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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024044910
(43)【公開日】2024-04-02
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
   H10B 43/27 20230101AFI20240326BHJP
   H10B 41/27 20230101ALI20240326BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20240326BHJP
   H01L 21/3205 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
H01L27/11582
H01L27/11556
H01L29/78 371
H01L21/88 J
H01L21/88 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150735
(22)【出願日】2022-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 聡観
(72)【発明者】
【氏名】海野 正樹
【テーマコード(参考)】
5F033
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F033HH11
5F033HH21
5F033HH32
5F033HH33
5F033JJ19
5F033JJ33
5F033KK11
5F033KK21
5F033KK32
5F033KK33
5F033MM13
5F033MM30
5F033NN07
5F033VV07
5F083EP02
5F083EP18
5F083EP23
5F083EP33
5F083EP34
5F083EP76
5F083GA09
5F083GA10
5F083JA04
5F083JA05
5F083JA19
5F083JA36
5F083JA37
5F083JA39
5F083JA40
5F083KA01
5F083KA05
5F083KA11
5F083LA03
5F083LA04
5F083LA12
5F083LA16
5F083LA21
5F083MA06
5F083MA16
5F083MA19
5F083NA01
5F083ZA01
5F101BA01
5F101BA45
5F101BB05
5F101BD16
5F101BD22
5F101BD30
5F101BD34
5F101BD35
5F101BH21
(57)【要約】      (修正有)
【課題】高集積化が可能な半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】半導体記憶装置は、複数のセンスアンプ領域と、複数の半導体層に電気的に接続された複数のビット線を含む第1配線層と、複数のセンスアンプ領域及び複数のビット線をそれぞれ電気的に接続する複数の第1配線を含む第2配線層と、を備える。半導体基板は、第2方向に並ぶ第1領域及び第2領域を備える。第1方向から見て、第1領域中の一部のセンスアンプ領域と重なる位置には、それぞれ、第3方向に並ぶ第1配線が、(n1)個ずつ設けられ、第1方向から見て、第2領域中の一部のセンスアンプ領域と重なる位置には、それぞれ、第3方向に並ぶ第1配線が、(n2)個ずつ設けられている。
【選択図】図25
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板の表面と交差する第1方向に並ぶ複数の導電層と、
前記第1方向に延伸し、前記複数の導電層と対向する複数の半導体層と、
前記半導体基板と前記複数の半導体層との間に設けられ、前記複数の半導体層に電気的に接続され、前記第1方向と交差する第2方向に並び、前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向に延伸する複数のビット線を含む第1配線層と、
前記半導体基板に設けられた、複数のセンスアンプ領域と、
前記半導体基板と前記第1配線層との間に設けられ、前記複数のセンスアンプ領域及び前記複数のビット線をそれぞれ電気的に接続する複数の第1配線を含む第2配線層と
を備え、
前記半導体基板は、前記第2方向に並ぶ第1領域及び第2領域を備え、
前記第1方向から見て、前記第1領域中の一部の前記センスアンプ領域と重なる位置には、それぞれ、前記第3方向に並ぶ前記第1配線が、(n1)個(n1は2以上の整数)ずつ設けられ、
前記第1方向から見て、前記第2領域中の一部の前記センスアンプ領域と重なる位置には、それぞれ、前記第3方向に並ぶ前記第1配線が、(n2)個(n2は、2以上の、n1と異なる整数)ずつ設けられている
半導体記憶装置。
【請求項2】
前記第1領域中の前記センスアンプ領域の前記第3方向の長さは、(n1)個の第1分割単位に分割され、
前記第2領域中の前記センスアンプ領域の前記第3方向の長さは、(n2)個の第2分割単位に分割され、
(n1)個の前記第1分割単位のそれぞれに前記第1配線が設けられ、
(n2)個の前記第2分割単位のそれぞれに前記第1配線が設けられる
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記第1領域は、前記第2方向に並ぶ(n1)個の前記センスアンプ領域を含み、
前記第2領域は、前記第2方向に並ぶ(n2)個の前記センスアンプ領域を含む
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記第1配線層と前記第2配線層の間に設けられ、前記複数のビット線及び前記複数の第1配線をそれぞれ電気的に接続する複数の第2配線を含む第3配線層を備え、
(n1)個の前記第2配線は、前記第3方向に並び、(n1)個の前記第1配線にそれぞれ電気的に接続され、
(n2)個の前記第2配線は、前記第3方向に並び、(n2)個の前記第1配線にそれぞれ電気的に接続される
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記複数の第2配線は、それぞれ、前記複数のビット線のうちの一つに電気的に接続された第1部分と、前記複数の第1配線の一つに電気的に接続された第2部分と、を備え、
前記複数の第2配線の少なくとも一部は、それぞれ、前記第2方向に延伸し、前記第1部分及び前記第2部分に接続された第3部分を備える
請求項4記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記複数の第2配線の他の一部は、前記第1部分の前記第3方向の一端部が、前記第2部分に接続されている
請求項5記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
前記第2部分は、前記第1方向から見て前記第1配線と重なる位置に設けられる
請求項5記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
前記第2配線層は、前記第3方向に並ぶ前記複数の第1配線の列の間に設けられ、前記第3方向に延伸し、前記第2方向に並ぶ複数の通過配線を含む
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
(n1)は(n2)よりも小さく、
前記第1領域は、前記複数の第1配線の列のうちの2つであって、前記第2方向に隣り合う第1の列及び第2の列を備え、
前記第2領域は、前記複数の第1配線の列のうちの他の2つであって、前記第2方向に隣り合う第3の列及び第4の列を備え、
前記第1の列及び前記第2の列の間に設けられる前記通過配線の数は、前記第3の列及び前記第4の列の間に設けられる前記通過配線の数よりも少ない
請求項8記載の半導体記憶装置。
【請求項10】
(n1)は(n2)よりも小さく、
前記第1領域に接続される前記ビット線の数は、前記第2領域に接続される前記ビット線の数よりも多い
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項11】
前記複数の半導体層の一部が設けられた、前記第2方向の一方側の第1メモリ領域と、
前記複数の半導体層の他の一部が設けられた、前記第2方向の他方側の第2メモリ領域と、
前記第1メモリ領域及び前記第2メモリ領域の間に設けられ、前記第3方向に並ぶ複数の小領域を備えたフックアップ領域と
を備え、
前記複数の小領域は、複数のビアコンタクト電極が設けられた複数の第1小領域と、前記複数のビアコンタクト電極が設けられていない複数の第2小領域とを備え、
前記第1小領域及び前記第2小領域は、前記第3方向に交互に並び、
前記複数のセンスアンプ領域は、前記第1方向から見て前記第1メモリ領域と重なる前記半導体基板の領域に設けられ、
前記第2メモリ領域における前記複数のビット線及び前記複数のセンスアンプ領域をそれぞれ電気的に接続する前記複数の第2配線は、前記複数の第2小領域を通過する
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項12】
前記第1メモリ領域及び前記第2メモリ領域は、それぞれ、前記第3方向に並ぶ複数のメモリブロックを備え、
前記複数のメモリブロックは、前記複数の小領域に対応する
請求項11記載の半導体記憶装置。
【請求項13】
(2×n1)個の前記小領域の前記第3方向の長さは、前記センスアンプ領域の前記第3方向の長さと同じ又は略同じである
請求項11記載の半導体記憶装置。
【請求項14】
前記半導体基板に設けられた複数のスイッチトランジスタを備え、
前記複数のビアコンタクト電極は、前記複数の導電層及び前記複数のスイッチトランジスタにそれぞれ電気的に接続される
請求項11記載の半導体記憶装置。
【請求項15】
前記複数のスイッチトランジスタが設けられているトランジスタ領域の前記第2方向の中心位置は、前記フックアップ領域の前記第2方向の中心位置と同一又は略同一である
請求項14記載の半導体記憶装置。
【請求項16】
前記トランジスタ領域の前記第2方向の長さは、前記フックアップ領域の前記第2方向の長さよりも大きい
請求項15記載の半導体記憶装置。
【請求項17】
前記半導体基板は、前記第2方向に並ぶ第3領域を備え、
前記第1方向から見て、前記第3領域中の前記センスアンプ領域と重なる位置には、それぞれ、前記第3方向に並ぶ前記第1配線が、(n3)個(n3は、2以上の、n1及びn2と異なる整数)ずつ設けられている
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項18】
前記第1領域と前記第2領域との境界部近傍において、前記第1部分と前記第2部分との前記第2方向における位置関係が切り替わる
請求項5記載の半導体記憶装置。
【請求項19】
前記複数のセンスアンプ領域は、それぞれ、センスアンプ回路と、一端で前記センスアンプ回路に電気的に接続し、他端で前記第1配線に電気的に接続するスイッチトランジスタと、を備える
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項20】
前記半導体基板は、前記第2方向に並ぶ前記複数の第1領域と、前記第2方向に並ぶ前記複数の第2領域と、を備え、
前記第1方向から見て、前記複数の第1領域の一部の前記センスアンプ領域と重なる位置には、それぞれ、前記第3方向に並ぶ第1配線群が、(n1)個(n1は2以上の整数)ずつ設けられ、
前記第1方向から見て、前記複数の第2領域の一部の前記センスアンプ領域と重なる位置には、それぞれ、前記第3方向に並ぶ第2配線群が、(n2)個(n2は、2以上の、n1と異なる整数)ずつ設けられ、
前記第1配線群は、(h1)本(h1は2以上の整数)の前記第2配線を含み、
前記第2配線群は、(h2)本(h2は、2以上の、h1と異なる整数)の前記第2配線を含む
請求項4記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板と、この基板の表面と交差する方向に並ぶ複数の導電層と、これら複数の導電層と対向する半導体層と、導電層及び半導体層の間に設けられたゲート絶縁層と、を備える半導体記憶装置が知られている。ゲート絶縁層は、例えば、窒化シリコン(SiN)等の絶縁性の電荷蓄積層やフローティングゲート等の導電性の電荷蓄積層等の、データを記憶可能なメモリ部を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2020/0335513号明細書
【特許文献2】米国特許第10453518号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高集積化が可能な半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一の実施形態に係る半導体記憶装置は、半導体基板と、半導体基板の表面と交差する第1方向に並ぶ複数の導電層と、第1方向に延伸し、複数の導電層と対向する複数の半導体層と、半導体基板と複数の半導体層との間に設けられ、複数の半導体層に電気的に接続され、第1方向と交差する第2方向に並び、第1方向及び第2方向と交差する第3方向に延伸する複数のビット線を含む第1配線層と、半導体基板に設けられた、複数のセンスアンプ領域と、半導体基板と第1配線層との間に設けられ、複数のセンスアンプ領域及び複数のビット線をそれぞれ電気的に接続する複数の第1配線を含む第2配線層と、を備える。半導体基板は、第2方向に並ぶ第1領域及び第2領域を備える。第1方向から見て、第1領域中の一部のセンスアンプ領域と重なる位置には、それぞれ、第3方向に並ぶ第1配線が、(n1)個(n1は2以上の整数)ずつ設けられ、第1方向から見て、第2領域中の一部のセンスアンプ領域と重なる位置には、それぞれ、第3方向に並ぶ第1配線が、(n2)個(n2は、2以上の、n1と異なる整数)ずつ設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な回路図である。
図2】周辺回路PCの一部の構成を示す模式的な回路図である。
図3】周辺回路PCの一部の構成を示す模式的な回路図である。
図4】本実施形態に係る半導体記憶装置の構成例を示す模式的な分解斜視図である。
図5】チップCの構成例を示す模式的な底面図である。
図6】メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な断面図である。
図7】メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な断面図である。
図8】チップCの一部の構成を示す模式的な底面図である。
図9】チップCの一部の構成を示す模式的な断面図である。
図10】フックアップ領域RHU1,RHU2の構成例を示す模式的な平面図である。
図11】チップCの構成例を示す模式的な平面図である。
図12図11のカラム制御回路領域RCCを拡大して示す模式的な平面図である。
図13図12のCの部分を拡大して示す模式的な平面図である。
図14】チップC及びチップC図11のA-A´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た模式的な断面図である。
図15】配線群Gm1及び配線群Gm2について説明するための模式的な平面図である。
図16図11のBの部分を拡大して示す模式的な平面図である。
図17】配線層M1中の配線m1aについて説明するための模式的な底面図である。
図18】配線m1aについて説明するための模式的な底面図である。
図19】配線m1bについて説明するための模式的な底面図である。
図20】配線群Gm1の配線パターンについて説明するための模式的な平面図である。
図21】配線群Gm1の配線パターンについて説明するための模式的な平面図である。
図22】配線群Gm2の配線パターンについて説明するための模式的な平面図である。
図23】配線群Gm2の配線パターンについて説明するための模式的な平面図である。
図24】異なる分割数の領域の境界部を示す模式的な平面図である。
図25】配線層D4中の配線d4の配置例を示す模式的な平面図である。
図26】配線層D4中の配線d4の配置例を示す模式的な平面図である。
図27】領域R(6div)における通過配線TWの構成を示す模式的な平面図である。
図28】領域R(8div)における通過配線TWの構成を示す模式的な平面図である。
図29】第1領域R(n1div)及び第2領域R(n2div)を示す模式的な平面図である。
図30】比較例に係る配線層M1中の配線群Gmの配線パターンについて説明するための模式的な平面図である。
図31図16のDの部分に対応する配線層M1中の領域を拡大して示す模式的な底面図である。
図32】第3実施形態のカラム制御回路領域RCCの構成を示す模式的な平面図である。
図33】領域R(4div)における通過配線TWの構成を示す模式的な平面図である。
図34】第4実施形態の配線群Gm2の配線パターンについて説明するための模式的な平面図である。
図35】第4実施形態における、異なる分割数の領域の境界部を示す模式的な平面図である。
図36】第4実施形態における、配線層D4中の配線d4の配置例を示す模式的な平面図である。
図37】配線群Gm1の配線パターンの変形例について説明するための模式的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
次に、実施形態に係る半導体記憶装置を、図面を参照して詳細に説明する。尚、以下の実施形態はあくまでも一例であり、本発明を限定する意図で示されるものではない。また、以下の図面は模式的なものであり、説明の都合上、一部の構成等が省略される場合がある。また、複数の実施形態について共通する部分には同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0008】
また、本明細書において「半導体記憶装置」と言った場合には、メモリダイを意味する事もあるし、メモリチップ、メモリカード、SSD(Solid State Drive)等の、コントローラダイを含むメモリシステムを意味する事もある。更に、スマートホン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等の、ホストコンピュータを含む構成を意味する事もある。
【0009】
また、本明細書において、第1の構成が第2の構成に「電気的に接続されている」と言った場合、第1の構成は第2の構成に直接接続されていても良いし、第1の構成が第2の構成に配線、半導体部材又はトランジスタ等を介して接続されていても良い。例えば、3つのトランジスタを直列に接続した場合には、2つ目のトランジスタがOFF状態であったとしても、1つ目のトランジスタは3つ目のトランジスタに「電気的に接続」されている。
【0010】
また、本明細書において、第1の構成が第2の構成及び第3の構成の「間に接続されている」と言った場合、第1の構成、第2の構成及び第3の構成が直列に接続され、且つ、第2の構成が第1の構成を介して第3の構成に接続されていることを意味する場合がある。
【0011】
また、本明細書において、回路等が2つの配線等を「導通させる」と言った場合には、例えば、この回路等がトランジスタ等を含んでおり、このトランジスタ等が2つの配線の間の電流経路に設けられており、このトランジスタ等がON状態となることを意味する事がある。
【0012】
また、本明細書においては、基板の上面に対して平行な所定の方向をX方向、基板の上面に対して平行で、X方向と垂直な方向をY方向、基板の上面に対して垂直な方向をZ方向と呼ぶ。
【0013】
また、本明細書においては、所定の面に沿った方向を第1方向、この所定の面に沿って第1方向と交差する方向を第2方向、この所定の面と交差する方向を第3方向と呼ぶことがある。これら第1方向、第2方向及び第3方向は、X方向、Y方向及びZ方向のいずれかと対応していても良いし、対応していなくても良い。
【0014】
また、本明細書において、「上」や「下」等の表現は、基板を基準とする。例えば、上記Z方向に沿って基板から離れる向きを上と、Z方向に沿って基板に近付く向きを下と呼ぶ。また、ある構成について下面や下端と言う場合には、この構成の基板側の面や端部を意味する事とし、上面や上端と言う場合には、この構成の基板と反対側の面や端部を意味する事とする。また、X方向又はY方向と交差する面を側面等と呼ぶ。
【0015】
また、本明細書において、構成、部材等について、所定方向の「幅」、「長さ」又は「厚み」等と言った場合には、SEM(Scanning electron microscopy)やTEM(Transmission electron microscopy)等によって観察された断面等における幅、長さ又は厚み等を意味することがある。
【0016】
[第1実施形態]
[メモリダイMDの回路構成]
図1は、メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な回路図である。図1に示す様に、メモリダイMDは、メモリセルアレイMCAと、周辺回路PCと、を備える。メモリセルアレイMCAは、図1に示す様に、複数のメモリブロックBLKを備える。これら複数のメモリブロックBLKは、それぞれ、複数のストリングユニットSUを備える。これら複数のストリングユニットSUは、それぞれ、複数のメモリストリングMSを備える。これら複数のメモリストリングMSの一端は、それぞれ、ビット線BLを介して周辺回路PCに接続される。また、これら複数のメモリストリングMSの他端は、それぞれ、共通のソース線SLを介して周辺回路PCに接続される。
【0017】
メモリストリングMSは、ドレイン側選択トランジスタSTDと、複数のメモリセルMC(メモリトランジスタ)と、ソース側選択トランジスタSTSと、を備える。ドレイン側選択トランジスタSTD、複数のメモリセルMC、及び、ソース側選択トランジスタSTSは、ビット線BL及びソース線SLの間に直列に接続される。以下、ドレイン側選択トランジスタSTD及びソース側選択トランジスタSTSを、単に選択トランジスタ(STD、STS)と呼ぶ事がある。
【0018】
メモリセルMCは、電界効果型のトランジスタである。メモリセルMCは、半導体層、ゲート絶縁膜、及び、ゲート電極を備える。半導体層は、チャネル領域として機能する。ゲート絶縁膜は、電荷蓄積膜を含む。メモリセルMCのしきい値電圧は、電荷蓄積膜中の電荷量に応じて変化する。メモリセルMCは、1ビット又は複数ビットのデータを記憶する。尚、1のメモリストリングMSに対応する複数のメモリセルMCのゲート電極には、それぞれ、ワード線WLが接続される。これらワード線WLは、それぞれ、1のメモリブロックBLK中の全てのメモリストリングMSに共通に接続される。
【0019】
選択トランジスタ(STD、STS)は、電界効果型のトランジスタである。選択トランジスタ(STD、STS)は、半導体層、ゲート絶縁膜、及び、ゲート電極を備える。半導体層はチャネル領域として機能する。ゲート絶縁膜は電荷蓄積層を含んでいてもよい。選択トランジスタ(STD、STS)のゲート電極には、それぞれ、選択ゲート線(SGD、SGS)が接続される。1つのドレイン側選択ゲート線SGDは、1つのストリングユニットSU中の全てのメモリストリングMSに共通に接続される。1つのソース側選択ゲート線SGSは、1つのメモリブロックBLK中の全てのメモリストリングMSに共通に接続される。
【0020】
図2は、周辺回路PCの一部の構成を示す模式的な回路図である。周辺回路PCは、例えば図2に示す様に、ロウ制御回路RowCを備える。ロウ制御回路RowCは、複数のブロックデコードユニットblkdと、ブロックデコーダBLKDと、を備える。
【0021】
複数のブロックデコードユニットblkdは、メモリセルアレイMCA中の複数のメモリブロックBLKに対応する。ブロックデコードユニットblkdは、複数のワード線スイッチWLSWを備える。複数のワード線スイッチWLSWは、メモリブロックBLK中の複数のワード線WLに対応する。ワード線スイッチWLSWは、例えば、電界効果型のNMOSトランジスタである。ワード線スイッチWLSWのドレイン電極は、ワード線WLに接続される。ワード線スイッチWLSWのソース電極は、配線CGに接続される。配線CGは、ロウ制御回路RowC中の全てのブロックデコードユニットblkdに接続される。ワード線スイッチWLSWのゲート電極は、信号供給線BLKSELに接続される。信号供給線BLKSELは、全てのブロックデコードユニットblkdに対応して複数設けられる。また、信号供給線BLKSELは、ブロックデコードユニットblkd中の全てのワード線スイッチWLSWに接続される。
【0022】
ブロックデコーダBLKDは、読み出し動作又は書き込み動作に際して、ブロックアドレスをデコードする。また、デコードされたブロックアドレスに応じて、複数の信号供給線BLKSELのうちの一つを“H”状態とし、残りの信号供給線BLKSELを“L”状態とする。
【0023】
図3は、周辺回路PCの一部の構成を示す模式的な回路図である。周辺回路PCは、例えば図3に示す様に、カラム制御回路ColCを備える。カラム制御回路ColCは、ビット線BLに接続されたスイッチトランジスタBLS,BLBIASと、スイッチトランジスタBLSを介してビット線BLに接続されたセンスアンプ回路SADLと、センスアンプ回路SADLに接続されたラッチ回路XDLと、を備える。
【0024】
スイッチトランジスタBLS,BLBIASは、例えば、電界効果型のNMOSトランジスタである。スイッチトランジスタBLS,BLBIASのドレイン電極は、ビット線BLに接続される。スイッチトランジスタBLSのソース電極は、センスアンプ回路SADLに接続される。スイッチトランジスタBLBIASのソース電極は、図示しない電圧供給線に接続される。
【0025】
センスアンプ回路SADLは、センス回路と、ラッチ回路と、電圧転送回路と、を備える。センス回路は、センストランジスタと、データ配線と、を備える。センストランジスタのゲート電極は、ビット線BLに電気的に接続されている。センストランジスタのドレイン電極は、データ配線に接続されている。センストランジスタは、ビット線BLの電圧又は電流に応じてON状態となる。データ配線は、センストランジスタのON/OFF状態に応じて充電又は放電される。ラッチ回路は、データ配線の電圧に応じて“1”又は“0”のデータをラッチする。電圧転送回路は、ラッチ回路にラッチされたデータに応じてビット線BLを2つの電圧供給線のいずれかと導通させる。
【0026】
ラッチ回路XDLは、配線DBUSを介してセンスアンプ回路SADL内のデータ配線に電気的に接続される。ラッチ回路XDLに含まれるデータは、順次センスアンプ回路SADL又は図示しない入出力制御回路に転送される。
【0027】
[メモリダイMDの構造]
図4は、本実施形態に係る半導体記憶装置の構成例を示す模式的な分解斜視図である。図4に示す通り、メモリダイMDは、メモリセルアレイMCA側のチップCと、周辺回路PC側のチップCと、を備える。
【0028】
チップCの上面には、図示しないボンディングワイヤに接続可能な複数の外部パッド電極Pが設けられている。また、チップCの下面には、複数の貼合電極PI1が設けられている。また、チップCの上面には、複数の貼合電極PI2が設けられている。以下、チップCについては、複数の貼合電極PI1が設けられる面を表面と呼び、複数の外部パッド電極Pが設けられる面を裏面と呼ぶ。また、チップCについては、複数の貼合電極PI2が設けられる面を表面と呼び、表面の反対側の面を裏面と呼ぶ。図示の例において、チップCの表面はチップCの裏面よりも上方に設けられ、チップCの裏面はチップCの表面よりも上方に設けられる。
【0029】
チップC及びチップCは、チップCの表面とチップCの表面とが対向するよう配置される。複数の貼合電極PI1は、複数の貼合電極PI2にそれぞれ対応して設けられ、複数の貼合電極PI2に貼合可能な位置に配置される。貼合電極PI1と貼合電極PI2とは、チップCとチップCとを貼合し、かつ電気的に導通させるための、貼合電極として機能する。
【0030】
尚、図4の例において、チップCの角部a1、a2、a3、a4は、それぞれ、チップCの角部b1、b2、b3、b4と対応する。
【0031】
図5は、チップCの構成例を示す模式的な底面図である。図5では、貼合電極PI1等の一部の構成を省略している。図6及び図7は、メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な断面図である。図8は、チップCの一部の構成を示す模式的な底面図である。図8では、左側の領域においてワード線WLの位置のXY断面を示し、右側の領域においてドレイン側選択ゲート線SGDの位置のXY断面を示している。尚、図8の右側の領域では、半導体層120とビット線BLとの接続部分を表すために、ビアコンタクト電極ch,Vy、及びビット線BLも示している。図8の左側の領域においても、ビアコンタクト電極ch,Vy、及びビット線BLが設けられている。図9は、チップCの一部の構成を示す模式的な断面図である。図9は、YZ断面を示しているが、半導体層120の中心軸に沿ったYZ断面以外の断面(例えば、XZ断面)を観察した場合にも、図9と同様の構造が観察される。図10は、フックアップ領域RHU1,RHU2の構成例を示す模式的な平面図である。図11は、チップCの構成例を示す模式的な平面図である。図11では、貼合電極PI2等の一部の構成を省略している。図12は、図11のカラム制御回路領域RCCを拡大して示す模式的な平面図である。図13は、図12のCの部分を拡大して示す模式的な平面図である。図13では、センスアンプSAの構成例を模式的に示している。
【0032】
[チップCの構造]
図5の例において、チップCは、X方向に並ぶ2つのメモリプレーンMPを備える。また、これら2つのメモリプレーンMPは、それぞれ、X方向に並ぶ2つの領域R1,R2を備える。領域R1は、X方向負側の領域であり、領域R2は、X方向正側の領域である。これら2つの領域R1,R2は、それぞれ、Y方向に並ぶ複数のメモリブロックBLKを備える。
【0033】
図5の例において、領域R1の複数のメモリブロックBLKは、それぞれ、X方向負側に設けられたX方向の幅の大きいメモリホール領域RMH11と、X方向正側に設けられたX方向の幅の小さいメモリホール領域RMH12と、2つのメモリホール領域RMH11,RMH12の間に設けられたフックアップ領域RHU1と、を備える。また、領域R2の複数のメモリブロックBLKは、それぞれ、X方向正側に設けられたX方向の幅の大きいメモリホール領域RMH21と、X方向負側に設けられたX方向の幅の小さいメモリホール領域RMH22と、2つのメモリホール領域RMH21,RMH22の間に設けられたフックアップ領域RHU2と、を備える。また、チップCは、2つのメモリプレーンMPよりもY方向の一端側に設けられた周辺領域Rを備える。
【0034】
この様に、領域R1におけるメモリホール領域RMH11,RMH12、及びフックアップ領域RHU1と、領域R2におけるメモリホール領域RMH21,RMH22、及びフックアップ領域RHU2とは、領域R1及び領域R2の境界を中心とした線対称となっている。
【0035】
尚、メモリホール領域RMH11,RMH12を、“第1メモリ領域”“第2メモリ領域”と呼ぶ場合がある。
【0036】
チップCは、例えば図6に示す様に、基体層LSBと、基体層LSBの下方に設けられたメモリセルアレイ層LMCAと、メモリセルアレイ層LMCAの下方に設けられたビアコンタクト電極層CHと、ビアコンタクト電極層CHの下方に設けられた複数の配線層M0,M1と、配線層M0,M1の下方に設けられたチップ貼合電極層MBと、を備える。
【0037】
[チップCの基体層LSBの構造]
例えば図6に示す様に、基体層LSBは、メモリセルアレイ層LMCAの上面に設けられた導電層100と、導電層100の上面に設けられた絶縁層111と、絶縁層111の上面に設けられた裏面配線層MAと、裏面配線層MAの上面に設けられた絶縁層102と、を備える。
【0038】
導電層100は、例えば、リン(P)等のN型の不純物又はホウ素(B)等のP型の不純物が注入されたシリコン(Si)等の半導体層を含んでいても良いし、タングステン(W)等の金属を含んでいても良いし、タングステンシリサイド(WSi)等のシリサイドを含んでいても良い。
【0039】
導電層100は、ソース線SL(図1)の一部として機能する。導電層100は、2つのメモリプレーンMP(図5)に対応して2つ設けられている。メモリプレーンMPのX方向及びY方向の端部には、導電層100を含まない領域VZが設けられている。
【0040】
絶縁層111は、例えば、酸化シリコン(SiO)等を含む。
【0041】
裏面配線層MAは、複数の配線maを含む。これら複数の配線maは、例えば、アルミニウム(Al)等を含んでいても良い。
【0042】
複数の配線maのうちの一部は、ソース線SL(図1)の一部として機能する。この配線maは、2つのメモリプレーンMP(図5)に対応して2つ設けられている。この配線maは、それぞれ、導電層100に電気的に接続されている。
【0043】
また、複数の配線maのうちの一部は、外部パッド電極Pとして機能する。この配線maは、周辺領域Rに設けられている。この配線maは、導電層100を含まない領域VZにおいてメモリセルアレイ層LMCA中のビアコンタクト電極CCに接続されている。また、配線maの一部は、絶縁層102に設けられた開口TVを介してメモリダイMDの外部に露出する。
【0044】
絶縁層102は、例えば、ポリイミド等の絶縁材料からなるパッシベーション層である。
【0045】
[チップCのメモリセルアレイ層LMCAのメモリホール領域RMHにおける構造]
図5を参照して説明した様に、メモリセルアレイ層LMCAには、Y方向に並ぶ複数のメモリブロックBLKが設けられている。図6に示す様に、Y方向に隣り合う2つのメモリブロックBLKの間には、酸化シリコン(SiO)等のブロック間絶縁層STが設けられる。
【0046】
メモリブロックBLKは、例えば図6に示す様に、Z方向に並ぶ複数の導電層110と、Z方向に延伸する複数の半導体層120と、を備える。また、図9に示す様に、複数の導電層110及び複数の半導体層120の間には、それぞれ、ゲート絶縁膜130が設けられている。
【0047】
導電層110は、X方向に延伸する略板状の形状を備える。導電層110は、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)、モリブデン(Mo)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。また、導電層110は、例えば、リン(P)又はホウ素(B)等の不純物を含む多結晶シリコン等を含んでいても良い。Z方向に並ぶ複数の導電層110の間には、酸化シリコン(SiO)等の層間絶縁層111が設けられている。
【0048】
複数の導電層110のうち、最上層に位置する一又は複数の導電層110は、ソース側選択トランジスタSTS(図1)のゲート電極及びソース側選択ゲート線SGSとして機能する(図6参照)。これら複数の導電層110は、メモリブロックBLK毎に電気的に独立している。
【0049】
また、これよりも下方に位置する複数の導電層110は、メモリセルMC(図1)のゲート電極及びワード線WLとして機能する。これら複数の導電層110は、それぞれ、メモリブロックBLK毎に電気的に独立している。
【0050】
また、これよりも下方に位置する一又は複数の導電層110は、ドレイン側選択トランジスタSTDのゲート電極及びドレイン側選択ゲート線SGDとして機能する。例えば図8に示す様に、これら複数の導電層110のY方向の幅YSGDは、ワード線WLとして機能する導電層110のY方向の幅YWLよりも小さい。また、Y方向に隣り合う2つの導電層110の間には、酸化シリコン(SiO)等の絶縁層SHEが設けられている。
【0051】
半導体層120は、例えば図8に示す様に、X方向及びY方向に所定のパターンで並ぶ。半導体層120は、それぞれ、1つのメモリストリングMS(図1)に含まれる複数のメモリセルMC及び選択トランジスタ(STD,STS)のチャネル領域として機能する。半導体層120は、例えば、多結晶シリコン(Si)等を含む。半導体層120は、略円筒状の形状を有し、中心部分には酸化シリコン等の絶縁層125が設けられている。半導体層120の外周面は、それぞれ複数の導電層110によって囲まれており、これら複数の導電層110と対向している。
【0052】
また、半導体層120の上端には、図示しない不純物領域が設けられている。この不純物領域は、上記導電層100に接続されている(図6参照)。この不純物領域は、例えば、リン(P)等のN型の不純物又はホウ素(B)等のP型の不純物を含む。
【0053】
また、半導体層120の下端には、図示しない不純物領域が設けられている。この不純物領域は、ビアコンタクト電極ch及びビアコンタクト電極Vyを介してビット線BLに接続される。この不純物領域は、例えば、リン(P)等のN型の不純物を含む。
【0054】
ゲート絶縁膜130は、例えば図8に示す様に、半導体層120の外周面を覆う略円筒状の形状を有する。ゲート絶縁膜130は、例えば図9に示す様に、半導体層120及び導電層110の間に積層されたトンネル絶縁膜131、電荷蓄積膜132及びブロック絶縁膜133を備える。トンネル絶縁膜131及びブロック絶縁膜133は、例えば、酸化シリコン(SiO)、窒酸化シリコン(SiON)等を含む。電荷蓄積膜132は、例えば、窒化シリコン(SiN)等の電荷を蓄積可能な膜を含む。トンネル絶縁膜131、電荷蓄積膜132、及び、ブロック絶縁膜133は略円筒状の形状を有し、半導体層120と導電層100との接触部を除く半導体層120の外周面に沿ってZ方向に延伸する。
【0055】
尚、図9には、ゲート絶縁膜130が窒化シリコン等の電荷蓄積膜132を備える例を示した。しかしながら、ゲート絶縁膜130は、例えば、N型又はP型の不純物を含む多結晶シリコン等のフローティングゲートを備えていても良い。
【0056】
[チップCのメモリセルアレイ層LMCAのフックアップ領域RHU1における構造]
図7に示す様に、フックアップ領域RHU1には、複数のビアコンタクト電極CCが設けられている。これら複数のビアコンタクト電極CCは、それぞれ、Z方向に延伸し、上端において導電層110(WL,SGD,SGS)に接続されている。ビアコンタクト電極CCは、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。また、ビアコンタクト電極CCの外周面には、酸化シリコン(SiO)等の絶縁層103が設けられている。これにより、ビアコンタクト電極CCは、その周囲の複数の導電層110から絶縁される。
【0057】
図10に示す様に、領域R1のフックアップ領域RHU1がメモリホール領域RMH11,RMH12の間に設けられ、領域R2のフックアップ領域RHU2がメモリホール領域RMH21,RMH22の間に設けられている。メモリホール領域RMH11,RMH12,RMH21,RMH22において、Y方向負側から数えて1番目~12番目のメモリブロックBLKを、メモリブロックBLK(1)~BLK(12)とする。
【0058】
領域R1のフックアップ領域RHU1は、メモリブロックBLK(1)~BLK(12)に対応して、小領域RHU(N1)~RHU(N12)に分けられる。また、領域R2のフックアップ領域RHU2は、メモリブロックBLK(1)~BLK(12)に対応して、小領域RHU(P1)~RHU(P12)に分けられる。
【0059】
偶数番目の小領域RHU(N2),RHU(N4),RHU(N6),RHU(N8),RHU(N10),RHU(N12)には、Y方向に並ぶ3つのビアコンタクト電極CCの列がX方向に複数並んでいる。また、奇数番目の小領域RHU(P1),RHU(P3),RHU(P5),RHU(P7),RHU(P9),RHU(P11)には、Y方向に並ぶ3つのビアコンタクト電極CCの列がX方向に複数並んでいる。
【0060】
小領域RHU(P1)の複数のビアコンタクト電極CCは、メモリブロックBLK(1)における各層の導電層110に接続される。小領域RHU(N2)の複数のビアコンタクト電極CCは、メモリブロックBLK(2)における各層の導電層110に接続される。小領域RHU(P3)の複数のビアコンタクト電極CCは、メモリブロックBLK(3)における各層の導電層110に接続される。小領域RHU(N4)の複数のビアコンタクト電極CCは、メモリブロックBLK(4)における各層の導電層110に接続される。小領域RHU(P5)の複数のビアコンタクト電極CCは、メモリブロックBLK(5)における各層の導電層110に接続される。小領域RHU(N6)の複数のビアコンタクト電極CCは、メモリブロックBLK(6)における各層の導電層110に接続される。
【0061】
小領域RHU(P7)の複数のビアコンタクト電極CCは、メモリブロックBLK(7)における各層の導電層110に接続される。小領域RHU(N8)の複数のビアコンタクト電極CCは、メモリブロックBLK(8)における各層の導電層110に接続される。小領域RHU(P9)の複数のビアコンタクト電極CCは、メモリブロックBLK(9)における各層の導電層110に接続される。小領域RHU(N10)の複数のビアコンタクト電極CCは、メモリブロックBLK(10)における各層の導電層110に接続される。小領域RHU(P11)の複数のビアコンタクト電極CCは、メモリブロックBLK(11)における各層の導電層110に接続される。小領域RHU(N12)の複数のビアコンタクト電極CCは、メモリブロックBLK(12)における各層の導電層110に接続される。
【0062】
尚、メモリブロックBLKのY方向の長さを、“BLK pitch”と呼ぶ場合がある。
【0063】
[チップCのメモリセルアレイ層LMCAの周辺領域Rにおける構造]
周辺領域Rには、例えば図6に示す様に、外部パッド電極Pに対応して、複数のビアコンタクト電極CCが設けられている。これら複数のビアコンタクト電極CCは、上端において外部パッド電極Pに接続されている。
【0064】
[ビアコンタクト電極層CHの構造]
ビアコンタクト電極層CHに含まれる複数のビアコンタクト電極chは、例えば、メモリセルアレイ層LMCA中の構成及びチップC中の構成の少なくとも一方に、電気的に接続される。
【0065】
ビアコンタクト電極層CHは、複数の配線として、複数のビアコンタクト電極chを含む。これら複数のビアコンタクト電極chは、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。ビアコンタクト電極chは、複数の半導体層120に対応して設けられ、複数の半導体層120の下端に接続されている。
【0066】
[チップCの配線層M0,M1の構造]
配線層M0,M1に含まれる複数の配線は、例えば、メモリセルアレイ層LMCA中の構成及びチップC中の構成の少なくとも一方に、電気的に接続される。
【0067】
配線層M0は、複数の配線m0を含む。これら複数の配線m0は、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及び銅(Cu)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。尚、複数の配線m0のうちの一部は、ビット線BLとして機能する。ビット線BLは、例えば図8に示す様に、X方向に並びY方向に延伸する。
【0068】
配線層M1は、例えば図6に示す様に、複数の配線m1,m1aを含む。これら複数の配線m1,m1aは、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。尚、配線層M1中の配線パターンについては、後述する。
【0069】
[チップ貼合電極層MBの構造]
チップ貼合電極層MBに含まれる複数の配線は、例えば、メモリセルアレイ層LMCA中の構成及びチップC中の構成の少なくとも一方に、電気的に接続される。
【0070】
チップ貼合電極層MBは、複数の貼合電極PI1を含む。これら複数の貼合電極PI1は、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜pI1B及び銅(Cu)等の金属膜pI1Mの積層膜等を含んでいても良い。
【0071】
[チップCの構造]
チップCは、例えば図11に示す様に、X方向に並ぶ2つのメモリプレーンMPと重なる領域MP´を備える。これら2つの領域MP´は、それぞれ、X方向に並ぶ2つの領域R1´,R2´を備える。領域R1´は、Z方向から見て図5の領域R1と重なる。領域R2´は、Z方向から見て図5の領域R2と重なる。
【0072】
領域R1´における、X方向正側の端部には、ロウ制御回路領域RRCが設けられている。領域R1´において、ブロックデコーダ領域RBDは、ロウ制御回路領域RRCのX方向負側に隣接して設けられている。領域R1´において、周辺回路領域RPCは、ブロックデコーダ領域RBDのX方向負側に隣接して設けられている。また、領域R2´における、X方向負側の端部には、ロウ制御回路領域RRCが設けられている。領域R2´において、ブロックデコーダ領域RBDは、ロウ制御回路領域RRCのX方向正側に隣接して設けられている。領域R2´において、周辺回路領域RPCは、ブロックデコーダ領域RBDのX方向正側に隣接して設けられている。
【0073】
周辺回路領域RPCには、X方向及びY方向に並ぶ4つのカラム制御回路領域RCCが設けられている。また、図示は省略するものの、周辺回路領域RPC中のその他の領域にも、回路が配置されている。また、チップCの周辺領域R図5)に対向するチップCの領域には、回路領域Rが設けられている。
【0074】
ロウ制御回路領域RRCには、図2を参照して説明した複数のブロックデコードユニットblkdが設けられている。即ち、ロウ制御回路領域RRCには、複数のブロックデコードユニットblkdを構成する、複数のワード線スイッチWLSWが設けられている。ブロックデコーダ領域RBDには、図2を参照して説明したブロックデコーダBLKDが設けられている。カラム制御回路領域RCCには、図3を参照して説明したカラム制御回路ColCが設けられている。回路領域Rには、図示しない入出力回路が設けられている。この入出力回路は、図6を参照して説明したビアコンタクト電極CC等を介して、外部パッド電極Pに接続されている。
【0075】
また、図11には、Z方向から見てフックアップ領域RHU1,RHU2図5)と重なる領域を、点線で示している。図11の例では、領域R1´のロウ制御回路領域RRCの一部が、Z方向から見てフックアップ領域RHU1図5)と重なる領域に設けられている。また、領域R1´のロウ制御回路領域RRCの一部が、Z方向から見てメモリホール領域RMH12図5)と重なる領域に設けられると共に、Z方向から見てメモリホール領域RMH11の一部(図5)と重なる領域に設けられている。また、図11の例では、ロウ制御回路領域RRCのX方向における幅が、フックアップ領域RHU1図5)のX方向における幅よりも大きい。
【0076】
また、図11の例では、領域R2´のロウ制御回路領域RRCの一部が、Z方向から見てフックアップ領域RHU2図5)と重なる領域に設けられている。また、領域R2´のロウ制御回路領域RRCの一部が、Z方向から見てメモリホール領域RMH22図5)と重なる領域に設けられると共に、Z方向から見てメモリホール領域RMH21の一部(図5)と重なる領域に設けられている。また、図11の例では、ロウ制御回路領域RRCのX方向における幅が、フックアップ領域RHU2図5)のX方向における幅よりも大きい。
【0077】
この様に、領域R1´におけるロウ制御回路領域RRC、ブロックデコーダ領域RBD、及び周辺回路領域RPC(4つのカラム制御回路領域RCCを含む)と、領域R2´におけるロウ制御回路領域RRC、ブロックデコーダ領域RBD、及び周辺回路領域RPC(4つのカラム制御回路領域RCCを含む)とは、領域R1´及び領域R2´の境界を中心とした線対称となっている。
【0078】
複数の通過配線TWは、領域MP´の周辺回路PC間を接続する。図11に示す様に、複数の通過配線TWは、Y方向に延伸する。複数の通過配線TWは、制御信号を含む各種信号を伝達する。複数の通過配線TWは、例えばチップCの配線層D4に形成される。ただし、複数の通過配線TWは、配線層D4以外の配線層(例えば配線層D2,D3)に形成されても良い。尚、図11には示していないが、X方向に延伸する複数の通過配線も設けられる。これら複数の通過配線は、例えばチップCの配線層D2,D3に形成される。ただし、これら複数の通過配線は、配線層D2,D3以外の配線層(例えば配線層D4)に形成されても良い。
【0079】
複数の通過配線TWは、カラム制御回路領域RCCの上方を通過する。
【0080】
[チップCのカラム制御回路領域RCCの構成]
カラム制御回路領域RCCは、図12に示す様に、Y方向に並ぶ2つの領域RCC1と、これらの間に設けられY方向に並ぶ2つの領域RCC2と、これらの間に設けられた領域RCC3と、を備える。
【0081】
領域RCC1は、Y方向に4つ並ぶ、4つの領域RCC11を備える。これら4つの領域RCC11は、それぞれ、Y方向に並ぶ2つの領域RCC111と、これらの間に設けられY方向に並ぶ4つの領域RCC112と、を備える。領域RCC111には、図3を参照して説明したセンスアンプ回路SADLが複数設けられている。領域RCC112には、図3を参照して説明したスイッチトランジスタBLS,BLBIASが複数設けられている。尚、以下の説明では、1つの領域RCC111と、これに対応する2つの領域RCC112と、を含む領域を、領域RCC110と呼ぶ場合がある。
【0082】
本実施形態において、領域RCC110の一部(図12のCの部分)を、図13に示す様に、センスアンプSAと呼ぶ場合がある。図12においては、センスアンプSA(Cの部分)のY方向の幅よりもX方向の幅を大きく示しているが、実際には、図13に示す様に、センスアンプSAのX方向の幅よりもY方向の幅が大きい。センスアンプSAのX方向の幅を、“SA pitch”と呼ぶ場合がある。また、センスアンプSAのY方向の幅を、幅又は長さ“dSA”と呼ぶ場合がある。また、センスアンプSAが設けられている領域を、センスアンプ領域“RSA”と呼ぶ場合がある。
【0083】
センスアンプSAには、センスアンプ回路SADL(図3)、及び一組のスイッチトランジスタBLS(図3),BLBIAS(図3)が設けられている。センスアンプ回路SADLには、図3を参照して説明したセンスアンプ回路SADLが1つ設けられている。
【0084】
領域RCC2は、図12に示す様に、Y方向に8つ並ぶ8つの領域RCC21を備える。これら8つの領域RCC21には、それぞれ、X方向に並ぶ複数のラッチ回路XDL(図3)が設けられている。1つの領域RCC21においてX方向に並ぶラッチ回路XDLの数は、1つの領域RCC111においてX方向に並ぶセンスアンプ回路SADLの数と同数である。例えば、1つの領域RCC111に、X方向に並ぶ8つのセンスアンプ回路SADLが設けられる場合、1つの領域RCC21には、X方向に並ぶ8つのラッチ回路XDLが設けられる。
【0085】
また、本実施形態では、図12に示す様に、X方向に並ぶ複数のセンスアンプ回路SADLに対応して、複数の配線DBUSが設けられている。これら複数の配線DBUSは、図12に示す様に、それぞれY方向に延伸し、Y方向に並ぶ8つのセンスアンプ回路SADLと、Y方向に並ぶ8つのラッチ回路XDLとに、共通に接続されている。
【0086】
領域RCC3には、図12に示す様に、図3を参照して説明したセンスアンプ回路SADL、ラッチ回路XDL等を制御する回路YCOMが設けられている。
【0087】
また、チップCは、例えば図6に示す様に、半導体基板200と、半導体基板200の上方に設けられた電極層GCと、電極層GCの上方に設けられた配線層D0,D1,D2,D3,D4と、配線層D0,D1,D2,D3,D4の上方に設けられたチップ貼合電極層DBと、を備える。
【0088】
[チップCの半導体基板200の構造]
半導体基板200は、例えば、ホウ素(B)等のP型の不純物を含むP型のシリコン(Si)を含む。半導体基板200の表面には、例えば、リン(P)等のN型の不純物を含むN型ウェル領域200Nと、ホウ素(B)等のP型の不純物を含むP型ウェル領域200Pと、N型ウェル領域200N及びP型ウェル領域200Pが設けられていない半導体基板領域200Sと、絶縁領域200Iと、が設けられている。P型ウェル領域200Pの一部は半導体基板領域200Sに設けられており、P型ウェル領域200Pの一部はN型ウェル領域200Nに設けられている。N型ウェル領域200N、N型ウェル領域200N及び半導体基板領域200Sに設けられたP型ウェル領域200P、並びに、半導体基板領域200Sは、それぞれ、周辺回路PCを構成する複数のトランジスタTr、及び、複数のキャパシタ等の一部として機能する。
【0089】
[チップCの電極層GCの構造]
半導体基板200の上面には、絶縁層200Gを介して、電極層GCが設けられている。電極層GCは、半導体基板200の表面と対向する複数の電極gcを含む。また、半導体基板200の各領域及び電極層GCに含まれる複数の電極gcは、それぞれ、ビアコンタクト電極CSに接続されている。
【0090】
半導体基板200のN型ウェル領域200N、N型ウェル領域200N及び半導体基板領域200Sに設けられたP型ウェル領域200P、並びに、半導体基板領域200Sは、それぞれ、周辺回路PCを構成する複数のトランジスタTrのチャネル領域、及び、複数のキャパシタの一方の電極等として機能する。
【0091】
電極層GCに含まれる複数の電極gcは、それぞれ、周辺回路PCを構成する複数のトランジスタTrのゲート電極、及び、複数のキャパシタの他方の電極等として機能する。
【0092】
ビアコンタクト電極CSは、Z方向に延伸し、下端において半導体基板200又は電極gcの上面に接続されている。ビアコンタクト電極CSと半導体基板200との接続部分には、N型の不純物又はP型の不純物を含む不純物領域が設けられている。ビアコンタクト電極CSは、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。
【0093】
[チップCの配線層D0,D1,D2,D3,D4の構造]
例えば図6に示す様に、D0,D1,D2,D3,D4に含まれる複数の配線は、例えば、メモリセルアレイ層LMCA中の構成及びチップC中の構成の少なくとも一方に、電気的に接続される。
【0094】
配線層D0,D1,D2は、それぞれ、複数の配線d0,d1,d2を含む。これら複数の配線d0,d1,d2は、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。
【0095】
配線層D3,D4は、それぞれ、複数の配線d3,d4を含む。また、配線層D4は、複数の通過配線TWを含む。これら複数の配線d3,d4及び通過配線TWは、例えば、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、窒化タンタル(TaN)とタンタル(Ta)との積層膜等のバリア導電膜及び銅(Cu)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。
【0096】
[チップ貼合電極層DBの構造]
チップ貼合電極層DBに含まれる複数の配線は、例えば、メモリセルアレイ層LMCA中の構成及びチップC中の構成の少なくとも一方に、電気的に接続される。
【0097】
チップ貼合電極層DBは、複数の貼合電極PI2を含む。これら複数の貼合電極PI2は、例えば、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、窒化タンタル(TaN)とタンタル(Ta)との積層膜等のバリア導電膜pI2B及び銅(Cu)等の金属膜pI2Mの積層膜等を含んでいても良い。
【0098】
尚、貼合電極PI1と貼合電極PI2とに銅(Cu)等の金属膜pI1M,pI2Mを用いると、金属膜pI1Mと金属膜pI2Mとが一体化して、互いの境界の確認が困難となる。ただし、貼り合せの位置ずれによる貼合電極PI1と貼合電極PI2とを貼り合せた形状の歪み、バリア導電膜pI1B,pI2Bの位置ずれ(側面における不連続箇所の発生)により貼り合せ構造が確認できる。また、貼合電極PI1及び貼合電極PI2をダマシン法により形成する場合、それぞれの側面はテーパー形状を有する。このため、貼合電極PI1と貼合電極PI2とを貼り合せた部分におけるZ方向に沿った断面の形状は、側壁が直線状とはならず、非矩形形状となる。また、貼合電極PI1と貼合電極PI2とを貼り合せた場合、これらを形成する各Cuの底面、側面、及び上面をバリアメタルが覆う構造となる。これに対し、一般的なCuを用いた配線層では、Cuの上面にCuの酸化防止機能を有する絶縁層(SiNまたはSiCN等)が設けられ、バリアメタルは設けられていない。このため、貼り合せの位置ずれが発生していなくても、一般的な配線層との区別は可能である。
【0099】
[メモリセルアレイMCAの位置及びロウ制御回路領域RRCの面積]
図14は、チップC及びチップC図11のA-A´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た模式的な断面図である。
【0100】
図7を参照して説明した様に、メモリセルアレイMCAに設けられているワード線WL(導電層110)は、フックアップ領域RHU1においてビアコンタクト電極CCに接続される。図14に示す様に、ビアコンタクト電極CCは、配線層M0,M1の配線m0,m1を介して貼合電極PI1に接続される。貼合電極PI1は、貼合電極PI2に接続される。貼合電極PI2は、配線層D4~D0の配線d4~d0を介して、ロウ制御回路領域RRCに設けられているワード線スイッチWLSWに接続される。この場合、配線層D3~D0の配線d3~d0のいずれか一つ又は複数が、貼合電極PI2の位置からワード線スイッチWLSWの位置までX方向に延伸する。図14の例では、配線層D3の配線d3が、貼合電極PI2の位置からワード線スイッチWLSWの位置までX方向に延伸する。
【0101】
ここで、フックアップ領域RHU1のX方向の中心位置とロウ制御回路領域RRCのX方向の中心位置とが大きくずれている場合、X方向負側に延伸する配線層D3~D0の配線d3~d0の本数とX方向正側に延伸する配線層D3~D0の配線d3~d0の本数との差が大きくなる。例えば、ロウ制御回路領域RRCのX方向の中心位置がフックアップ領域RHU1のX方向の中心位置よりもX方向正側に大きくずれている場合、X方向負側に延伸する配線層D3~D0の配線d3~d0の本数がX方向正側に延伸する配線層D3~D0の配線d3~d0の本数よりも大幅に多くなる。この場合、X方向負側に延伸する配線層D3~D0の配線d3~d0が混雑するおそれがある。特に、ワード線WL(導電層110)の積層数が多くなる程、そのような懸念が生じる。
【0102】
また、ワード線WLには、比較的大きい電圧が供給される場合があるため、ワード線スイッチWLSWとしては、高耐圧のトランジスタが使用される。ここで、高耐圧のトランジスタは比較的大きくなってしまう場合がある。この関係から、図11を参照して説明したロウ制御回路領域RRCの面積は、比較的大きくなってしまう場合がある。
【0103】
そこで、本実施形態においては、フックアップ領域RHU1のX方向の中心位置とロウ制御回路領域RRCのX方向の中心位置とが同じ又は略同じであり、ロウ制御回路領域RRCのX方向の幅がフックアップ領域RHU1のX方向の幅よりも大きくなるように構成している。
【0104】
具体的には、メモリホール領域RMH11(メモリセルアレイMCA)が、フックアップ領域RHU1のX方向負側に設けられると共に、メモリホール領域RMH12(メモリセルアレイMCA)が、フックアップ領域RHU1のX方向正側に設けられている。そして、領域R1´において、ロウ制御回路領域RRCの一部が、Z方向から見てフックアップ領域RHU1と重なる領域に設けられ、ロウ制御回路領域RRCの他の一部が、Z方向から見てメモリホール領域RMH11の一部と重なる領域に設けられ、ロウ制御回路領域RRCの更に他の一部が、Z方向から見てメモリホール領域RMH12と重なる領域に設けられている。この場合、メモリホール領域RMH12のX方向の幅X1と、ロウ制御回路領域RRC及びメモリホール領域RMH11が重なる領域のX方向の幅X1とが同じになっている。これにより、フックアップ領域RHU1のX方向の中心位置とロウ制御回路領域RRCのX方向の中心位置とが同じ中心位置CL2となっている。尚、図14を参照して領域R1´(領域R1)の構成について説明したが、領域R2´(領域R2)の構成についても同様である。
【0105】
[配線層M1中の配線m1aの役割]
この様な構造を採用する場合、一部のビット線BLが、Z方向から見て、カラム制御回路領域RCCだけでなく、ロウ制御回路領域RRC(フックアップ領域RHU1を除く)、ブロックデコーダ領域RBD及び周辺回路領域RPCと重なる位置に設けられることとなる。
【0106】
そこで、本実施形態においては、配線層M1に、図14に示す様なX方向に延伸する配線m1aを設け、この配線m1aを介して、ビット線BLとカラム制御回路領域RCC中の構成とを電気的に接続している。この様な構成によれば、ロウ制御回路領域RRCの面積の増大に伴うメモリダイMDの回路面積の増大を抑制して、高集積化が可能な半導体記憶装置を提供することが可能となる。また、フックアップ領域RHU1のX方向の中心位置とロウ制御回路領域RRCのX方向の中心位置とが同じ中心位置CL2であるので、配線層D4~D0の配線d4~d0の混雑を緩和することができる。
【0107】
図14において、メモリホール領域RMH11の中心位置を“CL1”と呼ぶ場合がある。メモリホール領域RMH11において、中心位置CL1よりもX方向負側の領域を“RMH11(1)”と呼び、中心位置CL1よりもX方向正側の領域を“RMH11(2)”と呼ぶ場合がある。ロウ制御回路領域RRCの一部が、Z方向から見てメモリホール領域RMH11の一部(X1の幅の領域)と重なる領域に設けられ、かつ、ブロックデコーダ領域RBDがロウ制御回路領域RRCのX方向負側に設けられているので、メモリホール領域RMH11の中心位置CL1は、X方向負側のカラム制御回路領域RCC(1)とX方向正側のカラム制御回路領域RCC(2)との間の周辺回路領域RPCの中心位置とずれている。
【0108】
本実施形態では、メモリホール領域RMH11(1)の複数のビット線BLは、配線m1aを介して、カラム制御回路領域RCC(1)のカラム制御回路ColCのセンスアンプSA(センスアンプ回路SADL)に接続され、メモリホール領域RMH11(2)及びメモリホール領域RMH12の複数のビット線BLは、配線m1aを介して、カラム制御回路領域RCC(2)のカラム制御回路ColCのセンスアンプSA(センスアンプ回路SADL)に接続される。
【0109】
例えば図14に示す様に、メモリホール領域RMH11(1)のX方向負側の端部のビット線BLは、配線m1a(1)を介して、カラム制御回路領域RCCのセンスアンプSAに電気的に接続される。また、モリホール領域RMH11(1)のX方向正側の端部のビット線BLは、配線m1a(2)を介して、カラム制御回路領域RCCのセンスアンプSAに電気的に接続される。また、モリホール領域RMH11(2)のX方向負側の端部のビット線BLは、配線m1a(3)を介して、カラム制御回路領域RCCのセンスアンプSAに電気的に接続される。モリホール領域RMH12のビット線BLは、配線m1a(4)を介して、カラム制御回路領域RCCのセンスアンプSAに電気的に接続される。
【0110】
[配線層M1中の配線パターン]
以下、配線層M1中の配線パターンについて説明する。
【0111】
図15は、配線群Gm1及び配線群Gm2について説明するための模式的な平面図である。図16は、図11のBの部分を拡大して示す模式的な平面図である。図16では、図11のBの部分の領域に重ねて、配線層M1中の複数の配線群Gm1,Gm2及び複数のビアコンタクト電極CCについても図示している。図17は、配線層M1中の配線m1aについて説明するための模式的な底面図である。図18は、配線m1aについて説明するための模式的な底面図である。図19は、配線m1bについて説明するための模式的な底面図である。
【0112】
図20及び図21は、配線群Gm1の配線パターンについて説明するための模式的な平面図である。図20では、複数の配線群Gm1の配線パターンと、チップC中の構成と、を重ねて図示している。図22及び図23は、複数の配線群Gm2の配線パターンについて説明するための模式的な平面図である。図22では、複数の配線群Gm2の配線パターンと、チップC中の構成と、を重ねて図示している。図24は、異なる分割数の領域R(6div),R(8div)の境界部を示す模式的な平面図である。
【0113】
図15に示す様に、複数の配線群Gm1が、カラム制御回路領域RCCにおけるX方向正側の領域であって、Y方向に並ぶ複数の領域RCC110に設けられている。これら複数の配線群Gm1は、領域RCC110よりも小さいピッチでY方向に並んでおり、1つの領域RCC110に対応して、複数の(図示の例では6つの)配線群Gm1が設けられている。配線群Gm1は、複数の配線m1aを備える。
【0114】
また、図15に示す様に、複数の配線群Gm2が、カラム制御回路領域RCCにおけるX方向負側の領域であって、Y方向に並ぶ複数の領域RCC110に設けられている。これら複数の配線群Gm2は、領域RCC110よりも小さいピッチでY方向に並んでおり、1つの領域RCC110に対応して、複数の(図示の例では8つの)配線群Gm2が設けられている。配線群Gm2は、複数の配線m1aを備える。
【0115】
尚、一部の配線群Gm1,Gm2に含まれる複数の配線のうちの一部は、配線m1aではなく、後述する図19に例示する様な配線m1bでも良い。
【0116】
図16には、上述の通り、図11のBの部分に対応する領域を示している。この領域は、メモリホール領域RMH12、フックアップ領域RHU1、及びメモリホール領域RMH11(2)(ブロックデコーダ領域RBD、カラム制御回路領域RCCを含む。)を含む。また、この領域のY方向の長さは、センスアンプSA(図13)のY方向の長さdSAに対応する。また、図16では、この領域(図11のBの部分)と、配線層M1中の複数の配線群Gm1,Gm2と、を重ねて示している。
【0117】
図16の例において、センスアンプSAのY方向の長さdSAは、12個分のメモリブロックBLK(1)~BLK(12)のY方向の長さ(図10のBLK pitch)に対応する。即ち、センスアンプSAのY方向の長さdSAは、12×BLK pitchである。尚、センスアンプSAのY方向の長さdSAは、12個分のメモリブロックBLK(1)~BLK(12)のY方向の長さ(BLK pitch)と同じである場合に限らず、略同じでも良い。
【0118】
カラム制御回路領域RCCにおいて、6つのセンスアンプSA(6つのセンスアンプ領域RSA)がX方向に並ぶ領域を、領域“R(6div)”と呼ぶ。X方向に並ぶ複数の領域R(6div)が、カラム制御回路領域RCCのX方向正側に設けられている。領域R(6div)において、センスアンプSAのY方向の長さdSAは、仮想的に6つの分割単位divに分割される。分割単位divのY方向の長さを、“Y1 pitch”と呼ぶ場合がある。“Y1 pitch”は、2個分のメモリブロックBLKのY方向の長さに対応する。即ち、“Y1 pitch”は、2×BLK pitchである。
【0119】
また、カラム制御回路領域RCCにおいて、8つのセンスアンプSA(8つのセンスアンプ領域RSA)がX方向に並ぶ領域を、領域“R(8div)”と呼ぶ。X方向に並ぶ複数の領域R(8div)が、カラム制御回路領域RCCのX方向負側に設けられている。領域R(8div)において、センスアンプSAのY方向の長さdSAは、仮想的に8つの分割単位divに分割される。分割単位divのY方向の長さを、“Y2 pitch”と呼ぶ場合がある。尚、“Y2 pitch”は、メモリブロックBLKのY方向の長さに対応していない。
【0120】
この様に、カラム制御回路領域RCCは、X方向に並ぶ複数の領域R(6div)と、X方向に並ぶ複数の領域R(8div)とで構成されている。
【0121】
図16に示す様に、複数のビアコンタクト電極CCが、フックアップ領域RHU1における偶数番目のメモリブロックBLK(2),(4),(6),(8),(10),(12)に対応する領域(図10の小領域RHU(N2),(N4),(N6),(N8),(N10),(N12))に設けられている。このため、メモリホール領域RMH12のビット線BLとカラム制御回路領域RCC中のセンスアンプSAとを接続する配線層M1の配線m1a(配線群Gm1)は、フックアップ領域RHU1における偶数番目のメモリブロックBLK(2),(4),(6),(8),(10),(12)に対応する領域を通過することができず、フックアップ領域RHU1における奇数番目のメモリブロックBLK(1),(3),(5),(7),(9),(11)に対応する領域(図10の小領域RHU(N1),(N3),(N5),(N7),(N9),(N11))を通過する必要がある。
【0122】
配線層M1中の配線群Gm1は、メモリホール領域RMH12及びメモリホール領域RMH11(2)のX方向正側の領域における複数のビット線BLと、カラム制御回路領域RCCにおける複数の領域R(6div)中のセンスアンプSAと、を接続する複数の配線m1aの集まりである(後述する図20及び図21参照)。配線群Gm1は、6つの分割単位divに対応して6つ設けられている。従って、配線群Gm1に含まれる複数の配線m1aの一部(メモリホール領域RMH12における複数のビット線BLと複数の領域R(6div)中のセンスアンプSAとを接続する複数の配線m1a)は、フックアップ領域RHU1における奇数番目のメモリブロックBLK(1),(3),(5),(7),(9),(11)に対応する領域を通過することができる。
【0123】
尚、図16では、配線群Gm1を模式的に表現しており、配線群Gm1の詳細な構成は、図20及び図21に示している。
【0124】
また、配線層M1中の配線群Gm2は、メモリホール領域RMH11(2)のX方向負側の領域における複数のビット線BLと、カラム制御回路領域RCCにおける複数の領域R(8div)中のセンスアンプSAと、を接続する複数の配線m1aの集まりである(後述する図22及び図23参照)。配線群Gm2は、8つの分割単位divに対応する8つの配線群Gm2が設けられている。
【0125】
尚、図16では、配線群Gm2を模式的に表現しており、配線群Gm2の詳細な構成は、図22及び図23に示している。メモリホール領域RMH11(2)のX方向負側の領域においては、ビアコンタクト電極CC等の配線m1aの妨げになるものは存在しないので、制約なく複数の配線m1aを設けることができる。
【0126】
図17に示す様に、メモリホール領域RMH11(2)及びメモリホール領域RMH12には、配線層M1の複数の配線m1aが設けられている。配線m1aは、図6図7等を参照して説明した複数の配線m1の一部である。
【0127】
配線m1aは、図18に示す様に、Z方向から見てビット線BLと重なる位置に設けられた部分151と、Z方向から見て貼合電極PI1と重なる位置に設けられた部分152と、これらの部分151,152に接続された部分153と、を備える。
【0128】
部分151は、Y方向に延伸する。図6に示す様に、部分151の上面は、Y方向に並ぶ2つのビアコンタクト電極V1に接続されている。これら2つのビアコンタクト電極V1は、ビット線BLの下面に接続されている。また、図18に示す様に、これら2つのビアコンタクト電極V1のY方向における長さは、これら2つのビアコンタクト電極V1のX方向における長さよりも大きい。また、部分151のY方向における長さは、これら2つのビアコンタクト電極V1の総Y長よりも大きい。また、部分151のX方向における長さは、これら2つのビアコンタクト電極V1のX方向における長さよりも大きい。部分151は、これら2つのビアコンタクト電極V1の下面全体を覆っている。
【0129】
尚、図示の例では、1つの部分151に対応して2つのビアコンタクト電極V1が設けられているが、この様な構成はあくまでも例示である。例えば、1つの部分151に対応して1つのビアコンタクト電極V1が設けられていても良いし、1つの部分151に対応して3つ以上のビアコンタクト電極V1が設けられていても良い。
【0130】
ここで、ビット線BLは、メモリホール領域RMH11,RMH12全体にわたって、X方向に並ぶ(図14)。部分151も、これら複数のビット線BLに対応して、メモリホール領域RMH11,RMH12全体にわたって設けられる。図18に示す様に、X方向に並ぶビット線BLのピッチを、“BL pitch”と呼ぶ場合がある。
【0131】
部分152は、図18に示す様に、略矩形状に形成されている。図6に示す様に、部分152の下面は、貼合電極PI1に接続されている。図18に示す様に、部分152のY方向における長さは、貼合電極PI1のY方向における長さよりも大きい。また、部分152のX方向における長さは、貼合電極PI1のX方向における長さよりも大きい。部分152は、貼合電極PI1の上面全体を覆っている。
【0132】
貼合電極PI1は、図11を参照して説明したカラム制御回路領域RCC全体にわたって、X方向及びY方向に並ぶ。部分152も、これら複数の貼合電極PI1に対応して、カラム制御回路領域RCC全体にわたって設けられる。尚、X方向及びY方向に並ぶ部分151及び部分152の位置については後述する(図20図23)。
【0133】
部分153は、図18に示す様に、X方向に延伸する。また、部分153のX方向における一端部は、部分151のY方向における一端部(図示の例では、Y方向負側の端部)に接続されている。部分153のX方向における他端部は、部分152のY方向における一端部(図示の例では、Y方向正側の端部)に接続されている。尚、部分153のY方向における中央位置は、部分151のY方向における中央位置と、部分152のY方向における中央位置と、の間である。
【0134】
尚、配線群Gm1,Gm2に含まれる複数の配線のうちの一部は、配線m1aではなく、図19に例示する様な配線m1bでも良い。配線m1bは、基本的には、配線m1aと同様に構成されている。ただし、配線m1bは部分153を備えていない。配線m1bにおいては、部分151のY方向における一端部が、部分152に接続されている。
【0135】
例えば、カラム制御回路領域RCCのX方向における中央近傍の領域では、ビット線BLと、このビット線BLに電気的に接続される貼合電極PI1とが、Z方向から見て重なる場合がある。この様なビット線BLには、配線m1aではなく、配線m1bが接続される。
【0136】
次に、図20図23を参照して、配線m1aの部分151及び部分152の位置、部分151のX方向におけるピッチについて説明する。
【0137】
図20は、領域R(6div)における複数の配線群Gm1の配線パターンを示している。図20の例では、配線層M1の6つの配線群Gm1は、X方向負側に延伸する(部分152が、部分151よりも負側に設けられる。)。領域R(6div)におけるセンスアンプSAのY方向の長さdSAの範囲において、6つの配線群Gm1がY方向に並んでいる。図20の例において、6つの配線群Gm1は、それぞれ、4本の配線m1aを備える。6つの配線群Gm1は、所定のピッチでY方向に並ぶ。また、4本の配線m1aは、所定のピッチでY方向に並ぶ。
【0138】
配線群Gm1に含まれる4本の配線m1aのうち、Y方向負側から数えて1番目の配線m1aの部分152は、配線層M1中の、X方向正側から数えて1番目の領域R(6div)の中の、X方向正側から数えて1番目のセンスアンプSAと、Z方向から見て重なる領域に形成される。同様に、4本の配線m1aのうち、Y方向負側から数えて2番目~4番目の配線m1aの部分152は、配線層M1中の、X方向正側から数えて2番目~4番目の領域R(6div)の中の、X方向正側から数えて1番目のセンスアンプSAと、Z方向から見て重なる領域に形成される。
【0139】
これにより、配線群Gm1に含まれる4つの部分152は、それぞれ、4つの領域R(6div)に対応して設けられる。即ち、部分152は、X方向に並ぶ6個のセンスアンプSA毎(6個のセンスアンプ領域RSA毎)に設けられる。また、Z方向から見て領域R(6div)と重なる領域には配線群Gm1が6つ設けられているので、6つの部分152が、1個のセンスアンプSA(1個のセンスアンプ領域RSA)の上方に、所定のピッチでY方向に並ぶ。この様に、Z方向から見て1つの領域R(6div)と重なる領域には、6つの部分152が、所定のピッチでY方向に並ぶ様に設けられる。
【0140】
図12及び図13を参照して説明した例では、カラム制御回路領域RCCに、Y方向に並ぶ16個のセンスアンプSAが設けられる。また、図15を参照して説明した例では、Z方向から見て1個のセンスアンプSA(領域RCC110)と重なる領域に、6つの配線群Gm1が設けられる。従って、96つ(16×6つ)の部分152が、配線層M1中の、Y方向に並ぶ16個のセンスアンプSAと、Z方向から見て重なる領域に形成される。また、図16及び図17を参照して説明した例では、配線群Gm1が、4本の配線m1aを備える。従って、384本(96×4本)の配線m1aが、配線層M1中の、Y方向に並ぶ16個のセンスアンプSAと、Z方向から見て重なる領域に形成される。
【0141】
尚、図20の例では、配線群Gm1は4本の配線m1aを備えていたが、配線群Gm1は“h1”本(h1は2以上の整数)の配線m1aを備えても良い。この場合、X方向に並ぶ領域R(6div)の数は、“h1”となる。
【0142】
図21に示す様に、配線群Gm1に含まれる4本の配線m1aの部分151は、メモリホール領域RMH12に形成されると共に、メモリホール領域RMH11(2)のX方向正側の領域に形成される。
【0143】
図21の例では、配線群Gm1に含まれる4本の配線m1aのうち、Y方向負側から数えて1番目及び2番目の配線m1aの部分151が、メモリホール領域RMH12に形成される。各配線群Gm1において、Y方向負側から数えて1番目の配線m1aの部分151を部分151(1)と呼び、Y方向負側から数えて2番目の配線m1aの部分151を部分152(2)と呼ぶ。
【0144】
配線m1aの部分151(1),151(2)は、メモリホール領域RMH12に形成される複数のビット線BLに接続される。6つの配線群Gm1における配線m1aの部分151(1)のX方向におけるピッチは、それぞれ、16BL pitchである。また、6つの配線群Gm1における配線m1aの部分151(2)のX方向におけるピッチも、それぞれ、16BL pitchである。Y方向負側から数えて6番目の配線群Gm1における配線m1aの部分151(1)と、Y方向負側から数えて1番目の配線群Gm1における配線m1aの部分151(2)と、のピッチも、16BL pitchである。従って、Y方向負側から数えて1番目の配線群Gm1における配線m1aの部分151(1)と、Y方向負側から数えて1番目の配線群Gm1における配線m1aの部分151(2)と、のピッチは、6×16BL pitch(96BL pitch)である。
【0145】
また、図21の例では、配線群Gm1に含まれる4本の配線m1aのうち、Y方向負側から数えて3番目及び4番目の配線m1aの部分151が、メモリホール領域RMH11(2)のX方向正側の領域に形成される。各配線群Gm1において、Y方向負側から数えて3番目の配線m1aの部分151を部分151(3)と呼び、Y方向負側から数えて4番目の配線m1aの部分151を部分152(4)と呼ぶ。
【0146】
配線m1aの部分151(3),151(4)は、メモリホール領域RMH11(2)のX方向正側の領域に形成される複数のビット線BLに接続される。6つの配線群Gm1における配線m1aの部分151(3)のX方向におけるピッチは、それぞれ、16BL pitchである。また、6つの配線群Gm1における配線m1aの部分151(4)のX方向におけるピッチも、それぞれ、16BL pitchである。Y方向負側から数えて6番目の配線群Gm1における配線m1aの部分151(3)と、Y方向負側から数えて1番目の配線群Gm1における配線m1aの部分151(4)と、のピッチも、16BL pitchである。従って、Y方向負側から数えて1番目の配線群Gm1における配線m1aの部分151(3)と、Y方向負側から数えて1番目の配線群Gm1における配線m1aの部分151(4)と、のピッチは、6×16BL pitch(96BL pitch)である。
【0147】
尚、カラム制御回路領域RCCにおける領域R(6div)の数は、メモリホール領域RMH12に形成されたビット線BL、及びメモリホール領域RMH11(2)のX方向正側の領域に形成されたビット線BLに数に応じて決定される。1つの領域R(6div)には、96個のセンスアンプSA(センスアンプ回路SADL)が設けられている。1個のセンスアンプSAには1本のビット線BLが接続される。従って、96個のセンスアンプSAは96本のビット線BLに接続されることとなる。
【0148】
図22は、領域R(8div)における複数の配線群Gm2の配線パターンを示している。図22の例では、配線層M1の8つの配線群Gm2は、X方向正側に延伸する(部分152が、部分151よりも正側に設けられる。)。領域R(8div)におけるセンスアンプSAのY方向の長さdSAの範囲において、8つの配線群Gm2がY方向に並んでいる。図22の例において、8つの配線群Gm2は、それぞれ、3本の配線m1aを備える。8つの配線群Gm2は、所定のピッチでY方向に並ぶ。また、3本の配線m1aは、所定のピッチでY方向に並ぶ。
【0149】
配線群Gm2に含まれる3本の配線m1aのうち、Y方向負側から数えて1番目の配線m1aの部分152は、配線層M1中の、X方向負側から数えて1番目の領域R(8div)の中の、X方向負側から数えて1番目のセンスアンプSAと、Z方向から見て重なる領域に形成される。同様に、3本の配線m1aのうち、Y方向負側から数えて2番目~3番目の配線m1aの部分152は、配線層M1中の、X方向負側から数えて2番目~3番目の領域R(8div)の中の、X方向負側から数えて1番目のセンスアンプSAと、Z方向から見て重なる領域に形成される。
【0150】
これにより、配線群Gm2に含まれる3つの部分152は、それぞれ、3つの領域R(8div)に対応して設けられる。即ち、部分152は、X方向に並ぶ8個のセンスアンプSA毎(8個のセンスアンプ領域RSA毎)に設けられる。また、Z方向から見て領域R(8div)と重なる領域には配線群Gm2が8つ設けられているので、8つの部分152が、1個のセンスアンプSA(1個のセンスアンプ領域RSA)の上方に、所定のピッチでY方向に並ぶ。この様に、Z方向から見て1つの領域R(8div)と重なる領域には、8つの部分152が、所定のピッチでY方向に並ぶ様に設けられる。
【0151】
図12及び図13を参照して説明した例では、カラム制御回路領域RCCに、Y方向に並ぶ16個のセンスアンプSAが設けられる。また、図15を参照して説明した例では、Z方向から見て1個のセンスアンプSA(領域RCC110)と重なる領域に、8つの配線群Gm2が設けられる。従って、128つ(16×8つ)の部分152が、配線層M1中の、Y方向に並ぶ16個のセンスアンプSAと、Z方向から見て重なる領域に形成される。また、図16及び図17を参照して説明した例では、配線群Gm2が、3本の配線m1aを備える。従って、384本(128×3本)の配線m1aが、配線層M1中の、Y方向に並ぶ16個のセンスアンプSAと、Z方向から見て重なる領域に形成される。
【0152】
尚、図23の例では、配線群Gm2は3本の配線m1aを備えていたが、配線群Gm2は“h2”本(h2は2以上の整数)の配線m1aを備えても良い。この場合、X方向に並ぶ領域R(8div)の数は、“h2”となる。
【0153】
配線群Gm1に含まれる配線m1aの本数“h1”と、配線群Gm2に含まれる配線m1aの本数“h2”は、異なる数であっても良い。
【0154】
図23に示す様に、配線群Gm2に含まれる3本の配線m1aの部分151は、メモリホール領域RMH11(2)のX方向負側の領域に形成される。
【0155】
各配線群Gm2において、Y方向負側から数えて1番目の配線m1aの部分151を部分151(1)と呼び、Y方向負側から数えて2番目の配線m1aの部分151を部分152(2)と呼び、Y方向負側から数えて3番目の配線m1aの部分151を部分152(3)と呼ぶ。
【0156】
配線m1aの部分151(1),151(2),151(3)は、メモリホール領域RMH11(2)のX方向負側の領域に形成される複数のビット線BLに接続される。8つの配線群Gm2における配線m1aの部分151(1)のX方向におけるピッチは、それぞれ、16BL pitchである。また、8つの配線群Gm2における配線m1aの部分151(2)のX方向におけるピッチも、それぞれ、16BL pitchである。また、8つの配線群Gm2における配線m1aの部分151(3)のX方向におけるピッチも、それぞれ、16BL pitchである。
【0157】
Y方向負側から数えて8番目の配線群Gm2における配線m1aの部分151(1)と、Y方向負側から数えて1番目の配線群Gm2における配線m1aの部分151(2)と、のピッチは、16BL pitchである。従って、Y方向負側から数えて1番目の配線群Gm2における配線m1aの部分151(1)と、Y方向負側から数えて1番目の配線群Gm2における配線m1aの部分151(2)と、のピッチは、8×16BL pitch(128BL pitch)である。
【0158】
Y方向負側から数えて8番目の配線群Gm2における配線m1aの部分151(2)と、Y方向負側から数えて1番目の配線群Gm2における配線m1aの部分151(3)と、のピッチは、16BL pitchである。従って、Y方向負側から数えて1番目の配線群Gm2における配線m1aの部分151(2)と、Y方向負側から数えて1番目の配線群Gm2における配線m1aの部分151(3)と、のピッチは、8×16BL pitch(128BL pitch)である。
【0159】
尚、カラム制御回路領域RCCにおける領域R(8div)の数は、メモリホール領域RMH11(2)のX方向負側の領域に形成されたビット線BLに数に応じて決定される。1つの領域R(8div)には、128個のセンスアンプSA(センスアンプ回路SADL)が設けられている。1個のセンスアンプSAには1本のビット線BLが接続される。従って、128個のセンスアンプSAは128本のビット線BLに接続されることとなる。
【0160】
図24に示す様に、領域R(6div)と領域R(8div)の境界部においては、ビット線BLから貼合電極PI1までのX方向の距離が小さいので、距離の小さい部分153の配線m1a又は配線m1bが形成される。領域R(6div)においては、6つの配線m1a又は配線m1bが、1個のセンスアンプSAの上方の配線層M1に、所定のピッチでY方向に並ぶ。領域R(8div)においては、8つの配線m1a又は配線m1bが、1個のセンスアンプSAの上方の配線層M1に、所定のピッチでY方向に並ぶ。
【0161】
尚、領域R(6div)と領域R(8div)の境界部には、図20図23に示す配線群Gm1,Gm2が存在しない。このため、図24に示す配線m1a又は配線m1bのY方向のピッチを、図20図23に示す配線m1aのY方向のピッチよりも大きくすることが可能である。また、図24に示すように、領域R(6div)と領域R(8div)の境界部近傍において、部分151と、部分152のX方向における位置関係が切り替わる。領域R(6div)においては、部分151に対して、部分152はX方向負側に位置する配線m1a又は配線m1bが多く、領域R(8div)においては、部分151に対して、部分152はX方向正側に位置する配線m1a又は配線m1bが多い。
【0162】
[配線層D4中の配線d4]
次に、図25及び図26を参照して、配線d4の位置について説明する。
【0163】
図25は、領域R(6div)の上方における、配線層D4中の配線d4の配置例を示す模式的な平面図である。図26は、領域R(8div)の上方における、配線層D4中の配線d4の配置例を示す模式的な平面図である。尚、図25及び図26には、配線層D4の配線d4と、貼合電極PI2と、配線層D4以外の配線層等の配線W1,W2と、チップC中の構成と、を重ねて示している。貼合電極PI2、配線W1,W2、及び配線d3~d0は点線で示している。
【0164】
配線層D4の配線d4は、Z方向から見て、配線層M1の配線m1a(m1b)の部分152、貼合電極PI1、及び貼合電極PI2と重なる位置に設けられている。
【0165】
図25に示す様に、Z方向から見て領域R(6div)と重なる領域では、各センスアンプSAに対応して、6個の配線d4が、所定のピッチでY方向に並ぶ。また、これら6個の配線d4が、1個のセンスアンプSAの上方に、X方向に並ぶ6個のセンスアンプSA毎に配線層D4に形成される。尚、Y方向に並ぶ6個の配線d4の列を、配線の列“d4C1”と呼ぶ場合がある。
【0166】
同様に、図25に示す様に、Z方向から見て領域R(6div)と重なる領域では、各センスアンプSAに対応して、6個の貼合電極PI2が、所定のピッチでY方向に並ぶ。また、これら6個の貼合電極PI2が、1個のセンスアンプSAの上方に、X方向に並ぶ6個のセンスアンプSA毎にチップ貼合電極層DBに形成される。
【0167】
また、図26に示す様に、Z方向から見て領域R(8div)と重なる領域では、各センスアンプSAに対応して、8個の配線d4が、所定のピッチでY方向に並ぶ。また、これら8個の配線d4が、1個のセンスアンプSAの上方に、X方向に並ぶ8個のセンスアンプSA毎に配線層D4に形成される。尚、Y方向に並ぶ8個の配線d4の列を、配線の列“d4C2”と呼ぶ場合がある。
【0168】
同様に、図26に示す様に、Z方向から見て領域R(8div)と重なる領域では、各センスアンプSAに対応して、8個の貼合電極PI2が、所定のピッチでY方向に並ぶ。また、これら8個の貼合電極PI2が、1個のセンスアンプSAの上方に、X方向に並ぶ8個のセンスアンプSA毎にチップ貼合電極層DBに形成される。
【0169】
配線d4~d0は、それぞれ、ビアコンタクト電極を介して接続される。配線層D3~D0のいずれかには、配線W1,W2(図25図26)が形成されている。配線W1,W2は、X方向に延伸し、X方向の一端がZ方向から見て配線d4と重なる位置に設けられ、X方向の他端がZ方向から見てセンスアンプSAと重なる位置(図25図26の配線d3~d0の位置)に設けられている。配線W1,W2は、それぞれ、1又は複数のビアコンタクト電極を介して、対応するセンスアンプSA(センスアンプ回路SADL)に接続される。
【0170】
[配線層D4中の通過配線TW]
図27は、領域R(6div)における通過配線TWの構成を示す模式的な平面図である。図28は、領域R(8div)における通過配線TWの構成を示す模式的な平面図である。
【0171】
図27及び図28に示す様に、配線層D4において、Y方向に延伸する複数の通過配線TWが、X方向に隣り合う2つの配線d4の間に形成されている。図27の例では、5本の通過配線TWが形成されている。図28の例では、7本の通過配線TWが形成されている。尚、図27及び図28のトランジスタTrはセンスアンプ回路SADLを構成する複数のトランジスタの一部である。この様に、領域R(6div)よりも領域R(8div)の方が、2つの配線d4の間隔が大きいので、より多くの通過配線TWを配線層D4に形成することができる。
【0172】
尚、1個のセンスアンプSAが分割される分割単位として、分割単位divの数が(n1)であり、分割単位divの数が(n2)であるとする。この場合、カラム制御回路領域RCCにおいて、センスアンプSAがX方向に少なくとも(n1+n2)個並ぶ。ただし、n1は2以上の整数であり、n2は2以上の整数であって、n1と異なる整数である。(n1)本の配線m1aは、ビット線BL側からX方向負側に延伸し、Y方向に並び、X方向正側の(n1)個のセンスアンプSAに接続される。(n2)本の配線m1aは、ビット線BL側からX方向正側に延伸し、Y方向に並び、X方向負側の(n2)個のセンスアンプSAに接続される。
【0173】
(n1)個のセンスアンプSAが設けられている第1領域(R(n1div))のY方向の長さは、仮想的に(n1)個の第1分割単位(div)に分割され、(n2)個のセンスアンプSAが設けられている第2領域(R(n2div))のY方向の長さは、仮想的に(n2)個の第2分割単位(div)に分割される。配線m1aは、(n1)個の第1分割単位(div)にそれぞれ設けられ、また、配線m1aは、(n2)個の第2分割単位(div)にそれぞれ設けられている。
【0174】
例えば図29に示す様に、第1領域(仮想的に(n1)個の第1分割単位(div)に分割された領域R(n1div))がX方向に複数並んでいる場合、複数の配線m1aを備える配線群Gm1が、(n1)個の第1分割単位(div1(1)~div1(n1))にそれぞれ設けられる。また、例えば図29に示す様に、第2領域(仮想的に(n2)個の第2分割単位(div)に分割された領域R(n2div))がX方向に複数並んでいる場合、複数の配線m1aを備える配線群Gm2が、(n2)個の第2分割単位(div2(1)~div2(n2))にそれぞれ設けられる。尚、図29の例では、センスアンプSAのY方向の長さdSAは、(2×n1)個のメモリブロック(BLK(1)~BLK(2*n1))のY方向の長さに対応する。
【0175】
また、図10に例示した(2×n1)個の小領域(例えばRHU(N1)~RHU(N12))のY方向の長さ(BLK pitch×2×n1)は、センスアンプSAのY方向の長さ(図16のdSA)と同じ又は略同じであっても良く、異なっていても良い
【0176】
以上の説明では、メモリプレーンMPの領域R1(R1´)における配線m1aの配線パターンについて説明した。しかしながら、領域R1(R1´)及び領域R2(R2´)は、それらの境界を中心とした線対称となっているので、領域R2(R2´)における配線m1aの配線パターンについても、領域R1(R1´)における配線m1aの配線パターンの構成と同様である。
【0177】
[比較例]
図30は、比較例に係る配線層M1中の配線群Gmの配線パターンについて説明するための模式的な平面図である。尚、図30は、図16に対応する図である。
【0178】
図30に例示するカラム制御回路領域RCCにおいては、複数の領域R(8div)だけがX方向に並んでいる。即ち、カラム制御回路領域RCCの全体が領域R(8div)である。領域R(8div)は、仮想的に8つの分割単位divに分割されている。8つの配線群Gmが、8つの分割単位divに対応して設けられている。配線群Gmに含まれる複数の配線m1aの一部が、メモリホール領域RMH12のビット線BLと、カラム制御回路領域RCCの構成とを接続する。
【0179】
しかしながら、8つの分割単位divは、12個のメモリブロックBLKに対応して分割されていない。従って、8つの配線群Gmの一部は、フックアップ領域RHU1に設けられている複数のビアコンタクト電極CCに妨げられてしまう。また、配線m1aを折り曲げて迂回させることも考えられる。しかしながら、配線m1aは、非常に細い配線であるので、折り曲げることが困難である。
【0180】
これに対して、上述した第1実施形態では、図16を参照して説明した様に、カラム制御回路領域RCCのX方向正側の領域を、メモリブロックBLKのY方向の長さ(BLK pitch)に応じて、仮想的に6つの分割単位divに分割された領域R(6div)としている。また、6つの分割単位divに対応する6つの配線群Gm1が設けられている。従って、配線群Gm1に含まれる複数の配線m1aの一部は、複数のビアコンタクト電極CCが設けられていない領域(メモリブロックBLK(1),(3),(5),(7),(9),(11)に対応する領域)を通過することができる。その結果、配線群Gm1に含まれる複数の配線m1aの一部は、複数のビアコンタクト電極CCに妨げられることがない。また、複数の配線m1aを折り曲げる必要がなく、複数の配線m1aをX方向に延伸させることができる。従って、半導体記憶装置(配線層M1を含む各配線層)の製造プロセスの難易度が上昇してしまうことを防止することができる。
【0181】
また、領域R(6div),R(8div)において、複数の配線m1aの部分152は、1個のセンスアンプSAの上方に、Y方向に所定のピッチで並んでいるので、配線層D4における複数の配線d4も、1個のセンスアンプSAの上方に、Y方向に所定のピッチで並べられる。従って、配線層D4において、一又は複数の通過配線TWを、Y方向に並ぶ複数の配線d4の列(図25及び図26に示す列d4C1,d4C2)の間に形成することができる。
【0182】
また、カラム制御回路領域RCCのX方向負側の領域を、仮想的に8つの分割単位divに分割された領域R(8div)としている。従って、カラム制御回路領域RCCのX方向負側の領域においては、配線層D4において、Y方向に並ぶ複数の配線d4の列(図26に示す列d4C2)の間に、多くの通過配線TWを設けることができる(図28)。
【0183】
また、メモリホール領域RMH11の中心位置CL1は、X方向負側のカラム制御回路領域RCC(1)とX方向正側のカラム制御回路領域RCC(2)との間の周辺回路領域RPCの中心位置とずれている(図14)。この場合、配線群Gm2に含まれる複数の配線m1aの長さは、配線群Gm1に含まれる複数の配線m1aの長さよりも短くなる傾向がある。また、領域R(8div)のセンスアンプSAに接続されるビット線BLの数は、領域R(6div)のセンスアンプSAに接続されるビット線BLの数よりも少なくなる。即ち、配線m1aの長さが小さい程、ビット線BLの本数が減少し、配線m1aの本数も減少する。従って、配線m1aの長さが小さく、配線m1aの本数が少ない場合は、分割数(分割単位の数)を増やしたとしても、配線m1aが混雑することはない。図16の例では、領域R(6div)に接続されるビット線BLの数は、領域R(8div)に接続されるビット線BLの数よりも多い。
【0184】
[第2実施形態]
図31は、図16のDの部分に対応する配線層M1中の領域を拡大して示す模式的な底面図である。尚、図16では、1つのメモリブロックBLKに配線群Gm1が1つ設けられる場合を図示しているが、図31では、1つのBLKに配線群Gm1が2つ以上設けられる場合を図示している。
【0185】
第1実施形態においては、図14を参照して説明した様に、ビアコンタクト電極CCは、それぞれ、配線層M0,M1の複数の配線m0,m1を介して、貼合電極PI1に接続される。また、貼合電極PI1は、貼合電極PI2に接続され、貼合電極PI2は、配線層D4~D0の配線d4~d0を介して、ロウ制御回路領域RRCに設けられているワード線スイッチWLSWに接続される。この場合、配線層D3~D0の配線d3~d0のいずれか一つ又は複数が、貼合電極PI2の位置からワード線スイッチWLSWの位置までX方向に延伸する。
【0186】
一方、第2実施形態においては、図31に示す様に、メモリブロックBLK(図31の例ではメモリブロックBLK(6))に対応する領域に設けられている複数の配線m1(図31の例では6つの配線m1)は、それぞれ、配線層M0の複数の配線m0を介して、複数のビアコンタクト電極CCに接続される。ここで、複数の配線m1の一部は、配線m1cに接続される。配線m1cは、ビアコンタクト電極CCの位置から、Z方向から見てワード線スイッチWLSWと重なる位置まで、X方向に延伸し、配線m1に接続される。Z方向から見てワード線スイッチWLSWと重なる位置に設けられた配線m1は、それぞれ、複数の貼合電極PI1に接続される。複数の貼合電極PI1は、それぞれ、複数の貼合電極PI2に接続される。複数の貼合電極PI2は、それぞれ、配線層D4~D0の配線d4~d0を介して、ロウ制御回路領域RRCに設けられているワード線スイッチWLSWに接続される。
【0187】
この様に、配線層M1において、ビアコンタクト電極CC及びワード線スイッチWLSWを接続する配線m1が設けられる領域(図31の例では、メモリブロックBLK(6)に対応する小領域RHU(N6))と、ビット線BL及びセンスアンプ回路SADLを接続する配線m1aが設けられる領域(図31の例では、メモリブロックBLK(7)に対応する小領域RHU(N7))とを分けている。従って、複数の配線m1,m1cが、X方向に延伸する複数の配線m1aの妨げにならない。また、複数の配線m1cが、ビアコンタクト電極CCの位置から、Z方向から見てワード線スイッチWLSWと重なる位置まで、X方向に延伸する。従って、貼合電極PI2及びワード線スイッチWLSWを電気的に接続する配線層D3~D0の配線d3~d0の一部を、配線層M1の配線m1cに置き換えることができる。その結果、各配線層の配線を効率よく形成することができ、半導体記憶装置の高集積化を図ることができる。
【0188】
尚、図31の例では、配線群Gm1の間に配線が存在しないが、例えば、複数の配線m1aと略同一のピッチでダミー配線が存在してもよい。ダミー配線は、素子と電気的に接続しない。ダミー配線は、電気的に絶縁されており、フローティングである。
【0189】
[第3実施形態]
図32は、第3実施形態のカラム制御回路領域RCCの構成を示す模式的な平面図である。図33は、領域R(4div)における通過配線TWの構成を示す模式的な平面図である。
【0190】
図32に示す様に、カラム制御回路領域RCCにおいて、X方向正側の領域が領域R(6div)であり、X方向負側の領域が領域R(4div)であり、X方向正側の領域及びX方向負側の領域の間の領域が領域R(8div)である。領域R(4div)において、センスアンプSAのY方向の長さdSAは、仮想的に4つの分割単位divに分割される。分割単位divのY方向の長さを、“Y3 pitch”と呼ぶ場合がある。領域R(4div)において、4つの分割単位divに対応する4つの配線群Gm3が設けられている。配線群Gm3のY方向のピッチを“Y3 pitch”と呼ぶ場合がある。この様に、カラム制御回路領域RCCを、分割数の異なる3つの領域(R(6div)、R(8div)、R(4div))に分けている。
【0191】
図33に示す様に、配線層D4において、Y方向に延伸する複数の通過配線TWが2つの配線d4の間に形成されている。図33の例では、3本の通過配線TWが形成されている。
【0192】
この様な構成によれば、通過配線TWの少ない領域を、領域R(4div)とすることで、配線群Gm3のY方向のピッチ(Y3 pitch)を緩和することができる。尚、第3実施形態では、カラム制御回路領域RCCを、分割数の異なる3つの領域(R(6div)、R(8div)、R(4div))に分けていたが、分割数の異なる4つ以上の領域に分けても良い。
【0193】
[第4実施形態]
図34は、第4実施形態の配線群Gm2の配線パターンについて説明するための模式的な平面図である。図35は、第4実施形態における、異なる分割数の領域R(6div),R(8div)の境界部を示す模式的な平面図である。図36は、第4実施形態における、配線層D4中の配線d4の配置例を示す模式的な平面図である。尚、図34図36は、図22図24、及び図26に対応する図である。
【0194】
図34の例では、配線群Gm2に含まれる3本の配線m1aのうち、Y方向負側から数えて1番目の配線m1aの部分152は、配線層M1中の、X方向負側から数えて1番目の領域R(8div)の中の、X方向負側から数えて8番目のセンスアンプSA(X方向正側から数えて1番目のセンスアンプSA)と、Z方向から見て重なる領域に形成される。同様に、3本の配線m1aのうち、Y方向負側から数えて2番目~3番目の配線m1aの部分152は、配線層M1中の、X方向負側から数えて2番目~3番目の領域R(8div)の中の、X方向負側から数えて8番目のセンスアンプSAと、Z方向から見て重なる領域に形成される。
【0195】
これにより、8つの部分152が、X方向負側から数えて8番目のセンスアンプSA(センスアンプ領域RSA)の上方に、所定のピッチでY方向に並ぶ。
【0196】
また、図35の例では、領域R(6div)においては、6つの配線m1a又は配線m1bが、X方向正側から数えて1番目のセンスアンプSAの上方の配線層M1に、所定のピッチでY方向に並ぶ。領域R(8div)においては、8つの配線m1a又は配線m1bが、X方向負側から数えて8番目のセンスアンプSA(X方向正側から数えて1番目のセンスアンプSA)の上方の配線層M1に、所定のピッチでY方向に並ぶ。
【0197】
また、図36の例では、8個の配線d4が、X方向負側から数えて8番目のセンスアンプSA(X方向正側から数えて1番目のセンスアンプSA)の上方の配線層D4に、所定のピッチでY方向に並ぶ。尚、Y方向に並ぶ8個の配線d4の列を、配線の列“d4C2”と呼ぶ場合がある。
【0198】
配線d4~d0は、それぞれ、ビアコンタクト電極を介して接続される。配線層D3~D0のいずれかには、配線W2(図36)が形成されている。配線W2は、X方向に延伸し、X方向の一端がZ方向から見て配線d4と重なる位置に設けられ、X方向の他端がZ方向から見てセンスアンプSAと重なる位置(図36の配線d3~d0の位置)に設けられている。配線W2は、それぞれ、1又は複数のビアコンタクト電極を介して、対応するセンスアンプSA(センスアンプ回路SADL)に接続される。
【0199】
第1実施形態では、図24に示す様に、領域R(6div),R(8div)の境界部において、配線層M1中のY方向に並ぶ6個の部分152の列と8個の部分152の列との間隔が大きく空き、周期性が崩れてしまう。これに対して、第4実施形態では、図35に示す様に、領域R(6div),R(8div)の境界部において、配線層M1中のY方向に並ぶ6個の部分152の列と8個の部分152の列との間隔は略一定である。従って、複数の部分152の列を極力均等にX方向に配置することができる。
【0200】
尚、第4実施形態では、図34図36に示す様に、領域R(6div)及び領域R(8div)のいずれも、X方向正側から数えて1番目のセンスアンプSAの上方に、複数の部分152の列(複数の貼合電極PI1,PI2の列、複数の配線d4の列)が配置されている。
【0201】
[その他の実施形態]
以上、第1実施形態~第3実施形態に係る半導体記憶装置について説明した。しかしながら、以上において説明した構成はあくまでも例示に過ぎず、具体的な構成は適宜調整可能である。
【0202】
例えば、図5に例示するチップCは、X方向に並ぶ2つのメモリプレーンMPを備えた構成であったが、1つのメモリプレーンやX方向に並ぶ3つ以上のメモリプレーンを備えた構成でも良い。また、X方向及びY方向に2×2や4×4のメモリプレーンを備えた構成でも良い。
【0203】
また、図12に例示するカラム制御回路領域RCCは、Y方向に並ぶ16個の領域RCC110を有し、図21及び図23に例示する配線m1aの部分151のX方向におけるピッチは、16BL pitchであったが、これは一例である。例えば、カラム制御回路領域RCCは、Y方向に並ぶ12個の領域RCC110を有し、配線m1aの部分151のX方向におけるピッチは、12BL pitchであってもよい。例えば、カラム制御回路領域RCCは、Y方向に並ぶ8個の領域RCC110を有し、配線m1aの部分151のX方向におけるピッチは、8BL pitchであってもよい。カラム制御回路領域RCCが含むY方向に並ぶ領域RCC110の数、及び配線m1aの部分151のX方向におけるピッチは、任意である。
【0204】
また、図16を参照して説明した様に、メモリホール領域RMH12の複数のビット線BLと複数の領域R(6div)中のセンスアンプSAとを接続する複数の配線m1aは、フックアップ領域RHU1における奇数番目のメモリブロックBLK(1),(3),(5),(7),(9),(11)に対応する領域を通過する必要がある。ただし、メモリホール領域RMH11(2)のX方向正側の領域における複数のビット線BLと複数の領域R(6div)中のセンスアンプSAとを接続する複数の配線m1aは、奇数番目又は偶数番目のメモリブロックBLK(1)~(12)に対応する領域を通過しても良い。
【0205】
例えば、図37に示す様に、配線群Gm1に含まれる4本の配線m1aを、Y方向負側から順に、配線m1a(a),m1a(b),m1a(c),m1a(d)とする。ここで、配線m1a(a),m1a(b)は、メモリホール領域RMH12の複数のビット線BLと複数の領域R(6div)中のセンスアンプSAとを接続する配線m1aである。また、配線m1a(c),m1a(d)は、メモリホール領域RMH11(2)のX方向正側の領域における複数のビット線BLと複数の領域R(6div)中のセンスアンプSAとを接続する配線m1aである。図37の例では、配線m1a(a),m1a(b),m1a(c)は、奇数番目のメモリブロックBLK(1),(3),(5),(7),(9),(11)に対応する領域を通過する。一方、配線m1a(d)は、偶数番目のメモリブロックBLK(2),(4),(6),(8),(10),(12)に対応する領域を通過する。
【0206】
また、図16を参照して説明した例では、カラム制御回路領域RCCは、複数の領域R(6div)と複数の領域R(8div)を備えていた。しかしながら、カラム制御回路領域RCCは、例えば、複数の領域R(8div)と複数の領域R(4div)を備えていても良く、複数の領域R(10div)と複数の領域R(8div)を備えていても良い。これらの分割数も一例であって、適宜調整することが可能である。
【0207】
また、図16を参照して説明した例では、1つのセンスアンプSA(図13のセンスアンプ領域RSA)を通過する複数の配線群Gm1,Gm2に含まれる配線m1aの本数は、いずれも24本であった。即ち、6個の配線群Gm1に含まれる配線m1aの本数は6×4本であり、8個の配線群Gm2に含まれる配線m1aの本数は8×3本であった。しかしながら、1つのセンスアンプSAを通過する配線m1aの本数は、配線群Gm1と配線群Gm2とで異なる本数であっても良い。例えば、(n1)個の配線群Gm1に含まれる配線m1aの本数は(n1)×(h1)本であり、(n2)個の配線群Gm2に含まれる配線m1aの本数は(n2)×(h2)本であっても良い。n1は2以上の整数であり、n2はn1と異なる、2以上の整数である。また、h1,h2は2以上の整数である。
【0208】
また、図20及び図22に例示する複数の配線m1aの部分152は、1個のセンスアンプSAの上方の配線層M1に、Y方向に1列に並んでいた。しかしながら、通過配線TWがない領域においては、複数の配線m1aの部分152は、Y方向に1列に並んでいる必要はない。
【0209】
また、図16に例示するカラム制御回路領域RCCでは、メモリホール領域RMH12に近いX方向正側の領域を、6つの分割単位divに分割された領域R(6div)としていた。しかしながら、センスアンプSAのY方向の長さdSAの分割数(分割単位の数)は、センスアンプSAのY方向の長さdSA、及びメモリブロックBLKのY方向の長さ(BLK pitch)に応じて、適宜調整可能である。
【0210】
また、図13に示す様に、センスアンプSAは、Y方向に並ぶ2段のスイッチトランジスタBLS,BLBIASと、センスアンプ回路SADLとで構成され、センスアンプSAの領域をセンスアンプ領域RSAとしていた。しかしながら、センスアンプ回路SADLをセンスアンプSAとし、センスアンプ回路SADLの領域をセンスアンプ領域RSAとしても良い。
【0211】
また、図11に示す様に、周辺回路領域RPCには、X方向及びY方向に並ぶ4つのカラム制御回路領域RCCが設けられていた。しかしながら、周辺回路領域RPCには、周辺回路領域RPCに設けられるカラム制御回路領域RCCの数は4つに限定されない。例えば、X方向に2つ並び、Y方向に3つ並ぶ6つのカラム制御回路領域RCC、X方向に3つ並び、Y方向に2つ並ぶ6つのカラム制御回路領域RCC、1つのカラム制御回路領域RCC、など、周辺回路領域RPCに設けられるカラム制御回路領域RCCの数は任意の数であっても良い。
【0212】
尚、領域R(6div)を“第1領域”と呼び、領域R(8div)を“第2領域”と呼び、領域R(4div)を“第3領域”と呼ぶ場合がある。
【0213】
[その他]
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0214】
110…導電層、120…半導体層、130…ゲート絶縁膜、151,152,153…部分、200…半導体基板、C,C…チップ、Tr…トランジスタ、BL…ビット線、WL…ワード線、MC…メモリセル、M0,M1,D0,D1,D2,D3,D4…配線層、MB,DB…チップ貼合電極層、Gm1,Gm2,Gm3…配線群、m1,m1a,m1b…配線、PI1,PI2…貼合電極、R(6div),R(8div),R(4div)…領域(第1領域、第2領域、第3領域)。
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