 の上側から基板の厚さの一部分だけ横切って垂直方向に延びている。キャビティ103 の深さは、例えば0.1 ~2mmの範囲である。キャビティ103 は、機器の超音波トランスデューサを受けるように構成されている。キャビティ103 の横寸法は、例えば0.2 ~2cmの範囲内であり、例えば0.5 ~1cmの範囲内である。キャビティ103 は、例えばレーザアブレーションによって形成される。上から見ると、キャビティ103 は、例えば矩形状である。
【0035】
図1Cは、基板101 の上側に金属層105 を堆積させる段階後の構造を示す断面図である。金属層105 は、例えば、基板101 の上面全体に亘って実質的に均一な厚さで連続的に延びており、これは、キャビティ103 の側部及び底部に、且つキャビティ103 の外側の基板101 の上側に亘って延びていることを意味する。例えば、金属層105 の下側が基板101 の上側と接する。例えば、金属層105 は金、銀又は銅に基づいている。金属層105 は、様々な金属の複数の層の(図面に示されていない)積層体を含み得る。金属層105 は、例えばニッケルに基づく接着層を含むことができ、接着層は、基板101 と接して、別の金属、例えば金、銀又は銅に基づく層で被覆される。金属層105 は、例えば気相成長処理(PVD)によって堆積する。金属層105 の厚さは、例えば0.1 ~1μmの範囲内である。
【0036】
図1Dは、超音波トランスデューサ107 をキャビティ103 内に移して固定する段階後の構造を示す断面図である。超音波トランスデューサ107 は、例えば圧電トランスデューサである。トランスデューサは、例えば、圧電材料で形成された層又はペレット107aと、圧電層107aの上側で圧電層107aの上側と接する、例えば金属に基づく導電性の上部電極107bとを有している。圧電層107aは、例えば圧電セラミック、例えばPZTセラミック(チタン酸ジルコン酸鉛)に基づいている。上部電極107bは、例えば圧電層107aの上面の実質的に全てに亘って延びている。この例では、圧電層は、例えば接着剤、例えば導電性接着剤によりキャビティ103 の底部で金属層105 の上側に接合されて、電気的に接続されている。この場合、キャビティ103 の底部にある金属層105 の部分はトランスデューサ107 の下部電極を構成している。トランスデューサ107 の横寸法は、例として、例えばキャビティ103 の横寸法の10パーセント未満でキャビティ103 の横寸法と実質的に同一である。従って、トランスデューサ107 はキャビティ103 の表面の実質的に全てを占めている。トランスデューサ107 の厚さは、例えばキャビティ103 の深さと実質的に等しく、例えばキャビティ103 の深さと20パーセント程度、好ましくは10パーセント程度で等しい。トランスデューサ107 は、ピックアンドプレースのための工具により支持体から外されてキャビティ103 内に配置され得る。圧電材料107aの上側と上部電極107bとの間に、音波の反射(音響ミラー)又は吸収のために、例えば導電性の(図面に示されていない)一又は複数の中間層が設けられ得る。
【0037】
記載されている実施形態は、トランスデューサ107 が圧電トランスデューサである上述したような例に限定されないことに注目すべきである。より一般的には、本発明を実施するためのモードは、あらゆる種類の超音波トランスデューサ、例えば膜を用いた容量性超音波トランスデューサ(CMUT)、膜を用いた圧電超音波トランスデューサ(PMUT)などに合うように適合され得る。トランスデューサの下側と金属層105 との間に、音響インピーダンスの整合及び/又は出力仕事量の整合のために、例えば導電性の一又は複数の中間層が設けられ得る。いずれの場合も、
図1A~1Jの実施形態によれば、キャビティ103 の底部でトランスデューサ107 の下側を基板101 の上側から隔てる空気、気体又は空隙の層が存在しない。言い換えれば、トランスデューサ107 は、基板101 の上側と機械的に接しているか、又は基板101 の上側から一又は複数の固体材料のみによって隔てられている。より具体的には、図面に示されている例では、キャビティ103 の底部でトランスデューサ107 の圧電層107aの下側を基板101 の上側から隔てる空気、気体又は空隙の層が存在しない。言い換えれば、トランスデューサの圧電層107aは、基板101 の上側と機械的に接しているか、又は基板101 の上側から一又は複数の固体材料のみによって隔てられている。従って、外部デバイスから基板101 の下側で受ける音響パワーは、ほとんど損失無しでトランスデューサ107 に効率的に伝達されることが有利である。逆に、トランスデューサ107 によって超音波を放射する場合、トランスデューサからの音響パワーは、ほとんど損失無しで基板101 を介して機器から効率的に伝達される。
【0038】
図1A~1Jの実施形態では、トランスデューサ107 (キャビティ103 )に合わせて基板101 を局所的に薄くすることにより、機器の全体的な大きさを減少させて、トランスデューサと筐体の外側との間の音波のより適切な伝達を可能にすることが有利である。キャビティ103 の底部での基板101 の厚さは、トランスデューサ107 と筐体の外側との間の音響結合を向上させるように選択されていることが好ましい。キャビティ103 の底部での基板101 の厚さは、例えば0.2 ~1mmの範囲内である。トランスデューサ107 をキャビティ103 内に固定することにより、筐体がキャビティの位置で堅固に保持される。
【0039】
図1Eは、機器の相互接続のための導電経路及び接続面111 を画定するために、例えばフォトリソグラフィ及びエッチング、又はレーザアブレーションにより、基板101 の上側で金属層105 を局所的に除去する段階後の構造を示す、上から見た図である。
図1A~1Jの断面は
図1Eの切断面C-Cで作成されていることに留意されたい。
【0040】
変形例として、
図1Dの(トランスデューサ107 をキャビティ103 内に移して固定する)工程、及び
図1Eの(金属層105 に相互接続要素111 をエッチングする)工程を逆にすることができ、これは、
図1Eの工程を、
図1Dの工程の前に実行し得ることを意味する。
【0041】
図1Fは、
図1Eの構造の上側にパッシベーション電気絶縁層113 を堆積させる工程、その後の、パッシベーション電気絶縁層113 に局所的な開口部115 を形成する工程により得られた構造を示す断面図である。
【0042】
層113 は、例えば高分子材料、例えばポリイミドに基づく層である。層113 を、例えば最初に
図1Eの構造の上面全体に亘って堆積させる。層113 の厚さは、例えば10~100 μmの範囲内である。
【0043】
次に、層113 を、例えばレーザアブレーションにより局所的に除去して、金属層105 に既に画定されている金属接続面111 (
図1E)と垂直方向に整列する貫通開口部115 を形成する。開口部115 は、金属接続面111 の上側に達して、金属接続面111 でのその後の再接続を可能にする。(
図1Fには見えない)少なくとも1つの局所的な接触開口部115 が、上部電極107bに電流を伝えるために、トランスデューサ107 の上部電極107bに合わせて更に形成され得る。
【0044】
図1Gは、
図1Fの構造を下から見た図である。この例では、4つの局所的な開口部115 が、基板101 の上面に堆積した4つの金属接続面111 に夫々合わせて形成されている。これらの金属接続面111 の1つは、金属レベル105 に形成された導電経路を介してトランスデューサ107 の下部電極に電気的に接続されている。金属接続面111 は、トランスデューサを制御するための電子回路、例えば半導体基板内及び半導体基板上に一体化された電子回路、例えばCMOS回路の構成要素となるパッドに接続するように構成されている。この例では、追加の局所的な開口部115 がトランスデューサの上部電極107bに合わせて形成されている。
【0045】
図1Hは、
図1Gの構造の上側に相互接続金属要素117 を形成する工程から得られた構造を示す。例えば、構造の上面全体に亘って連続的に延びる金属層を堆積させることができる。その後、この金属層を、例えばフォトリソグラフィ及びエッチングによって局所的に除去して、相互接続金属要素117 を形成する。例えば、相互接続金属要素117 のうち、導電経路が、前の段階で覆われなかったトランスデューサの上部電極107bの部分を、前の段階で更に覆われなかった金属面111 の1つに電気的に接続する。
【0046】
図1I及び1Jは、
図1Hの構造の上側に制御電子回路120 を移す工程によって得られた構造を夫々示す、上から見た図及び断面図である。
【0047】
この例では、制御電子回路120 は、半導体基板、例えばシリコン基板内及び半導体基板、例えばシリコン基板上に一体化された回路である。制御電子回路120 は、例えば金属レベル105/111 及び/又は金属レベル117 に形成されている、機器を接続するための対応する金属面に、例えば半田付け又は蝋付けによって電気的に接続されている接続パッド121 を有している。この例では、制御電子回路は、下部電極及びトランスデューサ107 の上部電極に夫々接続されている2つのパッドを有している。制御電子回路120 は、電源端子、並びに/又は機器の制御信号及び/若しくはデータのための入出力端子に接続されている複数のパッドを更に有し得る。制御電子回路120 は、変形例として、複数の半導体チップ及び/又は複数の相互接続された別個の電子要素を有することができ、金属レベル105/111 及び/又は金属レベル117 の相互接続要素を介して超音波トランスデューサ107 に接続され得る。金属レベル105/111 及び金属レベル117 を使用して、医療機器の(不図示の)他の要素を相互接続することができる。実際には、基板101 の上側の相互接続金属レベルの数は、2とは異なる数とすることができ、例えば1又は3以上とすることができる。
【0048】
更に、図面に示されていないが、電池が基板101 の上側に移されて、基板101 の上側で相互接続要素に電気的に接続されることができる。電池は、例えば制御電子回路120 に電気的に接続されている。制御電子回路120 は、例えば、外部デバイスからの音波の作用下で超音波トランスデューサの端子で発生する電力により電池を補充するように構成されている電力変換回路を有している。
【0049】
大きさを減少させるため、電池は、例えばキャビティ103 と同様のキャビティであるが、大きさが電池の大きさに適合されている、基板101 に予め形成されたキャビティに部分的又は完全に収容され得る。
【0050】
これらの工程の後、好ましくは生体適合性材料の、例えば基板101 の材料と同一の材料に基づく、機器の筐体の(図面に示されていない)上部カバーが、機器の内部要素を緊密に封止するために構造の上側に移され得る。例として、上部カバーは、基板101 で形成された筐体の下方部分に、例えばレーザ半田付けによって半田付けされる。例として、基板101 及び上部カバーで構成される筐体は、機器のトランスデューサ107 、電子回路120 及び電池を緊密に封止する。
【0051】
図2A~2Hは、少なくとも1つの超音波トランスデューサを備える埋め込み型医療機器を製造する方法の別の実施形態の例の連続的な工程を概略的且つ部分的に示す。
【0052】
図2Aは、最初の電気絶縁性材料の基板201 の断面図である。基板201 の厚さは、例えば0.2 ~3mmの範囲内である。
【0053】
図2Bは、基板201 全体を貫いて延びている局所的なキャビティ203 を形成する段階後の構造を示す断面図である。開口部203 は、機器の超音波トランスデューサを受けるように構成されている収容部を構成している。開口部203 の横寸法は、例えば0.2 ~2cmの範囲内であり、例えば0.5 ~1cmの範囲内である。開口部203 は、例えばレーザアブレーションによって形成される。上から見ると、開口部203 は、例えば矩形状である。
【0054】
図2Cは、基板201 の下側を、例えば生体適合性材料で形成された第2の基板205 の上側に固定する段階後の構造を示す断面図である。第2の基板205 は、例えば金属基板である。例として、基板205 はチタンで形成されている。金属層205 は、例えば、基板201 の下面全体に亘って実質的に均一な厚さで連続的に延びている。特に、基板205 は開口部203 の下側を閉じる。従って、開口部203 は、基板201 及び基板205 を有する積層体内に、医療機器の超音波トランスデューサを受けるように構成されているキャビティを構成している。例えば接合により、基板201 を基板205 上に固定する。例えば、接合材料の(不図示の)中間層を、2つの基板間の界面に堆積させる。基板201 の厚さは、例えば0.2 ~1mmの範囲内である。
【0055】
基板205 は、例えば、埋め込み型医療機器の封止筐体の一部の構成要素となるように構成されている。この例では、積層体205-201 の上側は、医療機器の内部要素、特に少なくとも1つの超音波トランスデューサを受けるように構成されている筐体の内面に相当する。基板205 の下側は、例えば、患者の生体組織と接するように構成されている筐体の外側である。積層体205-201 は、例えば矩形状のプレートの全体形状を有する。(筐体の横寸法と一致する)プレートの横寸法は、例えば1~10センチメートルの範囲内である。1つの埋め込み型医療機器の構成が
図2A~2Hに(部分的に)示されている。
【0056】
図2Dは、
図2Cの構造の上側、より具体的には基板201 の上側に相互接続金属要素211 を形成する工程により得られた構造を示す、上から見た図である。
図2A~2Hの断面は
図2Dの切断面C-Cで作成されていることに留意されたい。
【0057】
例えば、構造の上面全体に亘って連続的に延びる金属層を堆積させることができる。その後、この金属層を、例えばフォトリソグラフィ及びエッチングによって局所的に除去して、相互接続要素211 を形成する。より一般的には、この段階で、基板201 の上側に少なくとも1つのレベルのプリント回路を形成することができる。変形例として、キャビティ203 の隣の基板201 の上側に、例えば可撓性のプリント回路基板を移して固定することができる。基板201 は、変形例として剛性のプリント回路基板に置き換えられ得る。変形例として、
図2Dの工程を、
図2Cの工程の前、
図2Bの工程の前又は
図2Bの工程の後に実行することができる。
【0058】
図2Eは、超音波トランスデューサ207 をキャビティ203 内に移して固定する段階後の構造を示す断面図である。
【0059】
【0060】
トランスデューサ207 は、例えば圧電トランスデューサである。この例では、トランスデューサは、上側に移された2つの電極207a, 207bを有している。より具体的には、この例では、電極207aは、トランスデューサの上部電極であり、トランスデューサの上面の大部分を占めている。電極207bは、トランスデューサの下側から上側までの電気的接触をもたらす。金属電極206 が、例としてトランスデューサの下側に亘って、例えばトランスデューサの下面全体に亘って、又はトランスデューサの下面の大部分に亘って延びている。電極206 及び電極207aは、例えばトランスデューサの圧電層の下側及び上側と夫々接している。圧電材料の上側と上部電極207aとの間に、音波の反射(音響ミラー)又は吸収のために、例えば導電性の(図面に示されていない)一又は複数の中間層が設けられ得る。電極207bは、トランスデューサを垂直方向に横切る(図面に示されていない)導電性ビアを介して、又はトランスデューサの縁部に延びる(図面に見えない)金属経路により電極206 に接続され得る。変形例として、トランスデューサを移す前にキャビティ203 の底部に金属メッキ処理を行うことができ、これにより、トランスデューサの下部電極上の接点を復元して、この接点を導電経路を介して基板201 の上側に繋げることが可能になる。前述したように、圧電層は、例えば圧電セラミック、例えばPZTセラミック(チタン酸ジルコン酸鉛)に基づいている。
【0061】
例えば、トランスデューサ207 の下側が、キャビティ203 の底部で基板205 の上側に固定されている。例えば、図に見えない接着剤により固定を行う。例えば、生体組織と接する基板205 からトランスデューサの下部電極に電圧を印加することが望ましい場合、接着剤は導電性を有し得る。変形例として、接着剤は電気絶縁性を有し得る。
【0062】
トランスデューサ207 の横寸法は、例として、例えばキャビティ203 の横寸法の10パーセント未満でキャビティ203 の横寸法と実質的に同一である。従って、トランスデューサ207 はキャビティ203 の表面の実質的に全てを占めている。トランスデューサ207 の厚さは、例えばキャビティ203 の深さと実質的に等しく、例えば(この例では基板201 の厚さと一致する)キャビティ203 の深さと20パーセント程度、好ましくは10パーセント程度で等しい。トランスデューサ207 は、ピックアンドプレースのための工具により支持体から外されてキャビティ203 内に配置され得る。
【0063】
記載されている実施形態は、トランスデューサ207 が圧電トランスデューサである上述したような例に限定されないことに注目すべきである。より一般的には、本発明を実施するためのモードは、あらゆる種類の超音波トランスデューサ、例えば膜を用いた容量性超音波トランスデューサ(CMUT)、膜を用いた圧電超音波トランスデューサ(PMUT)などに合うように適合され得る。トランスデューサの下側と基板205 との間に、音響インピーダンスの整合及び/又は出力仕事量の整合のために、例えば導電性の一又は複数の中間層が設けられ得る。いずれの場合も、
図2A~2Hの実施形態によれば、キャビティ203 の底部でトランスデューサ207 の下側を基板205 の上側から隔てる空気、気体又は空隙の層が存在しない。言い換えれば、トランスデューサ207 は、基板205 の上側と機械的に接しているか、又は基板205 の上側から一又は複数の固体材料のみによって隔てられている。このため有利には、トランスデューサと基板205 を介した外部との間の音響エネルギーの伝達を有利にし得る。より具体的には、図面に示されている例では、キャビティの底部でトランスデューサ207 の圧電層の下側を基板205 の上側から隔てる空気、気体又は空隙の層が存在しない。言い換えれば、トランスデューサ207 の圧電層は、基板205 の上側と機械的に接しているか、又は基板205 の上側から一又は複数の固体材料のみによって隔てられている。
【0064】
基板201 の厚さは、トランスデューサ207 と筐体の外側との間の音響結合を向上させるように選択されていることが好ましい。
【0065】
この例では、トランスデューサの電極207a及び電極207bは、導電性ワイヤ209a, 209b、例えば金又は銅に基づく、例えば金属ワイヤにより、基板201 の上側に形成されている2つの金属接続面211 (
図2D)に夫々電気的に接続されている。
【0066】
図2Gは、
図2E及び2Fの構造の上側に制御電子回路220 を移す工程によって得られた構造を示す断面図である。
【0067】
この例では、制御電子回路220 は、半導体基板、例えばシリコン基板内及び半導体基板、例えばシリコン基板上の集積回路である。制御電子回路220 は、例えば機器の対応する金属面211 に、例えば半田付けによって電気的に接続されたパッド221 を有している。この例では、制御電子回路は、トランスデューサ207 の下部電極及び上部電極に夫々接続されている2つのパッドを有している。制御電子回路220 は、電源端子、並びに/又は機器の制御信号及び/若しくはデータのための入出力端子に接続されている複数のパッドを更に有している。制御電子回路220 は、変形例として、複数の半導体チップ及び/又は複数の相互接続された別個の電子要素を有することができ、基板201 の上側の相互接続要素を介して超音波トランスデューサ207 に接続され得る。
【0068】
図面に示されていないが、電池が基板201 の上側に移されて、基板201 の上側で相互接続要素に電気的に接続されることができる。電池は、例えば制御電子回路220 に電気的に接続されている。
【0069】
図2Hは、
図2Gの構造の上側にパッシベーション電気絶縁層213 を堆積させる任意の工程により得られた構造を示す断面図である。層213 は、例えば高分子材料に基づいている。例として、層213 は、構造の上面全体に亘って連続的に延びており、特に電子回路220 及び超音波トランスデューサ207 を覆っている。変形例として、機器の音響特性を変更しないように、トランスデューサ207 の上から層213 を取り除くことができる。上記と同様に、これらの工程の後、好ましくは生体適合性材料の、例えば基板205 の材料と同一の材料に基づく、機器の筐体の(図面に示されていない)上部カバーが、機器の内部要素を緊密に封止するために構造の上側に移され得る。
【0070】
図3は、
図2Hの機器の変形例を概略的且つ部分的に示す。
【0071】
図3の機器は主に、キャビティ203 と同様であるが、横寸法が電池の寸法に適合されているキャビティ203 ’(基板201 を横切る貫通開口部)に収容された電池301 を備えている点で、
図2Hの機器とは異なる。例として、上から見ると、電池は少なくとも1cm
2 の表面を有する。電池301 は、基板201 の上側の相互接続された要素に電気的に接続されている。電池は、例えば制御電子回路220 に電気的に接続されている。
【0072】
図示されている例では、電池301 は、導電性ワイヤ303 、例えば銅に基づく、例えば金属ワイヤにより、基板201 の上側の金属接続面211 に電気的に接続されている上部電極と、金属基板205 の上側と機械的且つ電気的に接する下部電極とを有している。この例では、金属基板205 は接地面として使用されている。基板201 を垂直方向に横切る導電性ビア305 が、金属基板205 を基板201 の上側の金属接続要素211 に電気的に接続する。
【0073】
同様に、
図2A~2Hの例では、トランスデューサ207 の下部電極を、金属基板205 と基板201 全体を垂直方向に横切る導電性のビアとを介して相互接続金属要素211 に電気的に接続することが可能であることに注目すべきである。
【0074】
変形例として、
図3の例では、電池301 の2つの電極が上側に形成されて、夫々2本の導電性ワイヤを介して基板201 の上側の相互接続金属要素211 に接続される。
【0075】
記載されている実施形態の利点は、例えば、埋め込み型医療機器への超音波無線電気エネルギーの伝達のために、埋め込み型医療機器への超音波トランスデューサのコンパクト且つ実行可能な一体化である。
【0076】
様々な実施形態及び変形例が述べられている。当業者は、これらの実施形態のある特徴を組み合わせることができると理解し、他の変形例が当業者に容易に想起される。
【0077】
最後に、本明細書に記載されている実施形態及び変形例の実際の実施は、上記の機能的な記載に基づく当業者の技能の範囲内である。
【外国語明細書】