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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004494
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】可搬型ガス分析装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/02 20060101AFI20240110BHJP
   H05K 5/03 20060101ALI20240110BHJP
   G01N 21/61 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
H05K5/02 L
H05K5/03 A
G01N21/61
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020164507
(22)【出願日】2020-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000155023
【氏名又は名称】株式会社堀場製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100129702
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 喜永
(72)【発明者】
【氏名】青塚 冬樹
(72)【発明者】
【氏名】香川 明文
(72)【発明者】
【氏名】橘 孝平
【テーマコード(参考)】
2G059
4E360
【Fターム(参考)】
2G059AA01
2G059BB01
2G059CC04
2G059CC06
2G059EE01
2G059FF10
2G059HH01
2G059NN02
2G059PP04
4E360AB04
4E360AB05
4E360AB08
4E360AD01
4E360BA04
4E360BB02
4E360BB12
4E360BB22
4E360GA22
4E360GA24
4E360GA29
4E360GA52
4E360GB99
(57)【要約】
【課題】放熱性を損なうことなく、背面部に設けられたコネクタの防塵又は防滴を可能にする。
【解決手段】持ち運び可能な可搬型ガス分析装置100であって、ガスを分析するための分析用機器2と、分析用機器2を収容し、前面部3Fに分析用機器2を操作するための操作部4が設けられ、背面部3Rに分析用機器2の配管、配線又は電源のコネクタ5、6、8が設けられたケーシング3と、ケーシング3の背面部3Rに対向するとともに背面部3Rとの間で隙間Sを形成し、コネクタ5、6、8を覆う防塵又は防滴用のリアカバー10とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
持ち運び可能な可搬型ガス分析装置であって、
ガスを分析するための分析用機器と、
前記分析用機器を収容し、前面部に前記分析用機器を操作するための操作部が設けられ、背面部に前記分析用機器の配管、配線又は電源のコネクタが設けられたケーシングと、
前記ケーシングの背面部に対向するとともに前記背面部との間で隙間を形成し、前記コネクタを覆う防塵又は防滴用のリアカバーとを備える、可搬型ガス分析装置。
【請求項2】
前記リアカバーに対して前記ケーシング側には、前記背面部と前記リアカバーとの間に浸入する水滴を受ける樋部が設けられている、請求項1に記載の可搬型ガス分析装置。
【請求項3】
前記樋部は、前記背面部の上部において左右に延びる横樋部と、当該横樋部に連続し、前記背面部の左右の少なくとも一方において上下に延びる縦樋部とを有する、請求項2に記載の可搬型ガス分析装置。
【請求項4】
前記リアカバーは、前記樋部を流れた水を受け、前記樋部の下端部よりも下側に水を排水させる排出部を有する、請求項2又は3に記載の可搬型ガス分析装置。
【請求項5】
前記リアカバーにおける前記ケーシングとは反対側の外面には、前記背面部の左右に延びる1又は複数の凸条が形成されており、
前記凸条の上向き面は、下り勾配を有する傾斜面である、請求項1乃至4の何れか一項に記載の可搬型ガス分析装置。
【請求項6】
前記ケーシングの左右側面部の少なくとも一方には、通気スリットが形成されており、
前記通気スリットを覆う防塵又は防滴用のサイドカバーをさらに有し、
前記サイドカバーは、前記通気スリットの上部と左右側部を隙間無く覆うとともに、前記通気スリットよりも下側に開口を形成する、請求項1乃至5の何れか一項に記載の可搬型ガス分析装置。
【請求項7】
前記操作部は、タッチパネル式ディスプレイであり、
前記ケーシングは、前記タッチパネル式ディスプレイの周囲を囲う枠部材を有し、
前記枠部材の裏面には、前記タッチパネル式ディスプレイが露出する開口部を塞ぐように保護フィルムが設けられている、請求項1乃至6の何れか一項に記載の可搬型ガス分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、持ち運び可能な可搬型ガス分析装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1又は特許文献2に示すような可搬型ガス分析装置では、内部に分析用機器が収容されたケーシングにおいて、前面部に分析用機器を操作するための操作部が設けられ、背面部に分析用機器の配管、配線又は電源のコネクタが設けられたものがある。
【0003】
この可搬型ガス分析装置を屋外などで使用する場合には、ホコリや水滴などから保護するための防塵・防滴構造を付加することが考えられている。例えば、可搬型ガス分析装置において防滴・防塵を要する箇所(例えば電源のコネクタや配管、配線のコネクタ等)をカバーで覆ったり、可搬型ガス分析装置をボックス内に収容することが行われている。
【0004】
ここで、可搬型ガス分析装置は、その携行性の観点から、できるだけ多くの分析用機器を小さなケーシング内に収容することが多く、ケーシング内部の熱を如何に効率良く外部に排出するかが性能維持のために重要となる。
【0005】
しかしながら、可搬型ガス分析装置をカバーで覆ったり、ボックス内に収容したりすると、ケーシング内部からの排熱が妨げられてしまい、ケーシング内部の温度を性能維持ができる範囲に安定させることが難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005-3470号公報
【特許文献2】特開2012-189549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上述したような問題に鑑みてなされたものであり、放熱性を損なうことなく、背面部に設けられたコネクタの防塵又は防滴を可能にすることをその主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明に係る可搬型ガス分析装置は、持ち運び可能な可搬型ガス分析装置であって、ガスを分析するための分析用機器と、前記分析用機器を収容し、前面部に前記分析用機器を操作するための操作部が設けられ、背面部に前記分析用機器の配管、配線又は電源のコネクタが設けられたケーシングと、前記ケーシングの背面部に対向するとともに前記背面部との間で隙間を形成し、前記コネクタを覆う防塵又は防滴用のリアカバーとを備えることを特徴とする。
【0009】
このような可搬型ガス分析装置であれば、ケーシングの背面部に対向してコネクタを覆うように防塵又は防滴用のリアカバーを設けているので、コネクタに対して防塵又は防滴を可能にすることができる。ここで、防塵又は防滴用のリアカバーが、背面部との間で隙間を形成しているので、当該隙間を介して熱のやり取りが行われるので、背面部における放熱性を損なうこともない。
【0010】
防塵又は防滴用のリアカバーと背面部との間に隙間を形成していることから、その隙間から水滴が浸入する恐れがある。このため、前記リアカバーに対して前記ケーシング側には、前記背面部と前記リアカバーとの間に浸入する水滴を受ける樋部が設けられていることが望ましい。
【0011】
前記樋部の具体的な実施の態様としては、前記樋部は、前記背面部の上部において左右に延びる横樋部と、当該横樋部に連続し、前記背面部の左右の少なくとも一方において上下に延びる縦樋部とを有することが望ましい。この構成であれば、リアカバーと背面部との間の隙間において、雨などの水滴が入りやすい背面部上部に横樋部を設けているので、水滴の浸入を好適に防ぐことができる。また、横樋部に連続して縦樋部を設けているので、横樋部から流れる水で背面部が濡れることを防ぎつつケーシングの下部に流すことができる。
【0012】
樋部から流れる水によって背面部などのケーシングが濡れることをより一層防ぐためには、前記リアカバーは、前記樋部を流れた水を受け、前記樋部の下端部よりも下側に水を排水させる排出部を有することが望ましい。この排出部により樋部からの水がケーシングの下側に案内されるので、地面等で跳ね返る水の高さを低くすることができ、ケーシングが濡れにくくなる。
【0013】
前記リアカバーにおける前記ケーシングとは反対側の外面には、前記背面部の左右に延びる1又は複数の凸条が形成されており、前記凸条の上向き面は、下り勾配を有する傾斜面であることが望ましい。この構成であれば、リアカバーの外面に付着した水が流れ落ちやすくなるとともに、外観を良くすることができる。また、リアカバーの機械的強度を増すこともできる。
【0014】
可搬型ガス分析装置には、前記ケーシングの左右側面部の少なくとも一方に、通気スリットが形成されているものがある。この構成の場合には、前記通気スリットを覆う防塵又は防滴用のサイドカバーをさらに有し、前記サイドカバーは、前記通気スリットの上部を隙間無く覆うとともに、前記通気スリットよりも下側に開口を形成することが望ましい。この構成であれば、排熱に関わる通気スリットをサイドカバーにより防塵・防滴を担保する最小限の部分で覆うことで、効率的な排熱と防塵又は防滴を両立させることができる。
【0015】
前記操作部は、タッチパネル式ディスプレイであることが考えられる。この構成の場合には、前記ケーシングは、前記タッチパネル式ディスプレイの周囲を囲う枠部材を有し、前記枠部材の裏面には、前記タッチパネル式ディスプレイが露出する開口部を塞ぐように保護フィルムが設けられていることが望ましい。
【発明の効果】
【0016】
以上に述べた本発明によれば、放熱性を損なうことなく、背面部に設けられたコネクタの防塵又は防滴を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る可搬型ガス分析装置の全体模式図である。
図2】同実施形態の可搬型ガス分析装置を模式的に示す背面図である。
図3】同実施形態のリアカバーを模式的に示す断面図である。
図4】同実施形態のリアカバーを除いた可搬型ガス分析装置を模式的に示す背面図である。
図5】同実施形態のリアカバーの排出部を模式的に示す断面図である。
図6】同実施形態のケーシングの側面部を模式的に示す図である。
図7】同実施形態の操作部周りのケーシングを模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の一実施形態に係る可搬型ガス分析装置について、図面を参照して説明する。
【0019】
本実施形態の可搬型ガス分析装置100は、例えば片手で持ち運び可能なものであり、その質量は、例えば30kg以下である。また、この可搬型ガス分析装置100は、例えば大気、又は、エンジン排ガスや煙道排ガスなどの排ガスに含まれる所定成分の濃度を分析するものである。
【0020】
<1.装置構成>
具体的に可搬型ガス分析装置100は、図1に示すように、ガスを分析するための分析用機器2と、当該分析用機器2を収容するケーシング3とを備えている。
【0021】
分析用機器2は、例えばガス中のNO、SO、CO、CO、Oそれぞれの濃度を同時測定可能なものである。具体的に分析用機器2には、NO濃度を測定するための化学発光法(CLD)を用いた分析用機器2aと、SO濃度、CO濃度又はCO濃度を測定するための非分散形赤外線吸収法(NDIR)を用いた分析用機器2bと、O濃度を測定するための磁気力方式、ジルコニア方式、又は電極方式の分析用機器2cがある。なお、分析用機器2の測定対象成分は上記に限られず、何れか1つの成分の濃度を測定するものであっても良いし、その他の原理を使うものであっても良いし、その他の成分の濃度を測定するものであっても良い。
【0022】
ケーシング3は、上記の分析用機器2を収容する例えば概略直方体形状をなすものである。このケーシング3の前面部3Fには、分析用機器2を操作するための操作部4が設けられており、背面部3Rには分析用機器2の配管、配線又は電源のコネクタ5、6、等が設けられている。なお、配管のコネクタ5には、例えばサンプルガス入口用のコネクタ、校正ガス入口用のコネクタ、その他のガス入口用のコネクタ、排気ガス出口用のコネクタ、ドレン水出口用のコネクタがある。また、ケーシング3の上面部3Tには、持ち運びを容易にするための取っ手3Hが設けられている。
【0023】
本実施形態の操作部4は、タッチパネル式ディスプレイであり、当該ディスプレイ上には、測定ボタン、校正ボタンなどの操作ボタンが表示されるとともに、各測定成分の濃度が表示される。また、操作部4は、ケーシング3の前面部3Fにおいて斜め上方を向いて設けられており、ユーザが操作部4を操作しやすくするとともに、表示内容を視認しやすくしている。なお、操作部4からの入力信号が、図示しない制御部に送られ、当該制御部が分析用機器2を制御することにより、ガス中の測定対象成分の濃度が制御されたり、分析用機器2の校正が実行されたりする。
【0024】
ケーシング3の背面部3Rに設けられた配管のコネクタ5には、各成分の濃度測定に必要な酸化剤、除湿剤、吸着剤などの分析用機器2dが接続される。また、電源のコネクタ6には、外部電源からの電源ケーブル(不図示)が接続される。その他、背面部3Rには、例えば電子クーラ放熱用の冷却ファン7が設けられており、その他、信号伝送用(配線用)のコネクタ8、及び、可搬型ガス分析装置100の電源スイッチ9も設けられている。
【0025】
しかして、本実施形態の可搬型ガス分析装置100は、図1図3に示すように、ケーシング3の背面部3Rに設けられた防塵又は防滴用のリアカバー10を有している。
【0026】
リアカバー10は、コネクタ5、6、8、排気ファン7及び電源スイッチ9を覆うことによりそれらを防塵又は防滴するものである。その他、リアカバー10は、ケーシング背面におけるケーシング部品嵌合部(例えば板金と板金とが重なっている部分)を防塵又は防滴するものでもある。そして、リアカバー10は、ケーシング3の背面部3Rに対向するとともに背面部3Rとの間で隙間Sを形成している。本実施形態のリアカバー10は、背面部3Rの略全体を覆うことにより、コネクタ5、6、8、排気ファン7及び電源スイッチ9を一括して覆うものである(図2参照)。なお、リアカバー10の下辺部には、電源ケーブル等を外部に取り出すための切り欠き部10kが形成されている。
【0027】
このリアカバー10は、図3に示すように、カバーフレーム11によってケーシング3の背面部3Rに取り付けられている。また、リアカバー10は、カバーフレーム11に対して例えばヒンジにより回転可能に取り付けられており、リアカバー10が背面部3Rに対向して覆ったカバー位置Pと、リアカバー10が背面部3Rを開放した開放位置Qとの間で移動可能に構成されている。
【0028】
さらに、リアカバー10に対してケーシング3側(リアカバー10の内側)には、背面部3Rとリアカバー10との間に浸入する水滴を受ける樋部12が設けられている。この樋部12は、カバーフレーム11を用いて形成されている。
【0029】
具体的に樋部12は、図3及び図4に示すように、背面部3Rとリアカバー10との上部の隙間から浸入する水滴を主として受けるものであり、背面部3Rの上辺部において左右に延びる横樋部121と、当該横樋部121に連続し、背面部3Rの左右側辺部において上下に延びる縦樋部122とを有している。この樋部12は、例えば断面コの字状をなすものである。
【0030】
さらに、リアカバー10におけるケーシング3とは反対側の外面には、背面部3Rの左右に延びる1又は複数の凸条101が形成されている。この凸条101の上向き面は、下り勾配を有する傾斜面101xであり、本実施形態では、凸条101の縦断面形状は、概略三角形状をなしている。
【0031】
さらに、リアカバー10は、図5に示すように、樋部12を流れた水を受け、樋部12の下端部よりも下側に水を排水させる排出部102を有する。具体的に排出部102は、樋部12の下端部(具体的には縦樋部122の下端部)の下側に位置した傾斜面102xであり、樋部12からの水は、傾斜面102xに沿ってリアカバー10の下端部に流れて、可搬型ガス分析装置100の設置面に流れ落ちる。
【0032】
また、本実施形態では、図6に示すように、ケーシング3の左右側面部の少なくとも一方(本実施形態では両方)には、通気スリット31が形成されており、本実施形態の可搬型ガス分析装置100は、通気スリット31を覆う防塵又は防滴用のサイドカバー13をさらに有している。
【0033】
このサイドカバー13は、通気スリット31の上部と左右側部を隙間無く覆うとともに、通気スリット31よりも下側に開口13hを形成するものである。なお、本実施形態では、サイドカバー13の更に外側には、ケーシング3に耐衝撃性を付与するための保護カバー(不図示)が設けられている。この耐衝撃性の保護カバーは、ケーシング3の左右側面部に対して、前後及び上下において開口している。その他、ケーシング3において、水の浸入が想定される部分には、シール部材を設けたり、ケーシング3の内部をコーキングすることにより、防塵又は防滴をしている。また、一部のシール部材には、ゴムなどのパッキンではなく、硬質プラスチックを使用している。メンテナンスでケーシング3を分解し、再度組み立てる際に、ゴムなどパッキンでは適正な位置でないと防水性が保てない可能性があるが、硬質プラスチックを用いることによりその心配なく防水性を保つことができる。
【0034】
その上、ケーシング3は、図7に示すように、タッチパネル式ディスプレイ4の周囲を囲う枠部材301と、ケーシング本体302とを有している。そして、枠部材301の裏面には、タッチパネル式ディスプレイ4が露出する開口部を塞ぐように樹脂製の保護フィルム14が設けられている。この保護フィルム14は、タッチパネル式ディスプレイ4を固定した状態で、タッチパネル式ディスプレイ4の表面に密着する。そして、枠部材301は、ケーシング本体302の内部に設けられた構造材に固定されることによりケーシング本体302に組み立てられる。ここで、枠部材301においてケーシング本体302の外面に対向する内面には、例えばウレタンなどの樹脂製のシール部材15が設けられている。この構成であれば、枠部材301及びシール部材15は、ケーシング本体302の外側から着脱できるので、シール部材15の性能を保ちつつ、メンテナンス性を向上させることができる。
【0035】
<2.本実施形態の効果>
このように構成した本実施形態の可搬型ガス分析装置100によれば、ケーシング3の背面部3Rに対向してコネクタ5、6、8、冷却ファン7及び電源スイッチ9を覆うように防塵又は防滴用のリアカバー10を設けているので、コネクタ5、6、8、冷却ファン7及び電源スイッチ9に対して防塵又は防滴を可能にすることができる。ここで、防塵又は防滴用のリアカバー10が、背面部3Rとの間で隙間Sを形成しているので、当該隙間Sを介して熱のやり取りが行われるので、背面部3Rにおける放熱性を損なうこともない。
【0036】
樋部12に関して言うと、リアカバー10と背面部3Rとの間の隙間Sにおいて、雨などの水滴が入りやすい背面部3Rの上部に横樋部121を設けているので、水滴の浸入を好適に防ぐことができる。また、横樋部121に連続して縦樋部122を設けているので、横樋部121から流れる水で背面部3Rが濡れることを防ぎつつケーシング3の下部に流すことができる。
【0037】
また、リアカバー10が、樋部12を流れた水を受け、樋部12の下端部よりも下側に水を排水させる排出部102を有するので、樋部12から流れる水によって背面部3Rなどのケーシング3が濡れることをより一層防ぐことができる。この排出部102により樋部12からの水がケーシング3の下側に案内されるので、地面等で跳ね返る水の高さを低くすることができ、ケーシング3が濡れにくくなる。
【0038】
リアカバー10の外面に1又は複数の凸条101を形成し、当該凸条101の上向き面が下り勾配を有する傾斜面101xであることから、リアカバー10の外面に付着した水の切れが良くなり、外観を良くすることができる。また、リアカバーの機械的強度を増すこともできる。
【0039】
<3.その他の実施形態>
例えば、リアカバー10の内面に設けられる樋部12は、1つの横樋部121と2つの縦樋部122とを有する構成であったが、1つの横樋部121と当該1つの横樋部121の一端部に連続する1つの縦樋部122とを有する構成であっても良い。
【0040】
また、前記実施形態のリアカバー10は、左右に延びる凸条101を有する構成であったが、この凸条101を有さない構成であっても良い。さらにリアカバー10の外面に撥水加工を施しても良い。放熱をさらに良くするため、アルミなどの材質の凸条を有しても良い。
【0041】
その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて様々な実施形態の変形や組み合わせを行っても構わない。
【符号の説明】
【0042】
100・・・可搬型ガス分析装置
2・・・分析用機器
3・・・ケーシング
3F・・・前面部
3R・・・背面部
31・・・通気スリット
301・・・枠部材
301h・・・開口部
4・・・操作部(タッチパネル式ディスプレイ)
5・・・配管用コネクタ
6・・・電源用コネクタ
10・・・リアカバー
S・・・隙間
101・・・凸条
101x・・・上向き面(傾斜面)
102・・・排出部
12・・・樋部
121・・・横樋部
122・・・縦樋部
13・・・サイドカバー
14・・・保護フィルム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7